JP2007062502A - 車輪取付構造及び車輪取付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フランジ部の変形を防止し主表面の平坦度の悪化を防止することにより、フランジ部の主表面ひいてはブレーキディスクロータの振れ精度を向上させ、ブレーキ鳴き現象の発生を根本的に抑制することのできる車輪取付構造と車輪取付方法を提供する。
【解決手段】 ハブフランジ3bには、型鍛造により一体成形されて、車両アウタ側の主表面からアキシャル方向に筒状に突出する6個の筒状部3cが、同心状のピッチ円P上で等間隔に配置されている。筒状部3cには、ハブフランジ3bにブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を締結するためのハブボルト7と螺合する雌ねじ部3dが車両アウタ側からインナ側に向って貫通形成されている。ハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面において、筒状部3cよりもラジアル方向外側の環状領域を旋削加工することにより、ブレーキディスクロータ5の取付基準面3pが形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輪取付構造及び車輪取付方法に関する。
図9に示すように、車両の車輪が取り付けられて一体回転するハブ103において、車両アウタ側の端部からアキシャル方向に形成されたフランジ部103b(ハブフランジ)に複数のハブボルト107がセレーション107sで圧入(植込み)されている。そして、ハブフランジ103bの車両アウタ側の主表面を取付基準面103pとして、ハブボルト107用の挿通孔105a,106aをそれぞれ有するブレーキディスクロータ105及びタイヤホイール106がこの順で重ねて取り付けられ、ハブボルト107に車両アウタ側からハブナット108を螺合させて一体的に連結することによって、ハブフランジ103bに車輪を装着する。
ハブフランジ103bにハブボルト107を圧入するとき、ハブフランジ103bのボルト孔の内周面103iがセレーション107sに押圧されて(押し広げられて)、ハブフランジ103bが変形する。具体的には、図9に示すように、ハブボルト107頭部側のフランジ面(車両インナ側端面)で凸形状に、その反対側のフランジ面(主表面)で凹形状に変形する。このとき、ハブボルト107毎に主表面(又は車両インナ側端面)の凹凸量Hが不均一(凹凸のばらつき)であると、すなわち主表面の平坦度が悪化すると、ハブフランジ103bが回転する際に主表面に面振れを生じる。このような凹凸量Hのばらつき(面振れ)が例え数十μm単位であっても、ハブフランジ103bの主表面と接触するブレーキディスクロータ105にもその面振れが伝搬して、ブレーキ鳴き現象を発生することがある。そこで、本出願人は主表面の平坦度の悪化を防止しハブフランジの変形を防止するために、セレーションがボルト孔の内周面を押圧する位置を両フランジ面(両端面)から深くすることを提案した(特許文献1参照)。
特開2004−53017号公報
ハブフランジの変形を減少し主表面の平坦度を維持する上で特許文献1の技術は極めて有用であるが、ハブフランジの変形を防止し、ブレーキディスクロータの面振れやブレーキ鳴き現象の発生を防止するための根本的な解決には未だ至っていない。このため、ハブフランジにハブボルトを圧入するために両フランジ面(両端面)を平坦に仕上げ、かつ、ハブボルト圧入後に悪化した平坦度を矯正するために両フランジ面、特に主表面を再度平坦に仕上げることによって、主表面の平坦度を維持する必要がある。
本発明の課題は、フランジ部の変形を防止し主表面の平坦度の悪化を防止することにより、フランジ部の主表面ひいてはブレーキディスクロータの振れ精度を向上させ、ブレーキ鳴き現象の発生を根本的に抑制することのできる車輪取付構造と車輪取付方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明に係る車輪取付構造は、
車両の車輪が取り付けられて一体回転するハブの車両アウタ側の端部には、ラジアル方向に突出するフランジ部が設けられ、そのフランジ部の車両アウタ側の主表面に、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールがこの順で重ねて取り付けられる車輪取付構造であって、
前記フランジ部には、前記主表面からアキシャル方向に軸状又は筒状に突出するとともに周方向に沿って所定間隔で配置された複数の突出部が鍛造により一体的に成形される一方、
前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールには、前記突出部の位置に対応させてアキシャル方向に複数の挿通孔がそれぞれ貫通形成され、
前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを(固定手段により)一体的に連結することを特徴とする。
このように、フランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結するための突出部が鍛造によりフランジ部と一体的に成形されるため、従来のようにハブボルトをフランジ部のボルト孔に圧入する際に生じるフランジ部の変形を防止し、主表面の平坦度の悪化を防止することができる。したがって、フランジ部の主表面さらにはブレーキディスクロータの振れ精度を向上させ、ブレーキ鳴き現象の発生を抑制することができる。また、従来のような圧入用のハブボルトを要せず、フランジ部にボルト孔を加工したり圧入したりする作業も要しないから、製造コストを低減することができる。
ところで、フランジ部及び突出部の変形を防止し、主表面の平坦度の悪化を防止するために、突出部は型鍛造によってフランジ部と同じ材質の素材から一体成形することが望ましい。なお、フランジ部(すなわちハブ)は、十分な強さと硬さとを要するために、例えばS55Cのように比較的炭素含有量の多い機械構造用炭素鋼鋼材(JIS G4051)により構成されることが多い。
そして、突出部が鍛造によりフランジ部と一体的に成形される場合、フランジ部の主表面は、ラジアル方向において突出部よりも外側の領域及び内側の領域のうちの少なくとも一方の領域に除去加工が施されることにより、ブレーキディスクロータの取付基準面に形成される。このように、突出部が鍛造により成形された後に主表面を一度平坦に仕上げれば平坦度が維持されるので、従来のようにハブボルトを圧入する場合に比べて除去加工の加工工数を削減(ひいては製造コストを低減)することができる。
なお、「除去加工」には、例えば以下のような加工方法を含むが、これらのうち最も一般的な加工法は切削加工と研削加工である。
(1)機械的加工……切削加工(旋削、フライス削り、ブローチ削り等)、研削加工、バフ加工、バレル加工、噴射加工(ショットブラスト、サンドブラスト等)、超音波加工等;
(2)電気的加工……放電加工、電子ビーム加工、イオンビーム加工、プラズマ加工等;
(3)電気化学的加工……電解加工、電解研削、電解研磨等;
(4)化学的加工……化学研磨、エッチング、ケミカルミリング等;
(5)光学的加工……レーザビーム加工等。
ところで、固定手段の一例として、突出部には、フランジ部にブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを締結するためのハブボルトと螺合する雌ねじ部をアキシャル方向に沿って(貫通)形成することができる。この場合、フランジ部の突出部に、対応するブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、雌ねじ部とハブボルトとを螺合することによって、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結することができる。
あるいは、固定手段の他の例として、突出部には、フランジ部にブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを締結するためのハブナットと螺合する雄ねじ部をアキシャル方向に沿って形成することができる。この場合、フランジ部の突出部に、対応するブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、雄ねじ部とハブナットとを螺合することによって、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結することができる。
次に、上記課題を解決するために、本発明に係る車輪取付方法は、
車両の車輪が取り付けられて一体回転するハブの車両アウタ側の端部には、ラジアル方向に突出するフランジ部が設けられ、そのフランジ部の車両アウタ側の主表面に、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールがこの順で重ねて取り付けられる車輪取付方法であって、
前記フランジ部に、前記主表面からアキシャル方向に軸状又は筒状に突出するとともに周方向に沿って所定間隔で配置された複数の突出部を鍛造により一体的に成形する一方、前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールに、前記突出部の位置に対応させてアキシャル方向に複数の挿通孔をそれぞれ貫通形成する取付部形成工程と、
前記フランジ部の主表面に対し、ラジアル方向において前記突出部よりも外側の領域及び内側の領域のうちの少なくとも一方の領域を除去加工して、前記ブレーキディスクロータの取付基準面に形成する基準面形成工程と、
前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結する連結工程と、
を含むことを特徴とする。
この車輪取付方法によれば、取付部形成工程において、フランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結するための突出部が鍛造によりフランジ部と一体的に成形される。このため、従来のようにハブボルトをフランジ部のボルト孔に圧入する際に生じるフランジ部の変形を防止し、主表面の平坦度の悪化を防止することができる。したがって、フランジ部の主表面さらにはブレーキディスクロータの振れ精度を向上させ、ブレーキ鳴き現象の発生を抑制することができる。また、従来のような圧入用のハブボルトを要せず、フランジ部にボルト孔を加工したり圧入したりする工程も要しないから、製造コストを低減することができる。さらに、基準面形成工程において、フランジ部の主表面を除去加工してブレーキディスクロータ取付用の基準面が形成される。このため、突出部の鍛造成形後に主表面を一度平坦に仕上げれば平坦度が維持されるので、従来のようにハブボルトを圧入する場合に比べて除去加工の加工工数を削減(ひいては製造コストを低減)することができる。
したがって、取付部形成工程において、突出部に、フランジ部とブレーキディスクロータ及びタイヤホイールとを締結するためのハブボルトに螺合する雌ねじ部をアキシャル方向に沿って(貫通)形成することにより、これら3者の固定手段を容易に設けることができる。
あるいは、上記取付部形成工程において、突出部に、フランジ部とブレーキディスクロータ及びタイヤホイールとを締結するためのハブナットに螺合する雄ねじ部をアキシャル方向に沿って形成することにより、これら3者の固定手段を容易に設けることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図1は車両の車輪取付構造(すなわち、ハブに車輪を装着した状態)の一例を示す断面図である。また、図2はハブの断面図及び正面図を示している。図1に示すように、車両の車輪取付構造は、車軸1に取り付けられるハブユニット2と、ハブユニット2に一体連結されるブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6とから主として構成される。
ハブユニット2は、車軸1の先端部1t外周面に取り付けられる筒状のハブ本体3aとハブ本体3aの車両アウタ側の端部外周面からラジアル方向外向きに突出する環状のハブフランジ3b(フランジ部)とを有しS55Cを母材とするハブ3と、ハブ本体3aの外周面に取り付けられる軸受部4とを備える。軸受部4は、車軸1及びハブ3と一体回転可能に取り付けられる内輪4aと、内輪4aのラジアル方向外側に配置された外輪4bと、内輪4aと外輪4bとの間に配置される複数の転動体4cとを有する。そして、その外輪4bが、車体側に設けられた外輪取付部8(車体側ナックル部)に、例えば圧入と止め輪(図示せず)により非回転となるように組み付けられている。
軸受部4は複列外向きアンギュラ玉軸受からなり、ハブ本体3aの外周に、アキシャル方向に隣接する形で圧入外嵌される1つの単列用の内輪4aと、二列の軌道溝を有する単一の外輪4bと、二列で配設される複数の玉(転動体)4cと、2つの冠形保持器4d,4dとを備えている。なお、二列の転動体4cのうちの一方(車両アウタ側)は、ハブ本体3aの外周面に形成された軌道溝を内輪部材として転動する。したがって、軸受部4は、外輪4bを非回転として内輪4a(及びハブ本体3a)を回転させる内輪回転形態で利用される。
ハブ本体3aにはアキシャル方向に貫通する車軸挿通孔3hが形成されている。車軸先端部1tは、その後端側(車両インナ側)に隣接する車軸本体部1mよりも縮径されてなり、ハブ本体3aの車軸挿通孔3hに挿入される。ハブ本体3aの内周面(車軸挿通孔3h)と車軸先端部1tの外周面との嵌合部にはスプライン3s,1sが形成されている。車軸先端部1tと車軸本体部1mとの境界位置には、ハブ本体3aの後端面と当接する段部1fが形成されている。車軸挿通孔3hに挿入された車軸先端部1tには、ハブフランジ3bよりも前方側に突出した雄ねじ部が形成され、ここに、ハブ3を車軸1に締結するためのハブ締結用ナット1nが螺合している。
なお、従動輪側では、ハブ本体3aが中実部材とされ、車軸に兼用される構成もありえる。また、従動輪においては、軸受部4は、内輪4aを非回転として外輪4bをハブ3とともに回転させる外輪回転形態とされる場合もある。いずれの場合でも、ハブ3(ハブ本体3a)は車輪(タイヤホイール6)と一体回転することとなる。
図2に示すように、ハブフランジ3bには、型鍛造により一体成形されて、車両アウタ側の主表面(フランジ面)からアキシャル方向に筒状に突出する複数(例えば6個)の筒状部3c(突出部)が、周方向に沿って所定間隔(例えば同心状のピッチ円P上で等間隔)で配置されている。そして、筒状部3cには、ハブフランジ3bにブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を締結するためのハブボルト7(固定手段;図1参照)と螺合する雌ねじ部3d(固定手段)が車両アウタ側からインナ側に向って貫通形成されている。また、図1に示すように、ブレーキディスクロータ5には、アキシャル方向に貫通形成された複数(例えば6個)のロータ側挿通孔5aが、筒状部3cの位置に対応させて配置されている。同様に、タイヤホイール6にも、アキシャル方向に貫通形成された複数(例えば6個)のホイール側挿通孔6aが、筒状部3c及びロータ側挿通孔5aの位置に対応させて配置されている。
図1において、ハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面を取付基準面3pとして、ブレーキディスクロータ5とタイヤホイール6とがこの順で重ねて取り付けられている。具体的には、ハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面において、上記筒状部3cよりもラジアル方向外側の環状領域を旋削加工(除去加工)することにより(図2(b)、図4参照)、ブレーキディスクロータ5の取付基準面3pが形成されている。また、3iは、ハブ本体3a(ハブフランジ3bの主表面)から車両アウタ側に環状に突出形成されたインロー部で、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6に嵌合(圧入)して、その外周面によってこれらを同心位置決めする。なお、タイヤホイール6には、車両アウタ側に膨出する膨出部6bが筒状部3cのピッチ円P(インロー部3iよりもやや大径;図2参照)に沿って環状に形成され、膨出部6bにホイール側挿通孔6aが形成されている。
したがって、ハブフランジ3bの筒状部3cに、対応するブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6の挿通孔5a,6aを位置合わせし、雌ねじ部3dとハブボルト7とを螺合すると、ハブフランジ3b、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6が一体的に連結される。このとき、筒状部3cはロータ側挿通孔5aを挿通し、膨出部6bの車両インナ側表面は筒状部3cの先端面に着座する。
次に、ハブ3の製造方法及び車輪取付方法について、図3、図4及び図1により説明する。
(1)取付部形成工程(図3,図1)
S55Cを母材(素材)とし、ハブ本体3aと一体をなすハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面(フランジ面)から、型鍛造によりアキシャル方向に6個の筒状部3cを一体成形する。このとき、中子(インサート)を介することにより、各筒状部3cには雌ねじ用の下孔3d’が貫通形成される。そして、下孔3d’にはタップTにより雌ねじ部3dが貫通形成される。また、この型鍛造によって、環状のインロー部3iもハブフランジ3bの主表面からアキシャル方向に一体成形される。一方、ブレーキディスクロータ5には、筒状部3cに対応する位置に、ロータ側挿通孔5aがアキシャル方向に貫通形成される。また、タイヤホイール6には、筒状部3c及びロータ側挿通孔5aに対応する位置に、ホイール側挿通孔6aがアキシャル方向に貫通形成される。なお、筒状部3c及びインロー部3iは、ハブ本体3aやハブフランジ3bと同時一体成形してもよい。
(2)基準面形成工程(図4)
ハブフランジ3bの主表面において、筒状部3cよりもラジアル方向外側の環状領域をバイトBにより旋削加工し、取付基準面3pを形成する。
(3)ハブユニット組立・組付工程(図1)
前工程で完成したハブ3のハブ本体3aの外周面に内輪4a、外輪4b、転動体4c等を組み付けて、ハブユニット2を組み立てる。次に、ハブ3の車軸挿通孔3hに車軸1を挿通し、ハブ締結用ナット1nによりハブ3を車軸1に固定するとともに、車体側の外輪取付部8に外輪4bを圧入固定する。
(4)連結工程(図1)
インロー部3iの外周面をガイドとして、ハブフランジ3bの筒状部3cを対応するロータ側挿通孔5aに挿通する。続いて、同じくインロー部3iの外周面をガイドとして、筒状部3c及びロータ側挿通孔5aにホイール側挿通孔6aを位置合わせし、タイヤホイール6の膨出部6bを筒状部3cの先端面に着座させる。さらに、ハブボルト7を雌ねじ部3dと螺合させて、ハブフランジ3b、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を一体的に連結する。
このように、取付部形成工程において、ハブフランジ3b、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を一体的に連結するための筒状部3cが、型鍛造によりハブフランジ3bと一体的に成形される。このため、従来構造でのハブボルト圧入時に生じるハブフランジ3bの変形を防止し、主表面の平坦度の悪化を防止することができる。したがって、ハブフランジ3bの主表面ひいてはブレーキディスクロータ5の振れ精度が向上し、ブレーキ鳴き現象が発生しにくくなる。また、従来構造における圧入用のハブボルトを要せず、ハブフランジ3bにボルト孔を加工したり圧入したりする作業も要しないから、製造コストを低減することができる。
さらに、基準面形成工程において、ハブフランジ3bの主表面を旋削加工してブレーキディスクロータ5取付用の基準面3pが形成される。このため、筒状部3cの型鍛造成形後に主表面を一度平坦に仕上げれば平坦度が維持されるので、従来のハブボルト圧入構造と比べて、基準面3pを形成するために主表面を旋削する加工工数が削減(ひいては製造コストを低減)できる。
なお、基準面形成工程では筒状部3cよりもラジアル方向外側の環状領域を旋削するので、主表面の旋削加工が実施しやすく、特殊な治具等を要せずに取付基準面3pを形成できる。また、連結工程ではタイヤホイール6の膨出部6bが筒状部3cの先端面に着座するので、膨出部6bの裏側(車両インナ側)に空間形成される場合に比して、ハブボルト7の締結作業が容易となる。
(実施例2)
図5は車両の車輪取付構造の他の例を示す断面図である。また、図6はハブの断面図及び正面図を示している。
図6に示すように、ハブフランジ3bには、型鍛造により一体成形されて、車両アウタ側の主表面(フランジ面)からアキシャル方向に軸状に突出する複数(例えば6個)の軸状部3e(突出部)が、周方向に沿って所定間隔(例えば同心状のピッチ円P上で等間隔)で配置されている。そして、軸状部3eには、ハブフランジ3bにブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を締結するためのハブナット8(固定手段;図5参照)と螺合する雄ねじ部3f(固定手段)が車両アウタ側からインナ側に向って形成されている。
図5において、ハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面に、ラジアル方向において上記軸状部3eよりも外側の環状領域を旋削加工(除去加工)することにより(図6(b)、図8参照)、ブレーキディスクロータ5の取付基準面3pが形成されている。なお、ホイール側挿通孔6aは車両アウタ側に向って拡径する部分を有し、その拡径部分にハブナット8の先端縮径部が楔形に嵌合する。
したがって、ハブフランジ3bの軸状部3eに、対応するブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6の挿通孔5a,6aを位置合わせし、雄ねじ部3fとハブナット8とを螺合すると、ハブフランジ3b、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6が一体的に連結される。このとき、軸状部3eはロータ側挿通孔5aとホイール側挿通孔6aとを挿通し、ハブナット8の先端縮径部はホイール側挿通孔6aの拡径部分に着座(楔形嵌入)する。
次に、ハブ3の製造方法及び車輪取付方法について、図7、図8及び図5により説明する。
(1)取付部形成工程(図7,図5)
S55Cを母材(素材)とし、ハブ本体3aと一体をなすハブフランジ3bの車両アウタ側の主表面(フランジ面)から、型鍛造によりアキシャル方向に6個の軸状部3eを一体成形する。そして、各軸状部3eにはダイスDにより雄ねじ部3fが形成される。また、この型鍛造によって、環状のインロー部3iもハブフランジ3bの主表面からアキシャル方向に一体成形される。一方、ブレーキディスクロータ5には、軸状部3eに対応する位置に、ロータ側挿通孔5aがアキシャル方向に貫通形成される。また、タイヤホイール6には、軸状部3e及びロータ側挿通孔5aに対応する位置に、ホイール側挿通孔6aがアキシャル方向に貫通形成される。なお、軸状部3e及びインロー部3iは、ハブ本体3aやハブフランジ3bと同時一体成形してもよい。
(2)基準面形成工程(図8)
ハブフランジ3bの主表面において、軸状部3eよりもラジアル方向外側の環状領域をバイトBにより旋削加工し、取付基準面3pを形成する。
(3)ハブユニット組立・組付工程(図5)
実施例1と同様にハブユニット2の組み立てと、車軸1及び車体側への組み付けを行なう。
(4)連結工程(図5)
インロー部3iの外周面をガイドとして、ハブフランジ3bの軸状部3eを対応するロータ側挿通孔5aに挿通する。続いて、同じくインロー部3iの外周面をガイドとして、軸状部3eを対応するホイール側挿通孔6aに挿通する。さらに、ハブナット8を雄ねじ部3fと螺合させて、ハブフランジ3b、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6を一体的に連結する。
この実施例では、ロータ側挿通孔5a及びホイール側挿通孔6aは従来構造と共通して使用できるので、ブレーキディスクロータ5及びタイヤホイール6の共用化を容易に図ることができる。なお、実施例2(図5〜図8)において、実施例1(図1〜図4)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
以上の各実施例で説明した車輪取付構造(車輪取付方法)は、
(1)駆動輪、従動輪いずれの装着にも同様に用いられる。
(2)従動輪の場合、軸受部4が内輪回転、外輪回転いずれの方式であってもよい。
なお、取付部形成工程において、筒状部3c(実施例1)や軸状部3e(実施例2)の鍛造一体成形をブレーキディスクロータ5(ロータ側挿通孔5a)やタイヤホイール6(ホイール側挿通孔6a)の製造とほぼ同時に行なう場合、これらの製造とは別にその前後に行なう場合のいずれであってもよい。筒状部3cへの雌ねじ部3d(実施例1)の形成や軸状部3eへの雄ねじ部3f(実施例2)の形成についても同様である。
以上の実施例では、タップTによる雌ねじ部3d形成(実施例1)やダイスDによる雄ねじ部3f形成(実施例2)についてのみ説明したが、転造によって雌ねじ部3dや雄ねじ部3fを形成してもよい。また、基準面形成工程で取付基準面3pを形成する際に、筒状部3c又は軸状部3eよりもラジアル方向外側の環状領域を旋削加工(除去加工)する場合のみについて説明したが、外側環状領域に代えて又はそれに加えて、筒状部3c又は軸状部3eよりもラジアル方向内側の環状領域を旋削加工してもよい。
車両の車輪取付構造の一例を示す断面図。 図1に用いられるハブの断面図及び正面図。 図2のハブの製造工程を示す断面図。 図3に続く製造工程を示す断面図。 車両の車輪取付構造の他の例を示す断面図。 図5に用いられるハブの断面図及び正面図。 図6のハブの製造工程を示す断面図。 図7に続く製造工程を示す断面図。 従来の車輪取付構造を示す説明図。
符号の説明
2 ハブユニット
3 ハブ
3a ハブ本体(内輪部材)
3b ハブフランジ(フランジ部)
3c 軸状部(突出部)
3d 雌ねじ部(固定手段)
3e 筒状部(突出部)
3f 雄ねじ部(固定手段)
3p 取付基準面(主表面)
4 軸受部
4a 内輪(回転輪)
4b 外輪(固定輪)
4c 転動体(玉)
5 ブレーキディスクロータ
5a ロータ側挿通孔
6 タイヤホイール
6a ホイール側挿通孔
7 ハブボルト(固定手段)
8 ハブナット(固定手段)

Claims (7)

  1. 車両の車輪が取り付けられて一体回転するハブの車両アウタ側の端部には、ラジアル方向に突出するフランジ部が設けられ、そのフランジ部の車両アウタ側の主表面に、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールがこの順で重ねて取り付けられる車輪取付構造であって、
    前記フランジ部には、前記主表面からアキシャル方向に軸状又は筒状に突出するとともに周方向に沿って所定間隔で配置された複数の突出部が鍛造により一体的に成形される一方、
    前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールには、前記突出部の位置に対応させてアキシャル方向に複数の挿通孔がそれぞれ貫通形成され、
    前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結することを特徴とする車輪取付構造。
  2. 前記フランジ部の主表面は、ラジアル方向において前記突出部よりも外側の領域及び内側の領域のうちの少なくとも一方の領域に除去加工が施されることにより、前記ブレーキディスクロータの取付基準面に形成されている請求項1に記載の車輪取付構造。
  3. 前記突出部には、前記フランジ部に前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを締結するためのハブボルトと螺合する雌ねじ部がアキシャル方向に沿って形成され、
    前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、前記雌ねじ部と前記ハブボルトとを螺合することによって、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールが一体的に連結されている請求項1又は2に記載の車輪取付構造。
  4. 前記突出部には、前記フランジ部に前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを締結するためのハブナットと螺合する雄ねじ部がアキシャル方向に沿って形成され、
    前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、前記雄ねじ部と前記ハブナットとを螺合することによって、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールが一体的に連結されている請求項1又は2に記載の車輪取付構造。
  5. 車両の車輪が取り付けられて一体回転するハブの車両アウタ側の端部には、ラジアル方向に突出するフランジ部が設けられ、そのフランジ部の車両アウタ側の主表面に、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールがこの順で重ねて取り付けられる車輪取付方法であって、
    前記フランジ部に、前記主表面からアキシャル方向に軸状又は筒状に突出するとともに周方向に沿って所定間隔で配置された複数の突出部を鍛造により一体的に成形する一方、前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールに、前記突出部の位置に対応させてアキシャル方向に複数の挿通孔をそれぞれ貫通形成する取付部形成工程と、
    前記フランジ部の主表面に対し、ラジアル方向において前記突出部よりも外側の領域及び内側の領域のうちの少なくとも一方の領域を除去加工して、前記ブレーキディスクロータの取付基準面に形成する基準面形成工程と、
    前記フランジ部の突出部に、対応する前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールの挿通孔を位置合わせし、それらフランジ部、ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールを一体的に連結する連結工程と、
    を含むことを特徴とする車輪取付方法。
  6. 前記取付部形成工程において、前記突出部に、前記フランジ部と前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールとを締結するためのハブボルトに螺合する雌ねじ部をアキシャル方向に沿って形成する請求項5に記載の車輪取付方法。
  7. 前記取付部形成工程において、前記突出部に、前記フランジ部と前記ブレーキディスクロータ及びタイヤホイールとを締結するためのハブナットに螺合する雄ねじ部をアキシャル方向に沿って形成する請求項5に記載の車輪取付方法。
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