JP2009238647A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性に優れた燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極及び前記空気極間に挟持された電解質膜27と、を有した膜電極接合体3と、燃料極に対して電解質膜の反対側に配置され、燃料極に燃料を供給する燃料供給部8と、膜電極接合体及び燃料供給部間に配置され、燃料極に水を供給する水供給部と、水供給部に水を注入する水注入部9と、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池に関し、特に、液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯用電子機器の電源に、燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は、携帯用電子機器を、充電なしで長時間使用可能とするものである。燃料電池は、燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充・交換すれば連続して発電できるという利点を有している。このため、小型化ができれば携帯電子機器の長時間の作動に極めて有利なシステムといえる。
特に、直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は、小型化が可能であり、また燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望である。
DMFCの燃料の供給方法としては、液体燃料を気化してからブロア等で燃料電池内に送り込む気体供給型DMFCと、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給型DMFC、液体燃料をセル内で気化させる内部気化型DMFC等が知られている。このうち内部気化型DMFCは、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。
内部気化型DMFCでは、燃料浸透層中に保持された液体燃料のうち気化成分を燃料気化層(アノードガス拡散層)において拡散させ、拡散された気化燃料がアノード触媒層に供給され、カソード触媒層側からの空気と電解質膜において発電反応する。
なお、液体供給型DMFCでは、セルと燃料収容部とを流路を介して接続する技術が知られている(例えば、特許文献3乃至5参照)。液体燃料を、流路を介してセルに供給することによって、流路の形状や径等に基づいて液体燃料の供給量を調整することができる。
特許第3413111号公報 国際公開番号WO2006/057283号公報 特表2005−518646号公報 特開2006−85952号公報 米国特許公開第2006/0029851号公報
上記燃料電池において、水が発電部に十分に供給されない場合がある。水の供給状態が不十分になると、発電に寄与する発電部の割合が減少し、燃料電池の出力低下が生じる恐れがある。さらに、出力(発電量)が不安定になり、所望の出力を安定して得ることができない恐れがある。上記したことから、水の供給状態が不十分であると、燃料電池の性能が低下することになる。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、出力特性に優れた燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る燃料電池は、
燃料極と、空気極と、前記燃料極及び前記空気極間に挟持された電解質膜と、を有した膜電極接合体と、
前記燃料極に対して前記電解質膜の反対側に配置され、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給部と、
前記膜電極接合体及び燃料供給部間に配置され、前記燃料極に水を供給する水供給部と、
前記水供給部に水を注入する水注入部と、を備えている。
この発明によれば、出力特性に優れた燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係る燃料電池について詳細に説明する。この実施の形態において、直接メタノール型の燃料電池について説明する。
図1に示すように、燃料電池は、燃料電池セル1と、燃料を収容するとともに燃料を燃料電池セル1に与える燃料導入部2と、水を収容するとともに水を燃料電池セル1に与える水注入部9と、制御部5とを備えている。この実施の形態において、燃料電池の燃料供給方式はセミパッシブ方式と呼称される方式を適用している。セミパッシブ方式の燃料電池は、燃料導入部2から燃料電池セル1に導入された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料導入部2に戻されることはない。セミパッシブ方式の燃料電池は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、燃料電池は、燃料の供給にポンプ84を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。このため、燃料電池は、上述したようにセミパッシブ方式と呼称される。
燃料電池セル1は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)3と、アノード集電体31とカソード集電体34と、燃料極支持板6と、燃料供給部8と、カバープレート15と、保湿板41とを備えている。
図1及び図2に示すように、膜電極接合体3は、燃料極としてのアノード21と、アノード21に所定の隙間を置いて対向配置された空気極としてのカソード24と、アノード21及びカソード24間に挟持された電解質膜27とを有している。互いに重なったアノード21、カソード24及び電解質膜27は発電素子20を形成している。
この実施の形態において、膜電極接合体3は矩形状の発電領域R1を有している。発電領域R1は、発電に有効な1つの有効領域R2を有している。なお、有効領域R2は、矩形状であり、この実施の形態においては発電領域R1と一致している。
また、膜電極接合体3は1つの発電素子20を有している。発電素子20は、矩形状であり、発電領域R1(有効領域R2)に重なっている。1つの発電素子20は1つの電解質膜27で形成されている。
アノード21は、アノード触媒層22と、アノード触媒層22に積層されたアノードガス拡散層23とを有している。カソード24は、カソード触媒層25と、カソード触媒層25に積層されたカソードガス拡散層26とを有している。
アノード触媒層22は、アノードガス拡散層23を介して供給される燃料を酸化させ燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。カソード触媒層25は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層22において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものである。
アノード触媒層22やカソード触媒層25に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層22には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層25には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜27はプロトン導電膜である。電解質膜27は、アノード触媒層22において発生したプロトンをカソード触媒層25に輸送するためのものである。電解質膜27は、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能なプロトン伝導性の材料で形成されている。
電解質膜27を形成する材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の材料はこれらに限られるものではない。
アノードガス拡散層23は、アノード触媒層22に燃料を均一に供給する役割を果たし、アノード触媒層22の集電機能を有している。カソードガス拡散層26は、カソード触媒層25に酸化剤を均一に供給する役割を果たし、カソード触媒層25の集機能を有している。アノードガス拡散層23及びカソードガス拡散層26は多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層23には、燃料を取り入れるための複数の開孔を有するアノード集電体31が積層され、カソードガス拡散層26には、空気を取り入れるための複数の開孔を有するカソード集電体34が積層されている。これらアノード集電体31およびカソード集電体34は、例えば、金、ニッケル等の金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)又は箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材を材料に形成されている。
アノード集電体31と電解質膜27との間には、矩形枠状のアノードシール材38が配置されるとともに、アノード触媒層22およびアノードガス拡散層23の周囲を囲んでいる。一方、カソード集電体34と電解質膜27との間には、矩形枠状のカソードシール材39が配置されるとともに、カソード触媒層25およびカソードガス拡散層26の周囲を囲んでいる。アノードシール材38およびカソードシール材39は、例えば、ゴム製のOリングなどで構成され、膜電極接合体3からの燃料漏れ、水漏れ、及び酸化剤漏れを防止している。なお、アノードシール材38およびカソードシール材39の形状は、矩形枠状に限られず、膜電極接合体3の外縁形に対応するように適宜に構成される。
また、例えば、アノード集電体31と、燃料供給部8との間に、気化膜として図示しない気液分離膜を設けることにより、燃料の気化成分をアノードガス拡散層23及びアノード触媒層22に供給することができる。
酸化剤としての空気は、カバープレート15の通気孔(図示せず)を通り、カソード集電体34の通気孔(図示せず)を通ってカソードガス拡散層26及びカソード触媒層25に供給される。
図1及び図3に示すように、燃料極支持板6は、板状に形成されている。燃料極支持板6は、矩形状の板部51を有している。板部51は、アノード21及び燃料供給部8間に挟持されている。より詳しくは、板部51は、アノード集電体31並びに燃料供給部8間に挟持されている。
燃料極支持板6は、膜電極接合体3、より詳しくはアノード21に燃料を通過させる複数の燃料通過孔55を有している。燃料通過孔55は、発電領域R1に重なって板部51に形成されている。上述した燃料極支持板6には、燃料として液体燃料82の気化成分が供給される。
ここで、液体燃料82としては、液体のメタノールからなるメタノール燃料が挙げられる。液体燃料82の気化成分とは、液体燃料82として液体のメタノールを使用した場合、気化したメタノールを意味する。
なお、液体燃料82は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えば純エタノールからなるエタノール燃料、純プロパノールからなるプロパノール燃料、純グリコールからなるグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、もしくはその他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が使用される。
また、液体燃料82としては、メタノール水溶液であっても良い。この場合、液体燃料82の気化成分とは、メタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合ガスを意味する。さらに、液体燃料82は、例えばエタノール水溶液等のエタノール燃料、プロパノール水溶液等のプロパノール燃料、グリコール水溶液等のグリコール燃料であってもよい。
図1に示すように、燃料供給部8は、アノード21に対して電解質膜27の反対側に配置されている。燃料供給部8は、アノード21と対向した側に燃料を排出する燃料排出口64を有している。
燃料供給部8は、矩形状の燃料供給板61と、燃料供給板61の周縁部に設けられた矩形枠状の周壁62とを有している。燃料供給板61は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等で形成されている。燃料供給板61は、膜電極接合体3に対向した側の表面に位置した矩形状の燃料供給面61Sを有している。燃料供給板61には、1つの燃料注入口63と、複数の燃料排出口64と、燃料注入口63及び燃料排出口64を繋いだ管部65とが形成されている。
燃料注入口63は、燃料供給板61の適所、例えば側面に1つ形成されている。液体燃料82は、燃料注入口63から注入される。管部65は、燃料注入口63及び燃料排出口64を連通させている。
燃料排出口64は、燃料供給面61Sの一部を開口して設けられている。燃料排出口64から、液体燃料82が排出される。管部65は、液体燃料82の通路として機能する。燃料注入口63から燃料供給板61に注入された液体燃料82は、管部65を介して燃料排出口64に導かれる。このため、燃料は、燃料排出口64から排出される。燃料排出口64からは、液体燃料82又はその気化成分が排出される。
この実施の形態において、燃料排出口64からは液体燃料82が排出され、液体燃料82がアノードガス拡散層23及びアノード触媒層22に供給される。なお、上記したように、アノード集電体31と、燃料供給部8との間に、図示しない気液分離膜を設けることにより、燃料の気化成分をアノードガス拡散層23及びアノード触媒層22に供給しても良い。
燃料電池セル1は、水注入口66を有している。この実施の形態において、周壁62が水注入口66を有している。水注入口66は、周壁62の適所に、例えば1つ形成されている。水92は、水注入口66から燃料電池セル1の内部に注入される。
カバープレート15は、カソード集電体34上に設けられている。カバープレート15は、膜電極接合体3、より詳しくはカソード24に酸化剤としての空気を取入れるための複数の通気孔(図示せず)を有している。
上述した燃料極支持板6、膜電極接合体3、アノード集電体31およびカソード集電体34は、それぞれの側面が周壁62によって覆われ、燃料供給面61S上に重なっている。
ここで、カソード24及びカバープレート15間に、保湿板41の他、図示しない表面層を設けても良い。保湿板41は、カソード触媒層25において生成された水の一部を吸収して水の蒸散を抑制し、かつ、カソードガス拡散層26に空気を均一に導入することによりカソード触媒層25への空気の均一拡散を促す機能を有している。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
図4に示すように、燃料電池セル1は、膜電極接合体3の温度を検出するセンサ100を有している。センサ100は、例えば板状のサーミスタである。センサ100は、例えばカソード集電体34及び保湿板41間に設けられている。この場合、センサ100はカソード24側の温度を検出する。
図1に示すように、燃料導入部2は、燃料収容部81を備えている。燃料収容部81には液体燃料82が収容されている。この実施の形態において、液体燃料82は、純メタノールである。
燃料導入部2は、流路83及びポンプ84をさらに備えている。流路83は管状に形成され、燃料収容部81及び燃料注入口63に接続されている。このため、燃料供給部8には燃料収容部81から流路83を介して液体燃料82が導入される。
ポンプ84は、流路83の途中に配置されている。ポンプ84は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料導入部2から燃料供給部8に液体燃料82を送液する燃料導入ポンプである。このようなポンプ84で必要時に液体燃料82を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。
ポンプ84の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料82を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーポンプ(ロータリーベーンポンプ)、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。
ロータリーポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ、送液量を安定して実現する等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ84は、必要時動作させて燃料導入部2から燃料供給部8に液体燃料82を供給する。このように、ポンプ84で燃料導入部2から燃料供給部8まで液体燃料82を送液する場合においても、燃料供給部8は有効に機能するため、膜電極接合体3に対する燃料供給量を均一化することが可能となる。
また、燃料供給部8から膜電極接合体3への燃料供給が行われる構成であればポンプ84に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
水注入部9は、水収容部91を備えている。水収容部91には水92が収容されている。水注入部9は、流路93と、燃料電池セル1に水を送出す水送出し機構として、例えばポンプ94と、をさらに備えている。流路93は管状に形成され、水収容部91及び水注入口66に接続されている。このため、燃料電池セル1には水収容部91から流路93を介して水92が導入される。
なお、水注入部9は、水送出機構としてポンプ94を備えているが、これに限定されるものではない。上記燃料導入部2と同様、ポンプ94の種類は特に限定されるものではなく、また、ポンプに代えて水遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。
図1及び図4に示すように、制御部5は、ポンプ84と、ポンプ94と、センサ100とに接続されている。制御部5は、ポンプ84が燃料供給部8に送出す液体燃料82の量及び液体燃料82を送出すタイミングを制御する。制御部5は、ポンプ94が燃料電池セル1に送出す水の量及び水を送出すタイミングを制御する。制御部5は、センサ100により検出された温度の情報を取得する。
ここで、制御部5がポンプ94を制御する例を3つ挙げる。
(A)制御部5は、膜電極接合体3による発電の開始時に、燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御する。
(B)制御部5は、センサ100により検出された温度の情報を取得し、温度が一定温度以上の時に、燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御する。
(C)制御部5は、温度が一定温度以上の時であって、さらに膜電極接合体3の出力が定格の1/3以下に低下した時に、燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御する。
上記したように、燃料電池が形成されている。
次に、上記燃料電池による発電の仕組みについて説明する。
まず、膜電極接合体3による発電の開始時に、制御部5は、ポンプ84及びポンプ94を稼動させる。ポンプ84は、燃料収容部81から流路83を介して燃料供給部8に液体燃料82を導入させる。この液体燃料82は燃料供給部8の燃料排出口64から排出され、燃料は膜電極接合体3のアノード21に供給される。ポンプ94は、水収容部91から流路93を介して燃料電池セル1に水92を導入させる。この水92は膜電極接合体3のアノード21に供給される。
膜電極接合体3内において、液体燃料82はアノードガス拡散層23にて拡散してアノード触媒層22に供給される。液体燃料82としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層22で式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、この実施の形態において、液体燃料82は純メタノールであるため、水注入部9から注入される水92を液体燃料82と反応させて式(1)の内部改質反応を生起させる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
この反応で生成した電子(e)はアノード集電体31に接続された端子(図示せず)から外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード集電体34に接続された端子(図示せず)からカソード24に導かれる。また、式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H)は電解質膜27を経てカソード24に導かれる。カソード24には酸化剤として空気が供給される。カソード24に到達した電子(e)とプロトン(H)は、カソード触媒層25で空気中の酸素と式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e+6H+(3/2)O → 3HO …(2)
上記したように、燃料電池による発電が行われる。
ここで、本願発明者等は、この実施の形態の実施例1乃至5の燃料電池、並びに比較例1及び2の燃料電池を評価するため、各種燃料電池の第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
そして、測定した実施例1、実施例2及び比較例1の燃料電池の第1出力を基に、実施例1、実施例2及び比較例1の燃料電池の第1出力相対値を算出した。同様に、測定した実施例1、実施例2及び比較例1の燃料電池の第2出力及び第3出力を基に、実施例1、実施例2及び比較例1の燃料電池の第2出力相対値及び第3出力相対値を算出した。
また、測定した実施例3、実施例4、実施例5及び比較例2の燃料電池の第1出力を基に、実施例3、実施例4、実施例5及び比較例2の燃料電池の第1出力相対値を算出した。同様に、測定した実施例3、実施例4、実施例5及び比較例2の燃料電池の第2出力及び第3出力を基に、実施例3、実施例4、実施例5及び比較例2の燃料電池の第2出力相対値及び第3出力相対値を算出した。
第1出力、第2出力及び第3出力を測定する際、液体燃料82として純メタノール燃料を用い、燃料収容部81に収容された純メタノール燃料をポンプ84を用いて燃料排出口64まで液送し、アノード21への液体燃料82の供給を良好な状態とし、一定電圧で発電を行い、出力を測定した。また、燃料電池を、温度25℃、相対湿度50%の環境下に配置した。
第1出力を測定する際、制御部5は膜電極接合体3による発電の開始時(燃料電池の起動時)に燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御し、発電の開始から30分以内での最大の出力を測定する。
第2出力を測定する際、制御部5はセンサ100により検出された温度の情報を取得し温度が一定温度以上の時に燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御し、制御した後の出力を測定する。ここでは、センサ100の検出する温度が制御温度から5℃上昇した時に燃料電池セル1に水を供給し、その後、出力を測定する。
第3出力を測定する際、制御部5は温度が一定温度以上の時であってさらに膜電極接合体3の出力が定格の1/3以下に低下した時に燃料電池セル1に水を送出すようポンプ94を制御し、制御した後の出力を測定する。
但し、比較例1及び2の燃料電池は、後述するが、燃料電池セル1への水の供給無しに発電を行う。比較例1及び2の燃料電池は、燃料電池セル1に水を供給するための構成部(例えば、水注入部9)や、アノード21へ水を供給するための燃料電池セル1の構成部(例えば、水注入口66)は有していない。このため、上記したように、比較例1及び2の燃料電池は、燃料電池セル1への水の供給無しに発電を行い、出力を測定する。
(比較例1)
まず、比較例1の燃料電池について説明する。比較例1の燃料電池は、水注入部9及び水注入口66を有していない。また、後述する溝部56も有していない。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された比較例1の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図6に示すように、比較例1の燃料電池の第1出力相対値、第2出力相対値及び第3出力相対値を100とした。
(実施例1)
次に、実施例1の燃料電池について説明する。図1乃至図4に示すように、実施例1の燃料電池の燃料極支持板6は、水供給面51S及び溝部56を有している。水供給面51Sは、アノード21に対向した側の板部51に形成されている。溝部56は水供給面51Sに形成されている。溝部56は発電領域R1に重なっている。溝部56は水注入口66に繋がっている。溝部56は、燃料通過孔55から外れて位置している。ここでは、溝部56は4つのストライプ部57を有している。溝部56は、水注入部9から注入される水を水供給面51Sに沿った方向に導くものである。実施例1において、溝部56が、アノード21に水を供給する水供給部として形成されている。
溝部56は、水注入口66から供給される水を水供給面51Sに沿った方向に導くものであり、水を拡散してアノード21に均一に供給するものである。
上記したような溝部56を形成することにより、アノード21に対する水供給量をより一層平均化することができる。すなわち、水注入口66から供給された水92は、溝部56を伝い、水供給面51Sの面内方向に拡散される。
溝部56が形成されていない場合、水92は面方向に不均一に拡散され、水がアノード21に不均一に供給されることになる。
上記したような溝部56を設けることにより、燃料電池セル1に注入された水92を方向や位置に拘わりなく、アノード21に均等に拡散させることができる。このため、膜電極接合体3における発電反応の均一性を高めることができる。
すなわち、アノード21の面内における水の分布が平準化され、膜電極接合体3での発電反応に必要とされる水を全体的に過不足なく供給することができる。また、何よりも、液体燃料82の供給とは独立して水92を燃料電池セル1に供給することができる。そして、ポンプ94は溝部56に送出す水の量及び水を送出すタイミングを制御することができるため、燃料電池の出力を向上させることや、燃料電池セル1、特に膜電極接合体3の温度の上昇を抑制することができる。
上記したことから、燃料電池の大型化や複雑化等を招くことなく、膜電極接合体3で効率的に発電反応を生起させることができる。これによって、燃料電池の出力を向上させることが可能となる。言い換えると、燃料を循環させないパッシブ型燃料電池の利点を損なうことなく、出力やその安定性を高めることができる。
上記した以外、実施例1の燃料電池は、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された実施例1の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図6に示すように、実施例1の燃料電池の第1出力相対値は108、第2出力相対値は124、第3出力相対値は312であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例2)
次に、実施例2の燃料電池について説明する。図5に示すように、実施例2の燃料電池の燃料極支持板6は、水供給部としての溝部56を有していない。実施例2の燃料電池は、水供給部としての保水層10を有している。保水層10は、アノード21及び燃料供給部8間に配置されている。ここでは、保水層10は、アノード集電体31及び燃料極支持板6間に配置されている。保水層10は、アノード21に対向した水供給面10Sを有している。
保水層10には、水注入口66を介して水収容部91の水92が供給される。保水層10は、水注入部9から供給される水92を吸収し、水供給面10Sに沿った方向に水を拡散させるものである。保水層10は、発電領域R1(アノード21、カソード24及び電解質膜27が全て重なった領域)の90%以上に重なっていれば良い。これにより、保水層10は、アノード21に水を均一に供給することができる。ここでは、保水層10は、発電領域R1に100%重なっている。
保水層10は、水注入口66から供給される水92を吸収し、水供給面10Sに沿った方向に拡散させるものであり、水をアノード21に均一に供給するものである。
上記したような保水層10を設けることにより、アノード21に対する水供給量をより一層平均化することができる。すなわち、水注入口66から供給された水92は、保水層10で吸収され、水供給面10Sの面方向に拡散される。
保水層10が設けられていない場合、水92は面方向に不均一に拡散され、水がアノード21に不均一に供給されることになる。
上記したような保水層10を設けることにより、燃料電池セル1に注入された水92を方向や位置に拘わりなく、アノード21に均等に拡散させることができる。このため、膜電極接合体3における発電反応の均一性を高めることができる。
すなわち、アノード21の面内における水の分布が平準化され、膜電極接合体3での発電反応に必要とされる水を全体的に過不足なく供給することができる。また、何よりも、液体燃料82の供給とは独立して水92を燃料電池セル1に供給することができる。そして、ポンプ94は保水層10に送出す水の量及び水を送出すタイミングを制御することができるため、燃料電池の出力を向上させることや、燃料電池セル1、特に膜電極接合体3の温度の上昇を抑制することができる。
上記したことから、燃料電池の大型化や複雑化等を招くことなく、膜電極接合体3で効率的に発電反応を生起させることができる。これによって、燃料電池の出力を向上させることが可能となる。言い換えると、燃料を循環させないパッシブ型燃料電池の利点を損なうことなく、出力やその安定性を高めることができる。
上記した以外、実施例2の燃料電池は、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された実施例2の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図6に示すように、実施例2の燃料電池の第1出力相対値は110、第2出力相対値は128、第3出力相対値は318であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(比較例2)
まず、比較例2の燃料電池について説明する。図示しないが、発電領域R1は、発電に有効な4つの有効領域R2を有している。膜電極接合体3は4つの発電素子20を有している。発電素子20は、それぞれ有効領域R2に重なっている。
比較例2の燃料電池は、水注入部9及び水注入口66を有していない。また、比較例2の燃料電池は、上述した溝部56や保水層10等の水供給部も有していない。上記した以外、上述した実施の形態の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された比較例2の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図12に示すように、比較例2の燃料電池の第1出力相対値、第2出力相対値及び第3出力相対値を100とした。
(実施例3)
次に、実施例3の燃料電池について説明する。図1、図4、図7、図8及び図9に示すように、互いに重なったアノード21、カソード24及び電解質膜27は発電素子20を形成している。
膜電極接合体3は矩形状の発電領域R1を有している。発電領域R1は、発電に有効な4つの有効領域R2を有している。これらの有効領域R2は、矩形状であり、長軸を有し、互いに間隔を置いて位置している。また、膜電極接合体3は4つの発電素子20を有している。発電素子20は、矩形状であり、長軸を有し、それぞれ有効領域R2に重なっている。4つの発電素子20は共通の電解質膜27で形成されている。アノード集電体31及びカソード集電体34は、4つの発電素子20を直列に接続している。
実施例3の燃料電池の燃料極支持板6は、水供給面51S及び水供給部としての溝部56を有している。ここでは、溝部56は4つのストライプ部57を有している。溝部56は、水注入口66から供給される水を水供給面51Sに沿った方向に導くものであり、水を拡散してアノード21に均一に供給するものである。
上記した以外、実施例3の燃料電池は、上述した実施例1の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された実施例3の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図12に示すように、実施例3の燃料電池の第1出力相対値は115、第2出力相対値は128、第3出力相対値は315であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例4)
次に、実施例4の燃料電池について説明する。図10に示すように、実施例4の燃料電池の燃料極支持板6は、水供給部としての溝部56を有していない。実施例4の燃料電池は、水供給部としての保水層10を有している。保水層10は、アノード21及び燃料供給部8間に配置されている。ここでは、保水層10は、アノード集電体31及び燃料極支持板6間に配置されている。保水層10は、アノード21に対向した水供給面10Sを有している。
ここでは、保水層10は、4つのストライプ部11を有している。ストライプ部11は、矩形状であり、長軸を有し、互いに間隔を置いて位置している。ストライプ部11は、それぞれ有効領域R2に重なっている。保水層10は、水注入口66から供給される水92を吸収し、水供給面10Sに沿った方向に拡散させるものであり、水をアノード21に均一に供給するものである。
上記した以外、実施例4の燃料電池は、上述した実施例3の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された実施例4の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図12に示すように、実施例4の燃料電池の第1出力相対値は117、第2出力相対値は126、第3出力相対値は321であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
(実施例5)
次に、実施例5の燃料電池について説明する。図11に示すように、実施例5の燃料電池の燃料極支持板6は、水供給部としての溝部56を有していない。実施例4の燃料電池は、水供給部としての保水層10を有している。保水層10は、アノード21及び燃料供給部8間に配置されている。ここでは、保水層10は、アノード集電体31及び燃料極支持板6間に配置されている。保水層10は、アノード21に対向した水供給面10Sを有している。
ここでは、保水層10は、分割されずに形成されている。保水層10は、水注入口66から供給される水92を吸収し、水供給面10Sに沿った方向に拡散させるものであり、水をアノード21に均一に供給するものである。
上記した以外、実施例5の燃料電池は、上述した実施例4の燃料電池と同様に形成されている。
そして、本願発明者等は、上記したように形成された実施例5の燃料電池を用い、第1出力、第2出力及び第3出力を測定した。
図12に示すように、実施例5の燃料電池の第1出力相対値は119、第2出力相対値は128、第3出力相対値は327であった。上記したことから、出力の高い燃料電池を実現することができた。
上記したように構成された燃料電池によれば、燃料電池は、膜電極接合体3と、燃料供給部8と、水供給部と、水注入部9と、を備えている。燃料供給部8は、膜電極接合体3に液体燃料82を供給するものである。水供給部及び水注入部9は、膜電極接合体3に水92を供給するものである。膜電極接合体3に、液体燃料82と独立して水92を供給することができる。
このため、アノード21に水92を十分に供給することができる。これにより、発電に寄与する発電素子20の割合が減少することを抑制でき、燃料電池の出力低下を抑制することができる。そして、所望の出力を安定して得ることができる。上記したことから、アノード21へ水92を良好に供給できるため、燃料電池の性能の低下を抑制することができる。
実施例1及び3において、水供給部は、板部51に形成された溝部56で構成されている。実施例2、4及び5において、水供給部は、保水層10で構成されている。
燃料電池に、溝部56や保水層10の水供給部を設けることにより、アノード21に対する水供給量をより一層平均化することができる。すなわち、水注入口66から供給された水92は、水供給部を介して水供給面の面内方向に拡散される。このため、膜電極接合体3における発電反応の均一性を高めることができ、出力やその安定性を高めることができる。
水注入部9は、水供給部に水を送出す水送出し機構としてポンプ94と、ポンプ94が水供給部に送出す水の量及び水を送出すタイミングを制御する制御部5と、を備えている。例えば、制御部5は、膜電極接合体3による発電の開始時に、水供給部に水を送出すようポンプ94を制御することができる。これにより、燃料電池の性能の低下を抑制することができる。
また、燃料電池は、膜電極接合体3の温度を検出するセンサ100を備えている。例えば、制御部5は、センサ100により検出された温度の情報を取得し、温度が一定温度以上の時に、水供給部に水を送出すようポンプ94を制御することができる。また、制御部5は、温度が一定温度以上の時であって、さらに膜電極接合体3の出力が定格の1/3以下に低下した時に、水供給部に水を送出すようポンプ94を制御することができる。これにより、燃料電池の性能の低下を抑制することができる。
上記したことから、出力特性に優れた燃料電池を得ることができる。
次に、この発明の他の実施の形態に係る燃料電池について詳細に説明する。この実施の形態において、他の構成は上述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図13に示すように、燃料電池は、燃料電池セル1と、燃料を収容するとともに燃料を燃料電池セル1に与える燃料導入部2と、水を収容するとともに水を燃料電池セル1に与える水注入部9と、制御部5と、切替え部17と、を備えている。
燃料電池セル1は、膜電極接合体3と、アノード集電体31とカソード集電体34と、燃料極支持板6と、燃料供給部8と、水供給機構7と、カバープレート15と、保湿板41とを備えている。膜電極接合体3は1つの発電素子20を有している。
燃料極支持板6は、板部51と、複数の燃料通過孔55とを有している。なお、燃料極支持板6は、溝部56を有していない。
燃料供給部8は、アノード21に対して電解質膜27の反対側に配置されている。水供給機構7は、アノード21及び燃料供給部8間に配置されている。燃料供給部8及び水供給機構7は、共通の排出箱60を用いて形成されている。排出箱60の内部は、仕切り板70によりセルタンク67と気化室68とに区域されている。
燃料供給部8は、セルタンク67を有している。セルタンク67は、排出箱60と仕切り板70とで形成されている。セルタンク67は、アノード21と対向した側に燃料を排出する燃料排出口64を有している。燃料排出口64は仕切り板70に形成されている。仕切り板70は、膜電極接合体3に対向した側の表面に位置した矩形状の燃料供給面61Sを有している。
セルタンク67には、1つの燃料注入口63が形成されている。燃料注入口63は、セルタンク67の適所、例えば排出箱60の側面に1つ形成されている。液体燃料82は、燃料注入口63からセルタンク67に注入される。セルタンク67は、気化膜としての気液分離膜14を収容している。気液分離膜14は、液体燃料82の気化成分を気化室68に透過させるものである。気液分離膜14は燃料排出口64に接している。このため、燃料排出口64からは、液体燃料82の気化成分が排出される。
水供給機構7は、気化室68を有している。気化室68は、排出箱60と仕切り板70とで形成されている。気化室68は、アノード21と対向した側に水92を排出する水排出口69を有している。水排出口69は排出箱60に形成されている。気化室68には、1つの水注入口66が形成されている。水注入口66は、気化室68の適所、例えば排出箱60の側面に1つ形成されている。水92は、水注入口66から気化室68に注入される。気化室68の内部は、水供給部としての保水層10が収容されている。保水層10は、水排出口69に接している。保水層10は、膜電極接合体3に対向した側の表面に位置した矩形状の水供給面10Sを有している。
保水層10は、水注入口66から気化室68に注入される水92を吸収し、水供給面10Sに沿った方向に水を拡散させるものである。このため、水92は、拡散した状態で、水排出口69等を介してアノード21に均一に供給される。
また、燃料排出口64から排出された液体燃料82の気化成分は、気化室68内部に均一に分散した後、保水層10及び水排出口69等を介してアノード21に均一に供給される。
燃料電池セル1は、上述したセンサ100も有している。燃料導入部2の燃料収容部81には液体燃料82が収容されている。この実施の形態において、液体燃料82は、純メタノールである。
水注入部9は、水注入口66を介して水92を保水層10に供給するものである。切替え部17は、流路93の途中に設けられている。より詳しくは、切替え部17は、水注入口66及びポンプ94間に設けられている。切替え部17は、水注入部9から気化室68の内部に水を供給させるか、気化室68の内部のガスを気化室68の外部に排出させるかどうか切替えるものである。制御部5は、切替え部17に接続され、切替え部17の動作を制御している。
上記したように構成された燃料電池によれば、燃料電池は、膜電極接合体3と、燃料供給部8と、水供給部と、水注入部9と、を備えている。水供給部は、保水層10で構成されている。また、燃料電池は、制御部5及びセンサ100も備えている。このため、燃料電池は、上述した実施の形態の燃料電池と同様の効果を得ることができる。
燃料電池は切替え部17を備えている。1つの水注入口66に繋がった切替え部17により、気化室68への水92の供給と、気化室68の内部のガスの排出とを両立させることができる。
上記したことから、出力特性に優れた燃料電池を得ることができる。
ここで、図14に示すように、上記実施の形態において、燃料電池は、水取出機構としてのポンプ96をさらに備えていても良い。
水注入部9は、流路95と、ポンプ96とをさらに備えている。流路95は管状に形成され、水収容部91及び水取出口に接続されている。ここでは、水注入口66が水取出口を兼ねているため、流路95は水注入口66に接続されている。なお、気化室68は、水注入口66とは別に水取出口を有していても良く、この場合、流路95は水取出口に接続される。
水注入口66と水供給部9とを接続する流路は二股に分かれており、一方が流路93であり、他方が流路95である。ポンプ96は、流路95の途中に設けられている。ポンプ96は、切替え部17を介して水注入口66に繋げられ、気化室68の内部の余剰の生成水を取出すものである。
制御部5は、ポンプ96に接続され、ポンプ96の動作を制御している。より詳しくは、制御部5は、ポンプ96が気化室68の内部から取出す水の量及び水を取出すタイミングを制御するものである。
上記したように構成された燃料電池によれば、気化室68の内部の余剰の生成水を取出すことができるため、出力特性に優れた燃料電池を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
上記実施の形態の実施例1乃至5及び上記他の実施の形態において、燃料電池は、ポンプ84、94又はポンプ84、94、96を有しているが、燃料電池は、これらのポンプ無しに形成されていても良い。上記燃料電池の燃料供給方式は純パッシブ方式と呼称される。
例えば、図15に示すように、上記実施の形態の実施例1の燃料電池は、ポンプ84、94無しに形成されている。なお、図15に示す燃料電池は、センサ100、並びにポンプ及びセンサを制御するための制御部5も無しに形成されている。このように形成された燃料電池においても、燃料電池は、膜電極接合体3と、燃料供給部8と、水供給部と、水注入部9と、を備えている。膜電極接合体3に、液体燃料82と独立して水92を供給することができる。アノード21へ水92を良好に供給できるため、燃料電池の性能の低下を抑制することができる。
溝部56の形状は上述した例に限定されるものではなく、種々変形可能であり、水排出面に沿った方向に水を拡散させることができる形状であれば良い。燃料電池は、複数の水注入口66を有していても良い。この場合、複数の水注入口66を介して溝部56又は保水層10に水92を供給することができる。水供給部を設ける位置はアノード21及び燃料供給部8の間であれば良く、これにより、上述した効果を得ることができる。
センサ100は、サーミスタに限定されるものではなく、設ける位置も限定されるものではなく、また、温度を検出する部材も限定されるものでもない。センサ100は、膜電極接合体3の温度を直接的又は間接的に検出可能であれば良い。
また、本発明の燃料極に導入する水は、純粋な水だけではなく本発明の目的を達成することができれば燃料の水溶液であっても良い。
この発明の実施の形態に係る燃料電池を示す断面図であり、特に、実施例1の燃料電池を示す図。 図1に示した膜電極接合体を示す平面図。 図1に示した燃料極支持板を示す平面図であり、特に、溝部を示す図。 図1に示した燃料電池の一部を示す拡大断面図であり、特に、センサを示す図。 上記実施の形態の実施例2の燃料電池を示す断面図。 上記実施の形態の実施例1及び2の燃料電池、並びに比較例1の燃料電池の第1出力相対値、第2出力相対値及び第3出力相対値を表で示した図。 上記実施の形態の実施例3の燃料電池の膜電極接合体を示す平面図。 上記実施の形態の実施例3の燃料電池の一部を示す拡大断面図であり、特に、膜電極接合体及び溝部が形成された燃料極支持板を示す図。 図8に示した燃料極支持板を示す平面図であり、特に、溝部示す図。 上記実施の形態の実施例4の燃料電池の一部を示す拡大断面図であり、特に、膜電極接合体及びストライプ部を有した保水層を示す図。 上記実施の形態の実施例5の燃料電池の一部を示す拡大断面図であり、特に、膜電極接合体及び保水層を示す図。 上記実施の形態の実施例3乃至5の燃料電池、並びに比較例2の燃料電池の第1出力相対値、第2出力相対値及び第3出力相対値を表で示した図。 この発明の他の実施の形態に係る燃料電池を示す断面図。 図13に示した燃料電池の変形例を示す断面図。 上記実施の形態の実施例1の燃料電池の変形例を示す断面図。
符号の説明
1…燃料電池セル、2…燃料導入部、3…膜電極接合体、5…制御部、6…燃料極支持板、7…水供給機構、8…燃料供給部、9…水注入部、10…保水層、10S…水供給面、11…ストライプ部、14…気液分離膜、20…発電素子、21…アノード、22…アノード触媒層、23…アノードガス拡散層、24…カソード、25…カソード触媒層、26…カソードガス拡散層、27…電解質膜、31…アノード集電体、34…カソード集電体、51…板部、51S…水供給面、55…燃料通過孔、56…溝部、57…ストライプ部、60…排出箱、61…燃料供給板、61S…燃料供給面、63…燃料注入口、64…燃料排出口、66…水注入口、67…セルタンク、68…気化室、69…水排出口、81…燃料収容部、82…液体燃料、83,93,95…流路、84,94,96…ポンプ、91…水収容部、92…水、100…センサ、R1…発電領域、R2…有効領域。

Claims (11)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極及び前記空気極間に挟持された電解質膜と、を有した膜電極接合体と、
    前記燃料極に対して前記電解質膜の反対側に配置され、前記燃料極に燃料を供給する燃料供給部と、
    前記膜電極接合体及び燃料供給部間に配置され、前記燃料極に水を供給する水供給部と、
    前記水供給部に水を注入する水注入部と、を備えている燃料電池。
  2. 前記水供給部は、前記燃料極に対向した水供給面を有し、前記水注入部から注入される水を吸収し、前記水供給面に沿った方向に水を拡散させる保水層で構成されている請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記保水層は、前記燃料極、空気極及び電解質膜が全て重なった領域の90%以上に重なっている請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記水供給部は、板状に形成され、前記燃料極に対向した水供給面と、前記燃料極に供給される燃料を通過させる複数の燃料通過孔と、前記水供給面に形成され前記水注入部から注入される水を前記水供給面に沿った方向に導く溝部と、を有した燃料極支持板で構成されている請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記水注入部に設けられ、前記水供給部に水を送出す水送出機構と、
    前記水送出機構が前記水供給部に送出す水の量及び水を送出すタイミングを制御する制御部と、をさらに備えている請求項1に記載の燃料電池。
  6. 前記制御部は、前記膜電極接合体による発電の開始時に、前記水供給部に水を送出すよう前記水送出機構を制御する請求項5に記載の燃料電池。
  7. 前記膜電極接合体の温度を検出するセンサをさらに備え、
    前記制御部は、前記センサにより検出された温度の情報を取得し、温度が一定温度以上の時に、前記水供給部に水を送出すよう前記水送出機構を制御する請求項5に記載の燃料電池。
  8. 前記制御部は、前記温度が一定温度以上の時であって、さらに前記膜電極接合体の出力が定格の1/3以下に低下した時に、前記水供給部に水を送出すよう前記水送出機構を制御する請求項7に記載の燃料電池。
  9. 前記膜電極接合体及び燃料供給部間に配置され、内部に前記保水層を収容し、前記水注入部に繋がった水注入口を有した気化室と、
    前記燃料供給部及び気化室間に配置され、前記燃料供給部から供給される燃料の気化成分を前記気化室に透過させる気液分離膜と、をさらに備え、
    前記水注入部は、前記水注入口を介して水を前記保水層に注入する請求項2に記載の燃料電池。
  10. 前記水注入部に設けられた水取出機構と、
    制御部と、をさらに備え、
    前記気化室は、水取出口を有し、
    前記水取出機構は、前記水取出口に繋げられ、前記気化室の内部の余剰の生成水を取出し、
    前記制御部は、前記水取出し機構が前記気化室の内部から取出す水の量及び水を取出すタイミングを制御する請求項9に記載の燃料電池。
  11. 前記水注入口及び水注入部間に設けられ、前記水注入部から前記気化室の内部に水を注入させるか、前記気化室の内部のガスを前記気化室の外部に排出させるかどうか切替える切替え部をさらに備えている請求項9に記載の燃料電池。
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