JP6166552B2 - クランク軸の位置検出構造 - Google Patents

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本発明は、ホールICを用いてクランク軸の位置(角度)を検出するためのクランク軸の位置検出構造に関する。
エンジンのクランク軸に設けられ、交流発電機(ACG)として用いることが可能なアウターロータ型のモータが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるモータにおいては、ロータの回転位置を検出する検出センサが、ステータに形成されたティース部間の比較的狭い空間内に複数配設されている。一方で、ロータには複数のマグネットがロータの周方向に複数並んで設けられている。
検出センサは、複数のホールICをケースに収容してユニット化したものであり、ケース内にはホールICが外部に漏洩しないように充填剤が充填されている。なお、充填剤には、エポキシ樹脂等がよく用いられる。
上記のモータは、ホールICを4つ備えており、4つのホールICはモータの周方向にずらして配置されている。このようなモータを、クランク軸に設けた場合には、ホールICの1つでクランク軸の単位回転を検出して点火タイミングを制御でき、3つのホールICで磁束の変化を検出することで、UVW相に対する電流印加のタイミングを制御することができる。また、このように、クランク軸の単位回転と、3つのホールICで磁束の変化とを検出可能である場合には、クランク軸の単位回転を基準として、上記3つのホールICで検出される磁束の変化をカウントすることで、クランク軸の位置(角度)を検出することも可能となる。
ところで、近年、環境性に優れることからアイドルストップ機能を有する車両に注目が集まっている。ここで、アイドルストップ機能付きの車両には、エンジンの自動停止直後にクランク軸を所定位置まで逆転させる制御(スイングバック制御)を行い、エンジン始動時のスタータモータの負荷を極力抑制させるものがある。
このようなスイングバック制御において、クランク軸を所定位置に適正に制御する場合には、クランク軸の位置の検出が必要となる。なお、近年では、交流発電機をスタータモータとして機能させる車両もある。
特開2010−200421号公報
ところで、上記のようなホールICは、耐油性及び耐熱性が比較的弱く、特許文献1に開示されたモータは、潤滑油で潤滑され高温となる環境下の使用が課題となる。また、UVW相用に加えて、点火タイミング用の4つホールICが設けられることから、配線の簡素化も期待される。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、ホールICを用いてクランク軸の位置を検出する構造であって、ホールICに対する潤滑油及び熱の影響を抑制して、簡易にクランク軸の位置を検出できるクランク軸の位置検出構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、鞍乗型車両のクランクケース(17)に回転可能に支持されたクランク軸(16)の位置をホールIC(65)によって検出するためのクランク軸の位置検出構造において、前記クランク軸(16)の端部に、マグネット(60)が設けられ、前記マグネット(60)は円形状であって、前記クランク軸(16)の軸方向視で一方の半円領域(62a)にN極が着磁され、他方の半円領域(62b)にS極が着磁されたものであり、前記クランク軸(16)の前記端部は、前記クランクケース(17)に結合されるエンジンカバー(51)によって前記クランク軸(16)の軸方向外側から覆われ、前記エンジンカバー(51)に、単一の前記ホールIC(65)が設けられ、前記ホールIC(65)は、前記クランク軸(16)の前記端部の前記クランク軸(16)軸方向外側に向けた延長線上で、前記マグネット(60)に近接してクランク軸回転中心で対向するように設けられ、前記マグネット(60)は、前記端部において前記クランク軸(16)の軸方向外側に向けて露出するように設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記ホールIC(65)は、ケース(67)に収容され、前記ケース(67)には、前記マグネット(60)の基準位置を示すマーク(65A)が設けられることを特徴とする。

請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記エンジンカバー(51)には、前記クランク軸(16)の前記端部の前記クランク軸(16)軸方向外側に向けた延長線上に貫通穴(71)が形成され、前記ホールIC(65)は、ケース(67)に収容され、該ケース(67)が前記貫通穴(71)を埋めるように設けられ、前記ホールIC(65)は、前記ケース(67)を挟んで、前記マグネット(60)に近接して対向するように設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記ホールIC(65)の前記クランク軸(16)の周方向での姿勢を調整可能な周方向調整手段(74)が形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記マグネット(60)は、前記クランク軸(16)の端部に加締めて設けられることを特徴とする。
請求項1,2に記載の発明によれば、クランクケースよりも温度の低いエンジンカバーにホールICが設けられることで、ホールICに対する熱の影響を抑制できる。また、ホールICはクランク軸の端部に近接して対向し、クランク軸とホールIC間のクリアランスが狭くなることから、上記クリアランスから潤滑油がホールICに進入し難い構造となり、潤滑油の影響を抑制できるとともに、ホールICの検出精度が向上する。また、ホールICを1個設けるだけで、簡易にクランク軸の位置を検出できるため、従来よりもホールICの数を減らして配線構造等を簡素化でき、コストを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、ホールICはエンジンカバーを挟まず、そのケースの壁部を介して磁束を検出するため、検出精度を向上できる。また、ホールICの保護性を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、マグネットとホールICとの相対位置が調整可能となり、検出精度の調整を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、クランク軸の端部周りを煩雑にすることなく、簡易にマグネットをクランク軸の端部に固定することができる。
本発明の実施形態に係る構造が適用された自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンユニットの展開断面図であって、図1のA−A線に沿う展開断面図である。 図2の要部の拡大図である。 図3の要部の拡大図である。 エンジンユニットに備えられた検出用マグネットを示した図である。 エンジンユニットに備えられたホールICパッケージを示した図である。 ホールICによるクランク軸の回転位置の検出方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明に用いる図面において、矢印FRは車両の前方を、矢印UPは車両の上方を、矢印LHは車両の左方をそれぞれ示している。
図1には本発明の実施形態に係る構造が適用された自動二輪車1が示されている。自動二輪車1は、エンジンユニット2が車体前後方向の中央に搭載され、エンジンユニット2の後部上方に乗員が着座するシート3が設けられ、シート3の下方に燃料タンク4が設けられている。
前輪Wfは、フロントフォーク5に回転可能に支持され、フロントフォーク5の上部に操舵ハンドル6が設けられている。操舵ハンドル6の右側には、ブレーキレバーとスロットルグリップ(いずれも図示せず。)が配置されている。また、後輪Wrは、スイングアーム7を介して車体フレームに揺動可能に支持されている。
図2は、図1のA−A断面に対応するエンジンユニット2の展開断面図である。
エンジンユニット2は、内燃機関であるレシプロ式のエンジン10と、多段式の変速機11が一体ブロックとして構成され、エンジン10と変速機11が遠心クラッチ8とミッションクラッチ12を介して動力伝達可能とされている。
エンジン10は、シリンダブロック13のシリンダボア内にピストン14が摺動自在に嵌装され、ピストン14がコンロッド15を介してクランク軸16に連結されている。このエンジン10は、図1に示すように、シリンダブロック13がクランク軸16に対して車体前方に延出する略水平姿勢で車両に搭載される。クランク軸16は、シリンダブロック13の基端部に結合されたクランクケース17に軸受18を介して回転可能に支持されている。また、シリンダブロック13の先端部には、ピストン14との間で燃焼室19を形成するシリンダヘッド20が取り付けられている。
なお、図2中21は、燃焼室19内に臨むようにシリンダヘッド20に設置された点火装置であり、22は、シリンダヘッド20の先端側に設けられ、クランク軸16と連動して図示しない吸排気バルブを開閉駆動する動弁装置であり、ヘッドカバー20Cによって覆われている。また、同図中23は、クランク軸16上のコンロッド15との連結部(クランクピン)の軸方向両側に設けられたクランクウェブであり、17aは、クランク軸16のほぼ全域を収容するクランクケース17内のクランク室である。
クランク軸16の軸方向の一端部(図2の紙面右側の端部、以下、右端部と呼ぶ)の外周(クランクウェブ23よりも軸方向外側の外周)には、遠心クラッチ8が設けられている。遠心クラッチ8は、クランク軸16の右端部に一体に固定されたクラッチインナ24と、クランク軸16の右端部の外周に回転可能に支持されたクラッチアウタ25と、クラッチインナ24と一体に回転してクラッチインナ24とクラッチアウタ25を遠心力によって接続状態にする遠心ウェイト26と、を備えている。遠心クラッチ8は、クランク軸16の回転速度が所定速度以上に達したときに、クランク軸16の回転動力をクラッチアウタ25に出力する。
また、クラッチアウタ25には、ミッションクラッチ12に一体化される入力ギヤ27と噛合する出力ギヤ28が一体回転可能に結合されている。
クランクケース17内のクランク軸16の回転中心Oよりも車両後方側位置には、変速機11のメイン軸29とカウンタ軸30がクランク軸16と平行に設けられている。メイン軸29とカウンタ軸30はそれぞれ離間して配置された一対の軸受を介してクランクケース17内に回転可能に支持され、メイン軸29はクランク軸16の車両後方側に隣接する位置に配置され、カウンタ軸30はメイン軸29の車両後方側に隣接する位置に配置されている。
変速機11のメイン軸29上にはメイン変速ギヤ群M1が配設され、カウンタ軸30上にはメイン変速ギヤ群M1と噛合するカウンタ変速ギヤ群M2が配設されている。メイン軸29の軸方向の一端部(図2の紙面右側の端部、以下、右端部と呼ぶ)には、クランク軸16側の出力ギヤ28に噛合される前記の入力ギヤ27とミッションクラッチ12とが設けられている。入力ギヤ27は、メイン軸29の外周上に回転可能に支持されている。また、カウンタ軸30の軸方向の他端部(図2の紙面左側の端部)には出力スプロケット33が取り付けられている。出力スプロケット33には動力伝達用のチェーン(図示せず。)が掛け回され、当該チェーンを介してカウンタ軸30の回転が駆動輪である後輪Wrに伝達されるようになっている。
変速機11では、クランクケース17内に設けられた図示しないシフトドラムの回動操作によってメイン変速ギヤ群M1とカウンタ変速ギヤ群M2の駆動伝達ギヤが選択され、それによってニュートラルを含む任意の変速ギヤ段(ギヤポジション)が設定される。
ミッションクラッチ12は、入力ギヤ27と一体に結合された状態でメイン軸29上に回転可能に支持された有底円筒状のクラッチアウタ35と、メイン軸29にスプライン嵌合された略円盤状のクラッチインナ36と、クラッチアウタ35に一体回転可能に係止された複数の駆動摩擦板37と、クラッチインナ36に一体回転可能に係止され駆動摩擦板37と摩擦接触する複数の従動摩擦板38と、駆動摩擦板37と従動摩擦板38を圧接方向に付勢するクラッチスプリング(図示せず。)と、駆動摩擦板37と従動摩擦板38の間に作用するクラッチスプリングの付勢力を解除操作する操作板40と、を備えている。
クラッチアウタ35側の駆動摩擦板37とクラッチインナ36側の従動摩擦板38は、軸方向に交互に配置され、クラッチスプリングの付勢力を受けて相互に押し付けられることにより、クラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を可能し、操作板40によってクラッチスプリングの付勢力が解除操作されることにより、クラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を遮断する。
本実施形態では、操作板40は、図示しないシフトペダルの操作に連動して軸方向に進退移動可能とされ、シフトペダルの操作がなされた際に、変速ギヤが噛み合う前に所定期間だけ駆動摩擦板37と従動摩擦板38の間に作用するクラッチスプリングの付勢力を解除し、それによってクラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を遮断する。そして、変速ギヤの噛み合い後に駆動摩擦板37と従動摩擦板38とが噛み合った状態とする。
また、クランクケース17の後部下側には、キックスタータ41のキックスピンドル42が回動可能に取り付けられている。このキックスピンドル42は、キックペダル43の踏み降ろしがあった場合にのみ、その回転をクランク軸16に伝達するようになっている。
一方で、クランク軸16の軸方向の他端部(図2の紙面左側の端部、以下、左端部と呼ぶ)は、クランクケース17の側壁(壁部)に形成された円形状の開口17bを隙間をもって通過してクランクケース17の側壁から外側に突出している。このクランクケース17の開口17bから突出したクランク軸16の左端部側には、交流発電機とエンジン10の始動モータとを兼ねる回転電機(以下、「ACGスタータ50」と呼ぶ。)が配設されている。また、クランク軸16の左端部は、クランクケース17の側壁にボルト締結等によって取り付けられる凹状のエンジンカバー51によって覆われている。
なお、エンジンカバー51は、左側からクランク軸16の左端部を覆う底壁部51aと、底壁部51aの外周縁から立ち上がるように延びて、その先端でクランクケース17の側壁に当接して、クランクケース17に結合する側壁部51bと、を備えている。また、クランクケース17の側壁とエンジンカバー51で形成される空間は、クランク室17aに連通する空間となるため、クランク室17aに供給される潤滑油が進入し得る空間となっている。
図3は、図2のACGスタータ50の設置部を拡大して示した図である。
ACGスタータ50は、クランク軸16の左端部に取り付ける有底円筒状のロータ52と、ロータ52の内周側に配置されるステータ53と、を備えている。ロータ52は、クランク軸16と同軸に位置する円板状の底壁部52aと、底壁部の外周縁から立ち上がるように形成される側壁部52bと、で有底円筒状に形成されている。そして、ロータ52は、底壁部52aがクランクケース17の側壁側に位置されるようにクランク軸16に固定され、ステータ53は、エンジンカバー51の底壁部51aの内側面に締結されている。
ロータ52の内周面には、ロータ52の軸心方向に向く異なる磁極面(N極面とS極面)が周方向に沿って交互に現れるようにマグネット54が取り付けられている。マグネット54は永久磁石であり、この実施形態では、短冊状の複数の磁極片がロータ52の内周面に取り付けられたものであるが、円筒状の強磁性体を、異なる磁極面が円周方向に沿って交互に現れるように着磁したものであっても良い。
ロータ52は、底壁部52aの径方向中央にクランク軸16を挿通させるための開口55が形成されており、開口55からクランク軸16の左端部をエンジンカバー51の内面側に通過させた状態で、クランク軸16に固定されている。詳しくは、クランク軸16の左端部には、クランク軸16に相対回転不能に固定された固定プレート56が設けられ、ロータ52は固定プレート56を介してクランク軸16に固定される。
固定プレート56はクランク軸16の外周に相対回転不能に固定された筒部56aと、筒部56aから径方向外側に張り出したプレート部56bと、を備えている。プレート部56bは、ロータ52の底壁部52aを締結部材によって固定している。
また、クランク軸16の左端部は、上記筒部56aから左方に突出し、この左方に突出した部位には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部にはロックナット57が螺合され、ロックナット57は筒部56aの端面に圧接している。また、クランク軸16の左端部先端は、ロックナット57の頭部よりも左方にやや突出している。
一方で、ステータ53は、円環状に形成された本体部53aと、本体部53aの外周面から突出する複数のティース部53bと、を備え、ティース部53bにコイル53cが巻回されてなる。ステータ53は本体部53aの径方向内側を締結部材によって、エンジンカバー51に固定されている。クランク軸16の左端部の一部は、ステータ53の本体部53aの径方向内側に入り込んでいる。
ここで、図3及び図4を参照し、クランク軸16左端部の先端には凹部58が形成され、この凹部58には検出用マグネット60がクランク軸16の外側に露出するように収容されている。凹部58はクランク軸16の左端部の先端からクランク軸16の軸方向に沿って円形状に窪むように形成されている。図5も参照し、検出用マグネット60は、円形状のベース部61と、ベース部61と同軸に配置され、これと一体化された円形状のマグネット本体62と、を備えている。
図4に示すように、凹部58の底面には、中心からずれた位置に当該底面よりさらに窪む位置決め穴63が形成され、ベース部61には、この位置決め穴63に係合する位置決め突起64が形成され、この位置決め突起64が位置決め穴63に挿入されて、検出用マグネット60の位置決めがされる。
図5に示すように、マグネット本体62は、ベース部61よりも小径に形成され、クランク軸16の軸方向視で一方の半円領域62aにN極が着磁され、他方の半円領域62bにS極が着磁されている。そして、図4に示すように、クランク軸16の左端部の先端は径方向内側に向けて屈曲変形されて、マグネット本体62の周囲を囲むとともにベース部61に圧着しており、検出用マグネット60は、クランク軸16の端部に加締めて設けられている。
ここで、マグネット本体62の磁極面は、クランク軸16の左端部の先端と略面一とするのが好ましく、より好ましくは、先端から突出しないように設けられるのが良い。
そして、エンジンカバー51には、1つのホールIC65を収容したホールICパッケージ66が設けられている。ホールICパッケージ66は、ホールIC65が、クランク軸16の左端部の軸方向外側に向けた延長線(軸線O参照)上で、マグネット本体62の中心に近接して対向するように設けられている。
ホールICパッケージ66は、有底円筒状のケース67を備え、ケース67内において底部に近接するようにホールIC65を設けるとともに、ホールIC65よりも開口側にホールIC65に電気的に接続される基板68を収容しており、ホールIC65及び基板68を所定の位置に保持するために、ケース67内にエポキシ樹脂からなる充填剤69を充填している。
本実施形態では、エンジンカバー51の外側面からクランク軸16の左端部側に向けて円形状に窪むケース保持用凹部70が形成され、ケース保持用凹部70は、クランク軸16の同軸上でクランク軸16の軸方向に沿って窪んで形成されている。そして、ケース保持用凹部70の底部には、ケース保持用凹部70の内周面よりも小径に形成された貫通穴71が形成され、この貫通穴71は、クランク軸16の左端部の軸方向外側に向けた延長線上に位置している。
ホールICパッケージ66は、ケース67の底部がクランクケース17に臨むように貫通穴71に挿通されており、ケース67の外周部と貫通穴71との間にはシール部材72が設けられ、ケース67は貫通穴71を埋めるように設けられる。
図6も参照し、ケース67の開口縁には、ケース67の中心を挟んで対向する位置に形成された一対のフランジ部73が径方向外側に張り出しており、フランジ部73には周方向に長く延びる通し穴74が形成されている。通し穴74に挿通された締結部材が、貫通穴71のケース保持用凹部70内の周縁部に締結されることで、ホールICパッケージ66はケース保持用凹部70に収容固定されている。そして、ホールIC65は、ケース67の底部を挟んで、マグネット本体62の着磁面に近接して対向している。
なお、本実施形態では、上記通し穴74がケース67の周方向、換言すればクランク軸16の周方向に長く延びることから、ホールIC65のクランク軸16の周方向での姿勢を調整することが可能となっている。また、図3を参照し、ケース保持用凹部70の外側開口縁は、蓋部材76によって着脱可能に覆われている。また、図6において符号80は基板68から引き出されたリード線を示している。リード線80はホールICパッケージ66から外部に引き出され、図示しない制御装置に電気的に接続される。
上記のようにホールIC65を、一方の半円領域62aにN極が着磁され、他方の半円領域62bにS極が着磁された円形状のマグネット本体62の中心に近接させて対向させた場合には、クランク軸16の回転時にホールIC65がマグネット本体62の磁束の変化(向き、強弱)を検出できる。そして、ホールIC65は、基板68を介して、図示しない制御装置(ECU)に磁束の変化に応じた出力電圧を出力し、制御装置は、ホールIC65の検出結果である出力電圧に基づき、クランク軸16の回転位置を検出することができる。また、制御装置(ECU)は、ホールIC65の検出結果に基づき、所望の点火タイミング及び電流の印加タイミングを制御することができる。
ここで、図7を参照し、ホールIC65が、検出用マグネット60との相対位置に応じて基板68を介して出力する出力電圧につき説明し、クランク軸16の回転位置の検出方法について説明する。この例では、図7(A)に示すように、ホールIC65に設けられたマーク65A(便宜上、二点鎖線で示す。マーク65Aは、例えばケース67等に設けられる。)の方向に検出用マグネット60のN極が着磁された半円領域62aが向く位置を基準位置(0°)とし、このとき、ホールIC65が、図7(C)に示すように、第1出力電圧VDDを出力電圧として出力するようになっている。
そして、図7(B)に示すように、基準位置からクランク軸16の回転に伴い、検出用マグネット60が回転していくと、図7(C)に示すように出力電圧がリニアに上昇していく。そして、この例では、検出用マグネット60が基準位置から180°回転した際に、ホールIC65が第2出力電圧VDDを出力電圧として出力し、360°回転した際には、ホールIC65が第3出力電圧VDDを出力電圧として出力する。そして、第3出力電圧VDDを出力電圧として出力すると、基準位置に復帰したものとして、再度、第1出力電圧VDDを出力電圧として出力する。
このようにホールIC65が、検出用マグネット60との相対位置に応じて出力電圧を変化させて出力することで、制御装置は、出力電圧に基づき、クランク軸16の回転位置(回転角度)を検出することが可能となる。なお、上記で説明した、VDDはホールIC65が出力する最大電圧であり、この値は任意に決定されるものである。
以上に記載したように本実施形態では、クランク軸16の左端部に、検出用マグネット60がクランク軸16の軸方向外側に向けて露出するように設けられ、検出用マグネット60は円形状であって、一方の半円領域62aにN極が着磁され、他方の半円領域62bにS極が着磁されたものであり、エンジンカバー51には、ホールIC65が設けれ、ホールIC65は、クランク軸16の左端部のクランク軸16軸方向外側に向けた延長線上で、検出用マグネット60に近接して対向するように設けられる。
このような構造によれば、クランクケース17よりも温度の低いエンジンカバー51にホールIC65が設けられることで、ホールIC65に対する熱の影響を抑制できる。また、ホールIC65はクランク軸16の端部に近接して対向し、クランク軸16とホールIC65間のクリアランスが狭くなることから、上記クリアランスから潤滑油がホールIC65に進入し難い構造となり、潤滑油の影響を抑制できるとともに、ホールIC65の検出精度が向上する。また、ホールIC65を1個設けるだけで、簡易にクランク軸16の位置を検出できるため、従来よりもホールICの数を減らして配線構造等を簡素化でき、コストを低減できる。
また、本実施形態では、エンジンカバー51には、クランク軸16の左端部のクランク軸16軸方向外側に向けた延長線上に貫通穴71が形成され、ホールIC65は、ケース67に収容され、ケース67が貫通穴71を埋めるように設けられ、ホールIC65が、ケース67を挟んで、マグネット60に近接して対向するように設けられる。
このため、ホールIC65はエンジンカバー51を挟まず、そのケース67の壁部を介して磁束を検出するため、検出精度を向上できる。また、ホールIC65の保護性を高めることができる。
また、本実施形態では、ケース67に、貫通穴71の周方向での取付位置を調整可能な周方向調整手段が通し穴74によって形成されるので、検出用マグネット60とホールIC65との相対位置が調整可能となり、検出精度の調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、検出用マグネット60が、クランク軸16の端部に加締めて設けられるので、クランク軸16の端部周りを煩雑にすることなく、簡易に検出用マグネット60をクランク軸16の端部に固定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、クランク軸16の左端部に検出用マグネット60を設けたが、右端部に設けてもよいし、本発明は、実施形態で例示した向きにより特段限定されるものではない。また、本発明は、潤滑油で潤滑されるウェットの空間に限らず、ドライ空間でも用いることもできる。
16 クランク軸
17 クランクケース
51 エンジンカバー
60 検出用マグネット(マグネット)
62a,62b 半円領域
65 ホールIC
67 ケース
71 貫通穴
74 通し穴(周方向調整手段)

Claims (5)

  1. 鞍乗型車両のクランクケース(17)に回転可能に支持されたクランク軸(16)の位置をホールIC(65)によって検出するためのクランク軸の位置検出構造において、
    前記クランク軸(16)の端部に、マグネット(60)が設けられ、
    前記マグネット(60)は円形状であって、前記クランク軸(16)の軸方向視で一方の半円領域(62a)にN極が着磁され、他方の半円領域(62b)にS極が着磁されたものであり、
    前記クランク軸(16)の前記端部は、前記クランクケース(17)に結合されるエンジンカバー(51)によって前記クランク軸(16)の軸方向外側から覆われ、
    前記エンジンカバー(51)に、単一の前記ホールIC(65)が設けられ、
    前記ホールIC(65)は、前記クランク軸(16)の前記端部の前記クランク軸(16)軸方向外側に向けた延長線上で、前記マグネット(60)に近接してクランク軸回転中心で対向するように設けられ、
    前記マグネット(60)は、前記端部において前記クランク軸(16)の軸方向外側に向けて露出するように設けられることを特徴とするクランク軸の位置検出構造。
  2. 前記ホールIC(65)は、ケース(67)に収容され、
    前記ケース(67)には、前記マグネット(60)の基準位置を示すマーク(65A)が設けられることを特徴とする請求項1に記載のクランク軸の位置検出構造。
  3. 前記エンジンカバー(51)には、前記クランク軸(16)の前記端部の前記クランク軸(16)軸方向外側に向けた延長線上に貫通穴(71)が形成され、
    前記ホールIC(65)は、ケース(67)に収容され、該ケース(67)が前記貫通穴(71)を埋めるように設けられ、
    前記ホールIC(65)は、前記ケース(67)を挟んで、前記マグネット(60)に近接して対向するように設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のクランク軸の位置検出構造。
  4. 前記ケース(67)には、前記ホールIC(65)の前記クランク軸(16)の周方向での姿勢を調整可能な周方向調整手段(74)が形成されることを特徴とする請求項3に記載のクランク軸の位置検出構造。
  5. 前記マグネット(60)は、前記クランク軸(16)の端部に加締めて設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造。
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