以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1を用いて、本実施形態のラベル作成システムのシステム構成を説明する。図1において、ラベル作成システムLSは、所望の印字がされた印字ラベルL(後述の図9も参照)を作成可能な、ラベル作成装置100と、上記ラベル作成装置100を操作するための操作端末400とを有している。ラベル作成装置100と操作端末400とは、有線あるいは無線による通信回線NWを介して情報送受信可能に接続されている。
ラベル作成装置100は、当該ラベル作成装置100の外郭を構成する、全体的に直方体状の装置筐体101sを備えた装置本体101を有している。装置本体101の上面部には、開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋102が設けられている。装置本体101の前面部には、テープ排出口104が設けられている。このテープ排出口104は、作成された印字済みラベル用テープ23等(後述の図3乃至図5参照)を排出するための排出口である。
操作端末400は、一般に市販されている汎用パーソナルコンピュータであり、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402とを有している。
図2を用いて、ラベル作成装置100の開閉蓋102を開いた状態における装置本体101の内部のカートリッジホルダ及びそれに装着させるカートリッジの外観構成を説明する。なお、この図2では、図示の煩雑を避けるため上方に開いた状態の開閉蓋102の図示は省略している。
図2において、ラベル作成装置100の装置本体101内部には、カートリッジホルダ27と、印字ヘッド19と、テープ送りローラ駆動軸30と、リボン巻取りローラ駆動軸31と、カートリッジセンサ37と、第1光学センサ51が設けられている。
カートリッジホルダ27は、収納するテープの種類が互いに異なる複数種類のカートリッジ10,10′,10″を選択的に着脱可能となっている。カートリッジ10は、印字ラベルLを作成するための基材テープ16を巻回した基材テープロール17を有するカートリッジである(後述の図3参照)。またカートリッジ10′は、印字ラベルLを作成するための感熱テープ16′を巻回した感熱テープロール17′を有するカートリッジである(後述の図4参照)。またカートリッジ10″は、印字ラベルLを作成するためのレセプタテープ16″を巻回したレセプタテープロール17″を有するカートリッジである(後述の図5参照)。さらに、カートリッジホルダ27は、上記テープの種類が異なる各カートリッジ10,10′,10″において、収納するテープ幅が異なる複数種類のカートリッジを選択的に着脱可能である。なお、上記のテープ種類以外のカートリッジを用いてもよい。
なお、以下では、上記カートリッジ10,10′,10″を総称する場合には「カートリッジ10等」と記載する。
印字ヘッド19は、上記テープ送りローラ駆動軸30等により搬送されるカバーフィルム11等に対し所望の印字を行う。テープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31は、使用済みインクリボン13及び印字済みラベル用テープ23(ともに後述の図3参照)の搬送駆動力をそれぞれ与える駆動軸であり、互いに連動して回転駆動される。
カートリッジセンサ37は、カートリッジ10等の装着時に、装着されたカートリッジ10等に形成された検出孔24(後述の図3乃至図5参照)を機械式に検出することで、間接的に当該カートリッジ10等のテープ幅を検出する。このカートリッジセンサ37は、各々が上下方向に動作可能な可動子37aを備えた複数の物理センサ群を有している。これにより、カートリッジホルダ27にカートリッジ10等が装着された際に、上記検出孔24に対応する可動子37aは検出孔24内に挿入されるため動作せず、検出孔24に対応しない可動子37aはカートリッジ筐体70により下方に押され動作することから、どの可動子37aが動作するかに応じて検出孔24のパターンを検出し、上記テープ幅を取得する。
第1光学センサ51は、カートリッジ筐体70内におけるカバーフィルム用スプール12a(後述の図3参照)の有無をカートリッジ筐体70の外部より光学的に検出する光学センサである。後述する制御回路40(後述の図8参照)は、上記第1光学センサ51の検出結果に基づき、カートリッジ10等の種別を検出可能となっている。本実施形態では、カートリッジの種別として、後述の図3に示すカートリッジ10のような基材テープ16とこれに貼り合わされるカバーフィルム11を有するラミネートタイプと、後述の図4及び図5に示すカートリッジ10′,10″のような感熱テープ16′又はレセプタテープ16″を有するノンラミネートタイプがある。なお、詳細は後述するが、この第1光学センサ51は、センサ支持機構60によりカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に支持されている。
一方、カートリッジ10等は、全体が略直方体形状に形成された上記カートリッジ筐体70を有しており、このカートリッジ筐体70には上記印字ヘッド19を挿通するための表裏両面を貫通するヘッド挿通開口39が形成されている。またカートリッジ筐体70の上部70uには、操作者が基材テープ16のテープ残量を視認するための長孔形状の残量確認窓71が設けられている。またカートリッジ筐体70の下部70dには、カートリッジ筐体70の外部の上記第1光学センサ51により上記カバーフィルム用スプール12aの有無を光学的に検出するための検出孔72が設けられている(図2では図示せず。後述の図3乃至図5参照)。
図3を用いて、上記ラミネートタイプのカートリッジ10を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造について説明する。
図3において、カートリッジ10は、装置本体101内の凹所である上記カートリッジホルダ27に着脱可能に収納されている。また、カートリッジ10は、基材テープ16を巻回した基材テープロール17と、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12と、印字用のインクリボン13を繰り出すリボン供給側ロール14と、印字後のインクリボン13を巻取るリボン巻取りローラ15と、テープ送りローラ18とを有している。
基材テープロール17は、カートリッジ10の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納された基材テープ用スプール17aの周りに、上記基材テープ16を巻回している。
基材テープ16は、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり上記カバーフィルム11を貼り合わせるための粘着剤層16a、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等からなるテープ基材層16b、適宜の粘着剤からなる粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
剥離紙16dは、最終的に完成した印字ラベルLが所定の物品等の貼り付け対象物に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層16cにより当該貼り付け対象物に接着できるようにしたものである。
カバーフィルムロール12は、カートリッジ10の底面に立設されるボス96に回転可能に嵌挿されて収納されたカバーフィルム用スプール12aの周りに、この例では上記基材テープ16と略同じ幅であるカバーフィルム11を巻回している。
ボス96内におけるカートリッジ10の底面には、前述した検出孔72が設けられている。この検出孔72は、カバーフィルム用スプール12aの軸心に対応した位置に設けられ、第1光学センサ51を軸心方向に挿通可能に構成されている。また、ボス96にはカートリッジ10の長手方向(図3中左右方向)に一対のスリット96aがそれぞれ形成されている。これにより、第1光学センサ51は、検出孔72に挿通された状態で、上記軸心方向に対し略垂直な方向に検出光を出力し、上記スリット96aを介してカバーフィルム用スプール12aの内壁面に検出孔を到達させ、反射された反射光を入力することによりカバーフィルム用スプール12aが存在することを検出できるようになっている。
リボン供給側ロール14は、インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたスプールであるリボン供給側スプール14aの周りに、インクリボン13を巻回している。リボン巻取りローラ15は、インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたスプールであるリボン巻取りスプール15aを備えており、カートリッジホルダ27側の上記リボン巻取りローラ駆動軸31により駆動されることで、使用済みのインクリボン13を巻取り、リボン巻取りスプール15aに巻回する。
テープ送りローラ18は、カートリッジホルダ27側の上記テープ送りローラ駆動軸30により駆動されることで、上記基材テープ16と上記カバーフィルム11とを押圧し接着させ印字済みラベル用テープ23としつつ、図3中矢印Tで示す方向にテープ送りを行う。すなわち、テープ送りローラ18はテープ圧着ローラとしても機能する。
なお、上記リボン巻取りローラ15及びテープ送りローラ18は、それぞれカートリッジ10外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ33(後述の図8参照)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
また、カートリッジ10には、上記テープ送りローラ18と反対側の隅部(図3中右上隅部)に上述した検出孔24が形成されている。この検出孔24は、所定のパターンで複数個孔設されており、各パターンは、前述したように、カートリッジ10が収納する基材テープ16及びカバーフィルム11のテープ幅の情報を含んでいる。前述したカートリッジセンサ37(図2参照)は、上記のようにして各カートリッジ10のテープ幅によって互いに異なる検出孔24のパターンを検出し、これによってカートリッジ10のテープ幅を検出することができる。
一方、カートリッジホルダ27は、上記印字ヘッド19と、上記リボン巻取りローラ駆動軸31と、上記テープ送りローラ駆動軸30と、ローラホルダ22とを有している。印字ヘッド19は、多数の発熱素子を備えており、上記カバーフィルムロール12から繰り出されたカバーフィルム11の所定の印字領域に印字を行う。
テープ送りローラ駆動軸30は、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10のカバーフィルムロール12から繰り出されるカバーフィルム11と、基材テープロール17から繰り出される基材テープ16とを、上記テープ送りローラ18を駆動させることにより搬送する。
ローラホルダ22は、支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能とされている。このローラホルダ22には、プラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が回転可能に配設されており、ローラホルダ22が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が上記印字ヘッド19及びテープ送りローラ18に対し圧着されるようになっている。
さらに、カートリッジホルダ27には、カートリッジ10の排出口(図示せず)に隣接してカッタ28が配設されている。このカッタ28は、カッタ駆動ボタン38(後述の図8参照)が押されることにより作動し、印字済みラベル用テープ23を所定の長さに切断して、印字ラベルLを生成する。
上記構成において、カートリッジ10が上記カートリッジホルダ27に装着された後、テープ送りモータ33(後述の図8参照)の駆動力によってリボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30がそれぞれ同期して回転駆動される。テープ送りローラ駆動軸30の駆動に伴いテープ送りローラ18、プラテンローラ20、及びテープ圧接ローラ21が回転し、基材テープロール17から基材テープ16が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ18へ供給される。一方、カバーフィルムロール12からはカバーフィルム11が繰り出されると共に、印字ヘッド駆動回路32(後述の図8参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電される。このとき、インクリボン13が、上記印字ヘッド19に押圧されることで当該カバーフィルム11の裏面に接触させられる。この結果、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に、所望の印字が行われる。そして、上記基材テープ16と上記印字が終了したカバーフィルム11とがテープ送りローラ18及びテープ圧接ローラ21により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ23として形成され、上記排出口よりカートリッジ10外へと搬出される。そして、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23が切断され、所望の印字がされた印字ラベルLが生成される。
なお、上記基材テープ16が特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記基材テープ用スプール17aが第1スプールに相当し、上記基材テープロール17が第1テープロールに相当する。また、上記カバーフィルム11がフィルムテープに相当し、上記カバーフィルム用スプール12aが第2スプールに相当し、上記カバーフィルムロール12が第2テープロールに相当する。また、カートリッジ10が、テープカートリッジに相当する。
図4を用いて、上記感熱タイプのカートリッジ10′を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造について説明する。なお、この図4において、上記図3と同様の部分には同じ符号を付すと共に説明を省略し、図3と異なる部分のみ説明する。
図4において、カートリッジ10′は、感熱テープ16′が巻回された感熱テープロール17′を有している。このカートリッジ10′は、上記ラミネートタイプのカートリッジ10と異なり、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12や、リボン供給側ロール14及びリボン巻取りローラ15を有していない。感熱テープロール17′は、カートリッジ10′の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納された感熱テープ用スプール17a′の周りに上記感熱テープ16′を巻回している。
感熱テープ16′は、この例では3層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中左側)よりその反対側(図4中右側)へ向かって、表面に感熱記録層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るカバーフィルム16a′、適宜の粘着材からなる粘着層16b′、剥離紙16c′の順序で積層され構成されている。
また、上記カートリッジ10と同様に、ボス96内におけるカートリッジ10′の底面には、前述した検出孔72が設けられている。また、ボス96にはカートリッジ10′の長手方向(図4中左右方向)に一対のスリット96aがそれぞれ形成されている。これにより、上記第1光学センサ51は、検出孔72に挿通された状態で、上記スリット96aを介して検出光を出力し、反射光が入力されないことで、カバーフィルム用スプール12aが存在しないことを検出できるようになっている。
カートリッジ10′がカートリッジホルダ27に装着されローラホルダ25が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ16′が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ18とテープ圧接ローラ21との間に狭持される。そして、テープ送りローラ18、テープ圧接ローラ21、及びプラテンローラ20が同期して回転し、感熱テープロール17′から感熱テープ16′が繰り出される。
この繰り出された感熱テープ16′は、カートリッジ底面に立設されたリールボス91に回転可能に嵌挿された略円筒状のリール92にガイドされつつ、上記ヘッド挿通開口39より搬送方向下流側の印字ヘッド19へと供給される。印字ヘッド19は、その複数の発熱素子が上記印字ヘッド駆動回路32(後述の図6参照)により通電され、これにより感熱テープ16′のカバーフィルム16a′の表面に印字Rが印刷され、印字済みラベル用テープ23′として形成された後、カートリッジ10′外へと搬出される。その後、カッタ28により切断され、所望の印字がされた印字ラベルLが生成される。
なお、上記感熱テープ16′が、特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記感熱テープ用スプール17a′が第1スプールに相当し、上記感熱テープロール17′が、第1テープロールに相当する。また、カートリッジ10′が、テープカートリッジに相当する。
なお、上記においては、ラベル作成用テープとして感熱テープを用いることで特にインクリボン等を用いることなく印字ヘッド19の発熱のみによって印字を行ったが、通常のインクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。
図5を用いて、そのようなレセプタタイプのカートリッジ10″を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造を説明する。なお、この図5において、上記図3及び図4と同様の部分には同じ符号を付すと共に説明を省略し、図3及び図4と異なる部分のみ説明する。
図5において、カートリッジ10″は、レセプタテープ16″が巻回されたレセプタテープロール17″を有している。このカートリッジ10″は、上記感熱タイプのカートリッジ10′と異なり、リボン供給側ロール14及びリボン巻取りローラ15を有しているが、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12は同様に有していない。レセプタテープロール17″は、カートリッジ10″の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納されたレセプタテープ用スプール17a″の周りに上記レセプタテープ16″を巻回している。
レセプタテープ16″は、この例では3層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中左側)よりその反対側(図5中右側)へ向かって、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム16a″、適宜の粘着材からなる粘着層16b″、剥離紙16c″の順序で積層され構成されている。
また、上記カートリッジ10と同様に、ボス96内におけるカートリッジ10″の底面には、前述した検出孔72が設けられている。また、ボス96にはカートリッジ10″の長手方向(図5中左右方向)に一対のスリット96aがそれぞれ形成されている。これにより、上記第1光学センサ51は、検出孔72に挿通された状態で、上記スリット96aを介して検出光を出力し、反射光が入力されないことで、カバーフィルム用スプール12aが存在しないことを検出できるようになっている。
カートリッジ10″がカートリッジホルダ27に装着されローラホルダ22が離反位置から当接位置に移動されると、レセプタテープ16″及びインクリボン13が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ18とテープ圧接ローラ21との間に狭持される。そして、テープ送りローラ18、テープ圧接ローラ21、及びプラテンローラ20が同期して回転し、レセプタテープロール17″からレセプタテープ16″が繰り出される。
一方このとき、印字ヘッド駆動回路32(後述の図8参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電され、レセプタテープ16″のベースフィルム16a″の表面に印字Rが印刷され、印字済みラベル用テープ23″として形成された後、カートリッジ10″外へと搬出される。その後、カッタ28により切断され、所望の印字がされた印字ラベルLが生成される。
なお、上記レセプタテープ16″が、特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記レセプタテープ用スプール17a″が第1スプールに相当し、上記レセプタテープロール17″が、テープロールに相当する。また、カートリッジ10″が、テープカートリッジに相当する。
図6を用いて、上述したセンサ支持機構60の全体構造を説明する。なお、図6(a)は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着されていない状態、図6(b)は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された状態を表している。
センサ支持機構60は、カートリッジホルダ27の底面27bにおける上記カートリッジ筐体70の検出孔72に対応する位置に設けられている。このセンサ支持機構60は、カートリッジホルダ27の底面27bの上方に露出可能に設けられた中空円柱状のセンサ支持部61を有している。
センサ支持部61は、その上端部に隆起部63を有しており、この隆起部63の内部に上記第1光学センサ51を設けている。隆起部63の付け根部分の外周面はテーパ状に形成されており、上記カートリッジ筐体70の検出孔72に係合可能な構成となっている(後述の図7参照)。隆起部63の側部にはセンサ用開口63aが形成されており、反射型センサである第1光学センサ51が入出力する検出光を透過する。
センサ支持部61の内部には、上記第1光学センサ51と隔壁64により隔てられたバネ収納室65が設けられている。このバネ収納室65の周壁部65aは、カートリッジホルダ27の底面27bに形成された円形状のスリット27cに挿入されており、これによりセンサ支持機構60は、底面27bがバネ収納室65内において移動可能な上下方向の範囲内で、第1光学センサ51をカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に支持する。またバネ収納室65には、上端部が上記隔壁64に接触すると共に下端部がカートリッジホルダ27の底面27bに接触したバネ66が収納されている。
上記構成において、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着されていない状態では、センサ支持部61がカートリッジ筐体70により下方に押圧されないため、図6(a)に示すように、バネ66の付勢力によってセンサ支持部61がカートリッジホルダ27の底面27bより上方に大きく突出し、第1光学センサ51は比較的上方に位置するように支持されている。この位置は、カートリッジホルダ27に装着可能なカートリッジ10等のうち最もテープ幅の小さいカートリッジ、言い換えれば、最も厚みが小さいカートリッジ筐体70が装着された場合でも、センサ支持部61の上端部がカートリッジ筐体70に接触するような位置に設定されている。
カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された状態においては、図6(b)に示すように、センサ支持部61がカートリッジ筐体70により下方に押圧され、センサ支持部61はバネ66の付勢力に抗して下方に移動する。その後、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27より取り外されると、バネ66の付勢力によりセンサ支持部61及び被検出部62は上方に移動し、図6(a)に示す状態に戻る。
以上のようなセンサ支持機構60の構成により、テープ幅が異なる(すなわちカートリッジ筐体70の厚みが異なる)カートリッジ10等をカートリッジホルダ27に装着した場合でも、第1光学センサ51をカートリッジ筐体70に常に接触させて検出孔72に挿通させることが可能となっている。
なお、上記第1光学センサ51が、特許請求の範囲に記載の光学検出手段に相当し、センサ支持機構60が、センサ支持手段に相当する。
図7を用いて、カートリッジ筐体70の検出孔72近傍の構造を説明する。なお、この図7では、煩雑防止のため前述したボス96の図示を省略している。
図7に示すように、上記第1光学センサ51は、発光部(図示せず)及び受光部(図示せず)を有しており、発光部から出力され上記カバーフィルム用スプール12aの内壁面で反射された検出光を受光部で検出する反射型のセンサである。なお、図7では検出光の入出力方向を異なるように図示しているが、実際には第1光学センサ51はカバーフィルム用スプール12aの軸心Xに対し略垂直な方向に検出光を入出力する。また、カートリッジ筐体70は、上記検出孔72の周囲に、上述したカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に構成された第1光学センサ51と接触する接触部76を有している。詳細には、接触部76は、上述したセンサ支持機構60のセンサ支持部61の上端部に接触する。この接触部76は、カートリッジ筐体70の表面に対し凹状に形成された凹部78の底部として構成されており、接触部76がセンサ支持部61の上端部に接触した状態において、第1光学センサ51を確実にカバーフィルム用スプール12aの内部に位置させることができるようになっている。
また、一般に反射型の光学センサを用いる場合には、当該センサと検出物との距離を焦点距離に対応した一定の距離とする必要がある。本実施形態では、検出孔72が、センサ支持部61の上端部に設けた上記隆起部63の付け根部分の外周面に係合可能なテーパ部72aを内周面に有している。これにより、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された際に、センサ支持機構60の上端部に設けた隆起部63がカートリッジ筐体70の検出孔72に挿入されつつ係合し、第1光学センサ51とカバーフィルム用スプール12aの内壁面とがセンサ51の焦点距離に対応した一定の距離となるように、第1光学センサ51の位置決めを行うことができるようになっている。
図8を用いて、ラベル作成装置100の機能構成を説明する。
図8において、ラベル作成装置100の制御基板(図示せず)上には、制御回路40が配置されている。制御回路40にはCPU44が設けられており、このCPU44に、データバス42を介し、入出力インターフェース41、ROM46、フラッシュメモリ(EEPROM)47、RAM48、及び通信用インターフェース(通信用I/F)43Tが接続されている。
ROM46には、後述の印字バッファ48Bのデータを読み出して上記印字ヘッド19や後述のテープ送りモータ33を駆動する印字駆動制御プログラム、印字が終了した場合に印字済みラベル用テープ23を切断位置までテープ送りモータ33を駆動して搬送し、後述のソレノイド35を駆動して印字済みラベル用テープ23を切断する切断駆動制御プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU44は、このようなROM46に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM48は、CPU44により演算された各種の演算結果等を一時的に記憶する。このRAM48には、テキストメモリ48A、印字バッファ48B、各種演算データ等を格納するワークメモリ48C等が設けられている。テキストメモリ48Aには、文書データ等の印字用データが格納される。
通信用I/F43Tは、操作端末400との間で上記通信回線NWを介してネットワーク通信を行う。また入出力インターフェース41には、上記印字ヘッド19を駆動するための印字ヘッド駆動回路32と、テープ送りモータ駆動回路34と、ソレノイド駆動回路36と、上記カートリッジセンサ37と、カッタ駆動ボタン38と、第1光学センサ51とが接続されている。
テープ送りモータ駆動回路34は、テープ送りモータ33を駆動することにより、前述のテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31を駆動し、基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23の搬送を行う。ソレノイド駆動回路36は、上記カッタ28を駆動して切断動作を行わせるソレノイド35を駆動する。カッタ駆動ボタン38は、上記カッタ28を操作者が手動で操作して印字ラベルLを所望の長さとするためのものである。
カートリッジセンサ37からは、上述したカートリッジ10等に形成された検出孔24の検出結果が入力され、CPU44は、当該検出結果に基づきカートリッジ10等のテープ幅を検出する。第1光学センサ51からは、上述したカバーフィルム用スプール12aの有無が入力され、CPU44は、当該検出結果に基づき装着されたカートリッジ10等の種別、すなわち当該カートリッジが前述したラミネートタイプであるかノンラミネートタイプであるかを検出する。
図8に示す制御回路40を核とする制御系において、操作端末400から通信回線NWを介して、ラベル作成装置100に印字用データが入力された場合、その印字用データがテキストメモリ48Aに順次記憶される。そして、その記憶された印字用データは再び読み出され、制御回路40の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、印字バッファ48Bに記憶される。また、印字ヘッド19が印字ヘッド駆動回路32を介して駆動され、上記各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ48Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期してテープ送りモータ33がテープ送りモータ駆動回路34を介して上記カバーフィルム11等の搬送制御を行い、最終的に印字ラベルLを作成する。
図9(a)、図9(b)、及び図10を用いて、上記のようにしてラベル作成装置100により作成された印字ラベルLの外観及び構造について説明する。
これら図9(a)、図9(b)、及び図10において、印字ラベルLは、前述の図3に示した基材テープ16にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面(図10中上側)よりその反対側(図10中下側)へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16a、テープ基材層16b、粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
また、カバーフィルム11の裏面には、操作者により操作端末400の操作部402を介し入力された印字用データに対応した内容の印字R(この例では「名古屋太郎」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
次に、図11を用いて、ラベル作成装置100の制御回路40によって実行される制御内容を説明する。
図11において、例えば操作者によりラベル作成装置100の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まずステップS10で、制御回路40は、カートリッジセンサ37に制御信号を出力し、上記カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のテープ幅を検出し、当該検出結果を例えばRAM48に記憶する。このとき、カートリッジが未装着の場合にはその旨の情報を検出する。なお、制御回路40がカートリッジセンサ37の検出結果を常時入力していて、このタイミングでRAM48に記憶するようにしてもよい。
次にステップS20で、制御回路40は、第1光学センサ51に制御信号を出力し、上記カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等の種別を検出し、当該検出結果を例えばRAM48に記憶する。なお、制御回路40が第1光学センサ51の検出結果を常時入力していて、このタイミングでRAM48に記憶するようにしてもよい。
そして、ステップS30で、制御回路40は、操作端末400から出力された作成指示信号を通信回線NWを介して入力したかどうかを判定する。作成指示信号を操作端末400から入力するまで判定が満たされず、ループ待機し、作成指示信号を操作端末400から入力したら、判定が満たされて、当該作成指示信号に含まれる印字用データをテキストメモリ48Aに格納し、ステップS40に移る。
ステップS40では、制御回路40は、上記ステップS20の検出結果をRAM48から読み出し、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等の種別がラミネートタイプであるか否かを判定する。ラミネートタイプである場合には、判定が満たされてステップS50に移る。
ステップS50では、制御回路40は、上記ステップS20でテキストメモリ48Aに格納した印字用データを読み出して例えば所定の変換を行い、カバーフィルム11等への印字内容に対応したドットパターンデータ(=印字駆動データ)を生成する。このとき、ラミネートタイプのカートリッジ10を用いた場合には、前述の図3に示すように、最終的に完成した印字ラベルLの表面側と反対側となるカバーフィルム11の裏面側に印字が行われるため、このデータは鏡像として生成される。そして、印字バッファ48Bに記憶させる。
一方、上記ステップS40において、カートリッジ10等の種別がノンラミネートタイプである場合には、判定が満たされずにステップS60に移る。
ステップS60では、制御回路40は、上記ステップS20でテキストメモリ48Aに格納した印字用データを読み出して例えば所定の変換を行い、カバーフィルム11等への印字内容に対応したドットパターンデータ(=印字駆動データ)を生成する。このとき、ノンラミネートタイプのカートリッジ10を用いた場合には、前述の図4及び図5に示すように、最終的に完成した印字ラベルLの表面側と同じ側となる感熱テープ16′及びレセプタテープ16″の表面側に印字が行われるため、このデータは正像として生成される。そして、印字バッファ48Bに記憶させる。
その後、ステップS100で、制御回路40は、所望の印字がされた印字ラベルLを作成するラベル作成処理(詳細手順は後述の図12参照)を実行する。そして、このフローを終了する。
以上説明した図11において、ステップS40、ステップS50、及びステップS60が、特許請求の範囲に記載の印字制御手段として機能する。
図12を用いて、上記図11のステップS100の詳細手順を説明する。この図12では、ラミネートタイプのカートリッジ10を用いて印字ラベルLを作成する場合を一例として説明する。
まずステップS110で、制御回路40は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によりテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻き取りローラ駆動軸31を駆動する。これによって、基材テープロール17からの基材テープ16の繰り出しと、カバーフィルムロール12からのカバーフィルム11の繰り出しとを開始し、これら基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23(以下、単に「基材テープ16等」と総称する)の搬送を開始する。
その後、ステップS120で、制御回路40は、基材テープ16等が所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、カバーフィルム11に備えられた印字領域の先端が、印字ヘッド19がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離である。この搬送距離判定は、例えば基材テープ16に設けたマーキングを公知のテープセンサ(図示せず)で検出することにより行えば足りる。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら、判定が満たされてステップS130に移る。
ステップS130では、制御回路40は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19に、カバーフィルム11の印字領域に対し、印字駆動データに対応した印字を開始させる。
そして、ステップS140で、制御回路40は、カバーフィルム11の上記印字領域に対する印字が全て完了しているか否かを判定する。印字が全て完了するまで判定が満たされず、ループ待機し、印字が全て完了したら判定が満たされて、ステップS150に移る。
ステップS150では、制御回路40は、基材テープ16等がさらに所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、印字領域の全てがカッタ28を所定の長さ分越えるだけの搬送距離である。このときの搬送距離判定も例えば上記ステップS120と同様にすれば足りる。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら判定が満たされてステップS160に移る。
ステップS160では、制御回路40は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によるテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31の駆動を停止し、基材テープロール17及びカバーフィルムロール12からの基材テープ16及びカバーフィルム11の繰り出し、及び、基材テープ16等の搬送を停止する。
その後、ステップS170で、制御回路40は、操作者により上記カッタ駆動ボタン38が手動操作されたか否かを判定する。カッタ駆動ボタン38が手動操作されるまで判定が満たされず、ループして待機し、カッタ駆動ボタン38が手動操作されたら、判定が満たされてステップS180に移る。
そして、ステップS180で、制御回路40は、ソレノイド駆動回路36に制御信号を出力し、ソレノイド35を駆動し、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23の切断を行う。前述したように、この時点で上記印字領域を含む印字済みラベル用テープ23の全てがカッタ28を十分に越えており、このカッタ28の切断によって、印字駆動データに対応した印字が行われた印字ラベルLが生成される。
その後、ステップS190で、制御回路40は、別途設けた排出用ローラ(図示せず)を駆動する排出用モータ(図示せず)に制御信号を出力し、上記ステップS180でラベル状に生成された印字ラベルLを装置外へと排出する。なお、排出用モータがなくても手動操作で印字ラベルLを装置外へ排出できる場合には、このステップS190を省略してもよい。その後、このルーチンを終了する。
以上において、ラベル作成装置100と各カートリッジ10,10′,10″とが、特許請求の範囲に記載のラベル作成装置体を構成する。
以上説明した実施形態においては、ラベル作成装置100は、印字を行った透明素材のカバーフィルム11を基材テープ16に対し貼り合わせて作成するいわゆるラミネートタイプの印字ラベルLと、感熱テープ16′やレセプタテープ16″に直接印字を行って作成するいわゆるノンラミネートタイプの印字ラベルLとを作成することが可能である。
ここで、上記ラミネートタイプの印字ラベルLを作成する場合には、図3に示すように、カートリッジ筐体70内にカバーフィルム11をカバーフィルム用スプール12aに巻回したカバーフィルムロール12を有するラミネート用のカートリッジ10がカートリッジホルダ27に装着される。一方、上記ノンラミネートタイプの印字ラベルLを作成する場合には、図4及び図5に示すように、カートリッジ筐体70内にカバーフィルムロール12を有しないノンラミネート用のカートリッジ10′,10″がカートリッジホルダ27に装着される。このように、カートリッジがラミネート用であるかノンラミネート用であるかにより、図11のステップS40〜ステップS60に示すように、印字制御を鏡像又は正像に切り換える必要があるため、ラベル作成装置100側ではカートリッジホルダ27に装着されたカートリッジの種別を検出する必要がある。
本実施形態においては、カートリッジ10等のカートリッジ筐体70に、当該カートリッジ筐体70の外部の第1光学センサ51によりカバーフィルム11が巻回されるカバーフィルム用スプール12aの有無を光学的に検出するための検出孔72を設ける。これにより、第1光学センサ51でカバーフィルム用スプール12aが有ると検出した場合には、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジがラミネート用のカートリッジ10であり、第1光学センサ51でカバーフィルム用スプール12aが無いと検出した場合には、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジがノンラミネート用のカートリッジ10′,10″であると判断することができる。
このように、第1光学センサ51でカートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等の種別を検出できるようにすることで、カートリッジの種別やテープ幅をカートリッジホルダ27に設けた複数の物理センサ群からなる機械式のカートリッジセンサ37で検出する場合に比べ、当該カートリッジセンサ37でテープ幅のみを検出すればよくなるため、物理センサの数を少なくすることができ、カートリッジセンサ37の構造を簡素化することができる。また、カートリッジがラミネート用であるか否かの判断を、カバーフィルム11が巻回されるカバーフィルム用スプール12aの有無で行うので、欠品(例えばラミネートタイプのカートリッジ10であるのにカバーフィルム用スプール12aが欠品している場合)の検出や、カートリッジ筐体70の成形ミス若しくは筐体部品の間違い等(例えばノンラミネートタイプのカートリッジ10′,10″であるのにカートリッジ筐体70がラミネートタイプとなっている場合)についても検出することができる。
また、本実施形態では特に、第1光学センサ51がカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に構成されており、カートリッジ筐体70が当該第1光学センサ51と接触する接触部76を検出孔72の周囲に有している。これにより、テープ幅が異なる(すなわちカートリッジ筐体の厚みが異なる)カートリッジ10等をカートリッジホルダ27に装着した場合でも、第1光学センサ51がカートリッジホルダ27に対し進退することで、第1光学センサ51をカートリッジ筐体70に設けた接触部76に常に接触させることができる。また、検出孔72は第1光学センサ51を挿通可能であり、且つ、この検出孔72に挿通された第1光学センサ51とカバーフィルム用スプール12aの内壁面との距離が一定となるように構成されているので、第1光学センサ51とカバーフィルム用スプール12aとの距離を一定に保持することができる。その結果、テープ幅や種別の異なるカートリッジ10等を用いる場合でも、カバーフィルム用スプール12aの有無を精度良く検出することができる。
また、本実施形態では特に、第1光学センサ51をカートリッジ筐体70の検出孔72に挿通する構成とする。これにより、カートリッジ筐体70の内部に挿入した第1光学センサ51の検出光を確実にカバーフィルム用スプール12aに到達させることができる。また、検出孔72がカバーフィルム用スプール12aの軸心に対応した位置に設けられており、第1光学センサ51は当該検出孔72に挿通された状態でカバーフィルム用スプール12aの軸心方向に対し垂直な方向に検出光を入出力する。これにより、検出孔72に挿通された状態において、第1光学センサ51の検出光をカバーフィルム用スプール12aの内壁面に対し垂直に入出力することができるので、カバーフィルム用スプール12aの有無を精度良く検出することができる。
また、本実施形態では特に、第1光学センサ51を検出孔72に挿通させる際、検出孔72の内周面に設けたテーパ部72aが第1光学センサ51を備えた隆起部63の外周面に係合する。これにより、第1光学センサ51とカバーフィルム用スプール12aの内壁面とが一定の距離となるように、第1光学センサ51の位置決めを行うことができる。したがって、カバーフィルム用スプール12aの有無を確実に検出することができる。また、単に検出孔72を第1光学センサ51に係合可能な孔構造とするのではなく、テーパ形状とすることにより、第1光学センサ51を検出孔72に誘導し、係合し易くする効果もある。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)第1光学センサ51の進退位置を検出する場合
第1光学センサ51の進退位置を検出することにより、カートリッジ10等のテープ幅を検出可能な構成としてもよい。
図13を用いて、本変形例のセンサ支持機構60′の全体構造を説明する。なお、この図13において、前述の図6と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
センサ支持機構60′は、前述したセンサ支持部61と、カートリッジホルダ27の底面27bの下方に設けられた板状の被検出部62とを有している。これらセンサ支持部61と被検出部62とは、一体として構成されている。センサ支持部61の構成は、前述の実施形態の図6に示す構成と同様である。
被検出部62には、センサ支持機構60′の軸線Yに沿って複数の検出孔67が形成されている。各検出孔67はそれぞれ開口面積が異なっており、それぞれがカートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のテープ幅に対応している。例えば図13に示す例では、検出孔67a,67b,67c,67d,67e,67fはそれぞれテープ幅36mm,24mm,18mm,12mm,9mm,6mmに対応している。
センサ支持機構60の下方には、上記軸線Yに対応する位置に第2光学センサ52が支持部材68により設けられている。この第2光学センサ52は、上記被検出部62の一方側及び他方側にそれぞれ配置された発光部52a及び受光部52b(図13では受光部52bのみを図示)を有する透過型の光学センサであり、発光部52aが出力した検出光を上記各検出孔67に対し垂直方向(図13中紙面に垂直方向)に透過させて受光部52bに入力する。これにより、制御回路40は、上記第2光学センサ52から出力された受光部52bでの受光量に基づき、どの検出孔67が第2光学センサ52に正対しているかを検出可能となっている。その結果、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のカートリッジ筐体70に接触した状態における第1光学センサ51の進退位置を検出することができる。
上記構成において、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された状態においては、前述の図6(b)に示すように、センサ支持部61がカートリッジ筐体70により下方に押圧される。その結果、センサ支持部61及び被検出部62はバネ66の付勢力に抗して下方に移動する。このとき、カートリッジ10等のカートリッジ筐体70は、内部に収納したテープ幅に応じて厚みが異なるように形成されていることから、センサ支持部61及び被検出部62の下方への移動量はテープ幅に応じたものとなる。したがって、上記制御回路40は、上述した検出孔67a〜67fのうちどの検出孔が第2光学センサ52に正対しているかを検出することで、カートリッジ10等のテープ幅を検出可能となっている。なお、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27より取り外されると、バネ66の付勢力によりセンサ支持部61及び被検出部62は上方に移動し、図13に示す状態に戻る。このとき、第2光学センサ52の検出光は被検出部62のどの検出孔も存在しない部分によって遮断される。よって、受光部52bでの受光量が0(あるいは所定量より少ない)である場合は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に未装着の状態であるとして検出することが可能となっている。
なお、上記第2光学センサ52が、センサ位置検出手段に相当する。
なお、このように第2光学センサ52を用いてカートリッジ10等のテープ幅を検出する場合、以下のような問題が生じうる。すなわち、一般に、カートリッジ10等のカートリッジ筐体70は、内部に収納したテープ幅に応じてその厚みが異なるように形成されているが、テープ幅が比較的小さい範囲(例えばテープ幅が6mm、9mm、12mm程度)においては、製造上の都合等により複数のテープ幅に対して同一の厚みとなるように形成される場合がある。この場合、テープ幅が異なってもカートリッジ筐体70の厚みが同一であるため、テープ幅を正確に検出できなくなるおそれがある。
この場合、図14(b)及び図14(c)に示すように、そのようなテープ幅は異なるが同一の厚みに形成されたカートリッジ筐体70の接触部76を、カートリッジ筐体70の表面に対しテープ幅に応じた所定の距離だけ凹凸させた段差部77として構成すればよい。図14(b)及び図14(c)に示す例では、前述した凹部78の底部に対し凸状に段差部77を形成し、その下端部を接触部76として構成している。なお、図14(a)は前述の図7と同様、段差部77を形成していない場合の接触部76であり、図14(b)及び図14(c)と比較するために図示している。
例えば図14に示す例では、上述した図14(a)がテープ幅12mm、18mm、24mmに、図14(b)がテープ幅9mmに、図14(c)がテープ幅6mmにそれぞれ対応している。これにより、テープ幅が24mm、18mm、12mm等の比較的大きい範囲では、テープ幅に応じてカートリッジ筐体70の厚みが異なるように形成されているため、図14(a)に示す構造で対応し、テープ幅が6mm、9mm等の比較的小さい範囲では、図14(b)及び図14(c)に示すようにテープ幅に応じた高さの段差部77を設け、当該段差部77の下端部に位置する接触部76をセンサ支持部61の上端部に接触させることにより、テープ幅を正確に検出することが可能である。
なお、上述した図14に示す例では段差部77を凹部78の底部に対し凸状に形成したが、例えば凹部78の深さ自体を調整することで段差部を構成してもよい。
図15を用いて、本変形例のラベル作成装置100の機能構成を説明する。なお、この図15において、前述の図8と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本変形例においては、入出力インターフェース41に、第2光学センサ52が接続されている。第2光学センサ52からは、上述した受光部52bでの受光量が入力され、CPU44は、当該受光量に基づきカートリッジ10等のテープ幅を検出する。
以上の変形例においては、センサ支持機構60′によりカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に支持された第1光学センサ51が、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のカートリッジ筐体70に接触した状態において、第2光学センサ52が当該第1光学センサ51の進退位置を検出する。当該進退位置は、カートリッジ筐体70の厚み(テープ幅)に応じて定まるため、当該検出結果に基づいてテープ幅を検出することができる。これにより、複数の物理センサ群からなる機械式のカートリッジセンサ37が不要となる。
また、本変形例においては、接触部76が、カートリッジ筐体70の表面に対し、テープ幅に応じた所定の距離だけ凹凸させた段差部77として構成されている。これにより、テープ幅は異なるが厚みが同一に形成されたカートリッジ筐体70に対しても、接触部76がテープ幅に応じて所定の距離だけ凹凸しているので、カートリッジ筐体70の接触部76に接触した状態の第1光学センサ51の進退位置をラベル作成装置100側で検出することで、当該検出結果に基づいてテープ幅を正確に検出することができる。
(2)その他
以上においては、印刷の終了した印字済みラベル用テープ23をカッタ28で切断して印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ28で切断しなくても、テープがテープ排出口104から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印刷がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
なお、以上において、図8、図15に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図11、図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。