JP6152638B2 - 読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
原稿読取装置には、読取光学系を固定したまま原稿を移動させることにより読取走査を行う形式の他に、載置台に載置されている原稿を副走査方向に移動するキャリッジにより読み取ることができるスキャナによる走査形式がある。
後者の形式には、主走査方向に配置された読取素子を備えたキャリッジが、これを収容している読取装置の筐体において副走査方向に延長されたガイドレールに沿って移動させる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
スキューが生じると、副走査方向での読取位置の不一致などが原因して、例えば、カラー画像などでは読取位置での色ずれを起こす場合がある。
つまり、読取装置のフレームには、主走査方向ほぼ中央に副走査方向へ延長された断面凸状のガイドレールが設けられ、ガイドレールにはキャリッジと一体の被ガイド部が、一部を嵌合させた状態で搭載され、嵌合部の一部にスキュー防止構造が設けられている。
この構成においては、被ガイド部の傾斜面と対向する面が縦方向に形成されることにより水平方向でのガタをなくし、そして傾斜面において生じる水平方向の分力によりガイドレールと被ガイド部との間にガタが生じた場合の傾きによる斜行を防止することができる。
しかし、ガイドレールが設けられているフレームは、成形加工により上面開放型の樹脂製筐体が用いられている場合、底面中央部にひけと称される収縮変形や反り等の変形を生じることがある。
図1は、本実施形態に係る読取装置を用いる画像形成装置の外観図である。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成処理部を備えた装置本体101の上面に読取装置102が、そしてその上部には原稿搬送装置103が搭載されて構成されている。
装置本体101の内部には、図示しないが電子写真複写工程を実行する作像部が備えられている。
同図において読取装置102は、スキャナカバー201および装置本体をなす筐体202を備え、スキャナカバー201には、原稿載置台に相当するコンタクトガラス203およびドキュメントフィーダ用コンタクトガラス204が備えられている。ドキュメントフィーダ用コンタクトガラス204は、原稿搬送装置103により搬送される原稿を読み取る際に用いられるガラス面である。
同図において筐体202は、副走査方向に移動可能な読取ユニット1を収容する部材であり、副走査方向に延長されて読取ユニット1を摺動可能に搭載することができるガイドレール2,読取ユニット1を副走査方向に往復動させる牽引部材3が備えられている。
読取ユニット1には、スキャナカバー201側に対向して主走査方向に長手方向を設定されたイメージセンサなどの読取素子1Aが配置されている。
読取ユニット1は、副走査方向に移動することにより、図示しない光源を用いて原稿面で反射した光を受光することで主走査および副走査方向での原稿画像走査を行う。
ドキュメントフィーダ用コンタクトガラス204においての原稿走査時には、読取ユニット1がドキュメントフィーダ用コンタクトガラス204の位置に固定されて搬送される原稿の画像を走査する。
同図において牽引部材3は、筐体202内で副走査方向に展張面を有するように副走査方向両端に配置されているプーリ3B、3C(プーリ3Cは図4に示されている)に無端状ベルト3Aが掛け回されている。
プーリの一方3Bは、駆動モータ4の出力軸に取り付けられており、駆動モータ4の正逆転駆動に応じて無端状ベルト3Aを副走査方向に沿って往復動させることができる。
テンション機構5は、プーリの他方3Cを回転自在に支持しているブラケット5Aの一端部および筐体202側に固定された支持部202Aとの間に配置された圧縮コイルバネなどのテンションスプリング5Bを備えている。
テンションスプリング5Bの付勢力によりブラケット5Aが押圧されることで無端状ベルト3Aに張力が付与される。
本実施形態での特徴は、ガイドレール2を備えた筐体の一部に収縮変形が生じた場合でも読取ユニット1による読取精度を低下させないことにある。
この特徴を発揮させるための構成は(1)〜(4)に挙げる通りである。
(1)読取ユニット1に対する牽引部材3の取り付け位置は、読取ユニット1の主走査方向での重心位置に対応させてある。
読取ユニット1および牽引部材3の関係として、図6に示すように、牽引部材3に用いられる無端状ベルト3Aは、読取ユニット1の重心位置(図6において矢印Mgで示す位置)において連結されている。
重心位置Mgが読取ユニット1の主走査方向中央ではなく右側に片寄っているのは、読取ユニット1の右側に図示されないケーブル類やケーブルのノイズリダクション用コアが配置されている関係で重心がずれていることが理由である。
ガイドレール2は、主走査方向に沿った断面形状が台形とされており、その上面側から、読取ユニット1の下面に設けられているスキュー防止ガイド6が嵌め込まれている。
スキュー防止ガイド6は、読取ユニット1に装備されている読取素子1Aの主走査方向での読取範囲中央に対応させて位置決めされている。この構成は、図10において説明するが、読取ユニット1が傾く量を少なくするための構成である。
同図においてスキュー防止ガイド6は、ガイドレール2の形状に応じた台形の内面を有するスライドシュー6Aを主要部として備えており、スライドシュー6Aの上面には読取ユニット1の底面から突出する支持ピン7が挿通されている。
支持ピン7は、読取ユニット1側では固定される一方、スライドシュー6A側ではスライドシュー6Aを昇降させることができる状態で支持されている。
なお、この場合に説明した合算値の対象となるバネ1Bは、図示していないが、読み取りユニット1の牽引部を境にして主走査方向の対称位置に配置されている。図8では、片側のみのバネ1Bが示されている。
従って、読み取りユニット1は、主走査方向両側をバネ1Bによって読み取り素子1Aがコンタクトガラス203に向けて均等に押しつけられる。このことから、上述した合算値は、主走査方向両側に位置するバネ1Bの付勢力と読取ユニット1の重量を対象としている。これは、合算値よりも大きい力であると、読取ユニット1が上方に向け押し動かされた際に、図3,8において、後で説明する高さ位置決めガイド9A、9Bから浮き上がってしまうのを防止するためである。これにより、読取ユニット1が浮き上がった際に生じる読取ユニット1の駆動が不安定となるのを防止するようになっている。
牽引部材3とスキュー防止ガイド6とは、主走査方向において互いに可能な限り近づけて設けられている。これにより、読取ユニット1に牽引力が作用した際の水平方向でのモーメントの発生を抑えて、スキューが生じるのを抑えるようになっている。
読取ユニット1が装備されている読取装置102の筐体202内には、ガイドレール2とは別に、読取ユニット1の牽引部を挟んだ主走査方向端部側に高さ位置決めガイド9A、9Bが備えられている。
高さ位置決めガイド9A、9Bは、図6および図8に示すように、牽引部材3の連結位置を挟んで主走査方向の等間隔位置に配置された凸部で形成されている。
読取ユニット1の底面には、高さ位置決めガイド9A、9Bに対向する位置に高さ位置決めガイド9A、9Bの頂面に搭載される摺動部1Cが設けられている。これにより、読取ユニット1は、主走査方向端部が高さ位置決めガイド9A、9Bに位置決めされて摺動できるようになっている。
同図に示すように、筐体の主走査方向でのほぼ中央において最も反りが大きく発生している。このためこの位置に対応して位置決めされているガイドレール2は、反りの影響を受けてコンタクトガラス204からの対向間隔が変化する。この結果、スキュー防止ガイド6の高さ方向での位置も初期条件から変化するので、読取素子1Aと原稿画像との対向位置関係が適正な状態から悪化してしまう。
図11、12は、図6の構成を対象として、読取ユニット1が主走査方向でスキューが生じた場合に、走査位置が理想的な走査位置(図11、12中、符号Sで示す)からずれた状態(図11においては符号S1、図12においては符号S2で示す)を示している。
理想的な走査位置Sからのずれ量は、スキュー発生角(α)に対し、読取ユニット1の牽引部に用いられるスキュー防止ガイド6の位置が影響する。
つまり、図11に示すように、牽引部の位置が読取範囲中央である場合、図12に示すように、読取ユニット1の牽引部を主走査方向端部(図12において右側)とした場合に比べて、理想的な走査位置(S)からのずれ量が小さく抑えられることになる。
図11、図12には、同じスキュー角(α)が生じた場合のずれ量が符号P,P0で示されており、図11に示した構成の場合には、図12に示した場合に対して、P<P0の関係が得られる。
このように、読取ユニット1にスキューが生じた場合でも、読取ユニット1の牽引部の位置を読取範囲中央とすることにより、理想的な走査位置からのずれ量を小さくして副走査方向および主走査方向での読取誤差を少なくして読取精度の悪化を防止している。
図13は、ガイドレール(便宜上、符号2’で示す)の構成として、筐体202の底面から垂直に立てられたガイド壁を有している。この場合には、読取ユニット1が水平方向にずれるのを防ぐためにガイド壁が対向して一対で設けられている。これらガイド壁には、読取ユニット1側の対向部に、スライドシューに相当する摺動面21がそれぞれ対向して当接可能なように配置されている。各摺動面21は、水平方向でのガタをなくすためにスプリング22によって加圧されている。
このような構成では、一対のガイド壁を設けることによりこれらガイド壁が占有するスペースが必要となる。
無端状ベルト3Aの展張面の一方を外側に張り出させる構成としては、プーリ同士の中心を結ぶ線上よりも外側の位置に対応させて読取ユニット1側に無端状ベルトの迂回プーリ(図示されず)などを設ける構成が用いられる。
この場合においても、読取ユニット1における牽引部の位置は、図6に示した場合と同様に、読取素子1Aの読取範囲中央とされている。
この結果、読取ユニット1側でガイド壁に対向して設けられているスライドシューに相当するスライド面20’は、一方向への力のみであるので、ガイドレール2’もこの力Ftを受ける側に設けるだけですむ。
これにより、摺動性のよい材料を用いることで読取ユニット1の円滑な移動が可能となる。
また、高さ位置決めガイド9A、9Bの頂面に搭載される摺動部1Cは、高さ位置決めガイド9A、9Bの頂面に形成された凹部(図示されず)に嵌合させることも可能である。
この構成においては、摺動抵抗が均等化された状態で凹部内から外れないようにすることで読取ユニット1の傾きを、より効果的に抑えることができる。
1A 読取素子
2 ガイドレール
3 牽引部材
3A 無端状ベルト
3B,3C プーリ
5 テンション機構
9A、9B 高さ位置決めガイド
201 読取装置
202 筐体
203 コンタクトガラス
Claims (9)
- 原稿載置台に載置された原稿の画像を副走査方向に移動する読取ユニットにより読み取る読取装置であって、
前記読取ユニットは、該読取ユニットを収容する筐体内で前記副走査方向に沿って延長されたガイドレールに摺動可能に搭載され、
前記筐体内には、前記副走査方向と直交する主走査方向における前記読取ユニットの牽引部を挟んで等間隔の位置で前記副走査方向に延長された高さ位置決めガイドが備えられ、
前記高さ位置決めガイドには、前記読取ユニットの主走査方向端部が摺動可能に搭載されており、
前記読取ユニットには、前記副走査方向に延長された牽引部材が取り付けられ、
前記牽引部材は、前記読取ユニットにおける前記主走査方向での重心位置で連結されており、
前記高さ位置決めガイドは、前記主走査方向で前記牽引部材の取り付け位置を挟んで等間隔の位置に位置決めされており、
前記筐体、前記ガイドレールおよび前記高さ位置決めガイドは、樹脂で成形されていることを特徴とする読取装置。 - 前記高さ位置決めガイドは、前記筐体における前記主走査方向端部側に位置決めされていることを特徴とする請求項1記載の読取装置。
- 前記読取ユニットには、前記主走査方向に沿って長手方向を設定された読取素子が配置され、前記ガイドレールは、前記読取素子を用いた読取範囲中央に位置決めされていることを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
- 前記ガイドレールは、前記主走査方向に沿った断面形状が台形であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の読取装置。
- 前記ガイドレールに当接可能な前記読取ユニット側の対向部は、該読取ユニットと別部材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の読取装置。
- 前記ガイドレールは、前記筐体の底面から垂直に立てられたガイド壁であり、
前記牽引部材は、前記読取ユニットに一部が連結されて前記副走査方向に展張面を有するベルトおよび前記副走査方向の両端にて該ベルトが掛け回されているプーリを備え、
前記ベルトの展張面の一方は、前記主走査方向に張力を増加させてあることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の読取装置。 - 前記読取ユニットには、前記ガイド壁に対向して当接可能な垂直面を有する摺動部が設けられていることを特徴とする請求項6記載の読取装置。
- 前記ガイド壁に当接可能な前記読取ユニット側の対向部は、該読取ユニットと別部材により形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の読取装置。
- 請求項1乃至8のうちのいずれか一つに記載の読取装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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