JP2007123258A - 燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料水溶液の濃度を簡単かつ正確に検出できる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム100は、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池104、燃料電池104での電気エネルギーの生成に用いられるメタノール水溶液の物理的情報をメタノール水溶液中の超音波の伝播速度に基づいて検出する超音波センサ164、メタノール水溶液の電気化学的情報を燃料電池104の開回路電圧に基づいて検出する電圧センサ168、およびメタノール水溶液の温度を検出する第1,第2温度センサ166,170を含む。さらに、物理的情報に基づくメタノール水溶液の濃度と電気化学的情報に基づくメタノール水溶液の濃度とを求め、検出された温度に基づいていずれかの濃度を選択するCPU172を含む。
【選択図】図11

Description

この発明は燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器に関し、より特定的には、燃料水溶液の濃度を制御する燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器に関する。
従来、燃料電池システムにおいて、燃料水溶液の濃度(燃料濃度)を検出し必要に応じて水または燃料(高濃度の燃料水溶液)を補給して燃料水溶液の濃度を一定にすることが行われている。
燃料水溶液の濃度を検出するセンサとしては、燃料水溶液の物理的特性を利用した濃度センサや燃料水溶液の電気化学的特性を利用した濃度センサがあるが、前者の濃度センサは高温になるほど検出精度が低下し、後者の濃度センサは低温になるほど検出精度が低下するという問題がある。
前者の濃度センサの問題を解消するために、特許文献1に示すように、燃料水溶液を冷却して燃料水溶液の濃度を検出することも提案されている。
特開2005−209584号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、濃度を検出するために燃料水溶液を冷却しなければならず処理が面倒である。
また、後者の電気化学的な濃度センサでは、経時的に出力が変化し燃料水溶液の濃度の検出精度が劣化するおそれがある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、燃料水溶液の濃度を簡単かつ正確に検出できる、燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器を提供することである。
また、この発明の他の目的は、検出精度の経時的な劣化を防止できる、燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器を提供することである。
上述の目的を達成するために、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、燃料電池での電気エネルギーの生成に用いられる燃料水溶液の濃度を燃料水溶液の物理的特性を利用して検出する第1濃度検出手段、燃料水溶液の濃度を燃料水溶液の電気化学的特性を利用して検出する第2濃度検出手段、燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段、ならびに温度検出手段によって検出された温度に基づいて第1濃度検出手段によって得られた濃度および第2濃度検出手段によって得られた濃度のいずれかを選択する選択手段を備える、燃料電池システムが提供される。
この燃料電池システムでは、温度検出手段によって燃料水溶液の温度が検出され、検出された温度に基づいて第1濃度検出手段および第2濃度検出手段のいずれかによって得られた燃料水溶液の濃度が選択される。このようにすれば、燃料水溶液の温度に応じて、検出精度が高い方の濃度検出手段によって得られた濃度を選択でき、燃料水溶液の濃度を簡単かつ精度良く検出できる。
好ましくは、温度検出手段の検出結果が第1閾値と第1閾値よりも小さい第2閾値との間にあるとき、選択手段は、第1濃度検出手段および第2濃度検出手段のそれぞれによって燃料水溶液の濃度を検出させ、いずれか一方の濃度を選択する。切替温度に基づいて濃度検出手段を切り替える場合、切替温度付近では片方の濃度検出手段による濃度検出に不具合が生じやすい。したがって、当該切替温度を範囲に含むように第1閾値と第2閾値とを設定し、第1閾値と第2閾値との間に温度検出手段の検出結果があるときは、第1濃度検出手段および第2濃度検出手段の両方で濃度を検出する。これによって、片方の濃度検出手段での検出に不具合があった場合でも、濃度を検出することができる。なお、実施上想定しうる温度において第1濃度検出手段および第2濃度検出手段の両方で濃度を検出するように、第1閾値と第2閾値との間隔を広く設定しておけば、実際上いつでも第1濃度検出手段および第2濃度検出手段の両方で濃度検出が行われる。このようにすれば、片方の濃度検出手段での検出に不具合があった場合でも、濃度を検出することができる。
また好ましくは、第1濃度検出手段によって得られた濃度が有効か否かを判断する。このように濃度の有効性を判断することによって、精度の高い濃度を得ることができる。
さらに好ましくは、第1濃度検出手段によって得られた濃度が有効であると判断されたとき、選択手段は、温度検出手段によって検出された温度と第1閾値よりも小さくかつ第2閾値よりも大きい切替温度とに基づいて、第1濃度検出手段によって得られた濃度および第2濃度検出手段によって得られた濃度のいずれかを選択する。この場合、切替温度と温度検出手段の検出温度との比較に基づいて燃料水溶液の濃度を精度よく取得できる。
好ましくは、第1濃度検出手段によって得られた濃度に基づいて切替温度を設定する。燃料水溶液の濃度によって第1濃度検出手段の性能が変化する場合があるが、燃料水溶液の濃度に応じて切替温度を設定することで、濃度をより精度よく検出できる。
また好ましくは、選択手段は、温度検出手段によって検出された温度と設定手段によって設定された切替温度とに基づいて第1濃度検出手段によって得られた濃度および第2濃度検出手段によって得られた濃度のいずれかを選択する。これによって濃度をさらに精度よく検出できる。
この燃料電池システムは、第1濃度検出手段は燃料水溶液中の超音波の伝播速度に基づいて燃料水溶液の濃度を検出するための超音波センサを含み、第2濃度検出手段は燃料電池の開回路電圧に基づいて燃料水溶液の濃度を検出するための電圧センサを含む場合に好適に用いられる。燃料水溶液中の超音波の伝播速度を検出する超音波センサでは高温になるほど濃度の検出精度が低下し、一方、燃料電池の開回路電圧(Open Circuit Voltage)を検出する電圧センサでは低温になるほど濃度の検出精度が低下する。しかし、この燃料電池システムでは、燃料水溶液の温度に応じて、検出精度が高い方の濃度センサを通して得られた濃度を選択でき、燃料水溶液の濃度を精度良く検出できる。
またこの燃料電池システムは、運転中における燃料水溶液の温度が50℃以上に達する場合に好適に用いられる。燃料電池システムの運転時に燃料電池システムを流れる燃料水溶液が50℃以上の高温に達する場合には、燃料水溶液の物理的特性を利用する第1濃度検出手段の濃度検出の精度は悪化する。しかし、この燃料電池システムでは、第1濃度検出手段だけではなく燃料水溶液の電気化学的特性を利用する第2濃度検出手段をも用いることによって、高温においては第2濃度検出手段による検出結果を選択でき、高温においても良好な検出精度を得ることができる。
また、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、燃料電池での電気エネルギーの生成に用いられる燃料水溶液の濃度を燃料水溶液の物理的特性を利用して検出する第1濃度検出手段、燃料水溶液の電気化学的情報を燃料水溶液の濃度に変換するための変換情報を記憶する記憶手段、燃料水溶液の電気化学的特性を利用して燃料水溶液の電気化学的情報を検出し、変換情報を参照して当該電気化学的情報を燃料水溶液の濃度に変換する第2濃度検出手段、および第1濃度検出手段によって得られた濃度と第2濃度検出手段によって得られた濃度とに応じて変換情報を書き換える書換手段を備える、燃料電池システムが提供される。
燃料水溶液の電気化学的特性を利用する第2濃度検出手段による濃度の検出精度は経時的に劣化するおそれがある。この燃料電池システムでは、第1濃度検出手段および第2濃度検出手段のそれぞれから出力される濃度の比較に基づいて第2濃度検出手段の検出精度が劣化していると判断されれば、第2濃度検出手段によって得られた電気化学的情報を濃度に変換するための変換情報が書き換えられる。これによって、第2濃度検出手段によって得られる濃度の検出精度が改善される。
燃料電池システムを含む自動二輪車ひいては輸送機器では、燃料電池システムを流れる燃料水溶液の温度が広範囲に変化する。また一般的に、かかる輸送機器は、電気機器等と比較して使用期間が長くなるので、燃料水溶液の電気化学的特性を利用する第2濃度検出手段の経時的な劣化が起こりやすい。したがって、このような自動二輪車ひいては輸送機器においてこの発明は好適に用いることができる。
この発明によれば、検出精度が高い方の濃度検出手段によって得られた濃度を選択でき、燃料水溶液の濃度を簡単かつ精度良く検出できる。
また、第2濃度検出手段によって得られる濃度の検出精度が改善される。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。ここでは、この発明の燃料電池システム100を、輸送機器の一例である自動二輪車10に搭載した場合について説明する。
まず、自動二輪車10について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1〜図7を参照して、自動二輪車10は車体11を含み、車体11は車体フレーム12を有する。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16と、フロントフレーム16の後端部に連結されかつ後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18と、リヤフレーム18の上端部に取り付けられるシートレール20とを備えている。フロントフレーム16の後端部はリヤフレーム18の中央部よりもやや下端部寄りの位置に接続され、フロントフレーム16およびリヤフレーム18全体で側面視略Y字状を呈している。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ後方へ斜め下方に延び左右方向に幅を有するフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dと、後端部に設けられたとえばボルト等によってリヤフレーム18が連結される連結部16eとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cと共に板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部材を収納する収納スペースを形成している。
一方、リヤフレーム18は、それぞれ後方へ斜め上方に延び前後方向に幅を有しフロントフレーム16の連結部16eを挟むように配置される板状部材18aおよび18bと、板状部材18aと18bとを連結する板状部材(図示せず)とを備えている。
ヘッドパイプ14内には、図1に示すように、車体方向変更用のステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端には、ハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられており、ハンドル24の両端にはグリップ28が取り付けられている。右側のグリップ28は回動可能なスロットルグリップを構成している。
ハンドル支持部26のハンドル24の前方には表示操作部30が配置されている。表示操作部30は、電動モータ60(後述)の各種データを計測表示するためのメータ30a、走行状態等の各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成された表示部30b、および各種情報入力用の入力部30c等が一体化されたものである。ハンドル支持部26における表示操作部30の下方には、ヘッドランプ32が固定されており、ヘッドランプ32の左右両側には、フラッシャランプ34がそれぞれ設けられている。
また、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク36が取り付けられており、フロントフォーク36それぞれの下端には、前輪38が前車軸40を介して取り付けられている。前輪38は、フロントフォーク36によって緩衝懸架された状態で前車軸40によって回転自在に軸支されている。
一方、リヤフレーム18の後端部には、フレーム状のシートレール20が取り付けられている。シートレール20は、リヤフレーム18の上端部にたとえば溶接によって固設され、略前後方向に配設されている。シートレール20上には図示しないシートが開閉自在に設けられている。シートレール20の後端部には取り付けブラケット42が固設されており、取り付けブラケット42にはテールランプ44および左右一対のフラッシャランプ46がそれぞれ取り付けられている。
また、リヤフレーム18の下端部には、スイングアーム(リヤアーム)48がピボット軸50を介して揺動自在に支持されており、スイングアーム48の後端部48aには電動モータ60(後述)を介して駆動輪である後輪52が回転自在に支持されており、スイングアーム48および後輪52は、図示しないリヤクッションによってリヤフレーム18に対して緩衝懸架されている。
さらに、リヤフレーム18の下端部の前側には、リヤフレーム18から左右方向に突出するようにフットレスト取付用バー54が固定され、フットレスト取付用バー54には図示しないフットレストが取り付けられる。フットレスト取付用バー54の後方には、メインスタンド56が回動可能にスイングアーム48に支持されており、メインスタンド56は、リターンスプリング58によって閉じ側に付勢されている。
この実施形態では、スイングアーム48には、後輪52に連結されかつ後輪52を回転駆動させるためのたとえばアキシャルギャップ型の電動モータ60と、電動モータ60に電気的に接続される駆動ユニット62とが内蔵されている。駆動ユニット62は、電動モータ60の回転駆動を制御するためのコントローラ64を含む。
このような自動二輪車10の車体11には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100が取り付けられている。燃料電池システム100は、電動モータ60やその他の構成部材を駆動するための電気エネルギーを生成する。
以下、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに発電に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、フロントフレーム16の下方に配置される燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102を含む。
図8および図9に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素イオンと酸素との電気化学反応によって電気エネルギーを生成することができる燃料電池(燃料電池セル)104を、セパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池セル104は、固体高分子膜等から構成される電解質(電解質膜)104aと、電解質104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。アノード104bおよびカソード104cはそれぞれ、電解質104a側に設けられる白金触媒層を含む。
図4等に示すように、セルスタック102はスキッド108上に載せられ、スキッド108はフロントフレーム16のフランジ部16cから吊されるステースタック110によって支持されている。
図6に示すように、フロントフレーム16の下方でありかつセルスタック102の上方には、水溶液用のラジエータ112と気液分離用のラジエータ114とが配置されている。ラジエータ112と114とは一体的に構成され、その前面が車両の前方やや下向きに配置され、前面に対して直交するように設けられる複数の板状のフィン(図示せず)を有する。このようなラジエータ112および114は、走行時に風を十分に受けることができる。
図6等に示すように、ラジエータ112は、旋回するように形成されるラジエータパイプ116を含む。ラジエータパイプ116は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口118a(図5参照)から出口118b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ112の裏面側にはラジエータパイプ116と対向するようにラジエータ冷却用のファン120が設けられている。
同様に、ラジエータ114は、それぞれ蛇行するように形成される2本のラジエータパイプ122を含む。各ラジエータパイプ122は、ステンレス等からなる直線状パイプとU字状の継手パイプとを溶接することによって、入口124a(図3参照)から出口124b(図3参照)までの1本の連続したパイプに形成されている。ラジエータ114の裏面側にはラジエータパイプ122と対向するようにラジエータ冷却用のファン126が設けられている。
図1〜図7に戻り主に図3を参照して、フロントフレーム16の連結部16eの後側には、上方から順に燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132が配置されている。燃料タンク128、水溶液タンク130および水タンク132は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
燃料タンク128は、シートレール20の下側に配置され、シートレール20の後端部に取り付けられている。燃料タンク128は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。燃料タンク128はその上面に蓋128aを備え、蓋128aを取り外してメタノール燃料が供給される。
また、水溶液タンク130は、燃料タンク128の下側に設けられ、リヤフレーム18に取り付けられている。水溶液タンク130は、燃料タンク128からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。つまり、水溶液タンク130は、水溶液ポンプ146(後述)によってセルスタック102に向けて送り出すべきメタノール水溶液を収容している。
燃料タンク128にはレベルセンサ129が装着され、燃料タンク128内のメタノール燃料の液面の高さが検出される。水溶液タンク130にはレベルセンサ131が装着され、水溶液タンク130内のメタノール水溶液の液面の高さが検出される。レベルセンサ129,131で液面高さを検出することによって、タンク内の液量を検出できる。水溶液タンク130内の液面は、たとえば図4においてAで示す範囲内にコントロールされる。
水タンク132は、リヤフレーム18の板状部材18aおよび18b間でありかつセルスタック102の後側に配置されている。水タンク132にはレベルセンサ133が装着され、水タンク132内の水面の高さが検出される。
また、燃料タンク128の前側でありかつフロントフレーム16のフランジ部16bの上側には、二次電池134が設けられている。二次電池134はリヤフレーム18の板状部材(図示せず)の上面に配置される。二次電池134は、セルスタック102で生成された電気エネルギーを蓄え、コントローラ156(後述)の指令に応じて電気エネルギーを対応する電気構成部材に供給する。たとえば、二次電池134は、補機類や駆動ユニット62に電気エネルギーを供給する。
二次電池134の上側かつシートレール20の下側には、燃料ポンプ136、検出用バルブ138が配置されている。また、水溶液タンク130の上側にはキャッチタンク140が配置されている。
キャッチタンク140はその上面に蓋140aを備え、たとえば燃料電池システム100を一度も起動したことがない状態(水溶液タンク130が空の状態)において、蓋140aを取り外してメタノール水溶液が供給される。キャッチタンク140は、たとえばPE(ポリエチレン)ブロー成型によって得られる。
また、フロントフレーム16とセルスタック102とラジエータ112,114とによって囲まれた空間には、気体に含まれる塵等の異物を除去するためのエアフィルタ142が配置され、エアフィルタ142の後方斜め下側には水溶液フィルタ144が配置されている。
また、図4に示すように、フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ146およびエアポンプ148が収納されている。エアポンプ148の左側にはエアチャンバ150が配置されている。水溶液ポンプ146の駆動によってセルスタック102に向けてメタノール水溶液が送り出される。
さらに、図5に示すように、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、前方から順にメインスイッチ152、DC−DCコンバータ154、コントローラ156、防錆用バルブ158および水ポンプ160が配置される。なお、メインスイッチ152はフロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するように設けられている。セルスタック102の前面にはホーン162が設けられている。また、DC−DCコンバータ154は電圧を24Vから12Vに変換し、変換された12Vの電圧によってファン120,126が駆動される。
このように配置される燃料電池システム100の配管について、図4〜図7および図10を参照して説明する。
燃料タンク128と燃料ポンプ136とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ136と水溶液タンク130とはパイプP2によって連通されている。パイプP1は、燃料タンク128の左側面下端部と燃料ポンプ136の左側面下端部とを結び、パイプP2は、燃料ポンプ136の左側面下端部と水溶液タンク130の左側面下端部とを結ぶ。燃料ポンプ136を駆動させることによって、燃料タンク128内のメタノール燃料がパイプP1,P2を介して水溶液タンク130に与えられる。
水溶液タンク130と水溶液ポンプ146とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ146と水溶液フィルタ144とはパイプP4によって連通され、水溶液フィルタ144とセルスタック102とはパイプP5によって連通されている。パイプP3は、水溶液タンク130の左側面下隅部と水溶液ポンプ146の後部とを結び、パイプP4は、水溶液ポンプ146の後部と水溶液フィルタ144の左側面とを結び、パイプP5は、水溶液フィルタ144の右側面とセルスタック102の前面右下隅部に位置するアノード入口I1とを結ぶ。水溶液ポンプ146を駆動させることによって、水溶液タンク130からのメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144で不純物が除去された後、パイプP5を介してセルスタック102に与えられる。この実施形態ではパイプP4およびP5によって水溶液ポンプ146が送り出すメタノール水溶液をセルスタック102の各燃料電池104に案内するパイプが構成される。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ112とはパイプP6によって連通され、ラジエータ112と水溶液タンク130とはパイプP7によって連通されている。パイプP6は、セルスタック102の後面左上隅部に位置するアノード出口I2とラジエータ112の下面右側端部から引き出されるラジエータパイプ116の入口118a(図5参照)とを結び、パイプP7は、ラジエータ112の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出されるラジエータパイプ116の出口118b(図3参照)と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。セルスタック102から排出される未反応メタノール水溶液および二酸化炭素はパイプP6を介してラジエータ112に与えられ温度が下げられて、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。これによって水溶液タンク130内のメタノール水溶液の温度を下げることができる。
上述したパイプP1〜P7は主として燃料の流路となる。
また、エアフィルタ142とエアチャンバ150とはパイプP8によって連通され、エアチャンバ150とエアポンプ148とはパイプP9によって連通され、エアポンプ148と防錆用バルブ158とはパイプP10によって接続され、防錆用バルブ158とセルスタック102とはパイプP11によって接続されている。パイプP8は、エアフィルタ142の後部とエアチャンバ150の中央部よりもやや前方寄りの位置とを結び、パイプP9は、エアチャンバ150の中央部の下側とエアポンプ148の後部とを結び、パイプP10は、フロントフレーム16の板状部材16aの左側に位置するエアポンプ148と板状部材16aの右側に位置する防錆用バルブ158とを結び、パイプP11は、防錆用バルブ158とセルスタック102の後面右上端部に位置するカソード入口I3とを結ぶ。燃料電池システム100の運転時には防錆用バルブ158を開いておき、その状態でエアポンプ148を駆動させることによって、酸素を含む空気が外部から吸入される。吸入された空気は、エアフィルタ142で浄化された後、パイプP8、エアチャンバ150およびパイプP9を介してエアポンプ148に流入し、さらに、パイプP10、防錆用バルブ158およびパイプP11を介してセルスタック102に与えられる。防錆用バルブ158は、燃料電池システム100の停止時には閉じられており、エアポンプ148への水蒸気の逆流を防ぎエアポンプ148の錆を防止する。
セルスタック102と気液分離用のラジエータ114とは2本のパイプP12によって連通され、ラジエータ114と水タンク132とは2本のパイプP13によって連通され、水タンク132にはパイプ(排気管)P14が設けられている。各パイプP12は、セルスタック102の前面左下隅部に位置するカソード出口I4とラジエータ114の下面左側端部から引き出される各ラジエータパイプ122の入口124a(図3参照)とを結び、各パイプP13は、ラジエータ114の下面左側端部からやや中央寄りの位置から引き出される各ラジエータパイプ122の出口124b(図3参照)と水タンク132の前面上部とを結び、パイプP14は、水タンク132の後面上部に接続され、一旦上昇しその後下降するようにくの字状に形成されている。セルスタック102のカソード出口I4から排出される水分(水および水蒸気)や二酸化炭素を含む排気は、パイプP12を介してラジエータ114に与えられ、水蒸気が液化される。ラジエータ114からの排気は、パイプP13を介して水と共に水タンク132に与えられ、パイプP14を介して外部に排出される。
上述したパイプP8〜P14は、主として排気の流路となる。
さらに、水タンク132と水ポンプ160とはパイプP15によって連通され、水ポンプ160と水溶液タンク130とはパイプP16によって連通されている。パイプP15は、水タンク132の右側面下部と水ポンプ160の中央部とを結び、パイプP16は、水ポンプ160の中央部と水溶液タンク130の左側面上隅部とを結ぶ。水ポンプ160を駆動させることによって、水タンク132内の水がパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に戻される。
上述したパイプP15,16は水の流路となる。
また、パイプP4には、水溶液ポンプ146によって送り出されパイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するように、パイプP17が接続される。図4に示すように、パイプP17には、パイプP17内でのメタノール濃度を検出するための超音波センサ164が取り付けられている。超音波センサ164は、流入したメタノール水溶液のメタノール濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に応じて超音波の伝播速度が変化することを利用してパイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出するために用いられる。
図4に示すように、超音波センサ164は、超音波を発生させる発信部164aと超音波を検出する受信部164bとを有する。発信部164aは、パイプP4に介挿される。発信部164aの分岐口165にはパイプP17の始端が接続され、パイプP17内には分岐口165を介してメタノール水溶液が導入される。受信部164bは、パイプP17の終端に接続され二次電池134の左側面に配置される。超音波センサ164では、発信部164aで超音波を発生させ、受信部164bで超音波を受信する。コントローラ156は、発信部164aでの超音波の発生開始から受信部164bでの超音波の受信までの時間によって得られる超音波の伝播速度に基づいて、パイプP17内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する。
受信部164bと検出用バルブ138とはパイプP18によって連通されている。また、検出用バルブ138と水溶液タンク130とはパイプP19によって連通されている。パイプP18は、受信部164bの上面と検出用バルブ138の左側面とを結び、パイプP19は、検出用バルブ138の右側面と水溶液タンク130の上面とを結ぶ。
上述したパイプP17〜P19は主として濃度検出用の流路となる。
さらに、水溶液タンク130とキャッチタンク140とはパイプP20によって連通され、キャッチタンク140と水溶液タンク130とはパイプP21によって連通され、キャッチタンク140とエアチャンバ150とはパイプP22によって連通されている。パイプP20は、水溶液タンク130の左側面上隅部とキャッチタンク140の左側面上隅部とを結び、パイプP21は、キャッチタンク140の下端部と水溶液タンク130の左側面下隅部とを結び、パイプP22は、キャッチタンク140の左側面上部寄りの位置とエアチャンバ150の上端面とを結ぶ。水溶液タンク130内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP20を介してキャッチタンク140に与えられる。気化したメタノールと水蒸気とはキャッチタンク140で冷却、液化された後、パイプP21を介して水溶液タンク130に戻される。キャッチタンク140内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP22を介してエアチャンバ150に与えられる。
上述したパイプP20〜P22は主として燃料処理用の流路となる。
なお、図10に示すように、超音波センサ164の受信部164bには、超音波センサ164を通るメタノール水溶液の温度を検出するための第1温度センサ166が設けられている。また、セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度をメタノール水溶液の電気化学的特性を利用して検出するための電圧センサ168とセルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度を検出するための第2温度センサ170とが設けられている。さらに、エアフィルタ142付近には、外気温度を検出するための外気温度センサ171が設けられている。
このような燃料電池システム100の電気的構成について、図11を参照して説明する。
燃料電池システム100のコントローラ156は、必要な演算を行い燃料電池システム100の動作を制御するためのCPU172、CPU172にクロックを与えるクロック回路174、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ176、燃料電池システム100の誤動作を防ぐためのリセットIC178、外部機器と接続するためのインターフェイス回路180、自動二輪車10を駆動する電動モータ60にセルスタック102を接続するための電気回路182における電圧を検出するための電圧検出回路184、電気回路182を流れる電流を検出するための電流検出回路186、電気回路182を開閉するためのON/OFF回路188、電気回路182の過電圧を防止するための電圧保護回路190、電気回路182に設けられるダイオード192、および電気回路182に所定の電圧を供給するための電源回路194を含む。
このようなコントローラ156のCPU172には、超音波センサ164、電圧センサ168、第1温度センサ166、第2温度センサ170および外気温度センサ171からの検出信号が入力される。また、CPU172には、転倒の有無を検知する転倒スイッチ196からの検知信号や、電源をオンオフするためのメインスイッチ152からの入力信号や、各種設定や情報入力のための入力部30cからの信号が与えられる。さらに、CPU172には、レベルセンサ129,131および133からの検出信号も与えられる。
記憶手段であるメモリ176には、図15および図16に示す動作を実行するためのプログラムや、超音波センサ164によって得られた物理的情報(伝播速度に対応する電圧)を濃度に変換するための変換情報、電圧センサ168によって得られた電気化学的情報(開回路電圧)を濃度に変換するための変換情報、検出温度と比較される第1閾値,第2閾値および切替温度、演算データ等が格納される。変換情報は、たとえば、情報としての電圧とそれが変換される濃度との対応関係を示すテーブルデータであり、この実施形態では、物理的情報(伝播速度に対応する電圧)と濃度との対応関係を示すテーブルデータと、電気化学的情報(開回路電圧)と濃度との対応関係を示すテーブルデータとが用いられる。また、メモリ176には、図14(b)に示す超音波センサ164による濃度と切替温度との対応関係を示すテーブルデータも格納される。
また、CPU172によって、燃料ポンプ136、水溶液ポンプ146、エアポンプ148、水ポンプ160、冷却用ファン120,126、検出用バルブ138および防錆用バルブ158等の補機類が制御される。さらに、CPU172によって、各種情報を表示し自動二輪車の搭乗者に各種情報を報知するための表示部30bが制御される。CPU172は、選択手段、判断手段、設定手段および書換手段として機能する。
また、セルスタック102には二次電池134および駆動ユニット62が接続される。二次電池134および駆動ユニット62は電動モータ60に接続される。二次電池134は、セルスタック102からの出力を補完するものであり、セルスタック102からの電気エネルギーによって充電され、その放電によって電動モータ60や補機類に電気エネルギーを与える。
電動モータ60には、電動モータ60の各種データを計測するためのメータ30aが接続され、メータ30aによって計測されたデータや電動モータ60の状況は、インターフェイス回路198を介してCPU172に与えられる。
ついで、燃料電池システム100の運転時の主要動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ152がオンされることを契機として、水溶液ポンプ146やエアポンプ148等の補機類を駆動し、運転を開始する。
水溶液ポンプ146の駆動によって、水溶液タンク130に収容されるメタノール水溶液が、パイプP3側からパイプP4側へと送り出され、水溶液フィルタ144に供給される。そして、水溶液フィルタ144で不純物等が除去されたメタノール水溶液は、パイプP5、アノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池セル104のアノード104bにダイレクトに供給される。
一方、エアポンプ148の駆動によってエアフィルタ142から吸入された空気(エア)は、パイプP8を介してエアチャンバ150に流入することによって消音される。そして、吸入された空気およびエアチャンバ150に与えられたキャッチタンク140からの気体が、パイプP9〜P11、カソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池セル104のカソード104cに供給される。
各燃料電池セル104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギーが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。生成された電気エネルギーは、二次電池134に送られて蓄えられると共に、自動二輪車10の走行駆動等に利用される。
一方、各燃料電池セル104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、上記電気化学反応によって発生する熱によって温度上昇し(たとえば約65℃〜70℃となる)、未反応メタノール水溶液の一部は気化される。二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2を介して水溶液用のラジエータ112内に流入し、ラジエータパイプ116を流れる間にファン120によって冷却される(たとえば約40℃となる)。冷却された二酸化炭素および未反応メタノール水溶液は、パイプP7を介して水溶液タンク130に戻される。
一方、各燃料電池セル104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気の一部は、ラジエータ114で冷却され露点を下げることによって液化される。ラジエータ114による水蒸気の液化動作は、ファン126を動作させることによって行われる。カソード出口I4からの水分(水および水蒸気)は未反応の空気と共にパイプP12、ラジエータ114およびパイプP13を介して水タンク132に与えられる。
また、各燃料電池セル104のカソード104cでは、キャッチタンク140からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソードに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池セル104のカソード104cに移動した水分が、カソード出口I4から排出されラジエータ114を介して水タンク132に与えられる。
水タンク132に回収された水は、水ポンプ160の駆動によってパイプP15,P16を介して水溶液タンク130に適宜還流され、メタノール水溶液の水として利用される。
運転中の燃料電池システム100では、各燃料電池セル104の劣化を防ぎつつ各燃料電池セル104に効率よく発電させるために、メタノール水溶液の濃度検出処理が定期的に実行される。そして、その検出結果に基づいてセルスタック102に供給すべきメタノール水溶液のメタノール濃度が調整される。具体的には、メタノール濃度の検出結果に基づいて、燃料タンク128内のメタノール燃料が水溶液タンク130へ供給され、水タンク132内の水が水溶液タンク130へ還流される。
ここで注目すべきは、メタノール水溶液のメタノール濃度を検出するために、超音波センサ164および電圧センサ168の2つの濃度センサを用いることである。この実施形態では、メタノール水溶液の濃度をメタノール水溶液の物理的特性を利用して検出する第1濃度検出手段が、超音波センサ164およびCPU172によって構成され、メタノール水溶液の濃度をメタノール水溶液の電気化学的特性を利用して検出する第2濃度検出手段が、電圧センサ168およびCPU172によって構成される。
超音波センサ164は、メタノール水溶液の濃度に対応する超音波の伝播速度(音速)を検出し、その伝播速度を電圧値に変換して物理的情報とする。また、電圧センサ168は、燃料電池(燃料電池セル)104の開回路電圧を検出し、その電圧値を電気化学的情報とする。
図12に示すように、超音波センサ164では、異なる濃度毎の電圧は低温になるほど差が大きくなる。これは、低温になるほどメタノールと水との超音波伝播速度の差が大きくなるからである。一方、電圧センサ168では、異なる濃度毎の開回路電圧の差は高温の方が大きくなる。高温の方が化学変化が活発であるため濃度毎の開回路電圧の差が大きくなる。
図12より、比較的低温では超音波センサ164の方が検出精度が高く、比較的高温では電圧センサ168の方が検出精度が高くなることがわかる。したがって、第1温度センサ166によって検出された温度が切替温度(ここでは45℃)未満であれば超音波センサ164によって検出された濃度を用い、切替温度以上であれば電圧センサ168によって検出された濃度を用いて、メタノール水溶液の濃度を制御する。
また、図13(a)に示すように、電圧センサ168は経時変化によって検出精度が劣化し、濃度に対応する開回路電圧は破線で示すように低くなる。これでは、電圧センサ168からの開回路電圧に基づいてCPU172によって得られるメタノール水溶液の濃度は実際よりも高くなり、正確に濃度を制御できなくなる。したがって、超音波センサ164による検出濃度と電圧センサ168による検出濃度との差が所定値以上になれば、電圧センサ168による検出精度は劣化していると判断し、電圧センサ168によって検出された開回路電圧(電気化学的情報)を濃度に変換するための変換情報(この実施形態ではテーブルデータ)を書き換える。これによって、図13(b)に示すように、電圧センサ168によって得られた濃度が補正され、電圧センサ168の検出精度の経時的な劣化を防ぐ。
また、図14(a)に示すように、メタノール水溶液の濃度と超音波の伝播速度とは非線形の関係を有し、高濃度になるほど曲線の傾きすなわち超音波の伝播速度の差が小さくなる。これは、超音波の伝播速度による濃度検出の精度は高濃度になるほど低下することを意味する。
したがって、CPU172は、メモリ176に格納された図14(b)に示す超音波センサ164による濃度と切替温度との対応関係を示すテーブルデータを参照して、超音波センサ164によって検出されたメタノール水溶液の濃度に応じて切替温度を設定(変更)する。
図15および図16を参照して、このような燃料電池システム100のメタノール水溶液の濃度検出および変換情報の書き換えに関する動作について説明する。なお、切替温度は、第1閾値から第2閾値までの範囲(両端を含む)内で設定され、初期的には45℃に設定されている。
まず、第1温度センサ166によって超音波センサ164を流れるメタノール水溶液の温度が検出される(ステップS1)。CPU172によって、その温度が第1閾値(ここでは50℃)以上か否かが判断され(ステップS3)、第1閾値未満であれば超音波センサ164によって超音波の伝播速度(物理的情報)が検出され(ステップS5)、CPU172によって、メモリ176に記憶されている変換情報が参照されて当該伝播速度に対応する濃度が得られる(ステップS7)。ついで、CPU172によって、得られた濃度が有効か否かが判断される(ステップS9)。得られた濃度が前回のデータから所定以上離れていればそのデータは有効ではないと判断され除去される。また、超音波センサ164内のメタノール水溶液内に泡が発生していたり不純物が含まれていることによってデータが取れない場合も、有効ではないと判断される。このような場合を除いて、超音波センサ164の検出結果により得られた濃度は有効と判断されメタノール水溶液の濃度として決定されてメモリ176に記憶される(ステップS11)。そして、CPU172は、図14(b)の対応関係を示すテーブルデータを参照しつつ、有効と判断されたメタノール水溶液の濃度に応じて切替温度を設定し(ステップS13)、ステップS15に進む。なお、検出濃度が20wt%を超えればエラーと判定され、切替温度は35℃に設定される。またこのとき、燃料タンク128から水溶液タンク130へのメタノール燃料の供給は少なくとも検出濃度が20wt%以下になるまで停止される。
ステップS9がNOの場合やステップS3がYESの場合には直接ステップS15に進む。
ステップS15では、第2温度センサ170によって電圧センサ168近傍のメタノール水溶液の温度が検出され、その温度が第2閾値(第1閾値より小さく、ここでは35℃)以上か否かが判断される(ステップS17)。そのメタノール水溶液の温度が第2閾値未満であればステップS1に戻り、一方、メタノール水溶液の温度が第2閾値以上であれば、燃料電池104の開回路電圧の検出条件が満たされているか否かが判断される(ステップS19)。ここでの検出条件とは、エアポンプ148によって空気が安定して供給されていることである。検出条件を満たしているか否かは、CPU172からエアポンプ148への駆動信号に基づいて判断できる。このような検出条件を要求するのは、空気の供給が停止または減少すると、空気の流量が不安定になり開回路電圧の信頼性が低下するからである。
ステップS19において検出条件が満たされていれば、電圧センサ168によって開回路電圧(電気化学的情報)が検出される(ステップS21)。そして、CPU172によって、メモリ176に記憶されている変換情報が参照されて、当該開回路電圧に対応する濃度が得られ、メモリ176に記憶される(ステップS23)。その後、ステップS11の処理が行われたか否かが判断され(ステップS25)、行われていれば、第1温度センサ166によって検出されたメタノール水溶液の温度が切替温度以上か否かが判断される(ステップS27)。メタノール水溶液の温度が切替温度未満であれば、超音波センサ164による濃度が選択され(ステップS29)、ステップS31に進む。一方、メタノール水溶液の温度が切替温度以上であれば、電圧センサ168による濃度が選択され(ステップS33)、ステップS31に進む。
ステップS31において、CPU172によって、超音波センサ164を用いて検出した濃度と電圧センサ168を用いて検出した濃度との差が所定値以上か否かが判断される。濃度差が所定値以上であれば、電圧センサ168による検出精度は劣化していると判断され、当該濃度差が1/2(半分)に減少するように、メモリ176に記憶された電気化学的情報を濃度に変換するための変換情報がCPU172によって書き換えられ(ステップS35)、ステップS1に戻る。このように処理するのは、超音波センサ164の出力が絶対的に正しいとはいえないので、変換情報の補正量を安全な範囲に抑えるためである。図15および図16に示す動作にしたがって処理を繰り返すことによって、変換情報はより正確となるように書き換えられる。
なお、ステップS31において濃度差が所定値以上か否かを検出し、その差が所定値以上であればステップS35において変換情報の書き換えを行う処理は、超音波センサ164を用いて濃度を検出しかつ電圧センサ168を用いて濃度を検出した場合に限られる。したがって、この実施形態では、第1温度センサ166によって検出された温度が50℃未満でありかつ第2温度センサ170によって検出された温度が35℃以上の場合にのみ、ステップS31およびS35の処理が実行されることになる。
ステップS19において検出条件が充足されていなければ、電圧センサ168によって開回路電圧が検出されることなく、ステップS1に戻り、また、ステップS11の処理が行われていなければ(ステップS25がNO)、ステップS1に戻る。さらに、ステップS31がNOの場合もステップS1に戻る。
なお、図15および図16に示す動作を実行するタイミングは、発電継続時間の長さに応じて設定されるのが好ましい。
この実施形態では、第2温度センサ170は熱源であるセルスタック102のアノード入口I1付近に設けられるので、(第1温度センサ166による検出温度≦第2温度センサ170による検出温度)である。
したがって、第1温度センサ166によって検出されたメタノール水溶液の温度が第1閾値(ここでは50℃)以上であれば、図15のステップS17が必ずYESになるので、超音波センサ164を用いた濃度検出は行われず、電圧センサ168のみで電気化学的情報が検出される。そして、CPU172によって電気化学的情報に基づく濃度が選択される。
一方、第2温度センサ170によって検出されたメタノール水溶液の温度が第2閾値(ここでは35℃)未満であれば、図15のステップS3は必ずNOになるので、電圧センサ168を用いた濃度検出は行われず、超音波センサ164のみで物理的情報が検出される。そして、CPU172によって物理的情報に基づく濃度が選択される。
また、第2温度センサ170によって検出されたメタノール水溶液の温度が第2閾値以上でありかつ第1温度センサ166によって検出されたメタノール水溶液の温度が第1閾値未満であれば、超音波センサ164によって物理的情報が検出されるとともに電圧センサ168によって電気化学的情報が検出される。そして、超音波センサ164を通して得られた濃度および電圧センサ168を通して得られた濃度がともに有効でありメモリ172に記憶された場合において、第1温度センサ166によって検出された温度が切替温度未満であれば、超音波センサ164を通して得られた濃度がCPU172によって選択され、一方、第1温度センサ166によって検出された温度が切替温度以上であれば、電圧センサ168を通して得られた濃度がCPU172によって選択される。
そして、選択された濃度に基づいて、メタノール水溶液の濃度が制御される。
このような燃料電池システム100を搭載した自動二輪車10によれば、メタノール水溶液の温度に応じて、検出精度が高い方の濃度センサを通して得られた濃度を選択でき、メタノール水溶液の濃度を簡単かつ精度良く検出できる。
また、切替温度を範囲に含む第1閾値と第2閾値との間にメタノール水溶液の検出温度があるときは、超音波センサ164を用いて濃度を検出するとともに電圧センサ168を用いて濃度を検出する。これによって、片方の濃度検出に不具合があった場合でも、濃度を検出することができる。特に、切替温度付近では、超音波センサ164への泡の付着等によって超音波センサ164による濃度検出に不具合が生じ易くなる。このような状況においてもなるべく超音波センサ164の検出結果を優先させて超音波センサ164から電圧センサ168への切り替えを遅らせたい場合に、上述のような処理は有効となる。
なお、実施上想定しうる温度において超音波センサ164および電圧センサ168の両方で濃度を検出するように、第1閾値と第2閾値との間隔を広く設定しておけば、実際上いつでも超音波センサ164および電圧センサ168の両方で濃度検出が行われる。このようにすれば、片方の濃度センサでの検出に不具合があった場合でも、濃度を検出することができる。
さらに、超音波センサ164を用いて得られた濃度が有効か否かを判断することによって、精度の高い濃度を得ることができる。
また、検出温度と切替温度とに基づいて、超音波センサ164を用いて得られた濃度および電圧センサ168を用いて得られた濃度のいずれかを選択することによって、メタノール水溶液の濃度を精度よく取得できる。
さらに、メタノール水溶液の濃度に応じて切替温度を変更することで、濃度をより精度よく検出できる。
また、燃料電池システム100の運転時に燃料電池システム100を流れるメタノール水溶液が50℃以上の高温に達しても、電圧センサ168による検出結果を選択でき、高温においても良好な検出精度を得ることができる。
さらに、経時変化に強い超音波センサ164の出力を基準にして、必要に応じて電圧センサ168の出力を濃度に変換するための変換情報を書き換え、電圧センサ168の検出精度の劣化を防ぐことができる。
なお、電圧センサ168の検出精度の劣化による電圧センサ168の出力の変化は徐々に起こると考えられる。このため、超音波センサ164を用いて検出した濃度と電圧センサ168を用いて検出した濃度との差が突然大きくなったときには、その差がたとえ所定値以上に達したとしても、劣化によるものではないと判断し、電圧センサ168の変換情報を書き換えないようにしてもよい。このようにすれば、劣化による不具合のみを確実に回避できる。
この発明は、メタノール水溶液の温度が広範囲に変化しかつ一般的に使用期間が長くなる自動二輪車10において好適に用いることができる。
上述の実施形態では、メタノール水溶液の濃度を物理的に検出する第1濃度検出手段を構成するセンサとして超音波センサ164が用いられ、メタノール水溶液の濃度を電気化学的に検出する第2濃度検出手段を構成するセンサとして電圧センサ168が用いられたが、これらに限定されない。
第1濃度検出手段を構成するセンサとしては、屈折率、誘電率、赤外線吸収率、粘度、比重、凝固点などに基づいて物理的情報を検出する任意のセンサを用いることができる。また、第2濃度検出手段を構成するセンサとしては、たとえば米国特許第6,254,748号に開示されているセンサなど、電気化学的情報を検出する任意のセンサを用いることができる。
また、電圧センサ168によって、燃料電池104の開回路電圧を検出する代わりに、セルスタック102の開回路電圧を検出し、それを電気化学的情報としてもよい。
さらに、上述の実施形態では、検出温度に基づいて、超音波センサ164を用いて得られた濃度および電圧センサ168を用いて得られた濃度のいずれかを選択するようにしたがこれに限定されない。たとえば、検出温度に基づいて、超音波センサ164によって得られた物理的情報および電圧センサ168によって得られた電気化学的情報のいずれかを選択し、その後、選択した情報に基づいて濃度を得るようにしてもよい。
また、メタノール水溶液の温度を検出する温度検出手段として第1温度センサ166と第2温度センサ170とを用いたが、これに限定されず、第1温度センサ166および第2温度センサ170のいずれか一方だけを用いるようにしてもよい。この場合、図15に示すステップS1とステップS15の温度検出処理は、第1温度センサ166だけでまたは第2温度センサ170だけで行われる。
また、メタノール水溶液の温度は、メタノール水溶液そのものの温度を検出する場合に限定されず、セルスタック102の温度やカソード104cからの排気ガスの温度を代替的に検出してもよい。
変換情報は、情報としての電圧を濃度に変換するための演算式であってもよい。
上述の実施形態では、切替温度を範囲に含むように第1閾値と第2閾値とを設定し、第1閾値と第2閾値との間に温度検出手段の検出結果があるとき、第1濃度検出手段および第2濃度検出手段の両方で濃度を検出したが、これに限定されない。検出温度が切替温度未満であれば、第1濃度検出手段のみで濃度を検出し、一方、検出温度が切替温度以上であれば、第2濃度検出手段のみで濃度を検出するようにしてもよい。
さらに、この発明の燃料電池システムは、自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器に好適に用いることができる。
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
この発明が詳細に説明され図示されたが、それは単なる図解および一例として用いたものであり、限定であると解されるべきではないことは明らかであり、この発明の精神および範囲は特許請求の範囲の文言のみによって限定される。
この発明の一実施形態の自動二輪車を示す左側面図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め前方からみた斜視図である。 自動二輪車の車体フレームに対する燃料電池システムの配置状態を左斜め後方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を示す左側面図である。 燃料電池システムの配管状態を示す右側面図である。 燃料電池システムの配管状態を左斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池システムの配管状態を右斜め前方からみた斜視図である。 燃料電池セルスタックを示す図解図である。 燃料電池セルを示す図解図である。 燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 超音波センサによる検出電圧(物理的情報)と水溶液温度との関係および電圧センサによる検出電圧(電気化学的情報)と水溶液温度との関係を示すグラフである。 (a)は電圧センサによる検出電圧とメタノール水溶液の濃度との関係の一例を示すグラフであり、(b)は電圧センサによる検出濃度を超音波センサによる検出濃度によって補正することを説明するための図解図である。 (a)はメタノール水溶液の濃度と超音波の伝播速度との関係を示すグラフであり、(b)は超音波センサによる濃度と切替温度との関係を示すグラフである。 メタノール水溶液の濃度検出および変換情報の書き換えに関する動作を示すフロー図である。 図15の動作の続きを示すフロー図である。
符号の説明
10 自動二輪車
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104 燃料電池(燃料電池セル)
156 コントローラ
164 超音波センサ
166 第1温度センサ
168 電圧センサ
170 第2温度センサ
172 CPU
176 メモリ

Claims (11)

  1. 電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、
    前記燃料電池での電気エネルギーの生成に用いられる燃料水溶液の濃度を前記燃料水溶液の物理的特性を利用して検出する第1濃度検出手段、
    前記燃料水溶液の濃度を前記燃料水溶液の電気化学的特性を利用して検出する第2濃度検出手段、
    前記燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段、ならびに
    前記温度検出手段によって検出された前記温度に基づいて前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度および前記第2濃度検出手段によって得られた前記濃度のいずれかを選択する選択手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記温度検出手段の検出結果が第1閾値と前記第1閾値よりも小さい第2閾値との間にあるとき、前記選択手段は、前記第1濃度検出手段および前記第2濃度検出手段のそれぞれによって前記燃料水溶液の濃度を検出させ、いずれか一方の濃度を選択する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度が有効か否かを判断する判断手段をさらに含む、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度が有効であると前記判断手段によって判断されたとき、前記選択手段は、前記温度検出手段によって検出された前記温度と前記第1閾値よりも小さくかつ前記第2閾値よりも大きい切替温度とに基づいて前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度および前記第2濃度検出手段によって得られた前記濃度のいずれかを選択する、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度に基づいて前記切替温度を設定する設定手段をさらに含む、請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度に基づいて切替温度を設定する設定手段をさらに含み、
    前記選択手段は、前記温度検出手段によって検出された前記温度と前記設定手段によって設定された前記切替温度とに基づいて前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度および前記第2濃度検出手段によって得られた前記濃度のいずれかを選択する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第1濃度検出手段は前記燃料水溶液中の超音波の伝播速度に基づいて前記燃料水溶液の濃度を検出するための超音波センサを含み、前記第2濃度検出手段は前記燃料電池の開回路電圧に基づいて前記燃料水溶液の濃度を検出するための電圧センサを含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 運転中における前記燃料水溶液の温度が50℃以上に達する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、
    前記燃料電池での電気エネルギーの生成に用いられる燃料水溶液の濃度を前記燃料水溶液の物理的特性を利用して検出する第1濃度検出手段、
    前記燃料水溶液の電気化学的情報を前記燃料水溶液の濃度に変換するための変換情報を記憶する記憶手段、
    前記燃料水溶液の電気化学的特性を利用して前記燃料水溶液の電気化学的情報を検出し、前記変換情報を参照して当該電気化学的情報を前記燃料水溶液の濃度に変換する第2濃度検出手段、および
    前記第1濃度検出手段によって得られた前記濃度と前記第2濃度検出手段によって得られた前記濃度とに応じて前記変換情報を書き換える書換手段を備える、燃料電池システム。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システムを含む、自動二輪車。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の燃料電池システムを含む、輸送機器。
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