JP6145585B2 - 意匠付き布帛およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部分的に凹凸意匠を有する布帛およびその製造方法に関する。
布帛に凹凸意匠を付与する方法の一つとしてエンボス加工が知られている。エンボス加工は、所望の凹凸意匠(凹凸模様)に対して反転した凹凸模様を有する加熱された型(エンボス型という)を、布帛の表面に押し当てて、凹凸意匠を形成するものであり、従来、種々の方法が提案されている(例えば、下記特許文献1,2)。これら従来のエンボス加工による凹凸意匠の付与は、布帛の表面全体に均一な凹凸意匠を付与するものであり、エンボス加工による凹凸意匠を部分的に形成するものではなかった。
特開2010−7211号公報 特開2010−248668号公報
本発明は、エンボス加工による凹凸意匠が部分的に形成された新規な意匠を有する布帛を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、低繊度部と前記低繊度部よりも単繊度(single fiber fineness)が高い高繊度部を表面に有する布帛の当該表面に、ポリウレタン樹脂を付与し、乾燥した後、その表面にエンボス加工を行うことを特徴とする、エンボス加工による凹凸意匠を部分的に有する意匠付き布帛の製造方法を提供するものである。
本発明は、第2に、表面部にポリウレタン樹脂が存在するとともに、当該表面部に凹凸意匠部と非凹凸意匠部を有する布帛であって、前記凹凸意匠部は、前記非凹凸意匠部よりも単繊度が低い糸条により構成されて、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されており、前記非凹凸意匠部は、前記凹凸意匠部よりも単繊度が高い糸条により構成されて、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されていない、ことを特徴とする意匠付き布帛を提供するものである。
本発明によれば、複雑な工程を経ることなく、部分的に凹凸意匠が形成された新規な意匠を有する布帛を製造することができる。
実施形態に係る布帛の表面意匠の一例を模式的に示した平面図である。 一実施形態に係る布帛の凹凸意匠部での断面写真である。 一実施形態に係る布帛の非凹凸意匠部での断面写真である。 一実施形態に係る布帛の凹凸意匠部での表面写真である。 該凹凸意匠部の樹脂加工前の表面写真である。 一実施形態に係る布帛の非凹凸意匠部での表面写真である。 該非凹凸意匠部の樹脂加工前の表面写真である。 実施例14に係る編み組織を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明に係る意匠付き布帛の製造方法では、低繊度部と高繊度部を表面に有する布帛の当該表面に、ポリウレタン樹脂を付与し、乾燥した後、その表面にエンボス加工を行う。単繊度の低い低繊度部は、繊維間の空隙が小さく、ポリウレタン樹脂により繊維同士が固着することで賦型性が向上し、エンボス加工により凹凸意匠を付与することができる。一方、単繊度の高い高繊度部は、繊維間の空隙が大きく、ポリウレタン樹脂により繊維同士が固着されるというよりもむしろ点接着に近い状態となる。そのため、高繊度部では、エンボス加工を行っても凹凸意匠は付与されず、布帛そのものの意匠を残すことができる。すなわち、エンボス加工を行うことにより、高繊度部にはエンボス加工による凹凸意匠が付与されずに非凹凸意匠部を形成しつつ、低繊度部にはエンボス加工による凹凸意匠が付与されて凹凸意匠部を形成することができる。そのため、複雑な工程を経ることなく、エンボス加工による凹凸意匠を部分的に有する布帛を製造することができる。
処理対象となる布帛(すなわち、生地ないし基布)としては、布帛表面に低繊度部と高繊度部を有するものが用いられる。布帛表面に露出している糸条(thread)の単繊度が低い部分が低繊度部であり、布帛表面に露出している糸条の単繊度が高い部分が高繊度部である。単繊度(single fiber fineness)とは、糸条を構成する単繊維(single fiber or filament)の繊度のことであり、単繊維繊度(filament fineness)とも称される。なお、布帛裏面のような表面部以外の単繊度については特に限定されず、低繊度部及び高繊度部は、布帛の表面部(すなわち、表層部)に対して使用される概念である。ここで、高繊度部と低繊度部における「高」及び「低」は、両繊度部の間での相対的な繊度の関係を表現することを意図している。すなわち、高繊度部が低繊度部に比べて単繊度が高いこと(逆に言えば、低繊度部が高繊度部に比べて単繊度が低いこと)を意味する。
低繊度部は、布帛の表面部において、高繊度部よりも単繊度が低い糸条で構成された部分であり、この部分がエンボス加工により凹凸意匠部となる。なお、本発明では、低繊度部を構成する全ての糸条が高繊度部を構成する糸条よりも単繊度が低い必要はなく、低繊度部を主として構成する糸条が、高繊度部を主として構成する糸条よりも、単繊度が低ければよい。ここで、「主として構成する」とは、布帛表面に露出する糸条の70%以上(体積比率)を構成することをいい、より好ましくは80%以上を構成することをいう。低繊度部は、単繊度が1.5dtex以下である糸条を含んでなること、即ち低繊度部を構成する糸条の単繊度が1.5dtex以下であることが好ましい。換言すれば、低繊度部は、主として表面に露出している糸条が単繊度1.5dtex以下であることが好適である。低繊度部を構成する糸条の単繊度を1.5dtex以下とすることにより、低繊度部を構成する繊維間の空隙を小さくして、ポリウレタン樹脂による繊維同士の固着効果を高めることができ、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を高めることができる。低繊度部を構成する糸条の単繊度は1.0dtex以下であることが好ましく、より好ましくは0.7dtex以下である。なお、単繊度の下限については、特に限定しないが、0.1dtex以上であることが好ましい。
高繊度部は、布帛の表面部において、低繊度部よりも単繊度が高い糸条で構成された部分であり、この部分が非凹凸意匠部となる。高繊度部は、単繊度が1.5dtexよりも高い糸条を含んでなること、即ち高繊度部を構成する糸条の単繊度が1.5dtexよりも高いことが好ましい。換言すれば、高繊度部は、主として表面に露出している糸条が単繊度1.5dtex超であることが好適である。高繊度部を構成する糸条の単繊度を1.5dtexよりも高くすることにより、高繊度部を構成する繊維間の空隙を大きくして、ポリウレタン樹脂による繊維同士の固着効果を低減することができる。そのため、エンボス加工により凹凸意匠が賦型されにくい。高繊度部における凹凸意匠の賦型をより効果的に抑えるために、高繊度部を構成する糸条の単繊度は2.3dtex以上であることが好ましく、より好ましくは2.5dtex以上である。なお、単繊度の上限については、特に限定しないが、糸条がモノフィラメントであれば2000dtex以下であることが好ましく、糸条がマルチフィラメントであれば10dtex以下であることが好ましい。
低繊度部と高繊度部の単繊度の差は、0.4dtex以上であることが好ましく、より好ましくは0.5dtex以上であり、更に1.0dtex以上であり、更に好ましくは2.0dtex以上である。これにより、凹凸意匠部と非凹凸意匠部との間でよりはっきりと意匠に変化をつけることができる。
低繊度部を構成する糸条の繊度(すなわち、総繊度。糸繊度とも称される。)は、高繊度部を構成する糸条の総繊度以上に設定されることが好ましい。これにより、低繊度部において、単繊度の低い微細な繊維が緻密に充填されることで、繊維間の空隙を小さくすることができる。
上記のような表面部に低繊度部と高繊度部を有する布帛としては、織物でも編物でもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。また、低繊度部と高繊度部を形成する方法も特に限定されない。
例えば、織物の場合、経糸と緯糸の一方に単繊度が低い糸条を用い、他方に単繊度が高い糸条を用いて、経朱子と緯朱子の組織を組み合わせて製織してもよい。これにより、単繊度の低い糸条が主として表面に露出する低繊度部と、単繊度の高い糸条が主として表面に露出する高繊度部を、経朱子部と緯朱子部とにより設けることができる。
これ以外の組織でも同様に、経糸及び緯糸で、単繊度が低い糸条と単繊度が高い糸条との糸配列により、単繊度の低い糸条が主として表面に露出する低繊度部と、単繊度の高い糸条が主として表面に露出する高繊度部を設けることが出来る。
編物の場合も、織物と同様に低繊度部と高繊度部の構成を、単繊度が低い糸条と単繊度が高い糸条とを、編組織と糸配列を組合せて編立することにより、単繊度の低い糸条が主として表面に露出する低繊度部と、単繊度の高い糸条が主として表面に露出する高繊度部を設けることができる。
処理対象となる布帛は、織物の場合、単位体積1mm3当たりの繊度の合計が2500〜5800dtexであることが好ましい。より好ましくは3000〜5800dtexであり、更に好ましくは3500〜5800dtexである。この値を2500dtex以上とすることにより、繊維間の空隙を小さくして、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を向上することができる。また、5800dtex以下とすることにより、良好な製織性を確保することができる。
なお、かかる単位体積1mm3当たりの繊度の合計は、次により算出される。経糸密度(本/25.4mm)と経糸繊度(糸条の繊度)(dtex)および25.4mmの積により、生機長さ方向に対して幅方向25.4mm×長さ方向25.4mm×生地厚み(mm)の体積における繊度の合計が算出される。ここで、上記の積では、経糸はまっすぐ生機の長さ方向に伸びていると仮定して、25.4mmを乗じている。緯糸の繊度の合計も経糸と同様に算出し、経糸の繊度の合計と緯糸の繊度の合計の和を算出する。算出した値と体積(幅方向×長さ方向×生地厚み)の商を算出し、1mm3当たりの繊度の合計とする。上述の式は、糸抜きや組織を考慮して適宜変更される。たとえば、糸抜きが1in3out(すなわち、1本糸入れ3本糸抜きの配列)であれば、さらに1/4を乗ずる。
具体的には、以下の式によって求められる。
単位体積1mm3当たりの繊度の合計
=(経糸密度×経糸繊度(糸条の繊度)×25.4+緯糸密度×緯糸繊度(糸条の繊度)×25.4)/(25.4×25.4×生地厚み(mm))
処理対象となる布帛は、編物の場合、単位体積1mm3当たりの繊度の合計が1000〜5800dtexであることが好ましい。より好ましくは1200〜5800dtexであり、更に好ましくは1500〜5800dtexである。この値を1000dtex以上とすることにより、繊維間の空隙を小さくして、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を向上することができる。また、5800dtex以下とすることにより、良好な製編性を確保することができる。
なお、編物の場合の体積1mm3当たりの繊度の合計は、次により算出される。コース密度の2倍数と糸条の繊度および25.4mmの積により、生機長さ方向に対して幅方向(25.4mm)×長さ方向(25.4mm)×生地厚み(mm)の体積における繊度の合計が算出される。ここで、生機長さ方向に対して垂直な断面を見ると1ループで2つの断面が見えるため経密度を倍にして計算する。また、水平断面が幅方向に25.4mm続いていると仮定する。算出した値と体積(幅方向×長さ方向×生地厚み)の商を算出し、1mm3当たりの繊度の合計とする。組織が多重である場合は、それぞれの組織を構成する糸各々において、生機幅方向(25.4mm)×生機長さ方向(25.4mm)×生地厚み(mm)の体積における糸繊度を算出した後、合計し、合計した値と体積の商を算出して、単位体積1mm3当たりの繊度の合計を求める。上述の式は、糸抜きや組織を考慮して適宜変更される。たとえば、糸抜きが1in3outであれば、さらに1/4を乗ずる。
具体的には、以下の式によって求められる。
単位体積1mm3当たりの繊度の合計(トリコット及び丸編の場合)
=(各糸の繊度の合計※1×コース密度×2×25.4)/(25.4×25.4×生地厚み(mm))
※1:トリコットであれば、フロント糸、ミドル糸及びバック糸の繊度の合計、丸編であれば、表糸、つなぎ糸及び裏糸の繊度の合計
単位体積1mm3当たりの繊度の合計(ダブルラッセルの開反品の場合)
={(各地糸の繊度の合計+各パイル糸の繊度の合計)×コース密度×2×25.4}/(25.4×25.4×生地厚み(mm))
単位体積1mm3当たりの繊度の合計(ダブルラッセルの非開反品の場合)
={(各地糸の繊度の合計+各連結糸の繊度の合計×2)×コース密度×2×25.4}/(25.4×25.4×生地厚み(mm))
処理対象となる布帛を構成する繊維の素材は特に限定されず、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維など、公知の繊維を用いることができ、これらの繊維を混紡、混繊、交撚、交織、交編などの手法により2種以上組み合わせて用いてもよい。凹凸意匠の賦型性、および耐久性の観点からは、熱可塑性繊維が好ましい。熱可塑性繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維などを挙げることができ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、物性に優れるという理由により、ポリエステルがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
布帛を構成する糸条の形態は、紡績糸(短繊維糸)、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸(以上、長繊維糸)のいずれであってもよく、さらには長繊維と短繊維を組み合わせた長短複合紡績糸であってもよい。マルチフィラメント糸は、必要に応じて撚りをかけてもよいし、仮撚加工や流体撹乱処理などの加工を施してもよい。
また、布帛は、必要に応じて、起毛、染色、プレセット、精練などの前処理を施したものであってもよい。起毛する場合、低繊度部において表面に露出している単繊度が低い糸条をカットして起毛することが、エンボス加工による凹凸意匠をより賦型しやすくすることができるので好ましい。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系などのポリウレタン樹脂を挙げることができる。なかでも、風合いの観点からはポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、耐久性、特には耐摩耗性の観点からはポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
ポリウレタン樹脂の軟化温度は、100〜200℃であることが好ましい。軟化温度が100℃以上であることにより、車両内装材など高温に長時間放置されるような条件で使用された場合でも樹脂が溶け出しにくくすることができる。軟化温度が200℃以下であることにより、凹凸意匠を賦型する際にエンボスロールを過度な高温に設定する必要がなく、ポリウレタン樹脂が付与されない部分の基布が粗硬になるのを回避することができる。なお、軟化温度は、DSC熱分析機を用いて示差走査熱分析法により測定される。
ポリウレタン樹脂の付与は、上述した低繊度部と高繊度部を表面に有する布帛の当該表面の全体に行う。ポリウレタン樹脂の付与量は、処理対象となる布帛の構成、例えば、密度や繊度などによって異なるが、布帛に対しておおよそ1〜200g/m2であることが好ましく、より好ましくは5〜150g/m2であり、更に好ましくは10〜100g/m2である。本実施形態に係る意匠付き布帛において、ポリウレタン樹脂は布帛の少なくとも表面部(表層部)における繊維間に浸透して繊維とともに布帛表面を形成するものであり、銀面付き合成皮革のようにポリウレタン樹脂単独の表皮層を布帛の表面全体に形成するものではない。なお、ポリウレタン樹脂の付与量とは、ポリウレタン樹脂が付与される部分における付与量を平方メートル当たりの付与量に換算したものであり、乾燥後の固形分重量での値である。
より具体的には、ポリウレタン樹脂を含む処理液を布帛の一方の面に付与する。処理液は、ポリウレタン樹脂と、これを分散等させる媒体、例えば水とを少なくとも含んでなるものであり、必要に応じて、色材(染料、顔料、金属粉末)、増粘剤などの添加剤を含んでもよい。処理液の付与方法は特に限定されず、例えば、スクリーンプリント、ロータリープリント、インクジェットプリントなどを挙げることができる。また、布帛が凹凸を有する場合には、リバースコーター、コンマコーターなどを用いることもできる。
次いで、ポリウレタン樹脂を乾燥、固化させる。乾燥は、媒体が残存しない程度になされればよく、条件は特に限定されない。媒体の沸点や生産効率を考慮し、適宜設定すればよい。
このように布帛の表面部にポリウレタン樹脂を塗布し乾燥した後、その表面全体にエンボス加工を行う。具体的には、例えば温度が100〜160℃、圧力(線圧)が490〜1960N/cmのエンボスロールに通し、布帛の表面のポリウレタン樹脂を軟化させ、賦型する。エンボスロールの表面には、所望の凹凸模様と凹凸が逆の凹凸模様が刻印されている。エンボスロールの温度は、ポリウレタン樹脂の軟化温度や布帛を構成する繊維素材、要求される耐久性などを考慮して設定する。
賦型加工後の布帛には、風合いを柔らかくするために熱処理を行うとよい。熱処理は、100〜150℃で30秒〜3分間行うことが好ましい。
以上のようにして、部分的に凹凸意匠を有する意匠付き布帛を得ることができる。実施形態に係る意匠付き布帛は、表面部にポリウレタン樹脂が存在するとともに、当該表面部に凹凸意匠部と非凹凸意匠部を有する。ポリウレタン樹脂は、布帛表面の全体にわたって繊維とともに存在しており、ポリウレタン樹脂と繊維とで布帛表面が形成されている。ポリウレタン樹脂は、厚み方向では布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透しており、ポリウレタン樹脂浸透部が布帛の少なくとも表面部に形成されている。
図1は、実施形態に係る意匠付き布帛の表面意匠の一例を模式的に示したものである。意匠付き布帛1は、その表面部に、エンボス模様からなる凹凸意匠が付与された凹凸意匠部2と、エンボス模様からなる凹凸意匠が付与されていない非凹凸意匠部3とを有する。凹凸意匠部2と非凹凸意匠部3は、布帛1の表面全体にわたって所定のパターンで繰り返し設けられて繰り返し模様を構成しており、この例では、六角形状の非凹凸意匠部3の周りを凹凸意匠部2が取り囲んでなる亀甲模様を構成している。凹凸意匠部2と非凹凸意匠部3は、図1に示す構成とは逆に構成してもよく、また、これらの形状、個数及び配置は、特に限定されず、様々な変更が可能である。
凹凸意匠部は、上記低繊度部により形成されており、非凹凸意匠部は、上記高繊度部により形成されている。そのため、凹凸意匠部は、非凹凸意匠部よりも単繊度が低い糸条により構成されており、非凹凸意匠部は、凹凸意匠部よりも単繊度が高い糸条により構成されている。
凹凸意匠部は、隣接する繊維同士がポリウレタン樹脂によって非凹凸意匠部よりも強く固着されており、これにより、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されている。詳細には、低繊度部は、構成する繊維が細いため、繊維間の空間が小さく、当該空間にポリウレタン樹脂が充填されやすいので、ポリウレタン樹脂により繊維同士が固着した状態となる(図2参照)。そのため、エンボス加工時にポリウレタン樹脂とともに賦型されやすく、よって、エンボス加工により凹凸意匠を付与することができる。エンボス加工による凹凸意匠は、特に限定されず、皮革様のシボ模様や、幾何学模様など、所望の凹凸形状を付与すればよい。
一方、非凹凸意匠部は、隣接する繊維同士がポリウレタン樹脂によって凹凸意匠部よりもゆるく固着されており、そのため、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されていない。詳細には、高繊度部は、構成する繊維が太いため、繊維間の空間が大きく、同じ樹脂量であるとポリウレタン樹脂が充填されない空隙が低繊度部よりも大きくなる。そのため、ポリウレタン樹脂により繊維同士が固着されるというよりも、むしろ隣接する繊維同士がポリウレタン樹脂により点接着された状態となる(図3参照)。よって、エンボス加工を行っても凹凸意匠は付与されず、布帛そのものの意匠を残すことができる。すなわち、非凹凸意匠部は、エンボス加工による凹凸意匠が付与されていない部分であり、エンボス加工によらない凹凸模様であれば、織地や編地にその組織によって糸条により形成された凹凸模様を有してもよい。
本実施形態においては、低繊度部(すなわち、凹凸意匠部)におけるポリウレタン樹脂の浸透厚さが40〜400μm、ポリウレタン樹脂の充填率が10〜55%、及び繊維の充填率が45〜80%になるように、ポリウレタン樹脂が付与されることが好ましい。
すなわち、ポリウレタン樹脂の浸透厚さは、凹凸意匠部において、40〜400μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは40〜330μmであり、さらに好ましくは40〜260μmであり、特に好ましくは50〜200μmである。このような範囲に設定することにより、エンボス加工による賦型性を向上することができる。ここで、ポリウレタン樹脂の浸透厚さは、ポリウレタン樹脂浸透部の垂直断面をマイクロスコープにて撮影し、任意の10か所において、布帛表面からポリウレタン樹脂の浸透下端までの垂直方向の長さを測定して、平均値を算出することにより求められる。
上記のようにポリウレタン樹脂は、布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透しており、布帛厚みの全体にわたって浸透してもよい。風合いの点からは、ポリウレタン樹脂が布帛厚みの全体には浸透していないことが好ましい。すなわち、ポリウレタン樹脂浸透部の下に非浸透部が存在することが好ましい。具体的には、凹凸意匠部において、意匠付き布帛厚みに対するポリウレタン樹脂の浸透厚さの比は、5〜25%でもよく、10〜20%でもよい。なお、非凹凸意匠部でのポリウレタン樹脂の浸透厚さは、特に限定されないが、通常は、繊維間の空隙が大きいために凹凸意匠部での浸透厚さよりも大きく、例えば、100〜500μmでもよく、130〜400μmでもよく、150〜300μmでもよい。また、非凹凸意匠部において、意匠付き布帛厚みに対するポリウレタン樹脂の浸透厚さの比は、凹凸意匠部での浸透厚さの比よりも大きいことが好ましく、例えば、21〜55%でもよく、26〜55%でもよく、30〜55%でもよい。ここで、意匠付き布帛の厚みは、特に限定されず、例えば0.2〜3.0mm(即ち、200〜3000μm)でもよく、0.3〜2.8mmでもよい。なお、これらの浸透厚さの比及び意匠付き布帛の厚みについての数値範囲は、ダブルラッセルの非開反品を除く布帛についての例示である。
また、ポリウレタン樹脂の充填率は、凹凸意匠部において、10〜55%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは15〜50%であり、さらに好ましくは20〜45%である。ポリウレタン樹脂の充填率が10%以上であることにより、エンボス加工による賦型性を向上することができる。また、該充填率が55%以下であることにより、耐屈曲性を向上することができる。
ここで、ポリウレタン樹脂の充填率は、ポリウレタン樹脂浸透部(ポリウレタン樹脂が繊維間に浸透している部分)においてポリウレタン樹脂が占める割合であり、次のように求められる。すなわち、後述の繊維の充填率および空隙率から、下記式により求める。
ポリウレタン樹脂の充填率(%)=100−(繊維の充填率+空隙率)
また、繊維の充填率は、凹凸意匠部において、45〜80%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50〜80%であり、さらに好ましくは55〜80%である。繊維の充填率が45%以上であることにより、繊維間の空隙を小さくして繊維同士の固着を高めることができ、耐摩耗性を向上することができる。また、繊維の充填率が80%以下であることにより、耐屈曲性を向上することができる。なお、非凹凸意匠部における繊維の充填率は、特に限定されないが、50%以下であることが好ましく、より好ましくは20〜45%であり、通常は、構成する繊維の単繊度が高く繊維間の空隙が大きいために、凹凸意匠部での繊維の充填率よりも小さい。
ここで、繊維の充填率は、ポリウレタン樹脂浸透部において繊維が占める割合であり、次のように求められる。すなわち、ポリウレタン樹脂浸透部の垂直断面をマイクロスコープにて撮影した写真をスキャナーで読み取り、ヨコ方向を100μmの幅、タテ方向をポリウレタン樹脂の浸透厚さとする測定面積において糸の断面の数(n)を測定し、下記式により繊維の充填率を求める。なお、糸の直径R(μm)は、任意の5か所の糸の断面のタテ・ヨコ方向の直径を測定し、平均して求める。また、繊維の充填率は、任意の5か所について下記式により算出した充填率の平均値である。
繊維の充填率(%)=(78.5×R2×n)÷(100×ポリウレタン樹脂の浸透厚さ(μm))
本実施形態においては、高繊度部(すなわち、非凹凸意匠部)における空隙率が10%以上でありかつ低繊度部(すなわち、凹凸意匠部)における空隙率よりも高くなるように、ポリウレタン樹脂が付与されることが好ましい。すなわち、非凹凸意匠部では、空隙率が好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。空隙率が10%以上であることにより、エンボス加工による凹凸意匠を賦型されにくくして、凹凸意匠部との間で一層はっきりとした意匠の変化をつけやすくなる。非凹凸意匠部での空隙率の上限は特に限定されないが、通常は30%以下であり、より好ましくは20%以下である。凹凸意匠部での空隙率は、非凹凸意匠部での空隙率よりも低く、特に限定しないが、10%未満であることが好ましく、より好ましくは7%以下である。
ここで、空隙率は、ポリウレタン樹脂浸透部において空隙部分が占める割合であり、次のように求められる。すなわち、ポリウレタン樹脂浸透部の垂直断面をマイクロスコープにて撮影した写真をスキャナーで読み取り、ヨコ方向を100μmの幅、タテ方向をポリウレタン樹脂の浸透厚さとする測定面積において、空隙部分とそれ以外の部分を二値化して、ポリウレタン樹脂浸透部における空隙部分の割合を算出する。なお、空隙率は、任意の5か所において算出した空隙率の平均値である。
本実施形態においては、また、凹凸意匠部における繊維とポリウレタン樹脂の比率(繊維/ポリウレタン樹脂)が1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.25以上である。この比率を1.0以上とすることにより、ポリウレタン樹脂あたりの繊維数を多くして、ポリウレタン樹脂による固着効果を高め、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を向上し、また耐久性を向上することができる。この比率は、上記で算出した繊維およびポリウレタン樹脂の充填率と測定面積の積にてそれぞれの面積を算出し、繊維の面積とポリウレタン樹脂の面積の商を算出することで求められる。なお、非凹凸意匠部における繊維とポリウレタン樹脂の比率(繊維/ポリウレタン樹脂)は、凹凸意匠部における比率よりも小さく、1.0未満であることが好ましく、より好ましくは0.8未満である。
本実施形態においては、また、凹凸意匠部における繊維断面の外周長の和が、単位面積10000μm2あたり1500μm以上であることが好ましく、より好ましくは2000μm以上である。かかる繊維断面の外周長の和が1500μm以上であれば、ポリウレタン樹脂と繊維の密着性が向上し、繊維の圧縮回復力を抑制して、エンボス加工による凹凸意匠の賦型性を向上することができる。これは、外周長の和が大きいほど、単繊度の小さい繊維(フィラメント)が多数存在することになり、繊維間の空隙が小さく、ポリウレタン樹脂と繊維とが固着しやすくなるためと考えられる。また、単繊度の小さい繊維が多いということは、繊度の合計に対して表面積が大きいことになるので、ポリウレタン樹脂が被覆する面積が大きくなり、固着しやすくなるためと考えられる。繊維断面の外周長の和の上限は、特に限定されず、例えば9000μm以下でもよく、6000μm以下でもよい。なお、非凹凸意匠部における繊維断面の外周長の和は、凹凸意匠部での値よりも小さいことが好ましい。
ここで、繊維断面の外周長の和は、次のように求められる。すなわち、ポリウレタン樹脂浸透部の垂直断面をマイクロスコープにて撮影した写真をスキャナーで読み取り、ヨコ方向を100μmの幅、タテ方向をポリウレタン樹脂の浸透厚さとする測定面積において糸の断面の数(n)を測定し、下記式により繊維断面の外周長の和を求める。なお、糸の直径R(μm)は、任意の5か所の糸の断面のタテ・ヨコ方向の直径を測定し、平均して求める。また、繊維断面の外周長の和は、任意の5か所について下記式により算出した外周長の和の平均値である。
繊維断面の外周長の和(μm)=(31400×R×n)÷(100×ポリウレタン樹脂の浸透厚さ(μm))
図2は、一実施形態に係る意匠付き布帛の凹凸意匠部での断面を示したものであり、布帛表面側におけるポリウレタン樹脂浸透部の垂直断面をマイクロスコープ(キーエンス株式会社製、デジタルHFマイクロスコープVH−8000。以下同じ)にて撮影した写真である。写真中の矩形枠で囲んだ部分が充填率及び空隙率を測定する際の測定範囲であり、測定幅は100μmであり、高さはポリウレタン樹脂の浸透厚さである。図3は、同上の布帛の非凹凸意匠部での垂直断面をマイクロスコープにて撮影した写真であり、図2と同様に、写真中の矩形枠で囲んだ部分が充填率及び空隙率を測定する際の測定範囲であって、測定幅は100μmであり、高さはポリウレタン樹脂の浸透厚さである。これらの写真を使用して浸透厚さや充填率、空隙率などを測定する際には、測定位置におけるバラツキを低減するために、繊維が塊状をなしている糸条部分において(すなわち、糸条と糸条の境界部分を除いて)無作為抽出された5箇所又は10箇所の平均値を算出する。
図4は、一実施形態に係る意匠付き布帛の凹凸意匠部(単繊度:0.6dtex)の表面写真であり、図5は、その樹脂加工前の表面写真であり、ともにマイクロスコープにて100倍に拡大して撮影したものである。低繊度部は、図5に示す樹脂加工前では、多数のフィラメントがはっきりと現れているのに対し、図4に示す樹脂加工及びエンボス加工後では、表面形状に明らかな変化があり、各フィラメントがはっきりと見えなくなっている。
図6は、同上の布帛の非凹凸意匠部(単繊度:7.5dtex)の表面写真であり、図7は、その樹脂加工前の表面写真であり、ともにマイクロスコープにて100倍に拡大して撮影したものである。高繊度部は、図7に示す樹脂加工前と、図6に示す樹脂加工及びエンボス加工後とで、表面形状にほとんど変化が見られない。
以上よりなる本実施形態によれば、複雑な工程を得ることなく、部分的にエンボス加工による凹凸意匠を有し、その他の部分は布帛そのものの意匠を残した布帛を製造することができ、これまでにない特殊な意匠を持つ布帛を低コストに製造することができる。
本発明の意匠付き布帛の用途は、特に限定されず、例えば、車両内装材、インテリア資材、衣料、鞄などの様々な分野で用いることができる。
[評価方法]
(1)賦型性
下記の凹凸形状を有するエンボスロールA、B、Cを用いてエンボス加工を行った製品について、凹凸意匠部および非凹凸意匠部を目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。下記凹部形状について、柄間隔とは、隣り合う凸部の頂点間の距離であり、傾斜角度とは、凸部の最高位と凹部の最低位を結んだ直線と凸部の最高位における接線とのなす角度である。
エンボスロールA:凹部の幅800μm、凹部の深さの最大値150μm、柄間隔2000μm、垂直方向の凹凸断面形状;波型、傾斜角度5〜20度、革シボ柄
エンボスロールB:凹部の幅1200μm、凹部の深さの最大値250μm、柄間隔5000μm、垂直方向の凹凸断面形状;波型、傾斜角度10〜30度、革シボ柄
エンボスロールC:凹部の幅1500μm、凹部の深さの最大値450μm、柄間隔10000μm、垂直方向の凹凸断面形状;台形型、ライン柄
(評価基準)
1:A、B、Cの全ての凹凸形状が明瞭に賦型されている
2:Aの凹凸形状は不明瞭であるが、B、Cの凹凸形状は明瞭に賦型されている
3:A、Bの凹凸形状は不明瞭であるが、Cの凹凸形状は明瞭に賦型されている
4:A、B、C全ての凹凸形状が不明瞭である
(2)意匠性
上記賦型性を評価後、製品の凹凸意匠部および非凹凸意匠部を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
(評価基準)
1:凹凸意匠部は明瞭にエンボス加工による凹凸形状が賦型されており、非凹凸意匠部には該凹凸形状が見られないため、2種類の意匠がはっきりと得られている
2:凹凸意匠部は明瞭にエンボス加工による凹凸形状が賦型されているが、非凹凸意匠部にも不明瞭ではあるものの、エンボス加工による凹凸形状が見られる。もしくは非凹凸意匠部には凹凸形状が見られないが、凹凸意匠部の凹凸形状が不明瞭である。そのため、明瞭性には欠けるものの、2種類の意匠が得られている
3:凹凸形状がどちらにも明瞭に賦型されている、もしくはどちらも不明瞭であり2種類の意匠が得られていない。
[実施例1]
経糸として、178dtex/24fのポリエチレンテレフタレート仮撚り加工糸(単繊度:7.42dtex)を用い、緯糸として、333dtex/288fのポリエチレンテレフタレート仮撚り加工糸(単繊度:1.16dtex)を用いて、凹凸意匠部は12枚緯朱子、非意匠部は12枚経朱子の組織で製織し、生機を得た。
次いで、パイルローラー12本、カウンターパイルローラー12本を有する針布ロールを備える針布起毛機により、針布ローラートルク2.5MPa、布速12m/分にて織終わり方向からと織始め方向からの起毛を交互に3回行い、主として緯糸に対し表面を毛羽立たせるような起毛を施した。次いで、ヒートセッターにより150℃で1分間熱処理して仕上げた。得られた生地の経糸の密度は184本/25.4mm、緯糸の密度は88本/25.4mm、単位体積1mm3当たりの繊度の合計は4072dtexであった。
次いで、ナイフコーター機により布速8m/分にてポリウレタン樹脂溶液(固形分28質量%)を全面に塗布した。ポリウレタン樹脂塗布量が乾燥後重量で25g/m2になるようにクリアランス条件を設定した。ポリウレタン樹脂溶液を塗布後、80℃乾燥機にて5分間乾燥させた。ポリウレタン樹脂溶液としては、ポリウレタン樹脂「RYUDTE−W BINDER UF6025」(DIC株式会社製、軟化温度=120℃)を用いた。
次いで、エンボス加工機によりロール温度120℃、ロール圧力1960N/cm、布速3m/分にてエンボス加工を行なった。エンボスロールは上記A〜Cの3種類のロールを使用した。次いで、ヒートセッターにより130℃で1分間熱処理して仕上げた。
得られた布帛は、緯糸が毛羽立った部分にのみエンボス加工による凹凸意匠が付与されており、凹凸意匠部(緯朱子部)におけるポリウレタン樹脂浸透厚さは78μm、繊維充填率は56.2%、ポリウレタン樹脂充填率は40.7%、空隙率は3.1%、繊維とポリウレタン樹脂比率(繊維/ポリウレタン樹脂)は1.38であり、単位面積10000μm2あたりの繊維断面の外周長の和は2196μmであった。また、非凹凸意匠部(経朱子部)におけるポリウレタン樹脂浸透厚さは199μm、繊維充填率は36.3%、ポリウレタン樹脂充填率は46.8%、空隙率は16.9%、繊維とポリウレタン樹脂比率(繊維/ポリウレタン樹脂)は0.78であり、単位面積10000μm2あたりの繊維断面の外周長の和は1682μmであった。意匠付き布帛の厚みは600μmであった。
評価結果を表1に示す。実施例1によれば、皮革様のシボ模様を持つ凹凸意匠部と、布帛そのものの織り組織による意匠を持つ非凹凸意匠部とが、布帛全体にわたって所定のパターンで繰り返された特異な意匠を持つ布帛が得られた。
[実施例2〜10、比較例1]
経糸及び緯糸の構成及び密度を表1に示す通りに変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例1の布帛を作製した。
評価結果は表1に示す通りであり、経糸と緯糸に同じ単繊度の糸条を用いた比較例1では、エンボス加工による凹凸形状が緯朱子部にも経朱子部にも明瞭に賦型されており、2種類の意匠が得られず、意匠性に劣っていた。これに対し、実施例1〜10であると、エンボス加工による凹凸意匠が付与された凹凸意匠部と、布帛そのものの織り組織による意匠を持つ非凹凸意匠部との、2種類の意匠を布帛表面に持つ布帛が得られた。特に、実施例1及び3の布帛では、凹凸意匠部と非凹凸意匠部との差が明確であり、意匠性にとりわけ優れていた。ここで、実施例6と実施例8では、他の実施例とは逆に、経朱子部が凹凸意匠部となり、緯朱子部が非凹凸意匠部となっていた。
なお、実施例7では、凹凸意匠部での繊維充填率が低く、実施例1に比べて耐摩耗性に劣っていた。実施例8では、凹凸意匠部での繊維充填率が高く、実施例1に比べて耐屈曲性に劣っていた。実施例10では、非凹凸意匠部での空隙率が低く、非凹凸意匠部にもエンボス加工による凹凸形状が若干見られたため、意匠性が実施例1に比べて劣っており、また実施例1に比べて耐摩耗性にも劣っていた。
ここで、耐摩耗性については、JIS L1096 8.19.3の摩耗強さC法(テーバ形法)に準じて測定(条件:摩耗輪CS−10、荷重4.9N、摩耗回数1000回)し、摩耗試験後の試験片を観察して、外観に変化がないか、凹凸意匠が不明瞭ないし消失していないかという観点から評価した。
また、耐屈曲性については、幅40mm、長さ70mmの大きさでタテ、ヨコ各方向からそれぞれ3枚ずつ試験片を採取し、それぞれの試験片を表面が外側になるように長さ方向に2つに折り曲げ、デマッチャー型屈曲試験機(株式会社上島製作所製)を用いて、つかみ間隔30±0.2mm、ストローク15mm、速度100回/分の条件で、−10℃の環境下で30000回耐屈曲試験を行った。屈曲試験後の試験片の外観を観察し、外観変化の度合いに基づいて評価した。
[実施例11]
下記表2に示す各ポリエチレンテレフタレート糸を用いて表3に示す組織に従って、L2、L3で構成される部分(14ウェル)とL4で構成される部分(12ウェル)とによるストライプ柄のトリコット編物を作製した。次いで、リバースコーター機により布速5m/分、ロール回転速度12m/分にてポリウレタン樹脂溶液(固形分28質量%)を、シンカーループ面(L2、L3、L4)に塗布した。ポリウレタン樹脂塗布量が乾燥後重量で25g/m2になるようにロール回転速度条件を設定した。ポリウレタン樹脂溶液を塗布後、80℃乾燥機にて5分間乾燥させた。ポリウレタン樹脂溶液としては、ポリウレタン樹脂「RYUDTE−W BINDER UF6025」(DIC株式会社製)を用いた。
次いで、エンボス加工機によりロール温度160℃、ロール圧力490N/cm、布速3m/分にてエンボス加工を行なった。エンボスロールは上記A〜Cの3種類のロールを使用した。次いで、ヒートセッターにより130℃で1分間熱処理して仕上げた。
評価結果を表4に示す。得られた布帛では、フロント糸で形成された部分が凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠が付されていた。また、ミドル糸で形成された部分が非凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠は付されていなかった。
[実施例12〜14]
各ポリエチレンテレフタレート糸の構成及び組織を表2及び3に示す通りに変更し、その他は実施例11と同様にして、実施例12〜14の布帛を作製した。評価結果は表4に示す通りである。
実施例12では、ダブルラッセル編物を開反し、L3で構成される部分(10ウェル)とL4で構成される部分(10ウェル)とによるストライプ柄のパイル面にポリウレタン樹脂溶液を塗布した。得られた布帛では、筬L3で導糸された糸で形成された部分が凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠が付されていた。また、筬L4で導糸された糸で形成された部分が非凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠は付されていなかった。
実施例13では、ダブルラッセル編物を開反せずに、L4で構成される部分(7ウェル)とL5で構成される部分(7ウェル)とによるストライプ柄の表地組織面(L4、L5)にポリウレタン樹脂溶液を塗布した。得られた布帛では、筬L4で導糸された糸で形成された部分が凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠が付されていた。また、筬L5で導糸された糸で形成された部分が非凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠は付されていなかった。
実施例14では、ダブルジャージー編物の表糸1で構成される部分(14コース)と表糸2で構成される部分(14コース)とによるボーダー柄の表面にポリウレタン樹脂溶液を塗布した。得られた布帛では、表糸1で形成された部分が凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠が付されていた。また、表糸2で形成された部分が非凹凸意匠部となり、エンボス加工による凹凸意匠は付されていなかった。
1…意匠付き布帛 2…凹凸意匠部 3…非凹凸意匠部

Claims (13)

  1. 低繊度部と前記低繊度部よりも単繊度が高い高繊度部を表面に有する布帛の当該表面に、ポリウレタン樹脂を付与し、乾燥した後、その表面にエンボス加工を行う、
    エンボス加工による凹凸意匠を部分的に有する意匠付き布帛の製造方法。
  2. 前記エンボス加工を行うことにより、前記高繊度部にはエンボス加工による凹凸意匠が付与されずに非凹凸意匠部を形成しつつ、前記低繊度部にはエンボス加工による凹凸意匠が付与されて凹凸意匠部を形成する、請求項1に記載の意匠付き布帛の製造方法。
  3. 前記低繊度部は単繊度が1.5dtex以下である糸条を含んでなり、前記高繊度部は単繊度が1.5dtexよりも高い糸条を含んでなる、請求項1又は2に記載の意匠付き布帛の製造方法。
  4. 前記低繊度部における前記ポリウレタン樹脂の浸透厚さが40〜400μm、前記ポリウレタン樹脂の充填率が10〜55%、及び繊維の充填率が45〜80%になるように、前記ポリウレタン樹脂を付与する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の意匠付き布帛の製造方法。
  5. 前記高繊度部における空隙率が10%以上でありかつ前記低繊度部における空隙率よりも高くなるように、前記ポリウレタン樹脂を付与する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の意匠付き布帛の製造方法。
  6. 前記ポリウレタン樹脂が前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透してポリウレタン樹脂と繊維とにより布帛表面が形成されるように、前記ポリウレタン樹脂を付与する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の意匠付き布帛の製造方法。
  7. 表面部にポリウレタン樹脂が存在するとともに、当該表面部に凹凸意匠部と非凹凸意匠部を有する布帛であって、
    前記凹凸意匠部は、前記非凹凸意匠部よりも単繊度が低い糸条により構成されて、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されており、
    前記非凹凸意匠部は、前記凹凸意匠部よりも単繊度が高い糸条により構成されて、表面にエンボス加工による凹凸意匠が付与されていない、
    意匠付き布帛。
  8. 前記凹凸意匠部は、隣接する繊維同士が前記ポリウレタン樹脂によって前記非凹凸意匠部よりも強く固着されることで前記エンボス加工による凹凸意匠が付与された、請求項7に記載の意匠付き布帛。
  9. 前記凹凸意匠部は単繊度が1.5dtex以下である糸条を含んでなり、前記非凹凸意匠部は単繊度が1.5dtexよりも高い糸条を含んでなる、請求項7又は8に記載の意匠付き布帛。
  10. 前記凹凸意匠部は、前記ポリウレタン樹脂の浸透厚さが40〜400μm、前記ポリウレタン樹脂の充填率が10〜55%、及び繊維の充填率が45〜80%である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の意匠付き布帛。
  11. 前記非凹凸意匠部における空隙率が10%以上でありかつ前記凹凸意匠部における空隙率よりも高い、請求項7〜10のいずれか1項に記載の意匠付き布帛。
  12. 前記ポリウレタン樹脂が前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透してポリウレタン樹脂と繊維とにより布帛表面が形成された、請求項7〜11のいずれか1項に記載の意匠付き布帛。
  13. 前記凹凸意匠部における繊維断面の外周長の和が、単位面積10000μm2あたり1500μm以上である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の意匠付き布帛。
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