JP2009110923A - 燃料電池システム用の流体センシング導管及び燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム用の流体センシング導管及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池システムにQCM濃度センサを装着するのに使用可能なセンサ設置のためのバイパスチャネル構造及びこれを備えた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素を含有する燃料と酸化剤との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池スタック、及び該燃料電池スタックに燃料を供給する燃料供給部を備える燃料電池と、内蔵されたQCM濃度センサで燃料電池内に存在する溶液の濃度を測定するためのQCM濃度センシング部と、該QCM濃度センシング部のセンシング結果に応じて、燃料電池の駆動を制御するための駆動制御部と、を含む。
【選択図】図2a

Description

本発明は、QCM濃度センサを備えた燃料電池システムに関し、特に、燃料電池システムにQCM濃度センサを装着するのに使用可能なセンサ設置のためのバイパスチャネル構造及びこれを備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、メタノール、エタノール、天然ガスなどの炭化水素系の物質内に含有されている水素と酸素との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させる発電システムである。
燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、高分子電解質型燃料電池、アルカリ燃料電池などに分類される。これら各々の燃料電池は、基本的に同じ原理によって作動するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。
これらのうち、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell;PEMFC)は、他の燃料電池に比べて出力特性がはるかに高く、作動温度が低く、さらに、早い始動及び応答特性を有する。したがって、高分子電解質型燃料電池は、携帯用電子機器用のような移動用電源や、自動車用動力源のような輸送用電源はもちろん、住宅、公共ビルの静止型発電所のような分散用電源など、その応用範囲が広いというメリットがある。
また、燃料電池には、液状の燃料をスタックに直接供給できる直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell;DMFC)がある。直接メタノール型燃料電池は、高分子電解質型燃料電池とは異なり、燃料改質器を用いないことから、小型化にさらに有利である。
直接メタノール型燃料電池は、基本的に、スタック、燃料タンク、及び燃料ポンプなどを備える。スタックは、通常、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)とセパレータとからなる単位燃料電池が数個から数十個積層された構造を有する。ここで、膜電極接合は、高分子電解質膜を挟んで電解質膜の両面にアノード電極とカソード電極とが配置された構造を有する。
一方、直接メタノール型燃料電池においては、アノード電極及びカソード電極に供給される燃料のモル濃度により、その運転効率に大きな差がある。例えば、アノード電極に供給される燃料のモル濃度が高ければ、現在使用可能な高分子電解質膜の限界により、アノード側からカソード側に移る燃料の量が増加する。これにより、カソード電極側で酸化反応する燃料によって逆起電力が発生し、出力が減少する。このように、直接メタノール型燃料電池は、その構成及び特性により、所定の燃料濃度で最適の運転効率を有する。したがって、直接メタノール型燃料電池システムでは、安定かつ効率的な運転のため、燃料のモル濃度を適切に調節する方法が求められている。
また、直接メタノール型燃料電池は、スタックや燃料タンク、リサイクルタンクといった設備に貯蔵された溶液、または設備間の配管内に流動する溶液の濃度を測定する手段を備えることができる。この場合、燃料の濃度を測定することにより、燃料電池システムの駆動状態を推定することができ、推定結果に応じて燃料電池システムをなす各構成要素を制御することにより、燃料電池システムの駆動効率を高めることができる。
また、高分子電解質型燃料電池においても、カソード側の排出物質の凝縮液のような溶液状の物質が存在し得、目的によっては、溶液に対する濃度センシングが必要となる。
特開2004−095376号公報 大韓民国特許公開第2006−0089748号明細書 大韓民国特許公開第2006−0111023号明細書
前述のように、燃料電池において、溶液の濃度測定は、その性能の向上において非常に重要な役割を果たしている。しかし、溶液の濃度測定のための測定装置を小型燃料電池システムに利用するため、濃度測定装置は、その大きさがより小さいこと、正確な濃度センシングを保障すること、迅速な濃度センシングを保障すること、費用が割安であること、といった多くの要求事項を最適に満足しなければならない。
要求事項を満足させるため、高分子吸着型濃度センサ、超音波発生器及び検出器からなる超音波型濃度センサ、溶液による電極間の抵抗を測定する抵抗測定型濃度センサなど、公知の濃度センサを燃料電池に適用させたものが多数個提案されている。しかし、現在までに燃料電池に適用された従来の濃度センサは、いずれも前述した要求事項の全てを十分に満足することができなかった。
さらに、小型濃度センサは、測定しようとする液体の流速に敏感に反応する。したがって、燃料電池システムにおいて、濃度測定が最も必要な燃料供給管などへの小型濃度センサの設置は、非常に困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、割安な価格で正確な燃料溶液の濃度を測定することが可能な、新規かつ改良された燃料電池システム用の流体センシング導管及び燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、センシングしようとする溶液が流動する主伝達経路と、該主伝達経路を流れる流体中の一部が分流し、内部にセンサが装着されるバイパスチャネルと、を含むことを特徴とする、燃料電池システム用の流体センシング導管が提供される。
また、上記センサは、上記バイパスチャネルの中間領域に設置されてもよい。
また、上記バイパスチャネルは、上記主伝達経路の一部に結合し、上記溶液が流入する流入口と、上記主伝達経路の他部に結合し、上記流入口に流入した上記溶液が上記主伝達経路に流出する流出口と、上記バイパスチャネルと上記主伝達経路との間に位置する仕切壁と、を含んでもよい。
また、上記バイパスチャネルの中間領域の断面積は、上記流入口及び上記流出口より広くしてもよい。
また、上記センサは、QCMセンサであってもよい。
また、上記バイパスチャネルは、上記溶液の流れ方向に対する垂直方向の断面が狭い長方形状または狭い楕円形状を有してもよい。
また、上記バイパスチャネルの一部領域と連通し、当該一部領域よりも幅が広くなった空間の形態を有するセンサ配置チャネルをさらに含んでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、水素を含有する燃料と酸化剤との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池スタック、及び該燃料電池スタックに上記燃料を供給する燃料供給部を備える燃料電池と、内蔵されたQCM濃度センサで上記燃料電池内に存在する溶液の濃度を測定するためのQCM濃度センシング部と、該QCM濃度センシング部のセンシング結果に応じて、上記燃料電池の動作を制御するための駆動制御部と、を含むことを特徴とする、燃料電池システムが提供される。
また、上記QCM濃度センシング部は、センシングしようとする溶液が流動する主伝達経路と、該主伝達経路を流れる流体中の一部が分流し、内部に上記QCM濃度センサが装着されるバイパスチャネルと、を含んでもよい。
また、上記センサは、上記バイパスチャネルの中間領域に設置されてもよい。
また、上記バイパスチャネルは、上記主伝達経路の一部に結合し、上記溶液が流入する流入口と、上記主伝達経路の他部に結合し、上記流入口に流入した上記溶液が上記主伝達経路に流出する流出口と、上記バイパスチャネルと上記主伝達経路との間に位置する仕切壁と、を含んでもよい。
また、上記バイパスチャネルの中間領域は、上記流入口及び流出口より広くてもよい。
また、上記QCM濃度センシング部は、上記QCMセンサが内部に設置された流体センシング導管を含んでもよい。
また、上記バイパスチャネルは、上記溶液の流れ方向に対する垂直方向の断面が狭い長方形状または狭い楕円形状を有してもよい。
また、上記バイパスチャネルの一部領域と連通し、当該一部領域よりも幅が広くなった空間の形態を有するセンサ配置チャネルをさらに含んでもよい。
また、上記燃料供給部は、高濃度メタノールを貯蔵する燃料タンクと、上記燃料電池スタックから出る未反応燃料及び水と上記高濃度メタノールとを混合し、該混合された燃料溶液を上記燃料電池スタックに供給する混合タンクと、を含んでもよい。
また、上記主伝達経路は、混合タンクと燃料電池スタックのアノードとの間に設置された導管の一部を含んでもよい。
また、上記燃料供給部は、上記燃料タンクから上記混合タンクに伝達される上記高濃度メタノールの流動を制御する第1流量制御器と、上記混合タンクから上記燃料電池スタックのアノードに伝達される上記混合された燃料溶液の流動を制御する第2流量制御器と、上記燃料電池スタックから上記混合タンクに伝達される流体の流動を制御する第3流量制御器と、をさらに含み、上記駆動制御部は、上記QCM濃度センシング部のセンシング結果に応じて、上記第1流量御部器〜第3流量制御器の少なくとも1つを制御してもよい。
また、上記第3流量制御器は、上記燃料電池スタックから上記混合タンクに伝達される上記流体を凝縮する凝縮器を含んでもよい。
また、上記燃料電池スタックのカソードに空気を供給するための空気ポンプをさらに含んでもよい。
以上説明したように本発明によれば、割安な価格で正確な燃料溶液の濃度を測定することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、例えば、以下の説明では、本発明の思想を直接メタノール型燃料電池システムに適用した場合に具体化して説明しているが、溶液の濃度を測定する燃料電池システムであれば、酢酸燃料電池システム、エタノール燃料電池システム、または水素吸蔵合金溶液(例えば、NaBH溶液)燃料電池システムなどにも適用可能であることはいうまでもない。
また、本発明の説明では、燃料電池スタックという用語を使用したが、これは用語使用の便宜のためであって、本発明の説明に使われている燃料電池スタックとは、積層型単位電池からなるスタック、平板型単位電池からなるスタック、及び単一の単位電池のみを含む単位スタックを全て含む概念である。
(一実施形態)
図1に示す燃料電池システムは、高濃度メタノールが貯蔵された燃料タンク142と、メタノールと酸素との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池スタック110と、該燃料電池スタック110の反応副生成物と高濃度メタノールとを混合し、燃料電池スタック110のアノードに供給する混合タンク145と、該混合タンク145から燃料電池スタック110に供給されるメタノール溶液の濃度を測定するためのQCM濃度センシング部200と、該QCM濃度センシング部200のセンシング結果に応じて、燃料電池システムの駆動を制御するための駆動制御部160とからなる。
ここで、QCM濃度センシング部200は、QCM(Quartz Crystal Microbalance)を用いた溶液の濃度センサを備える。QCM濃度センサは、1対の電極間に一定厚さの水晶結晶板が位置する構造を備える。QCMを溶液の濃度センシングに利用するためには、一方の電極の少なくとも一部分を、濃度を測定しようとする溶液に漬し、この電極に加えられる微妙な力によって捻れる機械的共振点を測定する。そして、QCM濃度センサが出力する周波数を測定すると、電極にどれだけの力が加えられるかが分かり、この力に相応して溶液の密度値を得る。その後、得られた密度値を濃度値に換算すると、溶液の濃度を算出することができる。
このようなQCM濃度センサは、気体や液体の濃度測定分野に適用されており、特に、燃料電池システムのメタノール濃度の測定に特に有用である。それは、メタノールの濃度変化に対してセンサの感度がほぼ一定に比例して変化するためである。
本実施形態において、QCM濃度センシング部200は、燃料電池スタック110のアノードに最も近い位置である混合タンク145と燃料電池スタック110のアノードとの間に位置する導管126上に設置される。それは、燃料電池スタック110に供給されるメタノール水溶液の濃度を正確に測定するためである。
一方、燃料電池スタック110への燃料供給は、間欠的に行われることが一般的である。つまり、混合タンク145と燃料電池スタック110のアノードとの間に位置する導管120内を流れるメタノール水溶液の流速は一定でなく、常に変動する状態で存在する。
一方、QCM濃度センサは、液体の密度変化から濃度を推定する。そのため、流速の変化といった物理的環境の変化は、QCM濃度センシングに誤差及び/または偏差を加重させる。
本実施形態のQCM濃度センシング部200は、混合タンク145と燃料電池スタック110のアノードとの間に位置する導管126の一部をなす流体センシング導管で実現されることが好ましい。流体センシング導管は、流速の不安定さによるQCM濃度センシングに誤差及び/または偏差を防止するための構造を有する。
本実施形態では、燃料電池システムの内部に装着されるセンサの安定した駆動のため、バイパスチャネルを用いる。当該バイパスチャネルは、流体の流速及び流量の急激な変化に対して緩衝の役割を果たす。
図2a〜図2dは、本発明の一実施形態に係る燃料電池システム用の流体センシング導管を説明するための図である。図2a〜2dに示すように、本実施形態の流体センシング導管201は、センシングしようとする溶液が流動する主伝達経路20と、該主伝達経路20と平行に、溶液が流動する方向の軸を含む平面形状に形成され、内部にQCMセンサが装着されるバイパスチャネル30とからなる。
主伝達経路20は、混合タンク145と燃料電池スタック110のアノードとの間に位置する導管の一部になり得る。本実施形態の流体センシング導管201が独立した形態で製作される場合、混合タンクと燃料電池スタックのアノードとの間を流体センシング導管のみで連結するか、図2bに示すように、混合タンク145と連結された燃料供給用導管と燃料電池スタック110の燃料供給口との間に流体センシング導管を配置させる構造で実現することができる。
バイパスチャネル30は、主伝達経路20内の液体の流速の影響を最小化したまま、チャネルの内部に流れる液体の流速を常に一定にするための構造である。このため、本実施形態で提案する構造は、濃度をセンシングしようとする溶液のほとんどが通過する主伝達経路20にバイパスチャネル30を形成し、そのバイパスチャネル30中の流速が一定になる部分に濃度センサを備えるようにする形である。
図2bに示すように、バイパスチャネル30は、主伝達経路20から液体が流入する流入口40と、内部液体が主伝達経路20に復帰する流出口50とが、バイパスチャネル30と主伝達経路20との間に位置する仕切壁60により明確に分離される。
バイパスチャネル30は、主伝達経路20を介して流れる液体の一部が移動して一定の流速で流れるように、中間領域が流入口40及び流出口50より広い形状を有する。中間領域の断面は、流体の流れ方向に対して略垂直方向に延長される。
また、バイパスチャネル30は、流体の流れ方向に対する垂直方向の断面が狭い長方形状や狭い楕円形状を有するように実現することにより、流速を一定にする効果をさらに増進し、コイン状のQCMセンサの設置空間を確保することができる。
流体センシング導管201は、図2c及び図2dに示すように、バイパスチャネル30の一部領域と連通するように、一部領域の幅が一定の大きさAだけ広くなった形態を備えることができる。すなわち、本実施形態の流体センシング導管201は、QCMセンサが配置されるセンサ配置チャネル70をさらに備えることができる。このとき、流体センシング導管201は、例えば、寸法L1が略8mm、L2が略6mm、そして、主伝達経路20の直径2Rが4mmになるように設計され得る。
本実施形態の流体センシング導管201では、図2dに示すA及び/またはBのような種々の寸法の変更により、バイパスチャネル30の流体の流れ抵抗を変化させることができる。構成によると、バイパスチャネル30に流れる流体の量を容易に調節することができる。
図3は、図2c及び2dの流体センシング導管の寸法Bを0.5〜2mmの範囲に変化させながら、流体の流れの変化を示している。
図3に示す矢印は流体の移動方向を、色は速度分布を表す。各詳細図のスケールは同じで、主伝達経路20中の黒色が濃いほど、及び黒色領域の大きさが大きいほど、速度が速いことを意味する。そして、単位はA.U.である。すなわち、単位は主伝達経路の最高流速を100として相対流速を計算したものである。前述した実験結果を表に示すと、次のとおりである。
表1は、セルの厚さの変化によるバイパスチャンネル内部に流動する溶液量(Bypass flow)と、バイパスチャンネル内部に流動する溶液の流速(Bypass flow rate)とを示す。ここで、セルはバイパスチャンネルを示す。図3及び表1より、バイパスチャネルで逆流の発生なく、流体が一定方向に流れることを確認することができる。流体の流れる全般的な類型に大きな変化はないものの、セルの厚さBが増加するほど、バイパスチャネルの流入口及び流出口部分の流量が増加することが分かる。
このように、バイパスチャネルの設計と詳細寸法項目を調節することにより、流量の変動に安定的で、かつ気泡に影響されない流体センシング導管を実現することができる。
本実施形態の流体センシング導管は、QCMセンサのみならず、流速に敏感なセンサを導管上に設置してセンシングする他の構造にも適用可能であることはいうまでもない。
以下では、本発明の思想によるQCM濃度センサを設置して実現した直接メタノール型燃料電池システムの動作を説明する。しかし、図示の構造は、メタノールを燃料として使用する場合に限らず、エタノールまたは酢酸を燃料として使用する燃料電池と同様に、水溶液状態の燃料がスタックに供給される形式の燃料電池システムの場合にも適用可能である。
さらに、図1を参照すると、直接メタノール型燃料電池は、水素ガスと酸素との化学反応により電気を生成する燃料電池スタック110と、該スタック110に供給しようとする高濃度の燃料が貯蔵されている燃料タンク142と、スタック110に酸化剤を供給するための酸化剤供給部130と、スタック110から排出される未反応燃料を回収する凝縮器152と、凝縮器152から排出される未反応燃料と燃料貯蔵部140から排出される高濃度燃料とを混合させた水素含有燃料をスタック110に供給する混合タンク145とを備える。ここで、凝縮器152及び混合タンク145は、スタック110の排出物を回収及び処理するリサイクラを構成し、燃料タンク142と、混合タンク145及びポンプ146、148は、燃料貯蔵部140を構成する。
スタック110には、高分子膜と、高分子膜の両側に提供されたカソード電極及びアノード電極からなる膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;MEA)を含む単位電池が複数個提供される。アノード電極は、燃料貯蔵部140から供給される水素含有燃料を改質させ、生成された水素ガスを酸化させて水素イオン(H)及び電子(e)を発生させる。カソード電極は、酸化剤供給部130から供給される空気中の酸素を水素イオン及び電子と結合させて水を発生させる。そして、高分子膜は、アノード電極で発生した水素イオンをカソード電極に透過させるイオン交換の機能と共に、水素含有燃料の透過を抑制する機能を有する高分子電解質膜で構成される。この場合、高分子電解質膜は、約50〜200μmの範囲の厚さを有する。
単位電池において、水素ガスと酸素との化学反応の結果として生成される電気エネルギーは、電力変換装置170によって電流/電圧などが出力規格に合わせて変換され、外部負荷として出力される。実現に応じて、電力変換装置170の出力は、別途に備えられる2次電池を充電させる構造を有することができ、駆動制御部160に電源を供給する構造を有することができる。
二酸化炭素(CO)、水(HO)、及び未反応燃料は、スタック110の排出部から出て凝縮器152に移動し、凝縮器152で凝縮された未反応燃料及び水は、混合タンク145で収集される。二酸化炭素は、混合タンク145の排気孔を介して外部に流出され得る。混合タンク145に収集された未反応燃料と燃料タンク142から供給される高濃度燃料とは、混合された後、スタック110のアノード電極に供給される。
酸化剤供給部は、空気をスタック110のカソード電極に供給するための能動的な空気ポンプ130で実現するか、単に空気の流れが円滑な構造を有する受動的な通気孔で実現することができる。
駆動制御部160は、燃料タンク142のための第1ポンプ148と、混合燃料をスタック110に供給する第2ポンプ146の動作を制御する。これらのポンプのみならず、駆動制御部160は、スタック110のカソードから凝縮器152への配管123、凝縮器152から混合タンク145への配管124、スタック110のアノードから混合タンク145への配管122に設置された各ポンプの動作を制御することができる。
駆動制御部160は、デジタルプロセッサを含むことが好ましく、この場合、デジタルプロセッサには、動作のための基準クロックが入力される構造を有する。駆動制御部160の動作のための処理量及び本発明の思想による濃度センサの濃度算出部の処理量は、さほど多い水準でないことから、ハードウェアの節減のため、1つのプロセッサが駆動制御及びQCM濃度センサのセンシング値を算定する役割を兼ねるように実現することができる。
すなわち、駆動制御部160は、燃料タンク142から混合タンクへの高濃度メタノールの流動を制御する第1流量制御器として第1ポンプ148、混合タンク145から燃料電池スタック110のアノードへの混合した溶液の流動を制御する第2流量制御器として第2ポンプ146、及び燃料電池スタック110から混合タンク145への反応副生成物の流動を制御する第3流量制御器として凝縮器152を制御する。
駆動制御部160がポンプ146、148及び凝縮器152の動作を制御するのに必要な入力データには、燃料電池の各部の濃度値及び電力変換装置の生成電力の状態(電流、電圧など)、各部の温度値などになり得る。したがって、本実施形態の思想によるQCM濃度センシング部200は、図示の個所以外にも、必要に応じて、混合タンク145、ポンプ146、148などのシステム構成要素の内部や、カソードから凝縮器152への配管123、凝縮器152から混合タンク145への配管124、アノードから混合タンク145への配管122、及び燃料タンク142から混合タンク145への配管127、128、第2ポンプ146の入力/出力配管125、126などの液体流動経路上の他の個所にも設置され得る。
駆動制御部160の動作について、酸化剤供給部としての空気ポンプ130、凝縮器152、第2ポンプ146を制御し、混合タンク145内にのみ濃度センサが備えられた場合に簡略化して、説明する。
駆動制御部160は、電力変換装置170の出力電力が基準に達しなければ、多くの負荷がかかったと判断し、発電量を増やすために第2ポンプ146を稼働させ、スタックへの燃料供給を増加させる。一方、混合タンク145内の濃度が所定の基準より低ければ、凝縮器152の稼働率を増加させて未反応燃料の凝縮量を増やすか、第1ポンプ148を稼働させて燃料タンク142の原料供給を増加させる。反面、混合タンク145内の濃度が所定の基準より高ければ、凝縮器152の稼働率を減少させて未反応燃料の凝縮量を減らすか、第1ポンプ148による燃料タンク142からの原料供給を減少させる。これにより、混合タンク145からスタック110のアノード電極に供給される水素含有燃料の濃度を一定に維持し、燃料電池システムの発電効率を安定的に維持することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。この実施形態によるQCM濃度センサを備えた燃料電池システムを実施することにより、割安な価格で燃料濃度の正確な測定が可能な燃料電池システムを提供することができる。
また、QCM濃度センサは小型化することができる。そのため、本発明は、小型で、かつ高い駆動効率を有する燃料電池システムの設計自由度を向上させる効果もある。
さらに、本実施形態は、流速が不均一な溶液が流れる導管において、小型濃度センサで液状燃料の濃度を正確に測定することができる効果もある。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す構造図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システム用のセンシング導管の構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システム用のセンシング導管の構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システム用のセンシング導管の構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システム用のセンシング導管の構造を示す図である。 図2dの寸法Aの変化に応じた内部の流体の流れを示す斜視図である。
符号の説明
110 燃料電池スタック
126 導管
130 酸化剤供給部(空気ポンプ)
140 燃料貯蔵部
142 燃料タンク
145 混合タンク
146、148 ポンプ
152 凝縮器
160 駆動制御部
170 電力変換装置
200 QCM濃度センシング部(QCM濃度センサ)

Claims (20)

  1. センシングしようとする溶液が流動する主伝達経路と、
    該主伝達経路を流れる流体中の一部が分流し、内部にセンサが装着されるバイパスチャネルと、
    を含むことを特徴とする、燃料電池システム用の流体センシング導管。
  2. 前記センサは、前記バイパスチャネルの中間領域に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  3. 前記バイパスチャネルは、
    前記主伝達経路の一部に結合し、前記溶液が流入する流入口と、
    前記主伝達経路の他部に結合し、前記流入口に流入した前記溶液が前記主伝達経路に流出する流出口と、
    前記バイパスチャネルと前記主伝達経路との間に位置する仕切壁と、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  4. 前記バイパスチャネルの中間領域の断面積は、前記流入口及び前記流出口より広いことを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  5. 前記センサは、QCMセンサであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  6. 前記バイパスチャネルは、前記溶液の流れ方向に対する垂直方向の断面が狭い長方形状または狭い楕円形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  7. 前記バイパスチャネルの一部領域と連通し、当該一部領域よりも幅が広くなった空間の形態を有するセンサ配置チャネルをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム用の流体センシング導管。
  8. 水素を含有する燃料と酸化剤との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池スタック、及び該燃料電池スタックに前記燃料を供給する燃料供給部を備える燃料電池と、
    内蔵されたQCM濃度センサで前記燃料電池内に存在する溶液の濃度を測定するためのQCM濃度センシング部と、
    該QCM濃度センシング部のセンシング結果に応じて、前記燃料電池の動作を制御するための駆動制御部と、
    を含むことを特徴とする、燃料電池システム。
  9. 前記QCM濃度センシング部は、
    センシングしようとする溶液が流動する主伝達経路と、
    該主伝達経路を流れる流体中の一部が分流し、内部に前記QCM濃度センサが装着されるバイパスチャネルと、
    を含むことを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記センサは、前記バイパスチャネルの中間領域に設置されることを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記バイパスチャネルは、
    前記主伝達経路の一部に結合し、前記溶液が流入する流入口と、
    前記主伝達経路の他部に結合し、前記流入口に流入した前記溶液が前記主伝達経路に流出する流出口と、
    前記バイパスチャネルと前記主伝達経路との間に位置する仕切壁と、
    を含むことを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
  12. 前記バイパスチャネルの中間領域は、前記流入口及び流出口より広いことを特徴とする、請求項11に記載の燃料電池システム。
  13. 前記QCM濃度センシング部は、前記QCMセンサが内部に設置された流体センシング導管を含むことを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システム。
  14. 前記バイパスチャネルは、前記溶液の流れ方向に対する垂直方向の断面が狭い長方形状または狭い楕円形状を有することを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
  15. 前記バイパスチャネルの一部領域と連通し、当該一部領域よりも幅が広くなった空間の形態を有するセンサ配置チャネルをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
  16. 前記燃料供給部は、
    高濃度メタノールを貯蔵する燃料タンクと、
    前記燃料電池スタックから出る未反応燃料及び水と前記高濃度メタノールとを混合し、該混合された燃料溶液を前記燃料電池スタックに供給する混合タンクと、
    を含むことを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
  17. 前記主伝達経路は、混合タンクと燃料電池スタックのアノードとの間に設置された導管の一部を含むことを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池システム。
  18. 前記燃料供給部は、
    前記燃料タンクから前記混合タンクに伝達される前記高濃度メタノールの流動を制御する第1流量制御器と、
    前記混合タンクから前記燃料電池スタックのアノードに伝達される前記混合された燃料溶液の流動を制御する第2流量制御器と、
    前記燃料電池スタックから前記混合タンクに伝達される流体の流動を制御する第3流量制御器と、
    をさらに含み、
    前記駆動制御部は、前記QCM濃度センシング部のセンシング結果に応じて、前記第1流量御部器〜第3流量制御器の少なくとも1つを制御することを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池システム。
  19. 前記第3流量制御器は、前記燃料電池スタックから前記混合タンクに伝達される前記流体を凝縮する凝縮器を含むことを特徴とする、請求項18に記載の燃料電池システム。
  20. 前記燃料電池スタックのカソードに空気を供給するための空気ポンプをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
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