JP7207338B2 - 燃料電池システムの流路構造 - Google Patents
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Description
この形態によれば、水素ポンプから供給される水素オフガスは、供給管の内壁と導出管の第1壁との間の第2領域と、導出管の第2壁の中心軸側の第3領域と、を流れるので、導出管の第1壁と第2壁とで囲われた第1領域を流れる水素ガスの温度を、第2領域及び第3領域を流れる水素オフガスにより上昇させることができる。そのため、水素オフガスよりも低温の水素ガスと、水分を含み水素ガスよりも高温の水素オフガスとが混合した場合に、水素オフガス中の水が凍結することを抑制することができる。また、導出管と水素ガス管の先端部とを接続する複数の接続部を有するので、接続部が1つである場合と比較して、導出管の第1領域における水素ガスの流速差を小さくすることができる。そのため、接続部が1つである場合と比較して、燃料電池スタックに到達する水素ガスと水素オフガスとの混合ガス中の水素ガス濃度差を小さくすることができる。
(2)上記第1の形態において、前記導出管は複数に分かれた前記第1領域を有し、かつ、前記第2領域と前記第3領域とが複数に分かれた前記第1領域の間を介して複数の箇所で連通するように構成されており、前記複数の接続部は、複数に分かれた前記第1領域のそれぞれと前記水素ガス管の先端部とを接続してもよい。
この形態によれば、第2壁の中心軸側の第3領域に、複数の箇所から水素オフガスを流入させることができる。そのため、第1領域を流通する水素ガスの温度をより上昇させることができるので、水素オフガスよりも低温の水素ガスと、水分を含み水素ガスよりも高温の水素オフガスとが混合した場合に、水素オフガス中の水が凍結することをより抑制することができる。
(3)本開示の第2の形態によれば、水素ガス供給源から供給される水素ガスと水素ポンプから供給される水素オフガスとを燃料電池スタックへ供給するための、燃料電池システムにおける流路構造が提供される。この流路構造は、前記水素ガス供給源と接続された水素ガス管と、前記水素ポンプと接続された水素オフガス管と、前記水素オフガス管と前記燃料電池スタックとを接続し、前記水素ガス管の先端部が内部に導入され、前記水素ガス管からの水素ガスと前記水素オフガス管からの水素オフガスとの混合ガスを前記燃料電池スタックへ供給する供給管と、前記供給管の中心軸に沿って前記供給管内に配置され、前記水素ガス管の先端部に接続されて前記水素ガス管からの水素ガスを前記供給管内に導出する導出管であって、前記供給管の内壁と前記中心軸との間に位置する第1壁と、前記第1壁と接続され前記第1壁と前記中心軸との間に位置する第2壁と、前記第1壁と前記第2壁とで囲まれる第1領域と、を備え、前記内壁と前記第1壁との間の第2領域と前記第2壁の前記中心軸側の第3領域とが連通するように構成された、導出管と、第1領域と前記水素ガス管の先端部とを連通して接続する接続部と、を備え、前記導出管は、前記接続部の設けられた位置に対応する前記導出管の先端部の位置において、前記第1壁と前記第2壁の少なくとも一方の前記中心軸に沿った長さが前記接続部の設けられていない位置よりも短く形成されている。
この形態によれば、水素ポンプから供給される水素オフガスは、供給管の内壁と導出管の第1壁との間の第2領域と、第2壁の中心軸側の第3領域とを流れるので、導出管の第1壁と第2壁とで囲われた第1領域を流れる水素ガスの温度を、第2領域及び第3領域を流れる水素オフガスにより上昇させることができる。そのため、水素オフガスよりも低温の水素ガスと、水分を含み水素ガスよりも高温の水素オフガスとが混合した場合に、水素オフガス中の水が凍結することを抑制することができる。また、導出管の先端部は、導出管の接続部の設けられた位置において、第1壁と第2壁の少なくとも一方の長さが接続部の設けられていない位置よりも短く形成されているので、水素オフガス管に導出される水素ガスの流速が、接続部の設けられた位置で他の位置よりも大きくなることを抑制することができる。そのため、導出管の第1領域における水素ガスの流速差を小さくすることができるので、燃料電池スタックに到達する水素ガスと水素オフガスとの混合ガス中の水素ガス濃度差を小さくすることができる。
(4)上記第2の形態において、前記接続部は、前記中心軸に対し、少なくとも前記水素オフガス管から前記供給管への水素オフガスの流入箇所とは反対側において、前記第1領域と前記水素ガス管の先端部とを連通して接続し、前記導出管は、少なくとも前記流入箇所とは反対側の前記接続部の設けられた位置に対応する前記導出管の先端部の位置において、前記第1壁と前記第2壁の少なくとも一方の前記中心軸に沿った長さが前記接続部の設けられていない位置よりも短く形成されていてもよい。
この形態によれば、水素オフガスの流入箇所に近い側において第1壁と第2壁の少なくとも一方の長さを短く形成する場合と比較して、水素オフガスが、壁の短く形成された箇所から第1領域内へ流入することを抑制することができる。そのため、第1領域における水素ガスの流れが水素オフガスによって妨げられることを抑制することができる。
(5)上記第2の形態において、前記第1領域と前記水素ガス管の先端部とは複数の前記接続部により接続されていてもよい。
この形態によれば、接続部が1つである場合と比較して、導出管の第1領域内の水素ガスの流速差を小さくすることができる。そのため、接続部が1つである場合と比較して、燃料電池スタックに到達する水素ガスと水素オフガスとの混合ガス中の水素ガス濃度差を小さくすることができる。
図1は、本開示の一実施形態としての燃料電池システム100の概略構成を示す図である。本実施形態において、燃料電池システム100は、車両に搭載され、運転車からの要求に応じて車両の動力となる電力を出力する。
図6は第2実施形態における合流部70aの流路構造を示す図である。図7は図6のVII-VII断面図である。図6は第1実施形態の図4に対応しており、図7は第1実施形態の図5に対応している。第2実施形態の合流部70aでは、図6に示すように、燃料電池スタック10側からみた導出管50aの形状が、第1壁51aと第2壁52aとで構成される渦巻き状である点において、第1実施形態と異なる。第1実施形態と同様に、導出管50aは、複数の接続部61a、62aによって水素ガス管30の先端部32と接続されている。また、第1実施形態と同様に、導出管50aは、第1壁51aと、第1壁51aに接続され第1壁51aと中心軸AXとの間に位置する第2壁52aと、で囲まれる第1領域1を形成するように構成されている。また、導出管50aは、内壁43と第1壁51aとの間の第2領域2と、第2壁52aの中心軸AX側の第3領域3とが、開口部58aにおいて連通するように構成されている。この形態によっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
図8は第3実施形態における合流部70bの流路構造を示す図である。図9は図8のIX-IX断面図である。図8は第1実施形態の図4に対応しており、図9は第1実施形態の図5に対応している。第3実施形態の合流部70bでは、導出管50bが、複数に分かれた第1領域1b1、1b2を形成し、かつ、第2領域2と第3領域3とが複数に分かれた第1領域1b1、1b2の間を介して複数の箇所で連通するように構成されている点と、複数の接続部61b、62bが複数の第1領域1b1、1b2のそれぞれと水素ガス管30とを接続する点とにおいて、第1実施形態と異なる。
図10は第4実施形態における合流部70cの流路構造を示す図である。図11は図10のXI-XI断面図である。図10は第3実施形態の図8に対応しており、図11は第3実施形態の図9に対応している。第4実施形態の導出管50cは、開口部58b1付近において、第1領域1b2が中心軸AX側を向いて屈折した構造を有する。同様に、開口部58b2付近において、第1領域1b1が中心軸AX側を向いて屈折した構造を有する。合流部70cのその他の流路構造は、第3実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態においても、第3実施形態と同様の効果を奏する。
図12は第5実施形態における合流部70dの流路構造を示す図である。図12は第1実施形態の図4に対応している。図13は図12のXIII-XIII断面図である。図13では、導出管50dの先端部55dの構造を主に示しており、その他の構造は簡略化あるいは省略されている。図12において破線で囲まれた位置R1、R2は、それぞれ、接続部61、62が設けられた位置に対応する、先端部55dにおける位置を示している。位置R1は、接続部61から、中心軸AXと平行に先端部55d側へ移動した位置である。位置R2は、接続部62から、中心軸AXと平行に先端部55d側へ移動した位置である。径方向において、先端部55dの位置R1と後端部56の接続部61の設けられた位置とは、略同じ位置である。同様に、径方向において、先端部55dの位置R2と後端部56の接続部62の設けられた位置とは、略同じ位置である。
図14は第6実施形態における合流部70eの流路構造を示す図である。図14は、第5実施形態の図13が合流部70dの流路構造を示す向きとは、中心軸AXを中心として180°異なる向きから、合流部70eの流路構造を示している。このため、図14において除去されている供給管42の部位は、図13において除去されている供給管42の部位とは、異なる。参考のために、図12において、図13が合流部70eを示している方向に相当する方向を、XIV-XIVの破線を使用して示す。図14の上段左部において、水素ガス管30における水素ガスの流れを、太い矢印で示す。本実施形態では、導出管50eの先端部55eは、接続部61の設けられた位置R1において、第2壁52の中心軸AXに沿った長さが、接続部61の設けられていない位置よりも短くなるように形成されている。導出管50eは、先端部55eの位置R1において、第2壁52に、他の部位よりも軸方向における壁の長さが短くなるように形成された段差部65eを備えている。合流部70eのその他の流路構造は、第5実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第5実施形態の第1、第2、第4の効果と同様の効果を奏する。
図15は第7実施形態における合流部70fの流路構造を示す図である。図15は第5実施形態の図13に対応している。本実施形態では、導出管50fの先端部55fは、接続部61の設けられた位置R1において、第1壁51及び第2壁52の中心軸AXに沿った長さが、接続部61の設けられていない位置よりも短くなるように形成されている。導出管50fは、先端部55fの位置R1において、第1壁51及び第2壁52に、他の部位よりも軸方向における壁の長さが短くなるように形成された段差部65fを備えている。合流部70fのその他の流路構造は、第5実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第5実施形態と同様の効果を奏する。
図16は第8実施形態における合流部70gの流路構造を示す図である。図16は第5実施形態の図13に対応している。本実施形態では、導出管50gの先端部55gは、接続部61の設けられた位置R1において、第1壁51及び第2壁52の中心軸AXに沿った長さが、接続部61の設けられていない位置から開口部58に向けて次第に短くなるように形成された段差部65gを有する。合流部70gのその他の流路構造は、第5実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第5実施形態と同様の効果を奏する。
図17は第9実施形態における合流部70hの流路構造を示す図である。図17は第5実施形態の図13に対応している。本実施形態では、導出管50hの先端部55hは、接続部61の設けられた位置R1において、第1壁51の中心軸AXに沿った長さが、接続部61の設けられていない位置よりも短くなるように形成された複数の段差部65hを有する。合流部70hのその他の流路構造は、第5実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第5実施形態と同様の効果を奏する。
図18は第10実施形態における合流部70iの流路構造を示す図である。図18は第6実施形態の図14に対応している。本実施形態では、導出管50iの先端部55iは、接続部61の設けられた位置R1において、第2壁52の中心軸AXに沿った長さが、接続部61の設けられていない位置よりも短くなるように形成された複数の段差部65iを有する。合流部70iのその他の流路構造は、第6実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第6実施形態と同様の効果を奏する。
図19は第11実施形態における合流部70jの流路構造を示す図である。図19は第6実施形態の図14に対応している。本実施形態では、導出管50jの先端部55jは、接続部61の設けられた位置R1において、第1壁51及び第2壁52の中心軸AXに沿った長さが、接続部62の設けられていない位置よりも短くなるように形成された複数の段差部65jを有する。合流部70jのその他の流路構造は、第10実施形態と同様であるため説明を省略する。この形態によれば、上述の第10実施形態と同様の効果を奏する。
図20から図22は、燃料電池システム100に上述の実施形態における流路構造を適用した場合の効果を説明するための、ガス流速(速度(m/s))のCAE解析結果を示す図である。図20には、1つの接続部61により水素ガス管30と接続された導出管50rの先端部55rを含む合流部70rが示されている。図20に示す位置R1は、接続部61に対応する先端部55rの位置である。図21は、第1実施形態の図4に対応しており、2つの接続部61、62により水素ガス管30と接続された導出管50の先端部55を含む合流部70が示されている。図21に示す位置R1、R2は、それぞれ接続部61、62に対応する先端部55の位置である。図20、図21における点Pr、P1は、それぞれ、導出管50r、50の第1領域1におけるガス流速の最も大きい箇所を示している。図20と図21を比較すると、複数の接続部61、62を有する場合(図21参照)には、接続部61が1つである場合(図20参照)と比べて、最大流速値と最小流速値の差が小さかった。また、図21に示す第1領域1では、図20の第1領域1に比べて、水素ガスの最大流速値が、約16%低下していた。このことから、複数の接続部を有する場合には、接続部が1つである場合と比較して、第1領域1内の水素ガスの流速差を小さくすることができるという、上述の第2の効果を奏することが示された。
上述の第1~第4実施形態では、導出管50~50cは水素ガス管30と2つの接続部61、62、61a、62aにより接続されている。これに対し、第1~第4実施形態における接続部の数は複数であればよく、3つ以上であってもよい。また、水素ガス管30は、接続部61、61aにおいて導出管50~50cと接続され、かつ、接続部62、62aに至るように延びれば、上述の第1~第4実施形態で示した形状に限られない。
Claims (5)
- 水素ガス供給源から供給される水素ガスと水素ポンプから供給される水素オフガスとを燃料電池スタックへ供給するための、燃料電池システムにおける流路構造であって、
前記水素ガス供給源と接続された水素ガス管と、
前記水素ポンプと接続された水素オフガス管と、
前記水素オフガス管と前記燃料電池スタックとを接続し、前記水素ガス管の先端部が内部に導入され、前記水素ガス管からの水素ガスと前記水素オフガス管からの水素オフガスとの混合ガスを前記燃料電池スタックへ供給する供給管と、
前記供給管の中心軸に沿って前記供給管内に配置され、前記水素ガス管からの水素ガスを前記供給管内に導出する導出管であって、
前記供給管の内壁と前記中心軸との間に位置する第1壁と、前記第1壁と接続され前記第1壁と前記中心軸との間に位置する第2壁と、前記第1壁と前記第2壁とで囲まれる第1領域と、を備え、前記内壁と前記第1壁との間の第2領域と前記第2壁の前記中心軸側の第3領域とが連通するように構成された、導出管と、
第1領域と前記水素ガス管の先端部とを連通して接続する複数の接続部と、を備える、
流路構造。 - 請求項1に記載の流路構造であって、
前記導出管は複数に分かれた前記第1領域を有し、かつ、前記第2領域と前記第3領域とが複数に分かれた前記第1領域の間を介して複数の箇所で連通するように構成されており、
前記複数の接続部は、複数に分かれた前記第1領域のそれぞれと前記水素ガス管の先端部とを接続する、流路構造。 - 水素ガス供給源から供給される水素ガスと水素ポンプから供給される水素オフガスとを燃料電池スタックへ供給するための、燃料電池システムにおける流路構造であって、
前記水素ガス供給源と接続された水素ガス管と、
前記水素ポンプと接続された水素オフガス管と、
前記水素オフガス管と前記燃料電池スタックとを接続し、前記水素ガス管の先端部が内部に導入され、前記水素ガス管からの水素ガスと前記水素オフガス管からの水素オフガスとの混合ガスを前記燃料電池スタックへ供給する供給管と、
前記供給管の中心軸に沿って前記供給管内に配置され、前記水素ガス管からの水素ガスを前記供給管内に導出する導出管であって、
前記供給管の内壁と前記中心軸との間に位置する第1壁と、前記第1壁と接続され前記第1壁と前記中心軸との間に位置する第2壁と、前記第1壁と前記第2壁とで囲まれる第1領域と、を備え、前記内壁と前記第1壁との間の第2領域と前記第2壁の前記中心軸側の第3領域とが連通するように構成された、導出管と、
第1領域と前記水素ガス管の先端部とを連通して接続する接続部と、を備え、
前記導出管は、前記接続部の設けられた位置に対応する前記導出管の先端部の位置において、前記第1壁と前記第2壁の少なくとも一方の前記中心軸に沿った長さが前記接続部の設けられていない位置よりも短く形成されている、
流路構造。 - 請求項3に記載の流路構造であって、
前記接続部は、前記中心軸に対し、少なくとも前記水素オフガス管から前記供給管への水素オフガスの流入箇所とは反対側において、前記第1領域と前記水素ガス管の先端部とを連通して接続し、
前記導出管は、少なくとも前記流入箇所とは反対側の前記接続部の設けられた位置に対応する前記導出管の先端部の位置において、前記第1壁と前記第2壁の少なくとも一方の前記中心軸に沿った長さが前記接続部の設けられていない位置よりも短く形成されている、流路構造。 - 請求項3又は請求項4に記載の流路構造であって、
前記第1領域と前記水素ガス管の先端部とは複数の前記接続部により接続されている、流路構造。
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