JP6014516B2 - クランク軸の位置検出構造 - Google Patents

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本発明は、ホールIC等のセンサを用いてクランク軸の位置(角度)を検出するためのクランク軸の位置検出構造に関する。
エンジンのクランク軸に設けられ、交流発電機(ACG)として用いることが可能なアウターロータ型のモータが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるモータにおいては、ロータの回転位置を検出する検出センサが、ステータに形成されたティース部間の比較的狭い空間内に複数配設されている。一方で、ロータには複数のマグネットがロータの周方向に複数並んで設けられている。
検出センサは、複数のホールICをケースに収容してユニット化したものであり、ケース内にはホールICが外部に漏洩しないように充填剤が充填されている。充填剤には、エポキシ樹脂等がよく用いられる。
上記のモータは、ホールICを4つ備えており、4つのホールICはモータの周方向にずらして配置されている。このようなモータを、クランク軸に設けた場合には、ホールICの1つでクランク軸の単位回転を検出して点火タイミングを制御でき、3つのホールICで磁束の変化を検出することで、UVW相に対する電流印加のタイミングを制御することができる。また、このように、クランク軸の単位回転と、3つのホールICで磁束の変化とを検出可能である場合には、クランク軸の単位回転を基準として、上記3つのホールICで検出される磁束の変化をカウントすることで、クランク軸の位置(角度)を検出することも可能となる。
ところで、近年、環境性に優れることからアイドルストップ機能を有する車両に注目が集まっている。ここで、アイドルストップ機能付きの車両には、エンジンの自動停止直後にクランク軸を所定位置まで逆転させる制御(スイングバック制御)を行い、エンジン始動時のスタータモータの負荷を極力抑制させるものがある。
このようなスイングバック制御において、クランク軸を所定位置に適正に制御する場合には、クランク軸の位置の検出が必要となる。なお、近年では、交流発電機をスタータモータとして機能させる車両もある。
特開2010−200421号公報
ところで、上記特許文献1に係る従来技術のホールICは、ステータのティース間に配置され、狭い空間に取付けられており、取付構造の簡略化と設計自由度の向上が期待されるところである。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、設計自由度を確保してセンサを配置でき、好適に、クランク軸の位置、又はクランク軸の回転数及び回転数の増減を検出できるクランク軸の位置検出構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、クランクケース(17)に回転可能に支持されたクランク軸(16)の端部に有底円筒状のロータ(52)が設けられ、該ロータ(52)の内側にステータ(53)が配置されたエンジンユニット(2)において、前記クランク軸(16)の位置を検出するためのクランク軸の位置検出構造において、前記ロータ(52)は前記クランク軸(16)と同軸に位置する円板状の底壁部(52a)と、該底壁部(52a)の外周縁から立ち上がるように形成される側壁部(52b)と、で有底円筒状に形成され、前記ロータ(52)の側壁部(52b)内周面には複数のマグネット(54)が周方向に並んで設けられ、前記マグネット(54)が前記クランク軸(16)軸方向で対向する前記底壁部(52a)の外周側の部位に、貫通穴(60)が形成され、前記貫通穴(60)には、一端部(62A)が前記マグネット(54)に当接又は近接し、他端部(63A,63A’)が前記ロータ(52)の底壁部(52a)の外側に配置される磁束誘導部材(61B)が挿通され、前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A,63A’)の前記ロータ(52)と共に周回する際の周回軌道に近接してセンサ(65)が配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記磁束誘導部材(61B)は、前記一端部(62A)が設定される第1アーム部(62)と、前記他端部(63A,63A’)が設定され、該他端部(63A,63A’)を前記貫通穴(60)から離間させる第2アーム部(63,63’)と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記第2アーム部(63,63’)が径方向外側に向かって延出する前記底壁部(52a)の前記ステータ(53)側に向く面の反対側の面に、補強部材(61A)が配置され、前記第1アーム部(62)及び前記第2アーム部(63,63’)は、前記補強部材(61A)に設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記補強部材(61A)は、前記ロータ(52)と同軸に固定された、金属製の円形状のプレート部材であり、前記第1アーム部(62)及び前記第2アーム部(63,63’)は、前記補強部材(61A)に一体に形成され、前記第1アーム部(62)は、前記貫通穴(60)を通過することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記底壁部(52a)の前記ステータ(53)側に向く面の反対側の面には、前記ロータ(52)の軸方向に突出する突起部(64)が形成され、前記補強部材(61A)は、前記突起部(64)を挿通させ該突起部(64)の先端を外側に張り出すように変形させることで、前記底壁部(52a)に加締めて固定されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記センサ(65)が、前記クランクケース(17)に結合して、前記クランク軸(16)を軸方向外側から覆うエンジンカバー(51)に設けられることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記他端部(63A,63A’)は、前記エンジンカバー(51)を指向し、前記エンジンカバー(51)のうち、前記他端部(63A,63A’)の前記ロータ(52)と共に周回する際の周回軌道が対向する部位の一部に保持穴(71,72)が形成され、前記センサ(65)は、ケース(66)に収容され、該ケース(66)が前記保持穴(71,72)を埋めるように設けられ、前記センサ(65)は、前記ケース(66)を挟んで前記他端部(63A,63A’)に近接して対向するように設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記貫通穴(60)は、前記底壁部(52a)の外周側の部位に、周方向で並んで複数形成されるとともに、前記磁束誘導部材(61B)は複数設けられ、複数の前記磁束誘導部材(61B)には、点火タイミング検出のためのものと、前記クランク軸(16)の角度検出のものと、が含まれており、点火タイミング検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A’)の指向方向(α)と、前記クランク軸(16)の角度検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A)の指向方向(β)と、が直交することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造において、前記貫通穴(60)は、前記底壁部(52a)の外周側の部位に、周方向で並んで複数形成されるとともに、前記磁束誘導部材(61B)は複数設けられ、複数の前記磁束誘導部材(61B)には、点火タイミング検出のためのものと、前記クランク軸(16)の角度検出のものと、が含まれており、点火タイミング検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A’)の指向方向(α’)と、前記クランク軸(16)の角度検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A)の指向方向(β)と、が平行であり、かつ前記クランク軸(16)の軸方向では、離れていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のクランク軸の位置検出構造において、前記クランク軸(16)の径方向における前記貫通穴(60)の寸法は、前記磁束誘導部材(61B)のうち、前記貫通穴(60)に挿通される部位(62)の前記径方向における寸法よりも大きく、前記挿通される部位(62)と、前記貫通穴(60)の前記径方向におけるクリアランスは、前記挿通される部位(62)の前記径方向における寸法の半分以下とすることを特徴とする。
請求項1〜4に記載の発明によれば、センサとしてホールICを用いる場合に、磁束誘導部材によって、マグネットの磁束をホールICに誘導して、マグネットの磁束の切り替りを検出できる。これにより、クランク軸の位置、又はクランク軸の回転数及び回転数の増減を検出できる。そして、ホールICの配置自由度が向上することから、ホールICの形状等の設計自由度が向上する。このため、設計自由度を確保してセンサを配置でき、好適に、クランク軸の位置、又はクランク軸の回転数及び回転数の増減を検出できる。
また、磁束誘導部材は、一端部がマグネットに当接又は近接し、他端部がロータの底壁部の外側に配置されるものであればよく、形状自由度が高く、簡易なもので形成でき、例えばプレス等で容易に形成できることから、低コストで好適にクランク軸の位置が検出可能となる。また、ロータに磁束誘導部材を設ける際に、貫通穴を位置決め穴として用いてロータを固定できる。
請求項5に記載の発明によれば、簡易に補強部材及び磁束誘導部材をロータに固定することができる。
請求項6に記載の発明によれば、クランクケースよりも温度の低いエンジンカバーにセンサが設けられることで、センサに対する熱の影響を抑制できる。
請求項7に記載の発明によれば、センサを、熱影響の受け難い配置とすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、センサの配置自由度を確保し易くすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、センサを集約して配置することができる。
請求項10に記載の発明によれば、磁束誘導部材によって誘導する磁束の漏れを抑制できる。
本発明の実施形態に係る構造が適用された自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの展開断面図であって、図1のA−A線に沿う展開断面図である。 図2の要部の拡大図である。 エンジンに設けられた交流発電機のロータを軸方向で見た図である。 図3に示したZ領域の拡大図である。 上記実施形態の変形例を説明する図である。 上記実施形態の他の変形例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明に用いる図面において、矢印FRは車両の前方を、矢印UPは車両の上方を、矢印LHは車両の左方をそれぞれ示している。
図1には本発明の実施形態に係るクランク軸の位置検出構造が適用された自動二輪車1が示されている。自動二輪車1は、エンジンユニット2が車体前後方向の中央に搭載され、エンジンユニット2の後部上方に乗員が着座するシート3が設けられ、シート3の下方に燃料タンク4が設けられている。
前輪Wfは、フロントフォーク5に回転可能に支持され、フロントフォーク5の上部に操舵ハンドル6が設けられている。操舵ハンドル6の右側には、ブレーキレバーとスロットルグリップ(いずれも図示せず。)が配置されている。また、後輪Wrは、スイングアーム7を介して車体フレームに揺動可能に支持されている。
図2は、図1のA−A断面に対応するエンジンユニット2の展開断面図である。
エンジンユニット2は、内燃機関であるレシプロ式のエンジン10と、多段式の変速機11が一体ブロックとして構成され、エンジン10と変速機11が遠心クラッチ8とミッションクラッチ12を介して動力伝達可能とされている。
エンジン10は、シリンダブロック13のシリンダボア内にピストン14が摺動自在に嵌装され、ピストン14がコンロッド15を介してクランク軸16に連結されている。このエンジン10は、図1に示すように、シリンダブロック13がクランク軸16に対して車体前方に延出する略水平姿勢で車両に搭載される。クランク軸16は、シリンダブロック13の基端部に結合されたクランクケース17に軸受18を介して回転可能に支持されている。また、シリンダブロック13の先端部には、ピストン14との間で燃焼室19を形成するシリンダヘッド20が取り付けられている。
なお、図2中21は、燃焼室19内に臨むようにシリンダヘッド20に設置された点火装置であり、22は、シリンダヘッド20の先端側に設けられ、クランク軸16と連動して図示しない吸排気バルブを開閉駆動する動弁装置であり、ヘッドカバー20Cによって覆われている。また、同図中23は、クランク軸16上のコンロッド15との連結部(クランクピン)の軸方向両側に設けられたクランクウェブであり、17aは、クランク軸16のほぼ全域を収容するクランクケース17内のクランク室である。
クランク軸16の軸方向の一端部(図2の紙面右側の端部、以下、右端部と呼ぶ)の外周(クランクウェブ23よりも軸方向外側の外周)には、遠心クラッチ8が設けられている。遠心クラッチ8は、クランク軸16の右端部に一体に固定されたクラッチインナ24と、クランク軸16の右端部の外周に回転可能に支持されたクラッチアウタ25と、クラッチインナ24と一体に回転してクラッチインナ24とクラッチアウタ25を遠心力によって接続状態にする遠心ウェイト26と、を備えている。遠心クラッチ8は、クランク軸16の回転速度が所定速度以上に達したときに、クランク軸16の回転動力をクラッチアウタ25に出力する。
また、クラッチアウタ25には、ミッションクラッチ12に一体化される入力ギヤ27と噛合する出力ギヤ28が一体回転可能に結合されている。
クランクケース17内のクランク軸16の回転中心Oよりも車両後方側位置には、変速機11のメイン軸29とカウンタ軸30がクランク軸16と平行に設けられている。メイン軸29とカウンタ軸30はそれぞれ離間して配置された一対の軸受を介してクランクケース17内に回転可能に支持され、メイン軸29はクランク軸16の車両後方側に隣接する位置に配置され、カウンタ軸30はメイン軸29の車両後方側に隣接する位置に配置されている。
変速機11のメイン軸29上にはメイン変速ギヤ群M1が配設され、カウンタ軸30上にはメイン変速ギヤ群M1と噛合するカウンタ変速ギヤ群M2が配設されている。メイン軸29の軸方向の一端部(図2の紙面右側の端部、以下、右端部と呼ぶ)には、クランク軸16側の出力ギヤ28に噛合される前記の入力ギヤ27とミッションクラッチ12とが設けられている。入力ギヤ27は、メイン軸29の外周上に回転可能に支持されている。また、カウンタ軸30の軸方向の他端部(図2の紙面左側の端部)には出力スプロケット33が取り付けられている。出力スプロケット33には動力伝達用のチェーン(図示せず。)が掛け回され、当該チェーンを介してカウンタ軸30の回転が駆動輪である後輪Wrに伝達されるようになっている。
変速機11では、クランクケース17内に設けられた図示しないシフトドラムの回動操作によってメイン変速ギヤ群M1とカウンタ変速ギヤ群M2の駆動伝達ギヤが選択され、それによってニュートラルを含む任意の変速ギヤ段(ギヤポジション)が設定される。
ミッションクラッチ12は、入力ギヤ27と一体に結合された状態でメイン軸29上に回転可能に支持された有底円筒状のクラッチアウタ35と、メイン軸29にスプライン嵌合された略円盤状のクラッチインナ36と、クラッチアウタ35に一体回転可能に係止された複数の駆動摩擦板37と、クラッチインナ36に一体回転可能に係止され駆動摩擦板37と摩擦接触する複数の従動摩擦板38と、駆動摩擦板37と従動摩擦板38を圧接方向に付勢するクラッチスプリング(図示せず。)と、駆動摩擦板37と従動摩擦板38の間に作用するクラッチスプリングの付勢力を解除操作する操作板40と、を備えている。
クラッチアウタ35側の駆動摩擦板37とクラッチインナ36側の従動摩擦板38は、軸方向に交互に配置され、クラッチスプリングの付勢力を受けて相互に押し付けられることにより、クラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を可能し、操作板40によってクラッチスプリングの付勢力が解除操作されることにより、クラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を遮断する。
本実施形態では、操作板40は、図示しないシフトペダルの操作に連動して軸方向に進退移動可能とされ、シフトペダルの操作がなされた際に、変速ギヤが噛み合う前に所定期間だけ駆動摩擦板37と従動摩擦板38の間に作用するクラッチスプリングの付勢力を解除し、それによってクラッチアウタ35とクラッチインナ36の間の動力伝達を遮断する。そして、変速ギヤの噛み合い後に駆動摩擦板37と従動摩擦板38とが噛み合った状態とする。
また、クランクケース17の後部下側には、キックスタータ41のキックスピンドル42が回動可能に取り付けられている。このキックスピンドル42は、キックペダル43の踏み降ろしがあった場合にのみ、その回転をクランク軸16に伝達するようになっている。
一方で、クランク軸16の軸方向の他端部(図2の紙面左側の端部、以下、左端部と呼ぶ)は、クランクケース17の側壁(壁部)に形成された円形状の開口17bを通過してクランクケース17の側壁から外側に突出している。このクランクケース17の開口17bから突出したクランク軸16の左端部側には、交流発電機とエンジン10の始動モータとを兼ねる回転電機(以下、「ACGスタータ50」と呼ぶ。)が配設されている。また、クランク軸16の左端部は、クランクケース17の側壁にボルト締結等によって取り付けられる凹状のエンジンカバー51によって覆われている。
なお、エンジンカバー51は、左側からクランク軸16の左端部を覆う底壁部51aと、底壁部51aの外周縁から立ち上がるように延びて、その先端でクランクケース17の側壁に当接して、クランクケース17に結合する側壁部51bと、を備えている。
図3は、図2のACGスタータ50の設置部を拡大して示した図である。
ACGスタータ50は、クランク軸16の左端部に取り付ける有底円筒状のロータ52と、ロータ52の内周側に配置されるステータ53と、を備えている。ロータ52は、クランク軸16と同軸に位置する円板状の底壁部52aと、底壁部52aの外周縁から立ち上がるように形成される側壁部52bと、で有底円筒状に形成されている。そして、ロータ52は、その開口縁、つまり側壁部52bが、クランクケース17の側壁を指向するようにクランク軸16に固定されている。一方で、ステータ53は、クランクケース17の側壁からエンジンカバー51側に突出して形成されたボス部17cに締結されている。
ロータ52の側壁部52bの内周面には、ロータ52の軸心方向に向く異なる磁極面(N極面とS極面)が周方向に沿って交互に現れるようにマグネット54が取り付けられている。マグネット54は永久磁石であり、この実施形態では、短冊状の複数の磁極片がロータ52の内周面に取り付けられたものであるが、円筒状の強磁性体を、異なる磁極面が周方向に沿って交互に現れるように着磁したものであっても良い。
ロータ52は、クランク軸16の左端部に相対回転不能に固定された固定部材56を介してクランク軸16に固定される。
固定部材56は円筒状部材であり、クランク軸16の外周に相対回転不能に固定され、その外周部にロータ52を相対回転不能に固定している。また、クランク軸16の左端部は、固定部材56から左方に突出し、この左方に突出した部位には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部にはロックナット57が螺合され、ロックナット57は固定部材56の端面に圧接している。
一方で、ステータ53は、円環状に形成された本体部53aと、本体部53aの外周面から突出する複数のティース部53bと、を備え、ティース部53bにコイル53cが巻回されてなる。ステータ53は本体部53aを締結部材によって、ボス部17cに固定されている。クランク軸16の左端部の一部は、ステータ53の本体部53aの径方向内側に入り込んでいる。
ここで、ロータ52においては、マグネット54がクランク軸16軸方向で対向する底壁部52aの外周側の部位に、底壁部52aを貫通してマグネット54を底壁部52aの外側に臨ませる貫通穴60が形成されている。貫通穴60は、マグネット54の個数に対応して、底壁部52aの周方向に間隔を空けて複数並んで設けられている。
そして、底壁部52aのステータ53側に向く面の反対側の面(外側面)には、金属製の円形状のプレート部材61がロータ52と同軸に固定されている。
図3及び図4を参照し、プレート部材61は、底壁部52aに直接的に固定されて底壁部52aを覆う円形状のプレート本体61Aと、プレート本体61Aに一体に形成され、プレート本体61Aから径方向外側に張り出す複数の磁束誘導部61Bと、を有している。
複数の磁束誘導部61Bは、プレート本体61Aの周方向で等間隔の隙間を空けて複数形成されており、本実施形態では、12個設けられている。複数の磁束誘導部61Bにはそれぞれ、クランク軸16の軸方向に沿って延びて貫通穴60を通過し、その先端部62Aが、貫通穴60に対向するマグネット54に当接又は近接する第1アーム部62と、底壁部52aの外側に配置される第2アーム部63と、が一体に形成されている。なお、一つの第1アーム部62は、一つのマグネット54、つまり一つの磁極に近接又は当接するようになっており、隣接する第1アーム部62は異なる磁極のマグネット54に近接又は当接するようになっている。
本実施形態では、磁束誘導部61B(第1アーム部62及び第2アーム部63)は、貫通穴60の数に対応して、複数形成されている。そして、本実施形態では、第2アーム部63が、プレート本体61Aの外周部に接続して、プレート本体61Aの径方向の外側に突出する部位となっており、第1アーム部62は第2アーム部63からクランク軸16の軸方向に沿って延びる部位となっている。
また、本実施形態では、底壁部52aのプレート部材61側の面に、ロータ52の軸方向に突出する突起部64が複数形成され、プレート部材61のプレート本体61Aは、突起部64を挿通させ突起部64の先端を外側に張り出すように変形させることで、底壁部52aに加締めて固定されている。図4を参照し、突起部64は、底壁部52aの径方向中央領域の同心円状に沿って複数間隔を空けて形成されている。
また、図4を参照し、本実施形態において、第1アーム部62は、第2アーム部63にコ字状の切り込み70を形成して、この切り込み70から屈曲されて形成されている。プレート部材61の形成方法について説明すると、まず、第2アーム部63が含まった平歯車状のプレートをプレスで形成し、その後、上記切り込み70を切削で形成して第1アーム部62の外形部分を形成し、その後、第1アーム部62が突出するように屈曲させる。プレート部材61は、第2アーム部63を歯とする平歯車状に形成されることで、隣接する第2アーム部63は離間するが、この場合、詳細は後述する誘導する磁束が漏れ難くなる。
また、図3を参照し、複数の第2アーム部63のうちの1つの第2アーム部63’は、屈曲して形成され、その先端部63A’が、他の第2アーム部63の先端部63Aよりもプレート部材61の軸方向でエンジンカバー51側に近い位置になるように形成されている。すなわち、第2アーム部63’以外の第2アーム部63は、クランク軸16の径方向外側に延びてその先端部63Aが径方向の外側に向く一方、第2アーム部63’は、クランク軸16の径方向外側に延びた後、屈曲してクランク軸16の軸方向に沿って外側に延びるように形成されている。
そして、本実施形態では、先端部63A’の指向方向αと、先端部63Aの指向方向βとが直交する関係となっている。なお、第2アーム部63の先端部63A及び第2アーム部63’の先端部63A’のいずれも、対応する第1アーム部62から誘導した磁束を放出するための部位であり、貫通穴60から離間した位置にある。
そして、本実施形態では、エンジンカバー51の内側面にホールIC65が複数設けられる。ホールIC65はUVW相の電流印加タイミングの検出のための3つのホールICと、点火タイミング検出用の1つのホールICの、計4つが設けられる。ホールIC65はそれぞれケース66に収容されている。
図3においては、紙面上側においてUVW相の電流印加タイミングの検出のための3つのホールIC65のうちの1つのみを示すが、UVW相に対応するホールIC65は、第2アーム部63の延び方向延長線上に位置して、第2アーム部63の先端部63Aと、クランク軸16の径方向で近接して対向するように、エンジンカバー51の側壁部51bに設けられている。なお、UVW相に対応する3つのホールIC65は、3つ連続して並ぶ第2アーム部63のうちの、隣接する第2アーム部63の先端部63A周方向中央の部位の周方向の間隔と同等の間隔を空けて、エンジンカバー51の側壁部51bに設けられる。
一方で、点火タイミング検出用の1つのホールIC65は、第2アーム部63’の先端部63A’に、クランク軸16の軸方向で近接して対向するように、エンジンカバー51の底壁部51aに設けられている。
本実施形態では、エンジンカバー51の側壁部51bのうち、第2アーム部63の先端部63Aのロータ52と共に周回する際の周回軌道が対向する部位であって、環状をなす領域の一部には、UVW相に対応する3つのホールIC65を挿通させて保持するための3つの保持穴71が、周方向に並んで形成されている(図中では、一つのみ示す)。そして、UVW相に対応する3つのホールIC65はそれぞれ、ケース66が保持穴71を埋めるように設けられ、UVW相に対応する3つのホールIC65は、ケース66を挟んで第2アーム部63の先端部63Aに近接して対向するように設けられる。
また、エンジンカバー51の底壁部51aのうち、第2アーム部63’の先端部63A’のロータ52と共に周回する際の周回軌道が対向する部位であって、環状をなす領域の一部に、点火タイミング検出用の1つのホールIC65を挿通させて保持するための1つの保持穴72が形成されている。そして、点火タイミング検出用のホールIC65は、ケース66が保持穴72を埋めるように設けられ、点火タイミング検出用のホールIC65は、ケース66を挟んで第2アーム部63’の先端部63A’に近接して対向するように設けられる。
ここで説明したような構成であると、ホールIC65を、熱影響の受け難い配置とすることができる。
また、図5は、図3で示すZ領域の拡大図が示されている。本実施形態では、この図5に示すように、クランク軸16の径方向における貫通穴60の寸法Cは、径方向における第1アーム部62の寸法Bよりも大きく、第1アーム部62と貫通穴60の内周縁の径方向におけるクリアランスAは、第1アーム部62の径方向における寸法Bの半分以下となっている。なお、クリアランスAは、第1アーム部62の径方向における内面と、貫通穴60の内周縁における径方向と内側縁と、の間の隙間、及び、第1アーム部62の径方向における外面と、貫通穴60の内周縁における径方向と外側縁と、の間の隙間を意味する。
なお、第1アーム部62を貫通穴60に挿通させる場合には、第1アーム部62が、貫通穴60の内周縁に当接させないようにするのが好ましい。
上記のようなプレート部材61では、複数の第1アーム部62及び第2アーム部63が、UVW相の電流印加タイミング検出のために設けられており、これら第1アーム部62及び第2アーム部63では、第1アーム部62が当接又は近接するマグネット54の磁束を、第2アーム部63の先端部63A側に誘導することが可能となる。これにより、この先端部63Aに対向するホールIC65が、第2アーム部63の先端部63Aから検出される磁束の切り替わりを検出できる。
また、第2アーム部63’及びこれの第1アーム部62が、点火タイミング検出のために設けられており、第2アーム部63’及びこれの第1アーム部62では、当該第1アーム部62が当接又は近接するマグネット54の磁束を、第2アーム部63’の先端部63A’側に誘導することが可能となる。これにより、この先端部63A’に対向するホールIC65が、第2アーム部63の先端部63A’から検出される磁束の切り替わりを検出できる。
そして、図示しない制御装置(ECU)は、ホールIC65の検出結果に基づき、クランク軸16の回転位置を検出することができる。なお、クランク軸16の回転位置(クランク角度)は、クランク軸16の単位回転を基準として、UVW相の電流印加タイミングの検出ための3つのホールIC65で検出される磁束の変化をカウントすることで演算されるため、UVW相の電流印加タイミングの検出ための3つのホールIC65は、クランク角度検出のために設けられているともいえる。そして、制御装置(ECU)は、ホールIC65の検出結果に基づき、所望の点火タイミング及び電流の印加タイミングを制御することができる。
以上に記載したように本実施形態では、ロータ52がクランク軸16と同軸に位置する円板状の底壁部52aと、底壁部52aの外周縁から立ち上がるように形成される側壁部52bと、で有底円筒状に形成され、ロータ52の側壁部52b内周面には複数のマグネット54が周方向に並んで設けられる。そして、マグネット54がクランク軸16軸方向で対向する底壁部52aの外周側の部位に、貫通穴60が形成され、貫通穴60に磁束誘導部材に対応する磁束誘導部61Bが挿通されている。磁束誘導部61Bでは、一端部に対応する第1アーム部62の先端部62Aが、マグネット54に当接又は近接しており、他端部に対応する第2アーム部63の先端部63A又は第2アーム部63’の先端部63A’がロータ52の底壁部52aの外側に配置され、第2アーム部63の先端部63A又は第2アーム部63’の先端部63A’に、ホールIC65が近接して配置されている。
このような構造によれば、第1アーム部62及び第2アーム部63(第2アーム部63’も含む)を通して、マグネット54の磁束をホールIC65に誘導して、マグネット54の磁束の切り替りを検出できる。これにより、クランク軸16の位置、又はクランク軸16の回転数及び回転数の増減を検出できる。そして、ホールIC65の配置自由度が向上することから、ホールIC65の形状等の設計自由度が向上する。このため、設計自由度を確保してホールIC65を配置でき、好適に、クランク軸16の位置、又はクランク軸16の回転数及び回転数の増減を検出できる。
また、本実施形態では、磁束誘導部材に相当する部位をプレート部材61に一体に形成したが、このようなプレート部材61はプレス等で容易に形成できることから、低コストでクランク軸16の位置が検出可能となる。また、ロータ52に磁束誘導部61B(プレート部材61)を設ける固定する際に、貫通穴60を位置決め穴として用いてロータ52を固定でき、取付けも容易である。
また、本実施形態では、底壁部52aのステータ53側に向く面の反対側の面に、ロータ52の軸方向に突出する突起部64が形成され、プレート部材61が、プレート本体61Aと磁束誘導部61Bとからなり、プレート本体61Aが補強部材に対応する。そして、補強部材に対応するプレート本体61Aが、突起部64を挿通させ突起部64の先端を外側に張り出すように変形させることで、底壁部52aに加締めて固定されることで、磁束誘導部が底壁部52aに固定されることになる。これにより、簡易に補強部材及び磁束誘導部材を一体とするプレート部材61をロータ52に固定することができる。
また、本実施形態では、ホールIC65が、クランクケース17に結合して、クランク軸16を軸方向外側から覆うエンジンカバー51に設けられるので、ホールIC65に対する熱の影響を抑制できる。
また、本実施形態では、点火タイミング検出のための磁束誘導部の他端部に対応する第2アーム部63’の先端部63A’の指向方向αと、クランク軸16の角度検出のための磁束誘導部の他端部に対応する第2アーム部63の先端部63Aの指向方向βと、が直交するように構成されている。
このような構造では、ホールIC65の配置自由度を確保し易くすることができる。
さらに、本実施形態では、クランク軸16の径方向における貫通穴60の寸法は、径方向における第1アーム部62の寸法よりも大きく、第1アーム部62と貫通穴60の径方向におけるクリアランスは、第1アーム部62の前記径方向における寸法の半分以下とされている。
このような構造では、磁束誘導部61Bによって誘導する磁束の漏れを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図6に示すように、一本の磁束誘導部材80を貫通穴60に挿通させてもよい。なお、この例では、クランク軸16の軸方向に沿って延びる部位が、第1アーム部に相当し、クランク軸16の径方向に沿って延びる部位が、第2アーム部に相当する。なお、磁束誘導部材80をクランク軸16の軸方向に沿って真直ぐ延びる構成としてもよい。
さらに、上記実施形態では、磁束誘導部61Bは屈曲したものであり、クランク軸16の軸方向に沿って第1アーム部62が延び、クランク軸16の径方向に沿って第2アーム部63が延びるが、このような形状に代えて、第1アーム部62に相当する部位及び第2アーム部に相当する部位が真直ぐに延びるようなものとしてもよい。
具体的には、第1アーム部の先端部から第2アーム部の先端部まで一直線にマグネット54から貫通穴60を挿通し、エンジンカバー51に対向するものであってもよい。そして、この場合は、ホールIC65を、クランク軸16の軸方向に沿って延びる第2アーム部の先端部の近傍でエンジンカバー51に取付ければよい。
また、図7に示すように、点火タイミング検出のための磁束誘導部の他端部に対応する第2アーム部63’の先端部63A’の指向方向α’と、クランク軸16の角度検出のための磁束誘導部の他端部に対応する第2アーム部63の先端部63Aの指向方向βと、が平行であり、かつクランク軸16の軸方向では、離れているようにしてもよい。なお、第2アーム部63’の先端部63A’は、第2アーム部63の先端部63Aとクランク軸16の周方向で離れて位置するが、図7においては、説明便宜上、一部を破断して同一紙面上に示している。
このような構造であると、ホールIC65を集約して配置することができる。この例では、上記実施形態で説明したものと同様の4つのホールIC65が、ロータ52の側壁部52bに設けられている。
なお、上記実施形態では、第1アーム部62及び第2アーム部63の機能をマグネット54から磁束を誘導するものとして説明したが、第1アーム部62及び第2アーム部63からマグネット54の磁束を誘導しなくても、第2アーム部63がロータ52の径方向で突出していることから、例えばホールIC65に代えてセンサを電磁ピックアップセンサとした場合には、クランク軸16の回転数や回転数の増減を検出することも可能である。そして、このようにした場合には、FIシステムの制御に有効に用いることができる。そして、プレート部材61はプレス等で容易に形成できることから、検出構造の構築が簡易であり、ロータにプレス等で検出のための凸部を設ける場合に比べて、飛躍的に作製の手間を省くことができ、低コストにクランク軸16の回転数及び回転数の増減を検出できるようになる。なお、クランク軸16の回転数のみを検出するのであれば、第2アーム部63は1つあればよく、複数あれば、クランク軸16の回転数の増減(速度)を精度良く検出可能となる。
なお、センサを電磁ピックアップセンサとして、クランク軸16の回転数及びクランク軸16の回転数の増減の双方を検出する場合には、上記実施形態と同様に、複数の第2アーム部63のうちの1つの第2アーム部63’を、屈曲させる等するとともに、他の第2アーム部63に対するセンサと異なる検出位置で検出を行うセンサを設けるようにするのが良い。このようにしておけば、他の第2アーム部63に対するセンサと異なる検出位置で検出を行うセンサの検出結果を基準として、クランク軸16の単位回転を検出し、他のセンサからの検出結果を考慮することで、クランク軸16の回転数の増減を容易に検出できる。ここで説明したような点において、本発明は応用範囲が広いものといえる。
2 エンジンユニット
16 クランク軸
17 クランクケース
51 エンジンカバー
52 ロータ
52a 底壁部
52b 側壁部
53 ステータ
54 マグネット
60 貫通穴
61 プレート部材
61A プレート本体(補強部材)
61B 磁束誘導部(磁束誘導部材)
62 第1アーム部
62A 先端部(一端部)
63,63’ 第2アーム部
63A,63A’ 先端部(他端部)
64 突起部
65 ホールIC(センサ)
66 ケース
71,72 保持穴
α,β 指向方向

Claims (10)

  1. クランクケース(17)に回転可能に支持されたクランク軸(16)の端部に有底円筒状のロータ(52)が設けられ、該ロータ(52)の内側にステータ(53)が配置されたエンジンユニット(2)において、前記クランク軸(16)の位置を検出するためのクランク軸の位置検出構造において、
    前記ロータ(52)は前記クランク軸(16)と同軸に位置する円板状の底壁部(52a)と、該底壁部(52a)の外周縁から立ち上がるように形成される側壁部(52b)と、で有底円筒状に形成され、
    前記ロータ(52)の側壁部(52b)内周面には複数のマグネット(54)が周方向に並んで設けられ、
    前記マグネット(54)が前記クランク軸(16)軸方向で対向する前記底壁部(52a)の外周側の部位に、貫通穴(60)が形成され、
    前記貫通穴(60)には、一端部(62A)が前記マグネット(54)に当接又は近接し、他端部(63A,63A’)が前記ロータ(52)の底壁部(52a)の外側に配置される磁束誘導部材(61B)が挿通され、
    前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A,63A’)の前記ロータ(52)と共に周回する際の周回軌道に近接してセンサ(65)が配置されることを特徴とするクランク軸の位置検出構造。
  2. 前記磁束誘導部材(61B)は、前記一端部(62A)が設定される第1アーム部(62)と、前記他端部(63A,63A’)が設定され、該他端部(63A,63A’)を前記貫通穴(60)から離間させる第2アーム部(63,63’)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のクランク軸の位置検出構造。
  3. 前記第2アーム部(63,63’)が径方向外側に向かって延出する前記底壁部(52a)の前記ステータ(53)側に向く面の反対側の面に、補強部材(61A)が配置され、
    前記第1アーム部(62)及び前記第2アーム部(63,63’)は、前記補強部材(61A)に設けられることを特徴とする請求項2に記載のクランク軸の位置検出構造。
  4. 前記補強部材(61A)は、前記ロータ(52)と同軸に固定された、金属製の円形状のプレート部材であり、
    前記第1アーム部(62)及び前記第2アーム部(63,63’)は、前記補強部材(61A)に一体に形成され、
    前記第1アーム部(62)は、前記貫通穴(60)を通過することを特徴とする請求項3に記載のクランク軸の位置検出構造。
  5. 前記底壁部(52a)の前記ステータ(53)側に向く面の反対側の面には、前記ロータ(52)の軸方向に突出する突起部(64)が形成され、
    前記補強部材(61A)は、前記突起部(64)を挿通させ該突起部(64)の先端を外側に張り出すように変形させることで、前記底壁部(52a)に加締めて固定されることを特徴とする請求項3又は4に記載のクランク軸の位置検出構造。
  6. 前記センサ(65)が、前記クランクケース(17)に結合して、前記クランク軸(16)を軸方向外側から覆うエンジンカバー(51)に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造。
  7. 前記他端部(63A,63A’)は、前記エンジンカバー(51)を指向し、
    前記エンジンカバー(51)のうち、前記他端部(63A,63A’)の前記ロータ(52)と共に周回する際の周回軌道が対向する部位の一部に保持穴(71,72)が形成され、
    前記センサ(65)は、ケース(66)に収容され、該ケース(66)が前記保持穴(71,72)を埋めるように設けられ、
    前記センサ(65)は、前記ケース(66)を挟んで前記他端部(63A,63A’)に近接して対向するように設けられることを特徴とする請求項6に記載のクランク軸の位置検出構造。
  8. 前記貫通穴(60)は、前記底壁部(52a)の外周側の部位に、周方向で並んで複数形成されるとともに、前記磁束誘導部材(61B)は複数設けられ、
    複数の前記磁束誘導部材(61B)には、点火タイミング検出のためのものと、前記クランク軸(16)の角度検出のものと、が含まれており、
    点火タイミング検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A’)の指向方向(α)と、前記クランク軸(16)の角度検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A)の指向方向(β)と、が直交することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造。
  9. 前記貫通穴(60)は、前記底壁部(52a)の外周側の部位に、周方向で並んで複数形成されるとともに、前記磁束誘導部材(61B)は複数設けられ、
    複数の前記磁束誘導部材(61B)には、点火タイミング検出のためのものと、前記クランク軸(16)の角度検出のものと、が含まれており、
    点火タイミング検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A’)の指向方向(α’)と、前記クランク軸(16)の角度検出のための前記磁束誘導部材(61B)の前記他端部(63A)の指向方向(β)と、が平行であり、かつ前記クランク軸(16)の軸方向では、離れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクランク軸の位置検出構造。
  10. 前記クランク軸(16)の径方向における前記貫通穴(60)の寸法は、前記磁束誘導部材(61B)のうち、前記貫通穴(60)に挿通される部位(62)の前記径方向における寸法よりも大きく、
    前記挿通される部位(62)と、前記貫通穴(60)の前記径方向におけるクリアランスは、前記挿通される部位(62)の前記径方向における寸法の半分以下とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のクランク軸の位置検出構造。
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