JP6168472B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被印字媒体に印字を形成する印刷装置に関する。
チューブ状の被印字媒体に印字を形成する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、チューブ状の被印字媒体(マークチューブ)を供給可能なチューブカートリッジから被印字媒体が搬送され、その搬送される被印字媒体に対しサーマルヘッド(熱転写印字ヘッド)が所望の印字を形成する。ユーザは、印字が形成されたチューブ状の被印字媒体を、印字付きチューブとして使用することができる。
実開平6−74345号公報
しかしながら、上記のように被印字媒体がチューブ状である場合、連続して上記の印字形成を行うに従って、チューブ内部の空気が搬送ローラの位置よりも上流側に移動することによってチューブ状構造の内部に空気が溜まりやすく、また一旦溜まった空気が抜けにくい。その結果、溜まった空気によりチューブ状構造が膨らみ、チューブカートリッジ内部で搬送不良が生じる恐れがある。上記従来技術ではこのような点にまでは特に配慮されていなかった。
本発明の目的は、チューブカートリッジ内部で搬送不良が生じるのを防止できる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、被印字媒体を繰り出して連続的に供給するカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、を有し、前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジにおける前記被印字媒体の属性を検出する属性検出手段と、前記属性検出手段の検出結果に基づき、チューブ状の前記被印字媒体を供給するチューブカートリッジが装着状態か否かを判定する第1判定手段と、前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理に対する所定の制限を実行するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、前記搬送ローラと前記サーマルヘッドとの相対位置関係を、前記搬送ローラが前記印字の形成時に所定の押圧力で前記被印字媒体を前記サーマルヘッドに押圧する押圧状態と、前記搬送ローラが前記被印字媒体から離間する離間状態とに、選択的に切り替え可能とする切り替え手段と、前記制限制御手段による前記所定の制限の実行時に、前記押圧状態から前記離間状態への前記切り替え手段による切り替えを促す表示を行う、表示手段と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本願発明は、被印字媒体を繰り出して連続的に供給するカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、前記カートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、を有し、前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジにおける前記被印字媒体の属性を検出する属性検出手段と、前記属性検出手段の検出結果に基づき、チューブ状の前記被印字媒体を供給するチューブカートリッジが装着状態か否かを判定する第1判定手段と、前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理の実行を禁止するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、を有することを特徴とする
本願発明の印刷装置は、カートリッジホルダを備えている。このカートリッジホルダには、チューブ状の被印字媒体を供給可能なチューブカートリッジを装着することができる。チューブカートリッジが装着されて使用される場合、駆動手段により駆動される搬送ローラが、チューブカートリッジからのチューブ状の被印字媒体を搬送する。その搬送される被印字媒体に対し、通電手段により通電されるサーマルヘッドが所望の印字を形成する(印刷処理)。ユーザは、上記のようにして印字が形成されたチューブ状の被印字媒体を、印字付きチューブとして使用することができる。
ここで、上記のように被印字媒体がチューブ状である場合、連続して上記印刷処理を行うにつれてチューブ内部の空気が搬送ローラの位置よりも上流側に移動することによってチューブ状構造の内部に空気が溜まりやすく、また一旦溜まった空気が抜けにくい。その結果、溜まった空気によりチューブ状構造が膨らみ、チューブカートリッジ内部で搬送不良が生じる恐れがある。
そこで本願発明では、属性検出手段、積算手段、及び制限制御手段を設け、上記空気移動の直接的原因となる印刷処理時の被印字媒体の搬送動作状況に応じて、当該印刷処理に対して所定の制限を実行する。すなわち、カートリッジホルダにカートリッジが装着されると、属性検出手段が、そのカートリッジにおける被印字媒体の属性を検出する。そして、前述したようなチューブ状の被印字媒体を供給するチューブカートリッジが装着された場合には、上記属性検出手段の検出結果に基づき、第1判定手段の判定が満たされる。
一方、上記のようにして印刷処理が連続して実行されていくとき、サーマルヘッドによる搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送ローラによる搬送長さが積算手段によって積算される。このとき、上記の空気移動の原因となる被印字媒体の搬送動作状況を見極める観点から、上記積算手段の積算値に関し予め制限値が定められている。そして、サーマルヘッドがある程度連続して印刷処理を行うと、上記印刷長さ又は搬送長さの積算値が上記制限値に達し、第2判定手段の判定が満たされる。
そして、第1及び第2判定手段の判定が満たされたとき、すなわち、チューブカートリッジが装着された状態でチューブ状の被印字媒体に対しある程度の期間連続して印刷処理が行われた場合には、制限制御手段が駆動手段及び通電手段を連携して制御することで、上記印刷処理に対する所定の制限を実行する。具体的には、例えば、実行中の印刷処理を停止したり、実行中の印刷処理(又はその一部)を完遂した後はそれ以降の印刷処理を禁止する。これにより、印刷処理の上記停止又は上記禁止が解除されるまでの所定の期間における自然空気漏れによって、チューブ内の空気量が減少する。この結果、上記チューブ状構造が溜まった空気による膨らみを緩和することができ、チューブカートリッジ内部で搬送不良が生じるのを防止することができる。
本発明によれば、チューブカートリッジ内部で搬送不良が生じるのを防止することができる。
本発明の一実施の形態の印刷装置の外観を表す斜視図である。 カートリッジが未装着状態の印刷装置の内部構造を表す斜視図である。 カートリッジホルダに装着したカートリッジの内部構造を表す平面図である。 印刷装置の制御系の機能的構成を表す機能ブロック図である。 制御系の制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。 実行中の印刷処理の全部を完遂した後に印刷処理に対する所定の制限を実行する変形例において、制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態の印刷装置を図面を参照しつつ説明する。なお、明細書中内の説明における、前方、後方、左方、右方、上方、下方は、以下の各図内に「前」「後」「左」「右」「上」「下」と注記がある場合の、その注記された方向を指す。
<装置外観の概略>
図1に示すように、本実施形態の印刷装置1は、使用者の手によって把持される筐体6を有するいわゆるハンドヘルドタイプの印刷装置である。この筐体6は、装置前面を構成する前カバー6Aと、装置後面を構成する後カバー6Bとで構成されている。さらにこの後カバー6Bは、種々の機構を内蔵する後カバー本体6B1と、カートリッジ31(後述の図3参照)や乾電池(図示せず)を着脱する際に後カバー本体6B1より取り外し可能な着脱カバー6B2とで構成されている。
上記前カバー6Aの上側には、各種設定画面等を表示するための表示部60(後述の図4参照)が設けられている。この表示部60(表示手段に相当)の前面は、例えば透明のアクリル板等であるカバーパネル2Aによって覆われている。カバーパネル2Aの下側には、印刷装置1を操作するための操作部3が設けられている。この操作部3には、文字、記号及び数字等の文字キーや種々の機能キーや適宜のボタン等が含まれている。使用者が、印字形成したい内容を操作部3の操作に基づき入力することで、対応する印刷データが生成され、その内容は表示部60において表示される。また上記後カバー本体6B1の右側上端には、印字済みの被印字媒体70(後述の図3参照)を切断するためのカットレバー4が設けられている。
<装置の内部構造>
印刷装置1の内部構造を図2及び図3を用いて説明する。図2は、着脱カバー6B2を取り外した印刷装置1を後側から見た内部構造を表す斜視図である。図3は、印刷装置1のカートリッジホルダ7に装着したカートリッジ31の内部構造を表す平面図である。
図2に示すように、印字装置1の内部には、例えば樹脂により成形されたフレーム13が配設されている。このフレーム13の後側上半部には、カートリッジ31を着脱するための平面視矩形状の凹状のカートリッジホルダ7が設けられている。
カートリッジホルダ7の下側には、駆動モータ62を収納したモータ収納部5が設けられている。モータ収納部5のさらに下側には、乾電池を収納するための電池収納部9が設けられている。また、上記カートリッジホルダ7の左下側の隅部には、複数の進退自在な検出ロッド64aを立設したカートリッジセンサ64(属性検出手段に相当)が設けられている。
カートリッジセンサ64は、カートリッジホルダ7にカートリッジ31が装着された際に、カートリッジ31のカートリッジケース33の前側の左下部に設けられた複数の被検出孔(図示せず)への検出ロッド64aの挿入の有無によるオン/オフの組み合わせにより、カートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31の種類(言い換えれば、被印字媒体70がチューブ状であるかテープ状であるか、さらにはそれらの幅方向寸法がいくらであるか、等の被印字媒体70の属性)を検出し、対応する検出信号を出力することができる。
上記フレーム13の上部には、図2に示すように、印字済みの上記被印字媒体70を外部に排出するための排出スリット24が形成されている。また、フレーム13の右側上半部には、ローラホルダ17が設けられている。ローラホルダ17の後側には、当該ローラホルダ17を覆う合成樹脂製の板部25が設けられている。この板部25の上部には、突起部挿入口10が設けられている。また、後カバー本体6B1の上端部にはロック穴11が設けられ、下端部にはロック穴12が2箇所設けられている。
上記フレーム13の略中央部には凹状に形成されたギア用凹部26が設けられている。ギア用凹部26には、ギア(図示せず)が設けられており、当該ギアの歯部は隠蔽用傘部114によって覆われ露出しない構造となっている。そして、ギアの後側には、カートリッジ31のインクリボン55(図3参照)を巻き取るためのリボン巻取軸14が立設されている。
また、リボン巻取軸14の右側にはリブ30が立設されている。このリブ30の右側面には矩形状の放熱板であるヒートシンク15が設けられている。そして、リブ30と排出スリット24との間には、カートリッジ31の送りローラ39(図3参照)を駆動するためのローラ軸20が立設されている。ローラ軸20の左側には、凸部27が立設されている。この凸部27は、カートリッジ31の凹部(図示せず)に挿入されることで、カートリッジ31の前後方向の位置決めをする。
また、上記フレーム13のうち上記排出スリット24の近傍には、カッタ刃を備えるカッタホルダ(図示せず)を内部に収容したガイドホルダ40が設けられている。
また、上記排出スリット24の近傍には、リブ42がフレーム13と一体的に形成されている。排出スリット24より右側に形成されたリブ42は、上記板部25の平面状の後面部25Aに対し垂直に立設されている。
図3に示すように、上記ローラホルダ17は、プラテンローラユニット18と、排出ローラユニット19とを備えている。プラテンローラユニット18は、ヒートシンク15の右側に配置されている。プラテンローラユニット18には、プラテンローラ182(搬送ローラに相当)とプラテンローラ用ギア(図示せず)とが設けられている。プラテンローラ182に対向する位置には、ヒートシンク15の右側面に設けられたサーマルヘッド16が配置されている。
サーマルヘッド16は、複数の発熱素子を備えており、プラテンローラ182等により搬送される上記被印字媒体70に対し、所望の印字形成を行う。
ローラホルダ17は、アーム状に形成され、軸支部171を中心に左右方向に揺動可能に設けられている。このローラホルダ17は、印字形成時、図3に実線で示すように、プラテンローラ182が所定の押圧力で被印字媒体70をサーマルヘッド16に押圧する押圧状態と、図3に二点鎖線で示すように、プラテンローラ182が被印字媒体70から離間する離間状態とに、手動操作で選択的に切り替え可能である。
すなわち、このローラホルダ17には、一端を上記板部25の突起部挿入口10に挿入し、他端部をローラホルダ17の右側に突出させた突起部68が係合されている。また、ローラホルダ17には、カートリッジ31と離反方向の反時計方向に付勢する図示しない付勢手段が設けられている。ユーザが手動で着脱カバー6B2をカバー本体6B1に取り付けると、その取り付けた着脱カバー6B2によって突起部68が押されて、ローラホルダ17が付勢手段の付勢力に抗してカートリッジ31方向の時計方向に移動する。これにより、ローラホルダ17は押圧状態に切り替えられ、プラテンローラ182が所定の圧力で被印字媒体70をサーマルヘッド16に押圧する。ユーザが手動で上記着脱カバー6B2をカバー本体6B1から外すと、付勢手段の付勢力でローラホルダ17が反時計方向に移動する。これにより、ロールホルダ17は離間状態に切り替えられ、プラテンローラ182が被印字媒体70から離間する。以上の結果、上記軸支部171が各請求項記載の切り替え手段に相当している。
なお、上記のように着脱カバー6B2のカバー本体6B1への着脱によってローラホルダ17の押圧状態・離間状態を切り替えるのに代えて、(着脱カバー6B2をカバー本体6B1へ装着したままの状態で)適宜のレバー等を手動操作することによりローラホルダ17の押圧状態・離間状態を切り替えるようにしてもよい。また、上記のように、プラテンローラ182がサーマルヘッド16に遠近する構成に代えて、プラテンローラ182の位置が固定でサーマルヘッド16をプラテンローラ182に対し遠近させる構成でもよい。この場合、サーマルヘッド16を遠近させるための支持構造が、上記切り替え手段に相当する。
プラテンローラ用ギアは、フレーム13の前側に設けられたギア(図示せず)に噛合されており、駆動モータ62から動力を伝達されたプラテンローラ用ギアが回転することで、プラテンローラ182が回転する。これにより、ロールホルダ17が上記圧接状態に切り替えられた際に、プラテンローラ182は、被印字媒体70とインクリボン55とをサーマルヘッド16に対して押圧しつつ、被印字媒体70をその回転により排出ローラユニット19の方向へ搬送する。
排出ローラユニット19には、排出ローラ192と排出ローラ用ギア(図示せず)とが設けられている。排出ローラ192は、ローラ軸20に対向する位置に配置されている。ローラ軸20は、円柱状に形成された円柱部201と、この円柱部201の外周から外側に向かって放射状に形成された6個のリブ202とから構成されている。ローラ軸20は、カートリッジ31の送りローラ39の軸孔391に挿入され、送りローラ39を回転可能に支持する。
排出ローラ192はローラホルダ17の移動によって移動し、印字形成時、ローラホルダ17が上記押圧状態に切り替えられると、排出ローラ192が、被印字媒体70を所定の押圧力で送りローラ39に押圧し、被印字媒体70を上記排出スリット24へ向かう搬送経路(矢印ア,イ,ウ参照)に沿って順方向に搬送する。ローラホルダ17が上記離間状態に切り替えられると、排出ローラ192は被印字媒体70から離間する。
排出ローラ用ギアは、上記フレーム13の前側に設けられたギア(図示せず)に噛合されており、駆動モータ62から動力を伝達された排出ローラ用ギアが回転することで、排出ローラ192が回転する。排出ローラ192は、印字形成時、ローラホルダ17が上記押圧状態に切り替えられると、上記のようにしてサーマルヘッド16により印字が行われた印字済みの被印字媒体70を、ローラ軸20に回転可能に支持された送りローラ39に対して押圧する。これにより、印字済みの被印字媒体70排出口59より排出される。その後、印字済みの被印字媒体70は、排出ローラ192等による搬送で上記排出スリット24へ案内され、当該排出スリット24から印刷装置1の外部に排出される。その後、使用者がカットレバー4を操作することで、上記カッタ刃によって被印字媒体70に対する切断が行われる。
なお、筐体6内の適宜の箇所には、温度センサ66(温度検出手段に相当。後述の図4参照)が設けられている。この温度センサ66は、印刷装置1の周囲環境の温度を検出し、対応する検出信号を出力することができる。
<カートリッジ詳細構造>
次に、カートリッジ31の詳細構造について説明する。本実施形態では、カートリッジ31には、被印字媒体70として扁平チューブ状の被印字チューブを供給するチューブカートリッジ、被印字媒体70としてテープ状の被印字テープを供給するテープカートリッジ、とがある。以下、主にカートリッジ31がチューブカートリッジである場合を例にとって説明するが、上述のような被印字媒体70の形状以外の部分では、テープカートリッジも同様の構造である。
図3に示すように、カートリッジ31(上述したようにこの例ではチューブカートリッジに相当する)は、カートリッジホルダ7に装着される略矩形状の上記カートリッジケース33を備え、カートリッジケース33内の左側下部には、上記インクリボン55を巻回したリボンスプール56が回転可能に配置されている。このリボンスプール56から繰り出されたインクリボン55は、カートリッジ開口371に向けて案内される。また、カートリッジケース33内の右側上部には、軸孔391を有する上記送りローラ39が設けられている。
上記リボンスプール56の斜め左上方に隣接する側には、リボン巻取スプール57が回転可能に配置されている。このリボン巻取スプール57は、リボンスプール56からインクリボン55を引き出すと共に、文字や図像等の印字で消費されたインクリボン55を巻き取る。また、カートリッジ31の左上側には、被印字媒体ロール53を有している。この被印字媒体ロール53は、(この例では扁平チューブ状の)被印字媒体70が、チューブ長手方向と直交する方向(図3の紙面に向かって垂直方向)の軸心を備えたリール部54に巻回されてロール化されたものである。
被印字媒体70は、図3中のA−A断面の拡大図に示すように、被印字媒体ロール53の径方向内周側となる表面に、表面処理によって受像層70aが形成されている。被印字媒体70は、受像層70aを内周側にしてリール部54に巻回されている。受像層70aは、例えば被印字材料の透明被膜からなり、インクリボン55と重ねられることでインクの熱転写により印字が行われる。
なお、図示を省略するが、カートリッジ31が前述したテープカートリッジである場合には、被印字媒体70として、上記受像層70aと同様のインクの熱転写により印字が行われる受像層70aを内周側となる一方側の表面に有する、被印字テープが備えられている。この被印字テープは、受像層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るフィルムと、適宜の粘着材からなる粘着層と、剥離紙とを順に積層した、例えば3層構造に構成される。
<制御系の機能的構成>
次に、印刷装置1における制御系を図4に示す。
図4において、印刷装置1には、例えばマイクロプロセッサなどからなる制御部80が設けられている。この制御部80には、上記サーマルヘッド16の通電制御を行う印刷駆動回路72(通電手段に相当)と、上記駆動モータ62の駆動を制御するモータ駆動回路74(駆動手段に相当)と、上記カートリッジセンサ64と、上記操作部3と、上記表示部60と、上記温度センサ66とが、入出力インターフェース82を介して接続されている。
<印刷装置の基本動作>
次に、上記構成における印刷装置1の動作を説明する。
前述の図3において、カートリッジホルダ7にカートリッジ31が装着されると、被印字媒体ロール53から繰り出される被印字媒体70が、カートリッジ開口371を経て、サーマルヘッド16とプラテンローラ182の間を通過する配置となる。また、リボンスプール56から繰り出されるインクリボン55は、カートリッジ31の規制突起部(図示省略)に案内規制されつつカートリッジ開口371を経て被印字媒体70と重なりあい、そのままサーマルヘッド16とプラテンローラ182の間を通過する配置となる。
そして、例えば上記操作部3において使用者からの印字形成のための適宜の操作指示入力がなされると、これに対応する指示信号が入出力インターフェース82を介し制御部80に入力され(後述の図5のステップS10も参照)、制御部80の制御によって印字が開始される。すなわち、上記プラテンホルダ17が図3中の時計回りに回動駆動され、プラテンローラ182が、被印字媒体70及びインクリボン55を挟持するようにサーマルヘッド16へ向けて押圧される。これとともに、プラテンローラ182が上記モータ駆動回路74により回転駆動され、被印字媒体70とインクリボン55とを圧接しつつ下流側(図3中の上側、矢印イ参照)へ搬送する。
またこのプラテンローラ182による押圧搬送と同時に、上記印刷駆動回路72によって上記発熱素子が駆動され、被印字媒体70におけるサーマルヘッド16側(インクリボン55側)の表面の上記受像層70aにインクリボン55のインクが熱転写されることで被印字媒体70に所望の印字が形成される。
この後にサーマルヘッド16の下流側に送り出されたインクリボン55は、分離部材(図示省略)を介して被印字媒体70から分離された後、リボン巻き取りスプール57により巻き取られる。そして、サーマルヘッド16の下流側に送り出されてインクリボン55を分離された印字済みの被印字媒体70は、排出口59からカートリッジ31の外部に排出され、カッタ刃(図示省略)を通過して図3中矢印ア方向に送り出される。
そして、被印字媒体70が所定の距離だけ進むと、搬送が停止される。その後、カッタ刃が作動して被印字媒体70を切断し、これにより所定長さの印刷物(上記チューブカートリッジが使用された場合には印字付きチューブ、上記テープカートリッジが使用された場合には印字ラベル)が得られる。
<本実施形態の特徴>
ここで、カートリッジ31として上記チューブカートリッジが用いられる場合(以下適宜、「チューブカートリッジ31」と表記する)には、被印字媒体70がチューブ状であることから、上記のようにして連続して印字付きチューブの作成を行うにつれてチューブ内部の空気がプラテンローラ182の位置よりも搬送方向上流側に移動することによってチューブ状構造の内部に空気が溜まりやすく、また一旦溜まった空気が抜けにくい。その結果、溜まった空気によりチューブ状構造が膨らむと、チューブカートリッジ31内部で被印字媒体70の搬送不良が生じる恐れがある。
そこで、本実施形態では、チューブカートリッジ31が装着された状態でチューブ状の被印字媒体70に対しある程度の期間連続して印刷処理が行われた場合に、上記印刷処理に対する所定の制限(この例では、実行中の印刷処理の一部を完遂した後にそれ以降の印刷処理禁止)を実行する。なお、当該所定の制限として、上記以外にも、実行中の印刷処理全部を完遂した後にそれ以降の印刷処理を禁止(後述の図6の変形例参照)したり、実行中の印刷処理を停止してもよい。
<制御手順>
上記印刷処理の制限の実行のために、上記制御部80によって実行される制御手順を、図5を用いて説明する。図5のフローは、例えば操作者が印刷装置1の電源をONしたときに開始される。
図5において、まずステップS5で、制御部80は、チューブカートリッジフラグFA、搬送長さ制限フラグFB、及び高温フラグFHをすべて0にリセットし、さらに搬送長さ積算値LCを0にリセットする。ここで、チューブカートリッジフラグFAは、カートリッジ31が狭幅の被印字チューブを備えたチューブカートリッジであることを表すフラグであり、搬送長さ制限フラグFBは、プラテンローラ182による被印字媒体70の搬送長さの積算値が制限値(詳細は後述)に達したことを表すフラグであり、高温フラグFHは、印刷装置1の周囲環境の温度が所定の制限温度(詳細は後述)より高いことを表すフラグである。ステップS5が終了すると、ステップS10に移る。
ステップS10では、制御部80は、操作者による上記印刷物の作成指示(印刷物の作成枚数を含む)があったか否かを判定する。操作者が操作部3を用いて印刷物作成指示を行うまでは判定が満たされず(ステップS10:NO)、ループ待機する。印刷物作成指示があれば判定が満たされ(ステップS10:YES)、ステップS15に移る。
ステップS15では、制御部80は、搬送長さ制限フラグFB=1であるか否かを判定する。後述のようにして被印字媒体70の搬送長さが制限値に達しフラグFB=1となっていた場合は判定が満たされ(ステップS15:YES)、このフローを終了する。一方、被印字媒体101の搬送長さが制限値に達しておらずフラグFB=0である場合は判定が満たされず(ステップS15:NO)、ステップS20に移る。
ステップS20では、制御部80は、上記カートリッジセンサ64の検出結果に基づき、カートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31が上記チューブカートリッジであるか否かを判定する。前述したようにユーザがカートリッジホルダ7にカートリッジ31を装着すると、カートリッジセンサ64が、装着されたカートリッジ31の種類(言い換えれば被印字媒体70の属性)を検出する。カートリッジセンサ64が、装着されたカートリッジ31が上記被印字チューブを供給するチューブカートリッジであることを検出した場合は判定が満たされて(ステップS20:YES)、ステップS25に移る。カートリッジセンサ64が、装着されたカートリッジ31が被印字テープを供給するテープカートリッジであることを検出した場合は判定が満たされず(ステップS20:NO)、後述のステップS45に移る。
ステップS25では、制御部80は、カートリッジセンサ64の検出結果に基づき、上記カートリッジ31に備えられる上記被印字媒体70(すなわち上記被印字チューブ)の幅方向寸法が、所定の制限寸法以下の狭幅であるか否かを判定する。被印字媒体70の幅方向寸法が上記狭幅であった場合は判定が満たされて(ステップS25:YES)、ステップS30に移る。被印字媒体70の幅方向寸法が上記狭幅でなかった場合は判定が満たされず(ステップS25:NO)、後述のステップS45に移る。
ステップS30では、制御部80は、上記チューブカートリッジフラグFAをFA=1とし、ステップS35に移る。
ステップS35では、制御部80は、温度センサ66の検出結果に基づき、印刷装置1の周囲環境の温度が予め定められた制限温度(例えば30℃〜80℃の範囲で適宜に設定された1つの温度)より高いか否かを判定する。温度センサ66が検出した温度が上記制限温度より高い高温状態となった場合は判定が満たされ(ステップS35:YES)、ステップS40に移る。温度センサ66が検出した温度が上記制限温度以下である場合は判定が満たされず(ステップS35:NO)、後述のステップS45に移る。
ステップS40では、制御部80は、高温フラグFHをFH=1とし、ステップS45に移る。
ステップS45では、制御部80は、入出力インターフェース82を介しモータ駆動回路74に制御信号を出力し、駆動モータ62の駆動力によって送りローラ39やプラテンローラ182等を回転駆動させる。これにより、被印字媒体ロール53から被印字媒体70が繰り出され、リボンスプール56からインクリボン55が繰り出され、重ね合わされて上記順方向へと搬送される。その後、ステップS50に移る。
ステップS50では、制御部80は、被印字媒体70がサーマルヘッド16による印刷開始位置まで到達したか否か(言い換えれば被印字媒体70の所定の印字領域の搬送方向前端位置にサーマルヘッド16が正対するようになるまで被印字媒体70が搬送さたか否か)を判定する。なお、この判定は、例えば、ステップS45の被印字媒体搬送開始から予め定められた所定の距離だけ搬送が行われたかどうかを判定すればよい。当該所定の距離の判定は、例えば、上記ステップS45のタイミング以降の、パルスモータである駆動モータ62を駆動するモータ駆動回路74の出力するパルス数をカウントし、当該カウント数が上記所定の距離に対応した所定の値に達したかどうか、により検出すれば足りる。あるいは、上記テープ搬送開始から所定時間経過したかを判定してもよい。印刷開始位置となるまで判定が満たされず(ステップS50:NO)ループ待機し、印刷開始位置となったら、判定が満たされて(ステップS50:YES)、ステップS55に移る。
ステップS55では、制御部80は、入出力インターフェース82を介し印刷駆動回路72に制御信号を出力し、サーマルヘッド16を通電する。これにより、被印字媒体70の受像層70aの上記印字領域にインクリボン55のインクが転写され、予め生成した所望の印刷データに対応した文字、記号、バーコード等の所定の印字の印刷を開始する。その後、ステップS60に移る。
ステップS60では、制御部80は、被印字媒体70がサーマルヘッド16による印刷終了位置まで到達したか否か(言い換えれば上記印字領域の搬送方向後端位置にサーマルヘッド16が正対するようになるまで被印字媒体70が搬送さたか否か)を判定する。このときの判定も、上記同様、駆動モータ62を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされず(ステップS60:NO)この手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて(ステップS60:YES)ステップS65に移る。
ステップS65では、制御部80は、入出力インターフェース82を介し印刷駆動回路72に制御信号を出力し、サーマルヘッド23の通電を停止して、上記所定の印字の印刷を停止する。これによって、被印字媒体70の印字領域に対する所定の印字の印刷が完了する。その後、ステップS70に移る。
ステップS70では、制御部80は、印字済みの被印字媒体70がカット位置まで搬送されたか否か(言い換えればガイドホルダ40内のカッタホルダのカッタ刃があらかじめ設定した切断線に正対する位置まで印字済みの被印字媒体70が到達したか否か)を判定する。このときの判定も、上記同様、駆動モータ62を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。カット位置に到達するまで判定が満たされず(ステップS70:NO)この手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて(ステップS70:YES)ステップS75に移る。
ステップS75では、制御部80は、入出力インターフェース82を介しモータ駆動回路74に制御信号を出力し、駆動モータ62の駆動を停止して、送りローラ39、プラテンローラ182等の回転を停止する。これにより、上記カットの位置の線にカッタ刃が正対した状態で、被印字媒体ロール53からの被印字媒体70の繰り出し、リボンスプール56からのインクリボン55の引き出し、及び印字済みの被印字媒体70の搬送が停止する。その後、ステップS80に移る。
ステップS80では、制御部80は、表示部60に制御信号を出力し、表示部60に印字済みの被印字媒体70の切断を促す表示を行わせる。ステップS80が終了すると、ステップS85に移る。
ステップS85では、制御部80は、ユーザによる被印字済みの被印字媒体70の切断操作がされたか否かを判定する。ユーザが、上記ステップS80での表示部60の表示に応じ、カットレバー4を操作して印字済みの被印字媒体70を切断すれば、所定の印字が行われた印刷物(被印字媒体70が上記被印字チューブの場合は印字付きチューブ、被印字媒体70が被印字テープの場合は印字ラベル)が生成される。切断操作が行われるまで判定が満たされず(ステップS85:NO)この手順を繰り返し、切断操作が行われたら判定が満たされて(ステップS85:YES)ステップS90に移る。
ステップS90では、制御部80は、チューブカートリッジフラグFAがFA=1か否かを判定する。既に述べたように、カートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31が狭幅の被印字チューブを備えたチューブカートリッジであればFA=1であり、それ以外のカートリッジ31であればFA=0である。フラグFA=1の場合は判定が満たされ(ステップS90:YES)、ステップS95に移る。フラグFA=0の場合は判定が満たされず(ステップS90:NO)、後述のステップS115に移る。
ステップS95では、制御部80は、プラテンローラ16による被印字媒体70(すなわち被印字チューブ)の搬送長さを算出する。この搬送長さの算出は、例えば上述した駆動モータ62を駆動するパルス数をカウントする手法により行えば足りる。このとき、制御部80は、後述する繰り返しによってこのステップS95で算出する搬送長さをその繰り返しの都度積算し、積算値LCを算出する。すなわち、ステップS95で新たに算出する搬送長さを、それまでに当該ステップS95で算出した上記積算値LCに加えることで、新たな積算値LCとして更新する。ステップS95が終了すると、ステップS100に移る。
ステップS100では、制御部80は、上記ステップS95で更新された搬送長さの積算値LCが、予め定められた搬送長さの制限値(例えば5m等)に達したか否かを判定する。上記搬送長さの制限値は、チューブカートリッジ31のチューブ内部の上記空気移動の原因となる搬送動作状況を見極める観点から、プラテンローラ182による被印字媒体70の搬送長さの上限として定められている。搬送長さの積算値LCが制限値に達した場合は判定が満たされ(ステップS100:YES)、ステップS105に移る。搬送長さの積算値LCが制限値に達していない場合は判定が満たされず(ステップS100:NO)、後述のステップS115に移る。
ステップS105では、制御部80は、高温フラグFHがFH=1であるか否かを判定する。上記周囲環境の温度が上記制限温度より高くフラグFH=1となっていた場合(上記ステップS40参照)は判定が満たされ(ステップS105:YES)、ステップS110に移る。上記周囲環境の温度が上記制限温度以下でありフラグFH=0であった場合は判定が満たされず(ステップS105:NO)、後述のステップS115に移る。
ステップS110では、制御部80は、プラテンローラ182による被印字媒体70の搬送長さの積算値LCが上記制限値に達したことを表す、上記搬送長さ制限フラグFBをFB=1とし、ステップS115に移る。
ステップS115では、制御部80は、上記ステップS10で入力された印刷物作成指示で指定された全ての枚数の上記印刷物の作成が完了したか否かを判定する。全枚数の印刷物の作成が完了していない場合は判定が満たされず(ステップS115:NO)、上記ステップS15に戻って同様の手順を繰り返す。これにより、上記全枚数の印刷物の作成が完了するまでは、ステップS15〜ステップS110までの上記各手順が繰り返され、狭幅の被印字チューブを備えたチューブカートリッジ31であった場合にはその際の上記搬送長さの積算値LCがステップS95で順次更新されていくこととなる。そして、当該繰り返しの間に、当該更新される積算値LCが上記制限値に達し、かつ印刷装置1の周囲温度が上記制限温度より高い場合には、ステップS110で上記搬送長さ制限フラグFBが1となった状態でステップS115からステップS15に戻り、当該ステップS15の判定が満たされることで、このフローが終了される(すなわちフローが終了して印刷処理が行われなくなることが、上述した印刷処理に対する所定の制限に相当している)。この場合、ステップS10での指示により指定された枚数のうち、ステップS110でFB=1となった時点までの印字付きチューブは作成されるが、それ以降の枚数の印字付きチューブは作成されない。すなわち、ステップS10での指示による全枚数の印字付きチューブの作成(=印刷処理に相当)の一部が完遂されるが、それ以降の処理は禁止されることとなる。
一方、ステップS115において、全枚数の印刷物の作成が完了した場合は判定が満たされ(ステップS115:YES)、ステップS120に移る。ステップS120では、制御部80は、電源がOFFされたか否かを判定する。ユーザが電源をOFFすれば判定が満たされ(ステップS120:YES)、このフローを終了する。ユーザが電源をOFFしなければ判定が満たされず(ステップS120:NO)、上記ステップS10に戻って次の印刷物作成指示を待ち、同様の手順を繰り返す。
なお、以上では、プラテンローラ182による被印字媒体70の搬送長さを積算して上記積算値LCを更新し、当該積算値LCが制限値に達したか否かを判定したが、これに限られない。すなわち、上記搬送長さに代えてサーマルヘッド16による被印字媒体70への(搬送方向に沿った)印刷長さを積算して積算値を更新し、その印刷長さの積算値が所定の制限値に達したか否かを判定してもよい。
以上のフローにおいて、上記ステップS15が各請求項記載の制限制御手段として機能し、ステップS20が各請求項記載の第1判定手段として機能する。また、ステップS25が各請求項記載の第4判定手段として機能し、ステップS35が各請求項記載の第3判定手段として機能する。さらに、ステップS95が各請求項記載の積算手段として機能し、ステップS100が各請求項記載の第2判定手段として機能する。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷装置1では、カートリッジホルダ7にチューブカートリッジ31を装着してチューブ状の被印字媒体70(=上記被印字チューブ)を搬送し、その搬送される被印字媒体70に対し所望の印字を形成して、ユーザが印字付きチューブとして使用することができる。
その際、本実施形態では、前述したチューブ内部の空気移動の直接的原因となる被印字媒体70の搬送動作状況に応じて、当該印刷処理に対して所定の制限を実行する。すなわちカートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31がチューブカートリッジであった場合には、被印字媒体70の搬送長さが積算され、その積算値が上記制限値に達したことを契機に、上記所定の制限が実行される(この例ではそれ以降の印刷処理が禁止される)。これにより、上記禁止が解除されるまでの所定の期間における被印字媒体70からの自然空気漏れによって、チューブ内の空気量が減少する。この結果、上記禁止が解除された後の新たな印刷処理(この場合、図5のフローが新たにステップS5から開始される)においては、上記チューブ状構造の被印字媒体70が前述のように溜まった空気によって膨らみやすくなるのを抑制することができ、チューブカートリッジ31内部で搬送不良が生じるのを防止することができる。
ここで、上述した、溜まった空気により被印字媒体70のチューブ状構造が膨らむ現象は、特に周囲環境が比較的高温である場合にその傾向が顕著となる。そこで、本実施形態では特に、印刷装置1の周囲環境の温度を検出する温度センサ66が設けられる。そして、図5のステップS20でチューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、ステップS100で上記積算値LCが上記制限値に達したと判定され、かつ、ステップS35で上記周囲環境の温度が上記制限温度より高いと判定されたことを契機に、上記所定の制限が実行される。
これにより、本実施形態においては、印刷装置1の周囲環境の温度が高温状態であることを確実に検知し、その検知状態に基づき上記印刷処理に対する所定の制限を実行することができる。これにより、上記所定の制限後、印刷装置1の周囲温度の低下により、被印字媒体70のチューブ状構造の膨らみによる搬送不良の発生を確実に防止することができる。
また、上述したチューブ状の被印字媒体70における空気溜まりによるチューブの膨らみの発生は、被印字媒体70の幅が狭いほど起こりやすい傾向となる。そこで、本実施形態では特に、ステップS20でチューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、ステップS100で上記積算値LCが上記制限値に達したと判定され、かつ、ステップS25で被印字媒体70の幅方向寸法が所定の制限寸法以下であると判定されたことを契機に、上記印刷処理に対する所定の制限を実行する。これにより、被印字媒体70のチューブ状構造の膨らみによる搬送不良の発生を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、(a)装着されたカートリッジ31がチューブカートリッジであること(図5のステップS20参照)、(b)搬送長さの積算値LCが制限値に達したこと(図5のステップS100参照)、(c)印刷装置1の周囲環境温度が所定の制限温度より高い高温状態になったこと(図5のステップS35参照)、(d)被印字媒体70の幅寸法が所定値以下であること、の(a)〜(d)の4つの条件をすべて満足したときに、それ以降の印刷処理の実行を禁止(停止)したが、これに限られない。すなわち、上記禁止(停止)の条件としては、上記(c)及び(d)の条件は必ずしも必要ではなく、(a)(b)(c)のみ、あるいは(a)(b)(d)のみ、あるいは(a)(b)のみとしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)実行中の印刷処理の全部を完遂した後に、印刷処理に対する所定の制限を実行する場合
上記実施形態では、前述したように、上記所定の制限として、実行中の印刷処理の一部を完遂したのを契機にそれ以降の印刷処理を禁止したが、実行中の印刷処理の全部を完遂したのを契機に上記印刷処理を禁止するようにしてもよい。
このような変形例における、上記制御部80によって実行される制御手順の一例を、図6を用いて説明する。上記図5と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図6において、このフローは、図5のフローにおけるステップS95に代えてステップS95′を設けるとともに、上記ステップS115を上記ステップS90と当該ステップS95′との間に移動した点が異なる。すなわち、ステップS5〜ステップS85は図5と同じであり、説明を省略する。上記ステップS85でカット操作されたと判定されると(ステップS85:YES)、上記ステップS115に移る。
ステップS115では、制御部80は、上記実施形態と同様、上記ステップS10で入力された印刷物作成指示で指定された全枚数の印刷物の作成が完了したか否かを判定する。全枚数の印刷物の作成が完了していない場合は判定が満たされず(ステップS115:NO)、上記ステップS15に戻って同様の手順を繰り返す。これにより、上記全枚数の印刷物の作成が完了するまでは、ステップS15〜ステップS85までの上記各手順が繰り返され、全枚数の印刷物の作成が完了した場合にステップS115の判定が満たされて(ステップS115:YES)、ステップS90に移る。
ステップS90では、上記実施形態と同様、制御部80は、チューブカートリッジフラグFAがFA=1か否かを判定する。カートリッジ31が狭幅の被印字チューブを備えたチューブカートリッジでありフラグFA=1の場合は判定が満たされ(ステップS90:YES)、上記ステップS95′に移る。フラグFA=0の場合は判定が満たされず(ステップS90:NO)、後述のステップS120に移る。
ステップS95′では、制御部80は、前述したステップS15〜ステップS85までの繰り返しにおける、プラテンローラ16による被印字媒体70(すなわち被印字チューブ)の全搬送長さを集計する(各搬送時の搬送長さは適宜の箇所に記憶しておけばよい)。このとき、制御部80は、上記実施形態のステップS95と同様、このステップS95′で新たに算出する搬送長さを、それまでに当該ステップS95′で算出した上記積算値LCに加えることで、新たな積算値LCとして更新する。ステップS95′が終了すると、ステップS100に移る。
ステップS100では、上記実施形態と同様、制御部80は、上記ステップS95′で更新された搬送長さの積算値LCが、予め定められた搬送長さの制限値(例えば5m等)に達したか否かを判定する。搬送長さの積算値LCが制限値に達した場合は判定が満たされ(ステップS100:YES)、ステップS105に移る。搬送長さの積算値LCが制限値に達していない場合は判定が満たされず(ステップS100:NO)、後述のステップS120に移る。
ステップS105では、上記実施形態と同様、制御部80は、高温フラグFHがFH=1であるか否かを判定する。上記周囲環境の温度が上記制限温度より高くフラグFH=1となっていた場合は判定が満たされ(ステップS105:YES)、ステップS110に移る。上記周囲環境の温度が上記制限温度以下でありフラグFH=0であった場合は判定が満たされず(ステップS105:NO)、後述のステップS120に移る。
ステップS110では、上記実施形態と同様、制御部80は、上記積算値LCが上記制限値に達したことに対応して上記搬送長さ制限フラグFBをFB=1とし、ステップS120に移る。
ステップS120では、上記実施形態と同様、制御部80は、電源がOFFされたか否かを判定する。ユーザが電源をOFFすれば判定が満たされ(ステップS120:YES)、このフローを終了する。ユーザが電源をOFFしなければ判定が満たされず(ステップS120:NO)、上記ステップS10に戻って次の印刷物作成指示を待ち、同様の手順を繰り返す。これにより、狭幅の被印字チューブを備えたチューブカートリッジ31であった場合で、その際の全搬送長さを集計した積算値LCが上記制限値に達し、かつ印刷装置1の周囲温度が上記制限温度より高い場合には、ステップS110で上記搬送長さ制限フラグFBが1となった状態でステップS120からステップS10に戻る。そして、以降の印刷物作成指示の入力によりステップS10を経て当該ステップS15における判定が満たされることで、このフローが終了される(上記実施形態と同様、このようにフローが終了して印刷処理が行われなくなることが、上述した印刷処理に対する所定の制限に相当している)。すなわち、上記実施形態と異なり、ある回のステップS10での指示により指定された枚数の印刷処理を実行開始すると、ステップS110でFB=1となった時点までの印字付きチューブのみならず、それ以降の枚数の印字付きチューブをも作成される(すなわち全枚数が作成される)。言い換えれば、ステップS10での指示による全枚数の印字付きチューブの作成(=印刷処理に相当)の全部が完遂された後、それ以降の回の(ステップS10での印刷物作成指示の入力による)新たな印刷処理が禁止されることとなる。
以上説明したように、本変形例では、実行中の上記印刷物の全枚数の印刷処理が終了して(ステップS115:YES)初めて搬送長さ制限フラグFB=1になるので(ステップS110)、実行中の印刷処理の全部を完遂したのを契機に上記所定の制限(この例ではそれ以降の印刷処理の禁止)が実行される。これにより、禁止後における被印字媒体70からの自然空気漏れによって、チューブ内の空気量を減少させることができる。この結果、上記禁止が解除された後の新たな印刷処理(この場合、上記実施形態と同様、図6のフローが新たにステップS5から開始される)においては、上記チューブ状構造の被印字媒体70が前述のように溜まった空気によって膨らみやすくなるのを抑制することができ、チューブカートリッジ31の内部で搬送不良が生じるのを防止することができる。
(2)ローラホルダの押圧状態から離間状態への切り替えを促す表示を行う場合
上述したように、ローラホルダ17は、印字形成時、プラテンローラ182が所定の押圧力で被印字媒体70をサーマルヘッド16に押圧する押圧状態と、プラテンローラ182が被印字媒体70から離間する離間状態とに、ユーザの手動による着脱カバー6B2のカバー本体6B1への着脱操作で選択的に切り替え可能である。これに対応して、本変形例では、上記のようにして印刷処理に対して所定の制限が行われる際、表示部60に、上記ローラホルダ17の上記押圧状態から離間状態への切り替え(言い換えれば着脱カバー6B2の取り外し)を促す表示が行われる。
例えば、上記図5のフローにおいて、上記ステップS15における搬送長さ制限フラグFBが1か否かの判定が満たされた場合に移行する、新たなステップ(図示省略)を設ける。そして、このステップで、制御部80は、上記ステップS80と同様にして、表示部60に制御信号を出力し、表示部60に手動操作によるローラホルダ17の(上記押圧状態から離間状態への)切り替えを促す表示が行われる。なお、このステップが終了すると、フローを終了する。
本変形例では、ユーザが、上記新たなステップでの表示部60の表示に応じ、ローラホルダ17を上記押圧状態から離間状態へとローラホルダを切り替えることで、被印字媒体70はプラテンローラ182とサーマルヘッド16との間で押圧された状態から開放される。この結果、仮に前述のようにしてチューブ状構造の被印字媒体70に空気が溜まっていたとしても、その溜まった空気をチューブ端から外部へ抜くことができる。この結果、搬送不良の発生をさらに確実に防止することができる。
なお、以上において、図4中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図5、図6に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS95の搬送長さの算出においては、印刷処理に先立って、これから実行予定の搬送長さを含めて算出することも可能である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印刷装置
6B2 着脱カバー
7 カートリッジホルダ
16 サーマルヘッド
17 ローラホルダ
31 カートリッジ
60 表示部(表示手段)
64 カートリッジセンサ(属性検出手段)
66 温度センサ(温度検出手段)
68 突起部
70 被印字媒体
72 印刷駆動回路(通電手段)
74 モータ駆動回路(駆動手段)
182 プラテンローラ(搬送ローラ)

Claims (8)

  1. 被印字媒体を繰り出して連続的に供給するカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
    前記カートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、
    を有し、
    前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、
    前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジにおける前記被印字媒体の属性を検出する属性検出手段と、
    前記属性検出手段の検出結果に基づき、チューブ状の前記被印字媒体を供給するチューブカートリッジが装着状態か否かを判定する第1判定手段と、
    前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理に対する所定の制限を実行するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、
    前記搬送ローラと前記サーマルヘッドとの相対位置関係を、前記搬送ローラが前記印字の形成時に所定の押圧力で前記被印字媒体を前記サーマルヘッドに押圧する押圧状態と、前記搬送ローラが前記被印字媒体から離間する離間状態とに、選択的に切り替え可能とする切り替え手段と、
    前記制限制御手段による前記所定の制限の実行時に、前記押圧状態から前記離間状態への前記切り替え手段による切り替えを促す表示を行う、表示手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 被印字媒体を繰り出して連続的に供給するカートリッジを着脱可能なカートリッジホルダと、
    前記カートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、
    を有し、
    前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、
    前記カートリッジホルダに装着された前記カートリッジにおける前記被印字媒体の属性を検出する属性検出手段と、
    前記属性検出手段の検出結果に基づき、チューブ状の前記被印字媒体を供給するチューブカートリッジが装着状態か否かを判定する第1判定手段と、
    前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理の実行を禁止するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記制限制御手段は、
    実行中の前記印刷処理の全部又は一部を完遂した後、それ以降の前記印刷処理の実行を禁止するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2または3記載の印刷装置において、
    前記搬送ローラと前記サーマルヘッドとの相対位置関係を、前記搬送ローラが前記印字の形成時に所定の押圧力で前記被印字媒体を前記サーマルヘッドに押圧する押圧状態と、前記搬送ローラが前記被印字媒体から離間する離間状態とに、選択的に切り替え可能とする切り替え手段と、
    前記制限制御手段による前記印刷処理の実行の禁止時に、前記押圧状態から前記離間状態への前記切り替え手段による切り替えを促す表示を行う、表示手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記印刷装置の周囲環境の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出結果に基づき、前記印刷物の作成開始の環境温度が予め定められた制限温度より高いか否かを判定する第3判定手段と、
    を有し、
    前記制限制御手段は、
    前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定され、かつ、前記第3判定手段により前記周囲環境の温度が前記制限温度より高いと判定されたことを契機に、前記印刷処理に対する所定の制限を実行するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記属性検出手段の検出結果に基づき、前記被印字媒体の幅方向寸法が所定の制限寸法以下であるか否かを判定する第4判定手段を有し、
    前記制限制御手段は、
    前記第1判定手段により前記チューブカートリッジが装着されたと判定され、かつ、前記第2判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定され、かつ、前記第4判定手段により前記幅方向寸法が前記制限寸法以下であると判定されたことを契機に、前記印刷処理に対する所定の制限を実行するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. チューブ状の被印字媒体を繰り出して連続的に供給するチューブカートリッジと、
    前記チューブカートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、
    を有し、
    前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、
    前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理に対する所定の制限を実行するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、
    前記搬送ローラと前記サーマルヘッドとの相対位置関係を、前記搬送ローラが前記印字の形成時に所定の押圧力で前記被印字媒体を前記サーマルヘッドに押圧する押圧状態と、前記搬送ローラが前記被印字媒体から離間する離間状態とに、選択的に切り替え可能とする切り替え手段と、
    前記制限制御手段による前記所定の制限の実行時に、前記押圧状態から前記離間状態への前記切り替え手段による切り替えを促す表示を行う、表示手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  8. チューブ状の被印字媒体を繰り出して連続的に供給するチューブカートリッジと、
    前記チューブカートリッジから供給された被印字媒体を搬送する搬送ローラを駆動する駆動手段と、
    前記搬送ローラにより搬送される前記被印字媒体に対して印字を行うサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドの通電を制御する通電手段と、
    を有し、
    前記被印字媒体に所望の印字を形成する印刷処理を実行する印刷装置であって、
    前記被印字媒体に対し前記印刷処理が実行されるときの、搬送方向に沿った印刷長さ又は搬送長さを積算する積算手段と、
    前記積算手段の積算結果に基づき、前記印刷長さ又は搬送長さの積算値が予め定められた制限値に達したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記積算値が前記制限値に達したと判定されたことを契機に、前記印刷処理の実行を禁止するように、前記駆動手段及び前記通電手段を連携して制御する、制限制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
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