以下に、本発明にかかる車両追跡プログラム、画像送信プログラム、サーバ装置、情報処理装置および車両追跡方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システムの構成]
実施例1では、道路を走行する車両から画像を収集して追跡対象とする追跡対象車両を追跡する車両追跡システム10に適用した場合について説明する。図1は、実施例1に係る車両追跡システムの全体構成を示す図である。車両追跡システム10は、図1に示すように、サーバ装置11と、情報処理装置12とを有する。
サーバ装置11と情報処理装置12は、ネットワーク13を介して通信可能に接続され、各種の情報を交換することが可能とされている。かかるネットワーク13の一態様としては、有線または無線を問わず、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網などの任意の通信網が挙げられる。例えば、図1の例では、ネットワーク13に移動体通信網の基地局13Aが設けられており、基地局13Aと情報処理装置12との間は、移動体通信により通信が可能とされている。
サーバ装置11は、画像を収集して追跡対象車両を追跡する装置であり、例えば、センタ14に設けられたサーバコンピュータである。サーバ装置11は、1台のコンピュータとして実装してもよく、また、クラウドなどの複数台のコンピュータによるシステムとして実装することもできる。なお、本実施例では、サーバ装置11を1台のコンピュータとした場合を例として説明する。
情報処理装置12は、車両15に搭載され、車外を撮影し、撮影した撮影画像を送信可能な装置である。情報処理装置12は、例えば、車載器など車両15に固定して搭載される装置であってもよい。また、情報処理装置12は、ユーザが車両15に設置した、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機など、着脱可能な装置であってもよい。なお、図1の例では、情報処理装置12を1つ有する場合を例示したが、開示のシステムはこれに限定されず、情報処理装置12を任意の数とすることができる。情報処理装置12は、それぞれ車両15に搭載される。なお、全ての車両15が情報処理装置12を搭載していなくてもよい。図1の例では、車両15Aは、情報処理装置12が搭載されている。車両15Bは、情報処理装置12が搭載されていない。情報処理装置12は、車両15のバッテリから電力供給を受ける。例えば、情報処理装置12は、車両15に着脱可能な装置とする場合、シガーソケットなどと電源ケーブルを介して接続され、電力が供給される。
また、ネットワーク13には、関係機関16の図示しないサーバが接続されている。関係機関16は、警察など車両の追跡を依頼する機関であり、センタ14に対して追跡対象車両の追跡を要求する。
[情報処理装置の構成]
次に、情報処理装置12の構成について説明する。図2は、実施例1に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置12は、通信I/F(インタフェース)部20と、カメラ21と、GPSユニット22と、制御部23とを有する。
通信I/F部20は、他の装置との間で通信制御を行うインタフェースである。通信I/F部20は、ネットワーク13を介して他の装置と各種情報を送受信する。例えば、通信I/F部20は、サーバ装置11から情報の送信要求を受信する。また、通信I/F部20は、サーバ装置11へ撮影画像や位置情報を送信する。かかる通信I/F部20の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。
カメラ21は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を用いて、画像を撮影する撮像装置である。カメラ21は、車両15の車外が撮影可能な位置に設置される。例えば、カメラ21は、車両のダッシュボード上やルームミラーに前方を向けて道路が撮影可能な位置に取り付けられる。なお、情報処理装置12がスマートフォン、PDA、携帯電話機などのカメラ21を分離不可能な装置の場合、情報処理装置12自体が、車外が撮影可能な位置に設置される。
GPSユニット22は、複数のGPS衛星からの電波を受信して各々のGPS衛星との距離を割り出すことにより、緯度および経度などの座標値を測定する測位ユニットである。GPSユニット22は、緯度および経度の座標値を測定する度に、当該座標値とその測定日時とを対応付けた位置情報を生成する。
制御部23は、情報処理装置12を制御するデバイスである。制御部23としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部23は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部23は、各種のプログラムが動作することにより各種のシステムが動作しており、各種の処理部として機能する。例えば、制御部23は、要求受付部40と、判定部41と、撮影制御部42と、送信部43とを有する。
要求受付部40は、サーバ装置11から各種の要求を受付ける。例えば、要求受付部40は、サーバ装置11から探索範囲を指定して情報の送信要求を受付ける。この探索範囲の指定方式は、何れの方式でもよい。例えば、探索範囲を円形とする場合は、探索範囲の中心となる位置の座標と、探索範囲の半径を指定してもよい。また、探索範囲を矩形とする場合は、矩形の対向する2点の座標を指定してもよい。また、探索範囲を多角形とする場合は、各頂点の座標を指定してもよい。また、地図を予め複数のエリアに分けてエリア毎に識別番号を定めている場合は、エリアの識別番号により探索範囲を指定してもよい。座標は、緯度、経度により示してもよく、他の座標系を用いてもよい。
判定部41は、各種の判定を行う。例えば、判定部41は、GPSユニット22により現在の位置を示す位置情報を取得する。そして、判定部41は、位置情報により示される現在の位置が要求受付部40により情報の送信要求を受付けた探索範囲であるか否かを判定する。判定部41は、要求受付部40により情報の送信要求を受付けた場合、現在の位置が探索範囲であるか否かの判定を周期的に行う。判定の周期は、例えば、数秒〜数分秒に1回程度の周期が挙げられる。判定の周期は、ユーザやサーバ装置11から設定できるものとしてもよい。また、判定の周期は、情報処理装置12が搭載された車両の走行速度に応じて変化させてもよい。例えば、判定部41は、前回の位置から今回の位置までの移動時間と、前回の位置から今回の位置までの移動時間から走行速度を求め、情報処理装置12が搭載された車両の走行速度が速いほど、判定周期を短くしてもよい。
撮影制御部42は、カメラ21を制御して画像の撮影を行う。例えば、撮影制御部42は、判定部41により現在の位置が探索範囲内であると判定された場合、カメラ21を制御して画像の撮影を行う。撮影制御部42は、判定部41により現在の位置が探索範囲内であると判定されている間、カメラ21による画像の撮影を周期的に行う。撮影の周期は、周囲の車両を適度に撮影する程度であればよく、例えば、数秒から数十秒に1回程度の周期が挙げられる。撮影の周期は、ユーザやサーバ装置11から設定できるものとしてもよい。また、撮影の周期は、情報処理装置12が搭載された車両の走行速度に応じて変化させてもよい。例えば、撮影制御部42は、情報処理装置12が搭載された車両の走行速度が速いほど、撮影周期を短くしてもよい。
送信部43は、各種の情報を送信する。例えば、送信部43は、カメラ21により撮影される撮影画像と、撮影の際にGPSユニット22により測位される位置情報をサーバ装置11へ送信する。
[サーバ装置の構成]
次に、サーバ装置11の構成について説明する。図3は、実施例1に係るサーバ装置の機能的な構成の一例を示す図である。図3に示すように、サーバ装置11は、通信I/F部50と、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、制御部54とを有する。
通信I/F部50は、他の装置との間で通信制御を行うインタフェースである。通信I/F部50は、ネットワーク13を介して他の装置と各種情報を送受信する。例えば、通信I/F部50は、情報処理装置12へ情報の送信要求を送信する。また、通信I/F部50は、情報処理装置12から撮影画像や位置情報を受信する。かかる通信I/F部50の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。
表示部51は、各種情報を表示する表示デバイスである。表示部51としては、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示デバイスが挙げられる。表示部51は、各種情報を表示する。
入力部52は、各種の情報を入力する入力デバイスである。例えば、入力部52としては、マウスやキーボードなどの入力デバイスが挙げられる。入力部52は、システムを管理する管理者などからの操作入力を受付け、受付けた操作内容を示す操作情報を制御部54に入力する。
記憶部53は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部53は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部53は、制御部54で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部53は、車両の追跡に用いる各種のプログラムを記憶する。さらに、記憶部53は、制御部54で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。例えば、記憶部53は、追跡対象車両情報60と、検索範囲情報61と、追跡候補情報62と、追跡候補位置情報63と、走行経路情報64とを記憶する。
追跡対象車両情報60は、追跡対象とする追跡対象車両に関する情報を記憶したデータである。例えば、追跡対象車両情報60には、追跡対象車両の特徴が記憶される。追跡対象車両の特徴としては、追跡対象車両を示すものであれば何れでもよく、例えば、自動車登録番号標に記載された自動車登録番号や、車両の色、車両のタイプ、車種、車両に付された文字、マークなどが挙げられる。自動車登録番号標は、所謂、ナンバープレートである。また、自動車登録番号は、ナンバープレートに記載された、所謂、ナンバーである。以下、自動車登録番号標は、ナンバープレートとも称する。また、自動車登録番号は、ナンバーとも称する。車両のタイプは、車両を形状で分類した際の種別であり、例えば、トラック、バス、バン、ワゴン、セダン、軽自動車などが挙げられる。なお、これらの情報は、全て必須ではなく、追跡対象車両について判明している情報のみが記憶される。また、ナンバーも一部のみ判明している場合は、判明している一部のみ記憶させる。
図4は、追跡対象車両情報のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、追跡対象車両情報60は、「追跡対象ID」、「ナンバー」、「カラー」、「タイプ」、「車種」、「文字」、「マーク」、「受付基点」、「受付日時」の各項目を有する。追跡対象ID(identification)の項目は、追跡対象車両を識別する識別情報を記憶する領域である。追跡対象車両には、数字や文字などを組み合わせて、それぞれを識別する識別情報が付与される。例えば、追跡対象車両には、識別情報として受付け順に番号が付与される。追跡対象IDの項目には、追跡対象車両に付与された識別情報が格納される。ナンバー、カラー、タイプ、車種、文字、マークの各項目は、追跡対象車両の特徴として判明しているナンバー、カラー、タイプ、車種、車両に付された文字、車両に付されたマークを格納する領域である。ナンバー、カラー、タイプ、車種、文字、マークの各項目は、「−」が格納されている場合、特徴が判明しておらず、未登録であることを示す。受付基点の項目は、追跡対象車両の探索を行う際に、受付けた最初の基点の位置を記憶する領域である。受付日時は、追跡対象車両の探索を受付けた日時を記憶する領域である。
図4の例では、追跡対象IDが「XXXXX1」の追跡対象車両は、ナンバーが不明であり、色が「白」であり、タイプが「トラック」であり、車種、文字、マークが不明であることを示す。また、追跡対象IDが「XXXXX1」の追跡対象車両は、受付けた基点が基点Aであり、受付日付が「2013/3/1 10:00」であることを示す。
図3に戻り、検索範囲情報61は、検索範囲に関する情報を記憶したデータである。例えば、検索範囲情報61は、それぞれの追跡対象車両を検索する検索範囲を示す情報を記憶する。なお、本実施例では、探索範囲を円形とする。
図5は、検索範囲情報のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、検索範囲情報61は、「検索範囲ID」、「追跡対象ID」、「基点」、「検索範囲」の各項目を有する。検索範囲IDの項目は、検索範囲を識別する識別情報を記憶する領域である。検索範囲には、それぞれを識別する識別情報が付与される。検索範囲IDの項目には、検索範囲に付与された識別情報が格納される。追跡対象IDの項目は、検索範囲で検索する追跡対象車両の追跡対象IDを記憶する領域である。基点の項目は、検索範囲の中心とする基点の座標を記憶する領域である。検索範囲の項目は、基点の座標から検索範囲とする半径を記憶する領域である。
図5の例では、検索範囲ID「A001」は、追跡対象車両の追跡対象IDが「XXXXX1」であり、検索範囲の基点が「(XA,YA)」であり、検索範囲とする半径が「半径3Km」であることを示す。なお、検索範囲を矩形や多角形とする場合は、検索範囲を示す情報として、各頂点の座標が記憶される。
図3に戻り、追跡候補情報62は、追跡対象車両に類似する追跡候補に関する情報を記憶したデータである。例えば、追跡候補情報62には、追跡候補の特徴が記憶される。
図6は、追跡候補情報のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、追跡候補情報62は、「追跡候補ID」、「追跡対象ID」、「ナンバー」、「カラー」、「タイプ」、「車種」、「文字」、「マーク」の各項目を有する。追跡候補IDの項目は、追跡候補を識別する識別情報を記憶する領域である。追跡候補には、同様の特徴を有する追跡候補毎に、それぞれを識別する識別情報が付与される。追跡候補IDの項目には、追跡候補に付与された識別情報が格納される。追跡対象IDの項目は、追跡候補として検索する追跡対象車両の追跡対象IDを記憶する領域である。ナンバー、カラー、タイプ、車種、文字、マークの各項目は、追跡候補の特徴として判明しているナンバー、カラー、タイプ、車種、車両に付された文字、車両に付されたマークを格納する領域である。ナンバー、カラー、タイプ、車種、文字、マークの各項目は、「−」が格納されている場合、特徴が判明しておらず、未登録であることを示す。
図6の例では、追跡候補IDが「S001」の追跡候補は、追跡対象車両の追跡対象IDが「XXXXX1」であり、ナンバーが「12−34」であることを示す。また、追跡候補IDが「S001」の追跡候補は、色が「白」であり、タイプが「トラック」であり、車種、マークが不明であり、付された文字が「○○運輸」であることを示す。
図3に戻り、追跡候補位置情報63は、撮影画像から特定される追跡候補に関する情報を記憶したデータである。例えば、追跡候補位置情報63には、撮影画像から特定された追跡候補の位置および撮影画像を撮影した日時が記憶される。
図7は、追跡候補位置情報のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すように、追跡候補位置情報63は、「追跡候補ID」、「位置」、「日時」の各項目を有する。追跡候補IDの項目は、追跡候補の識別情報を記憶する領域である。位置の項目は、追跡候補の位置を記憶する領域である。なお、本実施例では、追跡候補の位置として、追跡候補が撮影された撮影画像の撮影位置を記憶する。日時の項目は、追跡候補が撮影された撮影画像の撮影日時を記憶する領域である。
図7の例では、追跡候補IDが「S001」の追跡候補は、追跡候補の位置が「(X1,Y1)」であり、撮影日時が「2013/3/1 10:05:00」であることを示す。
図3に戻り、走行経路情報64は、追跡候補の走行経路に関する情報を記憶したデータである。例えば、走行経路情報64には、追跡候補の走行経路として、追跡候補が特定された位置の履歴が記憶される。
図8は、走行経路情報のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、走行経路情報64は、「走行経路ID」、「追跡候補ID」、「経路位置」の各項目を有する。走行経路IDの項目は、追跡候補を識別する識別情報を記憶する領域である。走行経路には、それぞれを識別する識別情報が付与される。走行経路IDの項目には、走行経路に付与された識別情報が格納される。追跡候補IDの項目は、走行経路を走行する追跡候補の追跡候補IDを記憶する領域である。経路位置の項目は、追跡候補が特定された位置の座標を特定された順に記憶する領域である。
図8の例では、走行経路IDが「R001」の走行経路は、走行する追跡候補の追跡候補IDが「S001」であり、走行経路として「(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)・・・」の各位置を順に移動していることを示す。
図3に戻り、制御部54は、サーバ装置11を制御するデバイスである。制御部54としては、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。制御部54は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部54は、各種のプログラムが動作することにより各種のシステムが動作しており、各種の処理部として機能する。例えば、制御部54は、受付部70と、決定部71と、送信部72と、収集部73と、特定部74と、推定部75と、変更部76と、通知部77とを有する。
受付部70は、各種の受付けを行う。例えば、受付部70は、追跡対象とする追跡対象車両の特徴を受付ける。また、受付部70は、追跡対象車両を探索する基点の指定を受付ける。特徴および基点は、受付部70がネットワーク13を介して関係機関16からデータとして受付けてもよい。また、関係機関16が、センタ14に対して電話などで追跡対象車両の特徴や基点の位置を通知し、センタ14の管理者がサーバ装置11に追跡対象車両の特徴や基点の位置を登録してもよい。例えば、受付部70は、追跡対象車両の特徴や基点の位置を登録する登録画面を表示させ、登録画面から追跡対象車両の特徴および基点を受付けてもよい。受付部70は、受付けた特徴および基点の位置を追跡対象車両情報60に登録する。
また、受付部70は、追跡対象車両に関する追加情報をさらに受付ける。例えば、受付部70は、追加情報として、追跡対象車両が通過した位置の情報を受付ける。この追加情報も、受付部70がネットワーク13を介して関係機関16からデータとして受付けてもよく、登録画面を表示させ、登録画面から登録を受付けるものとしてもよい。
決定部71は、各種の決定を行う。例えば、決定部71は、受付部70により受付けた基点の位置に基づいて、探索範囲を決定する。例えば、決定部71は、基点の位置を中心として所定距離の範囲を探索範囲と決定する。この所定距離は、固定値としてもよく、また、設定可能としてもよい。また、決定部71は、事故や事件の発生時刻など、追跡対象車両の追跡の開始時刻からの経過時間に応じて所定距離を変更してもよい。例えば、決定部71は、開始時刻からの経過時間が長いほど所定距離を長くして探索範囲を決定してもよい。決定部71は、決定した検索範囲の基点の位置や半径など検索範囲に関する情報を検索範囲情報61に登録する。
送信部72は、各種の情報を送信する。例えば、送信部72は、決定部71により決定された探索範囲を指定して情報処理装置12へ情報の送信要求を送信する。例えば、送信部72は、通信I/F部50を介して、情報の送信要求をネットワーク13へ送信し、移動体通信網の各基地局13Aから移動体通信で情報処理装置12へ情報の送信要求を送信する。
図9は、サーバ装置から各車両の情報処理装置への情報の流れを模式的に示した図である。図9の例では、追跡対象車両90が示されている。また、追跡対象車両90以外の各車両91には、情報処理装置12が搭載されている。図9の例では、基点Aから半径Xkmが検索範囲とされている。図9の例では、サーバ装置11は、探索範囲を指定して各車両91へ情報の送信要求を送信している。
各車両91に搭載された情報処理装置12は、測位される位置が探索範囲内である場合に、車外を撮影した撮影画像および位置情報をサーバ装置11へ送信する。
図10は、各車両の情報処理装置からサーバ装置への情報の流れを模式的に示した図である。図10の例では、各車両91のうち、基点Aから半径Xkm以内となる検索範囲内の各車両91から撮影画像および位置情報をサーバ装置11へ送信している。
収集部73は、各種の情報を収集する。例えば、収集部73は、各情報処理装置12からネットワーク13を介して通信I/F部50で受信される撮影画像および位置情報を収集する。
特定部74は、各種の特定を行う。例えば、特定部74は、収集部73により収集される撮影画像から、追跡対象車両の特徴を有する追跡候補を特定する。例えば、特定部74は、収集部73により収集される各撮影画像について車両の認識を行い、車両の有無を判定する。この車両の認識の手法は、何れの手法を用いてもよい。例えば、車両のタイプ毎に、様々な角度で参照した際の標準的な形状をテンプレートとして予め記憶しておき、撮影画像内で各テンプレートとマッチングを行う。そして、マッチングの結果、類似度が所定以上の撮影画像の部分を車両と認識する。また、例えば、ナンバープレートの形状のテンプレートを記憶しておき、撮影画像内からナンバープレートを検索して車両を認識してもよい。また、例えば、撮影画像内でエッジ検出を行って、撮影画像に含まれる物品の形状の輪郭を特定し、形状認識により車両と認識してもよい。
特定部74は、車両の認識の結果、車両が無い撮影画像については削除する。一方、特定部74は、車両を含む撮影画像については、撮影画像から車両の特徴を特定する。
図11A〜図11Jは、車両の認識を行った結果の一例を示す図である。図11Aの例は、隣接する車線を同じ方向に走行する車両91を斜め後方から撮影した撮影画像であり、車両91のナンバープレート92も含まれている。図11Aの例では、車両91の特徴として、車両の色、車両のタイプ、ナンバーなどが特定できる。図11Bの例は、対向車線を走行する車両91を斜め前方から撮影した撮影画像であり、車両91のナンバープレート92も含まれている。図11Bの例では、車両91の特徴として、車両の色、車両のタイプ、ナンバーなどが特定できる。図11Cの例は、隣接する車線を同じ方向に走行する車両91を斜め後方から撮影した撮影画像であり、車両91のナンバープレート92が含まれていない。図11Cの例では、車両91の特徴として、車両の色、車両のタイプなどが特定できる。図11Dの例は、交差点において交差する道路を走行する車両91を横から撮影した撮影画像であり、ナンバープレート92が含まれていない。図11Dの例では、車両91の特徴として、車両の色、車両のタイプなどが特定できる。図11Eの例は、隣接する車線を同じ方向に走行する車両として二輪車93を斜め後方から撮影した撮影画像である。図11Eの例では、二輪車93の特徴として、車両の色、スクーターなどのタイプなどが特定できる。図11Fの例は、交差点において交差する道路を走行する車両として二輪車93を横から撮影した撮影画像である。図11Fの例では、二輪車93の特徴として、車両の色、タイプなどが特定できる。図11Gおよび図11Hは、マーク94が付された車両91を撮影した撮影画像である。図11Gおよび図11Hの例では、マーク94も車両91の特徴として特定できる。図11Iおよび図11Jは、文字95が付された車両91を撮影した撮影画像である。図11Iおよび図11Jの例では、文字95も車両91の特徴として特定できる。
特定部74は、撮影画像に含まれる車両から、追跡対象車両に類似する車両を追跡候補と特定する。例えば、特定部74は、認識された各車両の特徴と追跡対象車両の特徴とを照合し、類似度が高い車両を追跡候補と特定する。なお、特定部74は、追跡対象車両の特徴と全て特徴が一致しなくても、特徴が所定以上一致した車両を追跡候補と特定する。また、特定部74は、追跡対象車両の特徴としてナンバーが判明している場合、ナンバーが一致する車両を追跡候補と特定する。また、特定部74は、撮影画像に車両のナンバーが一部分しか含まれない場合、ナンバーの一部分が追跡対象車両のナンバーと一致していれば追跡候補と特定する。
特定部74は、追跡候補が撮影された撮影画像の位置から追跡候補の位置を特定する。例えば、特定部74は、撮影画像と共に記憶された位置情報の示す位置を追跡候補の位置と特定する。
また、特定部74は、各追跡候補について、撮影画像から特徴を特定する。例えば、特定部74は、各追跡候補について、受付部70により受付けた追跡対象車両の特徴以外の特徴も含めて各種の特徴を特定する。
特定部74は、追跡候補の各種の特徴と追跡候補情報62に登録済みの各追跡候補の特徴を比較する。特定部74は、特徴が一致する追跡候補が追跡候補情報62にある場合、特徴が一致する追跡候補の追跡対象IDを用いて、追跡候補の位置および撮影日時を追跡候補位置情報63に登録する。一方、特定部74は、特徴が一致する追跡候補が追跡候補情報62に無い場合、新たな追跡対象IDを付与して、追跡候補情報62に追跡候補の特徴を登録する。そして、特定部74は、新たに付与した追跡対象IDを用いて、追跡候補の位置および撮影日時を追跡候補位置情報63に登録する。
これにより、撮影画像から特定された各追跡候補について、特徴の類似度が高い追跡候補には、同じ追跡対象IDが対応付けられ、同じ追跡対象IDとしてグルーピングされる。
図12は、追跡候補のグルーピングの一例を示す図である。図12の例では、時刻t1の撮影画像には、追跡候補の車両101A、車両101B、車両101Cが存在する。時刻t2の撮影画像には、追跡候補の車両102A、車両102B、車両102Cが存在する。時刻t3の撮影画像には、追跡候補の車両103A、車両103Cが存在する。図12の例では、車両101A、車両102A、車両103Aが同様の特徴を有し、また、車両101C、車両102C、車両103Cが同様の特徴を有するものとする。この場合、車両101A、車両102A、車両103Aが同じ追跡対象IDとしてグルーピングされ、また、車両101C、車両102C、車両103Cが同じ追跡対象IDとしてグルーピングされる。
なお、特定部74は、特徴の一致と共に、追跡候補の位置の蓋然性も判定してよい。例えば、特定部74は、追跡候補情報62に特徴が一致する登録済みの追跡候補があり、登録済みの追跡候補の走行経路の方向に撮影画像から特定された追跡候補の位置がある場合に、登録済みの追跡候補の追跡対象IDを対応付けてもよい。また、例えば、特定部74は、撮影画像から特定された追跡候補の位置が、特徴が一致する登録済みの追跡候補の直近の位置から所定範囲内にある場合、登録済みの追跡候補の追跡対象IDを対応付けてもよい。この所定範囲は、固定値としてもよい。また、所定範囲は、可変とし、例えば、追跡候補の移動速度および直近の位置から経過時間に応じて定めてもよい。例えば、追跡候補の移動速度と経過時間を乗算して移動距離を求め、直近の位置から移動距離に所定の余裕を加味した距離の範囲を所定範囲としてもよい。特定部74は、直近の位置から移動距離を、例えば、1.5倍した距離の範囲を所定範囲とする。また、特定部74は、追跡候補が特定された撮影画像を記憶部53に記憶させてもよい。
推定部75は、各種の推定を行う。例えば、推定部75は、追跡候補の位置の変化に基づいて追跡候補の走行経路を推定する。例えば、推定部75は、追跡候補位置情報63に基づき、追跡対象ID毎に、撮影日時の順に追跡候補の位置をつないで走行経路を推定する。推定部75は、追跡対象ID毎に、推定した追跡候補の走行経路を走行経路情報64に格納する。
図13は、走行経路の推定を説明するための説明図である。図13の例では、各車両110に情報の送信要求を送信し、基点Aから半径Xkmの探索範囲内の各車両110から撮影画像を収集した結果、追跡候補の車両111の位置が、時刻t1に位置P1、時刻t2に位置P2、時刻t3に位置P3と特定されている。この場合、位置P1、P2、P3を通る矢印112が走行経路と推定される。このように走行経路を推定することにより、追跡候補の車両110が走行する経路を予測できる。
ここで、追跡対象の車両は、時間の経過により移動して検索範囲外へ移動してしまうことがある。例えば、図13の例では、追跡候補の車両110は、時間の経過により、基点Aから半径Xkmの検索範囲の周辺部まで移動しており、検索範囲外へ移動してしまう。
変更部76は、各種の変更を行う。例えば、変更部76は、推定される追跡候補の走行経路に基づいて探索範囲を変更する。例えば、変更部76は、時間の経過と共に、追跡候補の走行経路の方向へ基点の位置を変更する。例えば、変更部76は、所定時間毎に、追跡候補の走行経路の方向へ基点の位置を変更する。そして、変更部76は、変更された基点の位置を基準として、探索範囲を変更する。また、例えば、変更部76は、時間の経過と共に、探索範囲を追跡候補の走行経路の方向へ拡大する変更を行う。例えば、変更部76は、所定時間毎に、探索範囲を追跡候補の走行経路の方向へ拡大する変更を行う。なお、変更部76は、時間の経過と共に、基点の位置の変更と、探索範囲を追跡候補の走行経路の方向へ拡大する変更とを共に行ってもよい。また、追跡候補の車両が複数ある場合、変更部76は、それぞれの追跡候補の車両に対応させて基点を複数とし、時間の経過と共に、追跡候補の車両に対応する基点の位置を変更してもよい。
また、変更部76は、受付部70により、追加情報を受付けた場合、追加情報に基づいて探索範囲を変更する。例えば、変更部76は、追加情報として、追跡対象車両が通過した位置を受付けた場合、追跡対象車両が通過した位置に基点を変更する。
図14は、基点の変更を説明するための説明図である。図14の例には、追跡候補の車両105および追跡候補以外の一般の車両106の位置の変化が示されている。図14の例では、車両105が追跡対象車両であり、位置A’でパトカー107により目撃されており、位置A’を追加情報として受付ける。この場合、変更部76は、位置A’を基点に変更し、基点A’から半径Xkmの探索範囲に変更する。
通知部77は、各種の通知を行う。例えば、通知部77は、追跡対象ID毎に、追跡候補の走行経路のデータを関係機関16へネットワーク13を介して定期的に通知する。これにより、関係機関16は、追跡候補の走行経路を把握でき、追跡対象車両を追跡できる。
[処理の流れ]
次に、実施例1に係る車両追跡システム10により車両を追跡する処理の流れを説明する。図15は、実施例1に係る車両追跡システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図15に示すように、関係機関16では、事故や事件などが発生して追跡対象とする追跡対象車両の情報を得ると、センタ14に対して追跡対象車両の特徴および探索範囲の基点を追跡要求として通知する(S10)。この通知は、追跡対象車両の特徴および基点の位置をネットワーク13を介してデータと通知してもよく、また、電話等で通知してもよい。
センタ14のサーバ装置11では、受付部70が追跡対象車両の特徴および基点の位置を受付ける(S20)。受付部70は、追跡対象車両の特徴および基点の位置をネットワーク13を介してデータと受付けてもよく、登録画面から受付けてもよい。
決定部71は、基点の位置を中心として所定距離の範囲を探索範囲と決定する(S21)。送信部72は、探索範囲を指定して情報処理装置12へ情報の送信要求を送信する(S22)。
情報処理装置12では、要求受付部40が情報の送信要求を受付ける(S50)。判定部41は、GPSユニット22により現在の位置を取得する(S51)。そして、判定部41は、現在の位置が送信要求を受付けた探索範囲であるか否かを判定する(S52)。現在の位置が送信要求を受付けた探索範囲外である場合(S52否定)、処理を終了する。現在の位置が送信要求を受付けた探索範囲外であっても送信要求を所定期間保持し、自車が探索範囲内に入った場合、S51の処理へ移行するものとしてもよい。なお、この場合でも、探索範囲から所定距離以上離れており、所定時間内に探索範囲に入ることが明らかに不可能な場合は処理を終了する。
一方、現在の位置が送信要求を受付けた探索範囲内である場合(S52肯定)、撮影制御部42は、カメラ21を制御して画像の撮影を行う(S53)。送信部43は、カメラ21により撮影される撮影画像と、撮影の際にGPSユニット22により測位される位置情報をサーバ装置11へ送信し(S54)、S51の処理へ移行する。
収集部73は、各情報処理装置12からネットワーク13を介して通信I/F部50で受信される撮影画像および位置情報を収集する(S23)。特定部74は、収集された各撮影画像について車両の認識を行って、車両を検出する(S24)。特定部74は、認識された各車両の特徴と追跡対象車両の特徴とを照合し、類似度が高い車両を追跡候補と特定する(S25)。特定部74は、追跡候補の各種の特徴と追跡候補情報62に登録された各追跡候補の特徴を比較し、各追跡候補に対する追跡対象IDを特定して、追跡候補の位置および撮影日時を追跡候補位置情報63に登録する(S26)。
推定部75は、追跡対象ID毎に、撮影日時の順に追跡候補の位置をつないで走行経路を推定する(S27)。
通知部77は、走行経路の通知タイミングであるか否かを判定する(S28)。走行経路の通知タイミングではない場合(S28否定)、後述のS30の処理へ移行する。一方、走行経路の通知タイミングである場合(S28肯定)、通知部77は、追跡対象ID毎に、追跡候補の走行経路のデータをネットワーク13を介して関係機関16へ通知する(S29)。
変更部76は、探索範囲に変更するか否かを判定する(S30)。例えば、変更部76は、追跡候補の車両が検索範囲の周辺部まで移動している場合や、前回、検索範囲を決定または変更してから所定時間経過した場合、追加情報として、追跡対象車両が通過した位置を受付けた場合、探索範囲に変更すると判定する。
探索範囲を変更しない場合(S30否定)、後述のS32の処理へ移行する。一方、探索範囲に変更する場合(S30肯定)、変更部76は、基点の位置を変更し、変更された基点の位置を基準として、探索範囲を変更し(S31)、S22の処理へ移行する。
受付部70は、車両の追跡を終了するか否かを判定する(S32)。例えば、受付部70は、車両の追跡の終了の指示を受付けた場合、車両の追跡を終了すると判定する。車両の追跡を終了する場合(S32肯定)、処理を終了する。一方、車両の追跡を継続する場合(S32否定)、S23の処理へ移行する。
このように、サーバ装置11は、追跡対象とする追跡対象車両を探索する基点の位置に基づいて、追跡対象車両を探索する探索範囲を決定する。サーバ装置11は、情報処理装置12に対して、決定された前記探索範囲を指定して情報の送信要求を送信する。サーバ装置11は、情報処理装置12から撮影画像および撮影位置の情報を収集する。これにより、ユーザは、サーバ装置11に収集された撮影画像および撮影位置を確認することにより、追跡対象車両を追跡できる。
また、サーバ装置11は、追跡対象車両の特徴を受付ける。サーバ装置11は、収集される撮影画像から、受付けた追跡対象車両の特徴を有する追跡候補を特定し、追跡候補が撮影された撮影画像の撮影位置から追跡候補の位置を特定する。これにより、サーバ装置11は、追跡対象車両の特徴を有する追跡候補を示すことができる。
また、サーバ装置11は、特定される追跡候補の位置の変化に基づいて当該追跡候補の走行経路を推定する。これにより、サーバ装置11は、追跡候補の走行経路から今後の移動方向を予測できる。
また、サーバ装置11は、追跡対象車両に関する追加情報をさらに受付ける。サーバ装置11は、推定される追跡候補の走行経路および追加情報に基づいて探索範囲を変更する。サーバ装置11は、情報処理装置12に対して、変更された探索範囲の情報を送信する。これにより、サーバ装置11は、変更された探索範囲内の情報処理装置12から撮影画像および撮影位置の情報を送信させることができ、追跡候補が探索範囲外となることを抑制できる。
また、サーバ装置11は、時間の経過と共に、追跡候補の走行経路の方向へ基点の位置の変更、および探索範囲を追跡候補の走行経路の方向へ拡大する変更の少なくとも一方を行う。これにより、サーバ装置11は、追跡候補が探索範囲外となることを抑制され、時間が経過しても追跡候補の車両を安定して追跡できる。
次に、実施例2について説明する。実施例2に係る車両追跡システム10、情報処理装置12の構成は、上述の実施例1と同様であるため、説明を省略する。
[サーバ装置の構成]
実施例2に係るサーバ装置11の構成について説明する。図16は、実施例2に係るサーバ装置の機能的な構成の一例を示す図である。実施例2に係るサーバ装置11の構成は、図3に示した実施例1に係るサーバ装置11と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる部分について説明する。
図16に示すように、サーバ装置11の記憶部53は、道路情報65をさらに記憶する。
道路情報65は、主要地点間を結ぶ国道や県道、高速道路などの主要な幹線道路の地図を記憶したデータである。なお、本実施例では、道路情報65を記憶部53に記憶するものとするが、外部サーバに記憶されていてもよい。例えば、道路などの地図情報を提供する事業者のサーバにアクセスして幹線道路のデータを取得してもよい。
また、サーバ装置11の制御部54は、抽出部78をさらに有する。
受付部70は、追跡対象車両に関する追加情報をさらに受付ける。例えば、受付部70は、追加情報として、追跡対象車両について判明した新たな特徴の情報を受付ける。また、この追加情報も、受付部70がネットワーク13を介して関係機関16からデータとして受付けてもよく、登録画面を表示させ、登録画面から登録を受付けるものとしてもよい。
推定部75は、追跡候補位置情報63に基づき、追跡対象ID毎に、各追跡候補の位置の変化に基づいて、追跡候補の速度をさらに推定する。
ここで、事故や事件などが発生して追跡対象車両により逃走する場合、追跡対象車両は、逃走するため、速度超過をしている場合がある。また、追跡対象車両は、所謂、Nシステムと呼ばれる、幹線道路に設けられた自動車ナンバー自動読取装置を避けるため、幹線道路を避けて逃走する場合がある。
そこで、抽出部78は、各種の抽出を行う。例えば、抽出部78は、推定される追跡候補の速度が、走行経路となる道路の標準的な速度に対して、所定以上超過している追跡候補を抽出する。道路の標準的な速度は、道路情報65に予め記憶させてもよい。また、周囲の他の車両の速度の平均速度を道路の標準的な速度としてもよい。例えば、抽出部78は、各情報処理装置12から収集される位置情報から、同じ道路を走行する他の車両の位置情報を抽出し、他の車両の位置の変化と位置情報の送信周期から他の車両の平均速度を算出してもよい。標準的な速度に対して追跡候補として抽出する速度超過の許容値は、例えば、40km/hなどと固定値としてもよい。また、許容値は、可変とし、例えば、時間帯に応じて定めてもよい。例えば、夜間の時間帯は、一般的に道路が空いており、スピードを出す車両もあるため、許容値を大きくし、日中の時間帯は、許容値を小さくしてもよい。
図17は、移動速度による追跡候補の抽出を説明するための説明図である。図17の例には、追跡候補の車両120と一般的な車両121の時刻t1〜t4の位置の変化が示されている。追跡候補の車両120は、一般的な車両121に比べて、移動速度が速く、逃走している疑いがある。この場合、抽出部78は、追跡候補の車両120を抽出する。
また、抽出部78は、追跡候補の走行経路が最寄りの幹線道路を通過せずに当該幹線道路と同様の方向の追跡候補を抽出する。例えば、抽出部78は、追跡候補の走行経路が幹線道路から所定の距離内で並行している追跡候補を抽出する。
また、抽出部78は、追加情報を受付けた場合、当該追加情報に基づき、追跡候補を抽出する。例えば、抽出部78は、追加情報として、追跡対象車両の新たな特徴を受付けた場合、受付けた新たな特徴を有する追跡候補を抽出する。
図18は、追加情報による追跡候補の抽出を説明するための説明図である。図18の例には、追跡候補の車両130、131の時刻t1〜t4の位置の変化が示されている。図18の例では、追跡対象車両の追加の目撃情報が得られ、追跡対象車両の新たな特徴として色が指定されたものとする。追跡候補の車両130は、車両の色が指定された色と合致するものとする。追跡候補の車両131は、車両の色が指定された色と合致しないものとする。この場合、抽出部78は、追跡候補の車両130を抽出する。
通知部77は、抽出部78により抽出された追跡候補を重要度の高い追跡候補として、各追跡候補の走行経路を関係機関16に通知する。なお、重要度の高い追跡候補の走行経路のみを関係機関16に通知してもよい。
[処理の流れ]
次に、実施例2に係る車両追跡システム10により車両を追跡する処理の流れを説明する。図19は、実施例2に係る車両追跡システムの処理の流れを示すシーケンス図である。実施例2に係る車両追跡システムの処理は、図15に示した実施例1に係る車両追跡システムの処理と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる処理について説明する。
図19に示すように、関係機関16は、適宜、追加情報を通知する(S11)。この通知は、追跡対象車両の特徴および基点の位置をネットワーク13を介してデータと通知してもよく、また、電話等で通知してもよい。
また、走行経路の通知タイミングである場合(S28肯定)、抽出部78は、重要度の高い追跡候補を抽出する(S70)。例えば、抽出部78は、走行経路となる道路の標準的な速度に対して、所定以上超過している追跡候補を抽出する。また、追跡候補の走行経路が最寄りの幹線道路を通過せずに当該幹線道路と同様の方向の追跡候補を抽出する。また、抽出部78は、追加情報として、追跡対象車両の新たな特徴を受付けた場合、受付けた新たな特徴を有する追跡候補を抽出する。
通知部77は、抽出された追跡候補を重要度の高い追跡候補として、各追跡候補の走行経路のデータを関係機関16に通知する(S71)。
このように、サーバ装置11は、推定される追跡候補の速度が、走行経路となる道路の標準的な速度に対して、所定以上超過している追跡候補を抽出する。また、サーバ装置11は、追跡候補の走行経路が最寄りの幹線道路を通過せずに当該幹線道路と同様の方向の追跡候補を抽出する。これにより、サーバ装置11は、逃走している疑いがある追跡候補を抽出できる。
また、サーバ装置11は、追跡対象車両に関する追加情報をさらに受付ける。サーバ装置11は、追加情報を受付けた場合、当該追加情報に基づき、追跡候補を抽出する。これにより、サーバ装置11は、追加情報として特徴を指定した場合、指定した特徴を有する追跡候補を抽出できる。
次に、実施例3について説明する。実施例3に係る車両追跡システム10、情報処理装置12の構成は、上述の実施例1、2と同様であるため、説明を省略する。
[サーバ装置の構成]
実施例3に係るサーバ装置11の構成について説明する。図20は、実施例3に係るサーバ装置の機能的な構成の一例を示す図である。実施例3に係るサーバ装置11の構成は、図3に示した実施例1に係るサーバ装置11と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる部分について説明する。
図20に示すように、サーバ装置11の制御部54は、判別部79をさらに有する。
ここで、情報処理装置12は、様々な車両に搭載可能である。このため、追跡候補の車両に情報処理装置12が搭載されている場合もある。このような場合、追跡候補の車両に搭載された情報処理装置12からもサーバ装置11へ撮影画像および位置情報が送信される。
図21は、各車両の情報処理装置からサーバ装置への情報の流れを模式的に示した図である。図21の例では、各車両140のうち、基点Aから半径Xkm以内となる検索範囲内の各車両140から撮影画像および位置情報をサーバ装置11へ送信している。また、図21の例では、追跡候補とされた車両141も撮影画像および位置情報をサーバ装置11へ送信している。
そこで、判別部79は、追跡候補の車両から受信される位置情報に基づき、追跡候補の車両の位置を特定する。そして、判別部79は、追跡候補の車両の位置の周辺に位置する他の車両から送信された画像から追跡候補の車両の特徴を判別する。判別部79は、追跡候補の車両の特徴が追跡対象車両の特徴と一致するか否かを判定する。判別部79は、追跡候補の車両の特徴が追跡対象車両の特徴と一致しない場合、追跡候補の車両を追跡候補から除外する。
推定部75は、追跡候補の車両の特徴が追跡対象車両の特徴と一致する場合、追跡候補から通知される位置情報に基づいて追跡候補の走行経路を推定する。
図22は、追跡候補の車両から位置情報が送信される場合の走行経路の推定の流れを模式的に示した図である。図22の例では、追跡候補の車両150、151がそれぞれサーバ装置11へ位置情報を送信しており、車両150の周辺に位置する車両152および車両151の周辺に位置する車両153からそれぞれ撮影画像が送信されている。判別部79は、車両152から送信された撮影画像から車両150の特徴を判別し、車両150の特徴が追跡対象車両154の特徴と一致するか判定する。また、判別部79は、車両153から送信された撮影画像から車両151の特徴を判別し、車両151の特徴が追跡対象車両154の特徴と一致するか判定する。図22の例では、車両151は、特徴が追跡対象車両154の特徴と一致する。このため、車両150から送信される位置情報に基づいて、走行経路が推定される。一方、車両151の特徴は、追跡対象車両154の特徴と一致しない。このため、車両151は、追跡候補から除外される。
[処理の流れ]
次に、実施例3に係る車両追跡システム10により車両を追跡する処理の流れを説明する。図23は、実施例3に係る車両追跡システムの処理の流れを示すシーケンス図である。実施例3に係る車両追跡システムの処理は、図15に示した実施例1に係る車両追跡システムの処理と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる処理について説明する。
図23に示すように、判別部79は、追跡候補の車両から位置情報が収集されているか否かを判定する(S80)。例えば、判別部79は、追跡候補の走行経路に沿って追跡候補と同じ特徴を有する車両から位置情報が収集される場合、追跡候補の車両から位置情報が収集されていると判定する。
位置情報が収集されていない場合(S80否定)、S24の処理へ移行する。一方、位置情報が収集されている場合(S80肯定)、判別部79は、追跡候補の車両が追跡対象車両と特徴が一致済みの車両であるか判定する(S81)。判別部79は、追跡候補の車両が、後述するS83において特徴が追跡対象車両の特徴と一致するか判定された車両である場合、追跡候補の車両が追跡対象車両と特徴が一致済みの車両であると判定する。追跡候補の車両が追跡対象車両と特徴が一致済みの車両である場合(S81肯定)、後述するS84の処理へ移行して、追跡候補から送信された位置情報を登録する。
一方、追跡候補の車両が追跡対象車両と特徴が一致済みの車両ではない場合(S81否定)、判別部79は、追跡候補の車両の位置の周辺に位置する他の車両から送信された撮影画像があるか否かを判定する(S82)。撮影画像がある場合(S82肯定)、判別部79は、撮影画像から追跡候補の車両の特徴を判別し、追跡候補の車両の特徴が追跡対象車両の特徴と一致するか判定する(S83)。
一方、撮影画像がない場合(S82否定)、および、特徴が一致する場合(S83肯定)、特定部74は、追跡候補から送信された位置情報に基づいて、追跡候補の位置および撮影日時を追跡候補位置情報63に登録する(S84)。
一方、特徴が一致しない場合(S83否定)、判別部79は、追跡候補の車両を追跡候補から除外し(S84)、S24の処理へ移行する。
このように、サーバ装置11は、追跡候補の車両に情報処理装置12が搭載されて位置情報を送信される場合、当該位置情報が示す位置の周辺に位置する他の車両から送信された画像から追跡候補の車両の特徴を判別する。これにより、サーバ装置11は、追跡候補の車両の特徴を判別した結果、追跡対象車両の特徴と同じ特徴を有する場合、追跡候補の車両に搭載された情報処理装置12から送信される位置情報により、追跡候補の車両を安定して追跡できる。
次に、実施例4について説明する。実施例4に係る車両追跡システム10の構成は、上述の実施例1〜3と同様であるため、説明を省略する。
[情報処理装置の構成]
実施例4に係る情報処理装置12の構成について説明する。図24は、実施例3に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。実施例3に係る情報処理装置12の構成は、図2に示した実施例1に係る情報処理装置12と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる部分について説明する。
図24に示すように、情報処理装置12は、記憶部24をさらに有する。
記憶部24は、ハードディスク、SSD、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部24は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAMなどのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
記憶部24は、車両情報30を記憶する。車両情報30は、情報処理装置12が搭載される車両に関する情報を記憶したデータである。例えば、車両情報30は、搭載される車両に関する情報として、自動車登録番号や、車両の色、車両のタイプ、車種などの特徴が記憶される。情報処理装置12は、例えば、自動車登録番号や、車両の色、車両のタイプ、車種などの特徴を登録する登録画面を表示させ、ユーザに特徴を登録させる。なお、自動車登録番号、車両の色、車両のタイプ、車種は、全て必須ではなく、一部のみを登録させてもよい。登録画面から特徴が登録された場合、登録された特徴が車両情報30として記憶される。
送信部43は、車両情報30が記憶されている場合、撮影画像および位置情報と共に、車両情報30を記憶された車両の特徴を自車両情報としてサーバ装置11へ送信する。一方、送信部43は、車両情報30が記憶されていない場合、撮影画像および位置情報をサーバ装置11へ送信する。すなわち、情報処理装置12に車両情報30が登録されている場合、車両情報30が自車両情報としてサーバ装置11へ送信される。
[サーバ装置の構成]
実施例4に係るサーバ装置11の構成について説明する。実施例4に係るサーバ装置11の構成は、図3に示した実施例1に係るサーバ装置11と略同一であるため、主に異なる部分について説明する。
ここで、情報処理装置12が撮影画像および位置情報と共に、自車両情報を送信する場合、自車両情報から情報処理装置12が搭載された車両が追跡候補となるかを判別できる。
特定部74は、自車両情報を送信しない車両については、収集部73により収集される撮影画像から、追跡対象車両の特徴を有する追跡候補を特定する。一方、特定部74は、自車両情報を送信する車両については、自車両情報により示される車両の特徴が、追跡対象車両の特徴を有する車両を追跡候補と特定する。
図25は、追跡候補のグルーピングの一例を示す図である。図25の例では、車両160は、撮影画像および位置情報と共に、自車両情報を送信するものとする。車両161は、撮影画像および位置情報を送信し、自車両情報を送信しないものとする。この場合、特定部74は、車両160については、車両160の自車両情報から追跡候補となるか特定する。一方、特定部74は、車両161については、他の車両から撮影された撮影画像から追跡候補となるか特定する。図25の例では、車両160および車両161がそれぞれ追跡候補と特定されてグルーピングされている。
[処理の流れ]
次に、実施例4に係る車両追跡システム10により車両を追跡する処理の流れを説明する。実施例4に係る車両追跡システムの処理は、図15に示した実施例1に係る車両追跡システムの処理と略同一であるため、主に異なる処理について説明する。
S25の処理において、特定部74は、自車両情報を送信する車両について、自車両情報により示される車両の特徴が、追跡対象車両の特徴を有する車両を追跡候補とさらに特定する。
このように、情報処理装置12は、搭載された車両の特徴を自車両情報として送信する。サーバ装置11は、自車両情報により示される車両の特徴が、追跡対象車両の特徴を有する車両を追跡候補と特定する。これにより、サーバ装置11は、撮影画像を用いずに、追跡対象車両と同じ特徴を有する追跡候補の車両を追跡できる。
次に、実施例5について説明する。実施例5に係る車両追跡システム10の構成は、上述の実施例1〜4と同様であるため、説明を省略する。
[情報処理装置の構成]
実施例5に係る情報処理装置12の構成について説明する。図26は、実施例5に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。実施例5に係る情報処理装置12の構成は、図24に示した実施例4に係る情報処理装置12と略同一であるため、同一部分については同一の符号を付し、主に異なる部分について説明する。
撮影制御部42は、カメラ21を制御して画像の撮影を周期的に行う。すなわち、実施例5に係る情報処理装置12は、探索範囲内であるか否かに関わらず、車外の画像を周期的に撮影する。撮影の周期は、事故や事件が発生した際の画像が残せる程度であればよく、例えば、数秒から数十秒に1回程度の周期が挙げられる。
記憶部24は、撮影された撮影画像の画像情報31を当該撮影画像の撮影位置および撮影日時と共にそれぞれ所定の保存期間記憶する。この保存期間は、事故や事件の発生後に、発生時の画像を収集できる程度の期間であればよく、例えば、数十分から数日程度の期間が挙げられる。
要求受付部40は、サーバ装置11から記憶部24に記憶された画像の送信の要求を受付ける。例えば、要求受付部40は、サーバ装置11から期間および範囲が指定されて画像の送信要求を受付ける。
送信部43は、要求受付部40により、サーバ装置11から記憶部24に記憶された画像の送信が要求された場合、記憶部24に記憶された画像情報31をサーバ装置11へ送信する。例えば、送信部43は、撮影位置が指定された範囲内かつ撮影日時が指定された期間内の画像情報31をサーバ装置11へ送信する。すなわち、情報処理装置12は、サーバ装置11から要求に応じて、周期的に撮影していた撮影画像をサーバ装置11へ送信する。
[サーバ装置の構成]
実施例5に係るサーバ装置11の構成について説明する。実施例5に係るサーバ装置11の構成は、図3に示した実施例1に係るサーバ装置11と略同一であるため、主に異なる部分について説明する。
受付部70は、情報処理装置12から撮影画像を送信させる期間および範囲の指定を受付ける。例えば、受付部70は、撮影画像を送信させる期間および範囲を指定する画面を表示させて期間および範囲の指定を受付ける。
送信部72は、受付部70により、撮影画像を送信させる期間および範囲が指定されて撮影画像の送信の要求指示を受付けた場合、受付けた期間および範囲を指定して画像の送信要求を情報処理装置12へ送信する。
これにより、情報処理装置12は、撮影位置が指定された範囲内かつ撮影日時が指定された期間内の画像情報31をサーバ装置11へ送信する。
収集部73は、各情報処理装置12からネットワーク13を介して通信I/F部50で受信される画像情報31を記憶部53に記憶する。
管理者等は、記憶部53に記憶された画像情報31を参照することにより、追跡対象車両を特定できる。
図27は、各車両の情報処理装置から画像情報を収集する流れを模式的に示した図である。図27の例では、各車両170に情報処理装置12が搭載されており、車外の画像を周期的に撮影している。これにより、例えば、車両170の前方で事故が発生した場合、追跡対象車両171が撮影される。図27の例では、車両170Aにより追跡対象車両171が撮影される。事故発生から時間T経過後、センタ14のサーバ装置11は、事故が発生した時刻を含む所定の期間および事故が発生した地点Aを含む所定の範囲を指定して画像の送信要求を各車両170へ送信する。これにより、サーバ装置11には、事故が発生した時刻に事故が発生した地点Aの近辺にいた各車両170から画像情報31が送信される。図27の例では、車両170Aからサーバ装置11へ追跡対象車両171が撮影された画像情報31が送信される。管理者等は、この画像情報31を参照することにより、追跡対象車両171を特定できる。
[処理の流れ]
次に、実施例5に係る車両追跡システム10により各車両の情報処理装置から画像情報を収集する処理の流れを説明する。図28は、実施例5に係る車両追跡システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図28に示すように、情報処理装置12では、撮影制御部42がカメラ21を制御して画像を撮影する(S100)。撮影制御部42は、撮影した撮影画像の画像情報31を撮影画像の撮影位置および撮影日時と共に記憶部24に格納する(S101)。
一方、サーバ装置11では、撮影画像を送信させる期間および範囲が指定されて撮影画像の送信の要求指示を受付けると、送信部72が、受付けた期間および範囲を指定して画像の送信要求を情報処理装置12へ送信する(S120)。
情報処理装置12では、要求受付部40が、サーバ装置11から送信要求を受付けたか否かを判定する(S102)。送信要求を受付けていない場合(S102否定)、後述するS105の処理へ移行する。
一方、送信要求を受付けた場合(S102肯定)、送信部43は、撮影位置が指定された範囲内かつ撮影日時が指定された期間内の画像情報31を記憶部24から読み出す(S103)。そして、送信部43は、読み出した画像情報31をサーバ装置11へ送信する(S104)。
判定部41は、記憶部24に記憶された各画像情報31について撮影日時からの経過期間が所定の保存期間を経過していると判定し、保存期間を経過している画像情報31を削除する(S105)。判定部41は、処理終了の所定指示があったか否かを判定する(S106)。処理終了の所定指示があった場合(S106肯定)、処理を終了する。一方、処理終了の所定指示がない場合(S106否定)、S100の処理へ移行する。
管理者等は、情報処理装置12から送信された画像情報31を参照することにより、追跡対象車両を特定できる。
このように、情報処理装置12は、撮影画像を当該撮影画像の撮影位置および撮影日時と共に記憶部24に記憶する。情報処理装置12は、期間および範囲が指定されて画像の送信が要求された際に、撮影位置が指定された範囲内かつ撮影日時が指定された期間内の撮影画像を送信する。サーバ装置11は、情報処理装置12から撮影画像を送信させる期間および範囲の指定を受付け、受付けた期間および範囲を指定して画像の送信を要求する。これにより、追跡対象車両を特定できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、上記の実施例では、情報処理装置12は撮影画像の内容を特に識別せずにサーバ装置11へ送信する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、サーバ装置11は、追跡対象車両の特徴を情報処理装置12へ送信する。情報処理装置12は、追跡対象車両の特徴を受信する。情報処理装置12は、カメラ21により撮影された撮影画像から追跡対象車両の特徴を有する車両が含まれる画像を判別し、特徴を有する車両が含まれると判別された画像をサーバ装置11へ送信するようにしてもよい。また、情報処理装置12は、カメラ21により撮影された撮影画像から車両の認識を行い、車両が含まれると判別された画像をサーバ装置11へ送信するようにしてもよい。このように、情報処理装置12により撮影画像の内容を識別してサーバ装置11へ送信することにより、サーバ装置11へ送信される撮影画像の数を減らすことができるため、サーバ装置11の負荷を軽減させることができる。
また、上記の実施例では、移動体通信網からエリアを識別せずに情報処理装置12へ送信要求を送信する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、送信部72は、移動体通信網を管理する装置に対して、検索範囲に対応する範囲の基地局13Aからのみ情報の送信要求を送信させるように送信を依頼してもよい。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、情報処理装置12の要求受付部40、判定部41、撮影制御部42、送信部43の各処理部が適宜統合または分割されてもよい。また、サーバ装置11の受付部70、決定部71、送信部72、収集部73、特定部74、推定部75、変更部76、通知部77、抽出部78、判別部79の各処理部が適宜統合または分割されてもよい。また、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[車両追跡プログラム]
また、上記の実施例で説明したサーバ装置11の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図29は、車両追跡プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図29に示すように、コンピュータ300は、CPU310、ROM(Read Only Memory)320、HDD(Hard Disk Drive)330、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら310〜340の各部は、バス400を介して接続される。
ROM320には上記実施例の各処理部と同様の機能を発揮する車両追跡プログラム320aが予め記憶される。例えば、上記実施例の受付部70、決定部71、送信部72、収集部73、特定部74、推定部75、変更部76、通知部77、抽出部78、判別部79と同様の機能を発揮する車両追跡プログラム320aを記憶させる。なお、車両追跡プログラム320aについては、適宜分離してもよい。
HDD330には、各種データを記憶する。例えば、HDD330は、OSや特性の推定に用いる各種データを記憶する。
そして、CPU310が、車両追跡プログラム320aをROM320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、車両追跡プログラム320aは、実施例の受付部70、決定部71、送信部72、収集部73、特定部74、推定部75、変更部76、通知部77、抽出部78、判別部79と同様の動作を実行する。
なお、上記した車両追跡プログラム320aについては、必ずしも最初からROM320に記憶させることを要しない。車両追跡プログラム320aはHDD330に記憶させてもよい。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
[画像送信プログラム]
また、上記の実施例で説明した情報処理装置12の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図30は、画像送信プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
例えば、図30に示すように、上述のコンピュータ300のROM320には上記実施例の各処理部と同様の機能を発揮する画像送信プログラム320bが予め記憶される。例えば、上記実施例の要求受付部40、判定部41、撮影制御部42、送信部43と同様の機能を発揮する画像送信プログラム320bを記憶させる。なお、画像送信プログラム320bについては、適宜分離してもよい。
HDD330には、各種データを記憶する。例えば、HDD330は、OSや特性の推定に用いる各種データを記憶する。
そして、CPU310が、画像送信プログラム320bをROM320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、画像送信プログラム320bは、実施例の要求受付部40、判定部41、撮影制御部42、送信部43と同様の動作を実行する。
なお、上記した画像送信プログラム320bについては、必ずしも最初からROM320に記憶させることを要しない。画像送信プログラム320bはHDD330に記憶させてもよい。
例えば、コンピュータ300に挿入されるFD、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。