JP6180965B2 - ガス分離膜およびガス分離膜モジュール - Google Patents

ガス分離膜およびガス分離膜モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP6180965B2
JP6180965B2 JP2014038832A JP2014038832A JP6180965B2 JP 6180965 B2 JP6180965 B2 JP 6180965B2 JP 2014038832 A JP2014038832 A JP 2014038832A JP 2014038832 A JP2014038832 A JP 2014038832A JP 6180965 B2 JP6180965 B2 JP 6180965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gas separation
separation membrane
group
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014038832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015160201A (ja
Inventor
勇輔 望月
勇輔 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2014038832A priority Critical patent/JP6180965B2/ja
Priority to PCT/JP2015/055539 priority patent/WO2015129786A1/ja
Publication of JP2015160201A publication Critical patent/JP2015160201A/ja
Priority to US15/244,181 priority patent/US9808772B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6180965B2 publication Critical patent/JP6180965B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/70Polymers having silicon in the main chain, with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only
    • B01D71/701Polydimethylsiloxane
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/70Polymers having silicon in the main chain, with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/22Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion
    • B01D53/228Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion characterised by specific membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D63/00Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
    • B01D63/10Spiral-wound membrane modules
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/14Dynamic membranes
    • B01D69/141Heterogeneous membranes, e.g. containing dispersed material; Mixed matrix membranes
    • B01D69/148Organic/inorganic mixed matrix membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2256/00Main component in the product gas stream after treatment
    • B01D2256/24Hydrocarbons
    • B01D2256/245Methane
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2257/00Components to be removed
    • B01D2257/50Carbon oxides
    • B01D2257/504Carbon dioxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2325/00Details relating to properties of membranes
    • B01D2325/30Chemical resistance
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Description

本発明は、ガス分離膜およびガス分離膜モジュールに関する。より詳しくは、高い透過性を維持しつつ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できるガス分離膜と、該ガス分離膜を有するガス分離膜モジュールに関する。
高分子化合物からなる素材には、その素材ごとに特有の気体透過性がある。その性質に基づき、特定の高分子化合物から構成された膜によって、所望の気体成分を選択的に透過させて分離することができる(ガス分離膜)。このガス分離膜の産業上の利用態様として、地球温暖化の問題と関連し、火力発電所やセメントプラント、製鉄所高炉等において、大規模な二酸化炭素発生源からこれを分離回収することが検討されている。この膜分離技術は、比較的小さなエネルギーで達成できる環境問題の解決手段として着目されており、主としてメタンと二酸化炭層を含む天然ガスやバイオガス(生物の排泄物、有機質肥料、生分解性物質、汚水、ゴミ、エネルギー作物などの発酵、嫌気性消化により発生するガス)の精製においては二酸化炭素を除去する手段として膜分離方法が利用されている。
実用的なガス分離膜とするためにガス分離に寄与する部位を薄層にしてガス透過性と分離性を確保するために以下のような方法が知られている。非対称膜(Asymmetric Membrane)として分離に寄与する部分をスキン(Skin)層と呼ばれる薄層にする方法、あるいは機械強度を有する素材として支持体を、そしてその上にガス分離に寄与する薄膜層(Selective Layer)を設ける薄層複合膜(Thin Film composite)を用いる方法、あるいはガス分離に寄与する高密度の層を含む中空糸(Hollow fiber)を用いる方法が知られている。上記方法に共通して、ガス分離に寄与する層を分離層と呼ぶ。
ガス分離膜の代表的な性能として、混合ガスから所望のガスを得る際のガス分離性と、所望のガスのガス透過性が挙げられる。その中でもガス透過性を高める目的で、様々な材料を用いたガス分離膜が検討されてきている。
例えば、特許文献1には、高シリカゼオライトを含有するポリオルガノシロキサン膜を支持体として用い、その少なくとも片面に、特定の酸素透過性高分子膜を形成させて成る複合酸素富化膜が記載されている。なお、特許文献1には、酸素透過性高分子膜にはゼオライトなどは含有していない。
ゼオライトに類似する特性を有する化合物として、モレキュラーシーヴ(分子篩)も知られている。例えば、特許文献2の[0048]やクレーム15には、ポリマーによって機能化されたモレキュラーシーヴ(分子篩重合体)の混合マトリックス膜の上に、ポリシロキサンや熱硬化性シリコンゴムなどの層を設ける方法が記載されている。
また、特許文献3には、連続相有機重合体と、特定のシリカ対アルミナモノ比を有するシリコアルミノ燐酸塩(SAPO)等の分子篩とを含む混合マトリックス膜を、ガス分離膜として用いることが記載されている。
特開平3−262523号公報 米国公開US2008−0295692 特許第4551410号
このような状況のもと本発明者がこれらの文献に記載のガス分離膜を検討したところ、モジュール中に多面積のガス分離膜を詰め込むスパイラル型のガス分離膜モジュール化(以下、スパイラル型化とも言う)しようとすると、ガス分離膜が脆く、欠陥が生じてしまうことがわかった。
さらに本発明者が鋭意検討したところ、これらの文献に記載のガス分離膜のゼオライトなどの無機粒子を含む膜中において、ゼオライトなどの無機粒子の含有量を減らしてガス分離膜の透過性を低くするとスパイラル型化しやすくなる一方、ゼオライトなどの無機粒子の含有量を増やしてゼオライト等の無機粒子に起因するガス分離膜の透過性を維持しようとするとスパイラル型化するときに欠陥が生じることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、高い透過性を維持しつつ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できるガス分離膜を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、支持体上に設けた分離層にゼオライトなどの無機粒子を添加して透過性を高めたときに、保護層にも特定の粒径の無機粒子を特定の添加量の範囲で含有させることで、高い透過性を維持しつつ、脆さを改良することができ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できることを見出すに至った。
上記の課題を解決するための具体的な手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 支持体と、分離層と、保護層とをこの順で有するガス分離膜であって、
分離層中に無機粒子を含有し、
保護層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、保護層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、
保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して40質量%以下であるガス分離膜。
[2] [1]に記載のガス分離膜は、分離層中に含有される上述の無機粒子が、無機モレキュラーシーヴであることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載のガス分離膜は、保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して1〜40質量%であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載のガス分離膜は、保護層中に含有される上述の無機粒子が、無機モレキュラーシーヴであることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載のガス分離膜は、保護層の膜厚が1000nm以下であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載のガス分離膜は、保護層中に含有される樹脂が、ポリシロキサンであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載のガス分離膜は、分離層がさらに樹脂を有し、
分離層中に含有される上述の無機粒子が、分離層中の樹脂に対して5〜40質量%であることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載のガス分離膜は、支持体と分離層の間にさらに樹脂層を有し、
樹脂層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、樹脂層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、
樹脂層中に含有される上述の無機粒子が、樹脂層中の樹脂に対して40質量%以下であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一つに記載のガス分離膜を用いたガス分離膜モジュール。
[10] [9]に記載のガス分離膜モジュールは、スパイラル型のガス分離膜モジュールであることが好ましい。
本発明によれば、高い透過性を維持しつつ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できるガス分離膜を提供することができる。
また、本発明によれば、このようなガス分離膜を用いたガス分離膜モジュールを提供することができる。
本発明のガス分離膜の一例を示す模式図である。 本発明のスパイラル型のガス分離膜モジュールの一例を示す模式図である。 本発明のスパイラル型のガス分離膜モジュールの断面の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。また、特に断らない場合であっても、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本明細書において化合物(樹脂を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書における置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を奏する範囲で、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。
[ガス分離膜]
本発明のガス分離膜は、支持体と、分離層と、保護層とをこの順で有するガス分離膜であって、分離層中に無機粒子を含有し、保護層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、保護層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して40質量%以下である。
このような構成により、本発明のガス分離膜は高い透過性を維持しつつ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できる。いかなる理論に拘泥するものではないが、上記の構成によって、高い透過性を維持しつつ、スパイラル型のガス分離膜モジュール化できた理由を簡単に説明すると、以下のとおりである。
無機粒子を含む分離層は無機粒子の含有量が増えるほど、脆く、湾曲時クラックが生じやすくなる。これは無機粒子と分離層で用いられるバインダーとの界面の密着が弱く、湾曲時そこを基点として亀裂が生じやすいことに起因する。また耐擦傷性も低下するが、これは無機粒子が表面から剥がれ落ちることに起因する。
この時、分離層の上部に展延性に優れる保護層を設定すると、粒子間を適度に繋ぎとめ湾曲時の亀裂の発生を防止できる。また無機粒子が表面から剥がれ落ちることも防止ができる。
しかし保護層は気体の透過に対して抵抗となる層であり、通常分離層よりも高い気体透過性を有することが望まれる。ポリジメチルシロキサンは通常保護層に好適に用いられるが、気体の透過性が非常に高い分離層を用いる場合その透過性は十分ではなくなる。このため、気体透過性が優れ、かつ展延性に優れる従来以上の保護層が望まれる。
保護層の鋭意検討の結果、保護層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、保護層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して40質量%以下とすることで上記2点が好適に満たされることを確認した。
以下、本発明のガス分離膜の好ましい態様について説明する。
<構成>
本発明のガス分離膜は、薄層複合膜、非対称膜または中空糸であることが好ましい。
以下においてガス分離膜が薄層複合膜である場合を代表例として説明するときがあるが、本発明のガス分離膜は薄層複合膜によって限定されるものではない。
本発明のガス分離膜の好ましい構成を、図面を用いて説明する。図1に示した本発明のガス分離膜5は薄層複合膜であって、支持体4と、分離層1と、保護層(Protective Layer)2とをこの順で有する。
本発明のガス分離膜5は、分離層1と支持体4の間に樹脂層3を有することが好ましい。
本明細書において「支持体上」に任意の層を有すると記載した場合は、支持体と任意の層との間に、別の層が介在してもよい。また、上下の表現については、特に断らない限り、図1のガス分離膜5において、分離対象となるガスが供給される方向を「上」とし、分離されたガスが出される方向を「下」とする。
<保護層>
本発明のガス分離膜は、支持体と、分離層と、保護層とをこの順で有する。すなわち、前記分離層上に形成された保護層を具備する。保護層は分離層の上に設置される層のことである。保護層を設けることにより、ハンドリング時や使用時に分離層と他の材料との意図しない接触を防ぐことができる。
本発明のガス分離膜では、保護層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、保護層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して40質量%以下である。
(無機粒子)
保護層中に含有される上述の無機粒子は、平均粒子直径が10nm以上、かつ、保護層の膜厚の0.34倍未満である。
保護層中に含有される上述の無機粒子は、平均粒子直径が10nm以上であることが好ましく、13nm以上であることがより好ましい。平均粒子直径が保護層の膜厚の0.001倍以上であることが好ましく、保護層の膜厚の0.01倍以上であることがより好ましい。
保護層中に含有される上述の無機粒子は、平均粒子直径が保護層の膜厚の0.34倍未満であることが好ましく、保護層の膜厚の0.30倍未満であることがより好ましい。
保護層中に含有される上述の無機粒子としては、細孔を有する無機粒子が好ましく、例えば、無機モレキュラーシーヴ粒子、シリカ粒子などを挙げることができる。
本明細書中、無機モレキュラーシーヴとは、多孔質性の無機材料であり、ペレット状や粉末状に成型されたものが良く知られており、アルミノ珪酸塩やメタロケイ酸塩などのゼオライト;アルミノ燐酸塩(AlPO)、シリコアルミノ燐酸塩(SAPO)、メタロ−アルミノ燐酸塩(MeAPO)、エレメント(element)アルミノ燐酸塩(ElAPO)、メタロ−シリコアルミノ燐酸塩(MeAPSO)、及びエレメンタル(elemental)シリコアルミノ燐酸塩(ElAPSO)などのゼオライト類似物質粒子;カーボンモレキュラーシーヴ(CMS)などのその他の無機モレキュラーシーヴ;が含まれるが、それらに限定されるものではない。
ゼオライトとは、たとえば『ゼオライトの科学と工学』(八嶋建明・小野嘉夫編 講談社サイエンティフィク版 2000年7月出版)に詳細が記載されているとおりであり、アルミノ珪酸塩四面体骨格構造、イオン交換可能な大きな陽イオン、及び可逆的な脱水を可能にする緩く保持された水分子を特徴とする含水テクトシリケート(tectosilicate)を指す。ゼオライトには、多孔性結晶性アルミノケイ酸塩と、多孔性結晶性メタロケイ酸塩が含まれる。メタロケイ酸塩は、アルミノケイ酸塩と同様な結晶構造を持つ。
ゼオライト類似物質とは、多孔質結晶性アルミノケイ酸塩と、多孔質結晶性メタロケイ酸塩以外で同様の構造をもつ多孔質結晶のことを言う。ゼオライト類似物質の中でも、リン酸塩系ゼオライト類似物質が好ましい。
保護層中に含有される上述の無機粒子は、無機モレキュラーシーヴであることが、粒径、耐久性の観点から好ましく、ゼオライトまたはゼオライト類似物質であることがより好ましく、ゼオライト類似物質であることが特に好ましい。
好ましい無機モレキュラーシーヴの例には、アルミノ珪酸塩(ゼオライト);リン酸塩系ゼオライト類似物質である、アルミノ燐酸塩(AlPO)、シリコアルミノ燐酸塩(SAPO)、メタロ−アルミノ燐酸塩(MeAPO)、エレメント(element)アルミノ燐酸塩(ElAPO)、メタロ−シリコアルミノ燐酸塩(MeAPSO)、及びエレメンタル(elemental)シリコアルミノ燐酸塩(ElAPSO);カーボンモレキュラーシーヴ(CMS)があげられるが、その中でゼオライト、AlPO、SAPO、カーボンモレキュラーシーヴが好ましく、SAPOまたはAIPOがより好ましく、SAPOが特に好ましい。
ゼオライトにおいては、次のIZA(国際ゼオライト協会)(International Zeolite Association)構造型のもの:CHA型、NAT型、FAU型、MOR型、MFI型、BEA型、RHO型、ANA型、ERI型、GIS型、LTA型、AFI型;が含まれるが、それらに限定されるものではない。その中でも、CHA型、MFI型のものが好ましく、CHA型がより好ましい。
本発明において、CHA型ゼオライトとは、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものを示す。天然に産出するチャバサイトと同等の結晶構造を有するゼオライトである。CHA型ゼオライトは0.38×0.38nmの径を有する酸素8員環からなる3次元細孔を有することを特徴とする構造をとり、その構造はX線回折データにより特徴付けられる。
AlPOにおいては、次のIZA(国際ゼオライト協会)(International Zeolite Association)構造型のもの:CHA型、NAT型、FAU型、MOR型、MFI型、BEA型、RHO型、ANA型、ERI型、GIS型、LTA型、AFI型;が含まれるが、それらに限定されるものではない。その中でも、CHA型、LTA型のものが好ましく、CHA型がより好ましい。
SAPOにおいては、次のIZA(国際ゼオライト協会)(International Zeolite Association)構造型のもの:CHA型、NAT型、FAU型、MOR型、MFI型、BEA型、RHO型、ANA型、ERI型、GIS型、LTA型、AFI型;が含まれるが、それらに限定されるものではない。その中でも、CHA型、LTA型のものが好ましく、CHA型がより好ましい。
シリカ粒子の中でも、保護層中に含有される無機粒子としては、メソ多孔体であるメソ多孔性シリカが好ましい。メソ多孔体は、細孔径が2〜50nmのものが好ましい。
保護層中に含有される上述の無機粒子は、細孔サイズ0.34〜0.40nmであることが好ましく、0.35〜0.39nmであることがより好ましい。
保護層中に含有される上述の無機粒子は、具体的には、silicalite−1、CHA型のアルミノホスフェートであるSAPO−34、Si−DDR、AlPO−14、AlPO−34、AlPO−18、SSZ−62、UZM−5、UZM−25、UZM−12、UZM−9、AlPO−17、CHA型のアルミノシリケートであるSSZ−13、SSZ−16、ERS−12、CDS−1、MCM−65、MCM−47、4A、5A、SAPO−44、SAPO−47、SAPO−17、CVX−7、SAPO−35、SAPO−56、AlPO−52, SAPO−43が好ましく、SAPO−34、SSZ−13およびAlPO−18がより好ましく、SAPO−34が特に好ましい。
本発明では、保護層中に含有される上述の無機粒子が、保護層中の樹脂に対して40質量%以下であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが特に好ましく、10〜40質量%であることがより特に好ましい。
(樹脂)
前記保護層に用いられる樹脂の好ましい範囲は、後述の樹脂層に用いられる好ましい樹脂の範囲と同様である。特に前記保護層が、ポリシロキサンまたはポリエチレンオキサイドであることが好ましく、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSとも言う)、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(以下、PTMSPとも言う)およびポリエチレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、ポリジメチルシロキサンまたはポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)であることが特に好ましく、ポリジメチルシロキサンであることがより特に好ましい。
(特性)
前記保護層の膜厚は、1000nm以下であることが好ましく、20nm〜1000nmであることが好ましく、20〜900nmであることがより好ましく、30〜800nmであることが特に好ましい。
<分離層>
本発明では、前記分離層は無機粒子を含有する。
(無機粒子)
本発明では、分離層中に含有される上述の無機粒子が、分離層中の樹脂に対して5〜40質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましく、20〜40質量%であることがより特に好ましい。
分離層中に含有される上述の無機粒子としては、細孔を有する無機粒子が好ましく、例えば、シリカ粒子、無機モレキュラーシーヴ粒子などを挙げることができる。
分離層中に含有される上述の無機粒子は、無機モレキュラーシーヴ粒子であることが、ガス透過度、耐久性、粒径の観点から好ましく、ゼオライトまたはゼオライト類似物質であることがより好ましく、ゼオライト類似物質であることが特に好ましい。
分離層中に用いることができるシリカ粒子および無機モレキュラーシーヴ粒子の好ましい範囲は、保護層中に用いることができるシリカ粒子および無機モレキュラーシーヴ粒子の好ましい範囲と同様である。
分離層中に含有される上述の無機粒子の細孔サイズの好ましい範囲は、保護層中に含有される上述の無機粒子の細孔サイズの好ましい範囲と同様である。
分離層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径の好ましい範囲は、保護層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径の好ましい範囲と同様である。
分離層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径と、分離層の膜厚の関係としては特に制限はないが、例えば、分離層中、上述の無機粒子の平均粒子直径は、分離層の膜厚の0.01〜0.95倍であることが好ましく、0.02〜0.90倍であることがより好ましく、0.04〜0.90倍であることが特に好ましい。
分離層中に含有される上述の無機粒子は、具体的には、silicalite−1、CHA型のアルミノホスフェートであるSAPO−34、Si−DDR、AlPO−14、AlPO−34、AlPO−18、SSZ−62、UZM−5、UZM−25、UZM−12、UZM−9、AlPO−17、CHA型のアルミノシリケートであるSSZ−13、SSZ−16、ERS−12、CDS−1、MCM−65、MCM−47、4A、5A、SAPO−44、SAPO−47、SAPO−17、CVX−7、SAPO−35、SAPO−56、AlPO−52、SAPO−43が好ましく、SAPO−34、SSZ−13およびAlPO−18がより好ましく、SAPO−34が特に好ましい。
(樹脂)
本発明では、分離層がさらに樹脂を有することが好ましい。
分離層に用いることができる樹脂は、以下に挙げられるが、これらに限定されるわけではない。具体的には、ポリイミド類、ポリアミド類、セルロース類、ポリエチレングリコール類、ポリベンゾオキサゾール類であることが好ましく、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールおよび酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、ポリイミドであることが特に好ましい。
前記ポリイミドとしては、反応性基を有するポリイミドであることが好ましい。
以下において、分離層の樹脂が反応性基を有するポリイミドである場合について代表例として説明することがあるが、本発明は反応性基を有するポリマーが反応性基を有するポリイミドである場合に限定されるものではない。
本発明に用いる反応性基を有するポリイミドについて以下に詳しく説明する。
本発明において、反応性基を有するポリイミド化合物は、反応性基を有するポリマーが、ポリイミド単位と、側鎖に反応性基(好ましくは求核性の反応性基であり、より好ましくはカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基)を有する繰り返し単位とを含むことが好ましい。
より具体的に説明すれば、反応性基を有するポリマーが、下記式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも1種と、下記式(III−a)又は(III−b)で表される繰り返し単位の少なくとも1種とを含むことが好ましい。
さらに、反応性基を有するポリマーは、下記式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも1種と、下記式(II−a)又は(II−b)で表される繰り返し単位の少なくとも1種と、下記式(III−a)又は(III−b)で表される繰り返し単位の少なくとも1種とを含むことがより好ましい。
本発明に用いる反応性基を有するポリイミドは、上記各繰り返し単位以外の繰り返し単位を含むことができるが、そのモル数は、上記各式で表される各繰り返し単位のモル数の和を100としたときに、20以下であることが好ましく、0〜10であることがより好ましい。本発明に用いる反応性基を有するポリイミドは、上記各式で表される各繰り返し単位のみからなることが特に好ましい。
Figure 0006180965
式(I)において、Rは、下記式(1−a)〜(1−h)のいずれかで表される構造の基を示す。下記式(1−a)〜(1−h)において、*は式(I)のカルボニル基との結合部位を示す。式(I)におけるRを母核と呼ぶことがあるが、この母核Rは式(1−a)、(1−b)または(1−d)で表される基であることが好ましく、(1−a)または(1−d)で表される基であることがより好ましく、(1−a)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 0006180965
Figure 0006180965
Figure 0006180965
・X1、X2、X3
1、X2、X3は、単結合又は2価の連結基を示す。当該2価の連結基としては、−C(Rx2−(Rxは水素原子又は置換基を示す。Rxが置換基の場合、互いに連結して環を形成してもよい)、−O−、−SO2−、−C(=O)−、−S−、−NRY−(RYは水素原子、アルキル基(好ましくはメチル基又はエチル基)又はアリール基(好ましくはフェニル基))、又はこれらの組み合わせが好ましく、単結合又は−C(Rx2−がより好ましい。Rxが置換基を示すとき、その具体例としては、後記置換基群Zが挙げられ、なかでもアルキル基(好ましい範囲は後記置換基群Zと同義である)が好ましく、ハロゲン原子を置換基として有するアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチルが特に好ましい。なお、本明細書において「互いに連結して環を形成してもよい」というときには、単結合、二重結合等により結合して環状構造を形成するものであってもよく、また、縮合して縮環構造を形成するものであってもよい。
・L
Lは−CH2=CH2−又は−CH2−を示し、好ましくは−CH2=CH2−である。
・R1、R2
1、R2は水素原子又は置換基を示す。その置換基としては、下記に示される置換基群Zより選ばれるいずれか1つを用いることができる。R1およびR2は互いに結合して環を形成していてもよい。
1、R2は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
・R3
3はアルキル基又はハロゲン原子を示す。当該アルキル基及びハロゲン原子の好ましいものは、後記置換基群Zで規定したアルキル基及びハロゲン原子の好ましい範囲と同義である。R3の数を示すl1は0〜4の整数であるが、1〜4が好ましく、3〜4がより好ましい。R3はアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
・R4、R5
4、R5はアルキル基もしくはハロゲン原子を示すか、又は互いに連結してX2と共に環を形成する基を示す。当該アルキル基及びハロゲン原子の好ましいものは、後記置換基群Zで規定したアルキル基及びハロゲン原子の好ましい範囲と同義である。R4、R5が連結した構造に特に制限はないが、単結合、−O−又は−S−が好ましい。R4、R5の数を示すm1、n1は0〜4の整数であるが、1〜4が好ましく、3〜4がより好ましい。
4、R5はアルキル基である場合、メチル基又はエチル基であることが好ましく、トリフルオロメチルも好ましい。
・R6、R7、R8
6、R7、R8は置換基を示す。ここでR7とR8が互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基の数を示すl2、m2、n2は0〜4の整数であるが、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。
・J1
1は単結合又は2価の連結基を表す。連結基としては*−COO-+bcd−**(Rb〜Rdは水素原子、アルキル基、アリール基を示し、その好ましい範囲は後記置換基群Zで説明するものと同義である。)、*−SO3 -+efg−**(Re〜Rgは水素原子、アルキル基、アリール基を示し、その好ましい範囲は後記置換基群Zで説明するものと同義である。)、アルキレン基、又はアリーレン基を表す。*はフェニレン基側の結合部位、**はその逆の結合部位を表す。J1は、単結合、メチレン基、フェニレン基であることが好ましく、単結合が特に好ましい。
・A1
1は架橋反応をし得る基であれば特に制限はないが、求核性の反応性基であることが好ましく、−COOH、アミノ基、−OH、及び−S(=O)2OHから選ばれる基を示すことがより好ましい。当該アミノ基の好ましい範囲は、後記置換基群Zで説明するアミノ基の好ましい範囲と同義である。A1は特に好ましくはカルボキシル基、アミノ基またはヒドロキシル基であり、より特に好ましくは−COOH又は−OHであり、特に好ましくはカルボキシル基である。
置換基群Z:
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環オキシ基であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環チオ基であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子が挙げられる)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、オキソ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは3〜7員環のヘテロ環基で、芳香族ヘテロ環でも芳香族でないヘテロ環であってもよく、ヘテロ環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。炭素数は0〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリルオキシ基であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は、更に上記置換基群Zより選択されるいずれか1つ以上の置換基により置換されてもよい。
なお、本発明において、1つの構造部位に複数の置換基があるときには、それらの置換基は互いに連結して環を形成していたり、上記構造部位の一部又は全部と縮環して芳香族環もしくは不飽和複素環を形成していたりしてもよい。
本発明に用いうるポリイミド化合物において、前記式(I)、(II−a)、(II−b)、(III−a)、(III−b)で表される各繰り返し単位の比率は、特に制限されるものではなく、ガス分離の目的(回収率、純度など)に応じガス透過性と分離選択性を考慮して適宜に調整される。
本発明に用いうる反応性基を有するポリイミド中、式(II−a)及び(II−b)の各繰り返し単位の総モル数(EII)に対する式(III−a)及び(III−b)の各繰り返し単位の総モル数(EIII)の比(EII/EIII)は、5/95〜95/5であることが好ましく、10/90〜80/20であることがより好ましく、20/80〜60/40であることがさらに好ましい。
本発明に用いる反応性基を有するポリイミドの分子量は、好ましくは重量平均分子量として10000〜1000,000であることが好ましく、より好ましくは15,000〜500,000であり、さらに好ましくは20,000〜200,000である。
分子量及び分散度は特に断らない限りGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)法を用いて測定した値とし、分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量とする。GPC法に用いるカラムに充填されているゲルは芳香族化合物を繰り返し単位に持つゲルが好ましく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなるゲルが挙げられる。カラムは2〜6本連結させて用いることが好ましい。用いる溶媒は、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒が挙げられる。測定は、溶媒の流速が0.1〜2mL/minの範囲で行うことが好ましく、0.5〜1.5mL/minの範囲で行うことが最も好ましい。この範囲内で測定を行うことで、装置に負荷がかからず、さらに効率的に測定ができる。測定温度は10〜50℃で行うことが好ましく、20〜40℃で行うことが最も好ましい。なお、使用するカラム及びキャリアは測定対称となる高分子化合物の物性に応じて適宜選定することができる。
本発明に用いうる反応性基を有するポリイミドは、特定の2官能酸無水物(テトラカルボン酸二無水物)と特定のジアミンとを縮合重合させることで合成することができる。その方法としては一般的な書籍(例えば、株式会社エヌ・ティー・エス発行、今井淑夫、横田力男編著、最新ポリイミド〜基礎と応用〜、3〜49頁など)で記載の手法を適宜選択することができる。
本発明に用いうる反応性基を有するポリイミドとして好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限るものではない。なお、下記式中「100」、「x」、「y」は共重合比(モル比)を示す。「x」、「y」及び重量平均分子量の例を下記表1に示す。なお、本発明に用いうるポリイミド化合物では、yが0ではないことが好ましい。
Figure 0006180965
Figure 0006180965
Figure 0006180965
さらに、上記の例示ポリイミド化合物P−100において共重合比がxが20.0000で、yが80.0000としたポリマー(P−101)も好ましく用いることができる。
また、分離層の樹脂がポリイミドである場合、より具体的には、Huntsman Advanced Materials社よりMatrimid(登録商標)の商標で販売されているMatrimid 5218(Matrimid(登録商標)の商標で販売されている特定のポリイミドポリマーを指す)およびHP Polymers GmbH社よりそれぞれ商品名P84および商品名P84HTで販売されているP84またはP84HT等も好ましい。
一方、ポリイミド以外の分離層の樹脂としては、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース類、ポリジメチルシロキサン類、ポリエチレングリコール♯200ジアクリレート(新中村化学社製)の重合したポリマーなどのポリエチレングリコール類、また、特表2010−513021号公報に記載のポリマーなどを選択することができる。
(特性)
分離層の膜厚としては機械的強度、分離選択性を維持しつつ高ガス透過性を付与する条件において可能な限り薄膜であることが好ましい。
ガス透過性を高める観点から本発明のガス分離膜の分離層は薄層であることが好ましい。分離層の厚さは通常には10μm以下であり、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。
なお、上記分離層の厚さは通常には0.01μm以上であり、実用上の観点から0.03μm以上が好ましい。
得られたガス分離膜において、分離層の厚さの変動係数は1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。当該変動係数は、ガス分離膜を構成する分離層において、互いに1cm以上離れた膜厚測定部位を無作為に10箇所選抜し、当該部位において膜厚測定を行い算出した値である。
<支持体>
本発明で用いる支持体は、薄く、多孔質な素材であることが、十分なガス透過性を確保する上で好ましい。
本発明のガス分離膜は、多孔質性の支持体の表面に分離層を形成・配置するようにしてもよく、表面に形成することで簡便に薄層複合膜とすることができる。多孔質性の支持体の表面に分離層を形成することで、高分離選択性と高ガス透過性、更には機械的強度を兼ね備えるという利点を有するガス分離膜とすることができる。
本発明のガス分離膜が薄層複合膜である場合、多孔質の支持体の表面に、上記の分離層をなす塗布液(ドープ)を塗布(本明細書において塗布とは浸漬により表面に付着される態様を含む意味である。)することにより形成することが好ましい。具体的には、前記支持体は、多孔質層(Porous Layer)を分離層側に有することが好ましく、前記分離層側に配置された多孔質層と不織布(Non−Woven)の積層体であることがより好ましい。
支持体に好ましく適用される多孔質層は、機械的強度及び高気体透過性の付与に合致する目的のものであれば、特に限定されるものではなく有機、無機どちらの素材であっても構わないが、好ましくは有機高分子の多孔質膜であり、その厚さは1〜3000μm、好ましくは5〜500μmであり、より好ましくは5〜150μmである。この多孔質層の細孔構造は、通常平均細孔直径が10μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.2μm以下であり、空孔率は好ましくは20〜90%であり、より好ましくは30〜80%である。また、多孔質層の分画分子量が100,000以下であることが好ましく、さらに、その気体透過率は二酸化炭素透過速度で3×10-5cm3(STP)/cm2・cm・sec・cmHg(30GPU)以上であることが好ましい。多孔質層の素材としては、従来公知の高分子、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアラミド等の各種樹脂を挙げることができる。多孔質層の形状としては、平板状、スパイラル状、管状、中空糸状などいずれの形状をとることもできる。
薄層複合膜においては、分離層側に配置される多孔質層の下部に機械的強度を付与するために織布、不織布、ネット等が設けられることが好ましく、製膜性およびコスト面から不織布が好適に用いられる。不織布としてはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリアミド等からなる繊維を単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよい。不織布は、例えば、水に均一に分散した主体繊維とバインダー繊維を円網や長網等で抄造し、ドライヤーで乾燥することにより製造できる。また、毛羽を除去したり機械的性質を向上させたり等の目的で、不織布を2本のロール挟んで圧熱加工を施すことも好ましい。
<樹脂層>
本発明のガス分離膜が薄層複合膜である場合、密着性向上の観点で前記分離層と前記支持体の間に樹脂層を有することが好ましい。
樹脂層とは、樹脂を含む層のことである。この樹脂には、重合可能な官能基を有していることが好ましい。このような官能基としては、エポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびチオール基を挙げることができる。樹脂層はエポキシ基、オキセタン基、カルボキシル基およびこれらのうち2以上の基を有する樹脂を含むことがより好ましい。このような樹脂は、前記支持体の上に放射線硬化性組成物への放射線照射による硬化をすることにより形成されることが好ましい。
重合性ジアルキルシロキサンは、ジアルキルシロキサン基を有するモノマー、ジアルキルシロキサン基を有する重合性オリゴマー、ジアルキルシロキサン基を有するポリマーである。樹脂層は、ジアルキルシロキサン基を有する部分的に架橋された放射線硬化性組成物から形成されてもよい。ジアルキルシロキサン基としては、−{O−Si(CH32n−で表される基(nは例えば1〜100)を挙げることができる。末端にビニル基を有するポリ(ジアルキルシロキサン)化合物も好ましく用いることができる。
前記樹脂層の材料としては、ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSとも言う)、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(以下、PTMSPとも言う)およびポリエチレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリジメチルシロキサンまたはポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)であることがより好ましく、ポリジメチルシロキサンであることが特に好ましい。
樹脂層の材料としては市販の材料を用いることができ、例えば、樹脂層の樹脂としては、UV9300(Momentive社製のポリジメチルシロキサン(PDMS))、X−22−162C(信越化学工業(株)製)などを好ましく用いることができる。
樹脂層のその他の材料としては、UV9380C(Momentive社製のビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロアンチモネート)などを好ましく用いることができる。
本発明では、樹脂層が無機粒子を含むことが好ましく、樹脂層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、樹脂層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、樹脂層中に含有される上述の無機粒子が、樹脂層中の樹脂に対して40質量%以下であることがより好ましい。
樹脂層中に含有される上述の無機粒子の樹脂層中の樹脂に対する添加量の好ましい範囲は、保護層中に含有される上述の無機粒子の保護層中の樹脂に対する添加量の好ましい範囲と同様である。
樹脂層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径、種類、細孔サイズの好ましい範囲は、保護層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径、種類、細孔サイズの好ましい範囲とそれぞれ同様である。
樹脂層中に含有される上述の無機粒子の平均粒子直径と、分離層の膜厚の関係としては特に制限はないが、例えば、樹脂層中、上述の無機粒子の平均粒子直径は、樹脂層の膜厚の0.001〜0.34倍であることが好ましく、0.01〜0.34倍であることがより好ましく、0.01〜0.30倍であることが特に好ましい。
前記樹脂層の材料は、樹脂層を形成するときに有機溶媒を含む組成物として調製することができ、硬化性組成物であることが好ましい。
前記樹脂層の膜厚としては特に制限はないが、前記樹脂層の膜厚は、20〜1000nmであることが好ましく、20〜900nmであることがより好ましく、30〜800nmであることが特に好ましい。樹脂層の膜厚はSEMで求めることができる。
樹脂層の膜厚は、硬化性組成物の塗布量を調整することによって制御することができる。
<特性、用途>
本発明のガス分離膜は、ガス分離回収法、ガス分離精製法として好適に用いることができる。例えば、水素、ヘリウム、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、酸素、窒素、アンモニア、硫黄酸化物、窒素酸化物、メタン、エタンなどの炭化水素、プロピレンなどの不飽和炭化水素、テトラフルオロエタンなどのパーフルオロ化合物などのガスを含有する気体混合物から特定の気体を効率よく分離し得るガス分離膜とすることができる。
本発明のガス分離膜は、酸性ガスと非酸性ガスのガス混合物から、少なくとも1種の酸性ガスを分離するためのガス分離膜であることが好ましい。酸性ガスとしては、二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SOx)、及び窒素酸化物(NOx)が挙げられ、二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、硫黄酸化物(SOx)、及び窒素酸化物(NOx)から選択される少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくは二酸化炭素、硫化水素又は硫黄酸化物(SOx)であり、特に好ましくは二酸化炭素である。
前記非酸性ガスとしては水素、メタン、窒素、及び一酸化炭素から選択される少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくはメタン、水素であり、特に好ましくはメタンである。
本発明のガス分離膜は、特に二酸化炭素/炭化水素(メタン)を含む気体混合物から二酸化炭素を選択分離するガス分離膜とすることが好ましい。
とりわけ、分離処理されるガスが二酸化炭素とメタンとの混合ガスである場合においては、40℃、5MPaにおける二酸化炭素の透過速度が100GPU超であることが好ましく、150GPU超であることがより好ましく、300GPU超であることが特に好ましく、600GPU超であることがより特に好ましく、800GPU超であることがさらにより特に好ましい。
なお、1GPUは1×10-6cm3(STP)/cm2・sec・cmHgである。
本発明のガス分離膜は、分離処理されるガスが二酸化炭素とメタンの混合ガスである場合において、40℃、5MPaにおける二酸化炭素の透過流束のメタンの透過流束に対する比である分離選択性αが20以上であることが好ましく、25以上であることがより好ましく、30以上であることが特に好ましく、33以上であることがより特に好ましい。
上記選択的なガス透過には膜への溶解・拡散機構が関与すると考えられる。このような観点を活かし、ポリエチレンオキシ(PEO)組成を含む分離膜が検討されている(Journal of Membrane Science,1999,160,87−99参照)。これは二酸化炭素がポリエチレンオキシ組成との相互作用が強いことに起因する。このポリエチレンオキシ膜はガラス転移温度の低い柔軟なゴム状のポリマー膜であるため、ガス種による拡散係数の差は小さく、分離選択性は溶解度の差の効果によるものが主である。これに対し、本発明の複合膜では、そこに適用されるポリイミド樹脂のガラス転移温度が高く、上記溶解・拡散作用を発揮させながら、膜の熱的な耐久性という観点でも大幅に改善することができる。
<ガス分離膜の製造方法>
ガス分離膜の製造方法は、特に制限は無い。
<樹脂層の形成>
ガス分離膜の製造方法は、樹脂層を前記支持体上に形成する工程を含むことが好ましい。
樹脂層を前記支持体上に形成する方法としては特に制限はないが、樹脂層の材料および有機溶媒を含む組成物を塗布することが好ましい。塗布方法としては特に制限はなく公知の方法を用いることができるが、例えばスピンコート法やディップコート法、バーコート法を適宜用いることができる。
樹脂層の材料および有機溶媒を含む組成物は、硬化性組成物であることが好ましい。樹脂層を形成するときの硬化性組成物への放射線照射の方法としては特に制限はないが、電子線、紫外線(UV)、可視光または赤外線照射を用いることができ、用いる材料に応じて適宜選択することができる。
放射線照射時間は1〜30秒であることが好ましい。
放射エネルギーは10〜500mW/cm2であることが好ましい。
前記樹脂層を支持体上に形成した後、分離層を形成する前に樹脂層に対して特定の処理を施すことが好ましい。樹脂層に対して施す特定の処理としては、樹脂層に酸素原子を浸透させる酸素原子浸透処理であることが好ましく、プラズマ処理であることがより好ましい。
前記プラズマ処理は上記の条件で5秒間以上であることが分離選択性を高め、かつ、耐傷性を高くして分離選択性を低下し難くする観点からより好ましい。一方、前記プラズマ処理が、上記の条件で1000秒間以下であることが好ましい。
また、プラズマ処理による積算エネルギー量は25〜500000Jが好ましい。
プラズマ処理は定法によればよく、従来的なものとしては、安定したプラズマを発生させるため減圧プラズマを利用し、その大型の真空チャンバ内で被処理体を処理する態様が挙げられる。昨今では大気圧雰囲気下での処理が可能である大気圧プラズマ処理装置が開発されている。そこではプロセス室内にアルゴンガスを主体としたガスを導入し、大気圧雰囲気下で高密度プラズマを安定して発生させることができる。大気圧プラズマ処理装置のシステム構成としては、ガス混合・制御部、反応器および搬送コンベヤ(もしくはXYテーブル)から構成されるものが挙げられる。円形ノズルよりスポット的にプラズマジェットを吹き出して処理するものも提案されている。
前記プラズマ処理条件としては、アルゴン流量が5〜500cm3(STP)/分であることが好ましく、50〜200cm3(STP)/分であることがより好ましく、80〜120cm3(STP)/分であることが特に好ましい。酸素流量が1〜100cm3(STP)/分であることが好ましく、5〜100cm3(STP)/分であることがより好ましい。
前記プラズマ処理条件としては、真空度が0.6〜15Paであることが好ましい。
前記プラズマ処理条件としては、放電出力が5〜200Wであることが好ましい。
<分離層の調製方法>
分離層の調製方法としては特に制限はなく、公知の材料を商業的に入手しても、公知の方法で形成しても、特定の樹脂を用いて後述の方法で形成してもよい。
分離層を形成する方法としては特に制限はないが、前記分離層の材料および有機溶媒を含む組成物を下層(例えば、支持体層または樹脂層)に塗布することが好ましい。塗布方法としては特に制限はなく公知の方法を用いることができるが、例えばスピンコート法を用いることができる。
本発明のガス分離膜の分離層を形成する条件に特に制限はないが、温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜80℃がより好ましく、5〜50℃が特に好ましい。
<保護層の形成>
分離層の表面処理を行った表面上に保護層を形成する方法としては特に制限はないが、前記保護層の材料および有機溶媒を含む組成物を塗布することが好ましい。有機溶媒としては、前記分離層の形成に用いられる有機溶媒を挙げることができる。塗布方法としては特に制限はなく公知の方法を用いることができるが、例えばスピンコート法を用いることができる。
保護層を形成するときの硬化性組成物への放射線照射の方法としては特に制限はないが、電子線、紫外線(UV)、可視光または赤外線照射を用いることができ、用いる材料に応じて適宜選択することができる。
放射線照射時間は1〜30秒であることが好ましい。
放射エネルギーは10〜500mW/cm2であることが好ましい。
<ガス混合物の分離方法>
本発明のガス分離膜を用いることで、ガス混合物の分離をすることができる。
本発明のガス分離膜を用いるガス混合物の分離方法において、原料のガス混合物の成分は原料産地や用途又は使用環境などによって影響されるものであり、特に規定されるものではないが、ガス混合物の主成分が二酸化炭素及びメタン又は二酸化炭素及び窒素又は二酸化炭素及び水素であることが好ましい。すなわち、ガス混合物における二酸化炭素及びメタン又は二酸化炭素及び水素の占める割合が、二酸化炭素の割合として5〜50%であることが好ましく、更に好ましくは10〜40%である。ガス混合物が二酸化炭素や硫化水素のような酸性ガス共存下である場合、本発明のガス分離膜を用いるガス混合物の分離方法は特に優れた性能を発揮し、好ましくは二酸化炭素とメタン等の炭化水素、二酸化炭素と窒素、二酸化炭素と水素の分離において優れた性能を発揮する。
ガス混合物の分離方法は、二酸化炭素及びメタンを含む混合ガスから二酸化炭素を選択的に透過させることを含む方法であることが好ましい。ガス分離の際の圧力は1MPa〜10MPaであることが好ましく、2MPa〜7MPaであることがより好ましい。また、ガス分離温度は、−30〜90℃であることが好ましく、15〜70℃であることがさらに好ましい。
[ガス分離膜モジュール]
本発明のガス分離膜モジュールは、本発明のガス分離膜を有する。
本発明のガス分離膜は多孔質支持体と組み合わせた薄層複合膜とすることが好ましく、更にはこれを用いたガス分離膜モジュールとすることが好ましい。また、本発明のガス分離膜、薄層複合膜又はガス分離膜モジュールを用いて、ガスを分離回収又は分離精製させるための手段を有する気体分離装置とすることができる。本発明のガス分離膜はモジュール化して好適に用いることができる。モジュールの例としては、スパイラル型、中空糸型、プリーツ型、管状型、プレート&フレーム型などが挙げられ、スパイラル型(スパイラルワウンド型あるいはSW型)であることが好ましい。また本発明のガス分離膜は、例えば、特開2007−297605号に記載のような吸収液と併用した膜・吸収ハイブリッド法としての気体分離回収装置に適用してもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に示さない限り質量基準とする。
[実施例1]
<SAPO−34粒子(シリコアルミノリン酸塩ゼオライト粒子)の作製>
1.0当量のアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業製)と0.3当量のTEAOH(Tetraethylammonium Hydroxide、35質量%、Aldrich製)と純水を室温で十分攪拌混合した。その後0.3当量のSiO2(コロイダルシリカLudox SM、Aldrich製)を加え、2時間攪拌した。最後に2当量のリン酸(和光純薬工業)を一滴ずつゆっくりと加え、1時間攪拌した。純水は30〜120当量となるようにした。その後オートクレーブチューブに移し、マイクロウェーブオーブンで180℃にて1時間処理を行った。合成された粒子の遠心分離を行い、エタノールと水でそれぞれ3回ずつ洗浄した。乾燥後、550℃で6時間焼成を行った。純水の量を調整することで粒径の異なるSAPO−34粒子を得ることができ、実施例1では平均粒子直径が0.15μmのSAPO−34粒子を得た。
SAPO−34粒子などの無機粒子の平均粒子直径は、以下の方法で測定した無機粒子の平均直径を、無機粒子50個の平均として求めた値である。なお、下記表中、「粒径」は、平均粒子直径を意味する。
透過型電子顕微鏡用グリッド上に適度に溶媒で希釈した粒子を滴下し乾燥後、透過型電子顕微鏡で観察を行った。
<SAPO−34粒子の表面修飾>
0.2mlの3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成製)をエタノール(メルク製):水:HCl=19:80:0.02の比で混合した液と混合し、15分間室温で攪拌した。その後、上記にて得られたSAPO−34粒子を添加し、50℃で40分間攪拌した。一昼夜放置し、揮発性の溶剤を蒸発させた後、オーブン中で純水を蒸発させて、表面修飾されたSAPO−34粒子を得た。
<樹脂層の作製>
(ジアルキルシロキサン基を有する放射線硬化性ポリマーの調製)
市販のUV9300(Momentive社製の下記構造のポリジメチルシロキサン(PDMS)、エポキシ当量は950g/molオキシラン、粘度測定法による重量平均分子量9000)39.087質量%、市販のX−22−162C(信越化学工業(株)製、下記構造の両末端カルボキシル変性シリコーン、重量平均分子量4600)10.789質量%、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)0.007質量%を含むn−ヘプタン溶液を調製し、95℃に維持しながら168時間経過させて、ポリ(シロキサン)基を有する放射線硬化性ポリマー溶液(25℃で粘度22.8mPa・s)を得た。
Figure 0006180965
(重合性の放射線硬化性組成物の調製)
放射線硬化性ポリマー溶液は20℃まで冷却され、5質量%になるまでn−ヘプタンを添加して希釈した。得られた溶液を濾過精度2.7μmの濾紙を用いて濾過し、放射線硬化性組成物を調製した。放射線硬化性組成物に対し、光重合開始剤であるUV9380C(Momentive社製のビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロアンチモネートの45質量%、アルキルグリシジルエーテル溶液)0.1質量%およびTi(OiPr)4(Dorf Ketal Chemicals製イソプロポキシドチタン(IV))0.1質量%、さらに表面修飾されたSAPO−34粒子を5質量%添加し、重合性の放射線硬化性組成物を調製した。
(重合性の放射線硬化性組成物の多孔質支持体への塗布、樹脂層の形成)
PAN(ポリアクリロニトリル)多孔質膜(不織布上にポリアクリロニトリル多孔質膜が存在、不織布を含め、膜厚は約180μm)を支持体として、重合性の放射線硬化性組成物を塗布した後、UV強度24kW/m、処理時間10秒のUV処理条件でUV処理(Fusion UV System社製、Light Hammer 10、D−バルブ)を行い、乾燥させた。このようにして、多孔質支持体上にSAPO−34粒子およびポリシロキサン樹脂を含有する、厚み600nmの樹脂層を形成した。
<分離層の作製>
(ポリマー(P−101)の合成)
下記反応スキームでポリマー(P−101)を合成した。
Figure 0006180965
1Lの三口フラスコにN−メチルピロリドン123ml、6FDA(東京化成株式会社製)54.97g(0.124mol)を加えて40℃で溶解させ、窒素気流下で攪拌しているところに、2,3,5,6−テトラメチルフェニレンジアミン(東京化成株式会社製、製品番号:T1457)4.098g(0.0248mol)、3,5−ジアミノ安息香酸15.138g(0.0992mol)のN−メチルピロリドン84.0ml溶液を30分かけて系内を40℃に保ちつつ滴下した。反応液を40℃で2.5時間攪拌した後、ピリジン(和光純薬株式会社製、製品番号:)2.94g(0.037mol)、無水酢酸(和光純薬株式会社製)31.58g(0.31mol)をそれぞれ加えて、さらに80℃で3時間攪拌した。その後、反応液にアセトン676.6mLを加え、希釈した。5Lステンレス容器にメタノール1.15L、アセトン230mLを加えて攪拌しているところに、反応液のアセトン希釈液を滴下した。得られたポリマー結晶を吸引ろ過し、60℃で送風乾燥させて50.5gのポリマー(P−101)を得た。なお、このポリマー(P−101)は、前掲の例示ポリイミド化合物P−100においてX:Y=20:80としたものである。下記表2〜表6中、ポリマー(P−101)のことを、PIと省略して記載した。
(分離層の形成)
樹脂層上に酸素流量50cm3(STP)/分、アルゴン流量100cm3(STP)/分、放電出力10Wのプラズマ処理条件で5秒間プラズマ処理を行った。
30ml褐色バイアル瓶に、反応性基を有するポリマー(P−101)を1.4g、メチルエチルケトンを8.6g、上述の方法で得た表面修飾したSAPO−34粒子を0.14g混合して、25℃で30分攪拌した。
その後、攪拌した分離層形成用の溶液を樹脂層のプラズマ処理面上に塗布し、厚み1000nmの分離層を形成させた。
<保護層の形成>
その後、樹脂層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物を、分離層の上に塗布後、樹脂層の形成と同様のUV処理条件でUV処理を行うことで、分離層上に厚み600nmの保護層を形成し、50℃で乾燥させた。
得られたガス分離膜を、実施例1のガス分離膜とした。実施例1の層構成は表2で示しているが、保護層で用いた樹脂の略号PDMSはポリジメチルシロキサンを表す。表3〜表6でのPDMSの略号も同様である。
[実施例2〜10および比較例9]
実施例1において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物中と、分離層形成用の溶液中に含有させる無機粒子の添加量を変更して、樹脂層、分離層および保護層中に含有される無機量子の添加量を下記表2に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10および比較例9のガス分離膜を得た。
[比較例1〜4]
実施例1〜4において、保護層を形成しなかった以外は実施例1〜4とそれぞれ同様にして、比較例1〜4のガス分離膜を得た。
[比較例5〜8]
実施例1〜4において、保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に無機粒子を添加しなかった以外は実施例1〜4とそれぞれ同様にして、比較例5〜8のガス分離膜を得た。
[実施例11、12および比較例10]
実施例1のSAPO−34粒子の作製において、純水の量を調整して、平均粒子直径が120nm、200nmおよび300nmのSAPO−34粒子を調製した。
その後、実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子の平均粒子直径を下記表3に記載のとおりに変更した以外は実施例3と同様にして、実施例11、12および比較例10のガス分離膜を得た。
なお、実施例11、12および比較例10では、分離層に用いたSAPO−34粒子の平均粒子直径は実施例3と同じく150nmであり、分離層の膜厚も実施例3と同じく1000nmとした。
[実施例13および14]
実施例1のSAPO−34粒子の作製において、純水の量を調整して、平均粒子直径が250nmおよび375nmのSAPO−34粒子を調製した。
その後、実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子の平均粒子直径を下記表4に記載のとおりに変更し、かつ、樹脂層および保護層の厚みを1000nmと1500nmにそれぞれ変更した以外は実施例3と同様にして、実施例13および14のガス分離膜を得た。
なお、実施例11、12および比較例10では、分離層に用いたSAPO−34粒子の平均粒子直径は実施例3と同じく150nmであり、分離層の膜厚も実施例3と同じく1000nmとした。
[実施例15]
無機粒子として、ゼオライトSSZ−13をUS 4544538 Aを参考にして合成し、以下の方法で平均粒子直径300nmに調整した。
合成後ボールミルで粉砕を行った。
その後、実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子の種類を上述のゼオライトSSZ−13に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例15のガス分離膜を得た。
なお、実施例15のガス分離膜の樹脂層および保護層の膜厚は、実施例3と同様であった。
[実施例16]
実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子として、カーボンモレキュラーシーヴ(下記表中にCMSと記載)であるCarbosieve−SIII(Aldrich社製)をボールミルで破砕し、平均粒子直径300nmとして用いた以外は実施例3と同様にして、実施例16のガス分離膜を得た。
なお、実施例16のガス分離膜の樹脂層および保護層の膜厚は、実施例3と同様であった。
[実施例17]
実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子として、平均粒子直径13nmのシリカ粒子(下記表中にSilicaと記載)であるCabosilTS530(Cabot社製)を用いた以外は実施例3と同様にして、実施例17のガス分離膜を得た。
なお、実施例17のガス分離膜の樹脂層および保護層の膜厚は、実施例3と同様であった。
[実施例18]
実施例3において、分離層形成用の溶液中に含有させる無機粒子として、実施例15で調製したゼオライトSSZ−13を用いた以外は実施例3と同様にして、実施例18のガス分離膜を得た。
なお、実施例18のガス分離膜の樹脂層および保護層の膜厚は、実施例3と同様であった。
[比較例11]
実施例18において、保護層を形成しなかった以外は実施例18と同様にして、比較例11のガス分離膜を得た。
[比較例12]
実施例18において、保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に無機粒子を添加しなかった以外は実施例18と同様にして、比較例12のガス分離膜を得た。
[実施例19]
実施例3において、支持体上に樹脂層を形成せず、支持体上に直接分離層形成用の溶液を塗布した以外は実施例3と同様にして、実施例19のガス分離膜を得た。
分離層と支持体の密着性の状態が悪く、性能評価は目視にて膜状態の良い部分を使用して実施した。
[実施例20]
実施例3において、樹脂層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に無機粒子を添加しなかった以外は実施例3と同様にして、実施例20のガス分離膜を得た。
[実施例21]
実施例3において、樹脂層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に含有させる無機粒子を平均粒子直径120nmのSAPO−34粒子に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例21のガス分離膜を得た。なお、実施例21のガス分離膜の樹脂層の膜厚は、実施例3と同様とした。
<ガス透過性・分離選択性評価>
得られた薄層複合膜である各実施例および比較例のガス分離膜を、高圧耐性のあるSUS316製ステンレスセル(DENISSEN社製)を用いて評価した。二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)の体積比が10:90の混合ガスをガス供給側の全圧力が5MPa(CO2の分圧:0.5MPa)となるように調整し、40℃でCO2、CH4のそれぞれのガスの透過性をTCD検知式ガスクロマトグラフィーにより測定した。各実施例および比較例のガス分離膜のガス分離性(すなわち、分離選択性)は、この膜のCH4の透過係数PCH4に対するCO2の透過係数PCO2の割合(PCO2/PCH4)として計算した。各実施例および比較例のガス分離膜のCO2透過性は、この膜のCO2の透過度QCO2(単位:GPU)とした。
なお、ガス透過性の単位は、圧力差あたりの透過流束(透過率、透過度、Permeanceとも言う)を表すGPU(ジーピーユー)単位〔1GPU=1×10-6cm3(STP)/cm2・sec・cmHg〕または透過係数を表すbarrer(バーラー)単位〔1barrer=1×10-10cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg〕で表す。本明細書中では、GPU単位の場合は記号Qを用いて表し、barrer単位の場合は記号Pを用いて表した。
また、各実施例および比較例のガス分離膜のガス透過性(GPU値)と分離選択性はすべてスパイラル型化する前の平膜の状態での値とした。
<スパイラル型化評価>
各実施例および比較例のガス分離膜を用いて、スパイラル型(詳しくはスパイラルワウンド型)のガス分離膜モジュール(SWモジュール)を、以下の方法でそれぞれ作製した。
作製したガス分離膜を内側にして二つ折りした。二つ折りした谷部にカプトンテープをはり、膜谷部の面状を補強した。そして、二つ折りした分離膜の間に、供給ガス流路用部材としてフィードスペーサ(Delstar社製、開口部ひし形の一辺(目開き)1.5mm、厚み500μm))を挟み込みリーフを作製した。
作製したリーフの多孔質支持体側にエンベロープ状になるように接着剤(ヘンケルジャパン社製:E120HP)を塗り、トリコット編みのエポキシ含浸ポリエステル製透過ガス流路用部材を重ね、有効の中空状中心管(透過ガス集合管)の周りに多重に巻き付け、テンションをかけることで、SWモジュールを作製した。
得られたSWモジュールを、各実施例および比較例のガス分離膜モジュールとした。
その後、作製した各ガス分離膜モジュール10を、中心筒12の開放端12bのみが外部に出た状態として、筒型の密閉容器に収容して、この密閉容器内にヘリウムガスを導入し、0.3MPaの圧力を掛けた状態で、中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量を測定した。
次いで、圧力を1.5MPaに上昇して、同様に、中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量を測定した。
さらに、圧力を1.5MPaに保ったまま密閉容器を100℃まで加熱して、同様に、中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量を測定した。
中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量が100mL(ミリリットル)/min未満である場合をA;
中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量が100mL/min以上200mL/min未満である場合をB;
中心筒12の開放端12bから排出されるヘリウムガスの流量が200mL/min以上である場合をC;
と評価した。スパイラル型化評価はA、Bとなるものが好ましく、特にAとなるものが好ましい。なお、スパイラル型化の評価がCのガス分離膜モジュールのスパイラル型化後のガス透過性(GPU値)と分離選択性はほとんど測定できなかった。
上記の各評価の結果を下記表2〜表6に示す。
Figure 0006180965
Figure 0006180965
Figure 0006180965
Figure 0006180965
Figure 0006180965
上記表2〜表6より、本発明のガス分離膜は、高い透過性を維持しつつ、スパイラル型化できることがわかった。
比較例1〜4より、保護層を設けない場合は、ガス分離層への無機粒子の添加量を多くしても「高透過率」と「脆さ改良によるスパイラル型化」の両立ができないことがわかった。
比較例5〜8より、保護層に無機粒子を添加しない場合は、ガス分離層への無機粒子の添加量が少ないと透過度が小さく、ガス分離層への無機粒子の添加量を多くするとスパイラル型化評価が悪くなった。すなわち、この場合もガス分離層への無機粒子の添加量を多くしても「高透過率」と「脆さ改良によるスパイラル型化」の両立ができないことがわかった。
また、実施例1〜4と比較例1〜8の比較により、ガス分離層と保護層に添加する無機粒子の量の合計を、比較例のガス分離層のみに添加する無機粒子の量と同量としたときに、予想外な効果の増加(相乗効果)があったことがわかった。
比較例9より、保護層への無機粒子の添加量が本発明の上限値を上回ると、スパイラル型化ができなくなることがわかった。
比較例10より、保護層への無機粒子の平均粒子直径が本発明の上限値を上回ると、スパイラル型化ができなくなることがわかった。
比較例11より、分離層の無機粒子の種類を変更した場合も、保護層を設けないときは、スパイラル型化評価が悪くなることがわかった。
比較例12より、分離層の無機粒子の種類を変更した場合も、保護層に無機粒子を添加しないときは、透過度が小さくなることがわかった。
なお、本発明のガス分離膜は、分離選択性も実用上問題ない程度に大きかった。
[比較例13]
実施例1のSAPO−34粒子の作製において、純水の量を調整して、平均粒子直径が10nm未満、具体的には5nmのSAPO−34粒子を調製した。このSAPO−34粒子の調製は、粒子形成が困難であった。
その後、実施例3において、樹脂層および保護層の形成に用いた重合性の放射線硬化性組成物に添加する無機粒子を上述の方法で調製した平均粒子直径5nmのSAPO−34粒子に変更に変更した以外は実施例3と同様にして、比較例13のガス分離膜を得た。
比較例13のガス分離膜は、本発明の効果を奏しないことがわかった。その理由としては、保護層に用いる無機粒子の平均粒子直径が本発明で規定する下限値を下回ると、凝集し易いためと考えられた。なお、比較例13の結果は、上記表には掲載しなかった。
1 分離層
2 保護層
3 樹脂層
4 支持体
5 ガス分離膜
10 分離モジュール(酸性ガス分離用スパイラル型モジュール)
12 中心筒
14 積層体
14a スパイラル積層体
16 テレスコープ防止板
16a 外環部
16b 内環部
16c リブ
16d 開口部
18 被覆層
20 酸性ガス分離層
20a 促進輸送膜
20b 多孔質支持体
24 供給ガス流路用部材
26 透過ガス流路用部材
30 接着剤層
30a 接着剤
34 固定手段
36 挟持体
40 接着部材

Claims (9)

  1. 支持体と、分離層と、保護層とをこの順で有するガス分離膜であって、
    前記分離層中に無機粒子を含有し、
    前記保護層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、前記保護層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、
    前記保護層中に含有される前記無機粒子が、前記保護層中の前記樹脂に対して40質量%以下であり、
    前記保護層中に含有される前記樹脂がポリジメチルシロキサンであり、
    前記保護層の膜厚が600〜1500nmであるガス分離膜。
  2. 前記分離層中に含有される前記無機粒子が、無機モレキュラーシーヴである請求項1に記載のガス分離膜。
  3. 前記保護層中に含有される前記無機粒子が、前記保護層中の前記樹脂に対して1〜40質量%である請求項1または2に記載のガス分離膜。
  4. 前記保護層中に含有される前記無機粒子が、無機モレキュラーシーヴである請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  5. 前記保護層の膜厚が600〜1000nmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  6. 前記分離層がさらに樹脂を有し、
    前記分離層中に含有される前記無機粒子が、前記分離層中の前記樹脂に対して5〜40質量%である請求項1〜のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  7. 前記支持体と前記分離層の間にさらに樹脂層を有し、
    前記樹脂層中に平均粒子直径が10nm以上、かつ、前記樹脂層の膜厚の0.34倍未満である無機粒子と、樹脂とを含有し、
    前記樹脂層中に含有される前記無機粒子が、前記樹脂層中の前記樹脂に対して40質量%以下である請求項1〜のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載のガス分離膜を用いたガス分離膜モジュール。
  9. スパイラル型のガス分離膜モジュールである請求項に記載のガス分離膜モジュール。
JP2014038832A 2014-02-28 2014-02-28 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール Expired - Fee Related JP6180965B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038832A JP6180965B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
PCT/JP2015/055539 WO2015129786A1 (ja) 2014-02-28 2015-02-26 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
US15/244,181 US9808772B2 (en) 2014-02-28 2016-08-23 Gas separation membrane and gas separation membrane module

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038832A JP6180965B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015160201A JP2015160201A (ja) 2015-09-07
JP6180965B2 true JP6180965B2 (ja) 2017-08-16

Family

ID=54009100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014038832A Expired - Fee Related JP6180965B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 ガス分離膜およびガス分離膜モジュール

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9808772B2 (ja)
JP (1) JP6180965B2 (ja)
WO (1) WO2015129786A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3120921A4 (en) * 2014-03-18 2017-11-29 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Separation membrane for treating acidic gas-containing gas, and method for manufacturing separation membrane for treating acidic gas-containing gas
US10322379B2 (en) * 2014-07-21 2019-06-18 Ohio State Innovation Foundation Composite membranes for separation of gases
TWI707932B (zh) * 2015-02-03 2020-10-21 美商道康寧公司 硬塗層及相關組成物、方法、及物品
WO2017098802A1 (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 富士フイルム株式会社 保護層付きガス分離膜、保護層付きガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JPWO2017122530A1 (ja) * 2016-01-12 2018-09-27 富士フイルム株式会社 ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JPWO2017122486A1 (ja) * 2016-01-12 2018-09-20 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
WO2017145728A1 (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、ガス分離方法及びポリイミド化合物
JP2019162565A (ja) * 2016-07-25 2019-09-26 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜モジュールおよびガス分離装置
JP2019166418A (ja) * 2016-08-08 2019-10-03 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜モジュールおよびガス分離装置
JP2018167149A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 旭化成株式会社 ガス分離膜
KR102201876B1 (ko) 2019-03-25 2021-01-12 한국화학연구원 메탄 선택적 작용기가 도입된 유무기 복합 다공체를 포함하는 메탄 선택성 복합 분리막, 이의 용도 및 이의 제조방법
CN113631245B (zh) * 2019-03-26 2024-03-08 日东电工株式会社 分离膜
GB202019905D0 (en) * 2020-12-16 2021-01-27 Johnson Matthey Plc Carbon dioxide sorbent

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03262523A (ja) * 1990-03-13 1991-11-22 Shin Etsu Polymer Co Ltd 複合酸素富化膜
US5747152A (en) * 1993-12-02 1998-05-05 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transparent functional membrane containing functional ultrafine particles, transparent functional film, and process for producing the same
US6503295B1 (en) * 2000-09-20 2003-01-07 Chevron U.S.A. Inc. Gas separations using mixed matrix membranes
WO2002024310A1 (en) * 2000-09-20 2002-03-28 Chevron U.S.A. Inc. Mixed matrix membranes with pyrolized carbon sieve particles and methods of making and using the same
US6750050B2 (en) * 2000-10-19 2004-06-15 Rohm And Haas Company Porous non-friable polymer film
AU2003237989A1 (en) * 2002-06-13 2003-12-31 Kappler, Inc. Microporous membrane with adsorbent multi-functional filler
US7138006B2 (en) 2003-12-24 2006-11-21 Chevron U.S.A. Inc. Mixed matrix membranes with low silica-to-alumina ratio molecular sieves and methods for making and using the membranes
US8088716B2 (en) * 2004-06-17 2012-01-03 Exxonmobil Upstream Research Company Compressible objects having a predetermined internal pressure combined with a drilling fluid to form a variable density drilling mud
CN101427407A (zh) * 2006-04-17 2009-05-06 日本电气株式会社 固体高分子型燃料电池
EP2035651A4 (en) * 2006-06-07 2009-08-05 Exxonmobil Upstream Res Co METHOD FOR PRODUCING COMPRESSIBLE OBJECTS FOR A VARIABLE DENSITY DRILLING FLUSH
US20080295692A1 (en) * 2007-06-01 2008-12-04 Chunqing Liu Uv cross-linked polymer functionalized molecular sieve/polymer mixed matrix membranes for sulfur reduction
US9231267B2 (en) * 2009-02-17 2016-01-05 Mcalister Technologies, Llc Systems and methods for sustainable economic development through integrated full spectrum production of renewable energy
US20130240369A1 (en) * 2009-02-17 2013-09-19 Mcalister Technologies, Llc Systems and methods for sustainable economic development through integrated full spectrum production of renewable energy
US20120160095A1 (en) * 2010-11-29 2012-06-28 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Novel Nanoporous Supported Lyotropic Liquid Crystal Polymer Membranes and Methods of Preparing and Using Same
US20130026409A1 (en) * 2011-04-08 2013-01-31 Recapping, Inc. Composite ionic conducting electrolytes
CA2831448C (en) * 2011-06-07 2014-07-08 Dpoint Technologies Inc. Selective water vapour transport membranes comprising a nanofibrous layer and methods for making the same
JP5689765B2 (ja) * 2011-07-29 2015-03-25 富士フイルム株式会社 二酸化炭素分離部材、その製造方法及び二酸化炭素分離モジュール
GB201211309D0 (en) * 2012-06-26 2012-08-08 Fujifilm Mfg Europe Bv Process for preparing membranes
JP5840574B2 (ja) * 2012-07-11 2016-01-06 富士フイルム株式会社 二酸化炭素分離用複合体の製造方法、二酸化炭素分離用複合体、及び二酸化炭素分離用モジュール
JP6276735B2 (ja) * 2014-09-30 2018-02-07 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015160201A (ja) 2015-09-07
US9808772B2 (en) 2017-11-07
US20160354731A1 (en) 2016-12-08
WO2015129786A1 (ja) 2015-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6180965B2 (ja) ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
JP6316778B2 (ja) ガス分離膜、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JP6037804B2 (ja) ガス分離膜
WO2015053102A1 (ja) ガス分離膜およびガス分離膜モジュール
JP6535747B2 (ja) ガス分離複合膜の製造方法、液組成物、ガス分離複合膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置及びガス分離方法
JP6038058B2 (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
KR20100028591A (ko) Uv 가교결합된 중합체 기능화 분자체/중합체 혼합 매트릭스 멤브레인
JP2014024939A (ja) ポリイミド樹脂の製造方法、ガス分離膜、ガス分離モジュール、及びガス分離装置、並びにガス分離方法
WO2015129553A1 (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
WO2015033772A1 (ja) ガス分離複合膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
JP6652575B2 (ja) 保護層付きガス分離膜、保護層付きガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JP2018027520A (ja) ガス分離膜、ガス分離膜モジュールおよびガス分離装置
JP6355058B2 (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
JP5833986B2 (ja) ガス分離複合膜、その製造方法、それを用いたガス分離モジュール、及びガス分離装置、並びにガス分離方法
JPWO2017145747A1 (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
JP2018012089A (ja) ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュールおよびガス分離装置
WO2015046103A1 (ja) ガス分離膜およびガス分離膜の製造方法ならびにガス分離膜モジュール
US20180280892A1 (en) Gas separation membrane, method of producing gas separation membrane, gas separation membrane module, and gas separator
WO2016052075A1 (ja) ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JP2017131856A (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
JPWO2017145905A1 (ja) ポリイミド化合物、ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
JPWO2017145728A1 (ja) ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、ガス分離方法及びポリイミド化合物
ALABDULAALY High Performance Carbon Molecular Sieve Membranes Based on a Polymer of Intrinsic Microporosity Precursor for Gas Separation Applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6180965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees