以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第一実施の形態]
先ず、本発明の第一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。
図示するように、本実施の形態のIP電話システムは、複数の拠点ネットワーク2がIP網3を介して管理ネットワーク1に接続されて構成されている。
管理ネットワーク1は、自管理ネットワーク1をIP網3に接続するルータ11と、メインTM(テレフォニーマネージャ:呼制御サーバ)12と、ルータ11およびメインTM12を相互接続するLAN13と、を有する。
各拠点ネットワーク2は、自拠点ネットワーク2をIP網3に接続するルータ21と、少なくとも一台のIP−TEL(電話端末)22と、TUM(テレフォニーユニット)23と、サブTM(テレフォニーマネージャ:呼制御サーバ)24と、ルータ21、IP−TEL22、TUM23およびサブTM24を相互接続するLAN25と、を有する。
メインTM12は、各拠点ネットワーク2内の全てのIP−TEL22の呼制御を担当するIP交換機である。
TUM23は、自拠点ネットワーク2のバックアップ回線として機能する公衆網4に接続する。ここで、公衆網4の電話サービスには、例えばエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供するサービスであるメンバーズネットを利用することができる。サブTM24は、自拠点ネットワーク2およびメインTM12間の通信に障害が発生している場合に、自拠点ネットワーク2内のIP−TEL22の呼制御を担当するIP交換機である。
以上のような構成において、IP−TEL22は、メインTM12との疎通を監視する。そして、メインTM12と疎通しているならば、メインTM12にログインし、メインTM12と疎通していないならば、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする。
TUM23は、公衆網4や図示しない内線として動作可能なアナログ電話機や多機能電話機等を収容し、メインTM12(サブTM24)の制御のもとに、公衆網4や電話機等を、パケット網であるLANやIP網3に接続させる。また、収容する回線数や、内線電話機の数により任意に増設可能としている。
呼制御に関するデータは、メインTM12(サブTM24)がすべて処理管理し、その他の音声データ等の変換処理は、TUM23が行っている。
TUM23が送受信するデータの発信元アドレスや、送信先アドレスの指定は、メインTM12(サブTM24)から指示されており、TUM23は、その指示に従い、電話機等からの呼制御情報やアナログ音声をIPパケットデータ化して、メインTM12(サブTM24)やLAN上に送出し、また、メインTM12(サブTM24)やLANからのIPパケットデータを受信して、アナログ音声に変換する動作を行う。
TUM23は、メインTM12との間で定期的にメッセージを送受信する疎通確認を行い、メインTM12と疎通している場合は、メインTM12にログインし、メインTM12との疎通確認がとれなくなった場合は、サブTM24との疎通確認後、疎通している場合はサブTM24にログインする(ログインしたTMの制御下となる)。
また、TUM23は、メインTM12との疎通を監視する。そして、公衆網4を介して接続要求メッセージを受信した場合に、メインTM12と疎通しているならば、この接続要求メッセージをメインTM12に中継し、メインTM12と疎通していないならば、この接続要求メッセージを自拠点ネットワーク2のサブTM24に中継する。また、TUM23は、メインTM12あるいはサブTM24から接続要求メッセージを受信した場合に、公衆網4を介して他の何れかのTUM23に、この接続要求メッセージを中継する。
また、サブTM24は、自サブTM24にログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22であるならば、この他のIP−TEL22に、この接続要求メッセージを送信する。この接続要求メッセージの接続先が自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22でないならば、自拠点ネットワーク2のTUM23に、この接続要求メッセージを送信する。
また、メインTM12は、ログイン中の各IP−TEL22との疎通を監視し、疎通しなくなったログイン中のIP−TEL22を強制的にログアウトさせる。また、メインTM12は、各TUM23との疎通を監視し、自メインTM12にログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先がログアウト中のIP−TEL22であるならば、自メインTM12と疎通している何れかのTUM23に、この接続要求メッセージを転送する。
次に、図1に示すIP電話システムを構成する各装置について詳細に説明する。なお、ルータ11、21には既存の装置を利用できるので、その詳細な説明を省略する。
先ず、メインTM12を説明する。
図2は、本発明の第一実施の形態に係るメインTM12の概略構成図である。
図示するように、メインTM12は、LANインターフェース部121と、ログイン処理部122と、ログインデータ記憶部123と、TUM状態記憶部124と、疎通確認部125と、呼制御部126と、局データ記憶部127と、を有する。
LANインターフェース部121は、LAN13に接続するためのインターフェースである。
ログイン処理部122は、IP−TEL22のログイン処理を行う。
ログインデータ記憶部123には、IP−TEL22のログイン処理に用いられるログインデータが記憶されている。図3(A)は、ログインデータ記憶部123の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、ログインデータ記憶部123には、各拠点ネットワーク2の全てのIP−TEL22の各々についてレコード1230が登録されている。レコード1230は、拠点番号を登録するフィールド1231と、内線番号を登録するフィールド1232と、パスワード等の認証情報を登録するフィールド1233と、IPアドレスを登録するフィールド1234と、疎通が確認された最終日時である最終疎通確認日時を登録するフィールド1235と、ログイン状態を登録するフィールド1236と、を有する。ここで、フィールド1231〜1233には予めデータが登録されている。フィールド1234〜1236は、ログイン処理部122および疎通確認部125によって更新される。
TUM状態記憶部124には、各拠点ネットワーク2のTUM23の疎通状態が記憶される。図3(B)は、TUM状態記憶部124の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、TUM状態記憶部124には、各拠点ネットワーク2のTUM23の各々についてレコード1240が登録されている。レコード1240は、拠点番号を登録するフィールド1241と、IPアドレスを登録するフィールド1242と、疎通が確認された最終日時である最終疎通確認日時を登録するフィールド1243と、疎通状態を登録するフィールド1244と、公衆網4の収容回線の空き状態を登録するフィールド1245と、を有する。ここで、フィールド1241、1242には、予めデータが登録されている。フィールド1243〜1245は、疎通確認部125によって更新される。
疎通確認部125は、LANインターフェース部121を介して疎通確認メッセージを受信すると、この疎通確認メッセージの送信元に疎通確認応答メッセージを送信する。また、疎通確認部125は、この疎通確認メッセージがIP−TEL22のメッセージであるならば、この疎通確認メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する。そして、検索したレコード1230のフィールド1235に登録されている最終疎通確認日時を更新する。一方、この疎通確認メッセージがTUM23のメッセージであるならば、疎通確認部125は、この疎通確認メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、TUM状態記憶部124からレコード1240を検索する。そして、検索したレコード1240のフィールド1243に登録されている最終疎通確認日時を更新するとともに、検索したレコード1240のフィールド1245の空き状態を、この疎通確認メッセージに含まれている収容回線の空き状態に更新する。また、このとき、検索したレコード1240のフィールド1244の疎通状態が「疎通なし」であるならば、疎通確認部125は、これを「疎通あり」に変更する。
また、疎通確認部125は、フィールド1236に登録されているログイン状態が「ログイン中」であり、且つフィールド1235に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間(例えば1分:局データにて変更可能)を経過したレコード1230を、ログインデータ記憶部123から検索する。そして、検索したレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン情報を「ログイン中」から「ログアウト中」に変更する。
また、疎通確認部125は、フィールド1244に登録されている疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1243に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間(例えば1分:局データにて変更可能)を経過したレコード1240を、TUM状態記憶部124から検索する。そして、検索したレコード1240のフィールド1244に登録されている疎通状態を「疎通あり」から「疎通なし」に変更する。
呼制御部126は、SIP等の呼制御プロトコルに従い呼制御処理を行って、IP−TEL22間にセッションを確立する。また、呼制御部126は、迂回制御部1261を有する。迂回制御部1261は、自メインTM12にログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先の電話番号(拠点番号+内線番号)をキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する。そして、このレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態が「ログアウト中」であるならば、TUM状態記憶部124を参照し、フィールド1244に登録されている疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1245に登録されている収容回線の空き状態が「空きあり」のレコード1240に対応するTUM23に、この接続要求メッセージを送信する。
局データ記憶部127には、呼制御部126による呼制御処理に用いられる局データが記憶されている。
図4は、本発明の第一実施の形態に係るメインTM12の動作を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介してIP−TEL22からログイン要求メッセージを受信すると(S10でYES)、後述するログイン処理を実施する(S11)。また、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介してIP−TEL22からログアウト要求メッセージを受信すると(S12でYES)、後述するログアウト処理を実施する(S13)。
疎通確認部125は、LANインターフェース部121を介してIP−TEL22あるいはTUM23から疎通確認メッセージを受信すると(S14でYES)、後述する疎通確認応答処理を実施する(S15)。また、疎通確認部125は、例えば定期的に、後述する状態更新処理(S18)を実施する。
呼制御部126は、LANインターフェース部121を介してIP−TEL22あるいはTUM23から接続要求メッセージを受信すると(S16でYES)、後述する接続処理を実施する(S17)。
図5(A)は、図4のS11(ログイン処理)を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部122は、ログイン要求メッセージに含まれている拠点番号および内線番号をキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する(S110)。
レコード1230を検索できなかった場合(S110でNO)、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン拒否応答メッセージを送信する(S114)。
一方、レコード1230を検索できた場合(S110でYES)、ログイン処理部122は、このレコード1230のフィールド1233に登録されている認証情報と、ログイン要求メッセージに含まれている認証情報とを比較して、ログインを許可するか否かを判断する(S111)。
ログインを許可すると判断した場合(S111でYES)、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン許可応答メッセージを送信する(S112)。それから、ログイン処理部122は、検索したレコード1230のフィールド1234に、このログイン要求メッセージの送信元のIPアドレスを登録する。また、このレコード1230のフィールド1235に現在日時を登録するとともに、このレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態を「ログアウト中」から「ログイン中」に更新する(S113)。
一方、ログインを許可しないと判断した場合(S111でNO)、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン拒否応答メッセージを送信する(S114)。
図5(B)は、図4のS13(ログアウト処理)を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部122は、ログアウト要求メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する(S130)。
レコード1230を検索できなかった場合(S130でNO)、ログイン処理部122は、ログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22が何れの拠点ネットワーク2のIP−TEL22でもないと判断し、LANインターフェース部121を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22に、配下のIP−TELでない旨のエラーメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S134)。
一方、レコード1230を検索できた場合(S130でYES)、ログイン処理部122は、このレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態を調べる(S131)。
ログイン状態が「ログイン中」である場合(S131でYES)、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログアウト許可応答メッセージを送信する(S132)。それから、ログイン処理部122は、検索したレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態を「ログイン中」から「ログアウト中」に更新する(S133)。
一方、ログイン状態が「ログイン中」でない場合(S131でNO)、ログイン処理部122は、LANインターフェース部121を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22に、ログインしていない旨のエラーメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S134)。
図6(A)は、図4のS15(疎通応答処理)を説明するためのフロー図である。
疎通確認部125は、LANインターフェース部121を介して、疎通確認メッセージの送信元に、疎通確認応答メッセージを送信する(S150)。
また、疎通確認部125は、この疎通確認メッセージに含まれている送信元種別を判断する(S151)。送信元種別が「IP−TEL」の場合(S151で「IP−TEL」)、疎通確認部125は、この疎通確認メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する。そして、検索したレコード1230のフィールド1235に登録されている最終疎通確認日時を現在日時に更新する(S152)。
一方、送信元種別が「TUM」の場合(S151で「TUM」)、疎通確認部125は、この疎通確認メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、TUM状態記憶部124からレコード1240を検索する。そして、検索したレコード1240のフィールド1243に登録されている最終疎通確認日時を現在日時に更新するとともに、このレコード1240のフィールド1245に登録されている収容回線の空き状態を、この疎通確認メッセージに含まれている収容回線の空き状態に更新する。また、このレコード1240のフィールド1244に登録されている疎通状態が「疎通なし」であるならば、これを「疎通あり」に更新する(S153)。
図6(B)は、図4のS18(状態更新処理)を説明するためのフロー図である。
疎通確認部125は、ログインデータ記憶部123を参照し、フィールド1235に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間を経過しているレコード1230を検索する(S180)。フィールド1235に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間を経過しているレコード1230を検索できた場合(S181でYES)、疎通確認部125は、このレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態が「ログイン中」であるならば、これを「ログアウト中」に更新する(S182)。
また、疎通確認部125は、TUM状態記憶部124を参照し、フィールド1243に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間を経過しているレコード1240を検索する(S183)。フィールド1243に登録されている最終疎通確認日時から所定の時間を経過しているレコード1240を検索できた場合(S184でYES)、疎通確認部125は、このレコード1240のフィールド1244に登録されている疎通状態が「疎通あり」であるならば、これを「疎通なし」に更新するとともに、このレコード1240のフィールド1245に登録されている収容回線の空き状態をクリアする(S185)。
図7は、図4のS17(接続処理)を説明するためのフロー図である。
呼制御部126は、接続要求メッセージに含まれている接続先のIP−TEL22の拠点番号および内線番号をキーにして、ログインデータ記憶部123からレコード1230を検索する。そして、検索したレコード1230のフィールド1236に登録されているログイン状態を調べる(S170)。
ログイン状態が「ログイン中」である場合(S170でYES)、接続先のIP−TEL22は、自メインTM12にログイン中である。この場合、呼制御部126は、局データ記憶部127に記憶されている局データを参照し、このレコード1230のフィールド1234に登録されているIPアドレスにより特定されるIP−TEL22に、この接続要求メッセージを送信する(S171)。
一方、ログイン状態が「ログアウト中」である場合(S170でNO)、接続先のIP−TEL22は、自メインTM12からすでにログアウトしている。この場合、迂回制御部1261は、接続要求メッセージに含まれている接続元のIP−TEL22の拠点番号をキーにして、TUM状態記憶部124からレコード1240を検索する。そして、検索したレコード1240のフィールド1244、1245に登録されている疎通状態、収容回線の空き状態を調べる(S172)。
疎通状態が「疎通あり」であり、且つ収容回線の空き状態が「空きあり」である場合(S173でYES)、迂回制御部1261は、このレコード1240のフィールド1242に登録されているIPアドレスにより特定されるTUM23を転送先のTUM23に決定する(S174)。一方、疎通状態が「疎通なし」である場合、あるいは収容回線の空き状態が「なし」である場合(S173でNO)、迂回制御部1261は、フィールド1244に登録されている疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1245に登録されている収容回線の空き状態が「空きあり」であるレコード1240をTUM状態記憶部124から一つ選択する。そして、選択したレコード1240のフィールド1242に登録されているIPアドレスにより特定されるTUM23を転送先のTUM23に決定する(S175)。
以上のようにして転送先のTUM23を決定したならば、迂回制御部1261は、局データ記憶部127に記憶されている局データを参照し、この転送先のTUM23に接続要求メッセージを転送する(S176)。
次に、サブTM24を説明する。
図8は、本発明の第一実施の形態に係るサブTM24の概略構成図である。
図示するように、サブTM24は、LANインターフェース部241と、ログイン処理部242と、ログインデータ記憶部243と、呼制御部244と、局データ記憶部245と、を有する。
LANインターフェース部241は、LAN25に接続するためのインターフェースである。
ログイン処理部242は、IP−TEL22のログイン処理を行う。
ログインデータ記憶部243には、IP−TEL22のログイン処理に用いられるログインデータが記憶されている。図9(A)は、ログインデータ記憶部243の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、ログインデータ記憶部243には、自拠点ネットワーク2内の各IP−TEL22についてレコード2430が登録されている。レコード2430は、拠点番号を登録するフィールド2431と、内線番号を登録するフィールド2432と、パスワード等の認証情報を登録するフィールド2433と、IPアドレスを登録するフィールド2434と、ログイン状態を登録するフィールド2435と、を有する。ここで、フィールド2431〜2433には予めデータが登録されている。フィールド2434、2435は、ログイン処理部242によって更新される。なお、フィールド2431には、自拠点ネットワーク2の拠点番号が登録される。
呼制御部244は、SIP等の呼制御プロトコルに従い呼制御処理を行って、IP−TEL22間にセッションを確立する。また、呼制御部244は、着信制御部2441を有する。着信制御部2441は、自サブTM24にログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22であるならば、この接続先のIP−TEL22に接続要求メッセージを送信し、自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22でないならば、自拠点ネットワーク2内のTUM23に接続要求メッセージを転送する。
局データ記憶部245には、呼制御部244による呼制御処理に用いられる局データが記憶されている。
図10は、本発明の第一実施の形態に係るサブTM24の動作を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介してIP−TEL22からログイン要求メッセージを受信すると(S20でYES)、後述するログイン処理を実施する(S21)。また、ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介してIP−TEL22からログアウト要求メッセージを受信すると(S22でYES)、後述するログアウト処理を実施する(S23)。
呼制御部244は、LANインターフェース部241を介してIP−TEL22あるいはTUM23から接続要求メッセージを受信すると(S24でYES)、後述する接続処理を実施する(S25)。
図11(A)は、図10のS21(ログイン処理)を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部242は、ログイン要求メッセージに含まれている拠点番号および内線番号をキーにして、ログインデータ記憶部243からレコード2430を検索する(S210)。
レコード2430を検索できなかった場合(S210でNO)、ログイン処理部242は、ログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22が自拠点ネットワーク2内のIP−TEL22ではないと判断し、LANインターフェース部241を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン拒否応答メッセージを送信する(S214)。
一方、レコード2430を検索できた場合(S210でYES)、ログイン処理部242は、このレコード2430のフィールド2433に登録されている認証情報と、ログイン要求メッセージに含まれている認証情報とを比較して、ログイン要求メッセージの送信元のログインを許可するか否かを判断する(S211)。
ログインを許可すると判断した場合(S211でYES)、ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン許可応答メッセージを送信する(S212)。それから、ログイン処理部242は、検索したレコード2430のフィールド2434のIPアドレスを、このログイン要求メッセージの送信元のIPアドレスに更新する。また、このレコード2430のフィールド2435に登録されているログイン状態を「ログアウト中」から「ログイン中」に更新する(S213)。
一方、ログインを許可しないと判断した場合(S211でNO)、ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介して、このログイン要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログイン拒否応答メッセージを送信する(S214)。
図11(B)は、図10のS23(ログアウト処理)を説明するためのフロー図である。
ログイン処理部242は、ログアウト要求メッセージの送信元のIPアドレスをキーにして、ログインデータ記憶部243からレコード2430を検索する(S230)。
レコード2430を検索できなかった場合(S230でNO)、ログイン処理部242は、ログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22が自拠点ネットワーク2内のIP−TEL22ではないと判断し、LANインターフェース部241を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22に、拠点が異なる旨のエラーメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S234)。
一方、レコード2430を検索できた場合(S230でYES)、ログイン処理部242は、このレコード2430のフィールド2435に登録されているログイン状態を調べる(S231)。
ログイン状態が「ログイン中」である場合(S231でYES)、ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22にログアウト許可応答メッセージを送信する(S232)。それから、ログイン処理部242は、検索したレコード2430のフィールド2435に登録されているログイン状態を「ログイン中」から「ログアウト中」に更新する(S233)。
一方、ログイン状態が「ログイン中」でない場合(S231でNO)、ログイン処理部242は、LANインターフェース部241を介して、このログアウト要求メッセージの送信元であるIP−TEL22に、ログインしていない旨のエラーメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を実施する(S234)。
図12は、図10のS25(接続処理)を説明するためのフロー図である。
呼制御部244は、接続要求メッセージに含まれている接続先のIP−TEL22の拠点番号および内線番号をキーにして、ログインデータ記憶部243からレコード2430を検索する。そして、検索したレコード2430のフィールド2435に登録されているログイン状態を調べる(S250)。
ログイン状態が「ログイン中」である場合(S250でYES)、接続先のIP−TEL22は、自サブTM24にログイン中である。この場合、呼制御部244は、局データ記憶部245に記憶されている局データを参照し、このレコード2430のフィールド2434に登録されているIPアドレスにより特定されるIP−TEL22に、この接続要求メッセージを送信する(S251)。
一方、ログイン状態が「ログアウト中」である場合(S250でNO)、接続先のIP−TEL22は、自サブTM24からログアウトしている。この場合、着信制御部2441は、この接続要求メッセージの送信元アドレス等に基づいて、この送信元が自拠点ネットワーク2内のTUM23であるか否かを調べる(S252)。
接続要求メッセージの送信元アドレスが自拠点ネットワーク2内のTUM23でない場合(S252でNO)、着信制御部2441は、局データ記憶部245に記憶されている局データを参照し、自拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続要求メッセージを転送する(S253)。
一方、接続要求メッセージの送信元アドレスが自拠点ネットワーク2内のTUM23である場合(S252でYES)、着信制御部2441は、接続要求メッセージの接続先がログインしていない旨のエラーメッセージを自拠点ネットワーク2内のTUM23に返送するなどの所定のエラー処理を実施する(S254)。
次に、TUM23を説明する。
図13は、本発明の第一実施の形態に係るTUM23の概略構成図である。
図示するように、TUM23は、LANインターフェース部231と、少なくとも一つの公衆網インターフェース部232と、疎通確認部233と、TMアドレス情報記憶部234と、TUM番号情報記憶部235と、中継部236と、を有する。
LANインターフェース部231は、LAN25に接続するためのインターフェースである。
公衆網インターフェース部232は、公衆網4に接続するためのインターフェースであり、収容回線毎に設けられている。
疎通確認部233は、定期的に、LANインターフェース部231を介してメインTM12に、自TUM23の装置種別を含む疎通確認メッセージを送信する。そして、疎通確認メッセージを送信してから所定時間(例えば15秒:局データにて変更可能)内に、メインTM12から疎通確認応答メッセージを受信したか否かを判断することで、メインTM12との疎通を判断する。なお、疎通確認部233は、公衆網インターフェース部232の使用状況(収容回線の空き状態)を監視しており、その監視結果を疎通確認メッセージに含めてメインTM12に送信する。
TMアドレス情報記憶部234には、メインTM12および自拠点ネットワーク2内のサブTM24の各々について、IPアドレスを含むアドレス情報が記憶されている。
TUM番号情報記憶部235には、TUM23各々について、公衆網4の収容回線の電話番号を含む番号情報が記憶される。図9(B)は、TUM番号情報記憶部235の登録内容例を示す図である。図示するように、TUM番号情報記憶部235には、TUM23毎にレコード2350が登録されている。レコード2350は、拠点番号を登録するフィールド2351と、その拠点番号を持つ拠点ネットワーク2内のTUM23に割り当てられた公衆網4の収容回線の電話番号を登録するフィールド2352と、を有する。
中継部236は、LANインターフェース部231および公衆網インターフェース部232間のデータのやり取りを中継する。また、中継部236は、発信中継部2361と、着信中継部2362と、を有する。
発信中継部2361は、LANインターフェース部231を介してメインTM12あるいは自拠点ネットワーク2内のサブTM24から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22と同じ拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続要求を中継する。
着信中継部2362は、公衆網インターフェース部232を介して他のTUM23から接続要求メッセージを受信した場合に、自TUM23がメインTM12と疎通しているならば、この接続要求メッセージをメインTM12に中継し、自TUM23がメインTM12と疎通していないならば、この接続要求メッセージを自拠点ネットワーク2内のサブTM24に中継する。
図14は、本発明の第一実施の形態に係るTUM23の動作を説明するためのフロー図である。
例えば定期的に到来する疎通確認タイミングになると(S30でYES)、疎通確認部233は、収容回線の空き状況(公衆網インターフェース部232の使用状況)を取得し(S31)、この収容回線の空き状況および自TUM23の装置種別を含む疎通確認メッセージを作成する。そして、疎通確認部233は、LANインターフェース部231を介してメインTM12に、この疎通確認メッセージを送信する(S32)。それから、疎通確認部233は、メインTM12から疎通確認応答メッセージが届くのを待つ(S33、S34)。
ここで、所定時間(例えば15秒:局データにて変更可能)の経過によりタイムアウトする前に、LANインターフェース部231を介してメインTM12から疎通確認応答メッセージを受信した場合(S33でYES、S34でNO)、疎通確認部233は、メインTM12との疎通状態「疎通あり」を中継部236に通知する(S35)。
一方、LANインターフェース部231を介してメインTM12から疎通確認応答メッセージを受信することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合(S33でNO、S34でYES)、疎通確認部233は、メインTM12との疎通状態「疎通なし」を中継部236に通知する(S36)。
また、発信中継部2361は、LANインターフェース部241を介してメインTM12あるいは自拠点ネットワーク2内のサブTM24から接続要求メッセージを受信すると(S37でYES)、後述する発信中継処理を実施する(S38)。また、着信中継部2362は、何れかの公衆網インターフェース部232を介して公衆網4から着信すると(S39でYES)、後述する着信中継処理を実施する(S40)。
図15(A)は、図14のS38(発信中継処理)を説明するためのフロー図である。
発信中継部2361は、接続要求メッセージに含まれている接続先のIP−TEL22の拠点番号をキーにして、TUM番号情報記憶部235からレコード2350を検索し、このレコード2350に対応するTUM23を転送先のTUM23に決定する(S380)。
次に、発信中継部2361は、転送先のTUM23に対応するレコード2350のフィールド2352から電話番号を一つ選択する。そして、何れかの公衆網インターフェース部232を介して、この電話番号に接続要求メッセージを付加して発信する(S381)。
それから、発信中継部2361は、この公衆網インターフェース部232経由で公衆網4からの応答を待つ。公衆網4から接続要求応答メッセージが送られてきたならば(S382でNO)、この公衆網インターフェース部232とLANインターフェース部231との間のデータのやり取りの中継を開始する(S383)。
一方、この公衆網インターフェース部232経由で公衆網4からビジーメッセージが送られてきたならば(S382でYES)、発信中継部2361は、転送先のTUM23に対応するレコード2350のフィールド2352に未選択の電話番号があるか否かを調べる(S384)。未選択の電話番号があるならば(S384でYES)、S381に戻って、この未選択の電話番号を選択する。そして、何れかの公衆網インターフェース部232を介して、この電話番号に接続要求メッセージを付加して発信する。未選択の電話番号がないならば(S384でNO)、S385に進む。
S385において、発信中継部2361は、転送先に選ばれていないTUM23のレコード2350がTUM番号情報記憶部235にあるか否かを調べる。転送先に選ばれていない他のTUM23のレコード2350がある場合(S385でYES)、発信中継部2361は、このTUM23を新たな転送先のTUM23に決定し(S386)、S381に戻る。一方、転送先に選ばれていない他のTUM23のレコード2350がない場合(S385でNO)、発信中継部2361は、LANインターフェース部231を介して接続要求メッセージの送信元に、ビジーメッセージを返信するなどの所定のエラー処理を実施する(S387)。
図15(B)は、図14のS40(着信中継処理)を説明するためのフロー図である。
着信中継部2362は、疎通確認部233から通知されたメインTM12との最新の疎通状態が「疎通あり」である場合(S400でYES)、LANインターフェース部231を介してメインTM12に、着信した呼に付加されている接続要求メッセージを転送する(S401)。それから、この呼が着信した公衆網インターフェース部232とLANインターフェース部231との間のデータのやり取りの中継を開始する(S403)。
一方、着信中継部2362は、疎通確認部233から通知されたメインTM12との最新の疎通状態が「疎通なし」である場合(S400でNO)、LANインターフェース部231を介して自拠点ネットワーク2内のサブTM24に、着信した呼に付加されている接続要求メッセージを転送する(S402)。それから、この呼が着信した公衆網インターフェース部232とLANインターフェース部231との間のデータのやり取りの中継を開始する(S403)。
次に、IP−TEL22を説明する。
図16は、本発明の第一実施の形態に係るIP−TEL22の概略構成図である。
図示するように、IP−TEL22は、LANインターフェース部221と、疎通確認部222と、TMアドレス情報記憶部223と、ログイン要求部224と、ログインデータ記憶部225と、IP電話機能部226と、を有する。
LANインターフェース部221は、LAN25に接続するためのインターフェースである。
疎通確認部233は、定期的に、LANインターフェース部221を介してメインTM12に、自IP−TEL22の装置種別を含む疎通確認メッセージを送信する。そして、疎通確認メッセージを送信してから所定時間(例えば15秒:局データにて変更可能)内に、メインTM12から疎通確認応答メッセージを受信したか否かを判断することで、メインTM12との疎通を判断する。
TMアドレス情報記憶部223には、メインTM12および自拠点ネットワーク2内のサブTM24の各々について、IPアドレスを含むアドレス情報が記憶されている。
ログイン要求部224は、メインTM12あるいは自拠点ネットワーク2内のサブTM24に対してログイン要求を行う。
ログインデータ記憶部243には、メインTM12および自拠点ネットワーク2内のサブTM24のそれぞれについて、ログイン要求に用いるログインデータが記憶されている。ログインデータには、拠点番号、内線番号、およびパスワード等の認証情報が含まれている。
IP電話機能部226は、IP電話の発着信、通話、保留等のIP電話サービスに必要な機能を提供する。
図17は、本発明の第一実施の形態に係るIP−TEL22の動作を説明するためのフロー図である。
例えば定期的に到来する疎通確認タイミングになると(S50でYES)、疎通確認部222は、LANインターフェース部221を介してメインTM12に、自IP−TEL22の装置種別を含む疎通確認メッセージを送信する(S51)。それから、疎通確認部222は、メインTM12から疎通確認応答メッセージが届くのを待つ(S52、S53)。
所定時間(例えば15秒:局データにて変更可能)の経過によりタイムアウトする前に、LANインターフェース部221を介してメインTM12から疎通確認応答メッセージを受信した場合(S52でYES、S53でNO)、疎通確認部222は、メインTM12との疎通状態「疎通あり」をログイン要求部224に通知する(S54)。
これを受けて、ログイン要求部224は、ログイン先が自拠点ネットワーク2内のサブTM24である場合(S55でYES)、LANインターフェース部221を介してこのサブTM24にログアウト要求メッセージを送信し、このサブTM24からログアウトする(S56)。それから、ログイン要求部224は、ログインデータ記憶部225から、メインTM12に対するログインデータを読み出し、このログインデータに基づいてログイン要求メッセージを生成する。そして、LANインターフェース部221を介してメインTM12にログイン要求メッセージを送信して、メインTM12にログインする(S57)。
一方、LANインターフェース部221を介してメインTM12から疎通確認応答メッセージを受信することなく、所定時間の経過によりタイムアウトした場合(S52でNO、S53でYES)、疎通確認部222は、メインTM12との疎通状態「疎通なし」をログイン要求部224に通知する(S58)。
これを受けて、ログイン要求部224は、ログイン先がメインTM12である場合(S59でYES)、メインTM12からログアウトする(S60)。それから、ログイン要求部224は、ログインデータ記憶部225から自拠点ネットワーク2内のサブTM24に対するログインデータを読み出し、このログインデータに基づいてログイン要求メッセージを生成する。そして、LANインターフェース部221を介してこのサブTM24にログイン要求メッセージを送信して、このサブTM24にログインする(S61)。
また、IP電話機能部226は、ユーザから発信指示を受け付けると(S62でYES)、LANインターフェース部221を介してログイン先に接続要求メッセージを送信して、発信処理を行う(S63)。また、IP電話機能部226は、LANインターフェース部221を介してログイン先から接続要求メッセージを受信すると(S64でYES)、着信処理を行う(S65)。
次に、本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムの動作例を説明する。
図18は、IP−TEL22が他の拠点ネットワーク2内のIP−TEL22に発信する場合のIP電話システムの第一の動作例を示すシーケンス図である。
ここでは、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22が、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22に発信する場合において、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2とメインTM12との間に通信障害が発生したときの動作例を示している。
拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、メインTM12および拠点番号[01]の拠点ネットワーク2間の通信障害により(S901)、メインTM12との疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM12からログアウトして(S902)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S903)。また、TUM23は、メインTM12との疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM12からログアウトして(S902A)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S903B)。
その後、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22に対する発信指示をユーザから受け付けると、拠点番号[02]、内線番号[005]を接続先の電話番号とする接続要求メッセージを生成する。そして、ログイン先である自拠点ネットワーク2内のサブTM24に、この接続要求メッセージを送信する(S904)。
これを受けて、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[02]が自拠点ネットワーク2の拠点番号[01]と異なることを確認し、この接続要求メッセージを自拠点ネットワーク2内のTUM23に転送する(S905)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、自拠点ネットワーク2内のサブTM24から接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[02]を特定し、この拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23に割り当てられた公衆網4の電話番号を特定する。そして、この電話番号に対して、この接続要求メッセージが付加された呼を発信する(S906)。この呼は、公衆網4を介して、拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23に着信する。
次に、拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、メインTM12と疎通していることを確認し、公衆網4から着信した呼に付加されている接続要求メッセージをメインTM12に転送する(S907)。
メインTM12は、接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[02]、内線番号[005]により特定されるIP−TEL22が自メインTM12にログイン中であることを確認し、このIP−TEL22に、この接続要求メッセージを転送する(S908)。これを受けて、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22は、着信音を出力するなどしてユーザを呼び出す。
さて、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22は、この呼び出しに対する応答指示をユーザから受け付けると、ログイン先であるメインTM12に接続応答メッセージを送信する(S909)。
メインTM12は、接続応答メッセージを受信すると、この接続応答メッセージを、接続要求メッセージの送信元である拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23に転送する(S910)。
これを受けて、拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続応答メッセージが付加された着信応答を返信する(S911)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23から着信応答を受信すると、この着信応答に付加されている接続応答メッセージを、自拠点ネットワーク2内のサブTM24に送信する(S912)。
これを受けて、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、接続要求メッセージの送信元である拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22に接続応答メッセージを転送する(S913)。
これにより、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23と拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23との間が公衆網4上の回線で接続され、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22と、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22との間に、通話路が形成される(S914〜S916)。
図19は、IP−TEL22が他の拠点ネットワーク2内のIP−TEL22に発信する場合のIP電話システムの第二の動作例を示すシーケンス図である。
ここでは、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22が、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22に発信する場合において、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2とメインTM12との間に通信障害が発生したときの動作例を示している。
拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、メインTM12および拠点番号[01]の拠点ネットワーク2間の通信障害により(S921)、メインTM12との疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM12からログアウトして(S922)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S923)。また、TUM23は、メインTM12との疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM12からログアウトして(S922A)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S923B)。
さて、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22は、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22に対する発信指示をユーザから受け付けると、拠点番号[01]、内線番号[001]を接続先の電話番号とする接続要求メッセージを生成する。そして、ログイン先であるメインTM12に、この接続要求メッセージを送信する(S924)。
これを受けて、メインTM12は、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[01]、内線番号[001]により特定されるIP−TEL22が、自メインTM12にログインしていないことを確認し、この接続要求メッセージの送信元のIP−TEL22と同じ拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続要求メッセージを転送する(S925)。
拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、メインTM12から接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[01]を特定し、この拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23に割り当てられた公衆網4の電話番号を特定する。そして、この電話番号に対して、この接続要求メッセージが付加された呼を発信する(S926)。この呼は、公衆網4を介して、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23に着信する。
次に、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、メインTM12と疎通していないことを確認し、自拠点ネットワーク2内のサブTM24に、公衆網4から着信した呼に付加されている接続要求メッセージを転送する(S927)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[01]、内線番号[001]により特定されるIP−TEL22が自サブTM24にログイン中であることを確認し、このIP−TEL22に、この接続要求メッセージを転送する(S928)。これを受けて、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、着信音を出力するなどしてユーザを呼び出す。
さて、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、この呼び出しに対する応答指示をユーザから受け付けると、ログイン先である自拠点ネットワーク2内のサブTM24に接続応答メッセージを送信する(S929)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、接続応答メッセージを受信すると、この接続応答メッセージを、接続要求メッセージの送信元である自拠点ネットワーク2内のTUM23に転送する(S930)。
これを受けて、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続応答メッセージが付加された着信応答を返信する(S931)。
拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23から着信応答を受信すると、この着信応答に付加されている接続応答メッセージをメインTM12に送信する(S932)。
これを受けて、メインTM12は、接続要求メッセージの送信元である拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22に接続応答メッセージを転送する(S933)。
これにより、拠点番号[02]の拠点ネットワーク2内のTUM23と拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23との間が公衆網4上の回線で接続され、拠点番号[02]、内線番号[005]のIP−TEL22と、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22との間に、通話路が形成される(S934〜S936)。
以上、本発明の第一実施の形態について説明した。
本実施の形態では、IP−TEL22は、メインTM12との疎通を監視し、メインTM12と疎通しているならばメインTM12にログインし、メインTM12と疎通していないならば自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする。
また、TUM23は、メインTM12との疎通を監視し、公衆網4を介して呼が着信した場合に、メインTM12と疎通しているならば、この呼に付加されている接続要求メッセージをメインTM12に中継し、メインTM12と疎通していないならば、この呼に付加されている接続要求メッセージを自拠点ネットワーク2内のサブTM24に中継する。また、メインTM12あるいは自拠点ネットワーク2内のサブTM24から接続要求メッセージを受信した場合に、公衆網4を介して他のTUM23に、この接続要求メッセージが付加された呼を発信する。
また、サブTM24は、自サブTM24にログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22であるならば、このIP−TEL22にこの接続要求メッセージを送信し、この接続要求メッセージの接続先が自サブTM24にログイン中の他のIP−TEL22でないならば、自拠点ネットワーク2のTUM23に、この接続要求メッセージを送信する。
したがって、本実施の形態によれば、拠点ネットワーク2およびメインTM12間に障害が発生している場合でも、この拠点ネットワーク2と他の拠点ネットワーク2との間で通話を行うことができる。また、本実施の形態によれば、ユーザは、各拠点ネットワーク2のTUM23の、公衆網4における電話番号を知らなくても、拠点ネットワーク2およびメインTM12間に障害が発生している場合に、公衆網4を利用して、この拠点ネットワーク2とは別の拠点ネットワーク2のIP−TEL22のユーザと電話をすることができる。
また、本実施の形態において、TUM23は、メインTM12あるいは自拠点ネットワーク2内のサブTM24から受信した接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22と同じ拠点ネットワーク2に接続されている他のTUM23に、公衆網4を介して、この接続要求メッセージが付加された呼を発信する。
したがって、本実施の形態によれば、接続元のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2およびメインTM12間のみならず、接続先のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2およびメインTM12間に通信障害が発生している場合でも、接続元のIP−TEL22と接続先のIP−TEL22との間で通話を行うことができる。
また、本実施の形態において、メインTM12は、各TUM23との疎通を監視する。そして、メインTM12は、自メインTM12にログインしたIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合、この接続要求メッセージの接続先が、自メインTM12からログアウトしたIP−TEL22であるならば、TUM状態記憶部124に登録されているレコード1240のうち、フィールド1244の疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1245の収容回線の空き状態が「空きあり」であるレコード1240に対応する何れかTUM23に、この接続要求メッセージを転送する。
したがって、本実施の形態によれば、接続元のIP−TEL22から発信された接続要求メッセージを、接続先のIP−TEL22と同じ拠点ネットワーク2内のTUM23に、より確実に届けることができる。
また、本実施の形態において、メインTM12は、自メインTM12にログインしたIP−TEL22から受信した接続要求メッセージの接続先が、自メインTM12からログアウトしたIP−TEL22である場合に、接続元であるIP−TEL22と同じ拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続要求メッセージを送信する。
したがって、本実施の形態によれば、接続先のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2およびメインTM12間に障害が発生した場合に、接続元のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2のTUM23から、接続先のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2のTUM23に発信させることができる。このため、例えば、接続元のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2のTUM23に、公衆網4の利用料金を課金することができる。
[第二実施の形態]
次に、本発明の第二実施の形態を説明する。
図20は、本発明の第二実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。なお、図20において、図1に示す本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムと同じ機能を有するものには、同じ符号を付している。
図示するように、本実施の形態に係るIP電話システムが図1に示す本発明の第一実施の形態に係るIP電話システムと異なる点は、管理ネットワーク1に代えて複数の管理ネットワーク1Aを設けたことである。また、管理ネットワーク1Aが、図1に示す管理ネットワーク1と異なる点は、メインTM12に代えて、複数のメインTM12Aを設けたことである。
上記第一実施の形態では、一台のメインTM12が各拠点ネットワーク2の全てのIP−TEL22を配下とし、これらのIP−TEL22の呼制御を担当した。これに対して、本実施の形態では、各拠点ネットワーク2の全てのIP−TEL22の呼制御を複数のメインTM12Aで分担する。つまり、拠点ネットワーク2毎に、拠点ネットワーク2内の全てのIP−TEL22を配下とし、これらのIP−TEL22の呼制御を担当するメインTM12Aが予め決められている。各メインTM12Aは、例えばIP専用線5を介して相互接続されている。
以上のような構成において、各メインTM12Aは、配下のIP−TEL22あるいはTUM23から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が配下のIP−TEL22でないならば、IP専用線5を介して他のメインTM12Aに、この接続要求メッセージを転送する。このとき、メインTM12Aは、転送先のメインTM12Aから迂回指示メッセージを受信したならば、この接続要求メッセージを自メインTM12Aと疎通している何れかのTUM23に転送する。
また、各メインTM12Aは、IP専用線5を介して他のメインTM12Aから接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が、自メインTM12Aにログイン中の配下のIP−TEL22ならば、このIP−TEL22に、この接続要求メッセージを送信する。一方、この接続要求メッセージの接続先が、自メインTM12Aからログアウトした配下のIP−TEL22ならば、IP専用線5を介して他のメインTM12Aに迂回指示メッセージを返信する。
その他の動作は、上記第一実施の形態と同様である。
次に、メインTM12Aについて詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るIP−TEL22、TUM23、およびサブTM24は、上記の第一実施の形態に係るものと基本的に同じである。但し、IP−TEL22は、自拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aを疎通確認先およびログイン先のメインTM12Aとする。また、TUM23は、自拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aを疎通確認先および接続要求メッセージの転送先のメインTM12Aとする。
図21は、本発明の第二実施の形態に係るメインTM12Aの概略構成図である。
図示するように、本実施の形態のメインTM12Aが、図2に示す第一実施の形態のメインTM12と異なる点は、IP専用線インターフェース部128を新たに設けたこと、および呼制御部126に代えて呼制御部126Aを設けたことである。その他の構成は、図2に示す第一実施の形態と同様である。但し、ログインデータ記憶部123には、配下のIP−TEL22のログイン処理に用いられるログインデータが記憶される。また、TUM状態記憶部124には、配下のIP−TEL22が属する各拠点ネットワーク2のTUM23の疎通状態が記憶される。
IP専用線インターフェース部128は、IP専用線5に接続するためのインターフェースである。
呼制御部126Aは、SIP等の呼制御プロトコルに従い呼制御処理を行って、IP−TEL22間にセッションを確立する。また、呼制御部126は、迂回制御部1261の他、さらに、発信転送部1262、および着信転送部1263を有する。迂回制御部1261は、図2に示す第一実施の形態のものと同様である。
発信転送部1262は、自メインTM12Aにログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自メインTM12Aの配下のIP−TEL22でないならば、IP専用線インターフェース部128を介して他のメインTM12Aに、この接続要求メッセージを転送する。そして、発信転送部1262は、IP専用線インターフェース部128を介して他のメインTM12Aから迂回指示メッセージを受信した場合に、TUM状態記憶部124に登録されているレコード1240のうち、フィールド1244の疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1245の収容回線の空き状態が「空きあり」であるレコード1240に対応する何れかTUM23に、この接続要求メッセージを転送する。
着信転送部1263は、IP専用線インターフェース部128を介して他のメインTM12Aから接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自メインTM12Aの配下のIP−TEL22であるならば、このIP−TEL22にこの接続要求メッセージを転送する。但し、このIP−TEL22が自メインTM12Aからすでにログアウトしていれば、IP専用線インターフェース部128を介して他のメインTM12Aに迂回指示メッセージを返信する。
次に、メインTM12Aの動作を説明する。
図22は、本発明の第二実施の形態に係るメインTM12Aの動作を説明するためのフロー図である。このフローは、図4に示す第一実施の形態に係るメインTM12の動作フローにおいて、S16およびS17と置き換わるものである。なお、図22において、図4と同じステップには同じ符号を付している。
本実施の形態に係るメインTM12Aは、図4に示す第一実施の形態に係るメインTM12の動作フローの処理に加え、さらに図22に示す動作フローの処理を実施する。
すなわち、呼制御部126Aは、LANインターフェース部121を介してIP−TEL22あるいはTUM23から接続要求メッセージを受信すると(S16でYES)、この接続要求メッセージの接続先の拠点番号および内線番号がフィールド1231、1232に登録されているレコード1230がログインデータ記憶部123に記憶されているか否かを調べることにより、この接続先のIP−TEL22が自メインTM12Aの配下のIP−TELであるか否かを判断する(S16A)。そして、呼制御部126Aは、接続先のIP−TEL22が自メインTM12Aの配下のIP−TELである場合にのみ(S16AでYES)、図7に示す接続処理を実施し(S17)、接続先のIP−TEL22が配下のIP−TELでない場合は(S16AでNO)、後述する発信転送処理を実施する(S17A)。
また、呼制御部126Aは、IP専用線インターフェース部128を介して他のメインTM12Aから転送された接続要求メッセージを受信した場合に(S16BでYES)、後述する着信転送処理を実施する(S17B)。
図23(A)は、図22のS17A(発信転送処理)を説明するためのフロー図である。
発信転送部1262は、局データ記憶部127を参照し、接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22を配下とする他のメインTM12Aを特定する。そして、IP専用線インターフェース部128を介して、このメインTM12Aに、この接続要求メッセージを転送する(S1780)。
それから、発信転送部1262は、この接続要求メッセージの転送先から応答が送られてくるのを待つ(S1781)。そして、この接続要求メッセージの転送先から受信した応答が迂回指示メッセージでない場合(S1782でNO)、このフローを終了する。一方、この接続要求メッセージの転送先から受信した応答が迂回指示メッセージである場合(S1782でYES)、発信転送部1262は、図7のS172〜S176を実施して、自メインTM12Aと疎通しており、且つ収容回線に空きがあるTUM23に、この接続要求メッセージを送信する(S1783)。
図23(B)は、図22のS17B(着信転送処理)を説明するためのフロー図である。
着信転送部1263は、ログインデータ記憶部123を参照し、接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22が自メインTM12Aにログイン中であるか否かを調べる(S1790)。
自メインTM12Aにログインしているならば(S1790でYES)、着信転送部1263は、IP専用線インターフェース部128を介して、この接続要求メッセージの転送元である他のメインTM12Aに、転送許可メッセージを応答する(S1791)。それから、LANインターフェース部121を介して接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22に、この接続要求メッセージを送信する(S1792)。
一方、自メインTM12Aにログイン中でないならば(S1790でNO)、着信転送部1263は、IP専用線インターフェース部128を介して、この接続要求メッセージの転送元である他のメインTM12Aに迂回指示メッセージを応答する(S1793)。
次に、本発明の第二実施の形態に係るIP電話システムの動作例を説明する。
図24は、IP−TEL22が、自IP−TEL22を配下とするメインTM12Aとは別のメインTM12Aの配下にあるIP−TEL22に発信する場合のIP電話システムの動作例を示すシーケンス図である。
ここでは、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22が、拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22に発信する場合において、拠点番号[05]の拠点ネットワーク2と、この拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aとの間に通信障害が発生したときの動作例を示している。
なお、拠点[01]の拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12AをメインTM[A]12A、拠点[05]の拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12AをメインTM[B]12Aとしている。
拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22は、メインTM[B]12Aおよび拠点番号[05]の拠点ネットワーク2間の通信障害により(S951)、メインTM[B]12Aとの疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM[B]12Aからログアウトして(S952)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S953)。また、TUM23は、メインTM[B]12Aとの疎通状態が「疎通なし」になると、メインTM[B]12Aからログアウトして(S952A)、自拠点ネットワーク2内のサブTM24にログインする(S953B)。
さて、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22は、拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22に対する発信指示をユーザから受け付けると、拠点番号[05]、内線番号[009]を接続先の電話番号とする接続要求メッセージを生成する。そして、ログイン先であるメインTM[A]12Aに、この接続要求メッセージを送信する(S954)。
これを受けて、メインTM[A]12Aは、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[05]、内線番号[009]により特定されるIP−TEL22がメインTM[B]12Aの配下にあることを確認し、IP専用線5を介してメインTM[B]12Aに、この接続要求メッセージを転送する(S955)。
メインTM[B]12Aは、IP専用線5を介してメインTM[A]12Aから接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージの接続先である拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22が自メインTM[B]12Aにログインしていないことを確認し、IP専用線5を介してメインTM[A]12Aに迂回指示メッセージを送信する(S956)。
メインTM[A]12Aは、IP専用線5を介してメインTM[B]12Aから迂回指示メッセージを受信すると、接続要求メッセージの送信元のIP−TEL22と同じ拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続要求メッセージを転送する(S957)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、メインTM[A]12Aから接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[05]を特定し、この拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23に割り当てられた公衆網4の電話番号を特定する。そして、この電話番号に対して、この接続要求メッセージが付加された呼を発信する(S958)。この呼は、公衆網4を介して、拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23に着信する。
次に、拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、メインTM[B]12Aと疎通していないことを確認し、自拠点ネットワーク2内のサブTM24に、公衆網4から着信した呼に付加されている接続要求メッセージを転送する(S959)。
拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、接続要求メッセージを受信すると、この接続要求メッセージに含まれている接続先の拠点番号[05]、内線番号[009]により特定されるIP−TEL22が自サブTM24にログイン中であることを確認し、このIP−TEL22に、この接続要求メッセージを転送する(S960)。これを受けて、拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22は、着信音を出力するなどしてユーザを呼び出す。
さて、拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22は、この呼び出しに対する応答指示をユーザから受け付けると、ログイン先である自拠点ネットワーク2内のサブTM24に接続応答メッセージを送信する(S961)。
拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のサブTM24は、接続応答メッセージを受信すると、この接続応答メッセージを、接続要求メッセージの送信元である自拠点ネットワーク2内のTUM23に転送する(S962)。
これを受けて、拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23に、この接続応答メッセージが付加された着信応答を返信する(S963)。
拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23は、公衆網4を介して拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23から着信応答を受信すると、この着信応答に付加されている接続応答メッセージをメインTM[A]12Aに送信する(S964)。
これを受けて、メインTM12は、接続要求メッセージの送信元である拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22に接続応答メッセージを転送する(S965)。
これにより、拠点番号[01]の拠点ネットワーク2内のTUM23と拠点番号[05]の拠点ネットワーク2内のTUM23との間が公衆網4上の回線により接続され、拠点番号[01]、内線番号[001]のIP−TEL22と、拠点番号[05]、内線番号[009]のIP−TEL22との間に通話路が形成される(S966〜S968)。
以上、本発明の第二実施の形態について説明した。
本実施の形態によれば、上記の第一実施の形態に加えて、次の効果を有する。
本実施の形態において、メインTM12Aは、自メインTM12Aにログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自メインTM12Aの配下のIP−TEL22でないならば、IP専用線5を介して他のメインTM12Aに、この接続要求メッセージを転送する。また、IP専用線5を介して他のメインTM12Aから接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先が自メインTM12Aの配下のIP−TEL22であるならば、このIP−TEL22に接続要求メッセージを転送する。
したがって、本実施の形態によれば、各拠点ネットワーク2のIP−TEL22の呼制御を複数のメインTM12Aで分担させた場合において、何れかの拠点ネットワーク2とこの拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aとの間に障害が発生しても、この拠点ネットワーク2内のIP−TEL22と、この拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aとは別のメインTM12Aの配下にあるIP−TEL22との間で通話を行うことができる。
また、本実施の形態において、メインTM12Aは、IP専用線5を介して他のメインTM12Aから接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22がすでにログアウトしているならば、他のメインTM12Aに迂回指示メッセージを応答する。また、IP専用線5を介して他のメインTM12Aから、この他のメインTM12Aに転送した接続要求メッセージに対する応答として迂回指示メッセージを受信した場合に、TUM状態記憶部124において、フィールド1244の疎通状態が「疎通あり」であり、且つフィールド1245の収容回線の空き状態が「空きあり」であるレコード1240に対応する何れかTUM23に、この接続要求メッセージを転送する。
したがって、本実施の形態によれば、接続先のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2と、この拠点ネットワーク2内のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aとの間に障害が発生した場合に、接続元のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aが管理するTUM23から、接続先のIP−TEL22が属する拠点ネットワーク2のTUM23に発信させることができる。このため、接続元のIP−TEL22を配下とするメインTM12Aが管理するTUM23に、公衆網4の利用料金を課金することができる。
なお、本実施の形態では、メインTM12Aが、他のメインTM12Aから接続要求メッセージを受信した場合に、この接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22がすでにログアウトしているならば、この他のメインTM12Aに迂回指示メッセージで応答する。また、他のメインTM12Aから迂回指示メッセージを受信した場合に、自メインTM12Aが管理する何れかTUM23に接続要求メッセージを転送する。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば定期的に、メインTM12Aが、自メインTM12Aからログアウトした配下のIP−TEL22のリストを、IP専用線5を介して他のメインTM12Aと交換するようにしてもよい。そして、自メインTM12Aにログイン中のIP−TEL22から接続要求メッセージを受信した場合において、この接続要求メッセージの接続先のIP−TEL22が他のメインTM12A配下のIP−TEL22であり、且つこの他のメインTM12Aからすでにログアウトしているならば、メインTM12Aは、この他のメインTM12Aに接続要求メッセージを転送することなく、自メインTM12Aが管理する何れかTUM23に接続要求メッセージを転送してもよい。このようにすることで、接続処理をより迅速に行うことができる。
なお、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態において、メインTM12、12A、IP−TEL22、TUM23、およびサブTM24の構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよい。あるいは、DSP(Digital Signal Processor)によりソフト的に実行されるものでもよい。もしくは、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
1、1A:管理ネットワーク、2:拠点ネットワーク、3:IP網、4:公衆網、5:IP専用線、11:ルータ、12、12A:メインTM、21:ルータ、22:IP−TEL、23:TUM、24:サブTM、121:LANインターフェース部、122:ログイン処理部、123:ログインデータ記憶部、124:TUM状態記憶部、125:疎通確認部、126、126A:呼制御部、127:局データ記憶部、128:IP専用線インターフェース部、221:LANインターフェース部、222:疎通確認部、223:TMアドレス情報記憶部、224:ログイン要求部、225:ログインデータ記憶部、226:IP電話機能部、231:LANインターフェース部、232:公衆網インターフェース部、233:疎通確認部、234:TMアドレス情報記憶部、235:TUM番号情報記憶部、236:中継部、241:LANインターフェース部、242:ログイン処理部、243:ログインデータ記憶部、244:呼制御部、245:局データ記憶部、1261:迂回制御部、1262:発信転送部、1263:着信転送部、2361:発信中継部、2362:着信中継部、2441:着信制御部