以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての音声通信システム1の構成を図1に示す。図1において、音声通信システム1は、第1の音声サーバ10と、第2の音声サーバ20と、バックアップ用音声端末30とを含む。以降、第1の音声サーバ10を、単に音声サーバ10とも記載する。また、第2の音声サーバ20を、単に音声サーバ20とも記載する。
音声サーバ10は、ノードAに設置されている。ノードA内において、音声サーバ10は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して他の音声端末90に接続されていてもよい。以降、ノードAに含まれる音声端末90を総称して音声端末Aとも記載する。また、音声サーバ20は、ノードBに設置されている。ノードB内において、音声サーバ20は、LAN等のネットワークを介してバックアップ用音声端末30に接続されている。また、音声サーバ20は、LAN等を介して他の音声端末90に接続されていてもよい。以降、ノードBに含まれるバックアップ用音声端末30および音声端末90を総称して音声端末Bとも記載する。
また、ノードAおよびノードBは、物理的に異なる拠点であってもよいし、論理的に分割して管理されるグループであってもよい。ノードAおよびノードB間は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ノードAおよびノードB間を接続するネットワークは、IP(Internet Protocol)専用線等であってもよい。
なお、図1には、音声サーバ10、音声サーバ20、および、バックアップ用音声端末30を1つずつ示したが、本発明の音声通信システムに含まれる各装置の数を限定するものではない。また、図1には、2つのノードを示したが、本発明の音声通信システムが設置されるノードの数を限定するものではない。また、図1には、各ノードに音声端末90を1つずつ示したが、本発明の第1の音声サーバおよび第2の音声サーバが収容可能な音声端末の数を限定するものではない。
音声端末90は、音声サーバ10または音声サーバ20に収容可能な音声端末である。音声端末90は、音声サーバ10または音声サーバ20を介して音声通信を行う機能を有する。具体的には、音声端末90は、データ通信網を介した音声通信で用いられる所定のプロトコルにしたがって、音声サーバ10または音声サーバ20を介して他の音声端末90またはバックアップ用音声端末30に対して発呼要求を送信する。そして、音声端末90は、音声サーバ10または音声サーバ20を介して発呼要求に対する応答を受信することにより、着信先の端末との間で音声通信のためのセッションを確立する。そして、音声端末90は、入力される音声をパケット化して着信先の端末に送信し、パケット化されて受信されるデータを音声に変換して出力することにより音声通信を行う。音声端末90は、例えば、IP電話端末であってもよい。また、音声端末90は、汎用的なコンピュータ装置上に実現されたソフトフォンであってもよい。また、音声端末90は、回線交換網によるアナログ音声通信を行う音声端末を音声通信システム1に接続する変換装置によって構成されていてもよい。
次に、バックアップ用音声端末30の機能ブロックについて、図2を参照して説明する。バックアップ用音声端末30は、音声端末90と同様に、音声サーバ10または音声サーバ20を介して音声通信を行う機能を有する。さらに、図2に示すように、バックアップ用音声端末30は、帰属先記憶部31と、帰属先切替部32とを有する。ここで、バックアップ用音声端末30は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリやハードディスク等の記憶装置と、ネットワークインタフェースとを備えた装置によって構成可能である。この場合、帰属先記憶部31は、記憶装置によって構成される。また、帰属先切替部32は、ネットワークインタフェースと、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。なお、バックアップ用音声端末30は、IP電話端末として実現されてもよい。また、バックアップ用音声端末30は、汎用的なコンピュータ装置上にソフトフォンとして実現されてもよい。また、バックアップ用音声端末30は、回線交換網によるアナログ音声通信を行う音声端末をデータ通信ネットワークに接続する変換装置として実現されてもよい。なお、バックアップ用音声端末30およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
帰属先記憶部31は、一次帰属先として音声サーバ20を表す情報と、二次帰属先として音声サーバ10を表す情報とを記憶する。一次帰属先とは、バックアップ用音声端末30が通常時に帰属する音声サーバを表す情報である。バックアップ用音声端末30は、起動時などに、一次帰属先の音声サーバ20に対して帰属要求するよう構成される。また、二次帰属先とは、一次帰属先の音声サーバ20とは異なる音声サーバであって、一次帰属先の音声サーバ20の機能が停止した場合に帰属可能な音声サーバを表す情報である。
帰属先切替部32は、一次帰属先の音声サーバ20に帰属中、音声サーバ20の機能停止を検出すると、帰属先記憶部31に記憶された二次帰属先の音声サーバ10に対して帰属要求する。音声サーバ20の機能停止とは、ノードB内の音声端末Bに対して、音声サーバ20の機能が提供されなくなる状態をいう。例えば、帰属先切替部32は、音声サーバ20自体に障害が発生すると、音声サーバ20の機能停止を検出してもよい。また、例えば、帰属先切替部32は、音声サーバ20およびノードB内のLAN間の接続に障害が発生すると、音声サーバ20の機能停止を検出してもよい。また、帰属先切替部32は、所定のタイミング毎に音声サーバ20と疎通確認することにより、音声サーバ20の機能が停止しているか否かを検出してもよい。音声サーバ20の機能停止が検出された場合、帰属先切替部32は、二次帰属先である音声サーバ10に対して帰属要求する。
次に、音声サーバ10の機能ブロックを、図2を用いて説明する。図2において、音声サーバ10は、音声端末認証部11と、バックアップ用音声端末記憶部12と、他音声サーバ状態検出部13と、着信先切替部14とを有する。ここで、音声サーバ10は、CPUと、RAMと、ROMと、ハードディスク等の記憶装置と、ネットワークインタフェースとを備えた装置によって構成可能である。この場合、音声端末認証部11と、他音声サーバ状態検出部13と、着信先切替部14とは、ネットワークインタフェースと、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。また、バックアップ用音声端末記憶部12は、記憶装置によって構成される。なお、音声サーバ10は、汎用的なコンピュータ装置上に実現されていてもよいし、IP−PBX等の装置として実現されてもよい。なお、音声サーバ10およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
音声端末認証部11は、登録されたバックアップ用音声端末30または音声端末90を認証することにより自サーバに帰属させる。例えば、音声端末認証部11は、登録済のバックアップ用音声端末30または音声端末90の認証情報と、帰属中に設定される内線番号と、ネットワークアドレスとを対応付けて管理していてもよい。音声端末認証部11は、バックアップ用音声端末30または音声端末90からの帰属要求を受信すると、帰属要求に含まれる認証情報と、記憶している認証情報とを照合する。そして、音声端末認証部11は、認証に成功した場合は、そのバックアップ用音声端末30または音声端末90を自サーバに帰属中として管理する。
本実施の形態では、音声端末認証部11は、ノードA内の音声端末Aの認証情報に加えて、ノードBに含まれるバックアップ用音声端末30の認証情報を記憶している。
バックアップ用音声端末記憶部12は、音声サーバ20を一次帰属先とし、自サーバを二次帰属先とするバックアップ用音声端末30を表す情報を記憶する。以降、そのようなバックアップ用音声端末30を、単に、「音声サーバ20のバックアップ用音声端末30」とも記載する。
例えば、バックアップ用音声端末記憶部12は、音声サーバ20のアクセスコード(局番)に対応付けて、そのバックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中に設定される内線番号を記憶してもよい。
また、バックアップ用音声端末記憶部12は、複数の音声サーバ20についてそのバックアップ用音声端末30をそれぞれ記憶してもよい。また、バックアップ用音声端末記憶部12は、1つの音声サーバ20に対して複数のバックアップ用音声端末30を記憶してもよい。
他音声サーバ状態検出部13は、音声サーバ20の機能停止を検出する。例えば、他音声サーバ状態検出部13は、音声サーバ20に転送した発呼要求に対する接続不可の信号を受信すると、音声サーバ20の機能停止を検出してもよい。また、他音声サーバ状態検出部13は、音声サーバ20に転送した発呼要求に対する応答を所定時間経過までに受信できない場合、音声サーバ20の機能停止を検出してもよい。
着信先切替部14は、ノードA内の音声端末Aまたは他のノードから受信された発呼要求の転送先を、転送先の音声サーバ20が機能停止しているか否かに応じて切り替える。具体的には、着信先切替部14は、発呼要求の転送先となる他の音声サーバ20が機能停止しているか否かを、他音声サーバ状態検出部13を用いて判断する。そして、着信先切替部14は、転送先の他の音声サーバ20が機能停止中の場合、バックアップ用音声端末記憶部12を参照することにより、該他の音声サーバ20のバックアップ用音声端末30を特定する。そして、着信先切替部14は、そのバックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中であれば、そのバックアップ用音声端末30に対して発呼要求を転送することにより着信先を切り替える。なお、もし、発呼要求の転送先が自サーバに帰属中の音声端末Aであれば、着信先切替部14は、その音声端末Aに発呼要求を転送すればよい。
もし、転送先となる音声サーバ20に対して複数のバックアップ用音声端末30が記憶されている場合、着信先切替部14は、複数のバックアップ用音声端末30のうち帰属中の1つ以上に着信先を切り替えてもよい。また、この場合、着信先切替部14は、1つ以上のバックアップ用音声端末30を着信先として、それぞれに対して同時に発呼要求を転送してもよい。
次に、音声サーバ20の機能ブロックを、図2を用いて説明する。図2において、音声サーバ20は、音声端末認証部21を有する。ここで、音声サーバ20は、CPUと、RAMと、ROMと、ハードディスク等の記憶装置と、ネットワークインタフェースとを備えた装置によって構成可能である。この場合、音声端末認証部21は、ネットワークインタフェースと、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。なお、音声サーバ20は、汎用的なコンピュータ装置上に実現されていてもよいし、IP−PBX等の装置として実現されてもよい。なお、音声サーバ20およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
音声端末認証部21は、音声サーバ10の音声端末認証部11と略同様に構成される。また、音声端末認証部21は、ノードB内のバックアップ用音声端末30を含む音声端末Bの認証情報を記憶している。
以上のように構成された音声通信システム1の動作について、図面を参照して説明する。
まず、バックアップ用音声端末30の帰属先切替動作を図3に示す。なお、図3において、左図は、バックアップ用音声端末30の動作を示し、右図は音声サーバ10の動作を示し、左右を結ぶ破線の矢印はデータの流れを示すものとする。
図3では、まず、帰属先切替部32は、一次帰属中の音声サーバ20の機能が停止しているか否かを判断する(ステップS1)。例えば、帰属先切替部32は、音声サーバ20との疎通確認が成功するか否かに基づいて判断を行ってもよい。
ここで、音声サーバ20の機能が停止していないと判断された場合、バックアップ用音声端末30の動作は、ステップS1を繰り返し実行する。
一方、音声サーバ20の機能が停止していると判断された場合、帰属先切替部32は、帰属先記憶部31を参照することにより、二次帰属先である音声サーバ10に対して帰属要求する(ステップS2)。
帰属要求を受けた音声サーバ10の音声端末認証部11は、帰属要求元のバックアップ用音声端末30の認証情報が自サーバに登録されているか否かを判断する(ステップS3)。
ここで、帰属要求元のバックアップ用音声端末30が自サーバに登録されていない場合、音声通信システム1は動作を終了する。このとき、音声サーバ10は、自サーバに登録されていないことを表す情報を、バックアップ用音声端末30に対して送信してもよい。
一方、帰属要求元のバックアップ用音声端末30が自サーバに登録されている場合、音声端末認証部11は、ノードBのバックアップ用音声端末30を自サーバに帰属させる(ステップS4)。このとき、音声端末認証部11は、帰属に成功したことをバックアップ用音声端末30に対して通知してもよい。
以上で、バックアップ用音声端末30の帰属先切替動作の説明を終了する。
次に、ノードB内の音声端末Bに対する発呼要求時の着信先切替動作を図4に示す。
まず、音声サーバ10は、ノードA内の音声端末Aまたは他のノードから発呼要求を受信する(ステップS11)。
次に、他音声サーバ状態検出部13は、ステップS11で受信された発呼要求の転送先となる音声サーバ20の機能が停止しているか否かを検出する(ステップS12)。具体的には、例えば、他音声サーバ状態検出部13は、着信先切替部14により転送先の音声サーバ20に対して発呼要求を転送後、接続不可の応答があるか否か、あるいは、所定期間経過までに応答があるか否かに基づいて、判断処理を行えばよい。
ここで、転送先の音声サーバ20の機能が停止していないと判断された場合、音声サーバ10は、通常の呼制御を行い(ステップS13)、動作を終了する。
一方、転送先の音声サーバ20の機能が停止していると判断された場合、着信先切替部14は、バックアップ用音声端末記憶部12を参照し、転送先の音声サーバ20のバックアップ用音声端末30を特定する(ステップS14)。
次に、着信先切替部14は、ステップS14で特定したバックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中であるか否かを判断する(ステップS15)。もし、ステップS14で複数のバックアップ用音声端末30が特定されていれば、着信先切替部14は、少なくともいずれか1つのバックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中であるか否かを判断すればよい。
ここで、バックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中でないと判断された場合、着信先切替部14は、発信規制処理を行って(ステップS16)、動作を終了する。ここで、発信規制処理とは、例えば、発呼要求の発信元に対して規制音を送出して呼損とする処理であってもよい。あるいは、発信規制処理とは、着信先に接続できない旨をアナウンスするアナウンス装置に発信元を接続させる処理であってもよい。
一方、バックアップ用音声端末30が自サーバに帰属中であると判断された場合、着信先切替部14は、ステップS14で特定したバックアップ用音声端末30に着信先を切り替える(ステップS17)。
例えば、音声サーバ10は、着信先として切り替えたバックアップ用音声端末30が空き状態であるか否かを確認する。空き状態でなければ、音声サーバ10は、話中処理を行なう。話中処理とは、例えば、発信元に対して話中音を送出して呼損とする処理であってもよい。あるいは、話中処理とは、着信先のバックアップ用音声端末30が空き状態となるまで積滞呼として待ち合わせ動作を行なう処理であってもよい。自サーバに帰属中の1つ以上のバックアップ用音声端末30が空き状態であれば、音声サーバ10は、空き状態のバックアップ用音声端末30に発呼要求を転送する。このとき、音声サーバ10は、空き状態のいずれか1つのバックアップ用音声端末30に発呼要求を転送してもよいし、空き状態の複数のバックアップ用音声端末30に発呼要求を転送して複数台を鳴動させてもよい。あるいは、音声サーバ10は、着信先として切り替えたバックアップ用音声端末30が空き状態でなければ、自サーバに帰属中の他のバックアップ用音声端末30に順次スライドして着信先を切り替えるようにしてもよい。あるいは、音声サーバ10は、着信先として切り替えたバックアップ用音声端末30に転送した発呼要求に対して、自サーバに帰属中の他のバックアップ用音声端末から応答があった場合には、以降、応答元のバックアップ用音声端末と発信元との間を接続する処理を行うようにしてもよい。
以上で、音声通信システム1の着信先切替動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム1の動作を具体例で示す。この具体例では、音声通信システム1は、図5に示すように構成される。この例では、ノードAは、都道府県単位の支社であり、ノードBは、市町村単位の営業所である。ノードAは、音声サーバ10と、音声端末90Aとを含む。これらの装置は、ノードA内のLANに接続されている。また、ノードAには、「810」のアクセスコードが割り当てられている。また、ノードBは、音声サーバ20と、音声端末90Bと、バックアップ用音声端末30Cとを含む。これらの装置は、ノードB内のLANに接続されている。また、ノードBには、「811」のアクセスコードが割り当てられている。また、ノードAおよびノードBは、IPネットワークを介して接続されている。
また、ここでは、バックアップ用音声端末30Cの帰属先記憶部31は、一次帰属先としてノードBの音声サーバ20を表す情報を記憶し、二次帰属先としてノードA内の音声サーバ10を表す情報を記憶している。
また、ここでは、ノードAにおいて、音声端末90Aは、音声サーバ10に帰属中であり、内線番号「3000」が設定されている。また、ノードBにおいて、音声端末90Bおよびバックアップ用音声端末30Cは、音声サーバ20に帰属中であり、それぞれ、内線番号「2001」および「2000」が設定されている。
また、音声サーバ10の音声端末認証部11は、音声端末90Aの認証情報に加えて、ノードBのバックアップ用音声端末30Cの認証情報を記憶している。
また、音声サーバ10のバックアップ用音声端末記憶部12に記憶される情報の一例を図6に示す。図6では、バックアップ用音声端末記憶部12は、ノードBのアクセスコード「811」に対して、ノードBのバックアップ用音声端末30が自サーバに帰属した場合の内線番号「6000」を対応付けて記憶している。なお、バックアップ用音声端末記憶部12は、1つのアクセスコードに対して1つ以上のバックアップ用音声端末30の内線番号を記憶可能となっている。また、バックアップ用音声端末記憶部12は、他のノードのアクセスコードについても同様に1つ以上のバックアップ用音声端末30の内線番号を記憶可能となっている。例えば、図6では、バックアップ用音声端末記憶部12は、ノードBのアクセスコード「811」および他のノードのアクセスコード「812」について、それぞれバックアップ用音声端末30の内線番号を記憶している。また、バックアップ用音声端末記憶部12は、他のノードのアクセスコード「812」に対しては、そのノードの1つ目のバックアップ用音声端末30の内線番号として「5000」を記憶し、2つ目のバックアップ用音声端末30の内線番号として「5001」を記憶している。
このとき、ノードBにおいて音声サーバ20に障害が発生したときの音声通信システム1の動作を、図7の模式図を用いて説明する。
ここでは、まず、バックアップ用音声端末30Cは、一次帰属先である音声サーバ20との疎通確認に失敗し、音声サーバ20の機能停止を検出する(ステップS1でYes)。
そこで、バックアップ用音声端末30Cの帰属先切替部32は、二次帰属先である音声サーバ10に帰属要求する(ステップS2)。
次に、音声サーバ10の音声端末認証部11は、バックアップ用音声端末30Cが登録されているので認証し、自サーバに帰属させる(ステップS3)。これにより、バックアップ用音声端末30Cの内線番号は「6000」に設定される。
次に、図7の状態において、ノードAの音声端末90AがノードBの音声端末90Bに対して発信したときの音声通信システム1の動作を、図8の模式図を用いて説明する。
ここで、音声サーバ20の障害発生は、突発的なものであり、音声端末90Aの利用者に対して通知されていないとする。たとえ、ノードBのバックアップ用電話番号として、バックアップ用音声端末30Cの二次帰属中の電話番号「810−6000」が周知されていても、障害発生を知らない音声端末90Aの利用者は、このようなバックアップ用電話番号を用いないと考えられる。したがって、この場合、音声端末90Aは、音声端末90Bの通常時の電話番号「811−2001」に対する発呼要求を発信する。
そこで、ノードAの音声サーバ10は、音声端末90Aから発呼要求を受信する(ステップS11)。
次に、音声サーバ10は、発呼要求先の電話番号「811−2001」に基づいて、アクセスコード「811」のノードBの音声サーバ20に発呼要求を転送する。しかしながら、音声サーバ20は、障害発生中のため、発呼要求に対する応答を返信しない。したがって、音声サーバ10の他音声サーバ状態検出部13は、転送先の音声サーバ20の機能停止を検出する(ステップS12でYes)。
そこで、音声サーバ10の着信先切替部14は、バックアップ用音声端末記憶部12を参照し、転送先のアクセスコード「811」に対応付けられた内線番号「6000」を取得する(ステップS14)。
次に、着信先切替部14は、内線番号「6000」のバックアップ用音声端末30Cが自サーバに帰属中であると判断する(ステップS15でYes)。そこで、着信先切替部14は、内線番号「6000」のバックアップ用音声端末30Cに発呼要求を転送することにより着信先を切り替える(ステップS17)。
なお、ノードAの音声サーバ10は、他のノードから、障害発生中のノードB内の音声端末Bに対する発呼要求を受信した場合も、上述した具体例と同様に動作する。
以上で、音声通信システム1の動作の具体例の説明を終了する。
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第1の実施の形態としての音声通信システムは、機能停止した音声サーバのノードに含まれる音声端末に対する着信を、その音声サーバの機能停止を認知しない発信元からの着信であっても、少ない導入コストで容易に救済することができる。
その理由は、バックアップ用音声端末において、帰属先記憶部が、一次帰属先として第2の音声サーバを記憶し、二次帰属先として第1の音声サーバを記憶し、帰属先切替部が、一次帰属先の第2の音声サーバの機能停止を検出すると、二次帰属先の第1の音声サーバに対して帰属要求するからである。また、第1の音声サーバにおいて、バックアップ用音声端末記憶部が、他の音声サーバのバックアップ用音声端末を表す情報を記憶しておき、音声端末認証部が、他の音声サーバのバックアップ用音声端末を、帰属要求に応じて自サーバに帰属させるからである。そして、他音声サーバ状態検出部が、発呼要求の転送先となる他の音声サーバの機能停止を検出した場合、着信先切替部が、機能停止中の音声サーバのバックアップ用音声端末が自サーバに帰属中であれば、そのバックアップ用音声端末に対してその発呼要求を転送することにより着信先を切り替えるからである。
これにより、本実施の形態としての第1の音声サーバは、機能が停止した第2の音声サーバのノード(機能停止ノード)の音声端末に対する発呼要求を、機能停止ノードのバックアップ用端末に着信させることができる。したがって、音声サーバの機能停止を認知しない利用者が、機能停止ノードの音声端末に対して通常の電話番号を用いて発信した場合、本実施の形態は、機能停止ノードのバックアップ用音声端末に着信させることにより着信を救済する。
また、本実施の形態は、IPセントレックスシステムではない音声通信システムにも、少ない導入コストで適用可能である。
例えば、上述した特許文献1および特許文献2に記載の音声通信システムでは、センターノードからリモードノードに局データをダウンロードする必要がある。そのため、これらの関連技術は、各ノードの音声サーバにおいて局データ構成の同一性を必要とし、マルチベンダに対応しづらい。一方、本実施の形態における第2の音声サーバおよびバックアップ用音声端末は、既存の音声通信システムにおける各ノードの音声サーバおよび帰属先を切替可能な音声端末によって構成可能であり、本実施の形態における第1の音声サーバと通信可能に構成されていればよい。したがって、本実施の形態は、マルチベンダの音声サーバが複数のノードに分散配置された既存の音声通信システムにおいて、一部の音声サーバを、本実施の形態の第1の音声サーバに置換するだけで実現可能であり、導入コストを小さくする。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第2の実施の形態としての音声通信システム2の構成を図9に示す。図9において、音声通信システム2は、本発明の第1の実施の形態としての音声通信システム1に対して、第1の音声サーバ10に替えて第1の音声サーバ40と、第2の音声サーバ20に替えて第2の音声サーバ50と、バックアップ用音声端末30に替えてバックアップ用音声端末60とを備える点が異なる。以降、第1の音声サーバ40を、単に音声サーバ40とも記載する。また、第2の音声サーバ50を、単に音声サーバ50とも記載する。
次に、バックアップ用音声端末60の機能ブロック構成を図10に示す。図10において、バックアップ用音声端末60は、本発明の第1の実施の形態としてのバックアップ用音声端末30に対して、帰属先切替部32に替えて帰属先切替部62を備え、さらに、帰属先提示部63と、入力部64とを備える点が異なる。ここで、バックアップ用音声端末60は、本発明の第1の実施の形態としてのバックアップ用音声端末30と同一のハードウェア要素に加えて、さらに、入力装置および出力装置を備える装置によって構成可能である。例えば、バックアップ用音声端末60は、操作ボタン等の入力装置、および、状態表示用ランプや液晶ディスプレイ等の出力装置を備えたIP電話端末として実現されていてもよい。あるいは、バックアップ用音声端末60は、キーボードやマウス等の入力装置および液晶ディスプレイ等の出力装置を備える汎用的なコンピュータ装置上に実現されていてもよい。この場合、帰属先提示部63は、出力装置と、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。また、入力部64は、入力装置と、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。なお、バックアップ用音声端末60およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
帰属先記憶部31は、本発明の第1の実施の形態における帰属先記憶部31と同様に構成されるが、本実施の形態では、一次帰属先として音声サーバ50を表す情報を記憶し、二次帰属先として音声サーバ40を表す情報を記憶している。
帰属先提示部63は、現在の帰属先を表す情報を提示する。具体的には、帰属先提示部63は、後述の音声サーバ40の帰属情報出力部47による出力に基づいて、現在の帰属先を表す情報を提示してもよい。例えば、帰属先提示部63は、現在の帰属先を表す文字情報を液晶ディスプレイに表示してもよい。また、帰属先提示部63は、状態表示用ランプを、一次帰属中には消灯させ、二次帰属中には点灯させるよう制御してもよい。その他、帰属先提示部63は、バックアップ用音声端末60の利用者に対して帰属先を提示可能なその他の方法により、現在の帰属先を提示してもよい。
入力部64には、二次帰属先である音声サーバ40の帰属からの解放(切戻)を指示する情報が入力される。例えば、入力部64は、二次帰属中に所定の操作ボタン(切戻ボタン)が押下されると、切戻を指示する情報が入力されたとみなしてもよい。
帰属先切替部62は、二次帰属先である音声サーバ40の帰属から自装置が解放されたことを検出する。例えば、帰属先切替部62は、二次帰属中、所定のタイミング毎に音声サーバ40に対する疎通確認を行うことにより、音声サーバ40の帰属から解放されたか否かを検出してもよい。そして、帰属先切替部62は、二次帰属先の帰属から解放されたことを検出すると、一次帰属先である音声サーバ50に対して帰属要求する。
また、帰属先切替部62は、入力部64に対する入力に応じて、二次帰属先である音声サーバ40に対して帰属からの解放を要求してもよい。この場合、帰属先切替部62は、解放された後、一次帰属先である音声サーバ50に対して帰属要求する。
また、帰属先切替部62は、音声サーバ50からの機能復旧の通知に基づいて、二次帰属先である音声サーバ40に対して帰属からの解放を要求し、一次帰属先である音声サーバ50に対して帰属要求してもよい。
次に、音声サーバ40の機能ブロック構成を、図10を用いて説明する。図10において、音声サーバ40は、本発明の第1の実施の形態としての音声サーバ10に対して、他音声サーバ状態検出部13に替えて他音声サーバ状態検出部43を備え、さらに、自動切戻部45と、手動切戻部46と、帰属情報出力部47とを備える点が異なる。ここで、自動切戻部45および手動切戻部46は、ネットワークインタフェースと、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。なお、音声サーバ40およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50からの通知に基づいて、音声サーバ50の機能停止または機能復旧を検出する。音声サーバ50からの通知は、音声サーバ50において機能停止または機能復旧を指示する情報が入力された場合や、音声サーバ50において機能停止が検出された場合等に送信されるものである。音声サーバ50からの通知の詳細については後述する。
また、他音声サーバ状態検出部43は、あらかじめ定められたタイミング毎に音声サーバ50に問い合わせることにより、その時点で音声サーバ50が機能停止しているか否かを検出してもよい。
また、他音声サーバ状態検出部43は、上述のようにして検出した音声サーバ50の状態を記憶しておく。例えば、他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50が機能停止しているか否かを表す二値情報を記憶しておくようにしてもよい。
自動切戻部45は、機能復旧が検出された音声サーバ50のバックアップ用音声端末60を、自サーバの帰属から解放する。
手動切戻部46は、自サーバに帰属中のバックアップ用音声端末60からの要求に応じて、要求元のバックアップ用音声端末60を自サーバの帰属から解放する。
帰属情報出力部47は、バックアップ用音声端末60が自サーバに帰属中であることを表す情報を出力する。例えば、帰属情報出力部47は、バックアップ用音声端末60の自サーバへの帰属が成功したタイミングで、バックアップ用音声端末60の帰属先提示部63に対して、帰属中であることを表す情報を出力してもよい。あるいは、帰属情報出力部47は、外部の装置(図示せず)に対して、バックアップ用音声端末60が自サーバに帰属中であることを表すメッセージを出力してもよい。この場合、外部の装置とは、例えば、プリンタや、ネットワーク管理装置等であってもよい。
次に、音声サーバ50の機能ブロック構成を、図10を用いて説明する。図10において、音声サーバ50は、本発明の第1の実施の形態としての音声サーバ20と同一の構成に加えて、さらに、入力部52と、通知部53と、手動切替部54とを備える。ここで、音声サーバ50は、本発明の第1の実施の形態としての音声サーバ20と同一のハードウェア構成に加えて、さらに、入力装置を備える装置によって構成可能である。この場合、入力部52は、入力装置と、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。また、通知部53は、ネットワークインタフェースと、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUとによって構成される。また、手動切替部54は、記憶装置に記憶されたコンピュータ・プログラムをRAMに読み込んで実行するCPUによって構成される。なお、音声サーバ50およびその各機能ブロックのハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
入力部52には、自サーバの機能停止または機能復旧を指示する情報が入力される。このような機能停止または機能復旧を指示する情報は、例えば、音声サーバ50の保守などのために管理者によって入力されるものであってもよい。
通知部53は、音声サーバ40に対して、自サーバの機能停止または機能復旧を表す情報を通知する。例えば、通知部53は、入力部52に対する入力に応じて、自サーバの機能停止または機能復旧を表す情報を通知してもよい。また、通知部53は、自サーバにおける障害の検出に応じて、機能停止を通知するようにしてもよい。また、通知部53は、自サーバにおける障害の復旧を検出すると、機能復旧を通知するようにしてもよい。また、通知部53は、あらかじめ定められたタイミング毎に、自サーバが機能停止しているか否かを表す情報を音声サーバ40に対して通知するようにしてもよい。
また、通知部53は、自サーバに帰属中のバックアップ用音声端末60に対して、自サーバの機能停止を通知してもよい。また、通知部53は、自サーバに帰属していないバックアップ用音声端末60に対して、自サーバの機能復旧を通知してもよい。
手動切替部54は、入力部52に対する機能停止を指示する情報の入力に応じて、自サーバに帰属中のバックアップ用音声端末60および音声端末90を、自サーバの帰属から解放する。また、手動切替部54は、自サーバの機能停止中、自サーバに対する帰属要求を拒否するよう音声端末認証部21を制御する。また、手動切替部54は、入力部52に対する機能復旧を指示する情報の入力に応じて、自サーバに対する帰属要求の受付を再開するよう音声端末認証部21を制御する。
以上のように構成された音声通信システム2の動作について、図面を参照して説明する。
まず、音声通信システム2の帰属先切替動作を図11に示す。なお、図11において、左図は音声サーバ50の動作を示し、中央図はバックアップ用音声端末60の動作を示し、右図は音声サーバ40の動作を示すものとする。
図11では、まず、音声サーバ50の入力部52は、機能停止を指示する情報を、入力装置を介して取得する(ステップS21)。
次に、通知部53は、自サーバの機能停止を音声サーバ40に対して通知する(ステップS22)。このとき、通知部53は、さらに自サーバに帰属中の音声端末90に対して、機能停止を通知してもよい。
次に、手動切替部54は、自サーバに帰属中の音声端末90およびバックアップ用音声端末60を自サーバの帰属から解放する(ステップS23)。また、手動切替部54は、その後、自サーバへの帰属要求を拒否するよう音声端末認証部21を制御する。
次に、音声サーバ50の機能停止の通知を受信した音声サーバ40において、他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50が機能停止中であることを表す情報を記憶する(ステップS24)。
次に、音声サーバ50の帰属から解放されたことにより、バックアップ用音声端末60の帰属先切替部62は、音声サーバ50の機能停止を検出する(ステップS25)。なお、ステップS22において音声サーバ50から機能停止を通知されている場合、帰属先切替部62は、音声サーバ50からの該通知に基づいて機能停止を検出してもよい。
次に、帰属先切替部62は、音声サーバ40に対して帰属要求する(ステップS26)。
次に、帰属要求を受信した音声サーバ40において、音声端末認証部11は、バックアップ用音声端末60が登録済であるとして認証し、自サーバに帰属させる(ステップS27)。
次に、帰属情報出力部47は、バックアップ用音声端末60の帰属先提示部63に対して、バックアップ用音声端末60が自サーバに帰属中であることを表す情報を出力する(ステップS28)。
次に、バックアップ用音声端末60の帰属先提示部63は、二次帰属先の音声サーバ40に帰属中であることを提示する(ステップS29)。例えば、帰属先提示部63は、所定の状態表示用ランプを点灯させることにより二次帰属先に帰属中であることを提示してもよい。
なお、ステップS23において、音声サーバ50は、バックアップ用音声端末60の帰属を解放する代わりに、バックアップ用音声端末60に対して、自サーバの機能停止を通知してもよい。この場合、ステップS25において、バックアップ用音声端末60の帰属先切替部62は、音声サーバ50の機能停止を検出する代わりに、音声サーバ50に対して帰属からの解放を要求してもよい。
以上で、音声通信システム2の帰属先切替動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の他音声サーバ状態検出動作を図12に示す。
図12では、まず、音声サーバ40の他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50に対して、機能停止中であるか否かを問い合わせる情報を送信する(ステップS31)。
次に、他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50からの返信に基づいて、音声サーバ50が機能停止中であるか否かを表す情報を記憶する(ステップS32)。例えば、他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50から返信された情報が機能中であることを表す場合には、機能中であることを表す情報を記憶すればよい。また、他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50から返信された情報が機能停止中であることを表す場合や、音声サーバ50からの返信が所定期間経過までに得られなかった場合に、音声サーバ50が機能停止中であることを表す情報を記憶すればよい。音声サーバ40は、このような他音声サーバ状態検出動作を所定のタイミング毎に実行してもよい。
以上で、音声通信システム2の他音声サーバ状態検出動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の着信先切替動作を図13に示す。
図13では、まず、音声サーバ40は、ノードA内の音声端末Aまたは他のノードから発呼要求を受信する(ステップS11)。
次に、他音声サーバ状態検出部43は、ステップS11で受信された発呼要求の転送先の音声サーバ50が機能停止中であるか否かを、記憶しておいた情報に基づいて判断する(ステップS42)。
以降、音声通信システム2は、本発明の第1の実施の形態としての音声通信システム1と同様にステップS13〜S17を実行することにより、音声サーバ50の機能停止状態に応じて着信先を切り替え、呼制御を行う。
以上で、音声通信システム2の着信先切替動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の機能復旧通知動作を図14に示す。
図14では、まず、音声サーバ50の入力部52は、自サーバの機能復旧を指示する情報を、入力装置を介して取得する(ステップS41)。
次に、通知部53は、音声サーバ40に対して、自サーバの機能復旧を通知する(ステップS42)。
以上で、音声通信システム2の機能復旧通知動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の機能復旧後の自動切戻動作を図15に示す。
図15において、まず、音声サーバ40の他音声サーバ状態検出部43は、音声サーバ50が機能復旧したことを検出する(ステップS51)。例えば、他音声サーバ状態検出部43は、図14のステップS42での音声サーバ50からの通知に基づいて、音声サーバ50の機能復旧を検出してもよい。あるいは、他音声サーバ状態検出部43は、図12の他音声サーバ状態検出動作において、前回実行したステップS32で記憶した音声サーバ50の状態が機能停止中であり、今回実行したステップS32で記憶した音声サーバ50の状態が機能中である場合に、音声サーバ50の機能復旧を検出してもよい。
次に、自動切戻部45は、自サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末60を自サーバの帰属から解放する(ステップS52)。
次に、バックアップ用音声端末60の帰属先切替部62は、二次帰属先である音声サーバ40の帰属から解放されたことを検出する(ステップS53)。
次に、帰属先切替部62は、一次帰属先である音声端末50に対して帰属要求する(ステップS54)。
次に、音声サーバ50の音声端末認証部21は、帰属要求元のバックアップ用音声端末60が登録済であるとして認証し、自サーバに帰属させる(ステップS55)。
次に、バックアップ用音声端末60の帰属先提示部63は、自装置が一次帰属先の音声サーバ50に帰属中であることを提示する(ステップS56)。例えば、帰属先提示部63は、点灯中であった状態表示用ランプを消灯させることにより一次帰属先であることを提示してもよい。
以上で、音声通信システム2の自動切戻動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の手動切戻動作を図16に示す。
図16では、まず、バックアップ用音声端末60の入力部64は、二次帰属先である音声サーバ40からの切戻を指示する情報を、入力装置を介して取得する(ステップS61)。例えば、バックアップ用音声端末60において二次帰属先に帰属中であることが提示されている状態で、一次帰属先である音声サーバ50の復旧が利用者に認知されたとする。このような場合、利用者により、入力部64に対して、二次帰属先からの切戻を指示する情報が入力されることが考えられる。あるいは、音声サーバ40の帰属情報出力部47によって、図示しない外部の装置に、「バックアップ用音声端末60が二次帰属先である音声サーバ40に帰属中であること」が提示され、利用者によって認知されているとする。この場合、さらに、一次帰属先である音声サーバ50の復旧が利用者に認知されると、利用者により、入力部64に対して、二次帰属先からの切戻を指示する情報が入力されることが考えられる。
次に、バックアップ用音声端末60の帰属先切替部62は、二次帰属先の音声サーバ40に対して切戻を要求する(ステップS62)。
次に、切戻の要求を受けた音声サーバ40の手動切戻部46は、要求元であるバックアップ用音声端末60を自サーバの帰属から解放する(ステップS63)。
以降、音声通信システム2は、図15を用いて説明した自動切戻動作におけるステップS54〜S56を同様に実行し、バックアップ用音声端末60を一次帰属先に帰属させる。
以上で、音声通信システム2の手動切戻動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の自動切戻動作および手動切戻動作の具体例について説明する。この具体例では、音声通信システム2は、図5〜図8を用いて説明した本発明の第1の実施の形態の具体例において、音声サーバ10の代わりに音声サーバ40を備え、音声サーバ20の代わりに音声サーバ50を備え、バックアップ用音声端末30Cの代わりにバックアップ用音声端末60Cを備えた構成である。ここでは、音声サーバ50の障害発生によりバックアップ用音声端末60Cが音声サーバ40に二次帰属中となっているものとする。この状態で、音声サーバ50の機能が復旧したとする。
まず、音声通信システム2の自動切戻動作の具体例を図17に示す。
図17において、まず、音声サーバ40は、音声サーバ50の障害復旧を検出する(ステップS51)。
次に、音声サーバ40は、バックアップ用音声端末60Cを自サーバの帰属から解放する(ステップS52)。そして、バックアップ用音声端末60Cは、二次帰属先からの解放を検出する(ステップS53)。
次に、バックアップ用音声端末60Cは、一次帰属先である音声サーバ50に帰属要求し、帰属される(ステップS54〜S56)。
以上で、音声通信システム2の自動切戻動作の具体例の説明を終了する。
次に、音声通信システム2の手動切戻動作の具体例を図18に示す。
ここでは、バックアップ用音声端末60Cにおいて、帰属先提示部63により、状態表示用ランプが点灯され、二次帰属中であることが提示されている。この状態で、音声サーバ50の機能復旧が利用者に通知されたとする。
図18において、まず、バックアップ用音声端末60Cの入力部64は、所定の切戻ボタンが押下されたことを検出する(ステップS61)。
次に、帰属先切替部62は、バックアップ用音声端末60Cの切戻を音声サーバ40に要求する(ステップS62)。そして、音声サーバ40の手動切戻部46は、バックアップ用音声端末60Cを解放する(ステップS63)。
次に、バックアップ用音声端末60Cは、一次帰属先である音声サーバ50に帰属要求し、帰属される(ステップS54〜S56)。
以上で、音声通信システム2の手動切戻動作の具体例の説明を終了する。
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第2の実施の形態としての音声通信システムは、機能停止した音声サーバのノードに含まれる音声端末に対する着信救済時において、着信先切替に要する時間をより短縮することができる。
その理由は、第2の音声サーバの通知部が、自サーバが機能停止しているか否かを第1の音声サーバに通知し、第1の音声サーバの他音声サーバ状態検出部が、第2のサーバからの通知のタイミングまたは所定のタイミングで、第2の音声サーバの機能状態を検出して記憶し、第1の音声サーバの着信先切替部が、発呼要求の転送先となる音声サーバが機能停止しているか否かを、他音声サーバ状態検出部に記憶された情報に基づいて判断し、判断結果に応じて着信先を切り替えるからである。
これにより、第1の音声サーバは、発呼要求の転送先となる第2の音声サーバの機能停止状況を、その第2の音声サーバからの発呼要求の応答を待つことなく判断可能となる。したがって、本実施の形態は、機能停止中の第2の音声サーバのノードに含まれる音声端末に対する発信があった場合、第1の音声サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末に着信先を切り替えるまでに要する時間をより短縮することになる。
また、本実施の形態としての音声通信システムは、第2の音声サーバを保守などのために機能停止させる場合にも、第2の音声サーバのノードに含まれる音声端末に対する着信を救済することができる。
その理由は、第2の音声サーバの入力部に対して機能停止を指示する情報が入力されると、第2の音声サーバの手動切替部が、自サーバに帰属中の音声端末およびバックアップ用音声端末の帰属を解放し、通知部が、自サーバの機能停止を第1の音声サーバに通知するからである。そして、バックアップ用音声端末の帰属先切替部が、二次帰属先の第1の音声サーバに帰属要求して帰属され、第1の音声サーバの着信切替部が、第2の音声サーバのノードに含まれる音声端末に対する着信を、二次帰属中のバックアップ用音声端末に着信させるからである。
また、本実施の形態としての音声通信システムは、第2の音声サーバの機能復旧に応じて、バックアップ用音声端末を一次帰属先に切り戻すまでに要する時間および運用コストを軽減することができる。
その理由は、第1の音声サーバの他音声サーバ状態検出部が、第2の音声サーバの機能復旧を検出すると、自動切戻部が、第2の音声サーバのバックアップ用音声端末を自サーバの帰属から解放し、二次帰属先からの解放を検出したバックアップ用音声端末の帰属先切替部が、一次帰属先である第2の音声サーバに対して帰属要求するからである。また、バックアップ用音声端末の入力部に対して、二次帰属先からの切戻指示が入力されると、帰属先切替部が、二次帰属先の第1の音声サーバに切戻を要求し、第1の音声サーバの手動切戻部が、第2の音声サーバのバックアップ用音声端末を自サーバの帰属から解放し、二次帰属先からの解放を検出したバックアップ用音声端末の帰属先切替部が、一次帰属先である第2の音声サーバに対して帰属要求するからである。
これにより、本発明の第2の実施の形態としての音声通信システムは、第2の音声サーバの復旧を検出すると、管理者や利用者の操作等を必要とせずに、バックアップ用音声端末を元の一次帰属先の音声サーバにすみやかに帰属させることができることになる。また、本発明の第2の実施の形態としての音声通信システムは、第2の音声サーバの復旧が検出される前にバックアップ用音声端末の利用者により認知されたような場合にも、バックアップ用音声端末における入力部に対する操作のみで、バックアップ用音声端末を元の一次帰属先の音声サーバにすみやかに帰属させることができることになる。したがって、本実施の形態は、バックアップ用音声端末の帰属先を一次帰属先に切り戻すまでの所要時間および運用コストを軽減する。
なお、本実施の形態において、第2の音声サーバがさらに帰属情報出力部を備え、バックアップ用音声端末が自サーバの帰属から外れたことを表す情報を出力するようにしてもよい。例えば、第2の音声サーバの帰属情報出力部は、自サーバにおける障害発生によりバックアップ用音声端末が自サーバの帰属から外れたタイミングで出力を行ってもよい。また、第2の音声サーバの帰属情報出力部は、手動切替部によりバックアップ用音声端末の帰属解放が要求されたタイミングで出力を行ってもよい。また、この場合、第2の音声サーバの帰属情報出力部は、バックアップ用音声端末の帰属先提示部に対して出力を行ってもよいし、外部の装置に対して出力を行ってもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第3の実施の形態としての音声通信システム3の構成を図19に示す。図19において、音声通信システム3は、本発明の第1の実施の形態としての音声通信システム1に対して、第1の音声サーバ10に替えて第1の音声サーバ70を備える点が異なる。以降、第1の音声サーバ70を、単に音声サーバ70とも記載する。
次に、音声サーバ70の機能ブロック構成を図20に示す。図20において、音声サーバ70は、本発明の第1の実施の形態としての音声サーバ10と同一の構成に加えて、発信者番号変換部78をさらに備える。
発信者番号変換部78は、音声サーバ20のバックアップ用音声端末30が自サーバに二次帰属中の場合、バックアップ用音声端末30からの発呼要求の際に用いる発信者番号を変換する。具体的には、発信者番号変換部78は、発信者番号に含めるアクセスコード(局番)として、自サーバのアクセスコードの代わりに、音声サーバ20のアクセスコードを用いる。発信者番号変換部78は、このような音声サーバ20のアクセスコードとして、バックアップ用音声端末記憶部12においてバックアップ用音声端末30を表す情報に対応付けられたアクセスコードを用いればよい。
以上のように構成された音声通信システム3の発信者番号変換動作を図21に示す。
図21では、まず、音声サーバ70の発信者番号変換部78は、発呼要求の発信元が自サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末30であるか否かを判断する(ステップS71)。
ここで、発呼要求の発信元が二次帰属中のバックアップ用音声端末30であると判断された場合、発信者番号変換部78は、バックアップ用音声端末記憶部12を参照し、該当するバックアップ用音声端末30に対応付けられた音声サーバ20のアクセスコードを取得する(ステップS72)。
次に、発信者番号変換部78は、ステップS72で取得されたアクセスコードと、該当するバックアップ用音声端末30の自サーバに二次帰属中の内線番号とを組み合わせて、発信者番号を生成する(ステップS73)。
次に、音声サーバ70は、ステップS73で生成した発信者番号を含めて発呼要求を着信先に転送する(ステップS74)。
一方、ステップS71で、発呼要求の発信元が二次帰属中のバックアップ用音声端末30ではないと判断された場合、音声サーバ70は、発信者番号を変換することなく、発呼要求を着信先に転送する(ステップS74)。
以上で、音声通信システム3の発信者番号変換動作の説明を終了する。
次に、音声通信システム3の発信者番号変換動作の具体例について、図22を用いて説明する。この音声通信システム3の具体例は、図5〜図8を用いて説明した本発明の第1の実施の形態の具体例において、音声サーバ10の代わりに音声サーバ70を備えた構成である。ここでは、音声サーバ20の障害発生により、バックアップ用音声端末30Cが音声サーバ70に二次帰属中となっているものとする。この状態で、バックアップ用音声端末30Cから音声端末90Aに対して発呼要求があったとする。
このとき、図22において、まず、音声サーバ70の発信者番号変換部78は、発呼要求の発信元がバックアップ用音声端末30Cであると判断する(ステップS71でYes)。
そこで、発信者番号変換部78は、図6に示したバックアップ用音声端末記憶部12を参照することにより、このバックアップ用音声端末30Cの情報に対応付けられたアクセスコードとして「811」を取得する(ステップS72)。
次に、発信者番号変換部78は、発信者番号として、ステップS72で取得された「811」と、このバックアップ用音声端末30Cの内線番号「6000」を組み合わせた「811−6000」を生成する(ステップS73)。
次に、音声サーバ70は、ステップS73で生成された発信者番号「811−6000」を含めた発呼要求を、音声端末90Aに対して転送する(ステップS74)。
これにより、音声端末90Aの利用者は、着信した音声通信が、「811」局のノードBから発信されていると認知することができる。
なお、音声サーバ70は、バックアップ用音声端末30Cから他のノードの音声端末に対する発呼要求があった場合にもステップS71〜S73まで同様に動作して発信者番号を生成する。そして、ステップS74において、音声サーバ70は、生成した発信者番号を含めた発呼要求を、発呼要求先の音声端末のノードに対して転送すればよい。
以上で、発信者番号変換動作の具体例の説明を終了する。
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第3の実施の形態としての音声通信システムは、第2の音声サーバの機能停止中に自サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末からの発信の際に、発信先に対して発信元の所属ノードをより適切に通知することができる。
その理由は、第1の音声サーバの発信者番号変換部が、自サーバに二次帰属中の第2の音声サーバのバックアップ用音声端末からの発信時に、バックアップ用音声端末記憶部を参照することによりそのバックアップ用音声端末の一次帰属先のアクセスコードを取得し、発信者番号に含めるからである。
ここで、一般的に、アクセスコードにより所属ノードが管理されるような環境が構築されていることが多い。したがって、二次帰属中のバックアップ用音声端末からの発信時に、二次帰属先のアクセスコードが発信先に通知されることは好ましくない。本実施の形態は、このような問題を解決することができ、第2の音声サーバが機能停止してバックアップ用音声端末が二次帰属中であっても、バックアップ用音声端末からの発信時に、発信先に対して、発信元の所属ノードをより適切に通知することができることになる。
なお、上述した各実施の形態は、順次実施されることにより、導入コストを抑えながら音声通信システムを拡張していくことが可能である。例えば、スター形構成の既存の音声通信システムとして、県単位で管理される拠点(県ノード)にセンタ音声サーバが設置され、市町村単位で管理されるノード(市町村ノード)にリモート音声サーバが設置されている例を考える。この既存の音声通信システムでは、県ノード内の市町村ノード間の発着信は、その県ノードのセンタ音声サーバを経由して行われ、県ノード間の発着信は、各県ノードのセンタ音声サーバ間を経由して行われる。このような既存の音声通信システムの一例に対して、県ノードのセンタ音声サーバを、本発明の第1〜第3の実施の形態としての第1の音声サーバに置換(または第1の音声サーバの機能を追加)する。これにより、本発明の第1または第3の実施の形態を実現し、その効果を得ることが可能である。その後、信頼性を向上させたい市町村ノードのリモート音声サーバを選択して、順次、本発明の第2の実施の形態としての第2の音声サーバに置換(または第2の音声サーバの機能を追加)していく。また、利便性を追加させたいノードに、本発明の第2の実施の形態としてのバックアップ用音声端末を順次追加していく。これにより、本発明の第2の実施の形態を実現し、その効果を得ることが可能である。
また、上述の各実施の形態において、第1の音声サーバの着信切替部は、ノードAに含まれる音声端末または他のノードからの発呼要求の着信先を切り替えるものとして説明した。その他、各実施の形態において、第1の音声サーバの着信切替部は、他の音声サーバと接続する専用線や、公衆回線網と接続するトランクを介して第2の音声サーバへの発呼要求を受信する場合についても、同様に着信先を切替可能である。
また、上述した各実施の形態において、第2の音声サーバは、第1の音声サーバの機能を含んで構成されてもよい。また、第1の音声サーバは、第2の音声サーバの機能を含んで構成されてもよい。また、この場合、ノードAにもバックアップ用音声端末を設置し、その二次帰属先をノードBの音声サーバとしてもよい。つまり、第2の音声サーバの機能をそれぞれ含む2つの第1の音声サーバが、互いに他のバックアップサーバとして機能するよう構成されてもよい。また、上述した各実施の形態としての音声通信システムは、1つ以上のノードAおよび1つ以上のノードBを含んで構成されていてもよい。
また、上述した各実施の形態において、バックアップ用音声端末は、2つ以上の二次帰属先となる音声サーバを記憶していてもよい。この場合、バックアップ用音声端末は、一次帰属先の音声サーバの機能停止を検出した場合に、二次帰属先として記憶したいずれかの音声サーバに帰属要求すればよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、第1の音声サーバおよび第2の音声サーバが、それぞれ1つのノードを管理する例を中心に説明した。その他、各実施の形態の第1の音声サーバおよび第2の音声サーバは、仮想的に分割された複数のノードおよびそれぞれのアクセスコードを管理するよう構成されていてもよい。また、各音声サーバは、回線交換によるアナログ電話機をさらに収容可能となっていてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、第2の音声サーバにより管理されるノードに1つのバックアップ用音声端末が設置される例を中心に説明したが、1つのノードに複数のバックアップ用音声端末が設置されてもよい。また、その場合、各ノードに設置されるバックアップ用音声端末の台数は異なっていてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、第1の音声サーバのバックアップ用音声端末記憶部は、第2の音声サーバのアクセスコードに対応付けて、自サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末の内線番号を記憶する例を中心に説明した。この他、各実施の形態において、第1の音声サーバのバックアップ用音声端末記憶部は、第2の音声サーバを特定可能なその他の情報に対応付けて、自サーバに二次帰属中のバックアップ用音声端末を特定可能なその他の情報を記憶していてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明した各装置の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとしてコンピュータ装置の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPUが読み出して実行するようにしてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコードあるいは記憶媒体によって構成される。
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。
また、上述した各実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
他の音声サーバに一次的に帰属可能な音声端末であって自サーバに二次的に帰属可能なバックアップ用の音声端末を表す情報を記憶するバックアップ用音声端末記憶部と、
前記バックアップ用の音声端末を含む登録済の音声端末を認証することにより自サーバに帰属させる音声端末認証部と、
他の音声サーバの機能停止を検出する他音声サーバ状態検出部と、
音声端末または他の音声サーバから受信された発呼要求の転送先となる他の音声サーバの機能停止が前記他音声サーバ状態検出部によって検出された場合、転送先の前記他の音声サーバの前記バックアップ用の音声端末が自サーバに帰属中であれば、該バックアップ用の音声端末に対して該発呼要求を転送することにより着信先を切り替える着信先切替部と、
を備えた第1の音声サーバ。
(付記2)
前記他音声サーバ状態検出部は、他の音声サーバの機能が停止しているか否かを所定のタイミング毎に検出して記憶し、
前記着信先切替部は、前記他音声サーバ状態検出部によって記憶された他の音声サーバの状態に基づいて、前記発呼要求の着信先を切り替えることを特徴とする付記1に記載の第1の音声サーバ。
(付記3)
前記バックアップ用音声端末記憶部は、他の音声サーバのアクセスコードに対応付けて、該他の音声サーバのバックアップ用の音声端末を表す情報を記憶し、
前記バックアップ用の音声端末が自サーバに二次的に帰属中の場合、該バックアップ用の音声端末からの発呼要求の転送時に用いる発信者番号に含めるアクセスコードとして、自サーバのアクセスコードの代わりに、該バックアップ用の音声端末を表す情報に対応付けられた前記他の音声サーバのアクセスコードを用いる発信者番号変換部をさらに備えたことを特徴とする付記1または付記2に記載の第1の音声サーバ。
(付記4)
前記バックアップ用音声端末記憶部は、他の音声サーバに関する1つ以上のバックアップ用の音声端末を表す情報を記憶し、
前記着信先切替部は、前記発呼要求の転送先となる他の音声サーバの機能停止が検出された場合、転送先の前記他の音声サーバに関する1つ以上の前記バックアップ用の音声端末のうち、自サーバに帰属中の音声端末の1つ以上に対して該発呼要求を転送することを特徴とする付記1から付記3のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記5)
前記他音声サーバ状態検出部は、前記他の音声サーバに転送した発呼要求に対する接続不可の信号を受信すると、該他の音声サーバの機能停止を検出することを特徴とする付記1から付記4のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記6)
前記他音声サーバ状態検出部は、前記他の音声サーバに転送した発呼要求に対する応答を所定時間経過までに受信できない場合、該他の音声サーバの機能停止を検出することを特徴とする付記1から付記5のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記7)
前記他音声サーバ状態検出部は、前記他の音声サーバの機能復旧を検出し、
前記他音声サーバ状態検出部によって機能復旧が検出された他の音声サーバのバックアップ用の音声端末を、自サーバの帰属から解放する自動切戻部をさらに備えたことを特徴とする付記1から付記6のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記8)
前記他音声サーバ状態検出部は、前記他の音声サーバからの通知に基づいて、該他の音声サーバの機能停止または機能復旧を検出することを特徴とする付記1から付記7のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記9)
前記バックアップ用の音声端末からの要求に応じて、該バックアップ用の音声端末を自サーバの帰属から解放する手動切戻部をさらに備えたことを特徴とする付記1から付記8のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記10)
前記バックアップ用の音声端末が自サーバに帰属中であることを表す情報を出力する帰属情報出力部をさらに備えたことを特徴とする付記1から付記9のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記11)
前記バックアップ用音声端末記憶部は、前記バックアップ用の音声端末を表す情報として、該バックアップ用の音声端末が自サーバに二次的に帰属中に設定される内線番号を記憶し、
前記着信先切替部は、転送先の前記他の音声サーバの機能停止が検出された場合、前記バックアップ用音声端末記憶部に記憶された内線番号が設定された音声端末に対して、前記発呼要求を転送することを特徴とする付記1から付記10のいずれか1つに記載の第1の音声サーバ。
(付記12)
付記1から付記11のいずれか1つに記載の第1の音声サーバと通信可能に接続され、
前記バックアップ用の音声端末を含む登録済の音声端末を認証することにより自サーバに帰属させる音声端末認証部を備えた第2の音声サーバ。
(付記13)
前記第1の音声サーバに対して自サーバの機能停止または機能復旧を通知する通知部をさらに備えたことを特徴とする付記12に記載の第2の音声サーバ。
(付記14)
前記通知部は、自サーバに帰属中の前記バックアップ用の音声端末に対して、自サーバの機能停止を通知することを特徴とする付記13に記載の第2の音声サーバ。
(付記15)
前記通知部は、自サーバに帰属していない前記バックアップ用の音声端末に対して、自サーバの機能復旧を通知することを特徴とする付記13または付記14に記載の第2の音声サーバ。
(付記16)
自サーバの機能停止または機能復旧を指示する情報が入力される入力部と、
前記入力部に対する機能停止を指示する情報の入力に応じて、自サーバに帰属中の音声端末の帰属を解放するとともに、機能停止中に前記登録済の音声端末の認証を受け付けないよう前記音声端末認証部を制御する手動切替部と、
をさらに備え、
前記通知部は、前記入力部に対する入力に応じて、自サーバの機能停止または機能復旧を通知することを特徴とする付記13から付記15のいずれか1つに記載の第2の音声サーバ。
(付記17)
一次帰属先として付記12から付記16のいずれか1つに記載の第2の音声サーバを表す情報を記憶し、二次帰属先として付記1から付記11のいずれか1つに記載の第1の音声サーバを表す情報を記憶する帰属先記憶部と、
前記第2の音声サーバに帰属中に、前記第2の音声サーバの機能停止を検出すると、前記第1の音声サーバに対して帰属要求する帰属先切替部と、
を備えた音声端末。
(付記18)
前記帰属先切替部は、前記第2の音声サーバからの機能停止の通知に基づいて前記機能停止を検出し、前記第1の音声サーバに対して帰属要求することを特徴とする付記17に記載の音声端末。
(付記19)
前記帰属先切替部は、前記第1の音声サーバの帰属から解放されたことを検出すると、前記第2の音声サーバに対して帰属要求することを特徴とする付記17または付記18に記載の音声端末。
(付記20)
前記帰属先切替部は、前記第2の音声サーバからの機能復旧の通知に基づいて、前記第1の音声サーバに対して自装置の解放を要求するとともに前記第2の音声サーバに対して帰属要求することを特徴とする付記17から付記19のいずれか1つに記載の音声端末。
(付記21)
前記第1の音声サーバの帰属からの解放を指示する情報が入力される入力部をさらに備え、
前記帰属先切替部は、前記入力部に対する入力に応じて前記第1の音声サーバに対して自装置の解放を要求するとともに前記第2の音声サーバに対して帰属要求することを特徴とする付記17から付記20のいずれか1つに記載の音声端末。
(付記22)
現在の帰属先の音声サーバを表す情報を提示する帰属先提示部をさらに備えたことを特徴とする付記17から付記21のいずれか1つに記載の音声端末。
(付記23)
付記1から付記11のいずれか1つに記載の第1の音声サーバと、
付記12から付記16のいずれか1つに記載の第2の音声サーバと、
前記バックアップ用の音声端末として付記17から付記22のいずれか1つに記載の音声端末と、
を備えた音声通信システム。
(付記24)
他の音声サーバに一次的に帰属可能な音声端末であって自サーバに二次的に帰属可能なバックアップ用の音声端末を表す情報を記憶しておき、
音声端末または他の音声サーバから受信された発呼要求の転送先となる他の音声サーバの機能停止を検出すると、転送先の前記他の音声サーバの前記バックアップ用の音声端末が自サーバに帰属中であれば、該音声端末に対して該発呼要求を転送することにより着信先を切り替える、音声通信方法。
(付記25)
付記24に記載の音声通信方法を実行する第1の音声サーバを表す情報を二次帰属先として記憶しておき、
一次的に帰属中の第2の音声サーバの機能停止を検出すると、前記第1の音声サーバに対して帰属要求する、音声通信方法。
(付記26)
他の音声サーバに一次的に帰属可能な音声端末であって自サーバに二次的に帰属可能なバックアップ用の音声端末を表す情報を記憶するバックアップ用音声端末記憶部を用いて、
前記バックアップ用の音声端末を含む登録済の音声端末を認証することにより自サーバに帰属させる音声端末認証ステップと、
他の音声サーバの機能停止を検出する他音声サーバ状態検出ステップと、
音声端末または他の音声サーバから受信された発呼要求の転送先となる他の音声サーバの機能停止が前記他音声サーバ状態検出ステップで検出された場合、転送先の前記他の音声サーバの前記バックアップ用の音声端末が自サーバに帰属中であれば、該音声端末に対して該発呼要求を転送することにより着信先を切り替える着信先切替ステップと、
をコンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラム。
(付記27)
付記26に記載のコンピュータ・プログラムを実行する第1の音声サーバを表す情報を二次帰属先として記憶しておき、
一次的に帰属中の第2の音声サーバの機能停止を検出すると、前記第1の音声サーバに対して帰属要求する帰属先切替ステップを、コンピュータ装置に実行させるコンピュータ・プログラム。