JP2009158420A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2009158420A
JP2009158420A JP2007338339A JP2007338339A JP2009158420A JP 2009158420 A JP2009158420 A JP 2009158420A JP 2007338339 A JP2007338339 A JP 2007338339A JP 2007338339 A JP2007338339 A JP 2007338339A JP 2009158420 A JP2009158420 A JP 2009158420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
electrode assembly
membrane electrode
fuel cell
case body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007338339A
Other languages
English (en)
Inventor
Risa Aoki
里紗 青木
Genta Omichi
元太 大道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2007338339A priority Critical patent/JP2009158420A/ja
Publication of JP2009158420A publication Critical patent/JP2009158420A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】コストアップを抑制しつつ、燃料電池において必要な空間を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】アノード13とカソード16とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体2と、
膜電極接合体2のアノード13側を覆うように配置された第1ケース体CS1と、
膜電極接合体2のカソード16側を覆うように配置された第2ケース体CS2と、を有し、
第1ケース体CS1及び第2ケース体CS2の少なくとも一方は、外方に向かって突出した形状を有することを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

この発明は、液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
例えば、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。
これらのうち、内部気化型等のパッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利である。パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を、箱状容器からなる燃料収容部上に配置した構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、DMFCの燃料電池セルと燃料収容部とを流路を介して接続することも検討されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
一方で、燃料タンクを構成する箱状容器のフランジ部と、カバープレートとの間に膜電極接合体を挟持する構造が提案されている(例えば、特許文献4参照)。これによれば、カバープレートにより箱状容器のフランジ部及び膜電極接合体を挟みつけることによって箱状容器を膜電極接合体に固定する手法(カシメ)が開示されている。
また、燃料室と膜電極接合体とをネジによる締め付け(ネジ止め)により一体化する構造も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
国際公開第2005/112172号パンフレット 特表2005−518646号公報 特開2006−085952号公報 国際公開第2006/120966号パンフレット 特開2006−1794702号公報
カシメやネジ止めといった手法を適用した構造の場合、燃料電池全体としては、概ね均一な厚みとし、略直方体をなすように形成されている。
このような燃料電池において、例えば、燃料の気化及び拡散に必要となる燃料拡散室などの空間を確保するためには、別途に部材が必要であったり、空間を形成するための形状を製造する必要があったりするため、コストアップの要因となっている。
この発明の目的は、コストアップを抑制しつつ、燃料電池において必要な空間を確保することが可能な燃料電池を提供することにある。
この発明の態様による燃料電池は、
燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の前記燃料極側を覆うように配置された第1ケース体と、
前記膜電極接合体の前記空気極側を覆うように配置された第2ケース体と、を有し、
前記第1ケース体及び前記第2ケース体の少なくとも一方は、外方に向かって突出した形状を有することを特徴とする。
この発明によれば、膜電極接合体を収納する第1ケース体及び第2ケース体の少なくとも一方は、外方に向かって突出した形状を有するため、燃料電池において必要な空間を容易に確保することが可能となる。また、このような空間を形成するために、別途の部材が不要であり、コストアップを抑制することが可能となる。
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池に関する技術について図面を参照して説明する。
図1は、この実施の形態に係る燃料電池1の主要部を概略的に示す断面図である。
燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、液体燃料を収容する燃料収容部4とから主として構成されている。
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。また、触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有するものである。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層12及びカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーなどの導電性を有する多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層12やカソードガス拡散層15には、必要に応じて導電層が積層される。これらの導電層としては、例えば金(Au)、ニッケル(Ni)のような導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。
なお、図2及び図3に示した例においては、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17を4個のアノード13及び4個のカソード16によってそれぞれ挟持し、これらのアノード13とカソード16との各組み合わせが単セルCをなす構造のものを示している。ここでは、単セルCのそれぞれは、電解質膜17の平面内において、分離して配置されている。なお、膜電極接合体2の構造は、この例に限らず他の構造であっても良い。
上述したような膜電極接合体2は、集電体18によって挟持されている。この集電体18は、特に、図2及び図3に示したような複数の単セルCを有する膜電極接合体2において、各単セルCを直列に電気的に接続するものである。
このような集電体18は、アノード集電体18A及びカソード集電体18Cを有している。アノード集電体18Aは、アノードガス拡散層12に積層されている。また、カソード集電体18Cは、カソードガス拡散層15に積層されている。
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード側及びカソード側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
膜電極接合体2のカソード16側には、任意に絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。図1に示した例では、板状体20は、カソード集電体18Cの上に配置されている。
この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。この板状体20は、カソードガス拡散層15より熱伝導率が低い絶縁層あるいはそれに順ずる高抵抗の層であり、たとえば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体などが挙げられる。
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3と第2ケース体としてのカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、カソードを覆うように配置されており、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
燃料供給機構3は、第1ケース体としてのアノードを覆うように配置された容器30を備え、燃料収容部4と流路5を介して接続されている。すなわち、容器30は、燃料導入口30Aを有しており、この燃料導入口30Aと流路5とが接続されている。
この容器30は、例えば樹脂製容器によって構成される。容器30を形成する材料としては、耐メタノール性などを有していることが好ましい。容器30を形成する樹脂材料としては、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリフェニルサルホンなどが挙げられる。ただし、一般的なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂などで構成した容器30を除外するものではない。
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。この実施の形態においては、燃料供給部31は、燃料分配板31Aを備えた構成であるが、他の構成であっても良い。
すなわち、図4及び図5に示すように、燃料分配板31Aは、少なくとも1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを有しており、細管34のような燃料通路を介して燃料注入口32と燃料排出口33とを接続した構成である。燃料通路は、燃料分配板31A内に形成した細管34に代えて燃料流通溝等で構成してもよい。この場合、燃料流通溝を有する流路板を複数の燃料排出口を有する拡散板で覆うことによって、燃料分配板31Aを構成することも可能である。
図4及び図5に示した例では、燃料注入口32は、1箇所にあり、容器30の燃料導入口30Aと連通している。これにより、燃料分配板31Aの燃料注入口32が流路5を介して燃料収容部4に接続される。燃料排出口33は、128箇所にあり、液体燃料もしくはその気化成分を排出する。
細管34の一端(始端部)には、燃料注入口32が設けられている。細管34は、途中で複数に分岐しており、これらの分岐した細管34の各終端部に燃料排出口33がそれぞれ設けられている。細管34は、例えば内径が0.05〜5mmの貫通孔であることが好ましい。
燃料注入口32から注入された液体燃料は、複数に分岐した細管34を介して複数の燃料排出口33にそれぞれ導かれる。このような燃料分配板31Aを使用することによって、燃料注入口32から注入された液体燃料を方向や位置に係わりなく、複数の燃料排出口33に均等に分配することができる。従って、膜電極接合体2の面内における発電反応の均一性をより一層高めることが可能となる。
さらに、細管34で燃料注入口32と複数の燃料排出口33とを接続することによって、燃料電池の特定箇所により多くの燃料を供給するような設計も可能となる。これは、膜電極接合体2の発電度合いの均一性の向上等に寄与する。
また、燃料分散板31Aは、容器(第1ケース体)30と一体化されたものであってもよい。
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料分配板31Aの燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で容器30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
燃料供給部31は、燃料分配板31Aと膜電極接合体2との間に燃料拡散室31Bとして機能する空間を形成するような構成であることが望ましい。この燃料拡散室31Bは、燃料排出口33から液体燃料が排出されたとしても気化を促進するとともに、面方向への拡散を促進する機能を有している。
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。
液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
さらに、流路5には、ポンプ6が介在していても良い。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ6の種類は、特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。
ロータリーベーンポンプは、モータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは、電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは、電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは、柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
なお、ポンプ6と燃料供給部31との間にリザーバを設けてもよい。
また、燃料電池1の安定性や信頼性を高めるために、ポンプ6と直列に燃料遮断バルブを配置してもよい。燃料遮断バルブには、電磁石、モータ、形状記憶合金、圧電セラミックス、バイメタル等をアクチュエータとして、開閉動作を電気信号で制御することが可能な電気駆動バルブが適用される。燃料遮断バルブは、状態保持機能を有するラッチタイプのバルブであることが好ましい。
また、燃料収容部4や流路5には、燃料収容部4内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブを装着してもよい。燃料収容部4から燃料供給機構3で膜電極接合体2に燃料を供給する場合、ポンプ6に代えて燃料遮断バルブのみを配置した構成とすることも可能である。この際の燃料遮断バルブは、流路5による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
この実施の形態の燃料電池1においては、ポンプ6を用いて燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料が間欠的に送液される。ポンプ6で送液された液体燃料は、燃料供給部31を経て膜電極接合体2のアノード13の全面に対して均一に供給される。
すなわち、複数の単セルCの各アノード13の平面方向に対して均一に燃料が供給され、これにより発電反応が生起される。燃料供給用(送液用)のポンプ6の運転動作は、燃料電池1の出力、温度情報、電力供給先である電子機器の運転情報等に基づいて制御することが好ましい。
上述したように、燃料供給部31から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
ところで、図6乃至図8には、本発明のケースCSの構成例が示されている。すなわち、ケースSCは、膜電極接合体2のアノード13側にアノード13を覆うように配置された第1ケース体CS1(容器)と、膜電極接合体2のカソード16側にカソード16を覆うように配置された第2ケース体CS2(カバープレート)と、を有している。第1ケース体CS1及び第2ケース体CS2は、カシメ、ネジ止めなどの手法により接合されている。
特に、この実施の形態においては、第1ケース体CS1及び第2ケース体CS2の少なくとも一方は、外方に向かって突出した形状を有している。ここで、外方とは、ケースCS内に収容している膜電極接合体2から離間する方向に相当する。
図6に示した例では、第2ケース体CS2のみが外方に向かって突出した形状を有している。第1ケース体CS1は、第2ケース体CS2を支持する支持面SSを有している。第2ケース体CS2は、支持面SSによって規定される平面P1より外方に向かって突出している。図7に示した例では、第1ケース体CS1のみが外方に向かって突出した形状を有している。図8に示した例では、第1ケース体CS1及び第2ケース体CS2の双方が外方に向かって突出した形状を有している。
つまり、燃料電池1が全体としては、目的に応じて局所的に厚みが異なる構造を有している。図6乃至図8に示した例では、燃料電池1の中央部の厚みが厚く、凸部を形成するとともに、固定に必要な強度を保持しうるレベルで、ネジ止め部やカシメ部などの端部が中央部より薄く形成されている。
非端部は、全て中央部に含まれ、端部は、その一部のみが中央部に比して厚みが異なっていても良い。中央部と端部との厚み差については、一例として、5%以上、絶対値的には0.1mm以上であることが望ましい。
また、燃料電池1において、凸部の形状としては、中央部から端部にかけてなだらかな傾斜を持つ形状、曲率を持つ形状、複数の曲率を組み合わせた形状、単に丸みを帯びた形状などの角を持たない形状でも良いし、特定の形状に限定されるものではない。
このような構成により、燃料電池1において必要な空間を容易に確保することが可能となる。例えば、図6に示した例においては、膜電極接合体2のカソード16側に空間を確保することが可能となる。また、図7に示した例においては、膜電極接合体2のアノード13側に空間を確保することが可能となる。さらに、図8に示した例においては、膜電極接合体2のアノード13側及びカソード16側の双方に空間を確保することが可能となる。
このように、別途の部材を必要とすることなく、燃料電池1において必要な空間を確保することができ、コストアップを抑制することが可能となる。
なお、図6乃至図8においては、本発明のケースCSは、膜電極接合体2のアノード13側にアノード13を覆うように配置された第1ケース体CS1と、膜電極接合体2のカソード16側にカソード16を覆うように配置された第2ケース体CS2とが接合した構成で説明したが、第1ケース体CS1と第2ケース体CS2は分離した状態であっても、本発明を適用することができる。さらには、第1ケース体CS1と第2ケース体CS2が一体化(ケースCSとして単体で構成)されたものであっても、本発明を適用することができる。
次に、各例の具体的な構造について図9乃至図11を参照して説明する。なお、これらの図においては、主要部のみを図示している。また、以下の説明においては、第1ケース体CS1は、燃料供給機構3に含まれ、ここでは、燃料分配板31Aが第1ケース体CS1に相当するものとする。また、カバープレート21が第2ケース体CS2に相当するものとする。
図9は、図6に示した膜電極接合体2のカソード16側に空間を確保する例に相当する。このような構造により、第2ケース体CS2と膜電極接合体2との間に空間が形成可能となる。
すなわち、図9に示した例では、カバープレート21が第2ケース体CS2に相当し、板状体20の表面が平面P1に相当する。そして、板状体20とカバープレート21との間、すなわちカバープレート21の膜電極接合体2と対向する側には、ギャップG1が形成される。
このギャップG1は、燃料電池1において必要な空間として機能し、例えば、断熱層(熱障壁層)として機能する。すなわち、発電反応により温度上昇した膜電極接合体2が板状体20を介してカバープレート21に接触している場合、特に、カバープレート21の熱伝導性が高い場合(例えば、金属などで形成されている場合)には、膜電極接合体2からの熱がカバープレート21に伝わり、燃料電池1を搭載している外部機器などに悪影響を及ぼすおそれがある。これに対して、ギャップG1を有している場合には、膜電極接合体2からの熱が直接カバープレート21に伝わりにくくなり、外部機器への熱による影響を軽減することが可能となる。
上述したギャップG1は、平面P1における支持面近傍の周辺部より平面P1における中央部において大きく形成されていることが望ましい。これにより、燃料電池1が全体としては、その中央部の厚みが厚く、凸部が形成される。このように、中央部に凸部を有する構造では、中央部の厚みは必要な空間に応じて可変であり、端部における厚みは、たとえネジ止めされたネジの頭部がカバープレート21から突出していても、中央部と同等以下の厚みにすることが可能である。
図10は、図7に示した膜電極接合体2のアノード13側に空間を確保する例に相当する。図7に示したように、第1ケース体CS1は、その底面が基準となる平面P2より外方に向かって突出している。このような構造により、第1ケース体CS1と膜電極接合体2との間に空間が形成可能となる。
すなわち、図10に示した例では、燃料分配板31Aが第1ケース体CS1に相当し、膜電極接合体2のアノード13の表面が平面P2に相当する。そして、燃料分配板31Aは、膜電極接合体2との間、すなわち燃料分配板31の膜電極接合体2と対向する側にギャップG2を形成するように外方に向かって突出している。ここに示した例では、ギャップG2は、アノード13と燃料分配板31Aとの間に形成される。
このギャップG2は、燃料電池1において必要な空間として機能し、例えば、燃料拡散室として機能する。すなわち、図1を参照して説明したが、燃料供給部31は、燃料分配板31Aの燃料排出口33から排出された燃料の気化を促進するとともに面方向への拡散を促進するために、燃料分配板31Aと膜電極接合体2との間に燃料拡散室31Bとして機能する空間を形成するような構成であることが望ましい。
ギャップG2を有している場合には、別途の部材を必要とすることなくギャップG2が燃料拡散室として機能するため、コストアップを抑制することが可能となる。
上述したギャップG2は、膜電極接合体2における周辺部より中央部において大きく形成されていることが望ましい。これにより、燃料電池1が全体としては、その中央部の厚みが厚く、凸部が形成される。このように、中央部に凸部を有する構造では、中央部の厚みは必要な空間に応じて可変であり、端部における厚みは、たとえば第1ケース体CS1にカシメた第2ケース体の一部が第1ケース体CS1から突出していても、中央部と同等以下の厚みにすることが可能である。
また、図7に示した膜電極接合体2のアノード13側に空間を確保する例の別の構成として、図1に示すような燃料分配板31Aが外方に向かって突出した構成ではなく、燃料分配板31Aを収容する容器30が外方に向かって突出した構成であってもよい。
すなわち、容器30は、燃料分配板31Aとの間、すなわち容器30の膜電極接合体2と対向する側にギャップを形成するように外方に向かって突出している。
このギャップは、燃料電池1において必要な空間として機能し、例えば、断熱層(熱障壁層)として機能する。すなわち、燃料分配板31Aの過剰な温度低下を防ぐことができるため、燃料の蒸気圧が低下せず安定的な燃料供給ができ、出力の安定化に貢献する。
このギャップを有している場合には、別途の部材を必要とすることなくギャップが断熱層として機能するため、コストアップを抑制することが可能となる。
上述したギャップは、燃料分配板31Aにおける周辺部より中央部において大きく形成されていることが望ましい。これにより、燃料電池1が全体としては、その中央部の厚みが厚く、凸部が形成される。
図11は、図8に示した膜電極接合体2のアノード13側及びカソード16側の双方に空間を確保する例に相当する。この図11に示した例においては、図9及び図10に示した双方の例の作用効果が得られる。
上述した各実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部31は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、各実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、各実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
さらに、上述した各実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
図1は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構造を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した燃料電池における膜電極接合体の構造の一部の断面を概略的に示す斜視図である。 図3は、図2に示した膜電極接合体の平面図である。 図4は、図1に示した燃料電池に適用可能な燃料供給機構における燃料供給部の燃料分配板の構造を概略的に示す斜視図である。 図5は、図4に示した燃料分配板の平面図である。 図6は、膜電極接合体を収納するケースの構成例を説明するための図である。 図7は、膜電極接合体を収納するケースの他の構成例を説明するための図である。 図8は、膜電極接合体を収納するケースの他の構成例を説明するための図である。 図9は、図6に示した例の具体的な構造例を示す図である。 図10は、図7に示した例の具体的な構造例を示す図である。 図11は、図8に示した例の具体的な構造例を示す図である。
符号の説明
1…燃料電池 2…膜電極接合体 3…燃料供給機構
11…アノード触媒層 12…アノードガス拡散層 13…アノード
14…カソード触媒層 15…カソードガス拡散層 16…カソード
17…電解質膜 18…集電体 19…シール材
20…板状体(保湿層)
21…カバープレート 21A…開口部
3…燃料供給機構 30…容器
31…燃料供給部 31A…燃料分配板 31B…燃料拡散室
4…燃料収容部 5…流路 6…ポンプ
CS…ケース CS1…第1ケース体 CS2…第2ケース体

Claims (9)

  1. 燃料極と空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の前記燃料極側を覆うように配置された第1ケース体と、
    前記膜電極接合体の前記空気極側を覆うように配置された第2ケース体と、を有し、
    前記第1ケース体及び前記第2ケース体の少なくとも一方は、外方に向かって突出した形状を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記外方に向かって突出した形状を有する前記第1ケース体及び前記第2ケース体の少なくとも一方は、前記膜電極接合体と対向する側においてギャップを形成することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記ギャップは、前記膜電極接合体の周辺部より前記平面における中央部において大きく形成されたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記第1ケース体を含むとともに、燃料を前記膜電極接合体の前記燃料極に供給する燃料供給機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記燃料供給機構は、前記膜電極接合体の前記燃料極の面方向に燃料を分散させつつ供給する燃料供給部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. 前記燃料供給部は、前記燃料収容部と流路を介して接続された燃料注入口と、前記燃料注入口と燃料通路を介して接続された複数の燃料排出口と、を有する燃料分配板を備えたことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. 前記燃料分散板は、前記第1ケース体と一体化されたものであることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記燃料分配板は、前記膜電極接合体との間にギャップを形成するように外方に向かって突出したことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の燃料電池。
  9. 前記膜電極接合体に供給される燃料は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液または純メタノールであることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか1項に記載の燃料電池。
JP2007338339A 2007-12-27 2007-12-27 燃料電池 Pending JP2009158420A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007338339A JP2009158420A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007338339A JP2009158420A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009158420A true JP2009158420A (ja) 2009-07-16

Family

ID=40962183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007338339A Pending JP2009158420A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009158420A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011016400A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 株式会社 東芝 燃料電池

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004178849A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Fujitsu Component Ltd 燃料電池およびその製造方法ならびに燃料電池スタック
JP2007214016A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Hitachi Ltd 挟持構造体及び電子機器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004178849A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Fujitsu Component Ltd 燃料電池およびその製造方法ならびに燃料電池スタック
JP2007214016A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Hitachi Ltd 挟持構造体及び電子機器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011016400A1 (ja) * 2009-08-07 2011-02-10 株式会社 東芝 燃料電池
US8835068B2 (en) 2009-08-07 2014-09-16 Murata Manufacturing Co., Ltd. Fuel cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008192506A (ja) 燃料電池
WO2009119766A1 (ja) 燃料電池
JP2009123441A (ja) 燃料電池
JP2010103014A (ja) 燃料電池
JP4956589B2 (ja) 燃料電池
JP2009021113A (ja) 燃料電池
JP2009158420A (ja) 燃料電池
JP2008218046A (ja) 燃料電池
JP2008077936A (ja) 燃料電池
JP2008218058A (ja) 燃料電池
JP2011070852A (ja) 燃料電池
JP2009181911A (ja) 電子機器
JP2009295439A (ja) 燃料電池
JP2008210679A (ja) 燃料電池
JP2009295338A (ja) 燃料電池
JP2009158411A (ja) 燃料電池
JP2014096381A (ja) 燃料電池
JP2010182451A (ja) 燃料電池
JP5222481B2 (ja) 燃料電池セル及び燃料電池
JP2010092815A (ja) 燃料電池
JP2010108636A (ja) 燃料電池
JP2009158421A (ja) 燃料電池
JP2009193930A (ja) 燃料電池
JP2010044943A (ja) 燃料電池
JP2012059628A (ja) 燃料電池セル及び燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101008

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130108