JP5366360B2 - 燃料電池システムおよびその運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は燃料電池システムおよびその運転方法に関し、より特定的には、燃料電池の転倒後の再起動動作を制御する燃料電池システムおよびその運転方法に関する。
直接メタノール型燃料電池システムは、他の燃料電池システムと比較して、小型化、軽量化に優れていることから自動二輪車などの鞍乗型車両に好適に用いられる。
直接メタノール型燃料電池システムでは、電解質膜として固体高分子膜を用いた燃料電池のアノードに水溶液タンクから水溶液ポンプによってメタノール水溶液が供給され、同時にカソードへエアポンプによって酸素を含んだ空気が供給される。そして、燃料電池での反応が終了するとアノードからは未反応のメタノールと水および二酸化炭素が排出されて水溶液タンクに戻され、カソードからは未反応の空気と水とが排出され水タンクへ供給される。また、水溶液タンクでは二酸化炭素、水タンクでは未反応空気がそれぞれ液体から分離される。
一般に、このような直接メタノール型燃料電池システムでは、転倒等によって過大な傾きが発生したとき、水タンクおよび水溶液タンクで気液分離のための排気管が塞がれ気液の分離ができない、または水溶液ポンプに空気が入り込みメタノール水溶液の循環ができないなどの不具合が生じる。そのため、発電を継続することができず補機類を駆動する電力を無駄に消費してしまうといった問題がある。また、水素ガスを燃料として使用する燃料電池システムにおいても、カソードに水が詰まる問題が発生する。
そこで、特許文献1には、傾斜センサを用いて転倒を検出し、転倒を検出したときにシステムを停止することができる燃料電池システムが開示されている。これによって、電力が無駄に消費されることを防止することができる。
特開2004−111212号公報
しかし、特許文献1には、転倒により停止した後の再起動について、再起動前にシステムの状態をチェックする点にしか触れておらず詳しい起動方法についての記載がない。
たとえば、転倒によって、カソード側に水やメタノール水溶液が詰まったり、アノードのメタノール水溶液が流出し電解質膜が乾燥するといった問題が生じ、その後の再起動の妨げとなるが、これらの問題点の解決策について何ら述べられていない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、転倒等によって所定以上傾斜した後であっても良好に再起動できる、燃料電池システムおよびその運転方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、アノードとカソードとを有する燃料電池を含む燃料電池システムであって、燃料電池システムの傾斜を検出する傾斜検出手段、傾斜検出手段によって所定以上の傾斜が検出された後の傾斜時間を検出する時間検出手段、傾斜検出手段の検出結果に応じた傾斜情報を記憶する記憶手段、ならびに記憶手段に記憶された傾斜情報に基づいて燃料電池を通常モードおよび復旧モードのいずれかで起動させる制御手段を備え、制御手段は、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、時間検出手段の検出結果に基づいて待機時間を設定し、傾斜検出手段によって燃料電池システムの傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が待機時間以上になれば発電を開始させる、燃料電池システムが提供される。
また、アノードとカソードとを有する燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、燃料電池システムの傾斜検出を行い、燃料電池システムが所定以上傾斜したことを記憶手段に記憶し、その後の燃料電池の起動時に、記憶手段に燃料電池システムの所定以上の傾斜の記憶があれば燃料電池を復旧モードで起動させ、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、燃料電池システムの所定以上の傾斜が検出された後の傾斜時間に基づいて待機時間を設定し、燃料電池システムの傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が待機時間以上になれば発電を開始させる、燃料電池システムの運転方法が提供される。
上述の発明では、記憶手段に燃料電池システムの所定以上の傾斜の記憶があるとき復旧モードで起動することによって、燃料電池システムが転倒等によって所定以上傾斜した後であっても良好に燃料電池を再起動することができる。
また、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、燃料電池システムの傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が待機時間以上になれば発電を開始させる。この場合、発電開始前に燃料電池システムにおける相分離を正常に戻すことができる。また、乾燥した電解質膜を湿らせ、正常な状態に戻すことができる。
好ましくは、制御手段は、時間検出手段によって検出された傾斜時間の増加に応じて待機時間が増加するように待機時間を設定する。
また好ましくは、傾斜検出手段の検出結果に基づいて燃料電池の運転動作が制御される。この場合、燃料電池システムが所定以上傾斜したとき燃料電池の運転を停止させることによって、燃料電池システムの所定以上の傾斜時に発電を継続することに伴う危険を防止することができる。
また好ましくは、時間検出手段によって検出された傾斜時間に基づいて燃料電池の起動が制御される。当該傾斜時間が第1所定値以上であれば燃料電池を起動しない。
燃料電池システムの所定以上の傾斜による問題点は、本来液体が存在しない箇所に液体が流入したとえば水溶液タンク等の液位が低下してしまったり、水溶液に接していなければならない電解質膜が水溶液の流出により乾いてしまったりすることである。所定以上の傾斜が短時間であれば電解質膜を再び水溶液に浸すことで電解質膜の乾燥の問題は解消される。しかし、所定以上の傾斜が長時間であればその後電解質膜を水溶液に浸しても乾燥の問題を解消するのは困難である。さらに、無理して発電を行うと電解質膜を痛めてしまう危険性がある。上述のように傾斜時間が第1所定値以上と長時間であるときには起動しないことによって、電解質膜を保護することができる。
さらに好ましくは、燃料電池のカソードに酸素を含む空気を供給する空気供給手段をさらに含み、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、燃料電池からの電力を取り出す前にカソードに酸素を含む空気を所定時間供給し続けるように空気供給手段が制御される。この場合、空気供給手段を駆動することによって、カソード内の水の排出を促すことができる。通常運転時には燃料電池の温度に応じて空気供給手段の駆動を制御しているが、復旧モードでは温度条件を無視し所定時間駆動し続けることで不要な水のカソードからの排出を促すことができる。
好ましくは、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、燃料電池からの電力を取り出す前にカソードに発電時よりも少ない量の空気を所定時間供給し続けるように空気供給手段が制御される。この場合、空気供給手段の駆動に要する電力が上がり過ぎて過電流でシステムが停止してしまうといった弊害を防止できる。
好ましくは、燃料電池のカソードから排出される水を収容する水収容部、水収容部に接続されかつ燃料電池に供給される燃料水溶液を収容する水溶液収容部、水収容部内の水を水溶液収容部に供給する水供給手段、および水溶液収容部内の液量を検出する水溶液量検出手段をさらに含み、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、水溶液収容部内の液量に基づいて水供給手段の動作が制御される。この場合、水溶液収容部内の液量が第2所定値より少ないとき水収容部内の水を供給することによって水溶液収容部内の液量を増加させる。
燃料電池システムの所定以上の傾斜によって、水溶液収容部内の水溶液が水収容部に流入することによって水溶液収容部内の液量が減少し不足してしまうことがある。このとき、水収容部内の水を水溶液収容部に戻すことによって水溶液収容部内の液量を回復させることができる。
また好ましくは、水収容部内の液量を検出する液量検出手段をさらに含み、燃料電池を復旧モードで起動させるとき、水収容部内の液量に基づいて燃料電池に供給する燃料水溶液の濃度が制御される。この場合、水収容部内の液量が第3所定値より少ないとき燃料電池に供給する燃料水溶液の濃度を上昇させる。
燃料電池システムの所定以上の傾斜によって水収容部内の水が流出し液量が減少するおそれがある。上述のように燃料電池に供給する燃料水溶液の濃度を上昇させることによって発電中のクロスオーバー量を増加させる。これによって、カソードから排出される液量を増加させ、水収容部内の液量を増加させることができる。特に、水収容部内の水を水溶液収容部内に戻すことによって水収容部内の液量が不足してしまう場合に有効である。
さらに好ましくは、発電の停止中において燃料電池システムの傾斜を検出する頻度は運転中より少なく設定される。これによって、発電の停止中の消費電力を抑制できる。
燃料電池システムを含む輸送機器や電子機器は所定以上傾斜する場合があるので、この発明は、燃料電池システムを含む輸送機器や電子機器に好適に用いられる。
傾斜時間とは、燃料電池システムが所定以上傾斜している状態の継続時間をいう。
復旧モードとは、所定以上の傾斜後の燃料電池システムの状態を所定以上の傾斜前の正常な状態に戻す起動モードあるいは通常モードより低い出力で起動する起動モードをいう。
通常モードとは、燃料電池システムが所定以上傾斜していない場合の起動モードをいう。
なお、復旧モードおよび通常モード以外の起動モードがあってもよい。
この発明によれば、燃料電池システムが転倒等によって所定以上傾斜した後であっても良好に燃料電池を再起動することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。ここでは、この発明の燃料電池システム100を、輸送機器の一例である自動二輪車10に搭載した場合について説明する。
まず、自動二輪車10について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1〜図7を参照して、自動二輪車10は車体11を含み、車体11は車体フレーム12を有する。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16と、フロントフレーム16の後端部に連結されかつ後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18と、リヤフレーム18の上端部に取り付けられるシートレール20とを備えている。フロントフレーム16の後端部はリヤフレーム18の中央部よりもやや下端部寄りの位置に接続され、フロントフレーム16およびリヤフレーム18全体で側面視略Y字状を呈している。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ後方へ斜め下方に延び左右方向に幅を有するフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dと、後端部に設けられたとえばボルト等によってリヤフレーム18が連結される連結部16eとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cと共に板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部材を収納する収納スペースを形成している。
一方、リヤフレーム18は、それぞれ後方へ斜め上方に延び前後方向に幅を有しフロントフレーム16の連結部16eを挟むように配置される板状部材18aおよび18bと、板状部材18aと18bとを連結する板状部材(図示せず)とを備えている。
ヘッドパイプ14内には、図1に示すように、車体方向変更用のステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端には、ハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられており、ハンドル24の両端にはグリップ28が取り付けられている。右側のグリップ28は回動可能なスロットルグリップを構成している。
ハンドル支持部26のハンドル24の前方には表示操作部30が配置されている。表示操作部30は、電動モータ60(後述)の各種データを計測表示するためのメータ30a、走行状態等の各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成された表示部30b、および各種情報入力用の入力部30c等が一体化されたものである。ハンドル支持部26における表示操作部30の下方には、ヘッドランプ32が固定されており、ヘッドランプ32の左右両側には、フラッシャランプ34がそれぞれ設けられている。
また、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク36が取り付けられており、フロントフォーク36それぞれの下端には、前輪38が前車軸40を介して取り付けられている。前輪38は、フロントフォーク36によって緩衝懸架された状態で前車軸40によって回転自在に軸支されている。
一方、リヤフレーム18の後端部には、フレーム状のシートレール20が取り付けられている。シートレール20は、リヤフレーム18の上端部にたとえば溶接によって固設され、略前後方向に配設されている。シートレール20上には図示しないシートが開閉自在に設けられている。シートレール20の後端部には取り付けブラケット42が固設されており、取り付けブラケット42にはテールランプ44および左右一対のフラッシャランプ46がそれぞれ取り付けられている。
また、リヤフレーム18の下端部には、スイングアーム(リヤアーム)48がピボット軸50を介して揺動自在に支持されており、スイングアーム48の後端部48aには電動モータ60(後述)を介して駆動輪である後輪52が回転自在に支持されており、スイングアーム48および後輪52は、図示しないリヤクッションによってリヤフレーム18に対して緩衝懸架されている。
さらに、リヤフレーム18の下端部の前側には、リヤフレーム18から左右方向に突出するようにフットレスト取付用バー54が固定され、フットレスト取付用バー54には図示しないフットレストが取り付けられる。フットレスト取付用バー54の後方には、メインスタンド56が回動可能にスイングアーム48に支持されており、メインスタンド56は、リターンスプリング58によって閉じ側に付勢されている。
この実施形態では、スイングアーム48には、後輪52に連結されかつ後輪52を回転駆動させるためのたとえばアキシャルギャップ型の電動モータ60と、電動モータ60に電気的に接続される駆動ユニット62とが内蔵されている。図11をも参照して、駆動ユニット62は、電動モータ60の回転駆動を制御するためのコントローラ64、および二次電池134(後述)の蓄電量を検出するための蓄電量検出器65を含む。
このような自動二輪車10の車体11には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100が取り付けられている。燃料電池システム100は、電動モータ60やその他の構成部材を駆動するための電気エネルギを生成する。
以下、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに発電に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、フロントフレーム16の下方に配置される燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102を含む。
図8および図9に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素イオンと酸素との電気化学反応によって電気エネルギを生成することができる燃料電池(燃料電池セル)104を、セパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池104は、固体高分子膜等から構成される電解質膜104aと、電解質膜104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。アノード104bおよびカソード104cはそれぞれ、電解質膜104a側に設けられる白金触媒層を含む。
図4等に示すように、セルスタック102はスキッド108上に載せられ、スキッド108はフロントフレーム16のフランジ部16cから吊されるステースタック110によって支持されている。
図6に示すように、フロントフレーム16の下方でありかつセルスタック102の上方には、水溶液用のラジエータ112と気液分離用のラジエータ114とが配置されている。ラジエータ112と114とは一体的に構成され、その前面が車両の前方やや下向きに配置され、前面に対して直交するように設けられる複数の板状のフィン(図示せず)を有する。このようなラジエータ112および114は、走行時に風を十分に受けることができる。
図6等に示すように、ラジエータ112は、旋回するように形成されるラジエータパイプ116を含む。ラジエータパイプ116は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口118a(図5参照)から出口118b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ112の裏面側にはラジエータパイプ116と対向するようにラジエータ冷却用のファン120が設けられている。
同様に、ラジエータ114は、それぞれ蛇行するように形成される2本のラジエータパイプ122を含む。各ラジエータパイプ122は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口124a(図3参照)から出口124b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ114の裏面側にはラジエータパイプ122と対向するようにラジエータ冷却用のファン126が設けられている。
図1〜図7に戻り主に図3を参照して、フロントフレーム16の連結部16eの後側には、上方から順に燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132が配置されている。燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
燃料タンク128は、シートレール20の下側に配置され、シートレール20の後端部に取り付けられている。燃料タンク128は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。燃料タンク128はその上面に蓋128aを備え、蓋128aを取り外してメタノール燃料が供給される。
また、水溶液タンク130は、燃料タンク128の下側に設けられ、リヤフレーム18に取り付けられている。水溶液タンク130は、燃料タンク128からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。つまり、水溶液タンク130は、水溶液ポンプ146(後述)によってセルスタック102に向けて送り出すべきメタノール水溶液を収容している。
燃料タンク128にはレベルセンサ129が装着され、燃料タンク128内のメタノール燃料の液面の高さが検出される。水溶液タンク130にはレベルセンサ131が装着され、水溶液タンク130内のメタノール水溶液の液面の高さが検出される。レベルセンサ129,131で液面高さを検出することによって、タンク内の液量を検出できる。水溶液タンク130内の液面は、たとえば図4においてAで示す範囲内にコントロールされる。
水タンク132は、リヤフレーム18の板状部材18aおよび18b間でありかつセルスタック102の後側に配置されている。水タンク132にはレベルセンサ133が装着され、水タンク132内の水面の高さが検出される。レベルセンサ133で水面高さを検出することによって、水タンク132内の水量を検出できる。
また、燃料タンク128の前側でありかつフロントフレーム16のフランジ部16bの上側には、二次電池134が設けられている。二次電池134はリヤフレーム18の板状部材(図示せず)の上面に配置される。二次電池134は、セルスタック102で生成された電気エネルギを蓄え、コントローラ156(後述)の指令に応じて電気エネルギを対応する電気構成部材に供給する。たとえば、二次電池134は、補機類や駆動ユニット62に電気エネルギを供給する。
二次電池134の上側かつシートレール20の下側には、燃料ポンプ136、検出用バルブ138が配置されている。また、水溶液タンク130の上側にはキャッチタンク140が配置されている。
キャッチタンク140はその上面に蓋140aを備え、たとえば燃料電池システム100を一度も起動したことがない状態(水溶液タンク130が空の状態)において、蓋140aを取り外してメタノール水溶液が供給される。キャッチタンク140は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
また、フロントフレーム16とセルスタック102とラジエータ112,114とによって囲まれた空間には、気体に含まれる塵等の異物を除去するためのエアフィルタ142が配置され、エアフィルタ142の後方斜め下側には水溶液フィルタ144が配置されている。
また、図4に示すように、フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が収納されている。エアポンプ148の左側にはエアチャンバ150が配置されている。水溶液ポンプ146の駆動によってセルスタック102に向けてメタノール水溶液が送り出される。
さらに、図5に示すように、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、前方から順にメインスイッチ152、DC−DCコンバータ154、コントローラ156、防錆用バルブ158および水ポンプ160が配置される。なお、メインスイッチ152はフロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するように設けられている。セルスタック102の前面にはホーン162が設けられている。また、DC−DCコンバータ154は電圧を24Vから12Vに変換し、変換された12Vの電圧によってファン120,126が駆動される。
このように配置される燃料電池システム100の配管について、図4〜図7および図10を参照して説明する。
燃料タンク128と燃料ポンプ136とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ136と水溶液タンク130とはパイプP2によって連通されている。パイプP1は、燃料タンク128の左側面下端部と燃料ポンプ136の左側面下端部とを結び、パイプP2は、燃料ポンプ136の左側面下端部と水溶液タンク130の左側面下端部とを結ぶ。燃料ポンプ136を駆動させることによって、燃料タンク128内のメタノール燃料がパイプP1,P2を介して水溶液タンク130に与えられる。
水溶液タンク130と水溶液ポンプ146とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ146と水溶液フィルタ144とはパイプP4によって連通され、水溶液フィルタ144とセルスタック102とはパイプP5によって連通されている。パイプP3は、水溶液タンク130の左側面下隅部と水溶液ポンプ146の後部とを結び、パイプP4は、水溶液ポンプ146の後部と水溶液フィルタ144の左側面とを結び、パイプP5は、水溶液フィルタ144の右側面とセルスタック102の前面右下隅部に位置するアノード入口I1とを結ぶ。水溶液ポンプ146を駆動させることによって、水溶液タンク130からのメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144で不純物が除去された後、パイプP5を介してセルスタック102に与えられる。この実施形態ではパイプP4およびP5によって水溶液ポンプ146が送り出すメタノール水溶液をセルスタック102の各燃料電池104に案内するパイプが構成される。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ112とはパイプP6によって連通され、ラジエータ112と水溶液タンク130とはパイプP7によって連通されている。パイプP6は、セルスタック102の後面左上隅部に位置するアノード出口I2とラジエータ112の下面右側端部から引き出されるラジエータパイプ116の入口118a(図5参照)とを結び、パイプP7は、ラジエータ112の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出されるラジエータパイプ116の出口118b(図3参照)と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。セルスタック102から排出される未反応メタノール水溶液および二酸化炭素はパイプP6を介してラジエータ112に与えられ温度が下げられて、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。これによって水溶液タンク130内のメタノール水溶液の温度を下げることができる。
上述したパイプP1〜P7は主として燃料の流路となる。
また、エアフィルタ142とエアチャンバ150とはパイプP8によって連通され、エアチャンバ150とエアポンプ148とはパイプP9によって連通され、エアポンプ148と防錆用バルブ158とはパイプP10によって接続され、防錆用バルブ158とセルスタック102とはパイプP11によって接続されている。パイプP8は、エアフィルタ142の後部とエアチャンバ150の中央部よりもやや前方寄りの位置とを結び、パイプP9は、エアチャンバ150の中央部の下側とエアポンプ148の後部とを結び、パイプP10は、フロントフレーム16の板状部材16aの左側に位置するエアポンプ148と板状部材16aの右側に位置する防錆用バルブ158とを結び、パイプP11は、防錆用バルブ158とセルスタック102の後面右上端部に位置するカソード入口I3とを結ぶ。燃料電池システム100の運転時には防錆用バルブ158を開いておき、その状態でエアポンプ148を駆動させることによって、酸素を含む空気が外部から吸入される。吸入された空気は、エアフィルタ142で浄化された後、パイプP8、エアチャンバ150およびパイプP9を介してエアポンプ148に流入し、さらに、パイプP10、防錆用バルブ158およびパイプP11を介してセルスタック102に与えられる。防錆用バルブ158は、燃料電池システム100の停止時には閉じられており、エアポンプ148への水蒸気の逆流を防ぎエアポンプ148の錆を防止する。
セルスタック102と気液分離用のラジエータ114とは2本のパイプP12によって連通され、ラジエータ114と水タンク132とは2本のパイプP13によって連通され、水タンク132にはパイプ(排気管)P14が設けられている。各パイプP12は、セルスタック102の前面左下隅部に位置するカソード出口I4とラジエータ114の下面左側端部から引き出される各ラジエータパイプ122の入口124a(図3参照)とを結び、各パイプP13は、ラジエータ114の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出される各ラジエータパイプ122の出口124b(図3参照)と水タンク132の前面上部とを結び、パイプP14は、水タンク132の後面上部に接続され、一旦上昇しその後下降するようにくの字状に形成されている。セルスタック102のカソード出口I4から排出される水分(水および水蒸気)や二酸化炭素を含む排気は、パイプP12を介してラジエータ114に与えられ、水蒸気が液化される。ラジエータ114からの排気は、パイプP13を介して水と共に水タンク132に与えられ、パイプP14を介して外部に排出される。
上述したパイプP8〜P14は、主として排気の流路となる。
さらに、水タンク132と水ポンプ160とはパイプP15によって連通され、水ポンプ160と水溶液タンク130とはパイプP16によって連通されている。パイプP15は、水タンク132の右側面下部と水ポンプ160の中央部とを結び、パイプP16は、水ポンプ160の中央部と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。水ポンプ160を駆動させることによって、水タンク132内の水がパイプP15,16を介して水溶液タンク130に戻される。
上述したパイプP15,P16は水の流路となる。
また、パイプP4には、水溶液ポンプ146によって送り出されパイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するように、パイプP17が接続される。図4に示すように、パイプP17には、パイプP17内でのメタノール濃度を検出するための超音波センサ164が取り付けられている。超音波センサ164は、流入したメタノール水溶液のメタノール濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に応じて超音波の伝播速度が変化することを利用してパイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出するために用いられる。
図4に示すように、超音波センサ164は、超音波を発生させる発信部164aと超音波を検出する受信部164bとを有する。発信部164aは、パイプP4に介挿される。発信部164aの分岐口165にはパイプP17の始端が接続され、パイプP17内には分岐口165を介してメタノール水溶液が導入される。受信部164bは、パイプP17の終端に接続され二次電池134の左側面に配置される。超音波センサ164では、発信部164aで超音波を発生させ、受信部164bで超音波を受信して、発信部164aでの超音波の発生開始から受信部164bでの超音波の受信までの時間によって得られる超音波の伝播速度を検出し、その伝播速度を電圧値に変換して物理的な濃度情報とする。コントローラ156は、その濃度情報に基づいて、パイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する。
受信部164bと検出用バルブ138とはパイプP18によって連通されている。また、検出用バルブ138と水溶液タンク130とはパイプP19によって連通されている。パイプP18は、受信部164bの上面と検出用バルブ138の左側面とを結び、パイプP19は、検出用バルブ138の右側面と水溶液タンク130の上面とを結ぶ。
上述したパイプP17〜P19は主として濃度検出用の流路となる。
さらに、水溶液タンク130とキャッチタンク140とはパイプP20によって連通され、キャッチタンク140と水溶液タンク130とはパイプP21によって連通され、キャッチタンク140とエアチャンバ150とはパイプP22によって連通されている。パイプP20は、水溶液タンク130の左側面上隅部とキャッチタンク140の左側面上隅部とを結び、パイプP21は、キャッチタンク140の下端部と水溶液タンク130の左側面下隅部とを結び、パイプP22は、キャッチタンク140の左側面上部寄りの位置とエアチャンバ150の上端面とを結ぶ。水溶液タンク130内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP20を介してキャッチタンク140に与えられる。気化したメタノールと水蒸気とはキャッチタンク140で冷却、液化された後、パイプP21を介して水溶液タンク130に戻される。キャッチタンク140内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP22を介してエアチャンバ150に与えられる。
上述したパイプP20〜P22は主として燃料処理用の流路となる。
なお、図10に示すように、超音波センサ164の受信部164bには、超音波センサ164を通るメタノール水溶液の温度を検出するための第1温度センサ166が設けられている。また、セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度に対応する濃度情報をメタノール水溶液の電気化学的特性を利用して検出するための電圧センサ168とセルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度を検出するための第2温度センサ170とが設けられている。さらに、エアフィルタ142付近には、外気温度を検出するための外気温度センサ171が設けられている。電圧センサ168は、燃料電池(燃料電池セル)104の開回路電圧(Open Circuit Voltage)を検出し、その電圧値を電気化学的な濃度情報とする。
このような燃料電池システム100の電気的構成について、図11を参照して説明する。
燃料電池システム100のコントローラ156は、必要な演算を行い燃料電池システム100の動作を制御するためのCPU172、CPU172にクロックを与えるクロック回路174、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ176、燃料電池システム100の誤動作を防ぐためのリセットIC178、外部機器と接続するためのインターフェイス回路180、自動二輪車10を駆動する電動モータ60にセルスタック102を接続するための電気回路182における電圧を検出するための電圧検出回路184、燃料電池104ひいてはセルスタック102を流れる電流を検出するための電流検出回路186、電気回路182を開閉するためのON/OFF回路188、電気回路182の過電圧を防止するための電圧保護回路190、電気回路182に設けられるダイオード192、および電気回路182に所定の電圧を供給するための電源回路194を含む。
このようなコントローラ156のCPU172には、超音波センサ164、電圧センサ168、第1温度センサ166、第2温度センサ170および外気温度センサ171からの検出信号、電圧検出回路184からの電圧検出値、ならびに電流検出回路186からの電流検出値が入力される。また、CPU172には、燃料電池システム100の傾斜を検出する傾斜センサ196からの検知信号や、電源をオンオフするためのメインスイッチ152からの入力信号や、各種設定や情報入力のための入力部30cからの信号が与えられる。さらに、CPU172には、レベルセンサ129,131および133からの検出信号も与えられる。
記憶手段であるメモリ176には、図14〜図19に示す動作を実行するためのプログラムや演算データ等の他、超音波センサ164によって得られたメタノール水溶液の物理的な濃度情報(超音波伝播速度に対応する電圧)を濃度に変換するための変換情報、電圧センサ168によって得られたメタノール水溶液の電気化学的な濃度情報(燃料電池104の開回路電圧)を濃度に変換するための変換情報が格納される。これらの変換情報は、たとえば、センサの出力情報とそれに対応する濃度との対応関係を示すテーブルデータである。さらに、メモリ176には傾斜情報、第1所定値、第2所定値および第3所定値が格納される。傾斜情報は、所定以上の傾斜の有無を判断した時刻を示す時刻データとその判断結果を示す結果データとを含む。結果データは、所定以上の傾斜があれば「1」、なければ「0」とされる。
また、メモリ176には、傾斜時間を待機時間に変換するための変換情報が格納されている。具体的には、図12の傾斜時間と待機時間との対応関係を示すテーブルデータが格納されている。
なお、図13を参照して、復旧モードでは、燃料電池システム100の傾斜が所定以上でなくなってからの正常時間が、傾斜時間に基づいて求められた待機時間以上になれば、燃料電池104を起動できる。
また、CPU172によって、燃料ポンプ136、水溶液ポンプ146、エアポンプ148、水ポンプ160、冷却用ファン120,126、検出用バルブ138および防錆用バルブ158等の補機類が制御される。さらに、CPU172によって、各種情報を表示し自動二輪車の搭乗者に各種情報を報知するための表示部30bが制御される。
また、セルスタック102には二次電池134および駆動ユニット62が接続される。二次電池134および駆動ユニット62は電動モータ60に接続される。二次電池134は、セルスタック102からの出力を補完するものであり、セルスタック102からの電気エネルギによって充電され、その放電によって電動モータ60や補機類に電気エネルギを与える。
電動モータ60には、電動モータ60の各種データを計測するためのメータ30aが接続され、メータ30aによって計測されたデータや電動モータ60の状況は、インターフェイス回路198を介してCPU172に与えられる。
また、インターフェイス回路198には充電器200が接続可能であり、充電器200は外部電源(商用電源)202に接続できる。充電器200を介してインターフェイス回路198と外部電源202とが接続されている場合、すなわち燃料電池システム100と外部電源202とが接続されている場合には、インターフェイス回路198を介してCPU172に外部電源接続信号が与えられる。充電器200のスイッチ200aはCPU172によってオン/オフできる。
この実施形態では、メモリ176が記憶手段に相当し、CPU172が制御手段に相当し、CPU172およびメモリ176が時間検出手段に相当し、水タンク132が水収容部に相当し、水溶液タンク130が水溶液収容部に相当する。メインスイッチ152が指示手段に相当する。また、傾斜検出手段は傾斜センサ196を含み、空気供給手段はエアポンプ148を含み、水供給手段は水ポンプ160を含み、水溶液量検出手段はレベルセンサ131を含み、液量検出手段はレベルセンサ133を含む。
ついで、燃料電池システム100の運転時の主要動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ152がオンされることを契機として、水溶液ポンプ146やエアポンプ148等の補機類を駆動し、運転を開始する。
水溶液ポンプ146の駆動によって、水溶液タンク130に収容されるメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144に供給される。そして、水溶液フィルタ144で不純物等が除去されたメタノール水溶液は、パイプP5、アノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のアノード104bにダイレクトに供給される。
一方、エアポンプ148の駆動によってエアフィルタ142から吸入された空気(エア)は、パイプP8を介してエアチャンバ150に流入することによって消音される。そして、吸入された空気およびエアチャンバ150に与えられたキャッチタンク140からの気体が、パイプP9〜P11、カソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のカソード104cに供給される。
各燃料電池104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質膜104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。生成された電気エネルギは、二次電池134に送られて蓄えられると共に、自動二輪車10の走行駆動等に利用される。
一方、各燃料電池104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、上記電気化学反応によって発生する熱によって温度上昇し(たとえば約65℃〜70℃となる)、未反応メタノール水溶液の一部は気化される。二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2を介して水溶液用のラジエータ112内に流入し、ラジエータパイプ116を流れる間にファン120によって冷却される(たとえば約40℃となる)。冷却された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。
一方、各燃料電池104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気の一部は、ラジエータ114で冷却されその温度が露点以下になることによって液化される。ラジエータ114による水蒸気の液化動作は、ファン126を動作させることによって行われる。カソード出口I4からの水分(水および水蒸気)は未反応の空気と共にパイプP12、ラジエータ114およびパイプP13を介して水タンク132に与えられる。
また、各燃料電池104のカソード104cでは、キャッチタンク140からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソードに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池104のカソード104cに移動した水分が、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。
水タンク132に回収された水は、水ポンプ160の駆動によってパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に適宜還流され、メタノール水溶液の水として利用される。
運転中の燃料電池システム100では、各燃料電池104の劣化を防ぎつつ各燃料電池104に効率よく発電させるために、メタノール水溶液の濃度検出処理が定期的に実行される。そして、その検出結果に基づいてセルスタック102に供給すべき水溶液タンク130内のメタノール水溶液のメタノール濃度がたとえば3wt%程度に調整される。具体的には、コントローラ156によって燃料ポンプ136および水ポンプ160が制御され、メタノール濃度の検出結果に基づいて、燃料タンク128内のメタノール燃料が水溶液タンク130へ供給され、水タンク132内の水が水溶液タンク130へ還流される。
このように運転される燃料電池システム100が停止するまでの動作について、図14を参照して説明する。
まず、燃料電池システム100の運転中において、二次電池134が満充電されたかまたは自動二輪車10のメインスイッチ152がオフされたか否かが判断される(ステップS1)。二次電池134が満充電されておらずかつ自動二輪車10のメインスイッチ152がオフされていなければ、所定以上の傾斜が検出されたか否かが判断される(ステップS3)。燃料電池システム100ひいては車体11の傾きが規定値を超えている状態を傾斜センサ196によって一定時間以上継続して検出されたときCPU172によって所定以上の傾斜と判断される。
自動二輪車10では車体11を大きく傾けながら走行する場合があるので、車体11の最大傾斜角を規定値としてもよい。なお、最大傾斜角とは、走行中にそれよりも倒すことのできない角度、具体的には車体11を傾けたときに地面に最初に接触するフットレストなどの部材が地面に接触したときの角度を意味する。このような規定値を用いると、自動二輪車10が転倒すれば規定値を超えることになる。
ステップS3において所定以上の傾斜が検出されたときには燃料電池104ひいてはセルスタック102の発電が停止される(ステップS5)。停止処理はエアポンプ148や水溶液ポンプ146などの補機類の駆動を停止することによって行われる。そして、所定以上の傾斜ありが記憶される(ステップS7)。すなわち、所定以上の傾斜の有無の判断時刻を示す時刻データと所定以上の傾斜ありを示す「1」の結果データとを含む傾斜情報がメモリ176に格納され、低消費モードへ進む。一方、ステップS1において二次電池134が満充電されたかまたは自動二輪車10のメインスイッチ152がオフされたことを検出すれば、燃料電池104ひいてはセルスタック102の発電が停止され(ステップS9)、低消費モードへ進む。
ついで、図15を参照して、低消費モードにおける動作について説明する。
低消費モードの処理は所定時間毎に(この実施形態では1分に1回)起動され(ステップS31)、傾斜センサ196の出力をチェックすることによって所定以上の傾斜の検出が行われる(ステップS33)。但し、ステップS33による傾斜検出の頻度は、ステップS3による傾斜検出の頻度より少なく設定される。
そして、所定以上の傾斜が検出されたときはメモリ176に所定以上の傾斜ありが記憶される(ステップS35)。すなわち、所定以上の傾斜の有無の判断時刻を示す時刻データと所定以上の傾斜ありを示す「1」の結果データとを含む傾斜情報がメモリ176に格納され、終了する。一方、ステップS33において所定以上の傾斜が検出されなければ、メモリ176に所定以上の傾斜なしが記憶される(ステップS37)。すなわち、当該傾斜の有無の判断時刻を示す時刻データと所定以上の傾斜なしを示す「0」の結果データとを含む傾斜情報がメモリ176に格納され、終了する。
このような傾斜情報に基づいて傾斜時間を検出することができ、最適な起動モードを選択できる。この実施形態では、所定以上の傾斜状態の継続を1分単位で検出でき、1分単位で傾斜時間を検出できる。
次に、図16を参照して、起動モードを選択するためのチェックモードについて説明する。
まず、メインスイッチ152がオンされたか否かが判断される(ステップS51)。
メインスイッチ152がオンされるまで待機し、メインスイッチ152がオンされると、CPU172によってメモリ176内の傾斜情報の結果データに基づいて所定以上の傾斜ありの記憶があるか否かが判断される(ステップS53)。所定以上の傾斜ありの記憶があればメモリ176内の傾斜情報に基づいてCPU172によって傾斜時間が検出される(ステップS55)。この実施形態では、低消費モードの処理は1分間隔で起動され、傾斜情報もメモリ176へ1分ごとに追加的に書き込まれていく。このようなメモリ176内の傾斜情報の履歴を参照して、「1」の結果データの個数に基づいて簡単に傾斜時間が検出される。たとえば、「1」の結果データが1つであれば傾斜時間は1分未満、2つであれば1分以上2分未満、10個あれば9分以上10分未満とされる。
そして、傾斜時間が第1所定値(たとえば1440時間)以上か否かが判断される(ステップS57)。傾斜時間が第1所定値未満であれば、CPU172は起動モードとして復旧モードを選択し、燃料電池104が復旧モードで起動され(ステップS59)、終了する。
一方、ステップS53において所定以上の傾斜ありの記憶がなければ(メモリ176内に「1」の結果データがなければ)、CPU172は起動モードとして通常モードを選択し、燃料電池104が通常モードで起動され(ステップS61)、終了する。また、ステップS57において傾斜時間が第1所定値以上であれば、燃料電池104を起動することなく表示部30bにエラーが表示されて(ステップS63)、終了する。
なお、たとえば低消費モードにおいて燃料電池システム100が2回以上転倒したような場合には、最後の転倒すなわち最後の所定以上の傾斜のみの傾斜時間を検出し、その傾斜時間に基づいて待機時間を求めるようにしてもよい。
図17および図18を参照して、復旧モードの動作について説明する。
まず、チェックモードのステップS55において検出された傾斜時間から待機時間が検出される(ステップS71)。この実施形態では、メモリ176に記憶されている図12に示すテーブルデータを参照して、傾斜時間に対応する待機時間が選択される。そして、燃料電池システム100の傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が待機時間以上か否かが判断される(ステップS73)。正常時間が待機時間以上になるまで待機し、正常時間が待機時間以上になればステップS75に進む。
このように正常時間が待機時間以上になれば、水溶液タンク130や水タンク132などの重力に依存する部分で気相、液相の相分離を正常に戻すことができる。
また、エアポンプ148に液体が流入するとポンプの回転の抵抗となり焼きつきなどの問題が生じ、水溶液ポンプ146に空気が流入すると噛み込みによって水溶液を供給することができないという問題を生じる。したがって、ポンプ類についても相分離を確実に行う必要がある。正常時間が待機時間以上になれば、ポンプ類についても相分離を確実に行うことができる。また、乾燥した電解質膜104aを湿らせ、正常な状態に戻すことができる。
そして、ステップS75において、燃料電池104に負荷である電動モータ60および二次電池134が接続されず(ステップS75)、その後、温度条件に拘わらずエアポンプ148が通常の15〜20%程度の出力で抑え気味に所定時間動作される(ステップS77)。この動作によって転倒の影響でカソード104cに詰まっている水またはメタノール水溶液の排出を促進することができる。また、エアポンプ148を抑え気味に駆動させることによって、エアポンプ148の駆動に要する電力が上がり過ぎて過電流でシステムが停止してしまうといった弊害を防止できる。
そして、水溶液タンク130内の水溶液量が第2所定値(たとえば1000cc)以上か否かがレベルセンサ131の検出結果に基づいてCPU172によって判断される(ステップS79)。水溶液量が第2所定値未満であれば、水ポンプ160が駆動されて水溶液量が調整され(ステップS81)、水タンク132内の液量が第3所定値(たとえば750cc)以上か否かがレベルセンサ133の検出結果に基づいてCPU172によって判断される(ステップS83)。水タンク132内の液量が第3所定値以上であればステップS79に戻る。水溶液タンク130内の水溶液量が第2所定値以上になるまで以上の処理が行われる。水溶液タンク130内の水溶液量が第2所定値以上になれば、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が駆動され発電が開始される(ステップS87)。一方、水タンク132内の水を供給しても水溶液タンク130内の水溶液量を十分に回復できない場合には、ステップS83において水タンク132内の液量が第3所定値未満となる。この場合、燃料ポンプ136が駆動されメタノール燃料が水溶液タンク130内に供給されることによって高濃度のメタノール水溶液が生成され(ステップS85)、発電が開始される(ステップS87)。このようにして発電を開始し高濃度のメタノール燃料を循環させることによって、メタノールのクロスオーバーが促進され、クロスオーバーしたメタノールがカソード104cで水と二酸化炭素とに分解され、その水が水タンク132に蓄えられる。
そして、たとえば第2温度センサ170によって検出された温度をセルスタック102の温度とみなし、その温度が所定温度(たとえば50℃)まで上昇したか否かがCPU172によって判断される(ステップS89)。所定温度に達していなければ、ステップS90において所定時間が経過するまでは所定温度へ到達するのを待つ。所定温度に到達すれば、燃料電池104と負荷である電動モータ60および二次電池134とが接続されて燃料電池104からの電力が取り出され(ステップS91)、二次電池134の充電が開始される。そして、運転中に燃料電池104の電圧が測定され出力が回復したか否かが判断される(ステップS93)。出力が回復したか否かは、たとえば燃料電池104の出力が予め設定しておいた出力の80%以上に達したか否かによって判断される。なお、転倒直前の出力を記憶しておきそれ以上の出力が得られた時点で出力が回復したと判断するようにしてもよい。
出力が回復したと判断されると傾斜情報がクリアされ(ステップS95)、通常運転に移り(ステップS97)、終了する。
一方、ステップS93において出力が回復しなければ、所定以上の傾斜によって出力の低下が生じたことがメモリ176に記憶され(ステップS99)、表示部30bにエラーが表示され(ステップS101)、傾斜情報がクリアされる(ステップS103)。そして、NET出力がマイナスになったか否かが判断される(ステップS105)。NET出力がマイナスになるまで発電が継続され、マイナスになれば発電が停止され(ステップS107)、終了する。
なお、NET出力とは、燃料電池104の出力(グロス出力)からエアポンプ148等の補機類に消費される電力を減じた出力である。補機類の消費電力がグロス出力を上回りNET出力がマイナスになると、充電できなくなるので発電が停止される。
また、ステップS90において、所定時間が経過すれば、表示部30bにエラーが表示され(ステップS109)、終了する。
ついで、図19を参照して、通常モードの動作について説明する。
まず、レベルセンサ131の検出結果に基づいてCPU172によって水溶液タンク130内のメタノール水溶液量が検出され(ステップS111)、二次電池134の蓄電量が蓄電量検出器65によって検出され(ステップS113)、水溶液量および蓄電量に基づいて昇温方法が決定される(ステップS115)。
そして、燃料ポンプ136を駆動させることによってメタノール燃料が水溶液タンク130へ補充される(ステップS117)。その後、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が駆動されて発電が開始され(ステップS119)、セルスタック102の温度が40℃以上になったか否かが判断される(ステップS121)。セルスタック102の温度が40℃以上になるまでステップS119に戻りエアポンプ148の駆動が続けられる。そして、セルスタック102の温度が40℃以上になれば部分負荷接続にされる(ステップS123)。部分負荷接続で運転するのは、温度が低い状態で全負荷を接続すると性能が低下するからである。
そして、発電電流に応じてエアの必要量が変わるので、発電電流に応じてエアポンプ148が制御され(ステップS125)、セルスタック102の温度が55℃に到達したか否かが判断される(ステップS127)。セルスタック102の温度が55℃に到達するまでステップS125に戻り、発電電流に応じてエアポンプ148が制御される。そして、セルスタック102の温度が55℃に到達すれば、全負荷接続にされ(ステップS129)、終了する。
このような燃料電池システム100によれば、メモリ176に所定以上の傾斜ありの記憶(「1」の結果データ)があるとき復旧モードで起動することによって、所定以上の傾斜後であっても燃料電池104を良好に起動することができる。
また、燃料電池システム100が所定以上傾斜したとき燃料電池104の運転を停止させることによって、燃料電池システム100の所定以上の傾斜時に発電を継続することに伴う危険を防止することができる。
さらに、所定以上の傾斜が長時間継続したときには起動せず、これによって電解質膜104aを保護することができる。
また、復旧モードにおいて、エアポンプ148を駆動することによって、カソード104cに流入してしまった水のカソード104cからの排出を促すことができる。通常運転時には燃料電池104の温度に応じてエアポンプ148の駆動を制御しているが、復旧モードでは温度条件を無視し所定時間駆動し続けることで不要な水のカソード104cからの排出を促すことができる。
さらに、水溶液タンク130内の液量が減少し不足してしまうと、水タンク132内の水を水溶液タンク130に戻すことによって水溶液タンク130内の液量を回復させることができる。
また、燃料電池104に供給するメタノール水溶液の濃度を上昇させることによって発電中のクロスオーバー量を増加させる。これによって、カソード104cから排出される液量を増加させ、水タンク132内の液量を増加させることができる。特に、水タンク132内の水を水溶液タンク130内に戻すことによって水タンク132内の水量が不足する場合に有効である。
さらに、発電の停止中において燃料電池システム100の傾斜を検出する頻度を運転中より少なく設定することによって、発電の停止中の消費電力を抑制できる。
燃料電池システム100を含む輸送機器は所定以上傾斜する場合があり、特に自動二輪車10は転倒し易いので、この発明は、燃料電池システム100を含む自動二輪車10ひいては船舶等の輸送機器に好適に用いられる。
また、この発明は、輸送機器だけではなく電子機器にも適用できる。さらに、この発明は、大型、小型を問わずあらゆるサイズの据え置き型、可搬型のシステムに適用できる。
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
さらに、この発明は、水素ガスを燃料電池に供給するタイプのシステムにも適用できる。
また、傾斜検出手段には、ジャイロ計器や、接地面との接触を検出するための接触スイッチなどの他の手段を用いることができる。
上述の実施形態では、燃料電池システム100の傾きが規定値を超えている状態を一定時間以上継続して検出したとき、所定以上の傾斜ありと判断したが、これに限定されない。燃料電池システム100の傾きが規定値を超えれば所定以上の傾斜ありと判断するようにしてもよい。
また、傾斜時間はクロック回路174からのクロックに基づいてリアルタイムに測定されてもよい。
さらに、図16に示すステップS53において所定以上の傾斜ありの記憶があれば、ステップS55およびS57を経ることなく直接ステップS59に進み、燃料電池104を復旧モードで起動するようにしてもよい。
この発明が詳細に説明され図示されたが、それは単なる図解および一例として用いたものであり、限定であると解されるべきではないことは明らかであり、この発明の精神および範囲は特許請求の範囲の文言のみによって限定される。
この発明の一実施形態の自動二輪車を示す左側面図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め前方からみた斜視図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め後方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を示す左側面図である。 燃料電池システムの配管状態を示す右側面図である。 燃料電池システムの配管状態を左斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を右斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池セルスタックを示す図解図である。 燃料電池セルを示す図解図である。 燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 傾斜時間と待機時間との対応関係を示すテーブルデータである。 傾斜時間、待機時間および正常時間を説明するための図解図である。 この発明の一実施形態の動作の一例を示すフロー図である。 この発明の一実施形態の低消費モードの動作の一例を示すフロー図である。 この発明の一実施形態のチェックモードの動作の一例を示すフロー図である。 この発明の一実施形態の復旧モードの動作の一例を示すフロー図である。 図17の動作の続きを示すフロー図である。 この発明の一実施形態の通常モードの動作の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 自動二輪車
65 蓄電量検出器
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104 燃料電池(燃料電池セル)
104a 電解質膜
104b アノード
104c カソード
128 燃料タンク
129,131,133 レベルセンサ
130 水溶液タンク
132 水タンク
134 二次電池
136 燃料ポンプ
146 水溶液ポンプ
148 エアポンプ
152 メインスイッチ
156 コントローラ
160 水ポンプ
172 CPU
176 メモリ
196 傾斜センサ
P1〜P22 パイプ

Claims (12)

  1. アノードとカソードとを有する燃料電池を含む燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システムの傾斜を検出する傾斜検出手段、
    前記傾斜検出手段によって所定以上の傾斜が検出された後の傾斜時間を検出する時間検出手段、
    前記傾斜検出手段の検出結果に応じた傾斜情報を記憶する記憶手段、ならびに
    前記記憶手段に記憶された前記傾斜情報に基づいて前記燃料電池を通常モードおよび復旧モードのいずれかで起動させる制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記時間検出手段の検出結果に基づいて待機時間を設定し、前記傾斜検出手段によって前記燃料電池システムの傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が前記待機時間以上になれば発電を開始させる、燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記時間検出手段によって検出された傾斜時間の増加に応じて前記待機時間が増加するように前記待機時間を設定する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記傾斜検出手段の検出結果に基づいて前記燃料電池の運転動作を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記傾斜時間に基づいて前記燃料電池の起動を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の前記カソードに酸素を含む空気を供給する空気供給手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記燃料電池からの電力を取り出す前に前記カソードに前記空気を所定時間供給し続けるように前記空気供給手段を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記燃料電池からの電力を取り出す前に前記カソードに発電時よりも少ない量の空気を所定時間供給し続けるように前記空気供給手段を制御する、請求項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の前記カソードから排出される水を収容する水収容部、
    前記水収容部に接続されかつ前記燃料電池に供給される燃料水溶液を収容する水溶液収容部、
    前記水収容部内の前記水を前記水溶液収容部に供給する水供給手段、および
    前記水溶液収容部内の液量を検出する水溶液量検出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記水溶液収容部内の液量に基づいて前記水供給手段の動作を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池の前記カソードから排出される水を収容する水収容部、および
    前記水収容部内の液量を検出する液量検出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記水収容部内の液量に基づいて前記燃料電池に供給する燃料水溶液の濃度を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 発電の停止中において前記傾斜検出手段によって前記燃料電池システムの傾斜を検出する頻度は運転中より少なく設定される、請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の燃料電池システムを備える、輸送機器。
  11. 請求項1からのいずれかに記載の燃料電池システムを備える、電子機器。
  12. アノードとカソードとを有する燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池システムの傾斜検出を行い、
    前記燃料電池システムが所定以上傾斜したことを記憶手段に記憶し、
    その後の前記燃料電池の起動時に、前記記憶手段に前記燃料電池システムの所定以上の傾斜の記憶があれば前記燃料電池を復旧モードで起動させ、
    前記燃料電池を前記復旧モードで起動させるとき、前記燃料電池システムの所定以上の傾斜が検出された後の傾斜時間に基づいて待機時間を設定し、前記燃料電池システムの傾斜が所定以上でなくなったことを検出した直近の時点から現時点までの経過時間である正常時間が前記待機時間以上になれば発電を開始させる、燃料電池システムの運転方法。
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