JP2010108841A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池セルの燃料極の各部に供給される燃料の濃度やバラツキが制御され、出力特性が向上された燃料電池 を提供すること。
【解決手段】燃料極13と、空気極16と、前記燃料極13と前記空気極16とによって挟持される電解質膜17とを有する膜電極接合体2と;前記膜電極接合体2の前記燃料極13側に配置され、前記燃料極13に燃料を供給するための複数の燃料排出孔22を有する燃料分配機構4と;前記膜電極接合体2と前記燃料分配機構4との間に配置され、前記燃料分配機構4から排出される燃料を拡散させて前記膜電極接合体2に供給する燃料拡散層8とを有する燃料電池1であって、前記燃料分配機構4における前記複数の燃料排出孔22の孔間隔Lと、前記燃料拡散層8の層厚みTとを調整することにより、前記燃料極13に供給される燃料の濃度とバラツキとを制御したもの。
【選択図】図1

Description

本発明は液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
特に、直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型のパッシブ方式が知られている。
このうち、内部気化型のパッシブ方式はDMFCの小型化に対して特に有利である。パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(燃料電池セル)を、樹脂製の箱状容器からなる燃料収容部上に配置した構造が提案されている。しかし、燃料収容部から気化した燃料を直接燃料電池セルに供給する場合、燃料電池の出力制御性を高めることが重要となるが、現状のパッシブ型DMFCでは必ずしも十分な出力制御性を得られていない。
このため、燃料電池セルの燃料極側に燃料分配機構を配置し、燃料電池セルに燃料を分配して供給することが検討されている。燃料分配機構は、例えば液体燃料を導入するための燃料導入孔と、この燃料導入孔に細管を介して接続され、液体燃料を排出する複数個の燃料排出孔とを有する略板状の燃料分配板からなるものとされている。そして、この燃料分配機構と燃料収容部とをポンプを有する流路によって接続し、燃料収容部から燃料分配機構へと液体燃料を供給することで、燃料分配機構の複数個の燃料排出孔から液体燃料を排出し、燃料電池セルへと燃料を供給することができる。
この際、流路の形状や径、ポンプの送液能力、燃料分配機構における燃料排出孔の配置等を調整することで、燃料分配機構から排出される液体燃料の分布や排出量を制御し、燃料電池セルの各部における燃料の供給量を均一化することができ、燃料電池の出力特性を向上させることができる。また、燃料電池セルと燃料分配機構との間には、例えば燃料拡散エネルギー低減手段として多孔質の樹脂フィルム等からなる抵抗部材を配置することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−218030号公報(例えば、図9、10参照)
上記したように、燃料分配機構を用いることで、燃料電池セルの各部における燃料の供給量を均一化することができ、燃料電池の出力特性を向上させることができる。しかし、微視的に見ると、依然として燃料電池セルの各部における燃料の供給量は異なっており、各部における燃料の濃度にはバラツキがある。
また、上記したように、燃料電池セルと燃料分配機構との間に燃料拡散エネルギー低減手段を配置することも検討されているが、単にこのようなものを設けたとしても、燃料電池セルの各部における燃料の濃度のバラツキを十分に小さくすることはできず、必ずしも燃料電池の出力特性を向上させることはできない。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、燃料極の各部に供給される燃料の濃度やバラツキが制御され、出力特性が向上された燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とによって挟持される電解質膜とを有する膜電極接合体と;前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置され、前記燃料極に燃料を供給するための複数の燃料排出孔を有する燃料分配機構と;前記膜電極接合体と前記燃料分配機構との間に配置され、前記燃料分配機構から排出される燃料を拡散させて前記膜電極接合体に供給する燃料拡散層とを有する燃料電池であって、前記燃料分配機構における前記複数の燃料排出孔の孔間隔と、前記燃料拡散層の層厚みとを調整することにより、前記燃料極に供給される燃料の濃度とバラツキとを制御したことを特徴としている。
前記複数の燃料排出孔の孔間隔と、前記燃料拡散層の層厚みとは、比例関係を有することが好ましい。特に、前記複数の燃料排出孔の孔間隔L[mm]と、前記燃料拡散層の層厚みT[mm]とは、T=α×L(但し、α=0.05〜0.7)を満たすことが好ましい。前記複数の燃料排出孔の孔間隔Lと、前記燃料拡散層の層厚みTとは、例えば前記複数の燃料排出孔の孔間隔Lを基準として前記燃料拡散層の層厚みTが決定されていてもよいし、また例えば前記燃料拡散層の層厚みTを基準として前記複数の燃料排出孔の孔間隔Lが決定されていてもよい。
前記燃料排出孔の孔径は、0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。前記燃料拡散層の気孔率は、10%以上90%以下であることが好ましい。また、前記燃料拡散層の熱伝導率は、0.03W/(m・K)以上0.3W/(m・K)以下であることが好ましい。
本発明によれば、燃料分配機構における複数の燃料排出孔の孔間隔と、燃料拡散層の層厚みとを調整し、燃料極の各部に供給される燃料の濃度とバラツキとを制御することで、燃料電池の出力特性を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の燃料電池の全体構成について説明する。図1は本発明の燃料電池の全体構成を示す断面図である。燃料電池1は、起電部を構成する燃料電池セル2と、この燃料電池セル2に燃料を供給する燃料供給機構3とから主として構成されている。燃料供給機構3は、例えば燃料分配機構4と、液体燃料を収容する燃料収容部5と、これら燃料分配機構4と燃料収容部5とを接続する流路6と、この流路6中に配置されるポンプ7とから主として構成されている。また、燃料電池セル2と燃料分配機構4との間には、燃料分配機構4から排出される液体燃料を内部で拡散させて燃料電池セル2に供給する燃料拡散層8が配置されている。
燃料電池セル2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有する燃料極であるアノード13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有する空気極あるいは酸化剤極であるカソード16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されるプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とから構成される膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を有している。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。但し、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。但し、プロトン伝導性の電解質膜17はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電体も兼ねている。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層12やカソードガス拡散層15には、必要に応じて導電層が積層される。これら導電層としては、例えばAu、Niのような導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、薄膜あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。電解質膜17と燃料分配機構4およびカバープレート18との間には、それぞれゴム製のOリング19が介在されており、これらによって燃料電池セル2からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
図示を省略したが、カバープレート18は酸化剤である空気を取入れるための開口を有している。カバープレート18とカソード16との間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層はカソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層14への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
燃料電池セル2のアノード13側には、燃料拡散層8を介して燃料供給機構3の燃料分配機構4が配置されている。燃料分配機構4は配管のような液体燃料の流路6を介して燃料収容部5と接続され、この燃料収容部5から流路6を介して燃料分配機構4に液体燃料が導入される。流路6は燃料分配機構4や燃料収容部5と独立した配管に限られるものではなく、例えば燃料分配機構4と燃料収容部5とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。
燃料収容部5には、燃料電池セル2に対応した液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部5には燃料電池セル2に応じた液体燃料が収容される。
ポンプ7は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部5から燃料分配機構4に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。このようなポンプ7で必要時に液体燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。この燃料電池1は燃料を循環させないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ7を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、例えばセミパッシブ型と呼称されるものである。
ポンプ7の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ7の送液能力は燃料電池1の主たる対象物が小型電子機器であることから、10μL/分〜1mL/分の範囲とすることが好ましい。送液能力が1mL/分を超えると一度に送液される液体燃料の量が多くなりすぎて、全運転期間に占めるポンプ7の停止時間が長くなる。このため、燃料電池セル2への燃料の供給量の変動が大きくなり、その結果として出力の変動が大きくなる。これを防止するためのリザーバをポンプ7と燃料分配機構4との間に設けてもよいが、そのような構成を適用しても燃料供給量の変動を十分に抑制することはできず、さらに装置サイズの大型化等を招いてしまう。
一方、ポンプ7の送液能力が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時のように燃料の消費量が増える際に供給能力不足を招くおそれがある。これによって、燃料電池1の起動特性等が低下する。このような点から、10μL/分〜1mL/分の範囲の送液能力を有するポンプ7を使用することが好ましい。ポンプ7の送液能力は10〜200μL/分の範囲とすることがより好ましい。このような送液量を安定して実現する上でも、ポンプ7には電気浸透流ポンプやダイアフラムポンプを適用することが好ましい。
燃料分配機構4は、例えば図2に示すように、液体燃料を導入するための少なくとも1個の燃料導入孔21と、液体燃料を排出する複数個の燃料排出孔22と、この燃料導入孔21と燃料排出孔22とを繋ぐ細管23とを有する燃料分配板24からなるものである。
複数個の燃料排出孔22は、燃料極であるアノード13の各部に供給される燃料の濃度のバラツキが小さくなるように、燃料分配板24の主面の略全面に均等な間隔となるように配置されている。また、細管23は途中で複数に分岐しており、この分岐した細管23の各終端部に燃料排出孔22が設けられている。そして、液体燃料は、燃料導入孔21から導入され、細管23を通して複数の燃料排出孔22へと導かれ、この複数の燃料排出孔22から燃料拡散層8を通してアノード13へと供給される。
このような燃料分配機構4によれば、アノード13の各部に供給される燃料の供給量を均一化することができ、発電反応を効率的に生起させ、出力特性を向上させることができる。特に、燃料導入孔21と燃料排出孔22とを細管23で繋ぐことで、燃料導入孔21に対する燃料排出孔22の方向や位置に係わらず、燃料排出孔22から均等に液体燃料を排出させることができる。
燃料拡散層8は、燃料分配機構4とアノード13との間に配置されている。具体的には、燃料分配機構4の略中央部に設けられた矩形状の凹部に埋設されるようにして配置されている。この燃料拡散層8は、燃料分配機構4から排出された液体燃料を一旦吸収し、この吸収した液体燃料を内部で面方向に拡散させることで、アノード13の各部に供給される燃料の供給量を均一化し、燃料の濃度のバラツキを小さくすることができる。
このような燃料拡散層8としては、燃料分配機構4から排出された液体燃料を拡散させることができるものであればよく、例えば多孔質状の樹脂フィルムが好適に用いられる。燃料拡散層8の気孔率は、10〜90%の範囲内であることが好ましい。燃料拡散層8の気孔率が10%未満の場合、気孔が少なすぎるために、燃料拡散層8を通過してアノード13に供給される燃料が減少し、十分な出力特性を得ることができないおそれがある。一方、燃料拡散層8の気孔率が90%を超える場合、気孔が多すぎるために、燃料分配機構4から排出された液体燃料を毛管現象により面方向に十分に拡散させることができず、アノード13の各部に供給される燃料の濃度のバラツキを小さくすることができないおそれがある。燃料拡散層8の気孔率は、好ましくは20〜60%の範囲内である。
また、燃料拡散層8の熱伝導率は、0.03W/(m・K)以上0.3W/(m・K)以下であることが好ましい。燃料拡散層8の熱伝導率が0.03W/(m・K)未満の場合、燃料電池セル2の発電に伴って発生する熱を逃すことができず、燃料電池セル2の温度が過度に上昇するおそれがある。一方、燃料拡散層8の熱伝導率が0.3W/(m・K)を超えると、燃料電池セル2で発生した熱が燃料拡散層8を通じて外部へと容易に逃げてしまい、燃料拡散層8の温度が液体燃料を拡散させるために十分な温度とならず、燃料分配機構4から排出された液体燃料を面方向に十分に拡散させることができないおそれがある。燃料拡散層8の熱伝導率を上記範囲内とすることで、燃料拡散層8の温度を適度に上昇させることができ、これにより燃料分配機構4から排出された液体燃料を面方向に十分に拡散させることができる。
このような燃料電池1では、燃料分配機構4から放出された液体燃料は燃料拡散層8を通してアノード13に供給される。さらに、アノード13に供給された燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11へと供給される。
液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が進行する。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させるか、あるいは水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生起させる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
この反応で生成された電子(e)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード16に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H)は電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には酸化剤として空気が供給されているため、カソード16に到達した電子(e)とプロトン(H)とは、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e+6H+(3/2)O → 3HO …(2)
次に、本発明の主要部について説明する。
本発明では、例えば図2に示すような燃料分配機構4における複数の燃料排出孔22の孔間隔Lと、図1に示すような燃料拡散層8の層厚みTとを調整することにより、アノード13の各部に供給される燃料の濃度とバラツキとを制御することを特徴としている。なお、以下では、アノード13の各部に供給される燃料の濃度のことを単に燃料濃度と呼び、またこの燃料濃度のアノード13の各部におけるバラツキを単に燃料濃度のバラツキあるいは単にバラツキと呼んで説明する。
上記したように燃料分配機構4や燃料拡散層8を設けることで、このようなものを設けないものと比べて燃料濃度のバラツキを小さくすることができる。しかし、微視的に見ると、依然として燃料濃度にはバラツキが残っている。また、仮に、燃料濃度のバラツキを低減できたとしても、燃料濃度が低くなってしまう場合、燃料電池1の出力特性が低下するために好ましくない。
本発明では、燃料分配機構4における複数の燃料排出孔22の孔間隔Lと、燃料拡散層8の層厚みTとを調整することにより、燃料濃度とそのバラツキとを制御し、特に燃料濃度を全体的に高くしつつ、そのバラツキの範囲を狭くすることで、結果として燃料電池1の出力特性を向上させることができる。なお、以下では燃料分配機構4における複数の燃料排出孔22の孔間隔Lのことを単に孔間隔Lと呼び、また燃料拡散層8の層厚みTのことを単に層厚みTと呼んで説明する。
具体的には、孔間隔Lが広い場合、層厚みTを厚くすることで、燃料排出孔22から排出された液体燃料を燃料拡散層8の内部で面方向に十分に拡散させることができ、結果として燃料濃度のバラツキを小さくすることができる。一方、孔間隔Lが狭い場合、必ずしも燃料排出孔22から排出された液体燃料を燃料拡散層8の内部で面方向に拡散させる必要がないため、層厚みTを薄くすることができる。また、このように層厚みTを薄くすることで、燃料濃度を全体的に高くすることができる。
孔間隔L[mm]と、層厚みT[mm]とは、比例関係を有していることが好ましく、特に以下の式(1)に示すような比例関係を有していることが好ましい。
T=α×L …(1)
(但し、α=0.05〜0.7)
このような比例関係を有するものとすることで、燃料濃度を全体的に高くしつつ、そのバラツキを狭くすることができ、結果として燃料電池1の出力特性を向上させることができる。
すなわち、式(1)に示されるように層厚みTが0.05Lよりも小さい場合、孔間隔Lに対して層厚みTが十分でないために、燃料排出孔22から排出された液体燃料を面方向に十分に拡散させることができず、燃料濃度のバラツキを十分に小さくできないおそれがある。
また、層厚みTが0.7Lよりも大きい場合、孔間隔Lに対して層厚みTが過度に厚いために、燃料排出孔22から排出された液体燃料が燃料拡散層8を十分に通過することができず、燃料濃度が低下し、十分な出力特性を得ることができないおそれがある。なお、式(1)におけるαは、さらに燃料濃度を全体的に高くしつつ、そのバラツキを小さくする観点から、より好ましくは0.1〜0.6である。
なお、孔間隔Lと、層厚みTとは、いずれを基準として他方が決定されていてもよく、例えば上記式(1)に従って孔間隔Lを基準として層厚みTが決定されていてもよく、また例えば層厚みTを基準として孔間隔Lが決定されていてもよい。
孔間隔Lは、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。孔間隔Lが10mmを超えると、層厚みTを厚くしたとしても、燃料濃度のバラツキを小さくすることができないおそれがある。また、燃料濃度のバラツキを小さくするために層厚みTを厚くする場合、燃料排出孔22から排出された液体燃料が燃料拡散層8を十分に通過することができないために、燃料濃度が低下し、十分な出力特性を得ることができないおそれがある。
一方、孔間隔Lが0.1mm未満であると、燃料排出孔22から排出された液体燃料を燃料拡散層8の内部において面方向に均一に拡散させやすいものの、過度に燃料排出孔22の個数が多くなり、燃料分配機構4の製造性が低下するおそれがある。なお、孔間隔Lは、例えば図2に示すように、燃料排出孔22の縁部から、この燃料排出孔22に隣接する燃料排出孔22の縁部までの最短距離である。
また、燃料排出孔22の孔径は、0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。燃料排出孔22の孔径が0.05mm未満であると、液体燃料を十分に排出させることができないおそれがある。一方、燃料排出孔22の孔径が1mmを超えると、液体燃料の排出量を適切に制御することができないおそれがある。
さらに、層厚みTは、0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。層厚みTが0.1mm未満の場合、層厚みTが薄すぎるために、燃料排出孔22から排出された液体燃料を面方向に十分に拡散させることができず、燃料濃度のバラツキが大きくなるおそれがある。また、層厚みTが3mmを超える場合、層厚みTが厚すぎるために、燃料排出孔22から排出された液体燃料が燃料拡散層8を十分に通過することができず、燃料濃度が低下し、十分な出力特性を得ることができないおそれがある。
また、本発明では、燃料拡散層8の燃料分配機構4側の主面のある位置における燃料の濃度をCinとし、この位置に対応する燃料拡散層8のアノード13側の主面における燃料の濃度をCoutとし、これらの比(Cout/Cin×100)を濃度比としたとき、燃料拡散層8の複数の位置において求められる濃度比(Cout/Cin×100)の平均値が25%以上となっていることが好ましい。また、このとき、複数の濃度比における最大値と最小値との差が50%以下となっていることが好ましい。
ここで、燃料の濃度Cin、Coutは、燃料拡散層8の気孔中の単位体積あたりに含まれる燃料量[mol/m]で示されるものである。また、濃度比の平均値を求めるための複数の位置は、例えば任意の数十箇所程度とすることができる。
濃度比の平均値は、全体的な燃料濃度、すなわちアノード13の各部に供給される燃料の濃度を表す指標となるものである。この濃度比の平均値が高い場合、燃料濃度、すなわちアノード13の各部に供給される燃料の濃度が全体的に高いこととなり、結果として十分な出力特性を得やすくなる。上記したように、孔間隔Lと層厚みTとを調整することにより、具体的には孔間隔Lと層厚みTとを上記式(1)を満たすように調整することにより、濃度比の平均値を25%以上と高くすることができ、結果として十分な出力特性を得やすくなる。濃度比の平均値は、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
また、濃度比の最大値と最小値との差は、濃度比のバラツキの範囲、すなわち燃料濃度のバラツキの範囲を表す指標となるものである。濃度比の最大値と最小値との差が小さい場合、濃度比のバラツキ、すなわち燃料濃度のバラツキが小さいこととなり、結果として十分な出力特性を得やすくなる。上記したように、孔間隔Lと層厚みTとを調整することにより、具体的には孔間隔Lと層厚みTとを上記式(1)を満たすように調整することにより、濃度比の最大値と最小値との差を50%以下と低くすることができ、結果として十分な出力特性を得やすくなる。濃度比の最大値と最小値との差は、より好ましくは40%以下である。
以下、実施例を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1に示すような燃料電池1を用い、図2に示すような燃料分配機構4の燃料排出孔22の孔間隔Lと、燃料拡散層8の層厚みTとを変化させて発電を行わせ、濃度比の平均値を求めた。なお、濃度比の平均値は、燃料拡散層8の任意の10箇所における燃料分配機構4側の主面の燃料の濃度Cinと、これらに対応するアノード13側の主面における燃料の濃度Coutとを求め、これらから各部における濃度比(Cout/Cin×100)を求め、さらにこれらを平均することで求めた。
また、燃料分配機構4は、燃料排出孔22の孔間隔Lを1mm、3mm、または5mmとした3種類のものを用い、いずれも燃料排出孔22の口径を0.08〜0.4mm、燃料排出孔22の個数を128個とし、燃料の供給量は15μl/分とした。一方、燃料拡散層8は、層厚みTを0.2mm、0.5mm、1mm、または2mmとした4種類のものを用い、いずれも気孔率を26%、熱伝導率を0.15〜0.25W/(m・K)とした。さらに、燃料電池セル2の面積はおよそ40mm×80mm程度とし、液体燃料として純メタノールを使用して、0.35Vの定電圧で発電を行わせた。
結果を図3〜5に示す。なお、図3〜5は、燃料排出孔22の間隔Lごとに結果を示したものであり、濃度比の平均値は黒丸で示した。また、図3〜5には、濃度比の平均値と併せて、濃度比の最大値と最小値との範囲を縦線で示した。
図3〜5に示すように、燃料拡散層8の層厚みTを式(1)に示すように燃料排出孔22の孔間隔Lの0.05〜0.7倍の範囲内とすることで、濃度比の平均値を25%以上と高くすることができ、また濃度比の最大値と最小値との差も50%以下と低くすることができることがわかる。
すなわち、図3に示すように、燃料排出孔22の孔間隔Lが1mmの場合、燃料拡散層8の層厚みTを0.2mm(α=T/L=0.2)とすることで、濃度比の平均値を40%以上とすることができ、濃度比の最大値と最小値との差も50%程度とすることができる。また、燃料拡散層8の層厚みTを0.5mm(α=T/L=0.5)とすることで、濃度比の平均値を30%程度としつつ、濃度比の最大値と最小値との差を20%程度とすることができる。
また、図4に示すように、燃料排出孔22の孔間隔Lが3mmの場合についても、燃料拡散層8の層厚みTを0.5mm(α=T/L=0.17)とすることで、濃度比の平均値を40%程度とすることができ、濃度比の最大値と最小値との差も50%程度とすることができる。また、燃料拡散層8の層厚みTを1mm(α=T/L=0.3)とすることで、濃度比の平均値を40%程度としつつ、濃度比の最大値と最小値との差を20%以下とすることができる。
さらに、図5に示すように、燃料排出孔22の孔間隔Lが5mmの場合についても、燃料拡散層8の層厚みTを1mm(α=T/L=0.2)とすることで、濃度比の平均値を35%程度とすることができ、濃度比の最大値と最小値との差も30%程度とすることができる。また、燃料拡散層8の層厚みTを2mm(α=T/L=0.4)とすることで、濃度比の平均値を30%程度としつつ、濃度比の最大値と最小値との差を10%程度とすることができる。
以上、本発明の燃料電池について説明したが、本発明は上記実施形態そのものに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。さらに、上記実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
例えば、燃料分配機構4と燃料収容部5とを接続する流路6にはポンプ7を設けることが好ましいが、必ずしもこのようなポンプ7を設けなくてもよい。また、燃料分配機構4は、燃料導入孔21と燃料排出孔22との間が細管23によって繋がれていることが好ましいが、例えば燃料分配機構4を箱状のものとし、この内部の略全体に広がる空隙部を燃料導入孔21と燃料排出孔22とを繋ぐ液体燃料の流路として用いたものであってもよい。また、膜電極接合体へ供給される燃料は、全て燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
本発明の燃料電池の一例を示す断面図。 燃料分配機構の一例を示す平面図。 燃料排出孔の孔間隔が1mmのときの燃料拡散層の層厚みと濃度比の平均値および最大・最小値との関係を示す図。 燃料排出孔の孔間隔が3mmのときの燃料拡散層の層厚みと濃度比の平均値および最大・最小値との関係を示す図。 燃料排出孔の孔間隔が5mmのときの燃料拡散層の層厚みと濃度比の平均値および最大・最小値との関係を示す図。
符号の説明
1…燃料電池、2…燃料電池セル、3…燃料供給機構、4…燃料分配機構、5…燃料収容部、6…流路、7…ポンプ、8…燃料拡散層、11…アノード触媒層、12…アノードガス拡散層、13…アノード(燃料極)14…カソード触媒層、15…カソードガス拡散層、16…カソード(空気極/酸化剤極)、17…電解質膜、21…燃料導入孔、22…燃料排出孔、23…細管、24…燃料分配板、H…燃料拡散層の層厚み、L…燃料排出孔の孔間隔

Claims (8)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とによって挟持される電解質膜とを有する膜電極接合体と;前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置され、前記燃料極に燃料を供給するための複数の燃料排出孔を有する燃料分配機構と;前記膜電極接合体と前記燃料分配機構との間に配置され、前記燃料分配機構から排出される燃料を拡散させて前記膜電極接合体に供給する燃料拡散層とを有する燃料電池であって、
    前記燃料分配機構における前記複数の燃料排出孔の孔間隔と、前記燃料拡散層の層厚みとを調整することにより、前記燃料極に供給される燃料の濃度とバラツキとを制御したことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記複数の燃料排出孔の孔間隔と、前記燃料拡散層の層厚みとは、比例関係を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記複数の燃料排出孔の孔間隔L[mm]と、前記燃料拡散層の層厚みT[mm]とは、
    T=α×L
    (但し、α=0.05〜0.7)
    を満たすことを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  4. 前記燃料拡散層の層厚みTは、前記複数の燃料排出孔の孔間隔Lを基準として決定されていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  5. 前記複数の燃料排出孔の孔間隔Lは、前記燃料拡散層の層厚みTを基準として決定されていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  6. 前記燃料排出孔の孔径は、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料電池。
  7. 前記燃料拡散層の気孔率は、10%以上90%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の燃料電池。
  8. 前記燃料拡散層の熱伝導率は、0.03W/(m・K)以上0.3W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の燃料電池。
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