以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1実施形態を図1〜図17により説明する。
図1を用いて、本実施形態のラベル作成システムのシステム構成を説明する。図1において、ラベル作成システムLSは、所望の印字がされた印字ラベルLB1(後述の図9も参照)を作成可能な、ラベル作成装置100と、上記ラベル作成装置100を操作するための操作端末400とを有している。ラベル作成装置100と操作端末400とは、有線あるいは無線による通信回線NWを介して情報送受信可能に接続されている。
ラベル作成装置100は、当該ラベル作成装置100の外郭を構成する、全体的に直方体状の装置筐体101sを備えた装置本体101を有している。装置本体101の上面部には、開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋102が設けられている。装置本体101の前面部には、テープ排出口104が設けられている。このテープ排出口104は、作成された印字済みラベル用テープ23等(後述の図3乃至図5参照)を排出するための排出口である。
操作端末400は、一般に市販されている汎用パーソナルコンピュータであり、液晶ディスプレイ等の表示部401と、キーボードやマウス等の操作部402とを有している。なお、上記表示部401が、特許請求の範囲に記載の表示手段に相当する。
図2を用いて、ラベル作成装置100の開閉蓋102を開いた状態における装置本体101の内部のカートリッジホルダ及びそれに装着させるカートリッジの外観構成を説明する。なお、この図2では、図示の煩雑を避けるため上方に開いた状態の開閉蓋102の図示は省略している。
図2において、ラベル作成装置100の装置本体101内部には、ロールホルダとして機能するカートリッジホルダ27と、印字ヘッド19と、テープ送りローラ駆動軸30と、リボン巻取りローラ駆動軸31と、カートリッジセンサ37と、第1光学センサ51が設けられている。
カートリッジホルダ27は、収納するテープの種類(言い換えればロールの種類。以下同様)が互いに異なる複数種類のカートリッジ10,10′,10″を選択的に着脱可能となっている。カートリッジ10は、印字ラベルLB1を作成するための基材テープ16を巻回した基材テープロール17を有するカートリッジである(後述の図3参照)。またカートリッジ10′は、印字ラベルLB1を作成するための感熱テープ16′を巻回した感熱テープロール17′を有するカートリッジである(後述の図4参照)。またカートリッジ10″は、印字ラベルLB1を作成するためのレセプタテープ16″を巻回したレセプタテープロール17″を有するカートリッジである(後述の図5参照)。さらに、カートリッジホルダ27は、上記テープの種類(言い換えればロールの種類)が異なる各カートリッジ10,10′,10″において、収納するテープ幅が異なる複数種類のカートリッジ(言い換えれば複数種類のロール)を選択的に着脱可能である。なお、上記のテープ種類以外のカートリッジを用いてもよい。
なお、以下では、上記カートリッジ10,10′,10″を総称する場合には「カートリッジ10等」と記載し、また基材テープ16、感熱テープ16′、レセプタテープ16″を総称する場合には「ラベル作成用テープ16,16′,16″」と記載し、基材テープロール17、感熱テープロール17′、レセプタテープロール17″を総称する場合には「テープロール17,17′,17″」と記載する。
印字ヘッド19は、上記テープ送りローラ駆動軸30等により搬送されるカバーフィルム11等に対し所望の印字を行う。テープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31は、使用済みインクリボン13及び印字済みラベル用テープ23(ともに後述の図3参照)の搬送駆動力をそれぞれ与える駆動軸であり、互いに連動して回転駆動される。
カートリッジセンサ37は、カートリッジ10等の装着時に、装着されたカートリッジ10等に形成された被検出部24(後述の図3乃至図5参照)を機械式に検出することで、間接的に当該カートリッジ10等の種別情報を検出する。上述したように、本実施形態では、カートリッジの種別(言い換えればロールの種別)として、後述の図3に示すカートリッジ10のような基材テープ16とこれに貼り合わされるカバーフィルム11(被印字テープ)を有するラミネートタイプ、後述の図4に示すカートリッジ10′のような感熱テープ16′を有する感熱タイプ、後述の図5に示すカートリッジ10″のようなレセプタテープ16″を有するレセプタタイプがある。
第1光学センサ51は、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のカートリッジ筐体70内に上記基材テープロール17と同じ角速度で回転するように設けられた被検出体74(後述の図3参照)の周方向に所定間隔で形成された複数の検出子75(後述の図3参照)を、カートリッジ筐体70の外部より光学的に検出する光学センサである。後述する制御回路40(後述の図8参照)は、上記第1光学センサ51からのパルス出力に基づき、基材テープロール17の角速度を検出可能となっている。なお、詳細は後述するが、この第1光学センサ51は、センサ支持機構60によりカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に支持されている。
一方、カートリッジ10等は、全体が略直方体形状に形成された上記カートリッジ筐体70を有しており、このカートリッジ筐体70には上記印字ヘッド19を挿通するための表裏両面を貫通するヘッド挿通開口39が形成されている。またカートリッジ筐体70の上部70uには、操作者が基材テープ16のテープ残量を視認するための長孔形状の残量確認窓71が設けられている。またカートリッジ筐体70の下部70dには、上記第1光学センサ51からの検出光を透過させる透過孔72が設けられている(図2では図示せず。後述の図3参照)。
図3を用いて、上記ラミネートタイプのカートリッジ10を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造について説明する。
図3において、カートリッジ10は、装置本体101内の凹所である上記カートリッジホルダ27に着脱可能に収納されている。また、カートリッジ10は、基材テープ16を巻回した基材テープロール17と、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12と、印字用のインクリボン13を繰り出すリボン供給側ロール14と、印字後のインクリボン13を巻取るリボン巻取りローラ15と、テープ送りローラ18とを有している。
基材テープロール17は、カートリッジ10の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納された、基材テープ用スプール17a(巻芯)の周りに、上記基材テープ16を巻回している。
基材テープ16は、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり上記カバーフィルム11を貼り合わせるための粘着剤層16a、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等からなるテープ基材層16b、適宜の粘着剤からなる粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
剥離紙16dは、最終的に完成した印字ラベルLB1が所定の物品等の貼り付け対象物に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層16cにより当該貼り付け対象物に接着できるようにしたものである。
カバーフィルムロール12は、カートリッジ10の底面に立設されるボス96に回転可能に嵌挿されて収納されたカバーフィルム用スプール12aの周りに、この例では上記基材テープ16と略同じ幅であるカバーフィルム11を巻回している。
リボン供給側ロール14は、インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたリボン供給側スプール14aの周りに、インクリボン13を巻回している。リボン巻取りローラ15は、インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたリボン巻取りスプール15aを備えており、カートリッジホルダ27側の上記リボン巻取りローラ駆動軸31により駆動されることで、使用済みのインクリボン13を、リボン巻取りスプール15aに巻取る。
テープ送りローラ18は、カートリッジホルダ27側の上記テープ送りローラ駆動軸30により駆動されることで、上記基材テープ16と上記カバーフィルム11とを押圧し接着させ印字済みラベル用テープ23としつつ、図3中矢印Tで示す方向にテープ送りを行う。すなわち、テープ送りローラ18はテープ圧着ローラとしても機能する。
なお、上記リボン巻取りローラ15及びテープ送りローラ18は、それぞれカートリッジ10外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ33(後述の図8参照)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
また、カートリッジ10には、上記テープ送りローラ18と反対側の隅部(図3中右上隅部)に被検出部24が形成されている。この被検出部24には、所定のパターンで複数個のスイッチ孔が孔設されており、各パターンは、前述したように、カートリッジ10の種類や、基材テープ16のテープ厚み、上記基材テープロール17の内周径等を含むカートリッジ種別情報を含んでいる。前述したカートリッジセンサ37(図2参照)は、上記のようにして各カートリッジ10の種別によって互いに異なるスイッチ孔のパターンを検出し、これによってカートリッジ10の種別(言い換えればロールの種別)を検出することができる。
一方、カートリッジホルダ27は、上記印字ヘッド19と、上記リボン巻取りローラ駆動軸31と、上記テープ送りローラ駆動軸30と、ローラホルダ22とを有している。印字ヘッド19は、多数の発熱素子を備えており、上記カバーフィルムロール12から繰り出されたカバーフィルム11の所定の印字領域に印字を行う。
テープ送りローラ駆動軸30は、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10のカバーフィルムロール12から繰り出されるカバーフィルム11と、基材テープロール17から繰り出される基材テープ16とを、上記テープ送りローラ18を駆動させることにより搬送する。すなわち、テープ送りローラ駆動軸30は、搬送手段に相当している。
ローラホルダ22は、支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能とされている。このローラホルダ22には、プラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が回転可能に配設されており、ローラホルダ22が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が上記印字ヘッド19及びテープ送りローラ18に対し圧着されるようになっている。
さらに、カートリッジホルダ27には、カートリッジ10の排出口(図示せず)に隣接してカッタ28が配設されている。このカッタ28は、カッタ駆動ボタン38(後述の図8参照)が押されることにより作動し、印字済みラベル用テープ23を所定の長さに切断して、印字ラベルLB1を生成する。
また、上記基材テープ用スプール17aの軸方向(図3中紙面垂直方向)両端側には、基材テープロール17の幅方向(図3中紙面垂直方向)両端部に接触するように、基材テープ16の粘着剤のはみ出しによる不具合を防止するための円環状のフィルム部材73,74がそれぞれ設けられている。これらのうち、カートリッジ10をカートリッジホルダ27へ装着した際に下方側となるフィルム部材74(図3参照)には、その径方向における外周側端部に、光反射性領域75wと光吸収性領域75bとで構成された検出子75が、基材テープロール17の周方向に所定間隔で複数形成されている。図に示すように、本実施形態では48個の検出子75が形成されているが、この他の個数としてもよい。このフィルム部材74は、基材テープロール17(具体的には基材テープ用スプール17a)と連動した角速度(この例では同じ角速度)で回転するように、例えば基材テープ用スプール17aの外周面に係合して設けられている。本明細書では、フィルム部材74を適宜「被検出体74」と呼称する。
被検出体74は、透明又は半透明のフィルム材で構成されている。上記検出子75を構成する光反射性領域75wは、フィルム上に白色又は銀色を印刷等することにより形成され、入射光を反射する。上記光吸収性領域75bは、フィルム上に黒色を印刷等することにより、あるいは、印刷等を行わないことによって透明若しくは半透明に形成され、入射光を吸収あるいは透過する。
カートリッジ10をカートリッジホルダ27へ装着した際に上方側となるフィルム部材73(図2参照)は、フィルム部材74と同様に透明又は半透明のフィルム材で構成されている。これにより、図2に示すように、残量確認窓71において操作者はフィルム部材73を透かして大まかなテープ残量を目視により確認することができるようになっている。
上記検出子75は、被検出体74における径方向外周側端部、詳細には、基材テープロール17の外周径が最も大きな状態(図3に示す状態)において、そのロールの輪郭よりも外周側となる領域に形成されている。これにより、その後基材テープロール17の外周径は基材テープ16の繰り出しに伴って小さくなるのみであるため、検出子75とロールの輪郭とが重なることがなく、第1光学センサ51による検出子75の検出を良好に行えるようになっている。
また前述したように、カートリッジ筐体70の下部70dには、当該カートリッジ筐体70の外部より被検出体74の検出子75を光学的に検出する第1光学センサ51からの検出光を透過させるための透過孔72が設けられている。本実施形態では、透過孔72は円形状に形成されている。
上記構成において、カートリッジ10が上記カートリッジホルダ27に装着された後、テープ送りモータ33(後述の図8参照)の駆動力によってリボン巻取りローラ駆動軸31及びテープ送りローラ駆動軸30がそれぞれ同期して回転駆動される。テープ送りローラ駆動軸30の駆動に伴いテープ送りローラ18、プラテンローラ20、及びテープ圧接ローラ21が回転し、基材テープロール17から基材テープ16が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ18へ供給される。一方、カバーフィルムロール12からはカバーフィルム11が繰り出されると共に、印字ヘッド駆動回路32(後述の図8参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電される。このとき、インクリボン13が、上記印字ヘッド19に押圧されることで当該カバーフィルム11の裏面に接触させられる。この結果、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に、所望の印字が行われる。そして、上記基材テープ16と上記印字が終了したカバーフィルム11とがテープ送りローラ18及びテープ圧接ローラ21により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ23として形成され、上記排出口よりカートリッジ10外へと搬出される。そして、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23が切断され、所望の印字がされた印字ラベルLB1が生成される。
なお、上記基材テープ16が、特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記基材テープロール17が、テープロールに相当する。また、カートリッジ10が、テープカートリッジに相当する。
図4を用いて、上記感熱タイプのカートリッジ10′を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造について説明する。なお、この図4において、上記図3と同様の部分には同じ符号を付すと共に説明を省略し、図3と異なる部分のみ説明する。
図4において、カートリッジ10′は、感熱テープ16′が巻回された感熱テープロール17′を有している。このカートリッジ10′は、上記ラミネートタイプのカートリッジ10と異なり、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12や、リボン供給側ロール14及びリボン巻取りローラ15を有していない。感熱テープロール17′は、カートリッジ10′の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納された感熱テープ用スプール17a′(巻芯)の周りに上記感熱テープ16′を巻回している。
感熱テープ16′は、この例では3層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中左側)よりその反対側(図4中右側)へ向かって、表面に感熱記録層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るカバーフィルム16a′、適宜の粘着材からなる粘着層16b′、剥離紙16c′の順序で積層され構成されている。
カートリッジ10′がカートリッジホルダ27に装着されローラホルダ25が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ16′が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されると共に、テープ送りローラ18とテープ圧接ローラ21との間に狭持される。そして、テープ送りローラ18、テープ圧接ローラ21、及びプラテンローラ20が同期して回転し、感熱テープロール17′から感熱テープ16′が繰り出される。
この繰り出された感熱テープ16′は、カートリッジ底面に立設されたリールボス91に回転可能に嵌挿された略円筒状のリール92にガイドされつつ、上記ヘッド挿通開口39より搬送方向下流側の印字ヘッド19へと供給される。印字ヘッド19は、その複数の発熱素子が上記印字ヘッド駆動回路32(後述の図8参照)により通電され、これにより感熱テープ16′のカバーフィルム16a′の表面に印字Rが印刷され、印字済みラベル用テープ23′として形成された後、カートリッジ10′外へと搬出される。その後、カッタ28により切断され、所望の印字がされた印字ラベルLB1が生成される。
なお、上記感熱テープ16′が、特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記感熱テープロール17′が、テープロールに相当する。また、カートリッジ10′が、テープカートリッジに相当する。
なお、上記においては、ラベル作成用テープとして感熱テープを用いることで特にインクリボン等を用いることなく印字ヘッド19の発熱のみによって印字を行ったが、通常のインクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。
図5を用いて、そのようなレセプタタイプのカートリッジ10″を装着した状態のカートリッジホルダ27の周辺部分の構造を説明する。なお、この図5において、上記図3及び図4と同様の部分には同じ符号を付すと共に説明を省略し、図3及び図4と異なる部分のみ説明する。
図5において、カートリッジ10″は、レセプタテープ16″が巻回されたレセプタテープロール17″を有している。このカートリッジ10″は、上記感熱タイプのカートリッジ10′と異なり、リボン供給側ロール14及びリボン巻取りローラ15を有しているが、カバーフィルム11を巻回したカバーフィルムロール12は同様に有していない。レセプタテープロール17″は、カートリッジ10″の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納されたレセプタテープ用スプール17a″(巻芯)の周りに上記レセプタテープ16″を巻回している。なお、上記カートリッジ10の基材テープ用スプール17a、上記カートリッジ10′の感熱テープ用スプール17a′、及び、上記カートリッジ10″のレセプタテープ用スプール17a″、それぞれの外周径(以下適宜、単に「スプール外周径」と称する)は、互いに同一の大きさdとなっている。
レセプタテープ16″は、この例では3層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中左側)よりその反対側(図5中右側)へ向かって、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム16a″、適宜の粘着材からなる粘着層16b″、剥離紙16c″の順序で積層され構成されている。
カートリッジ10″がカートリッジホルダ27に装着されローラホルダ22が離反位置から当接位置に移動されると、レセプタテープ16″及びインクリボン13が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されると共に、テープ送りローラ18とテープ圧接ローラ21との間に狭持される。そして、テープ送りローラ18、テープ圧接ローラ21、及びプラテンローラ20が同期して回転し、レセプタテープロール17″からレセプタテープ16″が繰り出される。
一方このとき、印字ヘッド駆動回路32(後述の図8参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電され、レセプタテープ16″のベースフィルム16a″の表面に印字Rが印刷され、印字済みラベル用テープ23″として形成された後、カートリッジ10″外へと搬出される。その後、カッタ28により切断され、所望の印字がされた印字ラベルLB1が生成される。
なお、上記レセプタテープ16″が、特許請求の範囲に記載のラベル作成用テープに相当し、上記レセプタテープロール17″が、テープロールに相当する。また、カートリッジ10″が、テープカートリッジに相当する。
図6を用いて、上述したセンサ支持機構60の全体構造を説明する。なお、図6(a)は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着されていない状態、図6(b)は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された状態を表している。
センサ支持機構60は、カートリッジホルダ27の底面27bにおける上記カートリッジ筐体70の透過孔72に対向する位置に設けられている。このセンサ支持機構60は、カートリッジホルダ27の底面27bの上方に露出可能に設けられた中空円柱状のセンサ支持部61と、カートリッジホルダ27の底面27bの下方に設けられた板状の被検出部62とを有している。これらセンサ支持部61と被検出部62とは、一体として構成されている。
センサ支持部61は、その上端部に隆起部63を有しており、この隆起部63の内部に上記第1光学センサ51を設けている。隆起部63の外周面はテーパ状に形成されており、上記カートリッジ筐体70の透過孔72に係合可能な構成となっている(後述の図7参照)。隆起部63の上部にはセンサ用開口63aが形成されており、反射型センサである第1光学センサ51からの検出光を透過する。
センサ支持部61の内部には、上記第1光学センサ51と隔壁64により隔てられたバネ収納室65が設けられている。このバネ収納室65の周壁部65aは、カートリッジホルダ27の底面27bに形成された円形状のスリット27cに挿入されており、これによりセンサ支持機構60は、底面27bがバネ収納室65内において移動可能な上下方向の範囲内で、第1光学センサ51をカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に支持する。またバネ収納室65には、上端部が上記隔壁64に接触すると共に下端部がカートリッジホルダ27の底面27bに接触したバネ66が収納されている。
被検出部62には、センサ支持機構60の軸線Xに沿って複数の検出孔67が形成されている。各検出孔67はそれぞれ開口面積が異なっており、それぞれがカートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のテープ幅に対応している。例えば図6(a)に示す例では、検出孔67a,67b,67c,67d,67e,67fはそれぞれテープ幅36mm,24mm,18mm,12mm,9mm,6mmに対応している。
センサ支持機構60の下方には、上記軸線Xに対応する位置に第2光学センサ52が支持部材68により設けられている。この第2光学センサ52は、上記被検出部62の一方側及び他方側にそれぞれ配置された発光部52a及び受光部52b(図6(a)では受光部52bのみを図示)を有する透過型の光学センサであり、発光部52aが出力した検出光を上記各検出孔67に対し垂直方向(図6中紙面に垂直方向)に透過させて受光部52bに入力する。これにより、後述する制御回路40(後述の図8参照)は、上記第2光学センサ52から出力された受光部52bでの受光量に基づき、どの検出孔67が第2光学センサ52に正対しているかを検出可能となっている。その結果、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジ10等のカートリッジ筐体70に接触した状態における第1光学センサ51の進退位置を検出することができる。
上記構成において、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着されていない状態では、センサ支持部61がカートリッジ筐体70により下方に押圧されないため、図6(a)に示すように、バネ66の付勢力によってセンサ支持部61がカートリッジホルダ27の底面27bより上方に大きく突出し、第1光学センサ51は比較的上方に位置するように支持されている。この位置は、カートリッジホルダ27に装着可能なカートリッジ10等のうち最もテープ幅の小さいカートリッジ、言い換えれば、最も厚みが小さいカートリッジ筐体70が装着された場合でも、センサ支持部61の上端部がカートリッジ筐体70に接触し下方へ押圧されるような位置に設定されている。
カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された状態においては、カートリッジ10は、上記開閉蓋102の内側に設けられているカートリッジ押さえバネ(図示せず)によって、上述のバネ66の付勢力が下方から作用しても浮き上がらないようになっている。この結果、上記装着状態においては、図6(b)に示すように、センサ支持部61がカートリッジ筐体70により下方に押圧され、センサ支持部61及び被検出部62(図6(b)では図示省略)はバネ66の付勢力に抗して下方に移動する。このとき、カートリッジ10等のカートリッジ筐体70は、内部に収納したテープ幅に応じて厚みが異なるように形成されていることから、センサ支持部61及び被検出部62の下方への移動量はテープ幅に応じたものとなる。したがって、上記制御回路40(後述の図8参照)は、上述した検出孔67a〜67fのうちどの検出孔が第2光学センサ52に正対しているかを検出することで、カートリッジ10等のテープ幅を検出可能となっている。その後、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27より取り外されると、バネ66の付勢力によりセンサ支持部61及び被検出部62は上方に移動し、図6(a)に示す状態に戻る。このとき、第2光学センサ52の検出光は被検出部62のどの検出孔も存在しない部分によって遮断される。よって、受光部52bでの受光量が0(あるいは所定量より少ない)である場合は、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に未装着の状態であるとして検出することが可能となっている。
なお、上記第1光学センサ51が、特許請求の範囲に記載の光学検出手段に相当する。
図7を用いて、カートリッジ筐体70の透過孔72近傍の構造を説明する。なお、図7(a)は、各テープ幅に応じてカートリッジ筐体70の厚みが異なるように形成されている場合、図7(b)及び図7(c)は、複数のテープ幅に対してカートリッジ筐体70が同一の厚みとなるように形成されている場合を表している。
図7(a)に示すように、上記第1光学センサ51は、カートリッジ筐体70の下方側に配置した発光部(図示せず)及び受光部(図示せず)を有し、発光部から出力され上記被検出体74で反射された検出光を受光部で検出する反射型のセンサである。また、カートリッジ筐体70は、上記透過孔72の周囲に、上述したカートリッジホルダ27の底面27bに対し進退可能に構成された第1光学センサ51と接触する接触部76を有している。詳細には、接触部76は、上述したセンサ支持機構60のセンサ支持部61の上端部に接触する。また透過孔72は、センサ支持部61の上端部に設けた上記隆起部63の外周面に係合可能なテーパ部72aを内周面に有している。これにより、カートリッジ10等がカートリッジホルダ27に装着された際に、センサ支持機構60の上端部に設けた隆起部63がカートリッジ筐体70の透過孔72に係合し、第1光学センサ51からの検出光が確実に透過孔72を透過するように第1光学センサ51の位置決めを行うことができるようになっている。
また、第1光学センサ51のような反射型のセンサを用いる場合には、センサ51と被検出体74との距離をセンサ51の焦点距離Lに対応した一定の距離とする必要がある。本実施形態においては、図7(a)に示すように、カートリッジ筐体70の下面と被検出体74との距離が上記焦点距離Lとなるようにカートリッジ10等が構成されているため、接触部76をセンサ支持機構60のセンサ支持部61の上端部に接触させることにより、第1光学センサ51と被検出体74との距離を上記焦点距離Lに保持することができるようになっている。
なお、一般に、カートリッジ10等のカートリッジ筐体70は、内部に収納したテープ幅に応じてその厚みが異なるように形成されているが、テープ幅が比較的小さい範囲(例えばテープ幅が6mm、9mm、12mm程度)においては、製造上の都合により複数のテープ幅に対して同一の厚みとなるように形成される場合がある。この場合、カートリッジ筐体70の下面と被検出体74との距離がテープ幅によって変化するため、上述した図7(a)に示す構造では、第1光学センサ51と被検出体74との距離が上記センサ51の焦点距離Lに一致せず、検出子75を正確に検出できなくなるおそれがある。
この場合、図7(b)及び図7(c)に示すように、そのようなテープ幅は異なるが同一の厚みに形成されたカートリッジ筐体70の接触部76を、カートリッジ筐体70の表面に対しテープ幅に応じた所定の距離だけ凹ませた段差部77として構成すればよい。例えば図7に示す例では、上述した図7(a)がテープ幅12mm、18mm、24mmに、図7(b)がテープ幅9mmに、図7(c)がテープ幅6mmにそれぞれ対応している。これにより、テープ幅が24mm、18mm、12mm等の比較的大きい範囲では、テープ幅に応じてカートリッジ筐体70の厚みが異なるように形成されているため、図7(a)に示す構造で対応し、テープ幅が6mm、9mm等の比較的小さい範囲では、図7(b)及び図7(c)に示すようにテープ幅に応じた深さの段差部77を設け、当該段差部77の底部に位置する接触部76をセンサ支持部61の上端部に接触させることにより、第1光学センサ51と被検出体74との距離をセンサ51の焦点距離Lとなるように一定とし、検出子75を正確に検出することが可能である。
なお、上述した図7に示す例では段差部77をカートリッジ筐体70の表面に対し所定の距離ずつ凹ませた形状としたが、段差部77をカートリッジ筐体70の表面に対し所定の距離ずつ突出させた凸状に形成し、第1光学センサ51と被検出体74との距離が一定になるようにしてもよい。
図8を用いて、ラベル作成装置100の機能構成を説明する。
図8において、ラベル作成装置100の制御基板(図示せず)上には、制御回路40が配置されている。制御回路40にはCPU44が設けられており、このCPU44に、データバス42を介し、入出力インターフェース41、ROM46、フラッシュメモリ(EEPROM)47、RAM48、テーブル記憶部49、及び通信用インターフェース(通信用I/F)43Tが接続されている。
ROM46には、後述の印字バッファ48Bのデータを読み出して上記印字ヘッド19や後述のテープ送りモータ33を駆動する印字駆動制御プログラム、印字が終了した場合に印字済みラベル用テープ23を切断位置までテープ送りモータ33を駆動して搬送し、後述のソレノイド35を駆動して印字済みラベル用テープ23を切断する切断駆動制御プログラム、後述するテープ残量の算出を行う残量算出プログラム等、制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU44は、このようなROM46に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM48は、CPU44により演算された各種の演算結果等を一時的に記憶する。このRAM48には、テキストメモリ48A、印字バッファ48B、各種演算データ等を格納するワークメモリ48C等が設けられている。テキストメモリ48Aには、文書データ等の印字用データが格納される。
テーブル記憶部49は、例えばROM46あるいはEEPROM47の記憶領域の一部で構成されている。
通信用I/F43Tは、操作端末400との間で上記通信回線NWを介してネットワーク通信を行う。また入出力インターフェース41には、上記印字ヘッド19を駆動するための印字ヘッド駆動回路32と、テープ送りモータ駆動回路34と、ソレノイド駆動回路36と、上記カートリッジセンサ37と、カッタ駆動ボタン38と、第1光学センサ51と、第2光学センサ52とが接続されている。
テープ送りモータ駆動回路34は、ステッピングモータで構成されたテープ送りモータ33を駆動することにより、前述のテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31を駆動し、基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23の搬送を行う。ソレノイド駆動回路36は、上記カッタ28を駆動して切断動作を行わせるソレノイド35を駆動する。カッタ駆動ボタン38は、上記カッタ28を操作者が手動で操作して印字ラベルLB1を所望の長さとするためのものである。
カートリッジセンサ37からは、上述したカートリッジ10等に形成された被検出部24の検出結果が入力され、CPU44は、当該検出結果に基づきカートリッジ10等の種別情報を検出可能である。第1光学センサ51からは、上述した被検出体74に形成された検出子75の検出結果であるパルスが入力され、CPU44は、当該パルス周期に基づき基材テープロール17の角速度を検出する。第2光学センサ52からは、上述した受光部52bでの受光量が入力され、CPU44は、当該受光量に基づきカートリッジ10等のテープ幅を検出可能である。パルスモータであるテープ送りモータ33を駆動するパルス数はテープ搬送量に比例するので、CPU44は、当該パルス数に基づき基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23の搬送量を算出する。なお、このCPU44による搬送量算出処理が、特許請求の範囲に記載の搬送量算出手段に相当する。
図8に示す制御回路40を核とする制御系において、操作端末400から通信回線NWを介して、ラベル作成装置100に印字用データが入力された場合、その印字用データがテキストメモリ48Aに順次記憶される。そして、その記憶された印字用データは再び読み出され、制御回路40の変換機能により所定の変換がされることで、ドットパターンデータが生成され、印字バッファ48Bに記憶される。また、印字ヘッド19が印字ヘッド駆動回路32を介して駆動され、上記各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ48Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期してテープ送りモータ33がテープ送りモータ駆動回路34を介して上記カバーフィルム11等の搬送制御を行い、最終的に印字ラベルLB1を作成する。
図9(a)、図9(b)、及び図10を用いて、上記のようにしてラベル作成装置100により作成された印字ラベルLB1の外観及び構造について説明する。
これら図9(a)、図9(b)、及び図10において、印字ラベルLB1は、前述の図3に示した基材テープ16にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面(図10中上側)よりその反対側(図10中下側)へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16a、テープ基材層16b、粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
また、カバーフィルム11の裏面には、操作者により操作端末400の操作部402を介し入力された印字用データに対応した内容の印字R(この例では「名古屋太郎」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
次に、図11を用いて、ラベル作成装置100の制御回路40によって実行される制御内容を説明する。
図11において、例えば操作者によりラベル作成装置100の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まずステップS20で、制御回路40は、操作端末400から出力された作成指示信号を通信回線NWを介して入力したかどうかを判定する。作成指示信号を操作端末400から入力するまで判定が満たされず、ループ待機し、作成指示信号を操作端末400から入力したら、判定が満たされて、当該作成指示信号に含まれる印字用データをテキストメモリ48Aに格納し、ステップS30に移る。
ステップS30では、制御回路40は、上記ステップS20でテキストメモリ48Aに格納した印字用データを読み出して例えば所定の変換を行い、カバーフィルム11等への印字内容に対応したドットパターンデータ(=印字駆動データ)を生成する。そして、印字バッファ48Bに記憶させる。
その後、ステップS100で、制御回路40は、所望の印字がされた印字ラベルLB1を作成するラベル作成処理(詳細手順は後述の図12参照)を実行する。
そして、ステップS40で、制御回路40は、ラベル作成用テープ16,16′,16″のテープ厚みを算出する。このテープ厚みの算出手法の詳細については後述する。
その後、ステップS50では、制御回路40は、テープ残量を算出する。ここでテープ残量とは、カートリッジホルダ27に装着されたカートリッジがラミネートタイプのカートリッジ10の場合には基材テープロール17における基材テープ16の残りの長さであり、感熱タイプのカートリッジ10′の場合には感熱テープロール17′における感熱テープ16′の残りの長さであり、レセプタタイプのカートリッジ10″の場合にはレセプタテープロール17″におけるレセプタテープ16″の残りの長さである。なお、ラミネートタイプのカートリッジ10において、カバーフィルムロール12におけるカバーフィルム11でなく、基材テープロール17における基材テープ16のテープ長さをテープ残量としたのは、基材テープ16の方がカバーフィルム11よりも先にテープ残量が0となるように全長が短めに設定されているからである。
各カートリッジ10,10′,10″において、テープロール17,17′,17″はスプール17a,17a′,17a″を軸に回転しつつラベル作成用テープ16,16′,16″の繰り出しが行われるが、テープロール17,17′,17″の外周径はラベル作成用テープ16,16′,16″の繰り出しに伴って徐々に小さくなるため、テープ搬送速度が一定である場合には、テープロール17,17′,17″のスプール回りの角速度はロール外周径の減少に応じて徐々に大きくなる。このように、ロール外周径とテープロールの角速度には所定の相関関係があり、また後述するように、ロール外周径とテープ残量とは1対1に対応することから、本実施形態では、この相関関係を利用して、第1光学センサ51の検出結果に基づくテープロール17,17′,17″の角速度(後述の図12のステップS155参照)からテープ残量を算出する。
上記テープ残量の算出手法の詳細について、図13及び図14を用いて説明する。
一般に、テープを巻回して構成したロールの側面積は、ロールより繰り出される全テープの側面積と同視できる。テープの側面積は、テープ長さMにテープ厚みtを乗じた値である。一方、ロールの側面積は、図13(a)に示すように、ロール外周径Dから求めた外周円の面積よりスプール外周径dから求めた内周円の面積を差し引くことで求めることができる。なお、前述したように、上記のスプール17a,17a′,17a″の外周径は、全て等しく、dとなっている。
したがって、図13(b)に示すように、テープの側面積が外周円の面積から内周円の面積を差し引いた面積に等しいとする式を立てる。すなわち、左辺はテープの側面積であるからt(テープ厚み)×M(テープ長さ)となり、右辺は外周円の面積から内周円の面積を差し引いた面積であるからπ(D/2)2−π(d/2)2となる。これを整理すると、M=π(D2−d2)/4tが導かれる。以下、この式を「式1」と呼称する。
上記「式1」の変数のうち、テープ厚みtは、後述する「式3」から算出される。また、上記スプール外周径dは、RAM48等に予め記憶されている。したがって、ロール外周径Dが得られれば、テープ残量としてのテープ長さM(以下適宜、「テープ残量M」と称する)を算出することができる。
ここで、図14(a)に示すように、ロールの角速度をω(rad/s)、ロールより繰り出されるテープの搬送速度をS(mm/s)とした場合、図14(b)に示すように、搬送速度SはD(ロール外周径)/2×角速度ωで表される。この式から、D=2S/ωが導かれる。以下、この式を「式2」と呼称する。ここで、搬送速度Sは、ラベル作成装置100やカートリッジ10等の仕様(すなわち、テープ送りモータ33の回転数とテープ送りローラ18の径)に基づき定められており、例えばRAM48に予め記憶されている。また角速度ω(rad/s)は、被検出体74に設けた複数の検出子75のうちの1つの検出子75に対応する角度θ(rad)を、第1光学センサ51から出力されるパルス周期E(s)で除した値である(すなわち、ω=θ/E)。本実施形態では、前述したように被検出体74に48個の検出子75を形成しているので、角度θは2π/48=π/24(rad)となる。この角度θもRAM48等に予め記憶されている。
続いて、上記ステップS40でも言及した、テープ厚みtの算出方法を詳細に説明する。テープを所定長だけ消費(搬送)したときの上記パルス周期Eの2乗値の差がテープ厚みtに応じた一定値になることを利用して、テープ厚みtを推定することができる。
具体的には、上記の「式1」より
M=π(D2−d2)/4t ・・(a)
が与えられている。ロール外周径がD(mm)である状態から、CPU44で算出されるテープ搬送量L(mm)の分だけテープが消費されたときのロール外周径をD′(mm)とすると、
M−L=π(D′2−d2)/4t ・・(b)
が導かれる。(a)式−(b)式を計算すると、
L=π(D2−D′2)/4t
4tL=π(D2−D′2) ・・(c)
が得られる。
また、上記パルス周期Eの検出の分解能(被検出体74に形成された検出子75の総数)をRとし、ロール外周径がD(mm)である状態でのパルス周期がE(msec)であって、その後上記テープ搬送量L(mm)のテープ消費時のパルス周期をE′(msec)とすると、
D=RES/π ・・(d)
D′=RE′S/π ・・(d)′
が導かれる。なお、分解能Rと上記の角度θとの間には、下記の関係がある。
θ=2π/R …(e)
ここで、(c)式に(d)式、(d)′式、(e)式を代入すると、
t=πS2/θ2L × (E2−E′2)
が得られる。以下、この式を「式3」と呼称する。
したがって、制御回路40は、CPU44にて算出されるテープの搬送量Lと、第1光学センサ51から出力されるパルス周期E,E′(言い換えれば、パルス周期の履歴情報)と、上記RAM48から読み出した上記角度θ及び上記搬送速度Sとから、上記「式3」に基づき、テープ厚みtを算出する。また、第1光学センサ51から出力されるパルス周期Eと、上記RAM48から読み出した上記角度θとに基づき、ロールの角速度ω(=θ/E)を検出し、この角速度ωとRAM48から読み出した上記搬送速度Sとから、上記「式2」に基づき、ロール外周径Dを算出する。そして、算出したテープ厚みt及びロール外周径Dと、RAM48から読み出したスプール外周径dとから、上記「式1」に基づき、テープ残量Mを算出することができる。
図1に戻り、その後、ステップS60で、制御回路40は、上記算出したテープ残量Mに対応したテープ残量情報を、通信回線NWを介して操作端末400へ出力する。これにより、操作端末400の表示部401ではテープ残量Mが表示される。そして、このフローを終了する。
なお、上記操作端末400でのテープ残量表示は数値で行ってもよいし、例えば棒グラフ等の図形やその他の記号等を用いて表示してもよい。また、数値で表示する場合には、ミリメートル単位やセンチメートル単位で細かく表示してもよいし、メートル単位で大まかに表示してもよい。
以上説明した図11において、ステップS40が、特許請求の範囲に記載の厚み算出手段として機能し、ステップS50が、残量特定手段として機能し、ステップS60が、残量関連情報出力手段として機能する。また、上記ステップS60で出力したテープ残量情報が、残量関連情報に相当する。
図12を用いて、上記図11のステップS100の詳細手順を説明する。この図12では、ラミネートタイプのカートリッジ10を用いて印字ラベルLB1を作成する場合を一例として説明する。
まずステップS110で、制御回路40は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によりテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻き取りローラ駆動軸31を駆動する。これによって、基材テープロール17からの基材テープ16の繰り出しと、カバーフィルムロール12からのカバーフィルム11の繰り出しとを開始し、これら基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みラベル用テープ23(以下、単に「基材テープ16等」と総称する)の搬送を開始する。
その後、ステップS120で、制御回路40は、基材テープ16等が所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、カバーフィルム11に備えられた印字領域の先端が、印字ヘッド19がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離である。この搬送距離判定は、上記CPU44による搬送量の算出結果に基づいて行えば足りる。あるいは、例えば基材テープ16に設けたマーキングを公知のテープセンサ(図示せず)で検出するようにしてもよい。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら、判定が満たされてステップS130に移る。
ステップS130では、制御回路40は、印字ヘッド駆動回路32に制御信号を出力し、印字ヘッド19に、カバーフィルム11の印字領域に対し、印字駆動データに対応した印字を開始させる。
そして、ステップS140で、制御回路40は、カバーフィルム11の上記印字領域に対する印字が全て完了しているか否かを判定する。印字が全て完了するまで判定が満たされず、ループ待機し、印字が全て完了したら判定が満たされて、ステップS150に移る。
ステップS150では、制御回路40は、基材テープ16等がさらに所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、例えば、印字領域の全てがカッタ28を所定の長さ分越えるだけの搬送距離である。このときの搬送距離判定も例えば上記ステップS120と同様にすれば足りる。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら判定が満たされてステップS155に移る。
ステップS155では、制御回路40は、印字開始後のテープ搬送速度が一定である場合に、第1光学センサ51による被検出体74に形成された検出子75の検出結果であるパルス列のタイミングをテープ搬送動作と平行して入力しておき、当該パルス周期に基づき基材テープロール17の角速度を検出する。
ステップS160では、制御回路40は、テープ送りモータ駆動回路34に制御信号を出力し、テープ送りモータ33によるテープ送りローラ駆動軸30及びリボン巻取りローラ駆動軸31の駆動を停止し、基材テープロール17及びカバーフィルムロール12からの基材テープ16及びカバーフィルム11の繰り出し、及び、基材テープ16等の搬送を停止する。
その後、ステップS170で、制御回路40は、操作者により上記カッタ駆動ボタン38が手動操作されたか否かを判定する。カッタ駆動ボタン38が手動操作されるまで判定が満たされず、ループして待機し、カッタ駆動ボタン38が手動操作されたら、判定が満たされてステップS180に移る。
そして、ステップS180で、制御回路40は、ソレノイド駆動回路36に制御信号を出力し、ソレノイド35を駆動し、カッタ28によって印字済みラベル用テープ23の切断を行う。前述したように、この時点で上記印字領域を含む印字済みラベル用テープ23の全てがカッタ28を十分に越えており、このカッタ28の切断によって、印字駆動データに対応した印字が行われた印字ラベルLB1が生成される。
その後、ステップS190で、制御回路40は、別途設けた排出用ローラ(図示せず)を駆動する排出用モータ(図示せず)に制御信号を出力し、上記ステップS180でラベル状に生成された印字ラベルLB1を装置外へと排出する。なお、排出用モータがなくても手動操作で印字ラベルLB1を装置外へ排出できる場合には、このステップS190を省略してもよい。その後、このルーチンを終了する。
以上のように、ラベル作成処理において、印字が完了して基材テープ16等の搬送を停止する直前に基材テープロール17の角速度を検出することで、ラベル作成後の基材テープロール17のテープ残量を精度良く検出することができる。
以上説明した第1実施形態においては、テープロール17,17′,17″と連動した角速度で(上記の例では同じ角速度で)回転する被検出体74が設けられており、第1光学センサ51が当該被検出体74の検出子75を光学的に検出する。また、CPU44が、ラベル作成用テープ16,16′,16″の搬送量Lを算出する。そして、制御回路40が、予め設定されているスプール外周径dと、CPU44で算出した搬送量Lと、第1光学センサ51の検出結果に基づいた、複数の検出子75が順次検出されるパルス周期Eの上記履歴情報とを用いて、前述した所定の算出式に基づいてテープロール17,17′,17″のテープ残量Mを算出し、当該算出したテープ残量Mに対応したテープ残量情報を操作端末400に出力する。これにより、操作端末400の表示部401では、テープ残量Mを表示することができる。
具体的には、ラベル作成用テープ16,16′,16″が搬送量Lだけ搬送される際に複数の検出子75のパルス周期がEからE′へ変化することを利用し、さらに予め既知である検出子75の配置ピッチ角度θ及び搬送速度Sを用いて、上記「式3」によりまずテープ厚みtを算出する。そして、このテープ厚みtと、上記のスプール外周径d及び搬送速度Sと、第1光学センサ51の検出結果に基づくテープロール17,17′,17″の角速度ωとを用いて、上記「式1」及び「式2」により、テープ残量Mを算出する。これにより、カートリッジ10,10′,10″の種別に対応したテープ残量Mを確実に算出することができる。
このようにして、スプール外周径dが分かっていれば、カートリッジ10,10′,10″ごと(言い換えればテープロールの種別ごと)に異なるテープ厚みtをパラメータ情報として取得することなく、搬送量L及び第1光学センサ51の検出結果に基づいてテープ残量を算出することができる。この結果、ラベル作成装置100において上述した複数の異なる種類のカートリッジ10,10′,10″(言い換えれば異なる種類のテープロール)が用いられる場合でも、カートリッジ10,10′,10″の種別(言い換えればテープロールの種別)に対応したテープ残量を算出することができる。その結果、操作者は、複数の異なる種類の印字ラベルLB1を作成する場合でも、テープ残量を確実に認識することができる。
また、本実施形態では特に、上記したように、制御回路40は、ラベル作成用テープ16,16′,16″のテープ厚みtをパラメータ情報として取得せずとも、搬送量L及び第1光学センサ51の検出結果に基づいてテープ残量を逐次算出する。これにより、カートリッジ10,10′,10″の種別情報(言い換えればテープロールの種別情報)の取得が不要となる。したがって、テープ厚みtが不明である新規なテープカートリッジを用いる場合であっても、スプール外周径dが分かっていれば、確実にテープ残量を特定することができる。さらに、ラベル作成用テープ16,16′,16″の実際の製品においては、テープ厚みtは完全に一様ではなく製品誤差の範囲内で変動する。これに対し、上記第1実施形態では、上記所定の算出式によってラベル作成用テープ16,16′,16″のテープ厚みtを逐次算出するので、上述のように各テープ部分で異なる上記テープ厚みtの変動に対応した形で、精度よくテープ残量を特定することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1−1)残量テーブルを有する場合
上記第1実施形態では、制御回路40が、上記「式1」〜「式3」を用いてテープ残量Mを算出するようにしたが、このテープ残量Mの算出を予め行っておき、第1光学センサ51から出力されるパルス周期Eとテープ残量Mとの相関をカートリッジの種別ごとに表す残量テーブルをテーブル記憶部49に記憶しておいてもよい。
図15を用いて、テーブル記憶部49に記憶された残量テーブルの一例を説明する。この図15に示す例では、残量テーブルには、第1光学センサ51から出力されるパルス周期Eが0.005(s)変化するごとに、対応するロール外周径D(mm)、及び各カートリッジ種別におけるテープ残量M(mm)が算出され登録されている。ここでは、搬送速度Sを10(mm/s)、角度θをπ/24(rad)とし、前述の各パラメータの値を用いて、上記「式1」〜「式3」によりテープ残量Mが算出されている。なお、上記パルス周期Eの刻みは、さらに細かい値又は大きな値としてもよい。
図16を用いて、本変形例において制御回路40によって実行される制御内容を説明する。この図16において、ステップS20〜ステップS40は前述の図11と同様であるので説明を省略する。次のステップS50に代わるステップS50Aでは、制御回路40は、テーブル記憶部49に記憶された残量テーブルにおける、前述したステップS40で算出したテープ厚みtを持ったカートリッジの種別に対応した部分を参照し、第1光学センサ51の検出結果に基づくパルス周期Eに対応したテープ残量Mを特定する。その後のステップS60は前述の図11と同様である。
具体的には、例えばラミネートタイプのカートリッジ10を装着している場合において、パルス周期Eが0.220(s)の場合には、図15に示すようにテープ残量Mは5511(mm)となる。したがって、パルス周期Eが0.220(s)となった時点でテープ残量Mを5511(mm)として表示し、その後、パルス周期Eが次の0.215(s)となるまでテープ残量Mは5511(mm)として表示する。そして、パルス周期Eが次の0.215(s)となったら、テープ残量表示を5178(mm)に変更する。このようにして、パルス周期Eが0.005(s)変化するごとに対応するテープ残量表示を行う。
本変形例において、上記ステップS50Aが、特許請求の範囲に記載の残量特定手段として機能する。また、上記テーブル記憶部49が、記憶手段に相当する。
本変形例によれば、テーブル記憶部49に、複数の検出子75のパルス周期Eとテープ残量Mとの相関をカートリッジの種別(言い換えればテープロールの種別)ごとに表す残量テーブルを、予め記憶しておく。そして、制御回路40が、当該残量テーブルにおけるカートリッジの種別に対応した相関を参照し、第1光学センサ51の検出結果に基づく複数の検出子75のパルス周期に対応したテープ残量Mを抽出することで、テープロール17,17′,17″のテープ残量Mを特定する。
このように、予め用意した残量テーブルを用いてテープ残量Mを特定することにより、上記第1実施形態のように第1光学センサ51の検出結果に基づいてテープ残量Mを逐次算出する場合に比べ、演算が不要となるため、テープ残量検出に関わる制御内容を簡素化できる。その結果、CPU等をロースペックにでき低コスト化を図ることができる。また、演算が不要となる分、テープ残量Mの特定に要する時間を短縮できる効果もある。
なお、上記では残量テーブルをきめ細かく設定したが、例えば図17に示すように、より大雑把に設定したテーブルとしてもよい。この図17に示す例では、テープ残量が1(m)変化するごとのパルス周期Eを算出し、登録している。この場合、例えばパルス周期Eが0.200(s)と検出された場合には、ラミネートタイプでは「4〜5m」、レセプタタイプでは「5〜6m」、感熱タイプでは「2〜3m」としてテープ残量の表示を行えばよい。
また、上記では、複数の検出子75のパルス周期とテープ残量との相関をカートリッジの種別ごとに表す残量テーブルをテーブル記憶部49に記憶したが、パルス周期に代え、テープロール17,17′,17″の角速度ωとテープ残量との相関をカートリッジの種別ごとに表す残量テーブルをテーブル記憶部49に記憶してもよい。この場合には、制御回路40が、当該残量テーブルにおけるカートリッジの種別に対応した相関を参照し、第1光学センサ51の検出結果に基づくテープロール17,17′,17″の角速度ωに対応したテープ残量Mを抽出することで、テープロール17,17′,17″のテープ残量Mを特定する。また、角速度ω及びパルス周期Eの両方とテープ残量Mとの相関を用いるようにしてもよい。
(1−2)その他
以上においては、ラベル作成装置100とは別体である操作端末400の表示部401をテープ残量を表示するための表示手段として用いるようにしたが、これに限られず、ラベル作成装置100に表示部を一体的に設けておき、これを表示手段として用いる構成としてもよい。
また、以上においては、印刷の終了した印字済みラベル用テープ23をカッタ28で切断して印字ラベルLB1を作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ28で切断しなくても、テープがテープ排出口104から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印刷がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLB1を作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
次に、本発明の第2実施形態を図18〜図29により説明する。本実施形態は、カートリッジを用いずに、互いに異なる複数種類のテープロールを用いて印字ラベルを作成可能なラベル作成装置の実施形態である。
図18に示すように、ラベル作成装置201は、本体筐体202と、透明樹脂製の上カバー205と、この上カバー205の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー206と、このトレー206の前側に配置される電源ボタン207と、カッタレバー209等から構成されている。
図19に示すように、ロールホルダとして機能するロール収納部204に、ロール装着機構203が収納配置されている。このロール装着機構203は、位置決め保持部材212とガイド部材220とを備えており、所定幅のテープ203A(ラベル作成用テープ)が回転可能にロール状に巻回され、テープロール300を構成している。すなわち、テープ203Aの軸方向両側にその軸線と略直交するように、一方側側壁部としての上記ガイド部材220と他方側側壁部としての上記位置決め保持部材212とが設けられている。またロール収納部204の上側を覆うように、前述の上カバー205が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
またロール収納部204の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部に支持部材215が設けられ、この支持部材215には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部216が形成されている。そして、上記位置決め保持部材212の外側方向に突設され、正面視下方向に幅狭になるように形成された上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材213が、下方向に幅狭な上記第1位置決め溝部216内に密着することで上記支持部材215に嵌め込まれる。なおこの取付部材213の突出高さ寸法は、第1位置決め溝部216の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。
ロール収納部204の他方の側端縁部の搬送方向前端部には、レバー227が設けられている。
図20に示すように、テープ203Aはこの例では3層構造となっており(部分拡大図参照)、外側に巻かれる側(図20中左上側)よりその反対側(図20中右下側)へ向かって、剥離紙203a、粘着層203b、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)203cの順序で積層され構成されている。
感熱紙203cの裏側(図20中左上側)にはまた、上記粘着層203bによって上記剥離紙203aが感熱紙203cに接着されている。この剥離紙203aは、最終的に完成した印字ラベルLB2が所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層203bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
なお、本体筐体202の背面部には一方の側端部に電源コード210が接続されている。
また、上記テープロール300の軸方向(図20中紙面垂直方向)両端側には、当該テープロール300の幅方向(図20中紙面垂直方向)両端部に接触するように、円環状のフィルム部材273(図示せず)及びフィルム部材274がそれぞれ設けられている。これらのうち、テープロール300が装着された際に装置正面から向かって右側となるフィルム部材274(図20参照)には、その径方向における外周側端部に、光反射性領域275wと光吸収性領域275bとで構成された検出子275が、テープロール300の周方向に所定間隔で複数形成されている。図に示すように、本実施形態では16個の検出子275が形成されているが、この他の個数としてもよい。このフィルム部材274は、ロール収納部204に装着されたテープロール300と連動した角速度(この例では同じ角速度)で回転するように、例えばテープロール300の側面に設けられている。本明細書では、フィルム部材274を適宜「被検出体274」と呼称する。なお、図示の煩雑化防止のために、図20及び図26以外の各図では、当該フィルム部材の図示を省略している。
被検出体274は、上記第1実施形態の被検出体74と同様、透明又は半透明のフィルム材で構成されている。上記検出子275を構成する光反射性領域275wは、フィルム上に白色又は銀色を印刷等することにより形成され、入射光を反射する。上記光吸収性領域275bは、フィルム上に黒色を印刷等することにより、あるいは、印刷等を行わないことによって透明若しくは半透明に形成され、入射光を吸収あるいは透過する。
そして、ロール収納部204の搬送方向に対して略垂直方向の一方側で搬送方向後端部に、光学センサ251が設けられている。この光学センサ251は、上記第1実施形態の第1光学センサ51と同様、上記検出子275をロール外部より光学的に検出する光学センサである。すなわち、上記第1光学センサ51と同様、光学センサ251は、発光部(図示せず)及び受光部(図示せず)を有し、発光部から出力され上記被検出体274で反射された検出光を受光部で検出する反射型のセンサである。そして、後述する制御回路410(後述の図25参照)は、上記光学センサ251からのパルス出力に基づき、テープロール300の角速度を検出可能となっている。
上記検出子275は、上記第1実施形態の検出子75と同様、被検出体274における径方向外周側端部、詳細には、テープロール300の外周径が最も大きな状態において、そのロールの輪郭よりも外周側となる領域に形成されている(但し図20では、構成の明確化のために、ロール輪郭よりも内周側にも存在するように検出子275を誇張して大きめに図示している)。これにより、その後テープロール300の外周径はテープ203Aの繰り出しに伴って小さくなるのみであるため、検出子275とロールの輪郭とが重なることがなく、光学センサ251による検出子275の検出を良好に行えるようになっている。
図21に示すように、上記テープ203Aは、上記第1実施形態と同様に外周径がdである巻芯(リール部材)203Bにロール状に巻回されて上記テープロール300を構成している。
位置決め保持部材212とガイド部材220との間には、上記巻芯203Bの内周側にて軸方向に配置されるように略筒状形状の軸部材240が設けられており、主としてこれら位置決め保持部材212、ガイド部材220、及び軸部材240によってロール装着機構203が構成されている。なお、軸部材240は、前述した巻芯203Bの各長さ寸法に対応して複数種類(例えば4種類)の長さ寸法のものが設けられており、この軸部材240の長さ寸法を変更することで、異なる幅寸法のテープ203Aを備えたテープロール300(但し巻芯203Bの外周径dはすべて同一)が装着可能な複数種類のロール装着機構203がそれぞれ形成される。なお、ロール装着機構203に巻回されるテープ203Aの最大巻回長さは、例えば約30mの長さとなっている。
支持部材215の内側基端部には係合凹部215Aが形成されており、この係合凹部215Aに対し、位置決め保持部材212の下端部に突設された弾性係止片212Aが係合されている。
ロール収納部204の底面部には、支持部材215の内側基端部から搬送方向に対して略垂直に、平面視横長四角形の位置決め凹部204Aが所定深さ(例えば約1.5〜3mm)で形成される。またロール収納部204の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された制御基板232が設けられている。
位置決め凹部204Aの搬送方向幅寸法は、ロール装着機構203を構成する位置決め保持部材212及びガイド部材220の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また位置決め凹部204Aの支持部材215の内側基端部には、位置決め保持部材212の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述の被検出部260(後述の図26も参照)に対向する部分が検出凹部204Bとなっている。
この検出凹部204Bは、搬送方向に縦長の平面視長四角形となっており、位置決め凹部204Aよりもさらに所定深さ(例えば約1.5〜3mm)だけ深くなるように形成されている。また検出凹部204Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成され、テープロール300の種別を判別する4個のロール検出センサS1,S2,S3,S4がこの例では略L字状に設けられている。これらロール検出センサS1〜S4は、それぞれプランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、該各プランジャーの上端部は、該検出凹部204Bの底面部から位置決め凹部204Aの底面部近傍まで突き出るように設けられている。そして、この各ロール検出センサS1〜S4に対して被検出部260の各センサ孔(後述)があるか否かを検出して、そのオン・オフ信号によりロール装着機構203に装着されたテープロール300の種類を検出するようになっている。
図22(A)及び図22(B)に示すように、ロール装着機構203を構成する上記ガイド部材220の先端部が載置される載置部221が設けられている。この載置部221は、上記テープ203Aを挿入する挿入口218の後端縁部からロール収納部204の前側上端縁部まで略水平に延出されている。なお前述のガイド部材220の先端部は上記挿入口218まで延出されるようになっている。
載置部221の搬送方向後側の端縁角部には、テープ203Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部222A〜222Dが形成されている。すなわち、本実施形態では、互いにテープ幅が異なる複数種類のテープロール300を、ロール装着機構203を用いてロール収納部204に装着することができる。各第2位置決め溝部222A〜222Dは、ロール装着機構203を構成するガイド部材220の載置部221に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。なお、前述した上記位置決め凹部204Aは、支持部材215の内側基端部から上記第2位置決め溝部222Aに対向する位置まで設けられている。
巻芯203B、テープ203A、及びロール装着機構203からなる本実施形態のテープロール300は、位置決め保持部材212の取付部材213を支持部材215の第1位置決め溝部216に嵌め込み、該位置決め保持部材212の下端部に突設される弾性係止片212Aを支持部材215の内側基端部に形成される係合凹部215Aに係合させると共に、ガイド部材220の先端部下面を各第2位置決め溝部222A〜222Dに嵌め込んで該ガイド部材220の下端部を位置決め凹部204A内に嵌入して当接させることによって、ロール収納部204に着脱自在に取り付けられる。
図23に示すように、上記挿入口218の支持部材215側の側端縁部には、案内リブ部223が立設されている。また、挿入口218の支持部材215側の側端縁部(図23中、左端縁部)は、該支持部材215に嵌め込まれる上記位置決め保持部材212の内側端面に対向する位置になるように形成されている。
なお、本体筐体202の背面部の他方の側端部には、不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial bus)等から構成されるコネクタ部211が設けられている。
図24に示すように、前側側面部に左右移動可能に設けられた上記カッタレバー209によって左右に移動されるカッタユニット208が設けられ、このカッタユニット208のテープ203A搬送方向上流側(図24中右側)下部には印字を行うサーマルヘッド231が設けられ、このサーマルヘッド231と対向する位置にはプラテンローラ226(搬送手段)が設けられている。
サーマルヘッド231は、その上下動操作用の前述のレバー227を上方に回動させることによりサーマルヘッド231が下方に移動されてプラテンローラ226から離間した状態となり、レバー227を下方に回動させることにより上方に移動されてテープ203Aをプラテンローラ226に押圧付勢して印字可能な状態になる。
すなわち、印刷実行時においては、まずレバー227を上方に回動させて、テープ203Aの一方の側端縁部をガイド部材220の内側面に当接させつつ、このテープ203Aの他方の側端縁部を挿入口218の側縁部に立設される上記案内リブ部223に当接させながら挿入口218内に挿入し該レバー227を下方に回動させることにより、印刷可能となる。この状態でレバー227を下方に回動させることにより、挿入口218から挿入されたテープ203Aは、ライン型のサーマルヘッド231によってプラテンローラ226に向かって押圧されるように付勢される。そして、該プラテンローラ226をステッピングモータ(あるいはパルスモータ等、後述の図25参照)等により回転駆動しつつ、該サーマルヘッド231を駆動制御することによって、テープ203Aを搬送しながら印字面に順次所望の印字データを印字することができる。そして、トレー206上に排出された印字済みのテープ203Aは、カットレバー209を右側方向に移動操作することによってカッタユニット208により切断され、印字ラベルLB2(後述の図28参照)が生成される。
次に、上記ラベル作成装置201の制御系を図25を用いて説明する。
図25において、巻芯203Bに巻回された上記テープ203Aは、この例ではサーマルヘッド231により印字領域SAに所望の印字が行われ、印字済みのテープ203Aは前述のようにカッタレバー209が操作されることで所望のタイミングでカッタユニット208にて切断され、印字ラベルLB2が生成される。
そのほか、ラベル作成装置201には、搬出口Eに至る搬送経路におけるテープ203Aの有無を検出するセンサ439と、テープ203A及び切断後の印字ラベルLB2を搬出口Eへと搬送し送出する上記プラテンローラ226と、上記サーマルヘッド231への通電を制御する印刷駆動回路405と、上記プラテンローラ226を駆動するプラテンローラ用モータ408を制御するプラテンローラ駆動回路409と、上記印刷駆動回路405、プラテンローラ駆動回路409等を介し、ラベル作成装置201全体の動作を制御するための制御回路410とが設けられている。
制御回路410は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、制御回路410は、上記第1実施形態のテーブル記憶部49と同様、テーブル記憶部410A(記憶手段)を備えている。さらに、制御回路410は、電源回路411Aにより給電されると共に、通信回路411Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。また、パルスモータである上記プラテンローラ用モータ408を駆動するパルス数はテープ搬送量に比例するので、制御回路410は、当該パルス数に基づきテープ203Aの搬送量を算出する。なお、この制御回路410による搬送量の算出処理が、特許請求の範囲に記載の搬送量算出手段に相当する。
図26(A)及び図26(B)に示すように、ロール装着機構203のガイド部材220には、ロール収納部204の底面部に形成される位置決め凹部204Aに嵌入されて該位置決め凹部204Aの底面に当接される第1延出部242と、テープ203Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部243と、この第2延出部243の外周部からテープ203Aの上記挿入口218(図23参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部244とが形成されている。
第3延出部244の先端部の下端面は、略水平に形成され、ラベル作成装置201の前述の載置部221上に当接して、該第3延出部244と第2延出部243の内側面によって装着されたテープ203Aの一側端縁部を上記挿入口218まで案内するように構成されている。また、この第3延出部244の下端面の載置部221の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部242まで、所定長さ延出される第4延出部245が形成されている。この第4延出部245の搬送方向先端部分は、上記第3延出部244の下端面が載置部221上に当接された場合に、装着されたテープ203Aのテープ幅に対向する各第2位置決め溝部222A〜222Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(前述の図24参照)。
また、ロール装着機構203の位置決め保持部材212の取付部材213の下端部には、該取付部材213の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(この例では、約1.5mm〜3mm)突出する正面視略四角形の平板状(この例では長さ約1.5mm〜3mm)の案内部257が形成されている。これにより、ロール装着機構203を装着する場合は、取付部材213の下端部に形成される案内部257を支持部材215の外側端面に当接させつつ、取付部材213を第1位置決め溝部216に挿入することによって、該ロール装着機構203を容易に位置決めしつつ装着できるようになっている。
位置決め保持部材212の延出部256の下端縁部は、ガイド部材220の下端縁部よりも所定長さ(この例では、約1mm〜2.5mm)下側方向に突出するように延出されており、この下端縁部に、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形の上記被検出部260が形成されている。
この被検出部260は、前述した各ロール検出センサS1〜S4に対向する所定位置に各センサ孔260A〜260Dが略L字状に配置されて穿設され、これらセンサS1〜S4と協働してテープロール300の種類を特定するものである。
上記のように構成されたロール装着機構203のラベル作成装置201側への装着挙動の一例を図27(A)及び図27(B)を用いて説明する。
図27(A)は、巻芯203Bに最大幅のテープ203Aが巻回されたテープロール300を装着する場合の例を表している。図27(A)において、まずロール装着機構203の位置決め保持部材212の取付部材213を支持部材215の位置決め溝部216に挿入する。そして、ロール装着機構203のガイド部材220の第3延出部244の下端面を載置部221上に当接させると共に、該ガイド部材220の第4延出部245を載置部221の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材220の第1延出部242の下端縁部をロール収納部204の底面部に形成される位置決め凹部204A内に嵌入して当接させる。
このとき同時に、ロール装着機構203の位置決め保持部材212の延出部256の下端部に形成される被検出部260を、支持部材215の基端部内側に形成される検出凹部204Bに挿入すると共に、弾性係止片212Aを支持部材215の基端部に形成される係合凹部215Aに係合させる。
続いて、レバー227を上方に回動させた状態で、テープ203Aの一方の側端縁部をガイド部材220の内側面に当接させつつ、該テープ203Aを引きだし、このテープ203Aの他方の側端縁部を挿入口218の側端縁部に立設された案内リブ部223に当接させつつ挿入口218に挿入する。その後、レバー227を下方に回動させることにより、該テープ203Aの先端部がサーマルヘッド231によってプラテンローラ226に押圧され、印字可能な状態になる。
図27(B)は、巻芯203Bに最小幅のテープ203Aが巻回されたテープロール300を装着する場合の例を表している。図27(B)において、まずロール装着機構203の位置決め保持部材212の取付部材213を支持部材215の位置決め溝部216に挿入する。そして、ロール装着機構203のガイド部材220の第3延出部244の下端面を載置部221上に当接させると共に、該ガイド部材220の第4延出部245を載置部221の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部221Dに嵌入させる。また、該ガイド部材220の第1延出部242の下端縁部をロール収納部204の底面部に形成される位置決め凹部204A内に嵌入して当接させる。
このとき同時に、ロール装着機構203の位置決め保持部材212の延出部256の下端部に形成される被検出部260を、支持部材215の基端部内側に形成される検出凹部204Bに挿入すると共に、弾性係止片212Aを支持部材215の基端部に形成される係合凹部215Aに係合させる。
以上の操作により、ロール装着機構203がロール収納部204に着脱自在に取り付けられる。
以降レバー227を上方に回動させる等については上記と同様であるので説明を省略する。
上記のようにしてテープ203Aの切断が完了し形成された印字ラベルLB2は、図28(a)、図28(b)、及び図29に示すように、前述の3層構造となっており、表面側(図29中上側)よりその反対側(図29中下側)へ向かって、感熱紙203c、粘着層203b、剥離紙203aの順で積層している。そして、前述のように感熱紙203cの表面に印字R(この例では「AA−AA」の文字)が印刷されている。
本実施形態においては、上述したように、互いに異なる種類のテープロール300を装着したロール装着機構203をロール収納部204に対し選択的に装着することにより、異なる種類のテープロールを選択的に用いて印字ラベルLB2を作成することができる。そしてその際、上記第1実施形態と同様にして、装着されたテープロール300の種類を検出することなく、各テープロール300のテープ203Aのテープ厚みtを算出し、テープ残量Mを算出することができる。以下、その内容を順を追って説明する。
ラベル作成装置201の上記制御回路410によって実行される制御内容は、図11を用いて説明した上記第1実施形態のステップS20〜ステップS60の手順と同等であり、その内容を上記図11を用いて説明する。
図11において、例えば操作者によりラベル作成装置201の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
まずステップS20で、制御回路410は、通信回路411Bを介し例えば他の端末や汎用コンピュータ等からの(あるいはラベル作成装置201に備えられた適宜の操作手段からの)作成指示信号が入力されたかどうかを判定する。作成指示信号が入力されるまで判定が満たされずループ待機する。作成指示信号が入力されたら判定が満たされて、当該作成指示信号に含まれる印字用データを制御回路410内の上記RAM等の適宜のメモリに格納し、ステップS30に移る。
ステップS30では、制御回路410は、上記ステップS20でメモリに格納した印字用データを読み出して例えば所定の変換を行いテープ203Aへの印字内容に対応したドットパターンデータ(=印字駆動データ)を生成する。そして、制御回路410内の印字バッファ(図示省略)に記憶させる。
その後、上記第1実施形態のステップS100と同等のステップS100で、制御回路410は、所望の印字がされた印字ラベルLB2(図28等を参照)を作成するラベル作成処理を実行する。
そして、ステップS40で、制御回路410は、上記第1実施形態と同様の手法により、テープ203Aのテープ厚みtを算出する。その後、ステップS50で、制御回路410は、ロール300のテープ残量Mを算出する。これらステップS40及びステップS50でのテープ厚みt及びテープ残量Mの算出手法は、図13及び図14を用いて説明した上記第1実施形態の手法と同様であり、前述の「式1」「式2」「式3」を用いて算出する。すなわち、
M=π(D2−d2)/4t ・・ (式1)
D=2S/ω ・・ (式2)
t=πS2/θ2L × (E2−E′2) ・・ (式3)
すなわち、上記第1実施形態と同様、制御回路410により算出されるテープの搬送量Lと、第1光学センサ251から出力されるパルス周期E,E′(言い換えれば、パルス周期の履歴情報)と、制御回路410内の上記RAMから読み出した上記角度θ及び上記搬送速度Sとから、テープ厚みtが、上記「式3」に基づき算出される。また、第1光学センサ251から出力されるパルス周期Eと、上記RAMから読み出した上記角度θとに基づき、ロール300の角速度ω(=θ/E)を検出し、この角速度ωとRAMから読み出した上記搬送速度Sとから、上記「式2」に基づき、ロール外周径Dが算出される。そして、算出されたテープ厚みt及びロール外周径Dと、RAMから読み出されたスプール外周径dとから、上記「式1」に基づき、ロール300のテープ残量Mを算出することができる。
その後、ステップS60で、制御回路410は、上記算出したテープ残量Mに対応したテープ残量情報を、通信回路411Bを介して他の端末や汎用コンピュータ等へ出力する。これにより、当該他の端末や汎用コンピュータの表示部にテープ残量Mが表示される(ラベル作成装置201に設けた適宜の表示手段に表示してもよい)。そして、このフローを終了する。
なお、上記第1実施形態と同様、テープ残量表示は数値で行ってもよいし、例えば棒グラフ等の図形やその他の記号等を用いて表示してもよい。また、数値で表示する場合には、ミリメートル単位やセンチメートル単位で細かく表示してもよいし、メートル単位で大まかに表示してもよい。
上記ステップS100の詳細手順は、上記第1実施形態のステップS100の手順と同等であり、その内容を上記図12を用いて説明する。
上記図12において、ステップS110で、制御回路410は、プラテンローラ駆動回路409(図25参照)に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ408(図25参照)によりプラテンローラ226を駆動する。これによって、テープロール300からのテープ203Aの繰り出し及び搬送を開始する。
その後、ステップS120で、制御回路410は、テープ203Aが所定量だけ搬送されたか否かを判定する。この所定量とは、上記第1実施形態と同様、例えば、テープ203Aの上記印字領域SAの先端が、サーマルヘッド231がほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離である。この搬送距離判定は、あるいは、前述と同様、制御回路410の算出結果に基づくか、テープ203Aに設けたマーキングを公知のセンサ(図示せず)で検出することにより行えば足りる。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら、判定が満たされてステップS130に移る。
ステップS130では、制御回路410は、印刷駆動回路405に制御信号を出力し、サーマルヘッド231に、テープ203Aの印字領域SAに対し、印字駆動データに対応した印字を開始させる。
そして、ステップS140で、制御回路410は、テープ203Aの上記印字領域SAに対する印字が全て完了しているか否かを判定する。印字が全て完了するまで判定が満たされず、ループ待機し、印字が全て完了したら判定が満たされて、ステップS150に移る。
ステップS150では、制御回路410は、テープ203Aがさらに所定量だけ搬送されたか否かを判定する。所定量が搬送されるまで判定が満たされず、ループ待機し、所定量搬送されたら判定が満たされてステップS155に移る。
ステップS155では、制御回路410は、印字開始後のテープ搬送速度が一定である場合に、光学センサ251による被検出体274に形成された検出子275の検出結果であるパルス列のタイミングをテープ搬送動作と平行して入力しておき、当該パルス周期に基づきテープロール300の角速度を検出する。
ステップS160では、制御回路410は、プラテンローラ駆動回路409に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ408によるプラテンローラ226の駆動を停止し、テープロール300からのテープ203Aの繰り出し及び搬送を停止する。これにより、操作者が上記カッタレバー209を手動操作することでテープ203Aが切断され、印字駆動データに対応した印字が行われた印字ラベルLB2が生成され、装置外へと排出される。本実施形態では図12のステップS170、ステップS180、ステップS190は省略され、その後、このルーチンを終了する。
以上説明した第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得る。すなわち、テープロール300と連動した角速度で(上記の例では同じ角速度で)回転する被検出体274が設けられており、光学センサ251が当該被検出体274の検出子275を光学的に検出する。また、制御回路410が、テープ203Aの搬送量Lを算出する。そして、制御回路410が、予め設定されているスプール外周径dと、制御回路410で算出した搬送量Lと、光学センサ251の検出結果に基づいた、複数の検出子275が順次検出されるパルス周期Eの上記履歴情報とを用いて、前述した所定の算出式に基づいてテープロール300のテープ残量Mを算出し、当該算出したテープ残量Mに対応したテープ残量情報を出力する。これにより、操作者に対し、テープ残量Mを表示することができる。
具体的には、テープ203Aが搬送量Lだけ搬送される際に複数の検出子275のパルス周期がEからE′へ変化することを利用し、さらに予め既知である検出子275の配置ピッチ角度θ及び搬送速度Sを用いて、上記「式3」によりまずテープ厚みtを算出する。そして、このテープ厚みtと、上記のスプール外周径d及び搬送速度Sと、光学センサ251の検出結果に基づくテープロール300の角速度ωとを用いて、上記「式1」及び「式2」により、テープ残量Mを算出する。これにより、テープ残量Mを確実に算出することができる。
このようにして、スプール外周径dが分かっていれば、テープロール300の種別ごとに異なるテープ厚みtをパラメータ情報として取得することなく、搬送量L及び光学センサ251の検出結果に基づいてテープ残量Mを算出することができる。この結果、ラベル作成装置200において上述した複数の異なる種類のテープロール300が用いられる場合でも、テープ残量Mを算出することができる。その結果、操作者は、複数の異なる種類の印字ラベルLB1を作成する場合でも、テープ残量Mを確実に認識することができる。
また、本実施形態では特に、上記したように、制御回路410は、テープ203Aのテープ厚みtをパラメータ情報として取得せずとも、搬送量L及び光学センサ251の検出結果に基づいてテープ残量Mを逐次算出する。これにより、テープロール300の種別情報の取得が不要となる。したがって、テープ厚みtが不明である新規なテープロール300を用いる場合であっても、スプール外周径dが分かっていれば、確実にテープ残量Mを特定することができる。さらに、テープ203Aの実際の製品においては、テープ厚みtは完全に一様ではなく製品誤差の範囲内で変動する。これに対し、上記第2実施形態では、第1実施形態と同様、上記所定の算出式によってテープ203Aのテープ厚みtを逐次算出するので、上述のように各テープ部分で異なる上記テープ厚みtの変動に対応した形で、精度よくテープ残量を特定することができる。
なお、以上の実施形態及び変形例においては、被検出体74,274がカートリッジ10やテープロール300に設けられていた場合を例にとって説明したが、これに限られず、テープ側やラベル作成装置の装置筐体側に被検出体が設けられていてもよい。装置筐体側に被検出体を設ける場合、ロールの回転を、当該装置筐体側に設けた被検出体へ適宜の回転伝達機構を介して伝達して、被検出体をロールの回転に連動した角速度(必ずしも同じ角速度でなくてもよい)で回転させ、当該回転する被検出体の角速度を検出するようにしてもよい。この場合も前述したものと同様の効果を得ることができる。
なお、以上において、図8及び図25に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図11及び図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。