JP6140074B2 - マイクロリソグラフィのための結像光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、2010年9月30日出願のドイツ特許出願DE10 2010 041 708.4及び2011年8月4日出願のドイツ特許出願DE10 2011 080437.4に対する優先権を請求するものである。これらの特許出願の全体の開示内容は、引用によって本出願に組み込まれている。
本発明は、物体視野を像平面に結像するために電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系に関する。
投影対物系は、半導体構成要素を生成するのに使用されるマイクロリソグラフィのための投影露光ツールの一部である。この目的のために、投影対物系の物体平面に配置されたレチクルと呼ぶパターンが、ウェーハと呼ぶ基板の感光層上に投影対物系を用いて結像される。
製造される半導体構成要素の構造の絶え間なく進む小型化の理由から、投影対物系の結像特性の益々厳しい要件が課せられている。本出願では、マイクロリソグラフィのための投影対物系の結像誤差を非常に低いレベルまで低減することを目的とする。投影対物系内の製造に関連する結像誤差は、投影対物系の製造の後に後処理、例えば、投影対物系の個々のレンズ又はミラーの非球面化によって事前に排除することができるが、その一方、投影露光ツールの作動中に発生する結像誤差の補正はより困難である。
作動中に、使用される投影対物系の光学要素の結像放射線は部分的に吸収され、それによって光学要素の加熱が生じる。熱膨張、及び適用される場合はそれに関連する屈折率変化により、特に、最新の投影露光ツールの場合のように投影対物系を通るビーム経路が中心軸に関して回転対称ではなく、特に、ビーム経路からの個々の光学要素が部分領域内でのみ使用される場合には、複雑な視野特性を帯びる場合がある結像誤差が誘起される。
更に、最新の投影露光ツールでは、特殊な照明構成(照明設定とも呼ぶ)、特に二重極照明又は四重極照明が益々使用されている。これらの多重極照明は、特に、結像誤差又は高い波形又は高いゼルニケ次数の結像誤差を招く。
通常、作動中に発生する熱誘起の結像誤差を補償するために、投影対物系には光学補正システムが設けられる。例えば、互いに相対する面上に非球面輪郭を両方共にそれぞれ有する2つの光学補正要素を含み、これらの2つの非球面輪郭が少なくとも近似的にゼロに合算される光学補正システムが、EP 0 851 304 A2から公知である。この種の補正システムをアルバレスマニピュレータとも呼ぶ。
アルバレスマニピュレータでは、互いに相対する2つの面は、互いに空間的に近くに配置され、従って、特に互いに共役な平面に配置される。この種の補正システムは、光学系の光学要素に加えて補正要素を設けなければならないので、比較的複雑である。更に、補正要素は強度損失を招く。特に、光学系に非回転対称面を有する光学要素が設けられるいわゆる自由曲面設計を使用すると、自由曲面設計では光学要素の非球面性が全体として相殺されるように光学要素が互いに対して適合されるので、上述の補正システムを設けることは実現不能である。
EP 0 851 304 A2 EP 0 660 169 A1 WO 2010/034674 A1
Daniel Malacara著「光学実験測定法(Optical Shop Testing)」、第2版、John Wiley & Sons, Inc.出版、(1992年)、第13.2.3章 H.Gross著「光学系ハンドブック(Handbook of Optical Systems)」、第2巻、Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.、KgaA、Weinheim、2005年の215ページの表20−2
本発明の目的は、上述の問題を解消し、特に、例えば、作動中に発生する結像誤差を複雑な補正機構なしに有効に補正することができる少なくとも1つの非回転対称要素を備えた結像光学系を提供することである。
本発明の態様により、上述の目的は、例えば、物体視野を像平面に結像するために、波長λを有する電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系によって達成することができる。更に、結像光学系は、座標(p,q)を有し、座標(x,y)を有する光学系の像視野と共に、光学系を通過する放射線の波面W(x,y,p,q)が関数として定義される座標(x,y,p,q)を有する拡張4次元瞳空間を張る瞳を含む。従って、光学系を通過する放射線の波面Wは、瞳平面内で、像視野(x,y)と瞳(p,q)とによって張られる拡張4次元瞳空間の関数として定義することができ、t=(x,y,p,q)の時に、W(x,y,p,q)=W(t)である。像視野は、物体視野を像平面に結像することによって生成される。
本発明のこの態様により、光学要素のうちの少なくとも第1のもの、特に、光学要素のうちの2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多くが、非回転対称面を有する。非回転対称面は、全ての回転対称面に対してそれぞれの2次元面逸脱を有する。それぞれの2次元面逸脱は、その最高部と最低部の間に少なくともλの差を有する。言い換えれば、非回転対称面は、全ての回転対称面に対して少なくともλという山から谷までの値を有する。特に、非回転対称面は、少なくとも1つの点において、その最適適合回転対称面から少なくともλだけ逸脱する。最適適合回転対称面を判断するために、基準として、例えば、比較対象の回転対称面からの非回転対称面の所定の方向の平均二乗逸脱(rms)の最小値を求めることができる。最適適合回転対称面を判断するために最小値が見出される他の基準は、山から谷までの逸脱及び勾配逸脱を含む。
更に、非回転対称面の部分口径比は、物体視野の全ての点において、結像ビーム経路に位置する光学要素の全ての他の面の物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱する。更に、第1の光学要素の面は、第1の光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、光学系の波面に対して少なくとも2重の対称性を備えた部分を有する変化をもたらすことができ、拡張4次元瞳空間内の波面変化の最大値が、波長λの少なくとも1×10-5倍、特に少なくとも5×10-5倍であるように構成される。一実施形態により、少なくとも2重の対称性を有する波面変化部分は、拡張4次元瞳空間内で、波長λの少なくとも1×10-7倍、特に少なくとも1×10-6倍の最大値を有する。好ましくは、波面変化は、波面変化が像誤差の低減をもたらすようにもたらされる。
言い換えれば、第1の光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、光学面の波面に対して少なくともk回の対称性を備えた部分を有する変化をもたらすことができ、kは2である。k重対称性を有する波面部分は、kが、像平面に対する所定の法線の回りの光学系の角度φ=360°/kの回転の後に、拡張4次元瞳空間内の波面部分がそれ自体に転位することが適用される最も大きい自然数であることによって特徴付けられる。言い換えれば、第1の光学要素の変位は、波面に対して少なくとも2重の対称性の部分を有する変化を生成する外乱として作用する。この部分を少なくとも2重の波面外乱とも呼ぶ。k回波面外乱は、像平面に対する法線の回りの光学系の角度φ=360°/kの回転の後に、そのことによって光学要素の変位位置が変化せず、変位によってもたらされる小さい偏向のモデルにおける拡張4次元瞳空間内の波面変化をそれ自体に転位させる第1の光学要素の変位であると理解すべきである。波面の変化は、例えば、当業者に公知であり、以下に詳細に説明するいわゆるゼルニケ展開のような多項式展開によって特徴付けることができる。上述の「少なくとも2重の対称性を有する波面部分」は、実施形態により、少なくとも2重の対称性を有するこの多項式展開の展開項によって定義することができる。ゼルニケ展開の場合には、「少なくとも2重の対称性を有する波面部分」は、少なくとも2重の対称性を有するゼルニケ関数に付随するゼルニケ係数によって与えることができる。「波面部分」という用語を以下に更に例示する。
上述の第1の光学要素の変位は、要素を特に像平面に対する法線の回りに、有利な態様においては10分よりも小さく回転させることによって行うことができる。更に、上述の変位は、これらの法線に対する傾斜により、及び/又は像平面の法線と平行及び/又は側方に要素をシフトさせることによって行うことができる。この場合、第1の光学要素は、光学系内で回転可能、傾斜可能、及び/又はシフト可能に装着される。
本発明の態様により、第1の光学要素の面は、上述の要素の変位によって拡張4次元瞳空間内でもたらされる上述の種類の波面変化の最大値が、波面λの少なくとも1×10-5倍であり、異なる表現では1%mλであるように構成される。この場合、以下により詳細に説明するように、像視野の点の全てに割り当てられた瞳の全てにおいて発生する波面変化の最大値が決め手となる。本発明による実施形態により、上述の要素の変位によって拡張4次元瞳空間内でもたらされる上述の種類の波面変化の最大値は、波長λの少なくとも5×10-5倍、1×10-4倍、1×10-3倍、又は1×10-2倍である。
結像光学系の少なくとも第1の光学要素、好ましくは、少なくとも3つの光学要素は、その面の少なくとも1つの点において、全ての回転対称面から、特に当該要素の面に最適に適合する回転対称面から少なくともλの逸脱を有する。この種の最適適合回転対称面は、当業者によって一般的に、使用されるアルゴリズムを用いて判断される。上述の逸脱を有する面を以下では自由曲面とも呼ぶ。
光学要素の部分口径比は、部分開口直径と光学的自由直径との比率によって形成される。部分開口直径は、以下により詳細に説明するように、任意であるが特定的に選択された物体視野点を光学要素上に結像する時に照明されるそれぞれの面の最大直径によって与えられる。
光学的自由直径は、物体視野全体を結像する時に照明される光学要素の部分を含む対応する光学要素のそれぞれの基準軸の回りの最も小さい円の直径である。本発明により、物体視野の全ての点における第1の光学要素の部分口径比の結像ビーム経路に位置する全ての他の面のそれぞれの物体視野点における部分口径比からの少なくとも0.01の逸脱により、第1の光学要素は、例えば、アルバレスマニピュレータの単一の面における場合よりも、他の面から光学的に実質的に更に分離する。更に別の実施形態により、第1の光学要素の部分口径比は、光学系の全ての他の光学面のそれぞれの物体視野点における部分口径比から少なくとも0.02だけ、特に少なくとも0.05だけ逸脱する。本発明による異な実施形態により、部分口径比は、対別に互いから少なくとも1%だけ、特に少なくとも3%又は5%だけ逸脱する。
本発明による結像光学系の構成は、特定の結像誤差、特に例えば熱誘起の結像誤差のような作動中に発生する結像誤差を自由曲面設計を用いて複雑な補正機構なしに補正することを可能にする。この補正では、例えば、従来技術で公知のアルバレスマニピュレータのようないずれの追加補正要素も必要とされない。実際に、熱作用によってもたらされる収差を少なくとも1つの光学要素の剛体移動によって少なくとも部分的に補償することができる。本発明による光学系の構造を使用すると、特に、例えば、ゼルニケ係数Z25によって特徴付けることができる収差のような長波収差を特に良好に補正することができる。
光学要素を変位させることによって波面誤差を補正する可能性を使用することにより、個々の光学要素を生成する時の望ましい形状からの面逸脱に対する公差が増大する。次に、得られる誤差は、製造された光学系上で、少なくとも1つの光学要素の適切な変位によって排除される。従って、例えば、長波逸脱に対する面公差を2倍から10倍だけ高くする例えば通常の0.1nmから今度は0.2nmから1nm等にすることができる。長波逸脱は、特にゼルニケ係数Z25及びそれ以下によって特徴付けることができる逸脱であると理解すべきである。従って、多くの場合に、面の事後処理又は変形可能ミラーの使用を不要にすることができる。
言い換えれば、第1の光学要素の面には、光学系の波面に対する上述の変化をもたらす特定の操作形態が設けられる。本発明による実施形態により、2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多く、特に光学系の光学要素の全てに適切な操作形態が設けられる。この場合、当該光学要素の変位時に、これらの操作形態の各々は、光学系の波面に対して少なくとも2重の対称性を備えた部分を有する変化をもたらし、拡張4次元瞳空間内の波面変化の最大値は、波長λの少なくとも1×10-5倍である。波面に対して操作形態によってもたらされる変化は、1つ又は複数の操作形態のせん断によってもたらされる。波面変化は、当該光学要素のその基本形状における変位によってももたらされ、すなわち、操作形態に対処せずにもたらされる。
本発明による方式は、既に完成した光学系においてその後に使用することができる。これは、設計段階の完了後に、対物系の連続製造中に一般的な誤差特性が認識された場合、又はミラー加熱作用を補正するために、その後に判断されたマニピュレータを設けなければならない場合に有利である。次に、調節中に依然として残る系統的な対物系に依存しない特性の形態にある収差(振幅は対物系毎に変動する)を作動要素によって与えられる剛体移動を実施する時に、対物系に特定の残留収差が生成されるように1つ又はそれよりも多くの光学面に対して計算された操作形態によって補正することができる。同じ方式により、ミラー加熱作用を補償するための適切なマニピュレータを事後に開発することができ、例えば、構成される新しい対物系に、このマニピュレータを装備することができる。
結像光学系の本発明による更に別の実施形態により、光学要素の各々に対する部分口径比は、他の光学要素のそれぞれの部分口径比から少なくとも0.01、特に少なくとも0.02又は少なくとも0.05だけ逸脱する。
本発明による更に別の実施形態により、光学要素は、光学要素のうちの2つの全ての組合せが、非回転対称光学要素の光学効果に対応する全体的な光学効果を有するように構成される。この状況にある非回転対称要素は、非回転対称面が、全ての回転対称面に対してそれぞれの2次元面逸脱を有し、この2次元面が、その最高部と最低部の間に少なくともλの差を有するという上述の定義による非回転対称面を有する。特に、全体的な光学効果は、球面光学要素の光学効果に対応しない。本明細書では、平面板を球面光学要素の特殊な場合であり、すなわち、無限大の直径を有すると理解すべきである。言い換えれば、2つの光学要素のそれぞれの組合せは、照射波の波面に対して自由曲面の効果を有する。言い換えれば、非回転対称光学要素のうちの1つを補償する単一の光学要素は存在しない。更に、光学要素は、好ましくは、非球面光学要素の各々の(非回転対称)非球面性が、光学系の他の非球面光学要素の全ての非球面性によって補償されるように構成される。
本発明による更に別の実施形態により、光学系の非回転対称面の全ては、互いに共役ではない平面に配置される。言い換えれば、互いに共役な平面にはいずれの非球面光学要素対も存在しない。従って、光学要素の非球面性は、単一の更に別の光学要素を用いては補償することができない。
本発明による更に別の実施形態により、光学要素はミラーとして構成される。透過光で作動される従来技術からのアルバレスレンズと比較すると、この実施形態において、結像誤差の補正のための行程経路は、約4倍だけ小さい。これは、反射では、光路長は形態変化の2倍だけ変化し、それに対して透過では、この変化がn−1倍、すなわち、約0.5倍乗算されることに起因する。行程経路は、結像誤差を補正するために、第1の光学要素又はいくつかの光学要素による本発明による変位中に網羅すべきそれぞれの経路であると理解すべきである。EUV波長範囲で結像を行う光学系の一例示的な実施形態により、50pmのマニピュレータ行程経路を用いて、システムのミラー上の最高部と最低部の間に75nmの差を有する操作形態に対して約1nmの望ましいゼルニケ収差の補正が生成される。従って、ゼルニケ収差をサブnmの範囲における良好な分解能で設定することができる。
操作形態の指定される振幅は、一般的に、光学設計において事前に与えられる回転対称性からのミラー面の基本逸脱よりも大幅に小さい。上述の基本逸脱は、光学系の設計最適化によって判断される。操作形態の比較的小さい振幅に起因して、本発明の一態様によって提案するように光学系設計中に操作形態が事前に考慮される場合には、一般的に、ミラーをいずれの追加コストもなしに操作形態と共に製造することができる。更に、操作形態の大きい振幅は、マニピュレータ行程経路を短縮するが、非偏向システムの設計を補正するのを困難にする。
一変形により、光学要素は、EUV放射線の形態にある電磁放射線、特に100nmよりも短い波長、例えば、13.5nm又は6.8nmの波長を有する放射線を誘導するように構成される。本発明による更に別の実施形態により、光学要素のうちの少なくとも3つが非回転対称面を有する。
既に上述したように、本発明による一実施形態により、第1の光学要素の変位は、第1の光学要素の回転を含む。更に、第1の光学要素の変位は、像平面と垂直に配置された基準軸に関する第1の光学要素の回転及び/又は傾斜を含むことができる。本発明による更に別の実施形態により、第1の光学要素の変位は、第1の光学要素のシフトを含む。
本発明による実施形態により、少なくとも第1の光学要素を回転させることにより、結像光学系の非点収差を変更することができる。特に45°の非点収差を変更することができる。
本発明による更に別の実施形態により、波面を変更するように機能する第1の光学要素の変位は、非回転対称面に最適に適合する球面の中心点を通る回転軸に関して第1の光学要素を回転させることによって実施される。この回転軸は、当該光学要素の非球面の回転対称部分が、球面形状から殆ど逸脱しない場合に特に有利である。この種の小さい逸脱は、10000λよりも小さい最大高度差(山から谷までの)によって特徴付けられる。
本発明による更に別の実施形態により、波面を変更するように機能する第1の光学要素の変位は、非回転対称面に最適に適合する回転対称面の対称軸である回転軸に関して第1の光学要素を回転させることによって実施される。
更に別の実施形態により、回転軸は、現在の光学系の基準システムとして機能する鏡面対称光学系の対称平面を定めるyz平面上に垂直に立つ。対称平面は、特に、第1の光学要素の非回転対称面に最適に適合する鏡面対称基準面の対称平面によって定義される。この場合、非回転対称要素が3重対称性を有する場合には、0°の向きを有する非点収差を補正することができる。この場合、0°は、対称平面の向きに対するものであると理解すべきである。この場合一般的に、n重対称性を有する光学要素には、対物系の対称平面上に垂直に立つ軸の回りの回転は、y軸に対して0°の角度にあり、すなわち、yz平面に関して鏡面対称である(n−1)重対称性を有する像誤差を誘導することが適用される。一方、回転軸が対物系の対称平面に位置し、最適適合球面の中心点を通過しない場合には、もたらされる像誤差は(n−1)重対称性を有し、x軸に対して0°の角度にあり、すなわち、像誤差はyz平面に対して反対称である。最後に、回転軸がyz平面に位置し、最適適合球面の中心点を通過する場合には、像誤差はn回のものであり、x軸に対して0°の向きを有し、すなわち、像誤差はyz平面に対して反対称である。yz平面に位置し、最適適合球面の中心点の近くを通過する回転軸では、最後に示す2つの像誤差の混合形態が生成される。
本発明による更に別の実施形態により、第1の光学要素の面の非回転対称部分はn重対称性を有し、nは少なくとも2、特に少なくとも3、4、又は5である。好ましくは、変位が回転によって発生する場合には、対称性に関する基準軸は回転軸である。基本的にn重対称性は、nが、回転軸に関する当該光学要素の角度360°/nの回転時に、面トポグラフィが変化せずに留まり、それ自体に転位することが適用される最も大きい自然数であることを意味すると理解すべきである。
本発明による更に別の実施形態により、第1の光学要素の面の非回転対称部分は非点収差形態を有する。従って、光学系の非点収差を望ましくない寄生収差を大幅に導入することなく変更することができる。
一実施形態により、非回転対称部分は10λの最小振幅を有する。従って、小さい回転角でも、既に有意なマニピュレータ効果を示すことができる。従って、約1mrad回転させることにより、例えば、20mAの像効果を得ることができる。
本発明による更に別の実施形態により、第1の光学要素の面は、回転対称部分を有し、回転対称部分の振幅は、非回転対称部分の振幅と比較して小さい。従って、光学要素の側方位置の不正確性は、回転時に僅かな望ましくない寄生収差しかもたらされない。
本発明による更に別の実施形態により、結像光学系は、非回転対称面が、全ての回転対称面に対して最高部と最低部の間に少なくともλの差を有するそれぞれの2次元面逸脱を有するという特に上述の定義による非回転対称面を有する光学要素を4つから8つ含む。
更に、本発明の態様により、物体視野を物体平面から像平面に結像するために波長λを有する電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系を提供する。更に、結像光学系は、光学系の像視野と共に、光学系を通過する放射線の波面が関数として定義される拡張4次元瞳空間を張る瞳を含む。本発明の態様により、光学要素のうちの少なくとも第1のものは、全ての回転対称面に対して2次元面逸脱を有する非回転対称面を有する。2次元面逸脱は、その最高部と最低部の間に少なくともλの差を有する。非回転対称面の部分口径比は、物体視野の全ての点において、結像ビーム経路に位置する光学要素の全ての他の面の物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱する。更に、第1の光学要素の面は、第1の光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、波面に対して回転対称面を備えた結像光学系の光学要素を変位させることに基づいてもたらすことができない変化を生成することができ、拡張4次元瞳空間内の波面変化の最大値が、波長λの少なくとも1×10-5倍であるように構成される。上述の結像光学系の有利な特徴の全ては、本発明によるこの実施形態に相応に適用することができる。
例えば、波面に対する2重対称性又はそれよりも多い回数の対称性を有する変化は、回転対称光学面を変位させることに基づいてもたらすことができない。しかし、ある一定の状況下では、1重対称性を有する特定の波面変化も、回転対称光学面を変位させることではもたらすことができない。本明細書の特定の部分において、回転対称光学面を変位させることによってもたらすことができる全ての波面変化を一般的な形態で定義する。この定義から、非回転対称面を有する本発明による光学要素の変位によって生成することができる全ての変化を導出することができる。
更に、本発明の別の態様により、物体視野を物体平面から像平面に結像するために波長λを有する電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系が製造される。本発明のこの態様により、光学要素のうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの点において各鏡面対称面から少なくともλ/10だけ、特に少なくともλ/5だけ逸脱する非鏡面対称面をそれぞれ有する。非鏡面対称面の部分口径比は、物体視野の各点において少なくとも0.01だけ、特に少なくとも0.02又は少なくとも0.05だけ互いから逸脱する。
上述の結像光学系の有利な特徴の全ては、本発明によるこの実施形態に相応に適用することができる。本発明により、上述の次元の対称性破壊を有する少なくとも2つの光学要素を含む光学系の製造は、事前に光学設計の中で達成される。本発明による方法の後述する実施形態のうちの1つにより、これは、結像光学系の光学設計において発生する。結像光学系の少なくとも2つの光学要素における上述の次元の鏡面対称性からの逸脱は、例えば、以下により詳細に説明する本質的に補正された非球面に適用される方法のようなその後の機械処理を用いては得ることができない。
更に、本発明の別の態様により、非鏡面対称面を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系のための光学要素が製造される。光学要素は、波長λを有する入射放射線の波面を変更するように構成され、非鏡面対称面は、少なくとも1つの点において各鏡面対称面から少なくとも10λだけ、特に少なくとも20λだけ逸脱する。本発明により、上述の次元の対称性破壊を有する光学要素の製造は、事前に光学設計の中で達成される。本発明による方法の後述する実施形態のうちの1つにより、これは、結像光学系の光学設計において発生する。個々の光学要素の上述の次元の鏡面対称性からの逸脱は、以下により詳細に説明する本質的に補正された非球面に適用される方法のようなその後の機械処理を用いては得ることができない。
更に、本発明の別の態様により、EUV波長範囲の波長λを有する入射放射線の波面を変更するように構成され、少なくとも1つの点において各回転対称面に対して少なくとも500λの逸脱を有する非回転対称面を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系のためのミラー要素を提供する。
この種の面は、いわゆるナノ自由曲面よりも球面形状からの大きい逸脱を有する。ナノ自由曲面は、設計によって必要とされる回転対称性からの逸脱を表している。この種のミラー要素は、要素を変位させることにより、回転対称面の変位に基づいてもたらすことができない上述の波面の変化を生成することができる本発明による光学系の光学要素として適切である。上述の結像光学系の有利な特徴の全ては、ここに説明した本発明による光学要素又はミラー要素に相応に適用することができる。
更に、本発明の別の態様により、所定の数の光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系の光学設計の方法を提供する。実施形態に基づいて、この結像光学系は、4つ、6つ、8つ、又は異なる数の光学要素を備えた結像光学系とすることができる。本発明のこの態様による方法では、第1の設計段階において、最適化アルゴリズムを用いて、光学系全体の波面誤差が、所定の閾値特性に到達するか又はそれよりも小さいような光学要素の面形状が判断される。更に、更に別の設計段階において、最適化アルゴリズムを用いて判断された面形状のうちの少なくとも1つが、操作形態による加法的オーバーレイによって修正され、操作形態は、修正面形状を含む光学要素を変位させた時に、光学系の波面誤差を変更することができるように構成される。
言い換えれば、本発明により、光学系全体の波面誤差を最小にする従来の光学設計計算が最初に行われる。この場合、第1の最適化アルゴリズムを用いて、例えば、ミラーの形態にあるとすることができる光学要素の面形状が、光学系全体の波面誤差が所定の閾値特性に到達するか又はそれよりも小さいように判断される。光学系全体の波面誤差は、光学系全体を通過した後の望ましい波面からの照射波の波面の逸脱であると理解すべきである。一般的に、照射波は、望ましい波面として球面波がもたらされるように構成される。閾値特性は、例えば、個々のゼルニケ係数に対して異なる閾値を指定する、ゼルニケ係数に対して一様な閾値を指定するか又は更に波面逸脱全体に対して1つのRMSだけを指定することができる。単一のゼルニケ係数に対する適切な閾値は、開口と、合計波面逸脱に対する要件とに基づいて、EUVシステムでは、例えば、0.2nm、0.1nm、又は更に0.05nmとすることができる。合計波面逸脱のRMS値に対する適切な閾値も同じく0.2nm、0.1nm、又は更に0.05nmとすることができる。
本発明による設計法の次の段階として、第1の段階において判断された面形状のうちの少なくとも1つが、操作形態による加法的オーバーレイによって修正される。操作形態は、操作形態によって修正面形状を有する光学要素を変位させた時に、波面誤差を望ましい方式で操作することができるように構成される。これに関連して、望ましい操作効果にも言及される。従って、操作形態は、例えば、操作形態を伴って構成されたミラーを変位させることにより、例えば、非点収差のような特定のゼルニケ像誤差又はゼルニケ像誤差の特定の組合せを変更することができるように設計することができる。ミラーの変位は、光学系の像平面と垂直に配置された基準軸に関するシフト、回転、及び/又は傾斜を含むことができる。
本発明による光学設計法は、上述の本発明による実施形態のうちの1つにおける結像光学系を製造することを可能にする。本発明による設計法を適用することにより、光学要素の光学面形状において大きい対称性逸脱を有する光学要素を生成する可能性を提供する。このようにして得られる逸脱は、光学要素の製造の下流の機械処理を用いて得ることができる逸脱よりも有意に大きい。光学要素の製造の下流の機械処理を使用する製造方法では、光学設計が、鏡面対称データを従来の方式で提供し、最初にこの光学設計に従って光学要素が製造され、最後にイオンビーム研磨によって鏡面対称性が破壊される。
本発明による一実施形態により、更に別の設計段階において、更に別の最適化アルゴリズムを用いて、非変位状態において少なくとも1つの光学面形状の修正によってもたらされる、光学系の波面誤差の変化が少なくとも部分的に補償されるように、非修正面形状が変化する。「非変位」状態は、修正面形状を含む光学要素が、基本設計によって指定された位置に対して変位しないことを意味すると理解すべきである。基本設計は、第1の設計段階において判断される設計であると理解すべきである。言い換えれば、操作形態を用いて当該光学要素を修正することによって加えられた、非変位状態にある光学系の波面への干渉が、更に別の光学要素の面形状を変更することにより、少なくとも部分的に、特に少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも75%、又は少なくとも50%だけ補償される。
本発明による更に別の実施形態により、使用される操作形態に関してマニピュレータ品質及び補償品質が判断される。マニピュレータ品質は、操作形態を含む光学要素を変位させることにより、波面誤差の特性を望ましい方式でどの程度変更することができるかを示している。補償品質は、非変位状態において操作形態を有する少なくとも1つの光学面形状を修正することによって生成される波面誤差の変化が、操作形態によって修正されない光学要素の面形状の変化によってどの程度補償されるかを示している。判断されたマニピュレータ品質及び判断された補償品質に基づいて、使用された操作形態が設計に使用されるか否かが判断される。
本発明の更に別の実施形態により、操作形態は、修正される面形状の直径にわたって1.5と10の間の空間周波数とも呼ぶ周期長を有する。
本発明による更に別の実施形態により、結像光学系は、波長λで作動するように構成され、操作形態は、全ての回転対称面に対してそれぞれの2次元面逸脱を有する非回転対称面を定義し、この2次元面逸脱は、その最高部と最低部の間に少なくともλの差又は山から谷までの値を有する。特に、この実施形態は、操作形態による加法的オーバーレイの後に、光学要素の面が、全ての回転対称面に対して少なくともλの山から谷までの値を有する非回転対称面を定義する場合も含む。
本発明による更に別の実施形態により、光学系は、物体視野を像平面に結像するように構成される。更に、操作形態によって修正された面の部分口径比は、物体視野の全ての点において、光学系の結像ビーム経路に位置する光学要素の全ての他の面のそれぞれの物体視野点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱する。
本発明による更に別の実施形態により、操作形態は、修正面形状を有する光学要素を変位させた時に、波面誤差に対して少なくとも2重の対称性を備えた部分を有する変化がもたらされ、拡張4次元瞳空間内の波面変化の最大値が、波長λの少なくとも1×10-5倍であるように光学系の波面誤差の特性を変更することができるように構成される。4次元瞳空間は、既に上述のように本発明による光学系に関して定義される。
本発明による更に別の実施形態により、操作形態は、修正面形状を有する光学要素を変位させた時に、光学系の波面誤差を特定の方式で変更することができるように構成される。波面誤差特性に対するこの変化は、回転対称面を有する光学要素の変位に基づいてもたらすことができない波面誤差に対するこの種の変化によって特徴付けられ、拡張4次元瞳空間内の波面変化の最大値は、波長λの少なくとも1×10-5倍である。
本発明による更に別の実施形態により、操作形態は、修正面形状を有する光学要素を変位させた時に、光学系の波面誤差の特性を波面誤差がゼルニケ像誤差によって特定的に補正されるように変更することができるように構成される。この種のゼルニケ像誤差は、例えば、ゼルニケ係数Z5によって特徴付けられる2次の非点収差、又はゼルニケ係数Z7及びZ8によって特徴付けられる3次のコマ収差とすることができる。この場合、「次」は、ラジアル次数を表している。
本発明による更に別の実施形態により、操作形態は、いくつかの基本形態を予め指定する段階と、基本形態のそれぞれ1つによる加法的オーバーレイにより、操作形態に向けて準備された面形状を模擬修正する段階と、基本形態の各々に対して、修正面形状を有する光学要素の少なくとも1つの変位の波面誤差に対する効果を計算する段階と、更に別の最適化アルゴリズムを用いて、望ましい操作効果に基づいて1組の基本形態を選択し、選択基本形態を組み合わせることによって操作形態を生成する段階とによって判断される。言い換えれば、最適化アルゴリズムは、適切な変位を実施する時に、基本形態が組合せで波面誤差の特性に対して望ましい変化をもたらすように基本形態を選択する。
本発明による更に別の実施形態により、操作形態は、修正光学要素のうちの1つの面形状における0.1nmから0.5nmの範囲の製造誤差の光学系の結像品質に対する効果を操作形態で修正された少なくとも1つの光学要素を変位させることによって少なくとも90%だけ補償することができる。好ましくは、操作形態は、一般的な、特に定常的に発生する製造誤差に適合される。
本発明による方法を用いて判断された設計に基づいて製造される結像光学系の波面誤差は、操作形態で修正された少なくとも1つの光学要素を変位させることによって補正することができる。更に、本質的に補正された非球面を生成するために、上述の方法と同様に、個々の面を後続処理することができる。追加的又は代替的に、変形可能ミラーを使用することができる。
更に本発明の別の態様により、所定の数の光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系の光学設計の方法を提供する。本方法では、光学要素の面形状が、メリット関数によって特徴付けられる最適化アルゴリズムを用いて判断される。メリット関数は、評価パラメータとして光学系全体の波面誤差及び少なくとも1つの操作感受性を含む。操作感受性は、光学要素のうちの1つの変位の波面誤差の所定の特性によって定義される光学系の収差に対する効果によって定義される。
言い換えれば、操作感受性は、操作ミラーと呼ぶミラーの変位への波面収差の依存性の応答特性を定義する。従って、操作感受性は、例えば、変位経路長のような変位の程度とこのようにして変更される波面収差の程度との間の関係を確立する。好ましくは、最適化アルゴリズムは、光学系全体の波面誤差が、所定の閾値特性に到達するか又はそれよりも小さく、少なくとも1つの光学要素の操作感受性が、特定の閾値に到達するか又はそれよりも小さいような光学要素の面形状を判断する。
この設計法は、1つの最適化アルゴリズムのみを用いて、本発明による上述の実施形態のうちの1つにある結像光学系を製造することを可能にする光学要素に関する設計データを生成することを可能にする。
上述の結像光学系の適切で有利な特徴は、本発明による設計法に相応に適用することができる。
本発明の上述の特徴及び更に別の有利な特徴を以下に続く本発明による例示的な実施形態の詳細説明に添付の模式的な図面を参照して例示する。
マイクロリソグラフィのための露光ツールの投影対物系のマスク構造を物体平面から像平面に結像する時の作動モードの図に投影対物系の瞳内の波面分布の例示的な図を添えた図である。 図1に記載の投影対物系の像視野の形状の例示的な図である。 図1に記載の投影対物系の瞳の形状の例示的な図である。 図1に記載の投影対物系の光学要素の面の球面からの逸脱の図である。 6つのミラー要素を有する図1に記載の投影対物系の例示的な実施形態を通る断面図である。 図5の投影対物系の第3のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図5の投影対物系の第4のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図5に記載の投影対物系の像視野の形状を示す図である。 特定の像誤差に対する第4のミラーの回転の効果、並びに第3及び第4のミラーの回転の効果を示す図である。 図10(a)と、図10(b)は、外乱光学系及び非外乱光学系のビーム経路の図である。 本発明による更に別の実施形態にある図1に記載の投影対物系のミラー要素の光学的使用領域の高さプロフィールのグレースケール図である。 6つのミラー要素を有する図1に記載の投影対物系の更に別の例示的な実施形態を通る断面図である。 図12の投影対物系の第1のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12の投影対物系の第2のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12の投影対物系の第3のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12の投影対物系の第4のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12の投影対物系の第5のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12の投影対物系の第6のミラー要素の面の非回転対称部分の部分等高線図である。 図12に記載の投影対物系のミラー要素の回転構成を示す図である。 図19の回転構成によるミラー要素の回転の像誤差に対する効果を示す図である。 図12に記載の投影対物系のミラー要素の更に別の回転構成を示す図である。 図21の回転構成によるミラー要素の回転の像誤差に対する効果を示す図である。 結像光学系の光学設計のための本発明による方法の実施形態を示す流れ図である。 結像光学系の本発明による実施形態を有するEUV投影露光ツールを示す図である。
以下に説明する例示的な実施形態において、機能的又は構造的に互いに類似の要素には、可能な限り同じか又は類似の参照番号を付与している。従って、特定の例示的な実施形態の個々の要素の特徴を理解するためには、他の例示的な実施形態の説明又は本発明の概要説明を参照されたい。
投影露光ツールの説明を容易にするために、図面内には、図に示す構成要素のそれぞれの相対位置を明らかにする直交xyz座標系を指定している。図1では、y方向は、作図面と垂直に作図面に向けて延び、x方向は右に、z方向は上方に延びている。
図1は、マイクロリソグラフィのための投影露光ツールの投影対物系の形態にある結像光学系10を略示している。作動中に、光学系10は、物体平面12に配置されたマスクの露光される領域、いわゆる物体視野13をウェーハが配置された像平面14に結像する。この場合、物体視野13は、ステップアンドスキャン投影露光ツールの場合の例を用いて図2に示す像視野16上に結像される。この場合、像視野16は、走査方向に、それに対する側方よりも短い矩形形状を有する。光学系10は、像平面14と垂直に配置された光学系軸を有する。
図1は、例として、物体視野13の2つの異なる点O1及びO2の像視野16の視野点B1及びB2上への結像のための光学系10を通るそれぞれの結像ビーム経路181及び182を示している。この場合使用される結像放射線19は、好ましくは、EUV波長範囲に収まる波長λ、特に100nmよりも短く、例えば、約13.5nm又は6.8nmの波長を有する。光学系10は、内部に開口絞り22が配置される瞳平面20を有する。
瞳平面20は、像平面14内の特定の視野点上に収束する結像放射線19の局所強度分布が、瞳平面20内でこの視野点における角度分解強度分布に対応することによって特徴付けられる。この対応は、結像光学系10がこの事例におけるものように湾曲補正される場合に保証される。図3に示す、開口絞り22によって境界が定められる瞳平面20の面を光学系10の瞳24と呼ぶ。
言い換えれば、一般的に、結像光学系10の瞳24により、結像ビーム経路の境界を定める開口絞り22の像が理解される。これらの像が位置することになる平面を瞳平面と呼ぶ。しかし、開口絞り22の像は必ずしも厳密に平坦ではないので、一般的に、これらの像に近似的に対応する平面を同じく瞳平面と呼ぶ。開口絞り自体の平面も、瞳平面と呼ぶ。開口平面が平坦ではない場合には、開口絞りの像の場合と同様に、開口絞りに最適に対応する平面を瞳平面と呼ぶ。
結像光学系10の入射瞳は、開口絞り22が、結像光学系10のうちで物体平面12と開口絞り22の間に位置する部分を通じて結像される場合に生成される開口絞り22の像であると理解すべきである。相応に射出瞳は、開口絞り22を結像光学系10のうちで像平面14と開口絞り22の間に位置する部分を通じて結像する場合に生成される開口絞り22の像である。
別の定義では、瞳は、結像光学系10の結像ビーム経路内で、物体視野点Onから発し、これらの物体視野点から発する主ビームに対してそれぞれ同じ照明角度に割り当てられた個別ビームが交わる領域である。この別の瞳定義による個別ビームの交点が位置する平面、又は必ずしも厳密に平面に位置しなくてもよいこれらの交点の空間分布の最も近くにくる平面を瞳平面と呼ぶことができる。
像平面14の像視野16の座標を(x,y)に示し、瞳平面20内の瞳24の座標を(p,q)に示している。像視野16の個別視野点Bnに収束する結像放射線の部分波Tnは、それぞれ瞳24内で特定の波面分布Wn(p,q)を有する。図1には例示目的で、像視野座標(x1,y1)を有するB1及び像視野座標(x2,y2)を有するB2という2つの像点に対して、例示的な波面分布W1(p,q)≡W(x1,y1,p,q)及びW2(p,q)≡W(x2,y2,p,q)を示している。これらの波面分布は、投影露光ツールの基本的な機能原理を示すためだけのように機能し、必ずしも本発明により発生する波面分布を表すわけではない。
従って、光学系10を通過する結像放射線19の波面Wを瞳平面20内で像視野(x,y)と瞳(p,q)とによって張られる拡張4次元瞳空間の関数として次式のように定義することができる。
W(x,y,p,q)=W(t)、ここで、t=(x,y,p,q) (1)
位置座標(x,y)及び瞳座標(p,q)は、座標が無次元であり、x2+y2≦1及びp2+q2≦1であるように、像視野16の最大高さ及び開口数NAに対して正規化される。
図5は、マイクロリソグラフィのための投影露光ツールの投影対物系の形態にある図1に記載の結像光学系10の本発明による例示的な実施形態を通る断面図を示している。この投影対物系は、EUV放射線を反射するように設計された6つのミラーM1からM6の形態にある反射光学要素のみを有する。
図5に記載の光学系10は、いわゆる自由曲面設計である。この設計では、ミラーM1からM6のうちの少なくとも3つの光学面には、いわゆる自由曲面が設けられる。この種の自由曲面26を図4に例示的に示している。本出願のフレームの範囲で、自由曲面は、回転対称ではなく、少なくとも1つの点において全ての回転対称面から少なくとも結像放射線19の波長λだけ逸脱する面であると理解すべきである。特に、全ての回転対称面に対して、特に最適適合回転対称基準面28又は最適適合球面基準面に対して、面26は、最高部と最低部の間に少なくともλの差を有する2次元面逸脱を有する。本発明による一実施形態により、この差は、10λ、30λ、50λ、又はそれよりも多くである。以下では、回転対称性からの面のこれらの逸脱を非球面性とも呼ぶ。「非球面性」という用語は、多くの場合に、球面形状からの逸脱のみを意味するより狭い意味に使用される。しかし、本出願の場合、「非球面性」という用語は、回転対称性からの逸脱も含む。
図5に記載の実施形態において、ミラーM1からM6の全てに自由曲面26が設けられる。この場合、回転対称基準面からの自由曲面のそれぞれの逸脱は、全体の光学系10内でこれらの非球面性が互いに相殺するように形成される。この場合、「相殺」は、単一の非球面性によって生成される光学効果が、単一の非球面性のそれぞれの補正効果と比較して小さい波面補正に集積的にそれぞれ互いに補完し合うことであると理解すべきである。言い換えれば、重ね合わされた光学効果は、球面波からの所定の最大逸脱よりも小さい。図5に記載の自由曲面設計では、この非回転対称ミラーの非球面性を補償する単一の要素が、非回転対称ミラーM1からM6のうちのいずれかに割り当てられるわけではない。これは、例えば、アルバレスマニピュレータ、又は例えば、EP 0 660 169 A1に説明されているように、正又は負の円柱レンズの組合せが設けられる円柱補償器とは対照的である。既に上述のように、図5により、ミラーM1からM6の全てが、その非球面性に関して、回転対称性からのミラーのそれぞれの逸脱によってもたらされる全体の光学系10の非回転対称像誤差が補償されるように設計される。言い換えれば、各ミラーM1からM6の非球面性は、それぞれ残りのミラーの全ての全体的な非球面性によってそれぞれ補償される。
ミラーM1からM6の各々において、部分開口直径が定義される。部分開口直径は、物体視野13の任意ではあるが特定的に選択された点を対応するミラー上に結像する時に照明されるそれぞれの面の最大直径によって与えられる。例示目的で、図5には、2つのミラーM1及びM2の物体視野13の点O1によってこれらのミラー上で照明される面の直径を示す部分開口直径d1 SA及びd2 SAを描き入れている。この図では、O1からミラーM1に延びる結像放射線のビーム経路181を特別に破線で印している。部分開口直径dSAは、物体視野13の点毎に変化する場合がある。
更に、ミラーM1からM6の各々において、光学的自由直径dCAが定義される。光学的自由直径dCAは、対応するミラーのそれぞれの基準軸の回りのそれぞれのミラーのうちで物体視野13全体を結像する時に照明される部分を含む最も小さい円の直径によって与えられる。それぞれの基準軸は、回転対称ミラー面の対称軸である。非回転対称ミラー面の場合には、基準軸は、面のうちの回転対称部分の対称軸又は最適適合回転対称基準面の対称軸である。一般的に、基準軸は、像平面上の法線と平行である。
言い換えれば、光学的自由直径dCAは、物体視野13の全ての点をビーム経路を通じて結像する時に、当該ミラーが中心で照明される場合のミラー面の照明部分の最大直径である。周囲照明の場合には、周囲照明区画を完全に含むミラー面の最小直径が使用される。図5に示すミラーM1からM6の全てが、ほぼ周囲で照明される。図にそれぞれ示すミラーM1からM6の面は、自由直径dCAを判断するのに決め手になる面である。例示目的で、ミラーM1及びM2におけるそれぞれの自由直径d1 CA又はd2 CAも描き入れている。
比率を取ることにより、ミラーM1からM6の各々における部分開口直径dSAと光学的自由直径dCAからいわゆる部分口径比が計算される。部分口径比も、ミラー内で物体点毎に変化する場合がある。図5に示す例示的な実施形態において、ミラー内のこの変化は無視することができる程に僅かである。下記の表1は、個々のミラーM1からM6において生成される部分口径比dSA/dCAを示している。更に、物体平面12、像平面14、及び瞳平面20内の部分口径比も示している。
(表1)
Figure 0006140074
表1から分るように、ミラーM1からM6の各々の部分口径比は、それぞれ残りのミラーの部分口径比から大幅に逸脱する。最も小さい逸脱はミラーM1とM4との間である。しかし、この場合の逸脱は、依然として0.03よりも大きい。光学系10の設計は、物体視野13の少なくとも1つの点、特に物体視野13の各点における逸脱が少なくとも0.01であるように形成される。この設計とは対照的に、互いに対で適合される上述のアルバレスマニピュレータは、部分口径比において小さい逸脱を有する。
図5に記載の例示的な実施形態において、ミラーM3及びM4は、光学系10の波面を操作するために、双方向矢印32及び34に示すように、像平面14に対して垂直な基準軸30に関して回転可能に配置される。図面内では、基準軸をz方向に配置している。従って、ミラーM3及びM4は、その回転位置に関して他のミラーに対してそれぞれ変位させることができる。光学系10の他の実施形態において、代替的又は追加的に、1つ又はそれよりも多くの光学要素は、その位置において変位可能に又は基準軸30に関して傾斜可能に装着することができる。
既に上述のように、ミラーM1からM6の全てが非回転対称面を有する。この種の非回転対称面のトポグラフィは、回転対称部分と非回転対称部分とに分割することによって例示することができる。この場合、原理的には、回転対称部分を全ての座標においてゼロにすることができる。
図6及び図7は、操作目的で回転可能に配置された、図5に記載の光学系10のミラーM3及びM4の面の非回転対称部分の等高線図を示している。それぞれの光学的使用領域を参照番号36に示している。
ミラーM3及びM4上の光学的使用領域36の面トポグラフィは、それぞれ最低次数で2重対称性を有する。基本的にk重対称性は、kが、当該ミラーを回転軸に関して360°/kだけ回転させた場合に面トポグラフィが変化せずに留まるか、又はそれ自体に転位する最も大きい自然数であることを意味すると理解すべきである。ミラーM3及びM4の場合には、当該回転軸383又は384は、それぞれの使用領域36の外側に位置する。当該回転軸383又は384に関するそれぞれのミラーM3又はM4の2重対称性を定義する180°の角度の回転の場合には、等高線付き領域36は、その回転の前には180°だけ回転された等高線付き領域と全く重ね合わせを持たないことになる。従って、ミラーM3及びM4に関する2重対称性は、別の定義又は上述の定義に対して拡張されたものを用いて特徴付けられる。
この定義により、x−y平面R2にわたって延びる(x,y)∈A⊂R2の面トポグラフィz(x,y)は、全ての(x,y)∈A及び(x+rcosφ,y+rsinφ)∈Aに対して次式の微分方程式が満たされる場合に、k回波打つか又はk回折り畳まれる(k∈N、及びN=自然数の組である時)。
Figure 0006140074
(2)
ここで(rcosφ,rsinφ)は、点(x,y)における極座標である。
(2)による定義は、面z(x,y)が回転軸として機能するz軸を含むか否かに無関係に適用される。図6及び図7に記載のミラーM3及びM4の光学的使用領域36は、それぞれ、この定義に従って対応する回転軸383又は384に関して2重対称性を有する。
更に、図6及び図7の面トポグラフィは、xz平面に関して鏡面対称性を有する。この鏡面対称性は、図5に記載の光学系10の面の全てにおいて示され、従って、光学系は全体としても鏡面対称である。
基準軸383又は384に関する2つのミラーM3及びM4の一方又は両方のミラーの回転は、全体の結像光学系10の2重外乱uを意味する。ミラー回転に起因するか又は一般的に少なくとも1つの光学要素の変位に起因する外乱uは、式(1)により(x,y,p,q)=tである拡張4次元瞳空間内で波面変化Wu(x,y,p,q)をもたらす。
波面変化Wuの概念の一般的な実施形態を提供するために、図10は、(a)の下に、この図では2つの光学レンズを用いて示す外乱のない光学系10のビーム経路を示している。物体平面12から光学系10を通って像平面14に至るまでの光路長OPLは、像視野座標(x,y)と瞳座標(p,q)との関数である。ここで(b)の下に示すように、第2の光学レンズを傾斜させることにより、光学系10内に外乱uが導入される場合には、光路長(OPL’)は変化する。外乱を有するシステムの経路長OPL’(x,y,p,q)と外乱を持たないシステムの経路長OPL(x,y,p,q)との間の差が波面変化Wu(x,y,p,q)である。
kが、光学系10のφk=2π/kの回転の後に、波面変化Wuが、それ自体の上に転位するような最も大きい自然数である時に、外乱をk回のものと呼び、この外乱はk重対称性を有する(3)。
Figure 0006140074
かつ(4)
Figure 0006140074
波面Wがいずれか任意の角度θの回転時に変化しない場合、すなわち、外乱uが回転対称である場合には、0重対称性を有する外乱ということができる。
図5に記載の光学系10の実施形態においてミラー回転によって生成される2重外乱に当てはまめると、次式をもたらす(4a)。
Figure 0006140074
k≠0では、外乱uに対して角度θk/2=π/(2k)だけ回転されたk回外乱vが、全てのk回外乱uに属する。外乱uとvとは、拡張瞳空間内でk≠0に基づいて線形独立である。スカラー積(1/π2)∫Wuvに関しても、これらの外乱は互いに直交し、位置及び瞳空間内の積分は、それぞれ単位円にわたって延びている。この場合、位相空間ベクトルは、最大視野高さ及び最大開口数に対して正規化したものである。小さい外乱振幅及びあらゆる中間角度θを有する外乱における波面変化は、線形近似で示される(5)。
Figure 0006140074
以下では、(4)のRφαと同じくRαを定義する。波面変化と外乱の両方を角度αだけ回転させる座標変換により、波面は変化してはならない(6)。
Figure 0006140074
従って、次式が成り立つ(7)。
Figure 0006140074
この変換挙動は、k=0を有する回転対称外乱に対して自明の方式で一般化される。負のk値への一般化も同じく簡単である。この場合、負の値は、uに関して(かつ正のkと比較して)反対の方向に回転された外乱vに対応する。従って、外乱u及びvの「多重」は|k|である。
例えば、Daniel Malacara著「光学実験測定法(Optical Shop Testing)」、第2版、John Wiley & Sons, Inc.出版、(1992年)、第13.2.3章から当業者に公知のゼルニケ関数は、極座標において次式で定義される(8)。
Figure 0006140074
ここで以下のようになる(9)。
Figure 0006140074

Figure 0006140074
上記に定義したZn ±mが、極座標から直交座標への変換x=ρcosφ及びy=ρsinφにおいて、直交座標の多項式に変化することは容易に納得されると考えられる。ゼルニケ多項式は、単位円上に次式のスカラー積を有する直交関数システムを形成する(10)。
Figure 0006140074
回転を有する変換挙動は次式によって与えられる(11)。
Figure 0006140074

Figure 0006140074
上述のゼルニケ関数Zm nは、Zjによるいわゆるフリンジ分類で表すことができ、この場合、cjは、それぞれのゼルニケ関数に割り当てられたゼルニケ係数である。フリンジ分類は、例えば、H.Gross著「光学系ハンドブック(Handbook of Optical Systems)」、第2巻、Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.、KgaA、Weinheim、2005年の215ページの表20−2に例示されている。この場合、物体平面12内の点における波面逸脱W(ρ,Φ)は、以下の通りに展開される(12)。
Figure 0006140074
この場合には、(1)とは対照的に瞳にしか関連しないが、簡略化の目的で、ここでも波面を表すのに同じくWを用いた。ゼルニケ関数をZjにより、すなわち、下付き文字の添字jを用いて表すのに対して、以下では、当業技術の慣例に従ってゼルニケ係数cjをZjにより、すなわち、標準文字の添字、例えば、非点収差におけるZ5及びZ6などを用いても表している。
図6及び図7に記載のミラーM3及びM4の面263及び264は、そのような非回転対称部分を伴って形成されるので、これらのミラーのうちの少なくとも一方の回転によってもたらされる波面変化Wu(x,y,p,q)は、絶対値が波長λの少なくとも1×10-5倍である極値を有し、λ=13.5nmでは、この値は少なくとも0.135pmである。Wa(x,y,p,q)が回転の前の波面であり、Wd(x,y,p,q)が少なくとも一方のミラーの回転後の波面である場合には、次式が適用される(13)。
Figure 0006140074
ここで、Bは像視野の点を示し、Pは瞳の点を示している。
図9は、図5に記載の光学系10におけるミラー回転によってもたらされる図8に示す円セグメント42に沿った外乱uの効果を示しており、この円セグメントは、像視野16内で延び、この事例ではリングセグメントの形態にある。図9に示す効果は、ゼルニケ多項式に基づく瞳内の収差の展開式においてゼルニケ係数Z5及びZ6(非点収差)、ゼルニケ係数Z7及びZ8(コマ収差)、並びにゼルニケ係数Z9(球面収差)に関連する。この図では、円セグメント42に沿った上述のゼルニケ係数の逸脱を一方でミラーM4だけの回転に対して、他方で両方のミラーM3及びM4の回転に対してそれぞれ示している。2つのミラーM3及びM4を回転させる場合には、回転は、適切に選択された固定の変換比に実施される。
図9のグラフから推察することができるように、ミラーM4を回転する場合には、Z5、Z6、及びZ7に関して高い感受性が存在する。上述の変換比による両方のミラーM3及びM4の回転は、ゼルニケ係数Z6を像視野にわたって一定の効果で別々に操作する可能性をもたらす。図9から分るように、この場合、ゼルニケ係数Z5、Z7、Z8、及びZ9は変化せず、又は殆ど変化せず、それに対してZ6は、像視野にわたって定常的に変化する。従って、図5から図7に記載の光学系10の実施形態は、ほぼ純粋なZ6非点収差マニピュレータを含む。
図5を参照して上述した結像光学系10の本発明による実施形態において、既に上述のように、ミラーM5及びM6の面は、上述のミラーの一方を回転させることにより、2重対称性を有する光学系10の波面変化Wuを生成することができるように構成される。
更に、結像光学系10は、本発明による複数の異なる実施形態で構成することができる。これらの実施形態は、全て、光学系の非回転対称面を有する光学要素のうちの1つの面が、この光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、回転対称光学要素の変位に基づいてもたらすことができない変化Wuを波面に対して生成することができるように構成される。この場合、波面変化Wu(x,y,p,q)の最大値は、波長λの少なくとも1x10-5倍である。光学要素の変位は、例えば、要素の回転、シフト、又は傾斜によってもたらすことができる。この目的のために、光学系10は、適切なアクチュエータを有する。
言い換えれば、非回転対称光学要素を変位させることにより、回転対称光学要素の変位に基づいて生成することができない波面変化を生成することができる。この波面変化の例は、図5に記載の実施形態を用いて生成することができる2重対称性を有する波面変化である。
本発明による実施形態を用いて生成することができる波面変化の全てを厳密に定義するために、以下では、最初に、回転光学要素の変位によって生成することができる波面変化の全てを示している。
この目的のために、最初に、k重対称性(θ=2π/k)を有する外乱uθによってもたらされる波面変化Wを場所のゼルニケ関数Zn m(x,y)と瞳のゼルニケ関数Zn’ m’(p,q)との積から構成される次式の直交関数システムに明確に分解する(14)。
Figure 0006140074
ここで、外乱uθのk重対称性に更に良好に適合する新しいベース関数を定義する(15)。
Figure 0006140074
ここでm,m’≧0である。ダッシュのない添字mは、視野内の波形を示し、ダッシュ付きの添字m’は、瞳内の波形を示している。ここで次式が適用される(16)。
Figure 0006140074
ここで、
Figure 0006140074
及び
Figure 0006140074
(16)
この新しい関数ベースは、角度αの回転によって次式の単純な変換挙動を示している(17)。
1=m−m’の時に、
Figure 0006140074
かつk2=m+m’の時に、
Figure 0006140074
従って、関数:
Figure 0006140074
は、k1波外乱を
有する(Wu,Wv)などを変換し、
Figure 0006140074
は、k2波外乱を有する(Wu,Wv)などを変換する。
対称性適合関数システムの変換挙動から、対応する展開係数:
Figure 0006140074
において、回転対称光学要素と非回転対称光学要素とに一般的に適用可能な以下の選択則が続く。
i)0波外乱に対して(18)、
Figure 0006140074
(ii)1波外乱に対して(19)、
Figure 0006140074
(iii)一般的に、k波外乱に対して(20)、
Figure 0006140074
上述の式から出発して、次に、回転対称光学要素の変位によって生成することができる波面変化の全てを選択則を用いて定義する。この場合、以下の間の変位において区別がつけられる。
a)光学要素の対称軸に沿った光学要素のシフト
b)光学要素の対称軸に直交する光学要素のシフト
c)光学要素の対称軸に直交する軸の回りの光学要素の傾斜
a)に記載の光学要素の対称軸に沿った光学要素のシフトは、次式で表すことができるゼロ波外乱である(21)。
u(x,y,p,q)=
Figure 0006140074
m≠m’である項、及び
Figure 0006140074
又は
Figure 0006140074
に比例する項は発生しない。
ここで、本発明による実施形態を次のように要約することができる。光学系10の非回転対称光学要素の一方にある面は、この光学要素を他方の光学要素に対して変位させることにより、波面に対して式(19)及び式(20)の下に言及した波面変化を含まない変化Wuを生成することができるように構成される。式(19)及び式(20)の下に言及した波面変化は、回転対称光学要素を変位させることによってもたらすことができる。
本発明により非回転対称光学要素によって生成することができる波面変化Wuは、2重及びそれよりも高い多重の対称性を有する全ての波面変化を網羅するが、適用される場合は1重対称性を有する一部の波面変化も対象とする。
b)に記載の光学要素の対称軸に直交する光学要素のシフト及びc)に記載の光学要素の対称軸に直交する軸の回りの光学要素の傾斜は、以下の通りに表すことができる1波外乱である(22)。
u(x,y,p,q)=
Figure 0006140074

Figure 0006140074
m≠m’±1である項、及び
Figure 0006140074
又は
Figure 0006140074
に比例する項は発生しない。
既に上述のように、図5から図7に記載の光学要素10の実施形態は、純粋なZ6、すなわち、他のゼルニケ多項式と関係のないZ6を生成することができ、従って、2次の非点収差に対処するマニピュレータを含む。以下では、Z12の純粋な操作、従って、4次の非点収差の操作に使用される光学系の実施形態を説明する。
新しいベース関数(15)及び係数(16)に関して、一般的な波面Wu(x,y,p,q)の一部分のk重対称性を展開式(16)に従って以下の項で定義する。
次式が成り立つ場合に、波面はk回対称であるという。
Figure 0006140074
及び
Figure 0006140074
次式が成り立つような自然数l(エル)が存在する場合には、波面は、少なくともk回対称であるという。
Figure 0006140074
及び
Figure 0006140074
次式が成り立つ場合に、波面は、k重対称性の一部分を含むという。
少なくとも1つのm’=m±kについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=m±kについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=−m±kについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=−m±kについて
Figure 0006140074
次式が成り立つような自然数l(エル)が存在する場合に、波面は、少なくともk回の対称性の一部分を含むという。
少なくとも1つのm’=m±lkについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=m±lkについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=−m±lkについて
Figure 0006140074
又は
少なくとも1つのm’=−m±lkについて
Figure 0006140074
この実施形態により、光学系10は、ミラー要素の形態にある光学要素を瞳の近くに含む。この関連において、瞳の近くは、このミラー要素の部分口径比dSA/dCAが少なくとも0.9であることを意味する。瞳の近くにあるこの要素の光学面は、その回転対称基本形状からz方向に、すなわち、光学系の像平面に対して垂直な方向に次式の逸脱を有する。
z(x,y)=cZ13(x,y) (23)
従って、光学面は2波形状である。z軸に関する要素のδの回転により、次式がもたらされる(24)。
Figure 0006140074

Figure 0006140074

Figure 0006140074
従って、面の回転時の形態変化は、2波である。この面は、要件によると瞳の近くにあるので、得られる主要な像誤差は視野一定であり、形態変化に比例し、すなわち、次式が成り立つ(25)。
Figure 0006140074
従って、
Figure 0006140074
である。全ての他のもの:
Figure 0006140074
及び従って特にm≠m’±k及びm≠m’±kに関するものは0である。
以下では、M2が、Z16形式の重ね合わせ形態を有する図5に示す光学系10の更に別の実施形態を説明する。この実施形態において、ミラーM1からM6の面26の非回転対称部分は、それぞれ、回転対称性からの基本逸脱と非回転対称重ね合わせ形態との組合せによって特徴付けられる。基本逸脱は、当該面26の基本形状gの非回転対称部分によって定義される。面26の基本形状gnを以下ではOnとも表し、これらは、光学系10の従来の設計最適化によって判断される。添字nは、対応するミラーM1からM6の出願番号第を示している。この種の最適化では、光学設計のフレームの範囲で、面形状は、光学系が望ましい光学特性を得るように構成される。望ましい光学特性は、例えば、全体の波面逸脱又は特定の像誤差の最小化を含むことができる。
光学設計の最適化を用いて判断されるミラーM1からM6の面26の基本形状gn(x,y)は、重ね合わせ形態sn(x,y)によって修正される。基本形状は、回転対称部分と上述の回転対称性からの基本逸脱とを含む。重ね合わせ形態sn(x,y)を用いた修正は、光学系設計のフレームの範囲で事前に発生し、すなわち、基本形状gn(x,y)を表す設計データは、重ね合わせ形態sn(x,y)によって修正される。重ね合わせ形態sn(x,y)は、ミラー面の基本形状gn(x,y)からのミラー面の逸脱を基準軸30に直交する座標x及びyの関数として示している。それぞれの面On(x,y)は、それぞれの基本形状gn(x,y)の対応する重ね合わせ形態sn(x,y)への加算により、次式の通りに判断される。
n(x,y)=gn(x,y)+sn(x,y) (26)
既に上述のように、ここで説明している実施形態により、ミラーM2の面O2(x,y)は、Z16形式の重ね合わせ形態s2(x,y)を有し、すなわち、s2(x,y)は、光学的使用領域の直径への適合値を法としてゼルニケ関数Z16(ρ,Φ)に比例する。1つの変形により、ゼルニケ関数Z16(ρ,Φ)に比例する部分に加えて、重ね合わせ形態S2(x,y)は、他の分布に従う更に別の部分を有する。重ね合わせ形態S2(x,y)は、重ね合わせ形態S2(x,y)を伴って構成されたミラーM2の変位時に、光学系10の波面誤差に対する操作効果がもたらされるように構成される。従って、重ね合わせ形態S2(x,y)を操作形態とも呼ぶ。
設計工程のフレームの範囲で、重ね合わせ形態s2(x,y)によって光学系10内に導入される波面逸脱は、残りのミラーM1、M3、M4、M5、及びM6に重ね合わせ形態を付加することによって可能な限り補償される。従って、重ね合わせ形態s1(x,y)、s3(x,y)、s4(x,y)、s5(x,y)、及びs6(x,y)を上述の機能の理由から補償形態とも呼ぶ。例えば、75nmの振幅が操作形態s2(x,y)に付加される場合には、残りのミラー上に操作形態を設けることにより、s2によって生成される波面誤差をゼルニケ係数Z5からZ37に関して約0.2nmの補正不能RMS値まで抑制することができる。
この場合、ゼルニケ係数Z2からZ8における極大値は約0.05nmである。この場合、マニピュレータとして5次の多項式が得られる。これは、空間方向のZ16の導出に対応する。
更に別の変形により、操作形態s2(x,y)は、ゼルニケ関数Z15(ρ,Φ)に比例する少なくとも1つの部分を有する。75nmの振幅がこの部分に同じく付加される場合には、残りのミラーに適切な補償形態を付加することにより、Z15形式の部分によって生成される波面誤差もまた、ゼルニケ係数Z5からZ37に関して約0.2nmの補正不能RMS値まで抑制することができる。この場合、ゼルニケ係数Z2からZ36における極大値は0.02nmよりも小さい。
図11は、本発明による更に別の実施形態にあるミラー要素Mの非回転対称面の光学的使用領域36の高さプロフィールを示している。この実施形態において、光学的使用領域36内の面は、鏡面対称性からの逸脱を有する。
この逸脱は、以下の通りに表れる。使用面36は、対称軸44に関する全ての鏡面対称面から、特に面36に最適に適合する鏡面対称面から少なくともλ/10だけ逸脱する。有利な実施形態において、この逸脱は、少なくともλ/2、特に少なくともλ、又は少なくとも10λである。本発明により、上述の対称性破壊を有する2つ又はそれよりも多くの光学要素が存在する実施形態にある結像光学系10と、1つの光学要素だけが対称性破壊を有する実施形態にある結像光学系10との間で区別がつけられ、この場合、対称軸44に関する全ての鏡面対称面からの逸脱は少なくとも10λである。
本発明の態様により、上述の対称性破壊は、光学設計において事前に達成される。従って、本発明の態様により、この光学設計は、従来の方法から逸脱する。これまで通例であったこととは異なり、この光学設計は、もはや最初の設計段階で計算された面区画を鏡像反転させることでは完了せず、実際には、光学的使用領域36全体が、設計進行のフレームの範囲で計算される。本方法を使用することによって設計はより複雑になり、更に対応する場合には、設計態様から光学系全体により大きな像誤差が割り当てられる点で劣るが、同時に対称性破壊により、本発明による特に有効なマニピュレータ特性を有する光学要素を装備することが可能になる。
本発明の実施形態に従って完成した光学要素の面領域36の鏡面対称面からの上述の逸脱は、鏡面対称設計及びその後の機械処理を用いて従来方式で得られる逸脱よりも大きい。従って、本発明による逸脱は、例えば、光学設計が鏡面対称データを従来の方式で供給し、最初に光学要素が光学設計に従って製造され、最後にイオンビーム研磨によって鏡面対称性が破壊される本質的に補正された非球面において適用されるICAとしても公知である方法を用いては達成されない。
図12は、マイクロリソグラフィのための投影露光ツールの投影対物系の形態にある図1に記載の結像光学系10の本発明による更に別の例示的な実施形態を通る断面図を示している。図5に記載の光学系10と同様に、この投影対物系は、EUV放射線を反射するように設計された6つのミラーM1からM6の形態にある反射要素のみを有する。
図12に記載のミラーM1からM6の全ての光学面は、それぞれ非回転対称形状を有するいわゆる自由曲面の形態にある。この場合、回転対称基準面の逸脱は、全体の光学系10内の非球面性が互いに相殺されるようにも形成される。図13から図18は、それぞれミラーM1からM6の面の光学的使用領域の非回転対称部分の等高線図を示している。図12では、一例として、ミラーM1の光学的使用領域に参照番号36を付与している。下記の表2には、図12に記載の光学系10のミラーM1からM6の全て、物体平面12、瞳平面20、及び像平面14における部分口径比dSA/dCAを示している。
(表2)
Figure 0006140074
表2から分るように、部分口径比は、互いから大幅に逸脱する。最も小さい逸脱は、ミラーM5とM6との間である。しかし、この場合にも、逸脱は0.05よりも大きい。
ミラーM1からM6の全てが、図12に記載の光学系10の波面を操作するために、像平面14に対して垂直な基準軸30に関して回転可能に配置される。この実施形態において、ミラーの全てが同じ回転軸を有する。しかし、他の実施形態において、個々のミラーに異なる回転軸を割り当てることができる。
図19は、波面W内のゼルニケ係数Z5の部分補正を可能にするミラーM1からM6の回転構成を示している。この目的のために、ミラーM1からM6におけるそれぞれの回転角φiを示している。図20は、図19に記載のミラーM1からM6の回転付近の像誤差散を示している。この図には、ゼルニケ係数Z2からZ16において像視野内で発生する最大値をそれぞれ示している。更に、例示目的で、非点収差をもたらす全てのゼルニケ係数(RMS_A)における最大RMS値、コマ収差をもたらす全てのゼルニケ係数(RMS_C)における最大RMS値、3回収差をもたらす全てのゼルニケ係数(RMS_3f)における最大RMS値、及びゼルニケ係数Z5からZ36における最大RMS値を示している。
簡単なハッチングの棒グラフは、回転前の開始位置を示しており、開始位置では、ゼルニケ係数Z5だけがゼロとは異なる。視野にわたるZ5における最大値に1nmを適用し、全ての他のゼルニケ係数の値に0nmを適用した。次に、ミラーM1からM6が、図19に分を単位として示す角度だけ回転された場合には、像誤差散は、図20にクロスハッチング棒グラフに示すように変化する。
Z5に対する値は半分未満に低下し、それに対して他のゼルニケ係数は、ゼロとは異なる値を取る。しかし、Z5からZ36をまとめたものにおけるRMS値は、約半分まで低下する。従って、図示の回転構成は、Z5における像誤差をかなりの程度まで補正することを可能にする。
図21は、図12に記載の結像システム10のミラーM1からM6の更に別の回転構成を示している。この回転構成を使用すると、Z6における像誤差を図22に示すように補正することができる。
図5に記載の光学系10を用いて上述したように、上述の実施形態のうちの1つにある光学系のミラーの面形状は、例えば、最初に設計計算からもたらされる非回転対称基本形状gを同じく非回転対称である重ね合わせ形態と組み合わせることによって形成することができる。重ね合わせ形態を考慮して製造される形状は、ミラー製造の基礎を形成する。操作形態として機能するこの種の重ね合わせ形態は、操作形態の導出が、ある一定の空間方向に補償される収差を生成するように構成することができる。
図23は、非回転対称面を有するミラーを含む上述の本発明による実施形態のうちの1つにあるマイクロリソグラフィのための結像光学系10の光学設計のための本発明による方法の実施形態を示す流れ図を示している。
図23に示す設計法では、最初の段階S1において、最初に全体の光学系10の波面誤差を最小にする従来の光学設計計算が実施される。この段階では、第1の最適化アルゴリズムを用いて、光学系全体の波面誤差が、所定の閾値特性に到達するか又は下回るように、ミラーの形態にある光学要素の面形状が判断される。閾値特性は、例えば、個々のゼルニケ係数に対して異なる閾値を指定し、ゼルニケ係数に対して一様な閾値を指定するか又は更に波面逸脱全体に対して1つだけのRMS値を指定することができる。ゼルニケ係数から導出される値に対する閾値を指定することができる。ゼルニケ係数に対する適切な閾値は、開口と波面逸脱全体に対する仕様とに基づいて、EUVシステムでは、例えば、0.2nm、0.1nm、又は更に0.05nmとすることができる。
次の段階として、ミラーの面上の加法的オーバーレイに向けて、以下でマニピュレータミラーとも呼ぶこのミラーを変位させた時に、波面誤差の特性を望ましい方式で操作することができるように構成された操作形態が指定される。これに関連して、望ましい操作効果にも言及される。従って、操作形態は、例えば、操作形態による作用を受けるミラーを変位させることにより、例えば、非点収差のような特定のゼルニケ像誤差又はゼルニケ像誤差の特定の組合せを変更することができるように設計することができる。ミラーの変位は、像平面と垂直に配置された基準軸に関するシフト、回転、及び/又は傾斜を含むことができる。
マニピュレータミラーとしての使用のための結像光学系のミラーの選択は、異なる基準に従って行うことができる。一実施形態により、光学系のミラーの全ての部分口径比が互いに比較され、光学系の残りのミラーのうちの可能な最も多くのもの部分口径比に可能な限り近い部分口径比を有する1つ又はそれよりも多くのミラーが、マニピュレータミラーとして選択される。ここでの部分口径比の定義は、上記に提供した定義に対応する。しかし、図5に示す例示的な実施形態によって分るように、1つ又はそれよりも多くのマニピュレータミラーの選択における判断は、他のファクタに依存する可能性もある。上述の表1は、図5に記載の光学系10のミラーM1からM6の部分口径比を示している。容易に分るように、ミラーM1、M3、及びM4の部分口径比、並びにミラーM5及びM6の部分口径比は、それぞれ、互いに比較的同様である。上述の例では、ミラーM3及びM4をマニピュレータミラーとして選択した。この選択では、部分口径比に加えて、例えば、利用可能な範囲、設定精度、寄生効果、及び望ましい操作形態の実現性のような他のファクタが考慮される。
操作形態は、図23の段階S2に説明しているように、第2の最適化アルゴリズムを用いて判断することができる。補正される像誤差、補正される最大振幅、及びビーム経路内でマニピュレータミラーとして選択されるミラーの位置が、操作形態の構成に対する基準として考慮される。
第1の例示的な実施形態により、第2の最適化アルゴリズムを用いて操作形態を判断するために、最初にいくつかの異なる基本形態が指定される。基本形態は、マニピュレータミラーの光学面上の形状を変更する基本変形を表している。基本形態は、ゼルニケ係数、スプライン、又は他の関数システムからの関数の形態にあるとすることができる。
最初に、基本形態でオーバーレイされた操作ミラーの基本形状の所定の変位による光学系の波面誤差に対する基本形態の各々の効果が計算される。この効果と変位経路長との比率をそれぞれの基本形態の感受性とも呼ぶ。変位経路は、平行移動の場合は距離を表し、回転又は傾斜の場合は角度間隔を表すことができ、又はこれらの組合せを表すことができる。感受性は、異なる種類のいくつかの所定の変位に対して計算することができる。最も単純な場合には、変位において、例えば、基準軸に関する全ての3つの空間方向の平行移動、傾斜、及び回転のような単純な剛体移動が考慮される。一変形により、これらの剛体移動の組合せを開発することができる。
感受性を計算するために、最初に、シミュレーションにより、すなわち、設計データセット内で、模擬ミラーの面形状が、基本形態のうちのそれぞれの1つによる加法的オーバーレイによって修正される。次に、基本形態の各々における変位経路長に基づいて、波面誤差に対する修正面形状を有する光学要素の少なくとも1つの変位の効果が判断される。この目的のために、全ての基本形態に対して、操作ミラーの非変位状態及び変位状態における光学系の波面が判断される。両方の波面の間の差が、当該基本形態における変位の光学効果に対応する。この差と変位経路長との比率を基本形態の感受性と呼ぶ。代替的に、操作形態の変位による光学効果の勾配を判断することができ、それに必要とされる操作形態を微積分を用いて計算することができる。
次に、望ましい操作の効果に対する操作形態が、第2の最適化アルゴリズムを用いて判断される。この場合、判断された基本形態の感受性及び例えば、製造可能性のような一般的な基本条件が基準として使用される。最適化アルゴリズムは、基本形態の適切な組を選択し、選択した基本形態の適切な組合せによって操作形態を形成する。この組合せは、適切に重み付けされた基本形態の重ね合わせによって実施される。この場合、ガウスの最小二乗法を使用することができる。
第2の例示的な実施形態により、第2の最適化アルゴリズムを用いて操作形態を判断するために、選択されたマニピュレータミラーにおける標準変位が最初に指定される。この標準変位は、異なる自由度において、例えば、特定の距離、例えば、約0.1pm又は1.0pmの長さの平行移動、特定の角度、例えば、約0.1prad又は1.0pradの値の回転、又は偏心及び/又は傾斜から構成されるより複雑な経路を含むことができる。EUV放射線に向けて設計された光学系の最適化の場合には、計算精度の観点から小さい標準変位を選択することを有利とすることができる。
次に、選択された操作ミラーの感受性sが、操作ミラーを上述の標準変位だけ変位させることによる操作ミラーの面形状の関数として判断される。感受性sは、選択された視野点に対して、例えば、ゼルニケ係数のような像誤差サイズを有するベクトルである。sのベクトル要素は、選択された像誤差サイズにおいて、段階S1に従って判断された非変位操作ミラーを有する光学系におけるそれぞれの像誤差サイズと、操作ミラーが標準変位だけ変位した光学系における対応する像誤差サイズの間の差を示している。
例示的な変形により、次に、設計メリット関数とも呼ぶ段階S1からのメリット関数とw(s−m)2という付加的な加算項とを用いて、第2の最適化アルゴリズムに対するメリット関数が形成される。ここでmは、得るべき感受性における望ましい値のベクトルであり、wは、設計メリット関数に対する適切な重み係数である。二乗は、スカラー積の形式で行われることになる。加算項は、線形回帰をもたらす。一実施形態により、第2の最適化アルゴリズムを実施する時には、操作ミラーの面形状のみが解放される。他のミラーの面は変更されず、段階S1で判断された形状を保持する。第2の最適化アルゴリズムのメリット関数は、望ましい補正効果と望ましい変位行程による望ましい補正効果の達成度との組合せ評価をもたらす。設計メリット関数に加算される項をw(s−pm)2+qp2+r/p2のように改良することができる。ここでpは、適切な倍率であり、それに対してq及びrは、対応する重み係数である。
図23に記載の段階S3では、選択された操作ミラーの面形状の設計データが、マニピュレータミラーとして選択されたミラーの面形状を用いて判断された操作形態の加法的オーバーレイによって修正される。一変形により、いくつかのミラーにおける操作形態を判断することができ、設計データは相応に修正される。
段階S4では、他のミラー、すなわち、操作形態で修正されないミラーの面形状が、第3の最適化アルゴリズムを用いて修正される。この修正の目的は、操作ミラーが非変位である状態で操作形態によって光学系内に導入される波面逸脱を少なくとも部分的に再度補償することである。言い換えれば、段階S4では、非変位状態において操作ミラーの面の修正によってもたらされる光学系の波面誤差の変化が少なくとも部分的に補償されるように、非修正面形状が、第3の最適化アルゴリズムを用いて変更される。操作形態による作用を受けない面形状のそれぞれの変化を補償形態とも呼ぶ。その結果、操作ミラー以外のミラーの全てに対して、段階S1の下で判断された基本形状とも呼ぶ面形状に追加的にオーバーレイされる補償形態が判断される。
既に上述のように、ここで判断される操作形態及び補償形態を「重ね合わせ形態」という一般的な用語によっても表している。像視野にわたる結像品質が実質的に影響を受けることのないように、すなわち、所定の像誤差仕様の範囲に留まるように、光学系のミラーの全ての重ね合わせ形態は、光方向に沿って全体で互いに相殺する。単一の視野点に対しては、唯一の要件としては開口にわたる全ての重ね合わせ形態の和がゼロに近いことが必要であることしかないので、この目的には解の無限の多様性が存在する。しかし、拡張像視野又はいくつかの点において離散化された像視野では、それぞれの合計は、更に別の像視野点のビーム経路にわたって消失すべきであり、又は少なくとも仕様の範囲に収まらなければならない。考慮した各視野点に対するこれらの多くの追加条件は、解の多様性を制限する。
好ましくは、光学系における重ね合わせ形態は、視野にわたって緩慢に変化する収差の進行を有するように構成される。この場合、十分な解の候補が利用可能であるためには、計算において限られた視野点数で十分である。一例示的実施形態により、例えば、収差の進行は、補償形態を計算するのにスロット形のスキャナ視野にわたる例えば5×13個の視野点を考慮することで十分であるように視野にわたって緩慢に変化する。この場合、重ね合わせ形態収差の合計に対して65個の条件が満たされることになる。
補償によって得られる光学系の波面誤差は、いわゆる補償品質kによって定量化される。補償品質kは、非変位状態において操作ミラーの面形状の修正によって生成される波面誤差の変化が、操作形態によって修正されないミラーの面形状の変化によってどの程度まで補償されるかを示している。理想的には、波面誤差は、段階S1で到達される閾値特性よりも低く抑制される。しかし、特に、操作ミラーは、波面誤差のある一定の収差を補正する可能性を開くので、以下により詳細に説明するように、この閾値特性が完全に到達されない場合であっても、ここでもまた満足できる。
言い換えれば、補償品質kは、変調形態によって修正されない面の形状が第3の最適化アルゴリズムを用いて修正された際に拠り所とした操作形態が与えられる設計の視野点分解像誤差サイズを示すベクトル要素を有するベクトルを構成する。
段階S5では、得られる補償品質に加えてマニピュレータ品質が評価される。マニピュレータ品質は、操作ミラーを望ましい方式で変位させることにより、波面誤差の特性をどの程度まで変更することができるかを示している。この評価は、例えば、マニピュレータ品質及び補償品質が所定の仕様又は閾値に到達するか否かを照会することによって実施することができる。補償品質に対しては、段階S1の下で予め指定された閾値特性に対して5%、10%、25%、更に例外的な場合には、更に、50%だけ低い閾値特性を適用することができる。
しかし、一変形により、評価中に、マニピュレータ品質及び補償品質に対して閾値を柔軟に形成することができる。従って、例えば、特に高いマニピュレータ品質が得られる場合には、補償品質に対する要件を低減することができ、その逆も同様である。
マニピュレータ品質は、異なる選択視野点における波面展開式の異なるゼルニケ係数に関連し、従って、対応するゼルニケ係数に関するマニピュレータ品質を示す個別ベクトル座標を有するベクトルfによって示すことができる。ベクトルfは、次式のように判断される。
Figure 0006140074
ここで、s、p、及びmは、段階S2の下での第2の例示的な実施形態におけるものと同じく定義され、h及びpは、fと同じ次元を取り、成分が正の実数からのものである値を有する関数である。例えば、関数h及び
Figure 0006140074
を使用することができ、これらは、成分毎に、h=hi、ここで、hi(p)=1又はhi(p)=p、及び
Figure 0006140074
ここで、
Figure 0006140074
で定義される。
補償品質k及び操作品質は、当業者に公知の方法で組み合わせることができ、例えば、w(s−pm)2+qp2+r/p2+tk2のようなメリット関数が形成される。ここでs、m、p、q、及びrは、段階S2の下での第2の例示的な実施形態におけるものと同じく定義され、tは適切なスカラー量であり、kは補償品質である。このメリット関数を用いて、段階S2及びS4を組み合わせることができ、最適化アルゴリズムが形成される。
補償品質の評価は、異なる基準に従って行うことができる。基本的に補償品質は、設計に割り当てられた誤差割当量と、光学系の作動中に適用される全体割当量とに依存する。補償品質を評価するために、例えば、求める設計割当量又は求める全体割当量に対する像誤差の相対比率を利用することができる。相対比率は、例えば、それぞれ関連するゼルニケ係数に対して形成することができる。補償不能な設計像誤差と設計割当量とからの比率が、特定の閾値よりも小さいか又はそれに等しい場合には、設計は、補償品質に関して十分であると考えられる。上述の比率に対する閾値は、例えば、1.05とすることができる。従って、例えば、0.1、0.9、1.0、又は1.05という比率は受け入れられる。一実施形態により、閾値よりも大きい比、例えば、1.06、1.5、又は2.0では、割当量消費は、全体割当量の状況の範囲で考えられる。ここで全体割当量に対する補償不能な設計誤差の相対比率が、0.3よりも明らかに大きく、又は0.5の領域内又はそれよりも大きい場合には、設計は、補償品質に関して受け入れられないことになる。しかし、用途に基づいて、いくつかのゼルニケ特定の例外を考えることができる。
マニピュレータ品質fの評価は、fに対して指定された閾値に基づいて行うことができる。一実施形態により、マニピュレータ品質は、fが成分毎に0.5という閾値よりも小さい場合に、肯定的に評価される。代替的に、閾値は、成分毎に0.1、好ましくは、0.03又は0.01とすることができる。
マニピュレータ品質及び補償品質の評価が肯定的であることが見出された場合には、設計法が完了する。少なくとも1つの判断された操作形態、及び判断された補償形態は、光学系の設計データの基準を形成し、ミラーを製造する時に適宜考慮される。
しかし、マニピュレータ品質及び補償品質の評価が否定的であることが見出された場合には、少なくとも1つの判断された操作形態と判断された補償形態の両方が拒否され、段階S2からS5が繰り返される。この場合段階S2では、操作形態を判断するのに決め手になるパラメータが変更され、従って、結果として異なる操作形態が判断される。この手順は、マニピュレータ品質及び補償品質に関する仕様を満たす操作形態が見つかるまで繰り返される。
マニピュレータ品質及び補償品質の否定的な評価の場合に段階S2で操作形態を判断する時に変更される決め手になるパラメータは、例えば、変位中の行程距離に関連することができる。段階S2の下での第2の例示的な実施形態により、選択された操作ミラーの感受性sは、行程距離に関連する。この距離を増大させることにより、設計は緩和され、それによって容易に補正可能な解を求めるのが簡単になる。
代替的又は追加的に、求める変調形態の感受性を変更することができる。従って、例えば、個々の像誤差パラメータが、得られる波面において特定的に影響を受けるように、初期判断された操作形態を変更することができる。
代替的又は追加的に、補償品質の否定的な評価の場合には、補償品質を判断する時の基準を形成する観察像誤差サイズの閾値を高めることができる。Z10よりも小さいゼルニケ係数、特にゼルニケ係数Z2及びZ3は、剛体移動によって容易に補正することができる。従って、例えば、容易に補正可能なゼルニケ係数に対する閾値を高めることを有利とすることができる。
代替的又は追加的に、補償品質の否定的な評価の場合には、全体の誤差割当量へのより大きい設計寄与を満足できる。
以下では、ミラーの形態にある所定の数の光学要素を有するマイクロリソグラフィのための結像光学系10の光学設計のための本発明による方法の更に別の実施形態を説明する。本方法により、ミラーの面形状は、品質関数とも呼ぶメリット関数によって特徴付けられる最適化アルゴリズムを用いて判断される。この場合に使用されるメリット関数は、評価値として、光学系全体の波面誤差及び少なくとも1つのいわゆる操作感受性を含む。操作感受性は、以下で操作ミラーとも呼ぶミラーのうちの1つの変位の光学系の収差に対する効果によって定義される。収差は、光学系の波面誤差の所定の特性によって定義され、個々のゼルニケ収差又はゼルニケ収差の組合せによって提供することができる。
言い換えれば、操作感受性は、マニピュレータミラーとして指定されたミラーの変位に依存する波面収差の応答挙動を定義する。変位は、上述の設計法に関して上述したように、あらゆる空間方向の平行移動、基準軸の回りの回転、及び/又は基準軸に対する傾斜を含むことができる。操作感受性は、例えば、変位経路長のような変位の程度とこのようにして変更される波面収差の程度との間の関係を定める。
この場合、最適化アルゴリズムは、光学要素の面形状に関する設計データを判断する。これらの設計データは、一方では、図23に記載の設計法の段階S1における場合と同様に、得られる光学系の波面誤差が、所定の閾値特性に到達するか又はそれよりも小さいように最小にされることを保証する。他方では、少なくとも1つの面パターンは、設計データ内で当該ミラーが上記に用いた術語による操作ミラーとして機能するように形成される。言い換えれば、このミラーは、変位した場合に、光学系の波面誤差の特性を変更することができ、それによって波面収差を特定的に補正することができるように構成される。
図23に記載の設計法と比較すると、メリット関数内に操作感受性を組み込むことにより、少なくとも1つのミラーがマニピュレータ機能を有する光学系設計を単一の最適化アルゴリズムを用いて開発することができる。
上述の最適化アルゴリズムは、当業者によって一般的に使用される様々なアルゴリズムを含むことができる。これは、特に、図23に記載の実施形態にある最適化アルゴリズム、及び評価パラメータとして操作感受性を含むメリット関数を有する最適化アルゴリズムに適用される。当業者によって一般的に、使用される上述のアルゴリズムは、特に、SVDとも呼ぶ特異値分解、LSQとも呼ぶガウスの最小二乗法、減衰LSQ、線形計画法、2次計画法、及び凸計画法を含む。上述のアルゴリズムに関する詳細に関しては、WO 2010/034674 A1を明示的に参照されたい。当業者によって一般的に使用され、本発明による設計法における使用に適する更に別の最適化アルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、蟻アルゴリズム、洪水アルゴリズム、模擬アニーリング、整数計画法、並びに古典的組合せ方法を含む。
図24は、投影対物系の形態にある結像光学系10の更に別の実施形態にあるマイクロリソグラフィのための投影露光ツール50の実施形態を示している。投影露光ツール50は、EUV波長範囲で作動するように設計され、EUV露光放射線54を生成するための露光放射線源52を含む。露光放射線源52は、例えば、プラズマ放射線源の形態で設計することができる。露光放射線54は、最初に照明光学系56を通過し、照明光学系56によってマスク58上にもたらされる。マスク58は、ウェーハの形態にある基板62上への結像のためのマスク構造を含み、「レチクル台」とも呼ぶマスク移動台60上に変位可能に装着される。
露光放射線54は、マスク58上で反射され、次に、マスク構造を基板62上に結像するように構成された投影対物系の形態にある結像光学系10を通過する。基板62は、「ウェーハ台」とも呼ぶ基板移動台64上に変位可能に装着される。投影露光ツール50は、いわゆる「スキャナ」として設計することができ、又はいわゆる「ステッパ」として設計することができる。露光放射線54は、照明光学系56及び結像光学系10内で、反射光学要素であるミラーの形態にある複数の光学要素を用いて誘導される。反射光学要素は、EUVミラーの形態で構成され、従来の複数コーティング、例えば、MoSi複数コーティングが設けられる。
図24に記載の実施形態において、結像光学系10は、ミラーM1からM4の形態にある4つの反射光学要素のみを含む。この実施形態において、ミラーの全てが移動可能に装着される。ミラーM1、M2、及びM3は、これらのミラーのそれぞれの光学面に対して側方に変位可能に装着され、ミラーM4は傾斜可能に装着される。従って、ミラーM1からM4の全てを波面を操作するのに使用することができる。ミラーM1からM4のうちの1つ又はそれよりも多くは、非回転対称形状を有する上述の操作形態のうちの1つを含む。従って、この実施形態において、操作形態を伴って構成されないミラーは、システム内に更に別の自由度を有するように移動可能に装着される。しかし、これらのミラーの可動性は、操作形態のマニピュレータ機能において任意的である。
参照番号のリスト
10 結像光学系
12 物体平面
13 物体視野
1、O2 物体視野点
14 像平面
15 光学系軸
16 像視野
1、B2 像視野点
181、182 結像ビーム経路
19 結像ビーム経路
20 瞳平面
22 開口絞り
24 瞳
1、T2 部分波
M1〜M6 ミラー
M ミラー
26 自由曲面
28 基準面
30 基準軸
32 双方向矢印
34 双方向矢印
36 光学的使用領域
36’ 180°回転領域
383、384 回転軸
40 残りの領域
42 円セグメント
44 対称軸
50 マイクロリソグラフィのための投影露光ツール
52 露光放射線源
54 露光放射線
56 照明光学系
58 マスク
60 マスクシフト台
62 基板
64 基板シフト台
10 結像光学系
14 像平面
22 開口絞り
26 自由曲面
M1〜M6 6つのミラー

Claims (29)

  1. マイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系であって、
    物体視野を像平面に結像するために波長λを有する電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素と、
    座標(p,q)を有し、座標(x,y)を有する光学系の像視野と共に、該光学系を通過する前記放射線の波面W(x,y,p,q)が関数として定義される座標(x,y,p,q)を有する拡張4次元瞳空間を張る瞳と、
    を含み、
    前記光学要素のうちの少なくとも第1のものは、全ての回転対称面に対してそれぞれの2次元面逸脱を有する非回転対称面を有し、該2次元面逸脱は、その最高部とその最低部の間に少なくともλの差を有し、
    前記非回転対称面の部分口径比が、物体視野の全ての点において、前記結像ビーム経路に位置する前記光学要素の全ての他の面の該物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱し、
    前記第1の光学要素の前記面は、該第1の光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、光学系の前記波面に対して少なくとも2重の対称性を備えた部分を有する変化をもたらすことができ、前記拡張4次元瞳空間内の該波面変化の最大値が、前記波長λの少なくとも1×10-5倍であるように構成される、
    ことを特徴とする結像光学系。
  2. 前記第1の光学要素は、前記結像ビーム経路内で該第1の光学要素に隣接して配置された光学要素に対して5cmの最小距離を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
  3. 前記光学要素の各々に対する前記部分口径比は、他の光学要素のそれぞれの部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結像光学系。
  4. 前記光学要素は、該光学要素のうちの2つのどの組合せも非回転対称光学要素の光学効果を有するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の結像光学系。
  5. 前記光学の前記非回転対称面の全てが、互いに共役ではない平面に配置される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の結像光学系。
  6. 前記光学要素は、ミラーとして構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結像光学系。
  7. 前記光学要素は、EUV放射線の形態にある前記電磁放射線を誘導するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結像光学系。
  8. 前記光学要素の少なくとも3つが、非回転対称面を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結像光学系。
  9. 前記第1の光学要素の前記変位は、該第1の光学要素の回転を含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の結像光学系。
  10. 前記第1の光学要素の前記変位は、前記像平面と垂直に配置された基準軸に関する該第1の光学要素の回転及び/又は傾斜を含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の結像光学系。
  11. 少なくとも前記第1の光学要素を回転させることにより、結像光学系の非点収差を変更することができる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の結像光学系。
  12. 前記波面を変更するように機能する前記第1の光学要素の前記変位は、前記非回転対称面に最適に適合する球面の中心点を通る回転軸に関して該第1の光学要素を回転させることによって実施される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の結像光学系。
  13. 前記第1の光学要素の前記変位は、該第1の光学要素のシフトを含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の結像光学系。
  14. 前記第1の光学要素の前記面の非回転対称部分が、n重対称性を有し、nの値が、少なくとも2である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の結像光学系。
  15. 前記第1の光学要素の前記面の非回転対称部分が、非点収差形態を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の結像光学系。
  16. 前記第1の光学要素の前記面は、回転対称部分を有し、該回転対称部分の振幅が、前記非回転対称部分の振幅と比較して小さい、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の結像光学系。
  17. 非回転対称面を有する4つから8つの光学要素を含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の結像光学系。
  18. マイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系であって、
    物体視野を像平面に結像するために波長λを有する電磁放射線を結像ビーム経路内で誘導するように構成された光学要素と、
    座標(p,q)を有し、座標(x,y)を有する光学系の像視野と共に、該光学系を通過する前記放射線の波面W(x,y,p,q)が関数として定義される座標(x,y,p,q)を有する拡張4次元瞳空間を張る瞳と、
    を含み、
    前記光学要素のうちの少なくとも第1のものが、全ての回転対称面に対してその最高部とその最低部の間に少なくともλの差を有する2次元面逸脱を有する非回転対称面を有し、
    前記非回転対称面の部分口径比が、物体視野の全ての点において、前記結像ビーム経路に位置する前記光学要素の全ての他の面の該物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱し、
    前記第1の光学要素の前記面は、該第1の光学要素を他の光学要素に対して変位させることにより、回転対称面を備えた結像光学系の光学要素を変位させることによってもたらすことができない前記波面に対する変化を生成することができ、前記拡張4次元瞳空間内の該波面変化の最大値が、前記波長λの少なくとも1×10-5であるように構成される、
    ことを特徴とする結像光学系。
  19. マイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系であって、
    物体視野を物体平面から像平面に結像するための結像ビーム経路内で波長λを有する電磁放射線を誘導するように構成された光学要素、
    を含み、
    前記光学要素のうちの少なくとも2つが、少なくとも1つの点において各鏡面対称面から少なくともλ/10だけ逸脱する非鏡面対称面をそれぞれ有し、
    前記非鏡面対称面の部分口径比が、前記物体視野の各点において少なくとも0.01だけ互いから逸脱する、
    ことを特徴とする結像光学系。
  20. 請求項1から請求項17に記載の少なくとも1つの更に別の特徴を有する、
    ことを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の結像光学系。
  21. マイクロリソグラフィのための結像光学系、特に投影対物系のための光学要素であって、
    波長λを有する入射放射線の波面を変更するように構成され、少なくとも1つの点において各鏡面対称面から少なくとも10λだけ逸脱する非鏡面対称面、
    を含むことを特徴とする光学要素。
  22. 所定の数の光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系の光学設計の方法であって、
    最適化アルゴリズムを用いる第1の設計段階において、光学要素の面形状が、光学系全体の波面誤差が所定の閾値特性に到達するか又はそれよりも小さいように判断され、
    更に別の設計段階において、前記最適化アルゴリズムを用いて判断された前記面形状のうちの少なくとも1つが、操作形態による加法的オーバーレイによって修正され、該操作形態は、該修正面形状を含む前記光学要素を変位させた時に前記光学系の波面誤差を変更することができるように構成され、そして、
    前記操作形態による加法的オーバーレイによって修正される前記面形状の前記少なくとも1つの部分口径比が、前記結像光学系の物体視野の全ての点において、前記結像光学系の前記結像ビーム経路に位置する前記光学要素の全ての他の面の該物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱するよう、前記第1の設計段階において前記光学要素の前記面形状が判断される
    ことを特徴とする方法。
  23. 更に別の設計段階において、非修正面形状が、非変位状態において前記少なくとも1つの光学面形状の前記修正によってもたらされる前記光学系の前記波面誤差の変化が少なくとも部分的に補償されるように更に別の最適化アルゴリズムを用いて変更される、
    ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. マニピュレータ品質及び補償品質が、使用された前記操作形態に関して判断され、
    前記マニピュレータ品質は、前記操作形態を含む前記光学要素を変位させることによって前記波面誤差の前記特性を望ましい方式でどの程度変更することができるかを指定し、前記補償品質は、前記非変位状態において該操作形態を有する前記少なくとも1つの光学面形状を修正することによって生成される該波面誤差の変化が、操作形態によって修正されない前記光学要素の前記面形状の変化によってどの程度補償されるかを指定し、
    判断された前記マニピュレータ品質及び判断された前記補償品質に基づいて、使用された前記操作形態が前記設計に使用されるか否かが判断される、
    ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記結像光学系は、波長λで作動するように構成され、前記操作形態は、全ての回転対称面に対してそれぞれの2次元面逸脱を有する非回転対称面を定義し、該2次元面逸脱は、その最高部とその最低部の間に少なくともλの差を有する、
    ことを特徴とする請求項22から請求項24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記操作形態は、前記修正面形状を有する前記光学要素を変位させる時に、前記光学系の前記波面誤差の特性を該波面誤差に対して少なくとも2重の対称性を備えた部分を有する変化がもたらされ、かつ拡張4次元瞳空間内の該波面変化の最大値が波長λの少なくとも1×10-5であるように変更することができるように構成される、
    ことを特徴とする請求項22から請求項25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記操作形態は、前記修正面形状を有する前記光学要素を変位させる時に、前記光学系の前記波面誤差を該波面誤差がゼルニケ像誤差によって特定的に補正されるように変更することができるように構成される、
    ことを特徴とする請求項22から請求項26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記操作形態は、
    いくつかの基本形態を予め指定する段階と、
    前記基本形態のそれぞれ1つによる加法的オーバーレイにより、前記操作形態に提供される前記面形状の模擬修正の段階と、
    前記基本形態の各々に対して前記修正面形状を有する前記光学要素の少なくとも1つの変位の前記波面誤差に対する効果を計算する段階と、
    望ましい操作効果に基づいて更に別の最適化アルゴリズムを用いて1組の基本形態を選択し、該選択基本形態を組み合わせることによって前記操作形態を生成する段階と、
    によって判断される、
    ことを特徴とする請求項22から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 所定の数の光学要素を含むマイクロリソグラフィのための結像光学系の光学設計の方法であって、
    光学要素の面形状が、第1の光学要素の面形状の部分口径比が、前記結像光学系の物体視野の全ての点において、前記結像光学系の結像ビーム経路に位置する前記光学要素の全ての他の面の該物体視野のそれぞれの点における部分口径比から少なくとも0.01だけ逸脱するよう、メリット関数によって特徴付けられる最適化アルゴリズムを用いて判断され、
    前記メリット関数は、光学系全体の波面誤差及び少なくとも1つの操作感受性を評価パラメータとして含み、該操作感受性は、該波面誤差の所定の特性によって定義される該光学系の収差に対する前記第1の光学要素の変位の効果によって定義される、
    ことを特徴とする方法。
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