JP6167388B2 - 車両のモール取付け構造 - Google Patents
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Description
請求項1の発明は、車両の意匠面を構成するアウタパネルとインナパネルとが互いの端縁で接合されて、そのアウタパネルとインナパネルとの接合部分、及びその周縁が外側からモールに覆われる構成の車両のモール取付け構造であって、前記モールは、前記アウタパネル側を覆うモールアウタと、前記インナパネル側を覆うモールインナとを備え、前記モールアウタの端縁と前記モールインナの端縁とが相互に連結される構成であり、前記モールアウタの端縁と前記モールインナの端縁とには、相手側の端縁の表側を押える表側押え部と、前記相手側の端縁の裏側を押える裏側押え部とが前記モールアウタ及びモールインナの長手方向にわたってそれぞれ交互に設けられており、前記モールアウタ、あるいは前記モールインナの一方の表側押え部には先端側に爪状部が形成されており、前記モールアウタ、あるいは前記モールインナの他方の裏側押え部には、前記爪状部が挿入される開口が形成されており、前記開口に挿入された前記爪状部が前記表側押え部と反対側から前記裏側押え部の周辺を押える構成であり、前記表側押え部には、前記爪状部の基端部側に被係合部が設けられており、前記裏側押え部には、前記開口の周縁に前記被係合部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする。
また、表側押え部と爪状部とにより、モールの幅方向において相手側の端縁を表側と裏側とから拘束できるようになる。
さらに、モールアウタの端縁とモールインナの端縁とが相互に嵌め合わされた状態で、モールアウタの端縁とモールインナの端縁とを連結できるようになる。
以下、図1から図9に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のモール取付け構造の説明を行う。本実施形態に係るモール取付け構造は、図1に示すように、車両10のフロントドア12の下部にドア下モール20を取付けるための構造である。ここで、図中における前後左右及び上下は、車両10の前後左右及び上下に対応している。なお、左右のフロントドア12、及びドア下モール20は左右対称に形成されているため、代表して右側のフロントドア12、及びドア下モール20について説明する。
本実施形態に係るドア下モール20の取付け構造について説明する前にフロントドア12の下部構造について簡単に説明する。フロントドア12は、図2〜図4に示すように、ドアの外側意匠面を構成するアウタパネル13と、そのアウタパネル13に対して周縁部分が合わせられるインナパネル14とを備えている。アウタパネル13の周縁とインナパネル14の周縁とはヘミング加工により接合される。即ち、アウタパネル13の周縁部13fがアウタパネル13の本体部分に対して一定幅で約180°折り返され、アウタパネル13の本体部分と周縁部13f間にインナパネル14の周縁が挟まれて固定される。
ドア下モール20は、フロントドア12の下部を覆って前後方向に延びる装飾部材であり、モールアウタ21とモールインナ23とから構成されている。モールアウタ21は、図2〜図4に示すように、フロントドア12のアウタパネル13(窪み部13k)等を覆うパネル被覆部210と、そのパネル被覆部210をアウタパネル13(窪み部13k)に固定するためのブラケット部213と、両者210,213を相対回動可能に連結するインテグラルヒンジ部214とから構成されている。そして、モールアウタ21のブラケット部213の先端部が、図3、図4に示すように、クリップ13pによってアウタパネル13(窪み部13k)に固定される。
モールインナ23は、図2〜図4に示すように、フロントドア12のインナパネル14(窪み部14k)等を覆うパネル被覆部230と、そのパネル被覆部230の下端部にインテグラルヒンジ部234を介して連結されたブラケット部233とから構成されている。モールインナ23のパネル被覆部230の上部内側にはクリップ部230pが設けられており、そのクリップ部230pによってモールインナ23はフロントドア12のインナパネル14(窪み部14k)に固定される。モールインナ23のブラケット部233は、モールアウタ21の端縁(下端縁)に連結されるように構成されている。
次に、フロントドア12に対するドア下モール20の取付け手順の一例について説明する。先ず、図2に示すように、ドア下モール20のモールインナ23のパネル被覆部230をフロントドア12のインナパネル14の窪み部14kにクリップ部230pを利用して固定する。次に、モールインナ23のブラケット部233をインテグラルヒンジ部234の位置で上方に回動させ、ブラケット部233の裏側押え部236に形成されているリブ236wの段差部をフロントドア12のアウタパネル13とインナパネル14の接合部に係合させる。次に、図3、図4に示すように、モールアウタ21のブラケット部213をフロントドア12のアウタパネル13の窪み部13kにクリップ13pにより固定する。次に、モールアウタ21のパネル被覆部210をインテグラルヒンジ部214の位置で下方に回動させ、アウタパネル13の窪み部13kとブラケット部213等を覆う。さらに、モールアウタ21のパネル被覆部210の下端縁をモールインナ23のブラケット部233に連結する。
本実施形態に係るモール取付け構造によると、モールアウタ21の端縁とモールインナ23の端縁とは、各々の表側押え部215,235と裏側押え部216,236とによって、相互に相手側の端縁を表側と裏側とから拘束する構成である。このため、モールアウタ21の端縁とモールインナ23の端縁とが嵌め合わされた状態で、モールアウタ21の端縁とモールインナ23の端縁とは相互に表裏方向に曲がり難くなる。即ち、モールアウタ21の端縁とモールインナ23の端縁とが互いに位置決めされていない状態で連結されても連結部分でガタが生じない。このため、フロントドア12のアウタパネル13を覆うモールアウタ21とモールインナ23との二重被覆部分を省略でき、ドア下モール20の軽量化が可能になる。また、モールアウタ21の表側押え部215と爪状部215tとにより、ドア下モール20の幅方向においてモールインナ23の端縁を表側と裏側とから拘束可能になる。さらに、モールインナ23に対してモールアウタ21を重ねる二重被覆構造でないため、モールアウタ21の形状を自由に設定できる。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、モールアウタ21の表側押え部215に爪状部215tを形成し、モールインナ23の裏側押え部236に前記爪状部215tが挿入される開口236uを形成する例を示した。しかし、モールインナ23の表側押え部235に爪状部を形成し、モールアウタ21の裏側押え部216に前記爪状部が挿入される開口を形成することも可能である。また、本実施形態では、フロントドア12のドア下モール20に本発明を適用する例を示したが、アウタパネル13とインナパネル14との接合部分周縁を覆うモールであれば、ドア以外の部材に使用されるモールであっても本発明を適用することが可能である。
13・・・・アウタパネル
14・・・・インナパネル
20・・・・ドア下モール(モール)
21・・・・モールアウタ
215・・・表側押え部
215t・・爪状部
215h・・被係合開口(被係合部)
216・・・裏側押え部
23・・・・モールインナ
235・・・表側押え部
236・・・裏側押え部
236t・・係合突起(係合部)
236u・・開口
Claims (3)
- 車両の意匠面を構成するアウタパネルとインナパネルとが互いの端縁で接合されて、そのアウタパネルとインナパネルとの接合部分、及びその周縁が外側からモールに覆われる構成の車両のモール取付け構造であって、
前記モールは、前記アウタパネル側を覆うモールアウタと、前記インナパネル側を覆うモールインナとを備え、前記モールアウタの端縁と前記モールインナの端縁とが相互に連結される構成であり、
前記モールアウタの端縁と前記モールインナの端縁とには、相手側の端縁の表側を押える表側押え部と、前記相手側の端縁の裏側を押える裏側押え部とが前記モールアウタ及びモールインナの長手方向にわたってそれぞれ交互に設けられており、
前記モールアウタ、あるいは前記モールインナの一方の表側押え部には先端側に爪状部が形成されており、前記モールアウタ、あるいは前記モールインナの他方の裏側押え部には、前記爪状部が挿入される開口が形成されており、
前記開口に挿入された前記爪状部が前記表側押え部と反対側から前記裏側押え部の周辺を押える構成であり、
前記表側押え部には、前記爪状部の基端部側に被係合部が設けられており、
前記裏側押え部には、前記開口の周縁に前記被係合部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする車両のモール取付け構造。 - 請求項1に記載された車両のモール取付け構造であって、
前記モールアウタは、前記モールインナとの連結部分に対して反対側に位置する端縁が前記アウタパネルに固定されており、
前記モールインナは、前記モールアウタとの連結部分に対して反対側に位置する端縁が前記インナパネルに固定されていることを特徴とする車両のモール取付け構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のモール取付け構造であって、
前記アウタパネルとインナパネルは、ドアのアウタパネルとインナパネルであり、
前記モールはドアの下辺に装着されていることを特徴とする車両のモール取付け構造。
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