JP6184689B2 - 燃料電池システムのノイズを低減するための消音器 - Google Patents
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Description
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、特許文献1,2,3,4及び5がある。
本発明が解決しようとする他の課題は、前記消音器が装着された燃料電池システムを提供することである。
弁モジュール70は、燃料循環ライン101と燃料供給ライン102とが連結される地点に挿入され、燃料循環ライン101を通じて、燃料電池10から、燃料電池10に循環される低濃度燃料の流れと、燃料供給ライン102を通じて、燃料ストレージ20から、燃料電池10に供給される高濃度燃料の流れとを制御する。ここで、燃料循環ライン101は、燃料電池10から排出された未反応燃料が再び燃料電池10に流入される経路にあるパイプを表し、燃料供給ライン102は、燃料ストレージ20から燃料電池10に新たに供給される燃料が流れる経路にあるパイプを表す。
循環ポンプ43は、弁モジュール70の燃料流れの制御によって、弁モジュール70から燃料循環ライン101を通じて移送された低濃度燃料と、燃料供給ライン102を通じて移送された高濃度燃料とのうち少なくとも一つを吸入して、第2熱交換器62を通じて混合器80に排出する。循環ポンプ43から排出された燃料は、第2熱交換器62を通過する際、第2熱交換器62の熱交換動作によって、燃料の温度が調整される。混合器80は、循環ポンプ43から排出された低濃度燃料と高濃度燃料とを混合し、このような混合過程を経て生成された適正濃度の燃料を燃料電池10に供給する。
一般的に、拡張型消音器は、入口管の断面積と拡張室の断面積との差によって、拡張型消音器に入射した音波の一部は、反射され、残りは、拡張室に進み、次いで、拡張室の断面積と出口管の断面積との差によって、拡張室に進行した音波の一部は、反射され、残りは、出口管に進む構造を有する。このように、拡張型消音器に入射した音波の一部が反射されることによって、拡張型消音器によってノイズが低減する。拡張型消音器の入口管及び出口管の断面積をA1とし、拡張室の断面積をA2とし、拡張室の長さをLとすると、拡張型消音器の透過損失は、次の数式1から計算される。数式1中、fは、拡張型消音器によって低減しようとするノイズの目標周波数であり、cは、音速である。
一般的に、共鳴器は、これに流入された空気がバネとして作動することによって、共鳴周波数の音波を発生させる構造を有する。共鳴器によって反射された逆相(reverse phase)の音波は、この反射波と同じ共鳴周波数の音波を消滅させる。このような共鳴器の代表的な例としては、ヘルムホルツ共鳴器(helmholts resonator)が挙げられる。ヘルムホルツ共鳴器の空洞(cavity)の体積をVとし、共鳴器のネック(neck)の長さをLとし、共鳴器のネックの断面積をAとすると、ヘルムホルツ共鳴器の共鳴周波数は、次の数式2から計算される。数式2中、cは、音速である。
このように、第1共鳴器211のネック2111は、第1拡張室111の内部に突出しており、第1共鳴器211に連結された第1拡張室111の内部空気が第1共鳴器211のネック2111の孔に流入され、このように流入された空気は、第1共鳴器211のネック2111の孔から、第1共鳴器211に連結された第1拡張室111の内部に排出される。同様に、第2共鳴器212のネック2121は、第3拡張室113の内部に突出しており、第2共鳴器212に連結された第3拡張室113の内部空気が、第2共鳴器212のネック2121の孔に流入され、このように流入された空気は、第2共鳴器212のネック2121の孔から、第2共鳴器212に連結された第3拡張室113の内部に排出される。
前述したように、第2共鳴器212の目標共鳴周波数は、第1共鳴器211の目標共鳴周波数の半分に当たる。共鳴器のネックの長さ及び断面積の調整によって、この共鳴器の共鳴周波数は調整されるが、消音器100の設計者が所望する共鳴周波数に合わせるには、限界がある。これは、第2共鳴器212の空洞2122の体積が、第1共鳴器211の体積のほぼ2倍になると、目標共鳴周波数を有する第1共鳴器211及び第2共鳴器212が容易に具現される可能性があるということを意味する。図3A及び図3Bを参照すると、第1共鳴器211の空洞2112は、一つの拡張室111と一つの隔壁とを共有し、第2共鳴器212の空洞2122は、二つの拡張室112,113と二つの隔壁とを共有する。このように、3個の拡張室111,112,113の形態及び体積がほぼ同じである場合、第1共鳴器211の空洞2112は、一つの拡張室111と一つの隔壁とを共有し、第2共鳴器212の空洞2122は、さらに多い二つの拡張室112,113と二つの隔壁とを共有することによって、第2共鳴器212の空洞2122の体積は、第1共鳴器211の体積のほぼ2倍になる。
一方、前述した拡張室111,112,113及び共鳴器211,212のみでは、軍用規格のノイズ条件を完全に満たすことができない。図9に示されたように、図3A及び図3Bに示された消音器100によって、500Hz〜2.5kHzの周波数帯域の音圧レベルが大きく低下したが、依然として軍用規格のノイズ条件を満たさない周波数帯域があるということが分かる。これは、図3A及び図3Bに示された消音器100以外の他のノイズ低減手段によって解決される。例えば、空気ポンプ41の自体振動によって発生するノイズは、空気ポンプ41の装着方式を改善することによって解決される。
空気ポンプ41と空気ポンプ41のホルダー411との間に挿入されたゴムパッキングの硬度は、空気ポンプ41のホルダー411と燃料電池システムの内部フレームとの間に挿入されたゴムパッキングの硬度よりも高くしている。例えば、空気ポンプ41と空気ポンプ41のホルダー411との間に挿入されたゴムパッキングの硬度は、70%であり、空気ポンプ41のホルダー411と燃料電池システムの内部フレームとの間に挿入されたゴムパッキングの硬度は、30%である。空気ポンプ41の固定のために、空気ポンプ41と空気ポンプ41のホルダー411とは、一体型に結合されることが望ましい。したがって、空気ポンプ41と空気ポンプ41のホルダー411との間には、さらに高い硬度のゴムパッキングが挿入される。一方、空気ポンプ41のホルダー411と燃料電池システムの内部フレームとは、端子に押し込まれたゴムパッキングのクラックを通じて、ボルトとナットとを締結することによって結合されるため、ゴムパッキングの硬度が低いとしても、空気ポンプ41の固定に大きく影響を与えない。したがって、空気ポンプ41のホルダーと燃料電池システムの内部フレームとの間には、空気ポンプ41の振動を最大限減らすために、さらに低い硬度のゴムパッキングが挿入される。
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から離脱しない範囲で変形された形態に具現される可能性があるということが分かる。したがって、開示した実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるすべての差異点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
1110 入口管
1112 第1中間管
1123 第2中間管
1130 出口管
211,212 共鳴器
2111,2121 ネック
2112,2122 空洞
411 ホルダー
Claims (10)
- 燃料電池システムに装着される消音器において、
前記燃料電池システムの所定装置に連結され、前記所定装置から排出された空気のノイズを連鎖的に低減する複数の拡張室と、
前記拡張室のうち少なくとも一つの拡張室に連結され、前記少なくとも一つの拡張室から流入された空気のノイズを、前記拡張室によって低減されるノイズの周波数帯域とは異なる周波数帯域で低減する少なくとも一つの共鳴器と、
を備え、
前記拡張室のうちいずれか一つは、前記所定装置から空気が流入される入口管を備え、前記拡張室のうち前記入口管を備えた拡張室とは異なる他の一つは、前記拡張室へ流入された空気が排出される出口管を備え、前記拡張室の間には、中間管が挿入されており、
前記拡張室及び前記少なくとも一つの共鳴器の空洞は、前記消音器の内部空間が複数の隔壁によって分割されることによって形成された空間であり、
前記少なくとも一つの共鳴器の第1共鳴器の空洞は、前記拡張室のうち少なくとも一つの拡張室及び前記隔壁のうち一部を共有し、第2共鳴器の空洞は、前記少なくとも一つの拡張室の数よりも多い数の他の拡張室及び前記隔壁のうち一部を共有することを特徴とする消音器。 - 前記各共鳴器のネックの長さは、前記拡張室によって低減されるノイズの周波数帯域とは異なる周波数帯域の中心周波数の大きさに反比例し、前記各共鳴器のネックの断面積の大きさは、前記拡張室によって低減されるノイズの周波数帯域とは異なる周波数帯域の中心周波数の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記隔壁の数は、前記拡張室の数と前記少なくとも一つの共鳴器の空洞の数との和に比例することを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記空洞の体積は、前記拡張室によって低減されるノイズの周波数帯域とは異なる周波数帯域の中心周波数の大きさに反比例することを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記拡張室のうち第1拡張室と第2拡張室との間の第1隔壁に挿入された第1中間管の出口端が、前記第2拡張室と第3拡張室との間の第2隔壁に挿入された第2中間管の入口端よりも前記第2隔壁に隣接して位置することによって、前記第1中間管の出口から前記第2拡張室の内部へ排出された空気は、逆流する形態で前記第2中間管の入口に流入されることを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記少なくとも一つの共鳴器の各共鳴器のネックは、前記各共鳴器に連結された拡張室の内部に突出しており、前記各共鳴器に連結された拡張室の内部空気が前記各共鳴器のネックの孔に流入され、前記流入された空気は、前記各共鳴器のネックの孔から、前記各共鳴器に連結された拡張室の内部へ排出されることを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 前記所定装置は、前記燃料電池システムの燃料電池へ空気を供給する空気ポンプであり、前記出口管は、前記燃料電池システムの燃料電池のカソード側の入口に連結され、前記出口管から排出された空気は、前記燃料電池のカソード側の入口に流入されることを特徴とする請求項1に記載の消音器。
- 燃料を利用して電力を生産する燃料電池と、
前記燃料電池に少なくとも燃料及び空気を供給するBOPと、
前記BOPの空気ポンプと前記燃料電池のカソード側の入口との間に挿入され、前記空気ポンプから排出された空気のノイズを低減する消音器と、
を備え、
前記消音器は、前記空気ポンプから排出された空気のノイズを連鎖的に低減する複数の拡張室を備え、
前記消音器は、前記拡張室のうち少なくとも一つの拡張室に連結され、前記少なくとも一つの拡張室から流入された空気のノイズを、前記拡張室によって低減されるノイズの周波数帯域とは異なる周波数帯域で低減する少なくとも一つの共鳴器をさらに備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記空気ポンプと前記空気ポンプのホルダーとの間には、第1ゴムパッキングが挿入されており、前記ホルダーと前記燃料電池システムの内部フレームとの間には、第2ゴムパッキングが挿入されていることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
- 前記第1ゴムパッキングの硬度は、前記第2ゴムパッキングの硬度よりも高いことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
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