JP2013018338A - 車輪支持用ハブユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ハブを構成するハブ本体を冷間鍛造加工及び熱処理等により製造する際、ハブ本体の回転側フランジに生じる変形を矯正する構造を実現する。
【解決手段】ハブ本体7aは、軸方向外端寄り部分の外周面に車輪を支持固定する為の回転側フランジ10aを、軸方向中間部外周面に軸方向外側の内輪軌道9aを、それぞれ直接形成しており、回転側フランジ10aには車輪への取付ボルトを固定するためのボルト固定穴30が形成されており、更に、回転側フランジ10aは冷間での側方押し出しによって前記ハブ本体7aと一体成形されていて、回転側フランジ10aの外径寄り部分の軸方向外側面に凹部32を形成している。
【選択図】図1
【解決手段】ハブ本体7aは、軸方向外端寄り部分の外周面に車輪を支持固定する為の回転側フランジ10aを、軸方向中間部外周面に軸方向外側の内輪軌道9aを、それぞれ直接形成しており、回転側フランジ10aには車輪への取付ボルトを固定するためのボルト固定穴30が形成されており、更に、回転側フランジ10aは冷間での側方押し出しによって前記ハブ本体7aと一体成形されていて、回転側フランジ10aの外径寄り部分の軸方向外側面に凹部32を形成している。
【選択図】図1
Description
本発明は、懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する為の車輪支持用ハブユニットの改良に関するものである。
従来より、懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する為に、例えば図4に示す様な、車輪支持用ハブユニット1が使用されている。
この車輪支持用ハブユニット1は、外輪2の内径側にハブ3を、複数個の転動体4、4を介して回転自在に支持している。上記外輪2は、内周面に複列の外輪軌道5、5を、外周面に、この外輪2を上記懸架装置を構成するナックル(不図示)に結合固定する為の、フランジ状の取付部6を、それぞれ設けている。又、上記ハブ3は、ハブ本体7と内輪8とを組み合わせて成り、外周面に複列の内輪軌道9a、9bを設けている。このうちのハブ本体7は、外周面の軸方向外端寄り(軸方向に関して外とは、懸架装置への組み付け状態で幅方向外側を言い、図1〜5の左側)部分に、車輪(不図示)を支持固定する為の回転側フランジ10を、同じく軸方向内端寄り(軸方向に関して内とは、懸架装置への組み付け状態で幅方向中央側を言い、図1〜5の右側)部分に小径段部11を、それぞれ設けている。上記内輪8は、この小径段部11に外嵌した状態で、上記ハブ本体7の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて成るかしめ部12により、このハブ本体7に対し結合固定している。この様な車輪支持用ハブユニット1の使用時には、上記取付部6を懸架装置に結合固定すると共に、上記回転側フランジ10に車輪を支持固定する事により、この懸架装置に対してこの車輪を回転自在に支持している。
この車輪支持用ハブユニット1は、外輪2の内径側にハブ3を、複数個の転動体4、4を介して回転自在に支持している。上記外輪2は、内周面に複列の外輪軌道5、5を、外周面に、この外輪2を上記懸架装置を構成するナックル(不図示)に結合固定する為の、フランジ状の取付部6を、それぞれ設けている。又、上記ハブ3は、ハブ本体7と内輪8とを組み合わせて成り、外周面に複列の内輪軌道9a、9bを設けている。このうちのハブ本体7は、外周面の軸方向外端寄り(軸方向に関して外とは、懸架装置への組み付け状態で幅方向外側を言い、図1〜5の左側)部分に、車輪(不図示)を支持固定する為の回転側フランジ10を、同じく軸方向内端寄り(軸方向に関して内とは、懸架装置への組み付け状態で幅方向中央側を言い、図1〜5の右側)部分に小径段部11を、それぞれ設けている。上記内輪8は、この小径段部11に外嵌した状態で、上記ハブ本体7の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて成るかしめ部12により、このハブ本体7に対し結合固定している。この様な車輪支持用ハブユニット1の使用時には、上記取付部6を懸架装置に結合固定すると共に、上記回転側フランジ10に車輪を支持固定する事により、この懸架装置に対してこの車輪を回転自在に支持している。
上述の様な車輪支持用ハブユニット1を構成するハブ本体7を造るのに、材料の歩留向上や機械加工量の削減によるコスト低減等を目的として、冷間鍛造により造る事が考えられている。この様な、ハブ本体7を冷間鍛造により造る為の方法として、例えば特許文献1に記載された方法が知られている。図7は、この特許文献1に記載された、冷間鍛造によりハブ本体を造る方法の1例を示している。この冷間鍛造による製造方法では、先ず、(A)に示した円柱状の素材13を用意する。この素材13には、予め軟化焼鈍処理を施して、常 温でも塑性変形し易くしておく。この様な素材13に前方押し出し加工を施して、(B)に示す様な、段付の第一中間素材14を得る。
そして、この第一中間素材14を、フローティングダイを使用した冷間鍛造加工(押し出し加工)により、(C)に示す様な第二中間素材15とする。次いでこの第二中間素材15に、軸方向外側のアンギュラ型の内輪軌道9a(図4参照)を設ける為の段差部等を形成する段付加工を施して、(D)に示す様な第三中間素材16とする。更に、この第三中間素材16に、側方押し出し加工を施して回転側フランジ10を形成し、さらに上記内輪軌道9aを形成する加工を施して、(E)に示す様なハブ本体7としている。
そして、この第一中間素材14を、フローティングダイを使用した冷間鍛造加工(押し出し加工)により、(C)に示す様な第二中間素材15とする。次いでこの第二中間素材15に、軸方向外側のアンギュラ型の内輪軌道9a(図4参照)を設ける為の段差部等を形成する段付加工を施して、(D)に示す様な第三中間素材16とする。更に、この第三中間素材16に、側方押し出し加工を施して回転側フランジ10を形成し、さらに上記内輪軌道9aを形成する加工を施して、(E)に示す様なハブ本体7としている。
この様にして造ったハブ本体7の必要個所には、前記内輪8を結合固定するのに先立って、従来構造のハブ本体7を示す図5に斜格子で示す様に、焼き入れ硬化層17を形成する。即ち、上記ハブ本体7の外周面のうち、小径段部11から内輪軌道9aを含め、回転側フランジ10の軸方向内側面内径寄り端部迄の部分に、上記焼き入れ硬化層17を形成する。この焼き入れ硬化層17のうち、上記小径段部11部分は、この小径段部11に外嵌固定した内輪8(図4参照)から加わる衝撃荷重に拘らず、この小径段部11が塑性変形する事を防止する為に設ける。又、上記内輪軌道9a部分は、各転動体4、4(図4参照)から加わる荷重に拘らず、この内輪軌道9aの転がり疲れ寿命を確保する為に設ける。又、上記回転側フランジ10の軸方向内側面内径寄り端部には、車輪からこの回転側フランジ10に加わるモーメントに拘らず、この回転側フランジ10の基端部が塑性変形するのを防止する為に設ける。更に、上記小径段部11と上記内輪軌道9aとの間部分は、上記モーメント等により上記ハブ本体7の軸方向中間部が塑性変形するのを防止する為に設ける。
さらに、ハブ本体7の回転側フランジ10には、図5及び図6に示すように、不図示のホイール及びブレーキロータに締結するための取付けボルトであるスタッドボルト20を固定するためのボルト固定穴30が形成されている。さらに、ボルト固定穴30の軸方向内側には、スタッドボルト20の頭部21が当接する環状平面部を有して凹んだ状態に設けられたボルト座面31が形成されている。このボルト座面31は、前述したハブ本体7の冷間鍛造による成形過程における図7(E)の後に、仕上成形装置で押圧(スタンピング)を施すことによって形成し、その後、ドリルによりボルト固定穴30を穿孔する。図5に示すように、スタッドボルト20の頭部21は回転側フランジ10の軸方向内側に着座するが、着座する座面の平面度が悪くて座面と頭部21が隙間無く密着していないと、スタッドボルト20の首部が折れて頭部21が脱落する虞がある。環状平面部を有するボルト座面31をスタンピングにより形成することにより、スタッドボルト20を強固かつ安定した状態でボルト固定穴30に固定することができる。
ところで、このハブ本体7の回転側フランジ10は、以下の理由により車輪取付け側である軸方向外側面が中凹の円錐形状となるそりが発生しやすいという問題があった。
ハブ本体7は前述したように冷間鍛造により造られるが、回転側フランジ10を成形する側方押し出し加工の際、外径側へ押し出される素材の流れは軸方向外側面側に比べて軸方向内側面側が早くなる。従って、回転側フランジ10の外径面は軸方向内側が突出すると共に、回転側フランジ10の外径側が軸方向外側(図5の矢印Aの方向)に反ることにより、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状となる。
さらに、スタッドボルト20の頭部21を安定して密着させるためのボルト座面31を成形するスタンピング加工(成形装置での押圧加工)により、回転側フランジ10の軸方向内側の素材が伸ばされることになり、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状になる。
また、ハブ本体7の外周面には高周波焼入れ等の熱硬化処理により前記焼き入れ硬化層17が形成されており、図5に示すように、焼き入れ硬化層17は回転側フランジ10の軸方向内側面内径寄り端部まで形成されている。この焼き入れ硬化層17が形成された部分では、所謂マルテンサイト変態による体積膨張を生じる事が知られており、この体積膨張の影響が回転側フランジ10の変形として現れると、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状となる。
ハブ本体7は前述したように冷間鍛造により造られるが、回転側フランジ10を成形する側方押し出し加工の際、外径側へ押し出される素材の流れは軸方向外側面側に比べて軸方向内側面側が早くなる。従って、回転側フランジ10の外径面は軸方向内側が突出すると共に、回転側フランジ10の外径側が軸方向外側(図5の矢印Aの方向)に反ることにより、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状となる。
さらに、スタッドボルト20の頭部21を安定して密着させるためのボルト座面31を成形するスタンピング加工(成形装置での押圧加工)により、回転側フランジ10の軸方向内側の素材が伸ばされることになり、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状になる。
また、ハブ本体7の外周面には高周波焼入れ等の熱硬化処理により前記焼き入れ硬化層17が形成されており、図5に示すように、焼き入れ硬化層17は回転側フランジ10の軸方向内側面内径寄り端部まで形成されている。この焼き入れ硬化層17が形成された部分では、所謂マルテンサイト変態による体積膨張を生じる事が知られており、この体積膨張の影響が回転側フランジ10の変形として現れると、回転側フランジ10の軸方向外側面が中凹の円錐形状となる。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ハブを構成するハブ本体を冷間鍛造加工及び熱処理等により製造する際、ハブ本体の回転側フランジに生じる変形を矯正する構造を実現すべく発明したものである。
本発明の車輪支持用ハブユニットは、外輪と、ハブと、複数個の転動体とを備える。
このうちの、外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
又、前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有し、使用時に車輪と共に回転するもので、ハブ本体と内輪とを結合固定して成る。このうちのハブ本体は、軸方向外端寄り部分の外周面に前記車輪を支持固定する為の回転側フランジを、軸方向中間部外周面に軸方向外側の内輪軌道を、それぞれ直接形成している。又、前記回転側フランジには前記車輪への取付ボルトを固定するためのボルト固定穴が形成されている。
又、前記内輪は、外周面に軸方向内側の内輪軌道を形成したもので、前記ハブ本体の軸方向内端寄り部分に外嵌固定されている。
更に、前記回転側フランジは冷間での側方押し出しによって前記ハブ本体と一体成形されている。
このうちの、外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
又、前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有し、使用時に車輪と共に回転するもので、ハブ本体と内輪とを結合固定して成る。このうちのハブ本体は、軸方向外端寄り部分の外周面に前記車輪を支持固定する為の回転側フランジを、軸方向中間部外周面に軸方向外側の内輪軌道を、それぞれ直接形成している。又、前記回転側フランジには前記車輪への取付ボルトを固定するためのボルト固定穴が形成されている。
又、前記内輪は、外周面に軸方向内側の内輪軌道を形成したもので、前記ハブ本体の軸方向内端寄り部分に外嵌固定されている。
更に、前記回転側フランジは冷間での側方押し出しによって前記ハブ本体と一体成形されている。
特に本発明の車輪支持用ハブユニットに於いては、前記回転側フランジの外径寄り部分の軸方向外側面に凹部を形成している。
又、前記ハブ本体の外周面のうちで、少なくとも前記回転側フランジ寄りの内輪軌道からこの回転側フランジの内径寄り部分に掛けての部分に焼き入れ硬化層を設けている。
又、前記取付ボルトの頭部が当接するボルト座面が設けられており、このボルト座面は前記回転側フランジの軸方向内側面の所定の位置を押圧して形成される。
本発明によれば、ハブ本体を冷間鍛造加工及び熱処理等により製造する際に生じる回転側フランジの変形を容易に矯正すると共に、この回転側フランジの強度及び軸方向外側面の平面度を高く保つことができる。
即ち、冷間鍛造による回転側フランジの成形及びボルト座面のスタンピングと、熱処理によるハブ本体への焼入れ硬化層の形成とにより生じた回転側フランジの変形を、回転側フランジの軸方向外側に凹部を形成して、回転側フランジの軸方向外側面の素材を伸すことにより、回転側フランジの変形を矯正することができる。
即ち、冷間鍛造による回転側フランジの成形及びボルト座面のスタンピングと、熱処理によるハブ本体への焼入れ硬化層の形成とにより生じた回転側フランジの変形を、回転側フランジの軸方向外側に凹部を形成して、回転側フランジの軸方向外側面の素材を伸すことにより、回転側フランジの変形を矯正することができる。
[実施の形態の第1例]
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明の車輪支持用ハブユニットの特徴は、ハブを構成するハブ本体7aの回転側フランジ10aの軸方向外側に形成する凹部32と、この回転側フランジ10aとの位置関係を工夫した点にある。この特徴部分以外の構造は、前記図4乃至6に示した構造を含め、従来から知られている車輪支持用ハブユニットの構造とほぼ同様である。又、前記ハブ本体7aの製造方法は、前記図7を用いて説明した従来から考えられている製造方法と同様である。この為、従来と同様に構成する部分に就いては、図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明の車輪支持用ハブユニットの特徴は、ハブを構成するハブ本体7aの回転側フランジ10aの軸方向外側に形成する凹部32と、この回転側フランジ10aとの位置関係を工夫した点にある。この特徴部分以外の構造は、前記図4乃至6に示した構造を含め、従来から知られている車輪支持用ハブユニットの構造とほぼ同様である。又、前記ハブ本体7aの製造方法は、前記図7を用いて説明した従来から考えられている製造方法と同様である。この為、従来と同様に構成する部分に就いては、図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の車輪支持用ハブユニットは、図4乃至6に示した従来構造と同様の基本構造を有している。また、この車輪支持用ハブユニットを構成するハブ本体7aは、図7を用いて説明した従来から考えられている製造方法と同様に、例えば、S50C〜S58C程度(一般的にはS53C又はS55C、JIS
G 4051)の機械構造用炭素鋼製の素材を冷間鍛造により塑性変形させる事により造る。また、本例の車輪支持用ハブユニットの場合、ハブ本体7aの軸方向中間部の外周面からこのハブ本体7aの回転側フランジ10aの軸方向内側面の基端部に掛けて焼入れ硬化層17を形成している。更に、回転側フランジ10aの軸方向内側面には、ボルト固定穴30と同心の環状平面部を有して凹んだ状態に設けられ、取付ボルトの頭部21が着座するボルト座面31を形成している。なお、前述したように、ボルト固定穴30はボルト座面31の成形後に穿孔するので、ボルト座面31の中心に、ボルト固定穴30の穿孔用ドリルを案内するセンタ穴(不図示)を併せて設けてもよい。
G 4051)の機械構造用炭素鋼製の素材を冷間鍛造により塑性変形させる事により造る。また、本例の車輪支持用ハブユニットの場合、ハブ本体7aの軸方向中間部の外周面からこのハブ本体7aの回転側フランジ10aの軸方向内側面の基端部に掛けて焼入れ硬化層17を形成している。更に、回転側フランジ10aの軸方向内側面には、ボルト固定穴30と同心の環状平面部を有して凹んだ状態に設けられ、取付ボルトの頭部21が着座するボルト座面31を形成している。なお、前述したように、ボルト固定穴30はボルト座面31の成形後に穿孔するので、ボルト座面31の中心に、ボルト固定穴30の穿孔用ドリルを案内するセンタ穴(不図示)を併せて設けてもよい。
特に、本例の車輪支持用ハブユニットの場合、回転側フランジ10aの軸方向内側面に形成された前記ボルト座面31に対向する回転フランジ10aの軸方向外側面に、凹部32を形成している。この凹部32は、ボルト固定穴30と同心の環状平面部を有して凹んだ状態に設けられており、前述したボルト座面31と同様に、ハブ本体7aの冷間鍛造による成形過程の後に、仕上成形装置で押圧(スタンピング)を施すことによって形成される。尚、ボルト座面31の環状平面部の直径をD1、凹みの深さをd1とし、凹部32の環状平面部の直径をD2、凹みの深さをd2とした場合、D1≦D2またはd1≦d2とする。
上述の様に構成する本例の車輪支持用ハブユニットによれば、ハブ本体7aを冷間鍛造加工及び熱処理等により製造する際に生じる回転側フランジ10aの変形を容易に矯正すると共に、この回転側フランジ10aの強度及び軸方向外側面の平面度を高く保つことができる。
即ち、本例の場合、回転フランジ10aの軸方向内側面に形成された前記ボルト座面31に対向する回転側フランジ10aの軸方向外側面に、凹部32を形成している。この為、凹部32を成形するためのスタンピング加工(成形装置での押圧加工)により、回転側フランジ10aの軸方向外側の素材が伸ばされることになり、回転側フランジ10aの変形が矯正される。つまり、ハブ本体7aの製造時(冷間鍛造及び熱処理)において発生した回転側フランジ10aの変形(図5の矢印A方向への反り)を、凹部32の成形に於いて回転側フランジ10aの軸方向外側の素材を伸ばす(図5の矢印Aとは反対方向に回転側フランジ10aを成形加工)ことにより矯正することができる。
即ち、本例の場合、回転フランジ10aの軸方向内側面に形成された前記ボルト座面31に対向する回転側フランジ10aの軸方向外側面に、凹部32を形成している。この為、凹部32を成形するためのスタンピング加工(成形装置での押圧加工)により、回転側フランジ10aの軸方向外側の素材が伸ばされることになり、回転側フランジ10aの変形が矯正される。つまり、ハブ本体7aの製造時(冷間鍛造及び熱処理)において発生した回転側フランジ10aの変形(図5の矢印A方向への反り)を、凹部32の成形に於いて回転側フランジ10aの軸方向外側の素材を伸ばす(図5の矢印Aとは反対方向に回転側フランジ10aを成形加工)ことにより矯正することができる。
また、前述した様に、回転側フランジ10aが変形する原因は複数有り、ボルト座面31の成形以外の要因による変形分も合わせて矯正する為には、凹部32の形状はボルト座面31よりも大きくまたは深くする必要がある(D1≦D2またはd1≦d2)。
ただし、凹部32による矯正が適正でなく過度に行なわれた場合、回転側フランジの軸方向外側面が中凸の円錐形状になる虞がある。ホイールやブレーキロータの取り付け面である回転側フランジの軸方向外側面が中凸形状になっていると、車輪側部材締結の安定性が悪く、回転振れが発生しやすい。また、ホイールやブレーキロータが回転側フランジの内径寄り部分に強く当接してこの部分の応力が上昇することになり、回転側フランジの強度が低下する虞がある。したがって、凹部32による矯正は、最大でも回転側フランジ10aの軸方向外側面が平面(回転中心に対する鉛直面)となる様に上記D2及びd2の寸法を計算や解析または実験的に求めるとよい。
ただし、凹部32による矯正が適正でなく過度に行なわれた場合、回転側フランジの軸方向外側面が中凸の円錐形状になる虞がある。ホイールやブレーキロータの取り付け面である回転側フランジの軸方向外側面が中凸形状になっていると、車輪側部材締結の安定性が悪く、回転振れが発生しやすい。また、ホイールやブレーキロータが回転側フランジの内径寄り部分に強く当接してこの部分の応力が上昇することになり、回転側フランジの強度が低下する虞がある。したがって、凹部32による矯正は、最大でも回転側フランジ10aの軸方向外側面が平面(回転中心に対する鉛直面)となる様に上記D2及びd2の寸法を計算や解析または実験的に求めるとよい。
以上のように、回転側フランジ10aの変形を矯正してその平面度を高めることにより、ホイール及びブレーキロータ等の車輪側部材との締結を強固にすると共にフランジ強度を高めることとなり、結果的に車輪の回転振れを抑制することができる。特に、前述したボルト固定穴30の穿孔用センタ穴をボルト座面31に設けた場合、回転側フランジ10aの変形量が大きくなるが、凹部32による矯正により回転側フランジ10aの平面度を高く保つことができる上、加工硬化によりドリルの歯が立ちにくくなったボルト座面31に、ボルト固定穴30を位置精度よく穿孔することが可能となる。
[実施の形態の第2例]
図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の車輪支持用ハブユニットでは、回転側フランジ10bの軸方向外側面に形成する凹部33を1本の直線状の溝としている。この凹部33は、回転側フランジ10bの軸方向内側に設けられたボルト座面31と対向する軸方向外側面の位置に、回転側フランジ10bを円周方向に横断する方向(ボルト穴30のピッチ円の接線方向)に、全面に亘って設けられている。また、前述の実施の形態の第1例と同様に、凹部33は、ハブ本体7bの冷間鍛造による成形の後に、仕上成形装置で押圧(スタンピング)を施すことにより形成される。
凹部33の溝の断面形状は特に規定せず、半円、弧面、U溝などが使用可能であるが、矩形溝やV溝の様に不連続部分のある溝形状は角部に応力集中が発生するため好ましくない。本例では、凹部33を1本の直線状の溝としているため、前記した実施の形態の第1例に比べてスタンピングの加工荷重を低くすることが可能であり、ボルト座面31を成形する際にその加工荷重により同時に施工することができる。また、凹部33は回転側フランジ10bの円周方向に延びる溝であり、円周方向に伸ばされる素材がないため、回転フランジ10bが円周方向に変形することはない。
図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の車輪支持用ハブユニットでは、回転側フランジ10bの軸方向外側面に形成する凹部33を1本の直線状の溝としている。この凹部33は、回転側フランジ10bの軸方向内側に設けられたボルト座面31と対向する軸方向外側面の位置に、回転側フランジ10bを円周方向に横断する方向(ボルト穴30のピッチ円の接線方向)に、全面に亘って設けられている。また、前述の実施の形態の第1例と同様に、凹部33は、ハブ本体7bの冷間鍛造による成形の後に、仕上成形装置で押圧(スタンピング)を施すことにより形成される。
凹部33の溝の断面形状は特に規定せず、半円、弧面、U溝などが使用可能であるが、矩形溝やV溝の様に不連続部分のある溝形状は角部に応力集中が発生するため好ましくない。本例では、凹部33を1本の直線状の溝としているため、前記した実施の形態の第1例に比べてスタンピングの加工荷重を低くすることが可能であり、ボルト座面31を成形する際にその加工荷重により同時に施工することができる。また、凹部33は回転側フランジ10bの円周方向に延びる溝であり、円周方向に伸ばされる素材がないため、回転フランジ10bが円周方向に変形することはない。
[実施の形態の第3例]
図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の車輪支持用ハブユニットでは、回転側フランジ10cの軸方向外側面に2本の直線状の溝である凹部33a,33bを形成している。この凹部33a,33bは、回転側フランジ10cのボルト固定穴30と重ならず、且つ軸方向内側に設けられたボルト座面31の圧力伝達範囲内(図3に示す、ボルト座面31から軸方向外側に向かって45度の角度で描かれた破線の範囲内)の位置に、回転側フランジ10cを円周方向に横断する方向(ボルト穴30のピッチ円の接線方向)に、全面に亘って設けられている。その他、凹部の成形方法及び凹部の溝形状は、上述した実施の形態の第2例と同様である。なお、凹部33a,33bは2本に限定されず、3本以上としてもよい。
本例では凹部33a,33bを複数形成しているので、個々の凹部の溝断面積を実施の形態の第2例に比べて小さくすることができ、回転側フランジ10cの軸方向外側面の平面度がより向上する。さらに、凹部33a,33bはボルト固定穴30と重ならない位置に設けてあるので、凹部33a,33b成形後にボルト固定穴30を穿孔加工する際に、ドリルが凹部に掛かった場合の曲がりがなく、ハブボルト固定穴30をより精度よく加工することができる。
図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の車輪支持用ハブユニットでは、回転側フランジ10cの軸方向外側面に2本の直線状の溝である凹部33a,33bを形成している。この凹部33a,33bは、回転側フランジ10cのボルト固定穴30と重ならず、且つ軸方向内側に設けられたボルト座面31の圧力伝達範囲内(図3に示す、ボルト座面31から軸方向外側に向かって45度の角度で描かれた破線の範囲内)の位置に、回転側フランジ10cを円周方向に横断する方向(ボルト穴30のピッチ円の接線方向)に、全面に亘って設けられている。その他、凹部の成形方法及び凹部の溝形状は、上述した実施の形態の第2例と同様である。なお、凹部33a,33bは2本に限定されず、3本以上としてもよい。
本例では凹部33a,33bを複数形成しているので、個々の凹部の溝断面積を実施の形態の第2例に比べて小さくすることができ、回転側フランジ10cの軸方向外側面の平面度がより向上する。さらに、凹部33a,33bはボルト固定穴30と重ならない位置に設けてあるので、凹部33a,33b成形後にボルト固定穴30を穿孔加工する際に、ドリルが凹部に掛かった場合の曲がりがなく、ハブボルト固定穴30をより精度よく加工することができる。
本発明は、外周面に内輪軌道及び回転側フランジを設けたハブ本体を備えた車輪支持用ハブユニットであれば、前述の図4に示した様な従動輪(FF車の後輪、FR車及びMR車の前輪)用の構造に限らず、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びMR車の後輪、4WD車の全輪)用の構造でも実施できる。又、1対の外輪軌道と1対の内輪軌道との間に設ける転動体の種類にしても、上記図4に示す様な玉に限らず、円すいころとする事もできる。又、両列同士の間で転動体の種類を異ならせる事もできる。
本発明に係る車輪支持用ハブユニットは、一端部に車輪取付フランジを有し、外周に内輪軌道が直接形成されたハブを有する車輪支持用軸受装置に適用することができる。
1 車輪支持用ハブユニット
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6 取付部
7、7a、7b、7c ハブ本体
8 内輪
9a、9b 内輪軌道
10、10a、10b、10c 回転側フランジ
11 小径段部
12 かしめ部
13 素材
14 第一中間素材
15 第二中間素材
16 第三中間素材
17 焼き入れ硬化層
20 スタッドボルト
21 頭部
30 ボルト固定穴
31 ボルト座面
32、33、33a、33b 凹部
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6 取付部
7、7a、7b、7c ハブ本体
8 内輪
9a、9b 内輪軌道
10、10a、10b、10c 回転側フランジ
11 小径段部
12 かしめ部
13 素材
14 第一中間素材
15 第二中間素材
16 第三中間素材
17 焼き入れ硬化層
20 スタッドボルト
21 頭部
30 ボルト固定穴
31 ボルト座面
32、33、33a、33b 凹部
Claims (3)
- 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、使用時に車輪と共に回転するハブと、
これら両内輪軌道と前記両外輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設けられた転動体とを備え、
前記ハブは、ハブ本体と内輪とを結合固定して成るものであって、
このうちのハブ本体は、軸方向外端寄り部分の外周面に前記車輪を支持固定する為の回転側フランジを、軸方向中間部外周面に軸方向外側の内輪軌道を、それぞれ直接形成したものであり、前記回転側フランジには前記車輪への取付ボルトを固定するためのボルト固定穴が形成されており、
前記内輪は、外周面に軸方向内側の内輪軌道を形成したもので、前記ハブ本体の軸方向内端寄り部分に外嵌固定されており、
前記回転側フランジが冷間での側方押し出しによって前記ハブ本体と一体成形されている車輪支持用ハブユニットに於いて、
前記回転側フランジの外径寄り部分の軸方向外側面に凹部を形成していることを特徴とする車輪支持用ハブユニット。 - 前記ハブ本体の外周面のうちで、少なくとも前記回転側フランジ寄りの内輪軌道からこの回転側フランジの内径寄り部分に掛けての部分に焼き入れ硬化層を設けていることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用ハブユニット。
- 前記取付ボルトの頭部が当接するボルト座面が設けられており、このボルト座面は前記回転側フランジの軸方向内側面の所定の位置を押圧して形成されることを特徴とする請求項1〜2に記載の車輪支持用ハブユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011152641A JP2013018338A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車輪支持用ハブユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011152641A JP2013018338A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車輪支持用ハブユニット |
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---|---|
JP2013018338A true JP2013018338A (ja) | 2013-01-31 |
Family
ID=47690235
Family Applications (1)
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JP2011152641A Withdrawn JP2013018338A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車輪支持用ハブユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013018338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103753142A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-30 | 重庆创精温锻成型有限公司 | 一种汽车离合器输入轴毂的制备方法 |
CN109983244A (zh) * | 2016-11-25 | 2019-07-05 | Nok株式会社 | 密封装置以及轮毂轴承 |
-
2011
- 2011-07-11 JP JP2011152641A patent/JP2013018338A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103753142A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-30 | 重庆创精温锻成型有限公司 | 一种汽车离合器输入轴毂的制备方法 |
CN109983244A (zh) * | 2016-11-25 | 2019-07-05 | Nok株式会社 | 密封装置以及轮毂轴承 |
US10794428B2 (en) | 2016-11-25 | 2020-10-06 | Nok Corporation | Sealing device and hub bearing |
CN109983244B (zh) * | 2016-11-25 | 2021-02-26 | Nok株式会社 | 密封装置以及轮毂轴承 |
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