JP6136653B2 - 車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法、及び車輪用転がり軸受装置の製造方法 - Google Patents

車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法、及び車輪用転がり軸受装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法、及び車輪用転がり軸受装置の製造方法に関する。
自動車の車輪を回転自在に支持するための車輪用転がり軸受装置においては、車体側に固定される外輪部材と、この外輪部材の内周内方に配置されて内輪を構成する軸部材と、外輪部材と軸部材との間に転動自在に介在した転動体とを備えたものがある。前記軸部材は、前記外輪部材の内周内方に同心配置された軸部と、前記軸部外周面から径方向外側に延びている車輪取付用のフランジ部とを有しており、車体に対して回転自在に支持されている。車輪用転がり軸受装置は、前記軸部材のフランジ部に車輪が取り付けられることで前記車輪を車体に対して回転自在に支持する。
上記車輪用転がり軸受装置の軸部材は、熱間圧延によって円柱状に形成された棒鋼を寸切りしたものを素材として用い、冷間鍛造によって形成し製造される。特に前記軸部材において、径方向外側に延びているフランジ部は、前記素材に対して側方押出加工を行うことによって一体に成形される(例えば、特許文献1参照)。
前記軸部材の素材として用いられる棒鋼の表面には、熱間圧延時に生じる軸方向に沿ったしわ疵が存在することがある。このようなしわ疵は、その深さが微小ではあるが、前記素材においてフランジ部に対応する部分にしわ疵が存在した状態で、側方押出加工を行いフランジ部を形成すると、当該フランジ部の外周面には周方向に沿って引張応力が大きく作用するため、フランジ部の外周面に存在するしわ疵が拡大する方向に引っ張られて目立つ状態となり、外観上の品質を低下させる要因となっていた。
上記しわ疵は、その深さが微小(例えば、0.2mm以下程度)であるため、外周表面に対して旋削加工を行えば、しわ疵を除去することができる。
このため、冷間鍛造前の素材の表面に対して旋削加工を行うことで、しわ疵を除去することが行われていた。これによって、フランジ部にしわ疵が現れることはなく、外観上の品質が損なわれるのを抑制していた。
特開2006−111070号公報
図6は、素材に対して従来から行われている、しわ疵を除去するための旋削加工の工程を示す図である。図6(a)に示すように、棒鋼である素材100の表面には、軸方向に沿ったしわ疵101が生じているものとする。
図6(b)に示すように、所定寸法に寸切りされた素材100の軸方向一方側の端縁を旋盤等のチャック102によって把持し、外周表面の内、軸方向他方側の約半分の面に対して旋削加工を行う(第1工程)。
上記第1工程の後、素材100をチャック102から取り外した後、素材100の軸方向他方側の端縁をチャック102によって把持し直し、外周表面の内、軸方向一方側の約半分の面に対して旋削加工を行う(第2工程)。
上記のように、素材からしわ疵を除去するための旋削工程においては、一つの素材に対して一度チャックで把持して一方側を加工した後、他方側を加工するために加工後の素材を取り外して再度把持し直さなければならないので、多くの工数を要するという問題を有していた。
上記のように、多くの工程を要するしわ疵除去のための旋削加工が、車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造コストを増大化させる要因の一つとなっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、より少ない工数でしわ疵を除去することができる車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法、及び車輪用転がり軸受装置の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、より少ない工数でしわ疵を除去するための方策について鋭意研究を進める中で、冷間鍛造によって周方向に沿って引張応力が大きく作用するフランジ部において、しわ疵が外観に与える影響が顕著であり、冷間鍛造によって周方向に沿う引張応力が大きく作用しない他の部分においては、しわ疵が外観に与える影響が低いという知見を得た。本願発明者らは、この知見に基づいて本願発明を完成させた。
すなわち、上記目的を達成するための本発明は、車輪取付用のフランジ部を有する車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法であって、前記軸部材の素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分以外の部分を把持し、前記素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分に対して、旋削加工を行って前記素材の表面欠陥を除く旋削工程と、前記旋削工程後の前記素材に対して冷間鍛造によって前記フランジ部を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成の車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法によれば、しわ疵が外観に与える影響が顕著な部分である素材のフランジ部に対応する部分にしわ疵が存在していたとしても、そのフランジ部に対応する部分に対して旋削加工を行って素材の表面欠陥を除くので、その後に冷間鍛造によって形成されるフランジ部にはしわ疵が現れない。
また、本製造方法では、フランジ部に対応する部分以外の部分を把持し、フランジ部に対応する部分に対して旋削加工を行うので、上記従来例のように一度一端部を把持した素材を取り外して再度他端部に把持し直すことなく、旋削加工を行うことができる。
この結果、旋削加工に要する工程を減らすことができ、より少ない工数でしわ疵を除去することができる。
上記車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法の内、前記旋削工程において、前記フランジ部の外周面に対応する部分のみに対して前記旋削加工を行うものであることが好ましい。
素材におけるフランジ部の外周面に対応する部分は、冷間鍛造時に周方向に沿って引張応力が大きく作用するため、しわ疵が存在すると、フランジ部に形成された後の外観に与える影響が顕著となる。
一方、素材におけるフランジ部の外周面に対応する部分以外の部分は、冷間鍛造時に周方向に沿った引張応力が大きく作用しないため、しわ疵が存在していたとしても、フランジ部の外周面ほどにしわ疵が外観に与える影響が少ない。
このため、上記構成のように、素材におけるフランジ部の外周面に対応する部分のみに対して旋削加工を行えば、他の部分については旋削加工を行わなくとも、外観上の品質を低下させることがない。よって、他の部分については旋削加工を行わないことによって、旋削加工の加工時間を短縮でき、旋削加工に要する工程をさらに減らすことができる。
また、前記軸部材が、外輪の内周側に同心配置される軸部と、前記軸部の一端部に形成されるとともに車輪の中心孔に嵌合される嵌合先端部と、を有するとともに、前記フランジ部が、前記軸部外周面の一端部側に形成されており、前記旋削工程において、前記素材の軸方向両側の先端部の内の一方を前記嵌合先端部としたときの前記フランジ部に対応する第1部分、及び、前記素材の軸方向両側の先端部の内の他方を前記嵌合先端部としたときの前記フランジ部に対応する第2部分の両方に対して前記旋削加工を行うものであってもよい。
この場合、素材の軸方向両側の先端部の内、いずれを嵌合先端部として加工したとしても、フランジ部に対応する部分(第1部分、及び第2部分)に対して、旋削加工が行われる。このため、フランジ部を形成する工程において、素材の軸方向の方向性に関係なくフランジ部を形成することができる。
また、本発明は、外輪部材と、車輪取付用のフランジ部を有するとともに前記外輪部材の内周側に同心配置されて内輪部材を構成する軸部材と、を備えた車輪用転がり軸受装置の製造方法であって、前記軸部材の素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分以外の部分を把持し、前記素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分に対して、旋削加工を行って前記素材の表面欠陥を除く旋削工程と、前記旋削工程後の前記素材に対して冷間鍛造によって前記フランジ部を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成の車輪用転がり軸受装置の製造方法によれば、旋削加工に要する工程を減らすことができ、より少ない工数でしわ疵を除去することができる。
本発明の一実施形態に係る車輪用転がり軸受装置の断面図である。 内軸の製造工程を示す図である。 素材に対する旋削加工の態様を説明するための図であり、(a)は、素材の外周面において旋削加工を行う部分を示す図、(b)は、素材から形成される内軸3を示す図であり、(a)に示す素材との間で軸方向における各部分が対応するように示している。 素材を冷間鍛造する際の態様を説明するための図である。 変形例に係る、素材に対する旋削加工の態様を説明するための図である。 素材に対して従来から行われている、しわ疵を除去するための旋削加工の工程を示す図である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る車輪用転がり軸受装置の断面図である。この車輪用転がり軸受装置1は、自動車などの車両の車輪を回転自在に支持する装置として用いられるものである。
車輪用転がり軸受装置1は、外輪部材2と、外輪部材2の内周側に同心配置された内輪部材としての内軸3と、複列に配置され外輪部材2及び内軸3の間に転動自在に介在している複数の転動体としての玉4と、外輪部材2及び内軸3の間の環状空間の開口を密封するシール部材5と、両列の玉4を周方向に保持する一対の保持器6とを備えており、複列のアンギュラ玉軸受を構成している。
外輪部材2は、機械構造用合金鋼や軸受鋼等を用いて形成された円筒状の部材であり、その内周面に第1外輪軌道2a、及び第2外輪軌道2b形成されている。
内軸3は、機械構造用合金鋼や機械構造用炭素鋼等を用いて形成された軸状の部材であり、車輪(図示せず)が一体に取り付けられる軸部材を構成しており、本体部10と、円環状に形成された環状部材11とを組み合わせて成るものである。
本体部10は、外輪部材2の内周側に同心配置されている軸部12と、軸部12の一端部に形成されるとともに前記車輪の中心孔に嵌合される嵌合先端部13と、軸部12の外周面の一端部側に形成された車輪取付用のフランジ部14とを有している。
フランジ部14は、軸部12の外周面から径方向外方に延びて環状に形成されている。また、フランジ部14には、車輪を固定するための複数本のハブボルト15がボルト孔14cに固定されている。
嵌合先端部13は、軸部12の端部に形成されることで、フランジ部14のフランジ面14aから突出して形成されている。嵌合先端部13は、本体部10の先端面に形成された軸方向に凹んでいる凹部13aによって円筒状に形成されている。
前記車輪は、中心孔に嵌合先端部13が嵌合されるとともにフランジ面14aに当接した状態で、ハブボルト15に取り付けられるハブナット(図示せず)を締め付けることによってフランジ部14に一体に固定される。
また、軸部12の外周面には、第1外輪軌道2aに対向している第1内輪軌道12aが形成されている。また、軸部12の他端部には第1内輪軌道12aよりも小径の小径部12cが形成されている。この小径部12cには、上述の環状部材11が外嵌固定されている。
環状部材11は、機械構造用合金鋼や軸受鋼等によって形成された環状の部材である。環状部材11の外周面には、第2外輪軌道2bに対向している第2内輪軌道12bが形成されている。環状部材11は、小径部12cに外嵌された状態で、当該小径部12cの先端部をかしめて形成されたかしめ部12dによって軸方向に固定されている。これによって、環状部材11は、軸部12に対して一体回転可能に固定されている。
玉4は、外輪部材2の内周面に形成された第1及び第2外輪軌道2a,2bと、内軸3の外周面に形成された第1及び第2内輪軌道12a,12bとの間に転動自在に介在している。
外輪部材2及び内軸3は、互いの軌道の間に玉4を介在することで相対回転自在である。
また、外輪部材2は、外周面の形成された取付フランジ(図示せず)によって車両側の懸架装置等に固定される。これによって、車輪用転がり軸受装置1は、車両に取り付けられるとともに、内軸3に一体に固定される車輪を車両に対して回転自在に支持する。
図2は、内軸3の製造工程を示す図である。図2において、まず、円柱状の棒鋼を軸方向所定寸法となるように切断することによって、内軸3の本体部10の素材を得る(ステップS1)。この素材は、後に行われる冷間鍛造のために軟化しておく必要がある。よって、前記素材は、例えば、600〜800度に加熱した後、炉冷等によって冷却されて焼鈍される。
次いで、前記素材の外周面に対して旋削加工を行う(ステップS2:旋削工程)。
図3素材に対する旋削加工の態様を説明するための図であり、(a)は、素材の外周面において旋削加工を行う部分を示す図、(b)は、素材から形成される内軸3を示す図であり、(a)に示す素材との間で軸方向における各部分が対応するように示している。
図3(a)に示すように、素材30は、旋削加工を行うための旋盤等のチャックCによって把持され、外周面30aにおける所定部分について旋削加工が行われる。
素材30は、軸方向一方側の先端部31、又は軸方向他方側の先端部32のいずれか一方が把持される。この両先端部31,32は、素材30を内軸3の本体部10に形成したときの嵌合先端部13に対応する部分である。両先端部31,32の内、いずれか一方が嵌合先端部13に形成される。
なお、図3では、素材30における軸方向一方側の先端部31と、本体部10における嵌合先端部13とを対応付けて示している。
素材30は、図3(a)において素材30の外周面30aにおいてハッチングで示す第1旋削部分33、及び第2旋削部分34の2箇所に対して、旋削加工が行われる。
旋削加工が行われる第1旋削部分33は、チャックCによって把持されている軸方向一方側の先端部31が、本体部10における嵌合先端部13に形成されたときに、本体部10に形成されるフランジ部14に対応する部分となる。
一方、第2旋削部分34は、軸方向他方側の先端部32が、嵌合先端部13に形成されたときに、本体部10に形成されるフランジ部14に対応する部分となる。
この旋削加工は、素材の表面欠陥であるしわ疵を除去するために行われる。しわ疵は、外周面30aの表面からの径方向深さが0.2mm以下程度である。よって、旋削加工では、素材30に対して、その外周面30aの表面からの径方向深さが約0.2mmの範囲を旋削する。これによって、旋削加工を行った部分においては、しわ疵をほぼ除去することができる。
第1旋削部分33(第2旋削部分34)は、フランジ部14の外周面14bに対応する部分であり、例えば、フランジ部14の外周面14bの軸方向厚み寸法が10mmであるとすると、第1旋削部分33の軸方向寸法は、11mmに設定される。このように、フランジ部14の外周面14bに対応する部分である第1旋削部分33(第2旋削部分34)の軸方向寸法は、フランジ部14の軸方向厚み寸法に対して、わずかに軸方向両側に増加させた寸法となるように設定される。
つまり、フランジ部14の外周面14bに対応する部分の軸方向寸法は、フランジ部14の軸方向厚み寸法に対して、わずかに軸方向両側に増加させた寸法となるように設定される。
このように、本実施形態では、フランジ部14の外周面14bに対応する部分(第1旋削部分33及び第2旋削部分34)以外の部分である先端部31(先端部32)を把持し、フランジ部14の外周面14bに対応する部分(第1旋削部分33及び第2旋削部分34)のみに対して旋削加工を行う。
本実施形態において、先端部31,32の内、どちらを把持したとしても、フランジ部14に対応する部分である第1旋削部分33、及び第2旋削部分34が、チャックCによって把持されることはない。よって、先端部31,32の内、いずれか一方を一度チャックCで把持すれば、第1旋削部分33、及び第2旋削部分34の両方を旋削加工することができる。
また、本実施形態では、素材30の外周面の旋削工程において、第1旋削部分33、及び第2旋削部分34の両方に対して旋削加工を行うように構成されている。
この場合、素材30の軸方向両側の先端部31,32の内、いずれを嵌合先端部13として加工したとしても、フランジ部14に対応する部分(第1旋削部分33、及び第2旋削部分34)に対して、旋削加工が行われる。よって、フランジ部14を形成する工程において、素材30の軸方向の方向性に関係なくフランジ部14を形成することができる。
図2に戻って、ステップS2において、第1旋削部分33、及び第2旋削部分34に対して旋削加工が行われると、素材30は、次に、冷間鍛造によって所定形状に形成された後(ステップS3)、機械加工が行われる(ステップS4)。
図4は、素材30を冷間鍛造する際の態様を説明するための図である。
この冷間鍛造では、まず、図4(a)に示す円柱状の素材30に対して、前方押出加工を行うことで軸部12を形成し、図4(b)に示すような第1中間素材40を得る。
次いで、第1中間素材40に対して、側方押出加工を行うことで、嵌合先端部13及び凹部13aを形成しながら、軸部12と嵌合先端部13との間の位置にフランジ部14を形成し、図4(c)に示すような第2中間素材41を得る。
このとき、第2中間素材41に形成されたフランジ部14の外周面14bは、素材30における第1旋削部分33に対応している。つまり、素材30に対して側方押出加工を行うことによって、第1旋削部分33が、外周面14bとなるようなフランジ部14が形成される。
ここで、側方押出加工によって、径方向外側に延びるように塑性変形されるフランジ部14の外周面14bの表面には、周方向に沿って引張応力が大きく作用する。このため、素材30の外周面14bに対応する部分にしわ疵が存在すると、そのしわ疵が拡大する方向に引っ張られて目立つ状態となり、外観上の品質を低下させてしまう等、外観に与える影響が顕著である。
一方、その他の部分の表面においては、冷間鍛造によっては、周方向に沿う引張応力が大きく作用せず、むしろ圧縮応力が大きく作用するため、しわ疵が存在していたとしても外観に与える影響は少ない。
この点、上記構成の車輪用転がり軸受装置1の内軸3の製造方法によれば、しわ疵が外観に与える影響が顕著な部分である、素材30のフランジ部14に対応する部分にしわ疵が存在していたとしても、そのフランジ部14に対応する部分である第1旋削部分33及び第2旋削部分34に対して旋削加工を行って、表面欠陥であるしわ疵を除去するので、その後に冷間鍛造によって形成されるフランジ部14にはしわ疵が現れない。
また、本製造方法では、上述したように、素材30の先端部31,32の内、どちらを把持したとしても、フランジ部14に対応する部分である第1旋削部分33、及び第2旋削部分34が、チャックCによって把持されることはない。
よって、素材30の先端部31,32の内、いずれか一方を一度チャックCで把持すれば、フランジ部14に対応する部分(第1旋削部分33、及び第2旋削部分34)を旋削加工することができる。よって、上記従来例のように一度一端部を把持した素材を取り外して再度他端部に把持し直すことなく、旋削加工を行うことができる。
この結果、旋削加工に要する工程を減らすことができ、より少ない工数でしわ疵を除去することができる。
また、本実施形態の車輪用転がり軸受装置1の内軸3の製造方法では、前記旋削工程において、フランジ部14の外周面14bに対応する部分である第1旋削部分33及び第2旋削部分34のみに対して旋削加工を行うので、旋削加工の加工時間を短縮でき、旋削加工に要する工程をさらに減らすことができる。
上記冷間鍛造によって、軸部12、嵌合先端部13、及びフランジ部14が形成された第2中間素材41が得られると、この第2中間素材41に対して、必要な部分に機械加工を行う(図2中、ステップS4)。また、機械加工によって、フランジ部14にボルト孔14cを形成するとともに、軸部12の端面に凹部12eを形成することで、かしめ部12dを形成する。これによって、図4(d)に示すような本体部10(内軸3)を得る。
その後、本体部10は、所定の条件下で焼入れ焼き戻しがなされ、さらに必要な部分に対して旋削加工又は研磨加工を行うことで、完成品としての本体部10(内軸3)が得られる。
なお、上記実施形態では、素材30の第1旋削部分33及び第2旋削部分34のみに対して旋削加工を行った場合を示したが、例えば、第1旋削部分33及び第2旋削部分34の2箇所について旋削加工を行わず、両部分33,34を含んだ部分を一度に旋削加工してもよい。
図5は、変形例に係る、素材に対する旋削加工の態様を説明するための図である。図5では、素材30の外周面30aにおける、第3旋削部分35の一箇所のみについて旋削加工を行う点において、上記実施形態と相違している。
図5中、第3旋削部分35は、軸方向両端に第1旋削部分33及び第2旋削部分34を含んでいる。よって、第3旋削部分35の一箇所のみを旋盤等によって旋削加工すれば、第1旋削部分33及び第2旋削部分34の両方を旋削加工することができる。
この場合、素材30に対して、1箇所だけ旋削加工すればよいので、上記実施形態のように2箇所それぞれに対して旋削加工する場合と比較して、旋削加工を行うための前段取り等に要する作業時間を減らすことができ、より工数を減らすことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記説明では、アンギュラ玉軸受を構成する車輪用転がり軸受装置に本発明を適用した場合を例示したが、例えば、円すいころ軸受を構成する転がり軸受装置に対しても適用することができる。
1 車輪用転がり軸受装置 2 外輪部材 3 内軸(軸部材)
10 本体部 11 環状部材 12 軸部 13 嵌合先端部
14 フランジ部 14b 外周面 30 素材
31,32 先端部 33 第1旋削部分 34 第2旋削部分
35 第3旋削部分

Claims (4)

  1. 車輪取付用のフランジ部を有する車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法であって、
    前記軸部材の素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分以外の部分を把持し、前記素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分に対して、旋削加工を行って前記素材の表面欠陥を除く旋削工程と、
    前記旋削工程後の前記素材に対して冷間鍛造によって前記フランジ部を形成する工程と、を含むことを特徴とする車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法。
  2. 前記旋削工程において、前記フランジ部の外周面に対応する部分のみに対して前記旋削加工を行う請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法。
  3. 前記軸部材が、外輪の内周側に同心配置される軸部と、前記軸部の一端部に形成されるとともに車輪の中心孔に嵌合される嵌合先端部と、を有するとともに、前記フランジ部が、前記軸部外周面の一端部側に形成されており、
    前記旋削工程において、前記素材の軸方向両側の先端部の内の一方を前記嵌合先端部としたときの前記フランジ部に対応する第1部分、及び、前記素材の軸方向両側の先端部の内の他方を前記嵌合先端部としたときの前記フランジ部に対応する第2部分の両方に対して前記旋削加工を行う請求項1又は請求項2に記載の車輪用転がり軸受装置の軸部材の製造方法。
  4. 外輪部材と、車輪取付用のフランジ部を有するとともに前記外輪部材の内周側に同心配置されて内輪部材を構成する軸部材と、を備えた車輪用転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記軸部材の素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分以外の部分を把持し、前記素材の外周面において前記フランジ部に対応する部分に対して、旋削加工を行って前記素材の表面欠陥を除く旋削工程と、
    前記旋削工程後の前記素材に対して冷間鍛造によって前記フランジ部を形成する工程と、を含むことを特徴とする車輪用転がり軸受装置の製造方法。
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