JP2006324236A - 燃料電池システムおよびそれにおける燃料水溶液の燃料濃度の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率が低下することなく燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定する。
【解決手段】燃料電池システム100は、セルスタック102、およびセルスタック102にメタノール水溶液を循環供給するためにパイプP3〜P7と水溶液ポンプ146とを含む循環手段を備える。循環手段は、セルスタック102よりも下流かつ水溶液ポンプ146よりも上流に設けられる水溶液タンク130をさらに含む。測定用バルブ138を開けることによって、パイプP4を流れるメタノール水溶液の一部をパイプP17に流入させ、測定用バルブ138を閉じてパイプP17にメタノール水溶液を滞留させ、パイプP17のメタノール水溶液のメタノール濃度を測定手段によって測定する。測定用バルブ138を開けることによって、そのメタノール水溶液はパイプP18,P19を介して水溶液タンク130に戻される。
【選択図】図12

Description

この発明は燃料電池システムおよびそれにおける燃料水溶液の燃料濃度の測定方法に関し、より特定的には、燃料水溶液を燃料電池に向けて送る燃料電池システムおよびそれにおける燃料水溶液の燃料濃度の測定方法に関する。
燃料電池システムでは、燃料電池の劣化を抑制しつつ効率よく発電するために、燃料電池に向けて送り出すべき燃料水溶液の燃料濃度を濃度センサを用いて測定し、刻々と変化する燃料水溶液の燃料濃度を調整することが行われている。
本願出願人は燃料電池システムにおける濃度センサのレイアウトについて、特許文献1において種々のものを提案している。特許文献1には、たとえば、水溶液ポンプと燃料電池とを結ぶパイプで燃料濃度を測定するように濃度センサが配置される燃料電池システム、水溶液タンクと水溶液ポンプとを結ぶパイプに設けられるチャンバで燃料濃度を測定するように濃度センサが配置される燃料電池システム、および水溶液タンクで燃料濃度を測定するように濃度センサが配置される燃料電池システム等が開示されている。
特開2004−95376号公報 特表2005−514620号公報 特開2003−297403号公報
しかし、水溶液ポンプと燃料電池とを結ぶパイプで燃料濃度を測定する場合、燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定するためには燃料水溶液の流れを止める必要があるが、このために水溶液ポンプを停止させると発電効率が低下する。また、チャンバで燃料濃度を測定する場合、チャンバ内の燃料水溶液の入れ替えが難しく、燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定できない。また、水溶液タンクで燃料濃度を測定する場合、燃料水溶液の還流に伴って水溶液タンク内に発生する気泡が濃度センサに付着して燃料濃度を正確に測定できないことがある。
また、特許文献2には、水溶液タンクと燃料電池とを結ぶパイプにバイパスさせる形で測定部を設け超音波センサを用いて濃度測定を行う直接メタノール型燃料電池システムが開示されている。
しかし、特許文献2に示されているようなバイパス構造では測定部の分岐点と合流点での圧力に大きな差がなく、分岐点で測定部に燃料水溶液が供給されにくくなる可能性や、合流点で測定部からの燃料水溶液が排出されにくくなる可能性がある。これらの場合、燃料濃度の測定に支障をきたす。また、超音波センサでは燃料水溶液の温度が上昇すると測定精度が低下するため、一般的に測定部が冷却されている。特許文献2に示されるバイパス構造では測定後の冷却された燃料水溶液が燃料電池に供給されるため燃料電池の温度が低下して発電効率が低下するおそれがある。
さらに、特許文献3には、カソード側のオフガス流路から分岐したバイパス流路を設け、オフガス流路の分岐点と合流点との間に絞りを設けて差圧を生じさせバイパス流路へのオフガスの流入を容易にし、バイパス流路を流れるオフガスの水素濃度をセンサを用いて検出する水素型の燃料電池システムが開示されている。
しかし、このような構成を直接メタノール型燃料電池システムに用いると、絞りによって損失が発生し水溶液ポンプの消費電力が増加し、発電効率が低下してしまうという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、発電効率が低下することなく燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定できる、燃料電池システムおよびそれにおける燃料水溶液の燃料濃度の測定方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池、燃料電池に燃料水溶液を循環供給するために流路および水溶液ポンプを含む循環手段、流路のうち水溶液ポンプよりも下流でありかつ燃料電池よりも上流を流れる燃料水溶液の一部が流入する測定部、測定部における燃料水溶液の入れ替えおよび滞留を制御する液流制御手段、測定部から循環手段のうち燃料電池よりも下流かつ水溶液ポンプよりも上流に燃料水溶液を戻す還流路、ならびに測定部の燃料水溶液の燃料濃度を測定する測定手段を備える。
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、循環手段は、燃料電池よりも下流かつ水溶液ポンプよりも上流に設けられ燃料水溶液を保持する水溶液タンクをさらに含み、還流路は燃料水溶液を水溶液タンクに戻すことを特徴とする。
請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、液流制御手段は還流路に設けられるバルブを含むことを特徴とする。
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、測定手段は超音波センサを含むことを特徴とする。
請求項5に記載の輸送機器は、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを含むことを特徴とする。
請求項6に記載の測定方法は、水溶液ポンプを用いて燃料電池に燃料水溶液を循環供給する循環手段を備える燃料電池システムにおける燃料水溶液の燃料濃度の測定方法であって、水溶液ポンプから燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液を測定空間に流入させる第1ステップ、測定空間に流入した燃料水溶液を測定空間に滞留させる第2ステップ、測定空間に滞留する燃料水溶液の燃料濃度を測定する第3ステップ、および測定空間から循環手段のうち燃料電池よりも下流かつ水溶液ポンプよりも上流に燃料濃度測定済みの燃料水溶液を排出する第4ステップを備える。
請求項7に記載の測定方法は、請求項6に記載の測定方法において、循環手段は、燃料電池よりも下流かつ水溶液ポンプよりも上流に設けられ燃料水溶液を保持する水溶液タンクをさらに含み、第4ステップは水溶液タンクに測定空間から排出された燃料水溶液を戻すステップを含むことを特徴とする。
請求項1に記載の燃料電池システムでは、水溶液ポンプによって燃料水溶液が流路を介して燃料電池に向けて送り出され、流路を流れる燃料水溶液の一部が測定空間を形成する測定部に流入する。そして、液流制御手段の動作に伴って測定部に流入した燃料水溶液の流れが抑えられ、測定部に滞留する燃料水溶液の燃料濃度が測定手段によって測定される。燃料濃度の測定後、液流制御手段の動作に伴って新しい燃料水溶液が流路から測定部に流入し、測定部から燃料濃度測定済みの燃料水溶液が排出される。つまり、燃料電池に向けて燃料水溶液を送り出し発電を継続しつつ、測定部の燃料水溶液の入れ替えを行い、測定部に滞留する新しい燃料水溶液の燃料濃度を測定する。ここで、測定部から排出される燃料水溶液は、循環手段のうち燃料電池よりも下流かつ水溶液ポンプよりも上流に戻されるので、流路に絞りを設けることなく分岐点と合流点とに差圧を生じさせ測定部の燃料水溶液を確実に入れ替えることができる。また、流路に絞りを設けなくてもよいので圧力損失がなくなり水溶液ポンプの消費電力を削減することができる。したがって、発電効率が低下することなく燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定できる。請求項6に記載の測定方法についても同様である。
請求項2に記載の燃料電池システムでは、測定部(測定空間)の燃料濃度測定済みの燃料水溶液を水溶液タンクに戻すことができ、無駄なく燃料水溶液を利用できる。また、測定部の燃料水溶液が冷却されている場合であっても、測定部の燃料水溶液を水溶液タンクに戻すことによって、そのまま燃料電池に供給されることを防ぐ。これによって、燃料電池の温度が低下して発電効率が低下することを防止することができる。請求項7に記載の測定方法についても同様である。
請求項3に記載の燃料電池システムでは、バルブを開閉するだけで、測定部における燃料水溶液の滞留および入れ替えを容易に行うことができる。
この発明は、測定部に燃料水溶液を滞留させてその燃料濃度を測定できるので、たとえば請求項4に記載するように燃料水溶液の流れが測定精度に悪影響を及ぼしやすい超音波センサを測定手段に用いる燃料電池システムに特に有効である。
通常、輸送機器は長距離を連続して移動できることが望ましく、輸送機器に搭載される燃料電池システムには連続して発電できることが要求される。この発明の燃料電池システムは、発電を継続しつつ燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定できるので、請求項5に記載するように輸送機器に好適に用いられる。
この発明によれば、発電効率が低下することなく燃料電池に向けて送り出される燃料水溶液の燃料濃度を正確に測定できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。ここでは、この発明の燃料電池システムを輸送機器の一例である二輪車10に搭載した場合について説明する。まず、二輪車10について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1〜図7を参照して、二輪車10は車体フレーム12を有する。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16と、フロントフレーム16の後端部に連結されかつ後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18と、リヤフレーム18の上端部に取り付けられるシートレール20とを備えている。フロントフレーム16の後端部はリヤフレーム18の中央部よりもやや下端部寄りの位置に接続され、フロントフレーム16およびリヤフレーム18全体で側面視略Y字状を呈している。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ後方へ斜め下方に延び左右方向に幅を有するフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dと、後端部に設けられたとえばボルト等によってリヤフレーム18が連結される連結部16eとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cと共に板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部品を収納する収納スペースを形成している。
一方、リヤフレーム18は、それぞれ後方へ斜め上方に延び前後方向に幅を有しフロントフレーム16の連結部16eを挟むように配置される板状部材18aおよび18bを備えている。
ヘッドパイプ14内には、主に図1に示すように、車体方向変更用のステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端には、ハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられており、ハンドル24の両端にはグリップ28が取り付けられている。右側のグリップ28は回動可能なスロットルグリップを構成している。
ハンドル支持部26のハンドル24の前方には、表示操作部(以下、メータと略記する)30が配置されている。メータ30は、ドライバに対する走行状態等の各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成された表示部、およびドライバからの各種情報入力用の入力部等が一体化されたものである。ハンドル支持部26におけるメータ30の下方には、ヘッドランプ32が固定されており、ヘッドランプ32の左右両側には、フラッシャランプ34がそれぞれ設けられている。
また、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク36が取り付けられており、フロントフォーク36それぞれの下端には、前輪38が前車軸40を介して取り付けられている。前輪38は、フロントフォーク36によって緩衝懸架された状態で前車軸40によって回転自在に軸支されている。
一方、リヤフレーム18の後端部には、フレーム状のシートレール20が取り付けられている。シートレール20は、リヤフレーム18の上端部にたとえば溶接によって固設され、略前後方向に配設されている。シートレール20上には図示しないシートが開閉自在に設けられている。シートレール20の後端部には取り付けブラケット42が固設されており、取り付けブラケット42にはテールランプ44および左右一対のフラッシャランプ46がそれぞれ取り付けられている。
また、リヤフレーム18の下端部には、リヤアーム48がピボット軸50を介して揺動自在に支持されており、リヤアーム48の後端部48aには駆動輪である後輪52が回転自在に軸支されており、リヤアーム48および後輪52は、図示しないリヤクッションによってリヤフレーム18に対して緩衝懸架されている。
さらに、リヤフレーム18の下端部の前側には、リヤフレーム18から左右方向に突出するようにフットレスト取付用バー54が固定され、フットレスト取付用バー54には図示しないフットレストが取り付けられる。フットレスト取付用バー54の後方には、メインスタンド56が回動可能にリヤアーム48に支持されており、メインスタンド56は、リターンスプリング58によって閉じ側に付勢されている。
リヤアーム48の後端部48aよりも内側には、後輪52に連結されかつ後輪52を回転駆動させるためのたとえばアキシャルギャップ型の電動モータ60と、電動モータ60に電気的に接続される駆動ユニット62とが配設されている。駆動ユニット62は、電動モータ60の回転駆動を制御するためのコントローラ64を含む。
このような二輪車10には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100が搭載されている。燃料電池システム100は、電動モータ60やその他の構成部品を駆動するための電気エネルギを生成する。
以下、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに発電に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、フロントフレーム16の下方に配置される燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102を含む。
図8および図9に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素と酸素との電気化学反応によって電気エネルギを生成することができる燃料電池(燃料電池セル)104をセパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池104は、固体高分子膜等から構成される電解質(電解質膜)104aと、電解質104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。アノード104bおよびカソード104cはそれぞれ、電解質104a側に設けられる白金触媒層を含む。
図4等に示すように、セルスタック102はスキッド108上に載せられ、スキッド108はフロントフレーム16のフランジ部16cから吊されるステースタック110によって支持されている。
図6に示すように、フロントフレーム16の下方でありかつセルスタック102の上方には、水溶液用のラジエータ112と気液分離用のラジエータ114とが配置されている。ラジエータ112と114とは一体的に構成され、その前面が車両の前方やや下向きに配置され、前面に対して直交するように設けられる複数の板状のフィン(図示せず)を有する。このようなラジエータ112および114は、走行時に風を十分に受けることができる。
図6等に示すように、ラジエータ112は、旋回するように形成されるラジエータパイプ116を含む。ラジエータパイプ116は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口118a(図5参照)から出口118b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ112の裏面側にはラジエータパイプ116と対向するようにラジエータ冷却用のファン120が設けられている。
同様に、ラジエータ114は、それぞれ蛇行するように形成される2本のラジエータパイプ122を含む。各ラジエータパイプ122は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口124a(図3参照)から出口124b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ114の裏面側にはラジエータパイプ122と対向するようにラジエータ冷却用のファン126が設けられている。
図1〜図7に戻り主に図3を参照して、フロントフレーム16の連結部16eの後側には、上方から順に燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132が配置されている。燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
燃料タンク128は、シートレール20の下側に配置され、シートレール20の後端部に取り付けられている。燃料タンク128は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。燃料タンク128はその上面に蓋128aを備え、蓋128aを取り外してメタノール燃料が供給される。
また、水溶液タンク130は、燃料タンク128の下側に設けられ、リヤフレーム18に取り付けられている。水溶液タンク130は、燃料タンク128からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。つまり、水溶液タンク130は、水溶液ポンプ146(後述)によってセルスタック102に向けて送り出すべきメタノール水溶液を収容している。
燃料タンク128にはレベルセンサ129が装着され、燃料タンク128内のメタノール燃料の液面の高さが検出される。水溶液タンク130にはレベルセンサ131が装着され、水溶液タンク130内のメタノール水溶液の液面の高さが検出される。レベルセンサ129,131で液面高さを検出することによって、タンク内の液量を検出できる。水溶液タンク130内の液面は、たとえば図4においてAで示す範囲内にコントロールされる。
水タンク132は、リヤフレーム18の板状部材18aおよび18b間でありかつセルスタック102の後側に配置されている。
また、燃料タンク128の前側でありかつフロントフレーム16のフランジ部16bの上側には、二次電池134が配置されている。二次電池134は、セルスタック102で生成された電気エネルギを蓄え、コントローラ156(後述)の指令に応じて電気エネルギを対応する電気構成部品に供給する。たとえば、二次電池134は、補機類や駆動ユニット62に電気エネルギを供給する。
二次電池134の上方かつシートレール20の下方には、燃料ポンプ136、測定用バルブ138が配置されている。この実施形態では、測定用バルブ138が液流制御手段に相当する。
また、水溶液タンク130の上方にはキャッチタンク140が配置されている。キャッチタンク140はその上面に蓋140aを備え、たとえば燃料電池システム100を一度も起動したことがない状態(水溶液タンク130が空の状態)において、蓋140aを取り外してメタノール水溶液が供給される。キャッチタンク140は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
また、フロントフレーム16とセルスタック102とラジエータ112,114とによって囲まれた空間には、エアフィルタ142が配置され、エアフィルタ142の後方斜め下側には水溶液フィルタ144が配置されている。
また、図4に示すように、フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が収納されており、エアポンプ148の左側にはエアチャンバ150が配置されている。水溶液ポンプ146は水溶液タンク130よりも高い位置に設けられている。
さらに、図5に示すように、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、前方から順にメインスイッチ152、DC−DCコンバータ154、コントローラ156、防錆用バルブ158および水ポンプ160が配置される。なお、メインスイッチ152はフロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するように設けられている。セルスタック102の前面にはホーン162が設けられている。
このように配置される燃料電池システム100の配管について、図4〜図7および図10を参照して説明する。
燃料タンク128と燃料ポンプ136とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ136と水溶液タンク130とはパイプP2によって連通されている。パイプP1は、燃料タンク128の左側面下端部と燃料ポンプ136の左側面下端部とを結び、パイプP2は、燃料ポンプ136の左側面下端部と水溶液タンク130の左側面下端部とを結ぶ。燃料ポンプ136を駆動させることによって、燃料タンク128内のメタノール燃料がパイプP1,P2を介して水溶液タンク130に与えられる。
水溶液タンク130と水溶液ポンプ146とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ146と水溶液フィルタ144とはパイプP4によって連通され、水溶液フィルタ144とセルスタック102とはパイプP5によって連通されている。パイプP3は、水溶液タンク130の左側面下隅部と水溶液ポンプ146の後部とを結び、パイプP4は、水溶液ポンプ146の後部と水溶液フィルタ144の左側面とを結び、パイプP5は、水溶液フィルタ144の右側面とセルスタック102の前面右下隅部に位置するアノード入口I1とを結ぶ。水溶液ポンプ146を駆動させることによって、水溶液タンク130からのメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144で不純物が除去された後、パイプP5を介してセルスタック102に与えられる。この実施形態ではパイプP4およびP5によって水溶液ポンプ146が送り出すメタノール水溶液をセルスタック102の各燃料電池104に案内するパイプが構成される。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ112とはパイプP6によって連通され、ラジエータ112と水溶液タンク130とはパイプP7によって連通されている。パイプP6は、セルスタック102の後面左上隅部に位置するアノード出口I2とラジエータ112の下面右側端部から引き出されるラジエータパイプ116の入口118a(図5参照)とを結び、パイプP7は、ラジエータ112の下面から引き出されるラジエータパイプ116の出口118b(図3参照)と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。セルスタック102から排出される未反応メタノール水溶液および二酸化炭素はパイプP6を介してラジエータ112に与えられ温度が下げられて、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。これによって水溶液タンク130内のメタノール水溶液の温度を下げることができる。
上述したパイプP1〜P7は主として燃料の流路となる。循環手段は、セルスタック102から排出された燃料水溶液を循環させて再びセルスタック102に供給可能な経路を構成し、この実施形態では、パイプP3〜P7、水溶液タンク130、水溶液ポンプ146、水溶液フィルタ144、水溶液用のラジエータ112を含む。なお、循環手段には、水溶液フィルタ144およびラジエータ112は必ずしも含まれなくてもよい。
また、エアフィルタ142とエアチャンバ150とはパイプP8によって連通され、エアチャンバ150とエアポンプ148とはパイプP9によって連通され、エアポンプ148と防錆用バルブ158とはパイプP10によって接続され、防錆用バルブ158とセルスタック102とはパイプP11によって接続されている。パイプP8は、エアフィルタ142の後部とエアチャンバ150の中央部よりもやや前方寄りの位置とを結び、パイプP9は、エアチャンバ150の中央部の下側とエアポンプ148の後部とを結び、パイプP10は、フロントフレーム16の板状部材16aの左側に位置するエアポンプ148と板状部材16aの右側に位置する防錆用バルブ158とを結び、パイプP11は、防錆用バルブ158とセルスタック102の後面右上端部に位置するカソード入口I3とを結ぶ。燃料電池システム100の運転時には防錆用バルブ158を開いておき、その状態でエアポンプ148を駆動させることによって、酸素を含む空気が外部から吸入される。吸入された空気は、エアフィルタ142で浄化された後、パイプP8、エアチャンバ150およびパイプP9を介してエアポンプ148に流入し、さらに、パイプP10、防錆用バルブ158およびパイプP11を介してセルスタック102に与えられる。防錆用バルブ158は、燃料電池システム100の停止時には閉じられており、エアポンプ148へ水蒸気の逆流を防ぎエアポンプ148の錆を防止する。
セルスタック102と気液分離用のラジエータ114とは2本のパイプP12によって連通され、ラジエータ114と水タンク132とは2本のパイプP13によって連通され、水タンク132にはパイプ(排気管)P14が設けられている。各パイプP12は、セルスタック102の前面左下隅部に位置するカソード出口I4とラジエータ114の下面左側端部から引き出される各ラジエータパイプ122の入口124a(図3参照)とを結び、各パイプP13は、ラジエータ114の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出される各ラジエータパイプ122の出口124b(図3参照)と水タンク132の前面上部とを結び、パイプP14は、水タンク132の後面上部に接続され、一旦上昇しその後下降するようにくの字状に形成されている。セルスタック102のカソード出口I4から排出される水分(水および水蒸気)や二酸化炭素を含む排気は、パイプP12を介してラジエータ114に与えられ、水蒸気が液化される。ラジエータ114からの排気は、パイプP13を介して水と共に水タンク132に与えられ、パイプP14を介して外部に排出される。
上述したパイプP8〜P14は、主として排気の流路となる。
さらに、水タンク132と水ポンプ160とはパイプP15によって連通され、水ポンプ160と水溶液タンク130とはパイプP16によって連通されている。パイプP15は、水タンク132の右側面下部と水ポンプ160の中央部とを結び、パイプP16は、水ポンプ160の中央部と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。水ポンプ160を駆動させることによって、水タンク132内の水がパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に戻される。
上述したパイプP15,P16は水の流路となる。
また、パイプP4には、水溶液ポンプ146によって送り出されパイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するように、パイプP17が接続される。図4に示すように、パイプP17は、車体フレーム12の左側で後方へ斜め上方に延びてその後端部近傍の傾斜がより強くなるように配設されている。パイプP17は、たとえばテフロン(登録商標)パイプ等であり、その長さが20cm以上(ここでは約20cm)に設定されている。
パイプP17には、パイプP17に流入したメタノール水溶液のメタノール濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)を測定するための超音波センサ164が取り付けられている。超音波の伝播速度は、その超音波が伝播するメタノール水溶液のメタノール濃度に応じて変化する。超音波センサ164は、これを利用してパイプP17のメタノール水溶液のメタノール濃度を測定するために用いられる。この実施形態では、超音波センサ164とコントローラ156とが測定手段に相当する。
図4に示すように、濃度センサである超音波センサ164は、超音波を発する発信部164aと超音波を検出する受信部164bとを有する。超音波センサ164の発信部164aは、パイプP4に介挿され、パイプP17の始端に接続される。また、受信部164bは、パイプP17の終端に接続され二次電池134の左側面かつ測定用バルブ138の前方斜め下側に配置される。発信部164aは所定周波数(たとえば510kHz)の超音波を発生させる発振器165aを有し、受信部164bは発振器165aからの超音波を検出する受信器165bを有する。超音波センサ164では、発信部164aで超音波を発生させ、受信部164bがメタノール水溶液を通過した超音波を受信し、発信部164aでの超音波の発生開始から受信部164bでの超音波の受信までの時間によって得られる伝播速度を検出する。コントローラ156は、その伝播速度に基づいてパイプP17のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する。上述のように、パイプP17を20cm以上に設定することによって受信器165bの誤検出が少なくなり、メタノール濃度の測定精度を向上できる。
超音波センサ164の受信部164bとその後方斜め上側に配置される測定用バルブ138とは、後方へ斜め上方に延びるパイプP18によって連通されている。また、測定用バルブ138と水溶液タンク130とはパイプP19によって連通されている。パイプP18は、受信部164bの上面と測定用バルブ138の左側面とを結び、パイプP19は、測定用バルブ138の右側面と水溶液タンク130の上面とを結ぶ。
上述したパイプP17〜P19は濃度測定用の流路となる。この実施形態では、パイプP17によって測定部が構成され、パイプP17内の空間が測定空間となる。また、この実施形態では、パイプP18,P19によって還流路が構成される。
さらに、水溶液タンク130とキャッチタンク140とはパイプP20によって連通され、キャッチタンク140と水溶液タンク130とはパイプP21によって連通され、キャッチタンク140とエアチャンバ150とはパイプP22によって連通されている。パイプP20は、水溶液タンク130の左側面上隅部とキャッチタンク140の左側面上隅部とを結び、パイプP21は、キャッチタンク140の下端部と水溶液タンク130の左側面下隅部とを結び、パイプP22は、キャッチタンク140の左側面上部寄りの位置とエアチャンバ150の上端面とを結ぶ。水溶液タンク130内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP20を介してキャッチタンク140に与えられる。気化したメタノールと水蒸気とはキャッチタンク140で冷却、液化された後、パイプP21を介して水溶液タンク130に戻される。キャッチタンク140内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP22を介してエアチャンバ150に与えられる。
上述したパイプP20〜P22は主として燃料処理用の流路となる。
ここで、セルスタック102および循環手段の各部における圧力を図11に示す。
図11からわかるように、パイプP4とP17との接続部すなわちパイプP4からパイプP17への分岐点の圧力Xは、範囲(1)で示すセルスタック102の下流と水溶液ポンプ146の上流との間、すなわちパイプP6、ラジエータ112、パイプP7、水溶液タンク130およびパイプP3内の圧力より遥かに大きくなる。この実施形態では、濃度測定済みのメタノール水溶液を循環手段に戻す合流点がパイプP19と水溶液タンク130との接続部となり、その圧力は水溶液タンク130内の圧力と等しい。したがって、分岐点と合流点との差圧は略35kPaと大きくなる。因みに、特許文献2の技術では、分岐点と合流点との差圧は図11の(2)に示す範囲内に収まると考えられる。
このような燃料電池システム100は、メインスイッチ152をオンすることによって起動され、コントローラ156によって制御され、二次電池134によって電気エネルギが補完される。また、DC−DCコンバータ154は電圧を24Vから12Vに変換し、変換された12Vの電圧によってファン120,126が駆動される。
つぎに、燃料電池システム100の運転時の主要動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ152がオンされることを契機として、水溶液ポンプ146やエアポンプ148等の補機類を駆動し、運転を開始する。
水溶液ポンプ146の駆動によって、水溶液タンク130に収容されるメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144に供給される。そして、水溶液フィルタ144で不純物等が除去されたメタノール水溶液は、パイプP5、アノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のアノード104bにダイレクトに供給される。
一方、エアポンプ148の駆動によってエアフィルタ142から吸入された空気(エア)は、パイプP8を介してエアチャンバ150に流入することによって消音される。そして、吸入された空気およびエアチャンバ150に与えられたキャッチタンク140からの気体が、パイプP9〜P11、カソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のカソード104cに供給される。
各燃料電池104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。生成された電気エネルギは、二次電池134に送られて蓄えられると共に、二輪車10の走行駆動等に利用される。
各燃料電池104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、上記電気化学反応によって発生する熱によって温度上昇し(たとえば約65℃〜70℃となる)、未反応メタノール水溶液の一部は気化される。二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2を介して水溶液用のラジエータ112内に流入し、ラジエータパイプ116を流れる間にファン120によって冷却される(たとえば約40℃となる)。冷却された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。
一方、各燃料電池104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気の一部は、ラジエータ114で冷却され露点を下げることによって液化される。ラジエータ114による水蒸気の液化動作は、ファン126を動作させることによって行われる。カソード出口I4からの水分(水および水蒸気)は未反応の空気と共にパイプP12、ラジエータ114およびパイプP13を介して水タンク132に与えられる。また、各燃料電池104のカソード104cでは、キャッチタンク140からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソード104cに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池104のカソード104cに移動した水分が、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。
水タンク132に回収された水は、水ポンプ160の駆動によってパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に適宜還流され、メタノール水溶液の水として利用される。
運転中の燃料電池システム100では、各燃料電池104の劣化を防ぎつつ各燃料電池104に効率よく発電させるために、メタノール水溶液の濃度測定処理が定期的(たとえば10秒おき)に実行される。そして、その測定結果に基づいてセルスタック102に供給すべきメタノール水溶液のメタノール濃度が調整される。具体的には、メタノール濃度の測定結果に基づいて、燃料タンク128内のメタノール燃料の水溶液タンク130への供給や水タンク132内の水の水溶液タンク130への還流が行われる。
ここで、図12を参照して、運転中の燃料電池システム100における濃度測定処理について説明する。
まず、コントローラ156からの指示に従って、測定用バルブ138が開けられ(ステップS1)、所定時間(たとえば5秒)が経過するまで(ステップS3がYESになるまで)測定用バルブ138の開放状態が継続される。これによって、水溶液ポンプ146によって送り出されパイプP4を流れるメタノール水溶液の一部がパイプP17に流入し、パイプP17に満たされていたメタノール水溶液がパイプP17から排出される。つまり、測定用バルブ138を開けることによって、パイプP17へのメタノール濃度を測定すべき新しいメタノール水溶液の導入とパイプP17からのメタノール濃度測定済みのメタノール水溶液の排出とが行われる。パイプP17から排出されたメタノール濃度測定済みのメタノール水溶液はパイプP18,P19を介して水溶液タンク130に戻る。
なお、水溶液ポンプ146の駆動開始時には測定用バルブ138が閉じられており、運転を開始してから1回目の濃度測定を行う前まではパイプP17に空気が満たされている。この場合、パイプP17を満たしていた空気は水溶液タンク130に流入する。
そして、所定時間が経過すると(ステップS3がYESになると)、測定用バルブ138が閉じられ(ステップS5)、パイプP17に流入したメタノール水溶液の流れ(流速)が抑えられる。ここでは、測定用バルブ138を完全に閉じることによって、パイプP17でメタノール水溶液を保持し、停止させるものとする。
つづいて、発信部164aの発振器165aが超音波の発生を開始する(ステップS7)。発信部164aからの超音波は、パイプP17に滞留するメタノール水溶液を受信部164bに向かって伝播する。
受信部164bの受信器165bが発信部164aからの超音波を受信し超音波の伝播速度を検出すれば(ステップS9がYESになれば)、その伝播速度を示す検出信号が受信部164bからコントローラ156に送信され、コントローラ156によってメタノール濃度が検出される(ステップS10)。その後、発信部164aは超音波の発生を停止し(ステップS11)、濃度測定処理が終了する。
一方、受信部164bの受信器165bが伝播速度を検出できずに(ステップS9がNO)、所定時間(たとえば10秒)が経過すれば(ステップS13がYESになれば)、メタノール濃度を測定できないものとしてエラー処理(ステップS15)に移り、その後、ステップS11に移る。所定時間が経過するまでは(ステップS13がYESになるまでは)、受信器165bが伝播速度を検出するまで(ステップS9がYESになるまで)超音波の発生を継続する。
ステップS15では、たとえば、前回の濃度測定処理で測定したメタノール濃度を今回の濃度測定処理で測定したメタノール濃度として用いる処理等がコントローラ156で実行される。
燃料電池システム100では、このような濃度測定処理を所定時間毎に行い、セルスタック102に向けて送り出されるメタノール水溶液のメタノール濃度を繰り返し測定する。前回の濃度測定処理でパイプP17に導入され保持されたメタノール水溶液は、今回の濃度測定処理における測定用バルブ138の開放(ステップS1)によってパイプP17から流出し、水溶液タンク130に戻る。これと同時に、今回の濃度測定処理でメタノール濃度を測定すべき新しいメタノール水溶液がパイプP17に流入する。その後、測定用バルブ138を閉め、パイプP17のメタノール水溶液のメタノール濃度を測定する。
なお、上述の濃度測定処理では、ステップS5で測定用バルブ138を完全に閉める場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、超音波の伝播速度に大きな影響を与えない程度にまでパイプP17におけるメタノール水溶液の流速を抑えるように測定用バルブ138が閉められてもよい。このときのメタノール水溶液の状態も、この発明でいう「滞留」に含まれる。
このような燃料電池システム100によれば、パイプP4を介してセルスタック102に向けてメタノール水溶液を送り出し発電を継続しつつ、パイプP17のメタノール水溶液の入れ替えを行い、パイプP17に滞留する新しいメタノール水溶液のメタノール濃度を測定する。ここで、パイプP17から排出されるメタノール水溶液は、循環手段のうちセルスタック102よりも下流かつ水溶液ポンプ146よりも上流に戻される。したがって、循環手段内のパイプP3〜P7に絞りを設けることなく分岐点(この実施形態ではパイプP4とP17との接続部)と合流点(この実施形態ではパイプP19と水溶液タンク130との接続部)とに大きな差圧を生じさせ、パイプP17のメタノール水溶液を確実に入れ替えることができる。また、循環手段内のパイプP3〜P7に絞りを設けなくてもよいので圧力損失がなくなり水溶液ポンプ146の消費電力を削減することができる。したがって、発電効率が低下することなくセルスタック102に向けて送り出されるメタノール水溶液のメタノール濃度を正確に測定できる。
また、セルスタック102よりも下流かつ水溶液ポンプ146よりも上流に設けられる水溶液タンク130に、パイプP17の濃度測定済みのメタノール水溶液を戻すので、無駄なくメタノール水溶液を利用できる。また、超音波センサ164を冷却するためにパイプP17内のメタノール水溶液が冷却されている場合であっても、そのメタノール水溶液を水溶液タンク130に戻すことによって、そのままセルスタック102に供給されることを防ぐ。これによって、セルスタック102の温度が低下して発電効率が低下することを防止することができる。
さらに、測定用バルブ138を開閉するだけで、パイプP17におけるメタノール水溶液の滞留および入れ替えを容易に行うことができる。
燃料電池システム100は、パイプP17にメタノール水溶液を滞留させてそのメタノール濃度を測定できるので、メタノール水溶液の流れが測定精度に悪影響を及ぼしやすい超音波センサ164を用いる場合に特に有効である。
また、燃料電池システム100は、発電を継続しつつセルスタック102に向けて送り出されるメタノール水溶液のメタノール濃度を正確に測定できるので、二輪車10に好適に用いられる。
なお、上述の実施形態では発信部164aと受信部164bとを有する超音波センサ164を測定手段に用いる場合について説明したが、発信部と受信部とが一体的に設けられる超音波センサを用いてもよい。この場合、一体的に設けられる超音波センサからの超音波を反射させ当該超音波センサに超音波を戻すように燃料電池システムを構成すればよい。また、測定手段に用いられるセンサは超音波センサに限定されない。たとえば、メタノール水溶液の重さに基づいてメタノール濃度を測定するための比重型センサ、メタノール水溶液の粘性に基づいてメタノール濃度を測定するための水晶発振型センサ、メタノール水溶液の電気抵抗に基づいてメタノール濃度を測定するための電気抵抗型センサ、あるいはメタノール水溶液の静電容量に基づいてメタノール濃度を測定するための静電容量型センサ等、メタノール水溶液の流れにその測定精度が影響を受けるセンサを測定手段に用いる燃料電池システムにこの発明は好適に用いられる。
また、上述の実施形態では、超音波センサ164とコントローラ156とが測定手段を構成したが、これに限定されない。超音波センサ164だけで、メタノール濃度を測定する測定手段を構成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、測定部であるパイプP17がパイプP4に接続される場合について説明したが、これに限定されない。パイプP17は、循環手段のうち水溶液ポンプ146よりも下流でありかつセルスタック102よりも上流である限りにおいて、たとえばパイプP5等の任意の箇所に接続されてもよい。
上述の実施形態では、還流路を水溶液タンク130に接続し、メタノール濃度測定済みのメタノール水溶液を水溶液タンク130に戻す場合について説明したが、これに限定されない。還流路は、循環手段のうちセルスタック102よりも下流かつ水溶液ポンプ146よりも上流である限りにおいて、たとえばパイプP3,P6またはP7等の任意の箇所に接続されてもよい。
また、液流制御手段は測定用バルブ138に限定されず、燃料水溶液の流速を一定に保つ絞りであってもよい。
循環手段に含まれる流路はパイプに限定されず、燃料水溶液を流すことができる任意の手段によって構成されてもよい。還流路についても同様である。
さらに、上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
この発明の燃料電池システムは、二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器にも好適に用いることができる。
この発明は、改質器搭載タイプの燃料電池システムにも適用できる。改質器搭載タイプの燃料電池システムに適用する場合、パイプと測定部との接続部よりも下流側でパイプに改質器を介挿すればよい。また、この発明は、小型の据え付けタイプの燃料電池システムにも適用できる。
この発明が詳細に説明され図示されたが、それは単なる図解および一例として用いたものであり、限定であると解されるべきではないことは明らかであり、この発明の精神および範囲は特許請求の範囲の文言のみによって限定される。
この発明の燃料電池システムを搭載する二輪車を示す左側面図である。 二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め前方からみた斜視図である。 二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め後方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を示す左側面図である。 燃料電池システムの配管状態を示す右側面図である。 燃料電池システムの配管状態を左斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を右斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池セルスタックを示す図解図である。 燃料電池セルを示す図解図である。 燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 燃料電池セルスタックおよび循環手段の各部における圧力を示すグラフである。 燃料電池システムにおける濃度測定処理を示すフロー図である。
符号の説明
10 二輪車
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104 燃料電池
130 水溶液タンク
138 測定用バルブ
146 水溶液ポンプ
156 コントローラ
164 超音波センサ
164a 発信部
164b 受信部
P1〜P22 パイプ



Claims (7)

  1. 燃料電池、
    前記燃料電池に燃料水溶液を循環供給するために流路および水溶液ポンプを含む循環手段、
    前記流路のうち前記水溶液ポンプよりも下流でありかつ前記燃料電池よりも上流を流れる前記燃料水溶液の一部が流入する測定部、
    前記測定部における前記燃料水溶液の入れ替えおよび滞留を制御する液流制御手段、
    前記測定部から前記循環手段のうち前記燃料電池よりも下流かつ前記水溶液ポンプよりも上流に前記燃料水溶液を戻す還流路、ならびに
    前記測定部の前記燃料水溶液の燃料濃度を測定する測定手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記循環手段は、前記燃料電池よりも下流かつ前記水溶液ポンプよりも上流に設けられ前記燃料水溶液を保持する水溶液タンクをさらに含み、
    前記還流路は前記燃料水溶液を前記水溶液タンクに戻す、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記液流制御手段は前記還流路に設けられるバルブを含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記測定手段は超音波センサを含む、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムを含む、輸送機器。
  6. 水溶液ポンプを用いて燃料電池に燃料水溶液を循環供給する循環手段を備える燃料電池システムにおける前記燃料水溶液の燃料濃度の測定方法であって、
    前記水溶液ポンプから前記燃料電池に向けて送り出される前記燃料水溶液を測定空間に流入させる第1ステップ、
    前記測定空間に流入した前記燃料水溶液を前記測定空間に滞留させる第2ステップ、
    前記測定空間に滞留する前記燃料水溶液の燃料濃度を測定する第3ステップ、および
    前記測定空間から前記循環手段のうち前記燃料電池よりも下流かつ前記水溶液ポンプよりも上流に燃料濃度測定済みの前記燃料水溶液を排出する第4ステップを備える、測定方法。
  7. 前記循環手段は、前記燃料電池よりも下流かつ前記水溶液ポンプよりも上流に設けられ前記燃料水溶液を保持する水溶液タンクをさらに含み、
    前記第4ステップは前記水溶液タンクに前記測定空間から排出された前記燃料水溶液を戻すステップを含む、請求項6に記載の測定方法。
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