以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜図9は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機1は図1〜図3に示すように矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に装着された前枠3とを備え、これらにより遊技機本体2,3が構成されている。前枠3は左右一端側が上下一対のヒンジ4により外枠2に縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。
前枠3には上部側の遊技盤装着部5に遊技盤6が前側(又は後側)から着脱自在に装着され、また下部側に発射手段7、下部スピーカ8等が装着されている。前枠3の前側には、ヒンジ4と略同一軸心上のヒンジ9により前扉10が開閉自在に装着されている。遊技盤6は遊技盤装着部5の左右一端側の係合部12を支点として回動自在であり、遊技盤装着部5内で他端側のロック手段13により着脱自在に固定されている。
発射手段7は、図2に示すように、発射用の遊技球を受ける発射レール14と、発射レール14上の遊技球を所定の発射位置に規制するストッパー15と、前後方向の駆動軸16廻りに回動して発射レール14上の遊技球を遊技盤6側へと打撃する打撃槌17と、駆動軸16を介して打撃槌17を駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段18とを備え、前扉10の前面側の発射ハンドル19を操作したときに、発射駆動手段18の駆動により打撃槌17が発射レール14上の遊技球を打撃して遊技盤6側へと発射するようになっている。
発射レール14、ストッパー15は発射ベース板20の前面に固定されている。打撃槌17は駆動軸16を介して発射ベース板20の前側に支持され、発射駆動手段18は発射ベース板20の裏側に装着されている。発射ベース板20は前枠3の支持壁3aの前側に装着されている。下部スピーカ8は発射ハンドル19の後方で前枠3の支持壁3aに装着されている。
遊技盤6の前面には図2に示すように遊技領域22があり、この遊技領域22は遊技盤6の前面に装着されたガイドレール23と前飾り部材24,25とにより取り囲まれている。前飾り部材24,25は遊技領域22の外周に周方向に複数個配置されている。ガイドレール23と反対側で下部側に配置された前飾り部材25は、図4〜図7に示すように、遊技領域22側の内周壁25aと、この内周壁25aと反対側の外周側の外周壁25bと、これら内周壁25a及び外周壁25bを前側で一体に接続する前壁部25cとを備えている。そして、この前飾り部材25には前壁部25cに証紙貼付部26が設けられ、その証紙貼付部26に所定の証紙27が貼付されている。なお、ガイドレール23と反対側の前飾り部材25は周方向に複数個に分割してもよい。
遊技盤6の遊技領域22には、図2に示すように画像表示手段30、普通図柄始動手段31、特別図柄始動手段32、可変入賞手段33、普通入賞手段34、普通図柄表示手段35、特別図柄表示手段36等の各種の遊技部品が配置されている。
画像表示手段30は遊技領域22の左右方向の略中央の上部に配置され、また、特別図柄始動手段32、可変入賞手段33は画像表示手段30の下側に上下に配置されている。普通図柄始動手段31は画像表示手段30とガイドレール23との間に配置されている。特別図柄始動手段32は非開閉式入賞口32aと開閉式入賞口32bとを有する。可変入賞手段33は可変入賞口33aと、この可変入賞口33aを開閉する開閉板33bとを備えている。普通入賞手段34は可変入賞手段33の左右両側に設けられている。
画像表示手段30は、支持部材(図示省略)を介して遊技盤6に裏側から装着された液晶式等の画像表示部37と、この画像表示部37に対応する表示窓38aを有し且つ遊技盤6に前側から装着された前飾り用の前構造体38とを備え、前構造体38の上部側の前面に普通図柄表示手段35と特別図柄表示手段36とが装着されている。画像表示部37、前構造体38は遊技盤6の開口に対応して前後両側に配置されている。
普通図柄表示手段35は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば二種類の「○」「×」)に対応する複数個の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段31が遊技球を検出することを条件に2個の発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段31の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた特定遊技判定値と一致した場合に特定態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に非特定態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。
特別図柄表示手段36は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段32が遊技球を検出することを条件に、特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段32の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた特別遊技判定値と一致した場合に所定の特別遊技態様で、それ以外の場合に非特別遊技態様で停止するようになっている。
特別図柄始動手段32の開閉式入賞口32bは、普通図柄表示手段35の変動後の停止図柄が特定態様となったときに所定時間(短時間)だけ開放するようになっている。可変入賞手段33は特別図柄表示手段36の変動後の特別図柄が特別遊技態様となって特別遊技状態が発生したときに開閉板33bが前側に開放して、上方から落下する遊技球を可変入賞口33aへと入賞させるようになっている。
画像表示部37は待機中にデモ画像を表示し、遊技中に特別図柄表示手段36の特別図柄に対応する演出図柄39a〜39cを変動表示する等、必要に応じて適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示して画像演出を行うためのものである。
即ち、特別図柄表示手段36の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数個、例えば3個の演出図柄39a〜39cが画像表示部37に変動表示される。この演出図柄39a〜39cは特別図柄始動手段32の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序(例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
演出図柄39a〜39cの変動後の停止図柄は、特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には全てが揃う特別演出態様となり、特別図柄が非特別遊技態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる非特別演出態様となる。
例えば、演出図柄39a〜39cには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には演出図柄39a〜39cは「7・7・7」等の特別演出態様で停止し、特別図柄が非特別遊技態様で停止する場合には演出図柄39a〜39cは「2・3・4」等の非特別演出態様で停止する。
前扉10は前枠3の上下幅、左右幅に対応する合成樹脂製の扉枠50と、この扉枠50を前側から覆う化粧カバー51,52とを備えており、前扉10をヒンジ9廻りに前枠3の前側に閉じた状態のときに、施錠手段により前枠3に施錠可能である。
前扉10の上部側には、図1、図3に示すように、遊技盤6の遊技領域22を視認可能な視認窓42が遊技領域22に対応して扉枠50及び化粧カバー51に開口状に形成され、その視認窓42を塞ぐように透明板ユニット43が扉枠50の後側に着脱自在に装着されている。そして、前扉10には視認窓42の上側の左右に上部スピーカ44A,44Bが、視認窓42の下部側の左右に中間スピーカ45A,45Bが夫々配置されている。
左右の中間スピーカ45A,45Bの内、ガイドレール23側の中間スピーカ45Aはガイドレール23よりも外側に配置され、また、ガイドレール23と反対側の中間スピーカ45Bは遊技領域22の外側で且つ前飾り部材25の証紙貼付部26の前側近傍に対応して配置されている。
前扉10の下部側には発射ハンドル19の他に、発射用の遊技球を貯留する上貯留手段46、余剰球を貯留する下貯留手段47、演出時に発光する発光演出手段48等が扉枠50の前側に、発射手段7へと遊技球を送る球送り手段53が扉枠50の後側に夫々設けられている。なお、前扉10は視認窓42を含む上部側と、貯留手段46,47及び発射ハンドル19を含む下部側とに二分割してもよい。
扉枠50は、図3に示すように、内側上部に一体に形成された上板部54と、内側下部に一体に形成された下板部55と、内側左右に一体に形成された側板部56,57とを備えている。上板部54、下板部55の後側には板金製の補強板58,59が装着され、また、左右の側板部56,57の後側には上板部54及び下板部55に跨がって左右一対の板金製の縦補強部材60,61が上下方向に装着されている。
下板部55の補強板59の上端部には、図3、図5〜図7に示すように、透明板ユニット43を下側から受ける受け部材63が視認窓42の下側近傍に左右方向に設けられている。受け部材63は補強材兼用であって、補強板59の上端から後側に屈曲して設けられている。なお、受け部材63には後端側から下側に屈曲する屈曲部63aが設けられている。受け部材63は補強板59と一体の他、補強板59とは別に設けてもよい。ヒンジ9と反対側の縦補強部材61は、後側へと屈曲する外屈曲部61aと内屈曲部61bとが設けられている。なお、ヒンジ9側の縦補強部材60にも、必要に応じて後側へと屈曲する屈曲部が内外又はその一方に設けられている。
扉枠50、化粧カバー51には、図1、図3、図7、図9に示すように、そのガイドレール23と反対側に、視認窓42の下縁部42aと縦縁部42bとの延長線上よりも視認窓42側に突出するスピーカ配置部66が設けられ、このスピーカ配置部66に中間スピーカ45B、スピーカカバー67及び開口部68が配置されている。
スピーカ配置部66の扉枠50には、図4〜図7、図9に示すように、前後両側に開口するスピーカ収容部69が設けられている。スピーカ収容部69は側板部57と一体の筒状の周壁部70を有し、その内部に着脱自在に中間スピーカ45Bが収容され、その前後がスピーカカバー67と裏蓋71により塞がれている。
中間スピーカ45Bはスピーカフレーム72、振動板73等を有し、そのスピーカフレーム72の外周部が周壁部70の段部に後側から当接してネジ等の固定具74により着脱自在に取り付けられている。スピーカフレーム72には周方向に複数の開口73aが形成されている。
スピーカカバー67はスピーカ収容部69の開口端を前側から塞ぐためのもので、図4、図9に示すように、外周から後側に屈曲する一対の取り付け片75,76を介して扉枠50に着脱自在に固定されている。スピーカカバー67の一方の取り付け片75は、その先端側の係合部75aが周壁部70の近傍で側板部57の後側に係合され、他方の取り付け片76がネジ等の固定具77により化粧カバー51と共に側板部57に後側から共締めにより固定されている。スピーカカバー67にはスピーカ収容部69に対応して多数の小孔67aが設けられている。化粧カバー51の開口部68の外周側は、後端がスピーカカバー67の外周側に前側から当接している。
裏蓋71は、図4、図6〜図9に示すように、スピーカ収容部69内で中間スピーカ45Bを後側から覆う第1覆い部78と、スピーカ収容部69に形成されたハーネス挿通部79を後側から覆う第2覆い部80と、両覆い部78,80間に設けられた前後方向の段差部81とを有し、ネジ等の固定具82で扉枠50のスピーカ配置部66に後側から着脱自在に固定されている。
第2覆い部80は第1覆い部78に対して視認窓42とは反対側に段差部81を介して一体に設けられている。各覆い部78,80は前側の外周側の全周又は一部に周壁78a,80aを有し、各覆い部78,80の前面に当接した不正部材が外周から後側に進入し得ないようになっている。
第2覆い部80の外端側は、その内外二つの周壁80aが縦補強部材61の内屈曲部61bの両側に位置する等、縦補強部材61、補強板59の後側との間に隙間が生じ難くなるように構成されている。ハーネス挿通部79は周壁部70の後端側から下側に形成されており、中間スピーカ45Bのハーネス(図示省略)はこのハーネス挿通部79を経て受け部材63の下側へと引き出されている。
透明板ユニット43は視認窓42を塞ぐものであって、図3、図5、図7に示すように下部側が受け部材63上に載置されると共に、係合手段83を介して扉枠50の後側に着脱自在に係合され、また上側が左右一対の固定手段84により扉枠50の後側に着脱自在に固定されている。
透明板ユニット43は、図4〜図7に示すように、所定の間隔を置いて配置された前後二枚の透明板85,86と、この透明板85,86を外周側から保持する保持部材87とを有する。透明板85,86にはガラス板等が用いられている。保持部材87は二枚の透明板85,86間の間隔を保持する間隔保持部87aと、間隔保持部87aの前後両側から前後方向に屈曲して各透明板85,86の外周を取り囲む前後二つの外周保持部87b,87cとを有する。
この透明板ユニット43には、左右方向の下縁部43aとガイドレール23とは反対側の縦縁部43bとの交差部分の内側隅部に、中間スピーカ45Bの前側からスピーカ収容部69を経て挿入される不正部材の遊技盤6側への進入を阻止する不正阻止部89がスピーカ配置部66の後側の略全体に対応して設けられている。
従って、スピーカ収容部69及び中間スピーカ45Bは、透明板ユニット43に形成された不正阻止部89の前側に、その略全体が透明板ユニット43の不正阻止部89に対して前後に重なる位置に配置されている。
なお、中間スピーカ45Bは透明板ユニット43の外周の保持部材87が遊技盤6の前飾り部材25の前面に近接して、その両者間から遊技領域22内に不正部材の進入が困難なような場合には、不正阻止部89は中間スピーカ45Bに対して遊技領域22側の一部と前後に重なるように設けることも可能である。つまり、中間スピーカ45Bは少なくとも一部が不正阻止部89と前後に重なる位置にあればよい。
係合手段83は、図5、図7、図9に示すように、保持部材87から下側に突出する係合突部83aと、扉枠50の下板部55に上向きに開口して形成され且つ保持部材87を受け部材63上に載置したときに係合突部83aが上側から係脱自在に係合する係合部83bとを有し、左右方向に所定の間隔を置いて一対設けられている。
係合部83bは下板部55から後側に屈曲しており、この係合部83bと干渉しないように補強板59、受け部材63に切り欠き部63bが形成されている。なお、補強板59には係合部83bを裏側から覆うように切り欠き部90の左右両側に跨がって補強部材91が固定されている。
固定手段84は、保持部材87から外側に突出する突部84aと、扉枠50に支軸84b廻りに回動自在に枢支され且つ突部84aを扉枠50側に締め付ける固定具84cとを有する。固定具84cは突部84aを締め付ける締め付け位置と、突部84aから離脱する離脱位置とに位置決め可能である。
不正阻止部89は、図4、図6、図9に示すように前側の透明板85と、保持部材87の外周保持部87cから第2覆い部80の裏側へと突出する突出部93とにより構成され、これらにより不正部材の遊技盤6側への挿入を阻止するようになっている。
即ち、透明板ユニット43の不正阻止部89側の前後二枚の透明板85,86は、中間スピーカ45Bに近い前側の透明板85が後側の透明板86よりも視認窓42の外側へと広がっており、中間スピーカ45Bの後側に対応する大きさになっている。なお、前側の外周保持部87bは裏蓋71の第1覆い部78の裏面に当接又は近接し、裏蓋71の段差部81に近接又は当接している。
また、保持部材87の不正阻止部89側の前後二つの外周保持部87b,87cは、前側の外周保持部87bが後側の外周保持部87cよりも外側に突出しており、後側の外周保持部87cに裏蓋71の第2覆い部80の裏側及び前枠3の内周側に近接する突出部93が一体に設けられている。突出部93の外周保持部87c側の端部は前側の透明板85と前後に重なっている。
なお、ガイドレール23側の中間スピーカ45Aは、透明板ユニット43の外側で扉枠50に配置され、扉枠50の後側に着脱自在に装着された裏蓋65により覆われている。裏蓋65の後部側は、遊技盤6の下隅部の切り欠き部6a内に位置している。
下板部55には突出部93の下側に、発射ハンドル19を支持する支持板95、ハーネス挿通部79に接続するハーネス通路96等が設けられている。
このパチンコ機では、遊技盤6の遊技領域22に対応する視認窓42が前扉10に形成されており、その視認窓42が前扉10の後側に装着された透明板ユニット43により塞がれた状態にある。従って、遊技に際して発射手段7により発射された遊技球は、ガイドレール23に沿って遊技領域22の上部へと案内された後、遊技領域22内を遊技盤6の前面に沿って流下して入賞手段33,34等の何れかに入賞するか、入賞せずにアウト口から回収されて行く。
遊技中はスピーカ44A,44B,45A,45B等から効果音を適宜発生して遊技状態を音響的に演出するが、その演出効果の増大を図るべく、前扉10には視認窓42の周辺に上部スピーカ44A,44B及び中間スピーカ45A,45Bを配置すると共に、発射ハンドル19の後側近傍に下部スピーカ8を配置している。
中間スピーカ45Bは扉枠50に前後に貫通状に形成されたスピーカ収容部69内に収容されているが、その後側に裏蓋71があり、しかも裏蓋71の後側には透明板ユニット43に形成された不正阻止部89があるため、スピーカカバー67の小孔67aを経て中間スピーカ45B側へと細い不正部材を挿入するようなことがあっても、その不正部材の遊技盤6の遊技領域22側への挿入を阻止することができる。
何故ならば、スピーカ収容部69に裏蓋71の第1覆い部78が嵌合しているので、仮に中間スピーカ45Bの振動板73を破って不正部材を挿入しても、この裏蓋71の第1覆い部78によって、その不正部材の後側への通過を阻止することができる。また中間スピーカ45Bのハーネスに対応して裏蓋71には第2覆い部80があり、この第2覆い部80でハーネス挿通部79を裏側から覆っているため、そのハーネス挿通部79からの不正部材の進入も阻止することができる。
また不正部材の先端を鋭利にして裏蓋71に孔をあける等の方法により、仮に裏蓋71を通過して不正部材を挿入するようなことがあっても、裏蓋71の後側には透明板ユニット43の不正阻止部89があるため、この不正阻止部89によって後側への不正部材の進入を阻止することができる。
特に不正阻止部89はその大部分を透明板85により構成しているので、透明板85としてガラス板等を採用する場合には、そのガラス板等によって確実に阻止することができる。また、不正阻止部89の一部は保持部材87と一体の突出部93によって構成しているが、この突出部93は遊技領域22から離れた隅にあり、中間スピーカ45Bから遊技領域22とは反対側にあるため、この突出部93側からの遊技領域22への不正部材の挿入は非常に困難であり、事実上無視できる程度である。
更に、透明板ユニット43の不正阻止部89は前後二枚の透明板85,86の内、遊技盤6の遊技領域22と対向する後側の透明板86よりも前側の透明板85を外側へと突出させて構成しているので、透明板85の必要部分のみを大にすればよく、前後二枚の透明板85,86を同形状に構成する場合に比較して、透明板86を必要以上に大型化する等の無駄を防止することができ、また透明板ユニット43の大重量化を防止することができる。
透明板ユニット43を装着する場合には、保持部材87の下側の係合突部83aを下板部55の上端の係合部83bに係合しながら透明板ユニット43を受け部材63上に載置する。その後、係合突部83aと係合部83bとの係合部分を支点として、透明板ユニット43の上部側を扉枠50側に接近させて保持部材87を扉枠50の後側に当接し、左右の固定手段84の固定具84cを突部84a側に廻して、その固定具84cにより突部84aを扉枠50側に締結して固定できる。従って、扉枠50の後側に透明板ユニット43を容易に装着することができる。
また透明板ユニット43の透明板85、保持部材87を利用して透明板ユニット43に突出部93を設けているため、透明板ユニット43を扉枠50の後側に装着する際に、その突出部93によってスピーカ収容部69、裏蓋71等を後側から覆うことが可能であり、突出部93をスピーカ収容部69の後側に着脱自在に配置するに当たって、別途操作を必要とする等の問題もない。
図10及び図11は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、スピーカ収容部69の裏蓋71を省略して、スピーカ収容部69の後側の開口を透明板ユニット43の不正阻止部89で塞ぐようになっている。
透明板ユニット43の二枚の透明板85,86の内、前側の透明板85はスピーカ収容部69を形成する周壁部70の遊技領域22とは反対側の端部まで達する大きさ、形状であり、その外周縁は後側の透明板86の外周縁よりも大きく外側に突出して、この前側の透明板85によってスピーカ収容部69を後側から略覆うようになっている。
透明板85,86を保持する保持部材87には、前側の透明板85に対応する外周保持部87bの外側に、これよりも外側に突出する突出部93が設けられている。この突出部93は縦補強部材61の内屈曲部61bの外側に屈曲する屈曲部93aを外側に有し、ハーネス通路96の上端部内に屈曲する屈曲部93bを下側に有する。なお、不正阻止部89は透明板85と突出部93とによって構成されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように透明板ユニット43の不正阻止部89でスピーカ収容部69を後側から覆うようにすることも可能である。この場合には、第1の実施形態の場合の裏蓋71を省略することができる。
図12、図13は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の透明板ユニット43には、左右の中間スピーカ45A,45Bに対応してその後側に不正阻止部89が設けられ、この各不正阻止部89により、スピーカ収容部69の後側を覆うようになっている。不正阻止部89は第1の実施形態又は第2の実施形態の何れでもよい。他の構成は第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
このように左右の各中間スピーカ45A,45Bに対応して、透明板ユニット43に不正阻止部89を設けることにより各中間スピーカ45A,45Bに同様の不正行為防止対策を講じることもできる。
また、透明板ユニット43の下側に合成樹脂製の保持部材87から突出する係合突部83aがあり、左右両側の隅部に突出部93が夫々あるため、前扉10から取り外した状態で透明板ユニット43を床等に置いた場合にも、その係合突部83a、突出部93が床等に接触することになり、この係合突部83a、突出部93によって床等に置いたときの衝撃を緩和でき、透明板ユニット43の取り扱いを容易にすることもできる。
図14は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、透明板ユニット43の不正阻止部89は、前側の透明板85と、保持部材87に着脱自在に装着された突出部93とによって構成されている。
透明板ユニット43の前後二枚の透明板85,86は略同形状であって、その一部がスピーカ収容部69及び中間スピーカ45Bの後側に対応している。突出部93は保持部材87の外側でスピーカ収容部69を後側から塞ぐ形状であって、装着部94を介して保持部材87に着脱自在に装着されている。装着部94は保持部材87の前側の外周保持部87bに外周側から当接する円弧状の当接部94aと、この当接部94aの後側に前後の外周保持部87b,87c間に挿入可能に形成された挿入部94bと、当接部94aの前側に形成され且つ前側の外周保持部87bに対して係脱自在に係合する係合部94cとを有する。突出部93は、スピーカ収容部69内に入る閉塞部93cを有する。なお、突出部93の前面に鉄板等の進入阻止板を設けてもよい。なお、他の構成は第1〜第3の実施形態と同様である。
このように透明板ユニット43の透明板85の一部と、透明板ユニット43に着脱自在に装着された突出部93とにより不正阻止部89を構成することも可能である。特に透明板ユニット43を遊技領域22の大きさ、外周形状の異なる複数種類の機種に兼用可能な汎用部品とするような場合には、その透明板ユニット43とは別に、中間スピーカ45A,45Bの位置に応じた形状の突出部93を設けておくことにより、各機種に容易に対応できる利点がある。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、遊技機として弾球遊技機の一つであるパチンコ機について例示しているが、パチンコ機以外のアレンジボール機等の遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。
また、各実施形態では、ガイドレール23とは反対側の中間スピーカ45Bに対応して透明板ユニット43に不正阻止部89を設ける場合を中心に説明したが、上部スピーカ44A,44Bに対応して透明板ユニット43に不正阻止部89を設けてもよいし、上部スピーカ44A,44B及び中間スピーカ45A,45Bに対応して透明板ユニット43に不正阻止部89を設けてもよい。
透明板ユニット43の不正阻止部89は中間スピーカ45Bの少なくとも一部の後側に対応するものでもよい。その場合、透明板ユニット43の不正阻止部89は中間スピーカ45Bの遊技領域22に近い側に対応することが望ましい。
不正阻止部89は一般的には中間スピーカ45B側から挿入された不正部材の後側への進入を阻止できるものであれば十分である。しかし、中間スピーカ45Bと周壁部70との相対関係によっては、中間スピーカ45Bの周辺部分を経て不正部材が挿入されるようなことも考えられる。従って、不正阻止部89は、単に中間スピーカ45Bを経て挿入される不正部材、又は中間スピーカ45Bの周辺部分を経て挿入される不正部材を阻止できるだけでなく、中間スピーカ45B及びその周辺部分を経て挿入される不正部材を阻止できるようにすることが望ましい。
不正阻止部89はその全部又は略全部を透明板ユニット43の透明板85,86により構成してもよいし、一部を透明板ユニット43の透明板85,86により構成してもよいが、少なくとも主要部を透明板85,86で構成することが望ましい。透明板ユニット43の透明板85,86は一枚でもよい。
中間スピーカ45Bはスピーカ収容部69に前側から挿入して、前側からネジ等によって固定するようにしてもよい。また、スピーカ収容部69は少なくとも中間スピーカ45Bの後部側を収容する構造でもよい。スピーカ収容部69を取り囲む周壁部70は、扉枠50と一体に形成する他、その一部又は全部を扉枠50に対して着脱自在に設けてもよい。