JP5471392B2 - ピリジルエタンチオール化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はピリジルエタンチオール化合物の製造方法に関する。詳しくは、医薬、農薬などの合成中間体として有用な化合物であり、特に、フェノール化合物とカルボニル化合物とからビスフェノール化合物を製造する際の酸性触媒として用いられるスルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の変性剤としても有用なピリジルエタンチオール化合物を工業的に有利に製造する方法に関する。
従来、ピリジルエタンチオール化合物の製造方法としては、多くの提案がなされており、例えば、エタノール溶媒中でパラトルエンスルホン酸の存在下に4−ビニルピリジンと含硫黄化合物であるチオ尿素とを反応させてイソチオロニウム塩を生成させ、次いで、これをアンモニア水中で2−(4−ピリジル)エタンチオールに転化させる方法(例えば非特許文献1参照)が知られており、さらにこの方法を改良した発明も提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
そして、水性溶媒中でイソチオロニウム塩の生成反応を行い、次いで、その液をアンモニア水溶液と反応させることにより、イソチオロニウム塩を単離することなく簡便に2−(4−ピリジル)エタンチオールを製造する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、従来法では、イソチオロニウム塩を加水分解させてチオール化合物を製造する際に、ポリマーが副生し、収率の低下を引き起こすと共に、製造装置内に生成したポリマーが固形物となって付着することによる装置汚れ、更には送液障害や配管閉塞の問題があり、また、反応後の抽出による目的物の回収操作にも支障を来すという問題がある。
ピリジルエタンチオール化合物の製造設備において、運転を継続することによる装置汚れ(装置内壁への固着物の生成)が著しい場合には、配管閉塞のために装置の運転を継続し得なくなり、運転を停止して装置内に付着した固形分を除去するための洗浄操作を行うなど、頻繁にメンテナンスを行う必要があり、装置の稼動効率、更には生産効率を悪化させる原因となる。
特許文献4には、アルカリ水溶液中でイソチオロニウム塩を加水分解させてチオール化合物を製造する際のポリマーの副生を抑制してチオール化合物を高収率で製造する方法として、イソチオロニウム塩の加水分解を、トルエン等の水に不溶性の有機溶媒の存在下に行う方法が提案されている。
特開平11−228540号公報 特開平11−255748号公報 特開2002−220373号公報 特開2005−170820号公報
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)26,82(1961)
特許文献4の方法によれば、イソチオロニウム塩の加水分解時のポリマーの副生を抑制して収率の向上を図ることができるが、十分であるとは言えず、未だ固形物の析出、付着による装置汚れの問題があり、収率においてもなお一層の向上が望まれる。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、ビニルピリジン類とチオ尿素とを反応させてイソチオロニウム塩を得、得られたイソチオロニウム塩を加水分解してピリジルエタンチオール化合物を製造する方法において、ピリジルエタンチオール化合物を高収率で製造すると共に、製造設備における固着物の生成、配管閉塞等の問題を防止して、運転効率、生産効率の向上を図ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、水及び炭化水素系溶剤存在下にイソチウロニウム塩を合成することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明(請求項1)のピリジルエタンチオール化合物の製造方法は、ビニルピリジン類とチオ尿素とを反応させてイソチオロニウム塩を得、得られたイソチオロニウム塩を加水分解するピリジルエタンチオール化合物の製造方法であって、該ビニルピリジン類とチオ尿素とを、水及び炭化水素系溶媒の存在下に反応させることを特徴とする。
請求項2のピリジルエタンチオール化合物の製造方法は、請求項1において、該炭化水素系溶媒がトルエンであることを特徴とする。
請求項3のピリジルエタンチオール化合物の製造方法は、請求項1又は2において、該ビニルピリジン類が2−ビニルピリジンであり、該ピリジルエタンチオール化合物が2−(2−ピリジル)エタンチオールであることを特徴とする。
本発明によれば、ビニルピリジン類とチオ尿素とを反応させるに際し、水及び炭化水素系溶媒の存在下に反応を行うことにより、収率の向上を図ると共に、製造設備内における固形分の析出、生成が防止され、この固形分が装置内壁に付着したり、隅部や狭幅部に滞留したりすることによる、送液障害や配管閉塞の問題も防止される。また、反応後の抽出による目的物の回収操作も円滑に行うことができる。
このため、運転を停止して装置内部の固着物を洗浄除去するなどのメンテナンス頻度が低減されると共に、装置の稼動効率が向上し、メンテナンス頻度の低減、稼動効率の向上で、ピリジルエタンチオール化合物の製造コストの低減、生産効率の向上を図ることが可能となる。
以下に本発明のピリジルエタンチオール化合物の製造方法及び酸性触媒の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されるものではない。
まず、本発明において、ピリジルエタンチオール化合物の製造原料として用いるビニルピリジン類について説明する。
本発明で使用されるビニルピリジン類は以下の一般式(I)によって示される。
Figure 0005471392
(I)式中、nは1〜5の整数であり、R、R、R、R及びRからなる群から選択される少なくとも1つは−CH=CH基であり、−CH=CH基でないR、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ビニル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ官能基、炭素原子数6以上のアリールオキシ官能基、炭素原子数1〜10の脂肪族官能基、炭素原子数6以上の芳香族官能基、隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数5以上の脂環式環、及び隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数6以上の芳香族環からなる群から選択される1種である。
このビニルピリジン類は、目的とするピリジルエタンチオール化合物の構造に対応して適宜選択使用され、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンや2−メチル−4−ビニルピリジン、4−メチル−2−ビニルピリジン、2,4−ジビニルピリジン、2,6−ジビニルピリジン、3,5−ジビニルピリジンなどの置換ビニルピリジン類などを挙げることができるが、これらに限定されない。また、これらのビニルピリジン類は、本発明の効果を阻害しない範囲、及び、得られるピリジンエタンチオール化合物の使用等に際して障害とならない範囲で、エチルピリジン、2−イソプロペニルピリジン、4−イソプロペニルピリジン、2−(2−ピリジル)エタノール、2−(4−ピリジル)エタノール等の不純物を含んでいてもよい。
特に、本発明においては、以下の理由から、ビニルピリジン類が2−ビニルピリジンであり、この2−ビニルピリジンから2−(2−ピリジル)エタンチオールを製造する場合に有効である。
即ち、ビニルピリジン類のうち、2−ビニルピリジンは、特にそのビニル基とピリジン環の窒素原子の位置とから、2−(2−ピリジル)エタンチオールを合成する際に重合し易く、ポリマーが多くなりやすい。このため、ビニルピリジン類とチオ尿素とを水及び炭化水素系溶媒の存在下に反応させる本発明による効果が、特に有効に発揮される。
本発明においては、まず、上述のようなビニルピリジン類とチオ尿素とを酸の存在下に反応させ、下記一般式(II)で表されるイソチオロニウム塩を合成するが、本発明では、このビニルピリジン類とチオ尿素との反応を、水と炭化水素系溶媒の存在下に行う。
Figure 0005471392
(II)式中、nは1〜5の整数であり、R、R、R、R及びRからなる群から選択される少なくとも1つは(−C−S−C(NH)(NH)鎖であり、(−C−S−C(NH)(NH)鎖でないR、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ビニル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ官能基、炭素原子数6以上のアリールオキシ官能基、炭素原子数1〜10の脂肪族官能基、炭素原子数6以上の芳香族官能基、隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数5以上の脂環式環、及び隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数6以上の芳香族環からなる群から選択される1種である。
は用いた酸の残基である。
ここで、酸としては、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸、硫酸、塩酸、硝酸などの一般的な無機酸等が使用される。これら中では、取り扱いの容易な点から、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン酸や硫酸が好ましく、特に、パラトルエンスルホン酸又は硫酸が好ましい。
酸は、ビニルピリジン類に対し、化学量論量以上となるように使用されるが、大過剰に使用した場合は、副反応を起す可能性があるため、ビニルピリジン類に対し、通常4当量以下、好ましくは3当量以下となるように使用される。
また、チオ尿素は、ビニルピリジン類に対し化学量論量ないしこれより若干過剰に使用されるが、ビニルピリジン類に対し、通常1.5当量以下、好ましくは1.3当量以下である。
本発明において、水と共に反応溶媒として用いる炭化水素系溶媒は、水に不溶性で、水と相分離し得るものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などが使用される。これらの炭化水素系溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、チオール化合物の溶解度の観点からトルエンが好適である。
本発明により、このような炭化水素系溶媒と水の存在下にビニルピリジン類とチオ尿素とを反応させることによるピリジルエタンチオール化合物の収率の向上及びポリマーの生成の防止の効果が奏される作用機構の詳細は明らかではないが、ビニルピリジン類が希釈されることで重合速度が遅くなり、ポリマーの生成量が減少することによるものと推定される。
炭化水素系溶媒の使用量は、ビニルピリジン類に対し、好ましくは0.5〜10容量倍、より好ましくは1〜3容量倍である。炭化水素系溶媒の使用量が少な過ぎると、ポリマーの生成を抑制する効果が小さく、収率の低下、装置内への固形物(ポリマー)の付着、更には配管の閉塞などの問題が生じる。炭化水素系溶媒の使用量が多すぎると、反応液量が多くなるため、過大な反応設備が必要となり、設備投資に多大な費用が掛かる。また、炭化水素系溶媒は反応後蒸留により除去する必要があるため、使用量が多いと蒸留のコストが掛かる。
一方、水の使用量は、ビニルピリジン類に対し、好ましくは1〜20容量倍、より好ましくは3〜10容量倍である。水の使用量が少な過ぎると、酸の濃度が高くなることにより副反応が起こりやすくなり選択性が低下するなどの問題が生じ、多すぎると、酸の濃度が低くなることにより、ビニルピリジン類とチオ尿素との反応が著しく遅くなり、ビニルピリジン類の重合反応などの副反応が起こりやすくなり、収率低下などの問題が生ずる。また反応液量が多くなるため、過大な反応設備が必要となり、設備投資に多大な費用が掛かる。
また、炭化水素系溶媒と水の使用量比については、容量比で、炭化水素系溶媒:水=1:1〜10、特に1:2〜5の範囲とすることが好ましい。この範囲よりも水が多く、炭化水素系溶媒が少ないとポリマーの生成を抑制する効果が小さくなり、特に本発明の効果が得られにくい場合があり、逆に炭化水素系溶媒が多く、水が少ないと、上記水の必要量を確保するために反応液量が多くなるため、過剰な反応設備が必要となり、設備投資に多大な費用がかかるということがある。
反応は、反応溶媒中に酸とチオ尿素を加えて溶解させた後、撹拌下にビニルピリジン類を滴下し、好ましくは窒素などの不活性ガス雰囲気下で行われる。反応液中の酸の濃度は、反応操作の容易性が損われない限度で高い方が好ましく、硫酸であれば、通常5〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。また、反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは50〜100℃のであり、反応時間は通常1〜10時間である。
反応系に反応溶媒として水と炭化水素系溶媒とを存在させる方法には特に制限はなく、例えば、予めビニルピリジン類と炭化水素系溶媒とを混合し、それをチオ尿素を溶解した酸水溶液へ加えても良く、また、炭化水素系溶媒をチオ尿素を溶解した酸水溶液へ加えて、油水二相としておき、そこへビニルピリジン類を加えてもよい。また、炭化水素系溶媒の一部をチオ尿素を溶解した酸水溶液へ加えて油水二相としておき、そこへビニルピリジン類と炭化水素系溶媒の残部とを混合したものを加えてもよい。
次いで、イソチオロニウム塩の生成反応が完了した後、得られたイソチオロニウム塩をアルカリ加水分解して、下記一般式(III)で表されるピリジルエタンチオール化合物を得る。
Figure 0005471392
(III)式中、nは1〜5の整数であり、R、R、R、R及びRからなる群から選択される少なくとも1つは(−C−SH)鎖であり、(−C−SH)鎖でないR、R、R、R及びRは各々独立に、水素原子、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、ビニル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ官能基、炭素原子数6以上のアリールオキシ官能基、炭素原子数1〜10の脂肪族官能基、炭素原子数6以上の芳香族官能基、隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数5以上の脂環式環、及び隣接する環置換基を介してピリジン環と縮合した炭素原子数6以上の芳香族環からなる群から選択される1種である。
上記一般式(III)において、−C−SH基のピリジン環への置換位置は特に制限はなく、2位(オルト位)、3位(メタ位)、4位(パラ位)のいずれでもよいが、前述の如く、本発明のピリジルエタンチオール化合物の製造方法では、−C−SH基がピリジン環の2位に置換した2−(2−ピリジル)エタンチオールの製造に好適である。
イソチオロニウム塩の加水分解反応は、具体的には、上記のイソチオロニウム塩生成の反応液にアルカリを加えて液性をアルカリ性にすることにより行われる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物を使用することもできるが、アンモニアを使用するのが好ましい。アンモニアを使用した場合、分解反応は下記のように進行する。
Figure 0005471392
(上記反応式中、Xは一般式(II)におけると同義である。)
アンモニアの所要量は、イソチオロニウム塩に対して化学量論上は2倍モルであるが、反応を十分に進行させるため、通常は過剰に使用する。アンモニアの使用量は、具体的には、イソチオロニウム塩溶液中に存在する前工程の酸を中和するのに要する量に加え、原料として使用したビニルピリジン類に対し、通常3〜15倍モル、好ましくは3〜5倍モルである。アンモニアの使用量が多過ぎる場合は一般に収率が低下するが、これは生成したピリジルエタンチオール化合物が副反応を起すためと推定される。なお、アンモニアは、通常、取扱いの容易なアンモニア水として使用されるが、その濃度は、後続する濾過及び抽出工程での操作性を考慮して適宜に決定すればよい。通常は5〜28重量%程度のアンモニア水が使用される。
イソチオロニウム塩からピリジルエタンチオール化合物への加水分解反応は、撹拌下、30〜70℃の温度で0.5〜10時間で完了する。この加水分解反応は室温でも進行するが反応速度が遅く、一方、高温で反応を行うと、副反応が起きて収率が低下する傾向となる。
反応終了後は、酸として芳香族スルホン酸を使用した場合は、反応生成液を10℃程度まで冷却し、副生したグアニジニウム塩を析出させ、更にトルエン等の抽出溶媒を加えて濾過し、不溶物を除去する。濾滓は、更に抽出溶媒で洗浄し、洗浄液は濾液と合体させる。次いで、濾液を分液し、抽出溶媒相を回収する。
一方、酸として硫酸などの無機酸を使用した場合は、冷却によってグアニジウム塩は析出しないため、上記の濾過を省略し、有機溶媒による抽出操作を直接行えばよい。また、条件によっては少量のポリマー状の不溶物が見られる場合があるが、この場合、少量の酸を添加して液性を中性にすれば不溶物は消失するので、そのまま抽出操作を行えばよい。
上記の何れの場合も、水相は、更に抽出溶媒で抽出し、得られた抽出溶媒相を先に得られた抽出溶媒相と合体する。合体した抽出溶媒相から抽出溶媒を留去した後、残液を減圧蒸留することにより、目的とするピリジルエタンチオール化合物を得ることができる。
なお、抽出溶媒としては、ピリジルエタンチオール化合物の溶解性に優れるものであれば特に制限はなく、前述の炭化水素系溶媒と同様の有機溶媒を用いることができる。
また、抽出に使用した溶媒を必要に応じて蒸留などの手段により精製して、繰り返し抽出溶媒として使用することもできる。
次に、このような本発明のピリジルエタンチオール化合物の製造方法により製造されたピリジルエタンチオール化合物(以下、「本発明のピリジルエタンチオール化合物」と称す場合がある。)、或いはチオール基が保護された本発明のピリジルエタンチオール化合物を用いて、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基を変性してなる酸性触媒について説明する。
この変性に供するスルホン酸型陽イオン交換樹脂は、スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応で得られたスチレン系共重合体にスルホン酸基を導入したものである。
ここで、スチレン系モノマーとは、スチレン、又はスチレンのベンゼン環若しくはスチレンのビニル基にイオン交換樹脂としての機能を損なわない範囲の任意の置換基を有するモノマーであるが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマーや、オリゴマーの末端がスチリル構造になっているようなマクロモノマーであってもよい。なお、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。後述の「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
スチレン系モノマーとしては、好ましくは下記式(IV)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005471392
(IV)式中、X、X、Xは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルシリルオキシ基、ニトロ基、ニトリル基のいずれかを示し、Yは、水素原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、フェニル基やナフチル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基、アルコキシアルキル基、ニトロ基、アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、アルコキシカルボニル基、アリルアルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アラルキルオキシカルボニルオキシ基、又はアルキルシリルオキシ基を示す。mは1から5までの整数であり、X、X、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、またmが2以上の場合の複数のYは同一でも異なっていてもよい。
スチレン系モノマーとしては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の、ベンゼン環が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレンや、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン等の、ビニル基が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレン等が挙げられる。
これらのスチレン系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
スチレン系モノマーとしては、これらの中でも、スチレンが最も好ましい。
一方、架橋性モノマーは、分子内に上記スチレン系モノマーと共重合可能な炭素−炭素二重結合を2以上有する化合物であり、具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等のアルキルジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(4−ビニルフェニル)スルホン等の、2以上のベンゼン環が直接又はアルキレン基、スチリレン基などの連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジビニル化合物が挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマー、オリゴマーの両末端がスチリル構造、(メタ)アクリル構造のような重合性炭素−炭素二重結合を有するマクロモノマーでもよい。
これらの架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、ジビニルベンゼンによっては、製造される際に副生物としてエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)が生成し、これを多量に含有している場合もあるが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用することができる。
スチレン系共重合体の製造に用いる重合性モノマーは、前記スチレン系モノマーと前記架橋性モノマーとを含むが、それ以外に、必要に応じて、更にこれらと重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。このような重合可能なモノマー(以下「第3のモノマー」と言う場合がある。)の具体例としては、ビニルナフタレンやビニルアントラセンなどの、ナフタレンやアントラセン、フェナントレンなどの多環芳香族骨格を有するビニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、イソプレン等のジエン系炭化水素化合物;1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン;(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、このような第3のモノマーを使用することにより、耐酸化性が増す等の効果が得られるが、この場合、その使用量はスチレン系モノマーに対して、通常50モル%以下、好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。第3のモノマーの使用量が多すぎると、得られる共重合体に導入することができる単位重量当たりのスルホン酸基の量が少なくなり、所望の触媒活性を得られないことがある。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーを重合させて得られるスチレン系共重合体の架橋度は1%以上が好ましく、2%以上が更に好ましく、また8%以下が好ましく、5%以下が更に好ましい。ここで言う架橋度とは、重合に供する重合性モノマー中の架橋性モノマーの重量基準での濃度をいい、当該分野において使われている定義と同様である。
この架橋度が小さすぎると、得られる陽イオン交換樹脂の強度を保つことが困難となり、ビスフェノール化合物製造用触媒として反応に供するに際し、使用前にフェノール化合物やフェノール化合物と水との混合溶媒等に接触させてコンディショニングを行う時の膨潤、収縮により、陽イオン交換樹脂の破砕等が生じるため好ましくない。一方、架橋度が大きすぎると、得られる共重合体粒子が膨潤しにくくなるので、共重合体粒子内の拡散抵抗が生じ易くなり、触媒活性の著しい低下を生じることから好ましくない。
スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いて公知の技術に基づいて行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の1種又は2種以上が用いられ、通常、重合性モノマーの重量(全モノマー重量)に対して0.05重量%以上、5重量%以下で用いられる。
重合様式は、特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の種々の様式で行うことができ、必要に応じて篩による分級等を行うこともできる。
共重合反応における重合温度は、通常、室温(約18〜25℃)以上、好ましくは40℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。重合温度が高すぎると解重合が併発し、重合完結度がかえって低下する。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となる。
また、重合雰囲気は、空気もしくは不活性ガス下で実施可能であり、不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン等が使用できる。
上記の共重合反応で得られたスチレン系共重合体にスルホン酸基を導入する(スルホン化)方法は、特に限定されるものではなく、常法に従って行うことができる。
例えば、有機溶媒の非存在下、あるいは、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、プロピレンジクロライド等の有機溶媒の存在下、共重合体を、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸等のスルホン化剤と反応させることにより行われる。ここで有機溶媒、スルホン化剤は、いずれも、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この際の反応温度は、通常0〜150℃程度で、スルホン化剤及び使用する有機溶媒に応じて適宜選択される。
スルホン化された共重合体を、常法に従って、洗浄、単離等により分離することで、スルホン酸型の強酸性陽イオン交換樹脂を得る。
本発明において、強酸性陽イオン交換樹脂としての交換容量(スルホン酸基の量)は、含水状態の樹脂の、単位体積当り、通常0.5meq/mL以上、好ましくは1.0meq/mL以上であり、一方、通常3.0meq/mL以下、好ましくは2.0meq/mL以下である。また、乾燥状態の樹脂では、単位体積当り、通常1.0meq/g以上、好ましくは2.0meq/g以上であり、一方、通常6.0meq/g以下、好ましくは5.5meq/g以下である。含水状態の樹脂から付着水を取り除いた湿潤状態では、通常0.5meq/g以上、好ましくは1.0meq/g以上であり、一方、通常3.0meq/g以下、好ましくは2.0meq/g以下である。この交換容量が低過ぎると触媒活性が不足し、また、過度に交換容量の高い陽イオン交換樹脂は製造困難である。
この強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量は、例えば「ダイヤイオン、イオン交換樹脂・合成吸着剤マニュアル1」(三菱化学株式会社刊、改訂4版、平成19年10月31日発行、133〜135頁)に記載される方法や、これに準じた方法で求めることができる。
なお、ここで用いられるスルホン酸型陽イオン交換樹脂の主な形態としては、ゲル型と多孔質型(MR型:macroreticular型)が挙げられるが、ビスフェノール化合物の製造に用いる場合、製造コストの観点から、ゲル型が好ましい。また、物質拡散性や、樹脂の耐久性、強度の確保の観点で、多孔質型(ポーラス型、ハイポーラス型、又はマクロポーラス型)も好ましい。ゲル型には単純ゲル型共重合体及び拡大網目型ゲル共重合体があり、いずれも用いることができる。一方、MR型は多孔性共重合体であって、表面積、気孔率、平均孔径などが任意のものを用いることができる。
ゲル型又は多孔質型のスルホン酸型交換樹脂とする方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば「イオン交換樹脂その技術と応用」(オルガノ株式会社発行、改訂版、昭和61年5月16日発行、13〜21頁)に従って製造することができる。
得られたスルホン酸型陽イオン交換樹脂を本発明のピリジルエタンチオール化合物により変性する方法としては特に限定されず、代表的な方法としては、本発明のピリジルエタンチオール化合物を、水性溶媒もしくは有機溶媒中で陽イオン交換樹脂と反応させて、陽イオン交換樹脂のスルホン酸基にイオン結合させる方法が挙げられる。具体的には、水、アルコール、ケトン、エーテル、フェノール等の適当な溶媒に当該ピリジルエタンチオール化合物を溶解させた溶液、もしくは溶媒により希釈されていないピリジルエタンチオール化合物を直接、溶媒中に分散させた陽イオン交換樹脂に滴下などの方法により混合し、攪拌する方法等が挙げられる。この方法により、陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部とピリジルエタンチオール化合物とが反応することによりイオン結合して中和され、変性が行われる。
変性に当たり、本発明のピリジルエタンチオール化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のピリジルエタンチオール化合物は、ビスフェノール化合物製造時の助触媒として、転化率、選択率の向上効果に優れているが、中でも2−(2−ピリジル)エタンチオール及び2−(4−ピリジル)エタンチオールが転化率や選択率の向上及び長期に亘って使用した場合の活性低下が少ないことから更に好ましい。
本発明のピリジルエタンチオール化合物は精製された高純度のものを用いるのが好ましいが、変性後の強酸性陽イオン交換樹脂を触媒として使用する際に反応を著しく阻害しない範囲で、ジスルフィド等の不純物を含んでいてもよい。また、このような不純物の生成を抑える為に、塩酸や硫酸等の鉱酸との塩となって安定化されているものを用いてもよい。
チオール基が保護された本発明のピリジルエタンチオール化合物を用いる場合、チオール基の保護基としては、チオール基を保護することが可能な基であれば特に限定されず、例えば「Green's Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, Wiley(2007)」に記載されている保護基及び保護する方法を用いることで保護が可能である。具体的な例としては、tert−ブチル基のような安定なカルボカチオンを生じる脂肪族保護基で保護したチオエーテル体、アセチル基のようなアシル保護基で保護したチオエステル体、カーボネート保護基で保護したチオカーボネート体、ベンジル保護基で保護したベンジルチオエーテル体、ケトンやアルデヒドで保護したジチオアセタール体等が挙げられる。
なお、陽イオン交換樹脂を本発明のピリジルエタンチオール化合物又はチオール基が保護された本発明のピリジルエタンチオール化合物により変性する割合(変性率)は、スルホン酸型陽イオン交換樹脂の全スルホン酸基の3モル%以上とするのが好ましく、5モル%以上とするのがより好ましい。また70モル%以下とするのが好ましく、50モル%以下とするのが更に好ましく、30%以下とするとより好ましい。これにより、ビスフェノール化合物製造時の縮合反応に必要なスルホン酸基の量の低下による触媒活性低下を引き起こすことなく、チオール化合物が助触媒として働く効果を最大限に発現させることができる。変性率が小さすぎる場合は反応性の向上効果が低くなる傾向にあり、触媒としての活性や寿命が不十分となる傾向にある。また、変性率が大きすぎる場合は、反応に関与するスルホン酸基の量が少なくなるので、反応性が低下する傾向がある。また、高価なチオール化合物を多く使用することになるので、経済的にも好ましくない。
次に、上述のような酸性触媒を用いて、フェノール化合物とカルボニル化合物とを縮合反応させることにより、ビスフェノール化合物を製造する方法について説明する。
フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応は、フェノール性水酸基の強いオルト−パラ配向性、特にパラ配向性を利用するものと考えられ、従って、使用するフェノール化合物はオルト位又はパラ位に置換基のないものが好ましい。中でも、縮合反応生成物であるビスフェノール化合物は、その用途の点から4,4’−ビスフェノール化合物が一般的に好ましく、この点からパラ位に置換基のないフェノール化合物を用いることが好ましい。
フェノール化合物が置換基を有する場合、置換基はフェノール性水酸基のオルト−パラ配向性を阻害せず、また、カルボニル化合物の縮合位置に対して立体障害を及ぼさない限り、得られるビスフェノール化合物の用途や物性に応じて任意のものでありうる。典型的な置換基としては、例えば炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。また、該置換基の代わりに、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が置換したフェノール化合物についても、同様の置換位置の化合物を使用することができる。置換基の数は1つでも複数でもよい。
フェノール化合物としては、具体的には、例えば、フェノール(無置換のフェノール)、o−クレゾール、m−クレゾール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール等が挙げられる。これらの中ではフェノールが特に好ましい。
一方、カルボニル化合物としては特に制限はないが、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等の炭素数3〜10程度のケトン類、及び、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等の炭素数1〜6程度のアルデヒド類が挙げられる。これらの中では、アセトンが好ましい。
フェノール化合物としてフェノールを使用し、カルボニル化合物としてアセトンを使用した場合、ポリカーボネート樹脂等の原料として有用なビスフェノールAを得ることができるので、特に好ましい。
縮合反応の原料として用いるフェノール化合物とカルボニル化合物のmol比は、カルボニル化合物1molに対してフェノール化合物が通常2mol以上、好ましくは4mol以上であり、通常40mol以下、好ましくは30mol以下とする。フェノール化合物の使用量が少なすぎると、副生物が増加する傾向があり、一方、多すぎてもその効果に殆ど変化はなく、むしろ回収、再使用するフェノール化合物の量が増大するため経済的でなくなる傾向がある。
フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応を行うに際しては、製造量や装置の制約等に応じて、連続法、半連続法、及びバッチ法等を任意に選択することが可能であり、反応器は単独でもよく、複数の反応器を並列、或いは直列に接続して製造する方法や、これらの方法や反応器を組み合わせて製造することも可能である。これらの製造方法は単独の反応方法でもよく、別の方法としては、例えば複数の反応器を用いて連続法とバッチ法を並列で行う等の方法も選択可能である。
反応に際しては、フェノール化合物とカルボニル化合物は別々に反応器に供給してもよく、混合して供給してもよい。また、カルボニル化合物を反応開始時に一度に反応に供してもよく、複数回に分割して反応に供してもよい。
また、フェノール化合物とカルボニル化合物とを反応させるに際し、前述の変性に用いた本発明のピリジルエタンチオール化合物、その他のチオール化合物及び/又は変性に使用できないようなチオール化合物を共存させて反応させてもよい。ここで「変性に使用できないようなチオール化合物」とは、チオール基或いは保護されたチオール基を含有するものの、陽イオン交換樹脂のスルホン酸基とイオン結合し得るような官能基を含有していないチオール化合物のことをいい、例えば、メタンチオール、エタンチオール等のアルカンチオール類が挙げられる。これらは1種を用いても、複数種を用いてもよく、フェノール化合物及び/又はカルボニル化合物に溶解させて反応に供しても、フェノール化合物及び/又はカルボニル化合物とは別に供給してもよい。
反応装置も加熱装置や冷却装置を有する反応器や断熱反応器等、必要に応じて種々の装置を用いることが可能である。
ビスフェノール化合物の製造において、反応方式としては、反応効率や運転の容易さから、連続法が好ましい。連続法としては、酸性触媒を充填した反応器にフェノール化合物とカルボニル化合物とを連続的に供給して反応を行う方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、固定床流通方式、流動床方式、及び連続撹拌方式のいずれでもよいが、酸性触媒を固定床とし、フェノール化合物とカルボニル化合物とを連続的に供給、流通させる、固定床流通方式が好ましい。
固定床流通方式、流動床方式、及び連続撹拌方式で縮合反応を行う場合には、原料であるフェノール化合物とカルボニル化合物との供給は、フェノール化合物湿潤状態の酸性触媒を基準として、フェノール化合物とカルボニル化合物との合計が通常液空間速度(LHSV)0.05hr−1以上、好ましくは0.2hr−1以上で、通常20hr−1以下、好ましくは10hr−1以下で行う。特に固定床流通方式で反応を行う場合、必要に応じて装置の上部及び/又は下部にスクリーンなどを設けて、充填した酸性触媒が装置外に流出せずに反応液だけが流通できるようにしてもよい。原料は反応装置の上部から下部に流しても(ダウンフロー式)、装置の下部から上部に流しても(アップフロー式)よい。固定床流通方式の場合、アップフロー式では触媒の流動化やそれに伴う触媒の流出が生じやすく、一方、ダウンフロー式では圧力損失(差圧)が生じやすい等の問題点が知られているので、これらの問題点も勘案した上で都度適切な方法を選択すればよい。この圧力損失は、触媒の量やLHSV、使用する機器の能力等に応じて、適当な範囲を選択することができる。
ビスフェノール化合物の製造における反応温度は、通常、反応溶液が固化せずに液状で存在しうる温度で行なわれ、例えば、フェノール化合物がフェノールの場合は40℃以上、好ましくは50℃以上である。反応温度が高いほど反応速度的には有利であるが、酸性触媒の耐熱温度の点から反応器内の最高温度が120℃以下、特に100℃以下となるような条件で反応させるのが好ましい。反応温度が高くなると酸性触媒の耐熱温度以下でも部分的に分解などによりスルホン酸基の脱離などが起こるので、このような観点からは、できるだけ低い温度が好ましいが、一方で温度が低すぎると生成したビスフェノール化合物が固化する場合がある。
酸性触媒をフェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応に供する際は、酸性触媒内に水分が残留していると反応の阻害要因となるため、反応に使用する前に酸性触媒内の水分を除去しておくのが好ましく、例えば原料であるフェノール化合物と接触させることにより酸性触媒内の水分を除去しておく方法が好ましい。このような処理により、反応開始時の誘導期間が短くなり、速やかに反応に使用できるようになる。
ビスフェノール化合物の製造方法に使用するフェノール化合物(後述の、ビスフェノール化合物製造プロセス内で回収・使用される以外のフェノール化合物)は、純度が高いものであればそのまま使用することもできるが、精製した後に使用するのが好ましい。フェノール化合物の精製方法としては特に制限はないが、例えばフェノール化合物を40〜110℃で一般的なスルホン酸型陽イオン交換樹脂のような酸性触媒と接触させ、フェノール化合物中に含まれる不純物を重質化させた後に蒸留して重質分を除去する方法などが挙げられる。このようにして得られるフェノール化合物を、反応器へ供給することにより反応原料として使用することができる。
また、ビスフェノール化合物の製造に使用するフェノール化合物としては、ビスフェノール化合物の製造工程で回収されたものをリサイクルして使用することも可能である。リサイクルされるフェノール化合物の例としては、反応生成液から目的とするビスフェノール化合物を分離したフェノール溶液を挙げることができる。具体的には、ビスフェノール化合物を晶析などによって固化し、固液分離工程にて固液分離する方法によってビスフェノール化合物を分離した場合に得られる、一般的に「母液」と呼ばれているフェノール溶液や、その他にも蒸留などによって分離されたフェノール溶液等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、上記の如く精製されたフェノール化合物は、固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用し、母液と共に反応器へリサイクルする等、プロセスに応じて所望の方法で使用することもできる。
その際に全量もしくは一部を分離して、酸やアルカリの触媒で処理をした後に重質分などの不純物を除去したり、更にビスフェノール化合物を回収した後に縮合反応の原料として用いることが好ましい。プロセス内で回収されたフェノール化合物をリサイクルして固液分離工程で得られた結晶の洗浄液として使用する際は、精製した後、使用するのが好ましい。
なお、実験室などの小さなスケールでは、原料として用いるフェノール化合物として精製した高純度のフェノール化合物のみを用いる場合もあるが、工業レベルのスケールでは、通常、プロセス内で回収されたフェノール化合物をリサイクルさせて使用するのが経済的にも有利である。
上記方法により製造された反応液中には目的とするビスフェノール化合物と共に、大過剰のフェノール化合物、未反応のカルボニル化合物、縮合反応時に生成した不純物等が含まれているので、これらの溶液の中から目的とするビスフェノール化合物を取り出す必要がある。反応液から目的物質であるビスフェノール化合物を分離精製する方法は特に制限はなく、公知の方法に準じて行なわれるが、目的物質が、ビスフェノールAの場合を例として、分離精製方法の代表例を以下に説明する。
上記縮合反応に引き続いて、低沸点成分分離工程において、縮合反応で得られた反応液をビスフェノールAとフェノールとを含む成分と、反応で副生する水、未反応アセトン等を含む低沸点成分とに分離する。低沸点成分分離工程は、減圧下に蒸留によって低沸点成分を分離する方法で行なわれるのが好ましく、低沸点成分にはフェノール等が含まれていてもよい。ビスフェノールAとフェノールとを含む成分は、必要に応じて、さらに蒸留等によってフェノールを除去したり、フェノールを追加することによって、ビスフェノールAの濃度を所望の濃度に調整することができる。
続いて、晶析工程においてビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶を含有するスラリーを得る。晶析工程に供するビスフェノールAとフェノールとを含む成分のビスフェノールAの濃度は、得られるスラリーの取り扱いの容易さ等から、10〜30重量%が好ましい。また晶析方法の例としては、ビスフェノールAとフェノールとを含む成分を直接冷却させる方法、水等の他の溶媒を混合し、当該溶媒を蒸発させることによって冷却を行なう方法、さらにフェノールを除去して濃縮を行なう方法、及びこれらを組み合わせる方法等が挙げられ、所望の純度の付加物を得るために1回もしくは2回以上晶析を行ってもよい。当該晶析工程で得られたスラリーは、固液分離工程において減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過等により付加物の結晶と母液とに固液分離され、ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶が回収される。当該晶析工程で、晶析に供するビスフェノールAとフェノールとを含む成分の組成や晶析条件を調整することによってビスフェノールAの結晶を晶析によって直接得ることもできる。
当該固液分離工程で得られた付加物の結晶を、続く脱フェノール工程において、溶融後にフラッシュ蒸留、薄膜蒸留、スチームストリッピング等の手段を単独、あるいは複数組み合わせることによってフェノールを除去することにより、高純度の溶融ビスフェノールAを得る。除去されたフェノールは所望により精製され、反応や上記固液分離工程で得られた付加物の結晶の洗浄等に供することができる。得られた高純度の溶融ビスフェノールAは、造粒工程において固化されるが、ノズルから噴射させ、冷却ガスと接触させることにより小球状のビスフェノールAプリルを得る方法が簡便で好ましい。なお、脱フェノール工程を経ることなく、固液分離工程で得られた付加物の結晶から、再度、晶析を行いビスフェノールAのみを晶析により得ることもできる。
また、系内の不純物の蓄積を防止する目的で、固液分離工程で分離された母液の少なくとも一部を不純物処理工程において処理することもできる。例えば、アルカリ又は酸を混合して加熱処理した後に蒸留して軽質分と重質分とに分離し、軽質分を酸触媒等により再結合反応処理して反応に使用するのが経済性の点でも好ましい。ここで重質分を系外にパージすることにより不純物の蓄積を防止し、製品の純度を向上させることができる。また、母液の少なくとも一部を酸触媒によって異性化した後、晶析を行なうことによってビスフェノールAの回収率の向上を図ることもできる。
低沸点成分分離工程で得られた低沸点成分は、アセトン循環工程によって未反応アセトンを分離回収し、回収されたアセトンを反応工程に循環させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、2−ビニルピリジンから製造された2−(2−ピリジル)エタンチオール粗生成物の純度は、以下の条件のガスクロマトグラフィー(GC)分析により求めた。
<GC分析>
ガスクロマトグラフィー:島津製作所製「GC−2014」
カラム:GL Sciences製「TC−5」(60m×0.32mm×1.00μm)
検出器:FID
キャリアーガス:He
[実施例1]
ジャケット付きの4口セパラブルフラスコ(容量約700mL)に、撹拌モータ、窒素ガス導入管を付したジムロート冷却管、及び温度計を取り付け、29重量%硫酸水溶液254.2g(0.75モル)と、チオ尿素27.2g(0.36モル)と、トルエン51.7gとを仕込んだ。窒素雰囲気下、攪拌しながらジャケットに温水を流して70℃まで加熱した後、シリンジポンプを用いて2−ビニルピリジン30.0g(0.29モル)を約2時間かけて滴下し、その後、70℃に保ちながら引き続き5時間反応を行った。
この反応液中の水及びトルエンの2−ビニルピリジンに対する容量比は表1に示す通りである。
この反応液を20℃まで冷却し、攪拌下、28重量%アンモニア水108.4g(アンモニアとして1.78mol)を液温が上がらないように注意しながら約2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃まで昇温し、更に、3時間撹拌した。撹拌停止後、分液ロートに反応液を移して2相に分離した。上相(トルエン相)を取り出し、更に下相(水相)をトルエン51.7gで2回抽出した。
この反応において、フラスコ内壁及び撹拌翼への固形物の付着は認められなかった。
また、上記トルエン相を全て集め、バス温度30〜60℃、圧力1.0kPaで、ロータリーエバポレータによりトルエンを留去することにより、2−(2−ピリジル)エタンチオール粗生成物36.5g(純度95.8%)を得た。仕込んだ2−ビニルピリジンに対する2−(2−ピリジル)エタンチオールの収率は87.8%であった。
[実施例2]
ジャケット付きの4口セパラブルフラスコ(容量約700mL)に、撹拌モータ、窒素ガス導入管を付したジムロート冷却管、及び温度計を取り付け、29重量%硫酸水溶液254.2g(0.75モル)と、チオ尿素27.2g(0.36モル)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、攪拌しながらジャケットに温水を流して70℃まで加熱した後、シリンジポンプを用いて2−ビニルピリジン30.0g(0.29モル)をトルエン51.7gで希釈した溶液を約1.2時間かけて滴下し、その後、70℃に保ちながら引き続き5時間反応を行った。
この反応液中の水及びトルエンの2−ビニルピリジンに対する容量比は表1に示す通りである。
この反応液を20℃まで冷却し、攪拌下、28重量%アンモニア水108.4g(アンモニアとして1.78mol)を液温が上がらないように注意しながら約2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃まで昇温し、更に、3時間撹拌した。撹拌停止後、分液ロートに反応液を移して2相に分離した。上相(トルエン相)を取り出し、更に下相(水相)をトルエン51.7gで2回抽出した。
反応後、フラスコ内壁及び撹拌翼に付着した固形分を掻き取りにより回収したところ、回収量は0.25gであり、仕込んだ2−ビニルピリジンに対する割合は0.8重量%であった。
また、上記トルエン相を全て集め、バス温度30〜60℃、圧力1.0kPaで、ロータリーエバポレータによりトルエンを留去することにより、2−(2−ピリジル)エタンチオール粗生成物36.5g(純度95.9%)を得た。仕込んだ2−ビニルピリジンに対する2−(2−ピリジル)エタンチオールの収率は88.1%であった。
[比較例1]
ジャケット付きの4口セパラブルフラスコ(容量約700mL)に、撹拌モータ、窒素ガス導入管を付したジムロート冷却管、及び温度計を取り付け、29重量%硫酸水溶液254.2g(0.75モル)と、チオ尿素27.2g(0.36モル)とを仕込んだ。窒素雰囲気下、攪拌しながらジャケットに温水を流して70℃まで加熱した後、シリンジポンプを用いて2−ビニルピリジン30.0g(0.29モル)を約2時間かけて滴下し、その後、70℃に保ちながら引き続き5時間反応を行った。
この反応液を室温迄冷却した後、トルエン51.7gを添加し、さらに反応液を20℃まで冷却した。攪拌下、反応液に、28重量%アンモニア水108.4g(アンモニアとして1.78mol)を液温が上がらないように注意しながら約2時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃まで昇温し、更に、3時間撹拌した。撹拌停止後、分液ロートに反応液を移して2相に分離した。上相(トルエン相)を取り出し、更に下相(水相)をトルエン51.7gで2回抽出した。
反応後、フラスコ内壁及び撹拌翼に付着した固形分を掻き取りにより回収したところ、回収量は0.96gであり、仕込んだ2−ビニルピリジンに対する割合は3.2重量%であった。
また、上記トルエン相を全て集め、バス温度30〜60℃、圧力1.0kPaで、ロータリーエバポレータによりトルエンを留去することにより、2−(2−ピリジル)エタンチオール粗生成物36.1g(純度93.1%)を得た。仕込んだ2−ビニルピリジンに対する2−(2−ピリジル)エタンチオールの収率は85.5%であった。
上記実施例1,2及び比較例1の結果を表1にまとめる。
表1より、本発明によれば、製造設備における固着物の生成を抑えて高純度のピリジルエタンチオール化合物を高収率で製造することができることが分かる。
Figure 0005471392

Claims (3)

  1. ビニルピリジン類とチオ尿素とを反応させてイソチオロニウム塩を得、得られたイソチオロニウム塩を加水分解するピリジルエタンチオール化合物の製造方法であって、該ビニルピリジン類とチオ尿素とを、水及び炭化水素系溶媒の存在下に反応させることを特徴とするピリジルエタンチオール化合物の製造方法。
  2. 該炭化水素系溶媒がトルエンである請求項1に記載のピリジルエタンチオール化合物の製造方法。
  3. 該ビニルピリジン類が2−ビニルピリジンであり、該ピリジルエタンチオール化合物が2−(2−ピリジル)エタンチオールである請求項1又は2に記載のピリジルエタンチオール化合物の製造方法。
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