JP2009193930A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電反応を促進可能とするとともに、長期間安定した出力を得ることが可能であり、長寿命化が可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】アノード13とカソードとに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体2と、燃料を収容する燃料収容部と、燃料収容部に収容された燃料を一時的に収容する燃料タンク30を備え、燃料タンク30から燃料を膜電極接合体2のアノードに供給する燃料供給機構と、燃料タンク30の内圧を制御する補器200と、を備える。
【選択図】図9

Description

この発明は、液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
例えば、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。
これらのうち、内部気化型等のパッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利である。パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を、箱状容器からなる燃料収容部上に配置した構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、DMFCの燃料電池セルと燃料収容部とを流路を介して接続することも検討されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
一方で、燃料電池においては、燃料及び酸化剤の供給を促進することが求められている。このような要求に対して、例えば、酸化剤ガス流路に送気手段を設けて酸化剤ガスを吸引・排出することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
国際公開第2005/112172号パンフレット 特表2005−518646号公報 特開2006−085952号公報 特開2001−006717号公報
パッシブ方式やセミパッシブ方式においては、物質移動のコントロールが困難である。このため、発電反応に必要な物質を適当な反応箇所に効率的に移動させることが困難であり、また、発電反応によって生成した物質を移動させて燃料電池セル外に効率的に除去することも困難である。また、物質の移動が抑制されると、他の物質の移動の障害となり得る。
この発明の目的は、発電反応に関わる物質の移動をコントロールし、発電反応を促進可能とするとともに、長期間安定した出力を得ることが可能であり、長寿命化が可能な燃料電池を提供することにある。
この発明の第1態様による燃料電池は、
燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、燃料を収容する燃料収容部と、前記燃料収容部に収容された燃料を一時的に収容する燃料タンクを備え、前記燃料タンクから燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、前記燃料タンクの内圧を制御する補器と、を備えたことを特徴とする。
この発明の第2態様による燃料電池は、
燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、燃料を収容する燃料収容部と、前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、前記膜電極接合体の前記燃料極に連通し前記燃料極の内圧を制御する補器と、を備えたことを特徴とする。
この発明の第3態様による燃料電池は、
燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、燃料を収容する燃料収容部と、前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、前記膜電極接合体の前記空気極に連通し前記空気極の内圧を制御する補器と、を備えたことを特徴とする。
この発明の第4態様による燃料電池は、
燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、燃料を収容する燃料収容部と、前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、外部から前記膜電極接合体の内圧を制御する補器と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、発電反応に関わる物質の移動をコントロールし、発電反応を促進可能とするとともに、長期間安定した出力を得ることが可能であり、長寿命化が可能な燃料電池を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。
まず、この発明における燃料電池の特長について説明する。
図1Aに示した例の燃料電池は、発電部(ないしそれに順ずる空間も含む)100と、一つ以上の補器200と、を具備する。ここに示した例では、補器200は、発電部100に接続されているが、補器200を具備する位置は任意であり、物質の授受の促進and/or抑制、物質拡散の促進and/or抑制等を内部環境の変化により可能にする全ての付属位置を含む。
図1Bに示した例の燃料電池は、発電部(ないしそれに順ずる空間も含む)100と、一つ以上の補器200と、発電部100を包括するand/or被覆する周辺機器300と、を具備する。ここに示した例では、補器200は、周辺機器300に接続されているが、図1Aに示した例と同様に、補器200を具備する位置は任意である。
図1Cに示した例の燃料電池は、発電部(ないしそれに順ずる空間も含む)100と、一つ以上の補器200と、発電部100に対する非直接関係部400と、を具備する。ここに示した例では、補器200は、非直接関係部400に接続されているが、図1Aに示した例と同様に、補器200を具備する位置は任意である。
図2及び図3は、図1Aに示した例の燃料電池において、補器200の作動と環境・物質存在割合等の変化の関係を示す一例である。これらの図中においてグラフの縦軸は環境・物質存在等変化割合等を示し、図中においてグラフの横軸は、補器作動時間等補器による影響存続状態を示している。
図2に示すように、補器200が作動イメージ(吸液または吸気)201のように作動する時、発電部ないしそれに順ずる空間100における、環境等変化、物質存在割合変化イメージ線がグラフの実線や点線で示すように変化する。例えば、内圧等環境は実線で示すように変化する時、空間100からの流入等により、物質の存在量は点線で示すように変化する。
図3に示すように、補器200が作動イメージ(送液または送気)202のように作動する時、発電部ないしそれに順ずる空間100における、環境等変化、物質存在割合変化イメージ線がグラフの実線や点線で示すように変化する。例えば、内圧等環境は実線で示すように変化する時、空間100からの流入等により、物質の存在量は点線で示すように変化する。
図4に示した例の燃料電池は、発電部の空間100内に膜電極接合体2を含み、さらに、一つ以上の補器200を具備する。補器200を具備する位置は任意である。この補器200は、少なくとも減圧and/or吸液and/or吸気等の機能を有している。
作動イメージ203の様に補器200が作動したとき、空間100及びそれに含まれる内部環境が変化すると、外部空間500から、発電反応に関わる物質(図4では例として酸素(O))が空間100内及び膜電極接合体2にも流入することとなる。また、空間100内にある膜電極接合体2内部でも、発電反応に関わる物質(図4では水(HO)がカソードからアノードへと移動する。
このように、空間100の内部環境(主として内圧、その他環境因子も含む)を変化させることで、能動的に、カソード側から電解質膜やアノード側への物質移動を促進and/or抑制することを可能にする。
図5に示した例の燃料電池は、発電部の空間100内に膜電極接合体2を含み、さらに、一つ以上の補器200を具備する。補器200を具備する位置は任意である。この補器200は、少なくとも加圧and/or送液and/or送気等の機能を有している。
作動イメージ204の様に補器200が作動したとき、空間100及びそれに含まれる内部環境が変化すると、発電反応に関わる物質(図5では例として二酸化炭素(CO))が空間100内から外部空間500に排出されることとなる。
このように、空間100の内部環境(主として内圧、その他環境因子も含む)を変化させることで、能動的に、アノード側からカソード側への物質移動を促進することを可能にする。
上述した例に適用可能な補器200としては、送液、送気、吸液、及び、吸気の少なくとも1つの機能を有しており、内圧を加圧方向または減圧方向に制御する機能を有したものであって、例えば、ポンプや、逆止弁、各種制御バルブなどを適用可能である。
また、同一機能を有する補器200を複数具備しても良いし、相異なる機能を有する複数の補器200を具備しても良い。
また、例えば、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給用の補器200を一時的に、吸気and/or吸液等、他の機能を発現させて使用する構成としても良い。
また、相異なる機能を有する複数個の補器200を具備する場合において、二つの補器が、それぞれを逆位相等ある相関を以って運転する制御方法を適用しても良い。
ここで、補器200の具備位置は、同様の効果が得られれば特に限定はされない。
次に、この発明における燃料電池の具体的な構成についてより詳細に説明する。
≪基本構成≫
図6は、この実施の形態に係る燃料電池1の構造を概略的に示す断面図である。
燃料電池1は、発電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、液体燃料を収容する燃料収容部4とから主として構成されている。
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。また、触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有するものである。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層12及びカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーなどの導電性を有する多孔質基材で構成されている。
なお、図7及び図8に示した例においては、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17を4個のアノード13及び4個のカソード16によってそれぞれ挟持し、これらのアノード13とカソード16との各組み合わせが単セルCをなす構造のものを示している。ここでは、単セルCのそれぞれは、電解質膜17の平面内において、分離して配置されている。なお、膜電極接合体2の構造は、この例に限らず他の構造であっても良い。例えば、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17を挟んで単一のアノード13と単一のカソード16とを組み合わせた構造であってもよい。
図7及び図8に示したような複数の単セルCを有する膜電極接合体2においては、集電体18によって各単セルCを直列に電気的に接続されている。単一の単セルCによって構成された膜電極接合体2に対しては、特に、集電体は不要である。
このような集電体18は、アノード集電体18A及びカソード集電体18Cを有している。アノード集電体18Aは、アノードガス拡散層12に積層されている。また、カソード集電体18Cは、カソードガス拡散層15に積層されている。アノード集電体18A及びカソード集電体18Cとしては、例えば金(Au)、ニッケル(Ni)などの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することができる。
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード側及びカソード側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
膜電極接合体2のカソード16側には、絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。図6に示した例では、板状体20は、カソード集電体18Cの上に配置されている。
この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。この板状体20は、カソードガス拡散層15より熱伝導率が低い絶縁層あるいはそれに順ずる高抵抗の層であり、たとえば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体などが挙げられる。
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3とカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状のものであり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
燃料供給機構3は、箱状に形成され燃料を一時的に収容可能な燃料タンク30を備え、燃料収容部4と流路5を介して接続されている。すなわち、燃料タンク30は、燃料導入口31を有しており、この燃料導入口31と流路5とが接続されている。
この燃料タンク30は、例えば樹脂製容器によって構成される。燃料タンク30を形成する材料としては、耐メタノール性などを有していることが好ましい。燃料タンク30を形成する樹脂材料としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリフェニルサルホンなどが挙げられる。ただし、一般的なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂などで構成した燃料タンク30を除外するものではない。
この燃料タンク30は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給するように構成されている。すなわち、燃料タンク30は、燃料導入口31に連通した複数の燃料排出口33を有している。このような燃料排出口33は、主として燃料の気化成分を排出する。
なお、この燃料タンク30は、1つの燃料注入口と複数の燃料排出口とを細管によって連通した構成の燃料分配板に置換しても良い。このような燃料分配板を使用した場合、燃料注入口から注入された液体燃料は、複数に分岐した細管を介して複数の燃料排出口にそれぞれ導かれ、液体燃料を方向や位置に係わりなく、複数の燃料排出口に均等に分配することができる。従って、膜電極接合体2の面内における発電反応の均一性をより一層高めることが可能となる。
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料タンク30の燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で燃料タンク30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
燃料タンク30は、燃料拡散室30Aとして機能する空間を有するような構成であることが望ましい。この燃料拡散室30Aは、液体燃料の気化を促進するとともに、面方向への拡散を促進する機能を有している。
膜電極接合体2と燃料タンク30との間には、膜電極接合体2をアノード13側から支持する支持部材を配置しても良い。
膜電極接合体2と燃料タンク30との間には、少なくとも1つの多孔体を配置しても良い。
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。
液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
さらに、流路5には、ポンプ6が介在していても良い。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料タンク30に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料タンク30から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図6に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ6の種類は、特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。
ロータリーベーンポンプは、モータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは、電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは、電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは、柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
なお、ポンプ6と燃料タンク30との間にリザーバを設けてもよい。
また、燃料電池1の安定性や信頼性を高めるために、ポンプ6と直列に燃料遮断バルブを配置してもよい。燃料遮断バルブには、電磁石、モータ、形状記憶合金、圧電セラミックス、バイメタル等をアクチュエータとして、開閉動作を電気信号で制御することが可能な電気駆動バルブが適用される。燃料遮断バルブは、状態保持機能を有するラッチタイプのバルブであることが好ましい。
また、燃料収容部4や流路5には、燃料収容部4内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブを装着してもよい。燃料収容部4から燃料供給機構3で膜電極接合体2に燃料を供給する場合、ポンプ6に代えて燃料遮断バルブのみを配置した構成とすることも可能である。この際の燃料遮断バルブは、流路5による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
この実施の形態の燃料電池1においては、ポンプ6を用いて燃料収容部4から燃料タンク30に液体燃料が間欠的に送液される。ポンプ6で送液された液体燃料は、燃料タンク30を経て膜電極接合体2のアノード13の全面に対して均一に供給される。
すなわち、複数の単セルCの各アノード13の平面方向に対して均一に燃料が供給され、これにより発電反応が生起される。燃料供給用(送液用)のポンプ6の運転動作は、燃料電池1の出力、温度情報、電力供給先である電子機器の運転情報等に基づいて制御することが好ましい。
上述したように、燃料タンク30から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
次に、上述した基本構成の燃料電池に適用可能な実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態においては、主要部のみを図示し、基本構成と同一構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
≪第1実施形態;燃料タンク≫
第1実施形態に係る燃料電池は、図9に示すように、燃料供給機構3における燃料タンク30の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、流路5と燃料タンク30との間に配置されるものであり、少なくとも流路5を介して供給された液体燃料を燃料タンク30に向けて送液する機能を有している。
膜電極接合体2は、アノード13を構成するアノードガス拡散層12が燃料タンク30の燃料排出口33に重なるように配置されている。アノード13は、発電時において、発電反応に必要な水をある程度含んでいる。このため、発電時においては、燃料タンク30内の空間すなわち燃料拡散室30Aはある程度気密に保持されている。
このような環境下において、補器200が液体燃料を燃料タンク30に送液する場合について考える。この場合、実質的に燃料拡散室30Aの容積が小さくなり、燃料タンク30の内圧(つまり、燃料拡散室30Aの圧力)が高まる。つまり、補器200は、液体燃料の送液により燃料タンク30の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
これにより、燃料拡散室30A内の気体(空気、燃料の気化成分、アノード13において生成した二酸化炭素、水蒸気など)が液体燃料を加圧し、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。加えて、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
この場合、図9に示した例のように、アノード13と外部とを連通する流路40を設けることにより、アノード13側から外部に向けて気体を効率的に排出する経路を確保することが可能となる。
図10に示した例では、補器200に加えて、燃料タンク30の燃料拡散室30Aと外部とを連通する補器210を設けている。この補器210は、燃料拡散室30Aから気体を吸気する機能を有している。このような補器210により、アノード13側から外部に向けて気体を効率的に排出する経路を確保することが可能となる。このため、アノード13において生成した二酸化炭素を外部に排出することを可能とするとともに、燃料拡散室30Aが過加圧状態となったときのガス抜きを可能としている。このような補器210を設けた場合には、図9に示した例のような流路40を必ずしも必要としない。
図11に示した例では、補器200は、燃料タンク30の容積を可変する機能を有するものである。
発電時において、アノード13がある程度含み、且つ、流路5が閉状態あるいは燃料供給状態あるとき、燃料拡散室30Aはある程度気密に保持されている。
このような環境下において、補器200が燃料タンク30の容積を縮小するように作動すると、実質的に燃料拡散室30Aの容積が小さくなり、燃料タンク30の内圧(つまり、燃料拡散室30Aの圧力)が高まる。つまり、補器200は、燃料タンク30の容積を縮小することにより燃料タンク30の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
これにより、燃料拡散室30A内の気体が液体燃料を加圧し、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。加えて、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
この場合にも、アノード13と外部とを連通する流路40を設けてもよいし、図10に示した例と同様に、補器200に加えて、燃料タンク30の燃料拡散室30Aと外部とを連通する補器210を設けても良い。
上述した各例では、燃料タンク30の内圧を加圧方向に制御する場合について説明したが、次に示す例では、燃料タンク30の内圧を減圧方向に制御する場合について説明する。
すなわち、図15に示すように、燃料電池は、燃料供給機構3における燃料タンク30の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、燃料タンク30の燃料拡散室30Aと連通するように配置され、少なくとも燃料拡散室30A内の気体を燃料タンク外に向けて吸気する機能を有している。
発電時においては、燃料タンク30内の燃料拡散室30Aはある程度気密に保持されている状態では、燃料拡散室30Aに充満した気体(空気、燃料の気化成分、アノード13において生成した二酸化炭素、水蒸気など)が燃料タンク外に排気されることにより、燃料タンク30の内圧(つまり、燃料拡散室30Aの圧力)が低減する。つまり、補器200は、燃料拡散室の気体の吸気により燃料タンク30の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することができ、また、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。
また、燃料拡散室30Aを介して発電反応に不要な物質、例えばアノード13において生成した二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
図16に示した例では、補器200は、燃料タンク30から液体を外部に向けて吸液する機能を有している。
発電時においては、燃料タンク30内の燃料拡散室30Aはある程度気密に保持されている状態では、燃料タンク30内の液体(主として液体燃料であるが、アノード13において生成した水が含まれる場合もある)が燃料タンク外に排出されることにより、燃料タンク30の内圧が低減する。つまり、補器200は、燃料タンクの液体の吸液により燃料タンク30の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することができ、また、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。
また、燃料拡散室30Aを介して発電反応に不要な物質、例えばアノード13において生成した二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
さらに、燃料タンク30内の液体が純粋な液体燃料ではなく、アノード13において生成した水が含まれる場合、発電反応の進行によって燃料タンク30内の液体燃料が希釈されることがあるが、燃料タンク30内の液体を外部に吸液することにより、液体燃料のみならず、水も外部に排出されるため、燃料タンク30内の液体燃料の過度の希釈を抑制することが可能となる。
この場合、燃料タンク30の外部に排出した液体は、液体燃料とその他の物質例えば水とを分離する機能を有した分離機構により分離して回収することが望ましい。
図17に示した例では、補器200は、燃料タンク30の容積を可変する機能を有するものである。
発電時においては、燃料タンク30内の燃料拡散室30Aはある程度気密に保持されている状態では、補器200が燃料タンク30の容積を拡大するように作動すると、実質的に燃料拡散室30Aの容積が大きくなり、燃料タンク30の内圧が低減する。つまり、補器200は、燃料タンク30の容積を拡大することにより燃料タンク30の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することができ、また、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。
また、燃料拡散室30Aを介して発電反応に不要な物質、例えばアノード13において生成した二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
≪第2実施形態;アノード≫
第2実施形態に係る燃料電池は、図12に示すように、膜電極接合体2のアノード13に連通しアノード13の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、アノードガス拡散層12に接続され、気体(空気、水蒸気など)をアノード13に向けて送気する機能、あるいは液体(水)をアノード13に向けて送液する機能を有している。
発電時において、補器200がアノード13に向けて気体を送気した場合、アノード13の内圧が高まる。つまり、補器200は、気体の送気によりアノード13の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。また、同時に、流路5が閉状態あるいは燃料供給状態あるときには、燃料タンク30の内圧が高まる。
また、発電時において、補器200がアノードガス拡散層12に向けて水を送液した場合、アノード13内での気体の逃げ道がなくなりあるいは縮小され、アノード13の内圧が高まる。つまり、補器200は、液体の送液によりアノード13の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。また、同時に、流路5が閉状態あるいは燃料供給状態あるときには、燃料タンク30はある程度気密に保持されており、液体燃料の気化成分が燃料拡散室30A内に充満すると、燃料タンク30の内圧が高まる。
これにより、燃料拡散室30A内の気体が液体燃料を加圧し、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。加えて、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
上述した各例では、膜電極接合体2においてアノード13側の内圧を加圧方向に制御する場合について説明したが、次に示す例では、アノード13側の内圧を減圧方向に制御する場合について説明する。
すなわち、図18に示すように、燃料電池は、膜電極接合体2のアノード13に連通しアノード13の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、アノードガス拡散層12に接続され、アノード13から外部に向けて気体(空気、水蒸気、二酸化炭素など)を吸気する機能、あるいは、アノード13から外部に向けて液体(発電反応に寄与しない水など)を吸液する機能を有している。
発電時において、補器200がアノード13から気体を吸気または液体を吸液した場合、アノード13の内圧が低減する。つまり、補器200は、気体の吸気あるいは液体の吸液によりアノード13の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することができ、また、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。
また、燃料タンク30が減圧されて、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。
加えて、補器200が気体を吸気する場合には、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
≪第3実施形態;カソード≫
第3実施形態に係る燃料電池は、図13に示すように、膜電極接合体2のカソード16に連通しカソード16の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、カソードガス拡散層15に接続され、少なくとも気体である空気、酸素、水蒸気をカソード16に向けて送気するあるいは液体である水をカソード16に向けて送液する機能を有している。
発電時において、補器200がカソード16に向けて気体を送気した場合、カソード16の内圧が高まる。つまり、補器200は、気体の送気によりカソード16の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
また、発電時において、補器200がカソードガス拡散層15に向けて水を送液した場合、カソード16内での気体の逃げ道がなくなりあるいは縮小され、カソード16の内圧が高まる。つまり、補器200は、液体の送液によりカソード16の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。また、カソード16において、発電反応で生成した水のうち、アノード13での反応に不要な過剰な水の系外への蒸散を促進することが可能となる。
また、アノード13への水の拡散が促進されることにより、アノードガス拡散層12が水を含み、また、流路5が閉状態あるいは燃料供給状態あるときには、燃料タンク30はある程度気密に保持されており、液体燃料の気化成分が燃料拡散室30A内に充満すると、燃料タンク30の内圧が高まる。
これにより、燃料拡散室30A内の気体が液体燃料を加圧し、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進する。加えて、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
上述した各例では、膜電極接合体2においてカソード16側の内圧を加圧方向に制御する場合について説明したが、次に示す例では、カソード16側の内圧を減圧方向に制御する場合について説明する。
すなわち、図19に示すように、燃料電池は、膜電極接合体2のカソード16に連通しカソード16の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、カソードガス拡散層15に接続され、カソード16から外部に向けて気体(空気、水蒸気、二酸化炭素など)を吸気する機能、あるいは、カソード16から外部に向けて液体(発電反応で生成した過剰な水など)を吸液する機能を有している。なお、この構成の場合、補器200は、カソード触媒層14に接続しても良い。
発電時において、補器200がカソード16から気体を吸気または液体を吸液した場合、カソード16の内圧が低減する。つまり、補器200は、気体の吸気あるいは液体の吸液によりカソード16の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することが可能となる。
また、燃料タンク30が減圧されて、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。
加えて、補器200が気体を吸気する場合には、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
図20に示した例では、補器200は、カソード16に接続され、カソード16から外部に向けて気体(空気、水蒸気、二酸化炭素など)を吸気する機能とともにカソード16から外部に向けて発電反応で生成した水を吸液する機能を有している。また、この補器200は、カソード16から吸収した気体と水とを分離する機構を備えている。さらに、この補器200は、アノード13または電解質膜17に接続され、分離した水をアノード13に向けて送液する機能を有している。
これにより、図19に示した例で得られる物質移動の促進に加え、カソード16において発電反応で生成した水をアノード13に供給することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。
≪第4実施形態;カソード外≫
第4実施形態に係る燃料電池は、図14に示すように、系外から膜電極接合体2の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、カバープレート21の開口部21Aを介して板状体20に接続され、気体(空気、酸素、水蒸気など)をカソード16に向けて送気するあるいは液体である水をカソード16に向けて送液する機能を有している。なお、この補器200は、板状体20を貫通してカソードガス拡散層15に接続しても良い。
発電時において、補器200がカソード16に向けて気体を送気した場合、膜電極接合体2におけるカソード側の内圧が高まる。つまり、補器200は、気体の送気により膜電極接合体2におけるカソード16の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
また、発電時において、補器200が板状体20に向けて水を送液した場合、カソード16内での気体の逃げ道がなくなりあるいは縮小され、カソード16の内圧が高まる。つまり、補器200は、液体の送液によりカソード16の内圧を加圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カソード16において、発電反応で生成した水のカソード側からアノード側への拡散を促進することが可能となり、アノード13において燃料(メタノール)との反応を促進することが可能となる。また、カソード16において、発電反応で生成した水のうち、アノード13での反応に不要な過剰な水の系外への蒸散を促進することが可能となる。
また、アノード13への水の拡散が促進されることにより、アノードガス拡散層12が水を含み、また、流路5が閉状態あるいは燃料供給状態あるときには、燃料タンク30はある程度気密に保持されており、液体燃料の気化成分が燃料拡散室30A内に充満すると、燃料タンク30の内圧が高まる。
これにより、燃料拡散室30A内の気体が液体燃料を加圧し、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進する。加えて、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
上述した各例では、膜電極接合体2においてカソード16側の内圧を加圧方向に制御する場合について説明したが、次に示す例では、膜電極接合体2の内圧を減圧方向に制御する場合について説明する。
すなわち、図21に示すように、燃料電池は、系外から膜電極接合体2の内圧を制御する補器200を備えている。この補器200は、例えば、カバープレート21の開口部21Aを介して板状体20に接続され、カソード16から外部に向けて気体(空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素など)を吸気する機能、あるいは、カソード16から外部に向けて液体(発電反応で生成した過剰な水など)を吸液する機能を有している。なお、この補器200は、板状体20を貫通してカソードガス拡散層15に接続しても良い。
発電時において、補器200がカソード16から気体を吸気または液体を吸液した場合、膜電極接合体2のカソード側の内圧が低減する。つまり、補器200は、気体の吸気あるいは液体の吸液により膜電極接合体2のカソード16の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することが可能となる。
また、燃料タンク30が減圧されて、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。
加えて、補器200が気体を吸気する場合には、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
図22に示した例では、補器200は、アノード13と外部とを連通する流路40に接続され、膜電極接合体2のアノード側から外部に向けて気体(空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素など)を吸気する機能を有している。
発電時において、補器200が膜電極接合体2のアノード側から気体を吸気した場合、膜電極接合体2のアノード側の内圧が低減する。つまり、補器200は、気体の吸気により膜電極接合体2のアノード13の内圧を減圧方向に制御することが可能となる。
これにより、カバープレート21及び板状体20を介して外部からカソード16に向けて発電反応に必要な物質、例えば、酸素や水蒸気(あるいは水)の取り込みを促進することが可能となる。
また、燃料タンク30が減圧されて、液体燃料の蒸散を促進するとともに、液体燃料の拡散を促進することが可能となる。
加えて、補器200が気体を吸気する場合には、発電反応によって生成した物質のうち、不要物質、例えば二酸化炭素の系外への排出を促進することも可能となる。
上記の各実施形態は単独で実施可能であるが、複数の実施形態を組み合わせてもよいし、各実施形態における各構成例を組み合わせても良いことはいうまでもない。
上述した各実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給機構3は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、各実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、各実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
さらに、上述した各実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
図1Aは、この発明の燃料電池の構成を模式的に示す図である。 図1Bは、この発明の燃料電池の他の構成を模式的に示す図である。 図1Cは、この発明の燃料電池の他の構成を模式的に示す図である。 図2は、補器が吸液または吸気した場合の物質移動の様子を模式的に示す図である。 図3は、補器が送液または送気した場合の物質移動の様子を模式的に示す図である。 図4は、補器が減圧した場合の物質移動の様子を模式的に示す図である。 図5は、補器が加圧した場合の物質移動の様子を模式的に示す図である。 図6は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構造を概略的に示す断面図である。 図7は、図1に示した燃料電池における膜電極接合体の構造の一部の断面を概略的に示す斜視図である。 図8は、図7に示した膜電極接合体の平面図である。 図9は、第1実施形態の加圧時を説明するための図である。 図10は、第1実施形態の加圧時の他の形態を説明するための図である。 図11は、第1実施形態の加圧時の他の形態を説明するための図である。 図12は、第2実施形態の加圧時を説明するための図である。 図13は、第3実施形態の加圧時を説明するための図である。 図14は、第4実施形態の加圧時を説明するための図である。 図15は、第1実施形態の減圧時を説明するための図である。 図16は、第1実施形態の減圧時の他の形態を説明するための図である。 図17は、第1実施形態の減圧時の他の形態を説明するための図である。 図18は、第2実施形態の減圧時を説明するための図である。 図19は、第3実施形態の減圧時を説明するための図である。 図20は、第3実施形態の減圧時の他の形態を説明するための図である。 図21は、第4実施形態の減圧時を説明するための図である。 図22は、第4実施形態の減圧時の他の形態を説明するための図である。
符号の説明
1…燃料電池 2…膜電極接合体
11…アノード触媒層 12…アノードガス拡散層 13…アノード
14…カソード触媒層 15…カソードガス拡散層 16…カソード
17…電解質膜 20…板状体(保湿層) 21…カバープレート
3…燃料供給機構 4…燃料収容部 5…流路 6…ポンプ
40…流路 200…補器 210…補器

Claims (10)

  1. 燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    燃料を収容する燃料収容部と、
    前記燃料収容部に収容された燃料を一時的に収容する燃料タンクを備え、前記燃料タンクから燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、
    前記燃料タンクの内圧を制御する補器と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  2. 燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    燃料を収容する燃料収容部と、
    前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、
    前記膜電極接合体の前記燃料極に連通し前記燃料極の内圧を制御する補器と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  3. 燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    燃料を収容する燃料収容部と、
    前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、
    前記膜電極接合体の前記空気極に連通し前記空気極の内圧を制御する補器と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  4. 燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    燃料を収容する燃料収容部と、
    前記燃料収容部に収容された燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構と、
    外部から前記膜電極接合体の内圧を制御する補器と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池。
  5. 前記補器は、前記燃料タンクの容積を可変する機能を有し、内圧を加圧方向または減圧方向に制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  6. さらに、前記膜電極接合体の前記燃料極と外部とを連通する気体及び液体の少なくとも一方の流路を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  7. 前記補器は、送液及び送気の少なくとも1つの機能を有し、内圧を加圧方向に制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  8. 前記補器は、吸液及び吸気の少なくとも1つの機能を有し、内圧を減圧方向に制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  9. 前記補器は、液体と気体とを分離する機構を有したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  10. 前記膜電極接合体に供給される燃料は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液または純メタノールであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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