JP6161508B2 - Cos転換触媒の触媒再生方法 - Google Patents
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Description
COS+H2O→H2S+CO2 ・・・(1)
石炭ガス化複合発電(Integrated coal. Gasification Combined Cycle:IGCC)において、ガス化ガス中のCOSに対してCOS転換触媒を用いて連続使用していくと、ガス化ガス中のダスト分(例えば硫化物)が、COS転換触媒の表面を覆う、いわゆる触媒被毒が発生し、触媒性能が低下する、という問題がある。
この被毒して性能が低下した触媒は、再生処理により再利用されている。
実施例1に係るCOS転換触媒の触媒再生方法は、例えば石炭等の炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、使用済のCOS転換触媒を、酸溶液中に所定時間浸漬処理するものである。
(1) 先ず、石炭ガス化発電プラントのCOS転換装置に充填したCOS転換触媒を取り出す。
(2) この取り出したCOS転換触媒に付着しているダスト分をエアーブロー等のガス噴射装置により除去する。
(3) 次に、浸漬容器内に酸溶液を所定量投入し、この酸溶液にエアーブロー処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、酸溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、酸溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
酸溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(4) この浸漬状態のまま15〜60分程度静置させ、浸漬処理する。
(5) 別の容器に準備した水(例えばイオン交換水)に浸漬処理したCOS転換触媒を続けて浸漬させ、水洗浄処理する。ここで、洗浄溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、水/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
(6) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、水洗浄処理する。
(7) 洗浄処理後、COS転換触媒を引き上げ、触媒内の余剰液を除去した後、乾燥処理する。
乾燥は自然乾燥、加温乾燥のいずれでもよい。ここで、加熱乾燥の場合には、80℃〜200℃が好ましく、110℃〜150℃が特に好ましい。
実施例2に係るCOS転換触媒の触媒再生方法は、例えば石炭等の炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、使用済のCOS転換触媒を、アルカリ溶液中に所定時間浸漬処理するものである。
(1) 先ず、石炭ガス化発電プラントのCOS転換装置に充填した触媒を取り出す。
(2) この取り出したCOS転換触媒に付着しているダスト分をエアーブロー等のガス噴射装置により除去する。
(3) 次に、浸漬容器内にアルカリ溶液を所定量投入し、このアルカリ溶液にエアーブロー処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、アルカリ溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分浸漬される程度とする。より好ましくは、アルカリ溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
アルカリ溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア水(NH4OH)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(4) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、浸漬処理する。
(5) 別の容器に準備した水(例えばイオン交換水)に浸漬処理したCOS転換触媒を続けて浸漬させ、水洗浄処理する。ここで、洗浄溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、水/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
(6) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、水洗浄処理する。
(7) 洗浄処理後、COS転換触媒を引き上げ、触媒内の余剰液を除去した後、乾燥処理する。
乾燥は自然乾燥、加温乾燥のいずれでもよい。また、焼成処理してもよい。
実施例3に係るCOS転換触媒の触媒再生方法は、例えば石炭等の炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、使用済のCOS転換触媒を、アルカリ溶液中に所定時間浸漬処理した後、酸溶液中に所定時間浸漬処理するものである。
(1) 先ず、石炭ガス化発電プラントのCOS転換装置に充填した触媒を取り出す。
(2) この取り出したCOS転換触媒に付着しているダスト分をエアーブロー等のガス噴射装置により除去する。
(3) 次に、浸漬容器内にアルカリ溶液を所定量投入し、このアルカリ溶液にエアーブロー処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、アルカリ溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、アルカリ溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
アルカリ溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア水(NH4OH)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(4) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、浸漬処理する。
(5) 次に、別の浸漬容器内に酸溶液を所定量投入し、この酸溶液にアルカリ処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、酸溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、酸溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
酸溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(6) 更に、別の容器に準備した水(例えばイオン交換水)に浸漬処理したCOS転換触媒を続けて浸漬させ、水洗浄処理する。ここで、洗浄溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、水/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
(7) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、水洗浄処理する。
(8) 洗浄処理後、COS転換触媒を引き上げ、触媒内の余剰液を除去した後、乾燥処理する。
乾燥は自然乾燥、加温乾燥のいずれでもよい。また、焼成処理してもよい。
実施例4に係るCOS転換触媒の触媒再生方法は、例えば石炭等の炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、使用済のCOS転換触媒を、酸溶液中に所定時間浸漬処理した後、アルカリ溶液中に所定時間浸漬処理するものである。
(1) 先ず、石炭ガス化発電プラントのCOS転換装置に充填した触媒を取り出す。
(2) この取り出したCOS転換触媒に付着しているダスト分をエアーブロー等のガス噴射装置により除去する。
(3) 次に、浸漬容器内に酸溶液を所定量投入し、この酸溶液にエアーブロー処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、酸溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、酸溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
酸溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(4) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、浸漬処理する。
(5) 次に、別の浸漬容器内にアルカリ溶液を所定量投入し、このアルカリ溶液に酸処理したCOS転換触媒を浸漬する。ここで、アルカリ溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、アルカリ溶液/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
アルカリ溶液は、0.1規定(N)以上、1規定(N)程度の水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア水(NH4OH、)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)等を用いることができる。
この薬剤処理において、薬剤溶液を加温(例えば60〜80℃)処理すると、付着した硫化物等の除去効率が向上する。
(6) 更に、別の容器に準備した水(例えばイオン交換水)に浸漬処理したCOS転換触媒を続けて浸漬させ、水洗浄処理する。ここで、洗浄溶液の量は、少なくともCOS転換触媒が十分かくれる程度とする。より好ましくは、水/COS転換触媒=3体積比以上とするのがよい。
(7) この浸漬状態のまま例えば15分〜60分程度静置させ、水洗浄処理する。
(8) 洗浄処理後、COS転換触媒を引き上げ、触媒内の余剰液を除去した後、乾燥処理する。
乾燥は自然乾燥、加温乾燥のいずれでもよい。また、焼成処理してもよい。
次に、本発明の効果を示す試験例について、説明するが、本発明は、この試験例に何ら限定されるものではない。
試験例2は、1Nの硫酸で使用済のCOS転換触媒を、加温(60℃)で30分間浸漬処理し、水で30分洗浄処理したものである。
試験例3は、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で使用済のCOS転換触媒を、常温で30分間浸漬処理し、次いでINの硫酸でアルカリ処理後のCOS転換触媒を、常温で30分間中和漬処理し、水で30分洗浄処理したものである。
使用前の新品を基準の「1」とし、図1に、各条件による触媒回復率について、試験した結果を示す。
特に、酸処理においては、常温処理よりも、加温処理を行ったほうが触媒回復率の向上が確認された。
試験例1の再生COS転換触媒を用いて、触媒処理温度(250℃、300℃、350℃)でのCOS転換率を測定し、図2に示した。
図2に示すように、試験例1(酸処理品)は、再生前の触媒より、常にCOS転換率が高いものであったことが確認された。
特に、酸処理したものは、270℃程度を超える温度域から、新品よりCOS転換率が高いことが確認された。
Claims (4)
- 炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、
使用済のCOS転換触媒を、酸溶液中に所定時間浸漬処理することを特徴とするCOS転換触媒の触媒再生方法。 - 炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、
使用済のCOS転換触媒を、アルカリ溶液中に所定時間浸漬処理した後、
酸溶液中に所定時間浸漬処理することを特徴とするCOS転換触媒の触媒再生方法。 - 炭素原料をガス化してガス化ガス中の硫化カルボニル(COS)を加水分解するCOS転換触媒の再生方法であって、
使用済のCOS転換触媒を、酸溶液中に所定時間浸漬処理した後、
アルカリ溶液中に所定時間浸漬処理することを特徴とするCOS転換触媒の触媒再生方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記浸漬処理が、所定の加温状態で行うことを特徴とするCOS転換触媒の触媒再生方法。
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