JP5168852B2 - 軸受ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、冷間鍛造により成形された軸受ユニットに関し、当該軸受ユニットは、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するために用いられる。
従来、自動車の車輪(例えば、ディスクホイール)を車体(例えば、懸架装置(サスペンション))に対して回転自在に支持するための各種の軸受ユニットが知られている(特許文献1参照)。例えば図1(a)には駆動輪用の軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットは、車体側に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪(外輪)2と、静止輪2の内側に対向して設けられ且つ車輪側に接続されて車輪と共に回転する回転輪(内輪)4と、静止輪2と回転輪4との間に複列(例えば2列)で回転可能に組み込まれた複数の転動体6,8とを備えている。
この場合、静止輪2は中空円筒状を成しており、回転輪4の外周を覆うように配置されており、静止輪2と回転輪4との間には、軸受ユニット内部を密封するためのシール部材(車輪側のリップシール10a、車体側のパックシール10b)が設けられている。なお、リップシール10aは、静止輪2の車輪側の固定面2n-1に固定され、回転輪4の摺動面4n-1に対して摺動自在に位置決めされており、一方、パックシール10bは、静止輪2の車体側の固定面2n-2に固定され、後述する回転輪構成体(内輪とも言う)16に対して摺動自在に位置決めされている。また、転動体6,8として図面では玉を例示しているが、軸受ユニットの構成や種類に応じて、コロが適用される場合もある。
静止輪(外輪)2には、その外周側から外方に向って突出した固定フランジ2aが一体成形されており、固定フランジ2aの固定孔2bに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側に締結することで、静止輪2を図示しない懸架装置(ナックル)に固定することができる。また、回転輪(内輪)4には、例えば自動車のディスクホイール(図示しない)を支持しつつ共に回転する略円筒形状のハブ(スピンドル)12が設けられており、ハブ(スピンドル)12には、ディスクホイールが固定されるハブフランジ12aが突設されている。
ハブフランジ12aは、静止輪(外輪)2を越えて外方(ハブ12の半径方向外側)に向って延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って所定間隔で配置された複数のハブボルト14が設けられている。この場合、複数のハブボルト14をディスクホイールに形成されたボルト孔(図示しない)に差し込んでハブナット(図示しない)で締付けることにより、当該ディスクホイールをハブフランジ12aに対して位置決めして固定することができる。このとき、ハブ12の車輪側に突設されたパイロット部12dによって車輪の径方向の位置決めが成される。
また、ハブ(スピンドル)12には、その車体側の嵌合面4n-2に環状の回転輪構成体16(ハブ12と共に回転輪4を構成する内輪)が嵌合(外嵌)されるようになっている。この場合、例えば静止輪2と回転輪4との間に各転動体6,8を保持器18で保持した状態で、回転輪構成体(内輪)16を嵌合面4n-2に形成された段部12bまで嵌合(外嵌)した後、ハブ12の車体側軸端部の加締め領域12cを塑性変形させて、当該加締め領域(軸端部)12cを回転輪構成体16の周端部16sに沿って加締める(密着させる)ことで、当該回転輪構成体16を回転輪4(ハブ12)に固定(係止)することができる。
このとき、軸受ユニットには所定の予圧が付与された状態となり、この状態において、各転動体6,8は、互いに所定の接触角を成して静止輪2と回転輪4の軌道面(静止軌道面2s、回転軌道面4s)にそれぞれ接触して回転可能に組み込まれる。この場合、2つの接触点を結んだ作用線(図示しない)は、各軌道面2s,4sに直交し且つ各転動体6,8の中心を通り、軸受ユニットの中心線上の1点(作用点)で交わる。これにより背面組合せ形(DB)軸受が構成される。
なお、このような構成において、自動車走行中に車輪に作用した力は、全てディスクホイールから軸受ユニットを通じて懸架装置に伝達されることになり、その際、軸受ユニットには、各種の荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重など)が作用する。しかし、軸受ユニットは、上述したような背面組合せ形(DB)軸受となっているため、各種の荷重に対して高い剛性が維持される。
また、かかる軸受ユニットには、図示しない等速ジョイント(CVJ)が連結されるようになっている。具体的に説明すると、等速ジョイントと軸受ユニットとは、等速ジョイントの外輪(図示しない)を軸受ユニットの回転輪4(ハブ12の加締め領域12c)に当接すると共に、等速ジョイントのスプライン軸(図示しない)を回転輪4(ハブ12)のスプライン孔12hに嵌入し、その嵌入先端をパイロット部12dに対してナット(図示しない)で固定することで互いに連結されている。この構成において、例えばドライブシャフトの角度の変化に対応して当該等速ジョイントが自由に角度変化することで、所定トルクの駆動力が軸受ユニットを介してディスクホイールに円滑に伝達されることになる。
一方、例えば図1(b)には従動輪用の軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットにおいて、軸受ユニット内部を密封するためのシール部材として、車体側にはパックシールの代わりにカバー10cが設けられている。カバー10cは、車体側における軸受内部を軸受外部から密封するような円板形状を成しており、その基端は静止輪(外輪)2の固定面2n-2に固定されている。なお、他の構成は上述した駆動輪用の軸受ユニット(図1(a))と同一であるため、図1(b)上において同一符号を付して、その説明を省略する。
ところで、上述した図1(a),(b)の軸受ユニットにおいて、回転輪(内輪)4を構成するハブ(スピンドル)12は、車輪側にパイロット部12dが突設されていると共に、当該ハブ12の外周面4mに、ハブフランジ12aやリップシール10aの摺動面4n-1、回転軌道面4sや段部12b、回転輪構成体16の嵌合面4n-2などが一体化された複雑な形状を成している。また、特に図1(a)の駆動輪用軸受ユニットでは、ハブ12の内周面4nにスプライン孔12hが一体化されている。
このため、従来のハブ12は、熱間鍛造により形成するのが一般的であった。熱間鍛造では、外内輪2,4を形成するための素材に対する据え込み加工から打抜き(トリミング)加工に至るまでに数工程を経て最終形状を得ることが一般的であるが、最終工程終了時までA3変態点(約800℃)以上の温度を保てるように、素材は第1工程前に約1100℃まで加熱される。また、最終工程終了後においては、続いて行われる機械加工を考慮して、当該素材の硬さが上がらないように徐々に除冷される。この場合、素材の表面に対する酸化や脱炭が発生するため、当該素材に対する高い寸法精度や強度が要求される部分に機械加工が施される。
しかしながら、素材に対する機械加工では、酸化や脱炭して荒れた素材表面がチャッキング(素材を爪でつかんだ状態で加工)されるため、機械加工が施された素材表面と熱間鍛造が施された素材表面との間で芯ズレが発生し、例えば回転輪である内輪4(ハブ12)の回転バランスが崩れてしまう場合がある。この場合、軸受ユニットの回転性能を長期に亘って一定に維持することが困難になってしまう虞がある。
また、熱間鍛造後の除冷では、機械加工の効率を考慮して、素材がある程度軟らかい状態に維持されるが、この場合、ハブ(スピンドル)12のハブフランジ12aの根元部分(硬い方が良い部分)も軟らかくなってしまう。この状態で機械加工が行われると、機械加工時の圧力によってハブフランジ12aが変形したり傾斜する場合がある。この場合、ハブフランジ12aに対してディスクホイールを正確に且つ堅牢に固定することができなくなり、その結果、自動車の車輪を懸架装置に対して安定して支持することが困難になってしまう虞がある。
これを回避するために、例えば特許文献2には、板材に冷間鍛造による加工処理を施してハブ(スピンドル)を成形する技術が提案されている。これによれば、鍛造品の表面の酸化や脱炭の発生を抑制することが可能であり、仕上がり精度も向上させることができる。この場合、機械加工を施す必要が無いため、従来のようにハブ12の回転バランスが崩れるといったような問題は発生し難い。しかしながら、板材による冷間鍛造では、ハブ(スピンドル)の軸端部の硬さがハブフランジの根元部分の硬さに比べて高くなってしまうため、その軸端部を塑性変形させて回転輪構成体(内輪)をハブ(スピンドル)に係止する加締め加工がし難くなってしまう場合がある。また、板材からの加工では、ブレーキパイロット部やホイールパイロット部の張出し加工が難しく、特許文献2にみられるように間欠的なパイロットを設けるか、別体のパイロットを嵌合取付する必要があった。
そこで、加締め加工のし易さを図ることで、内輪をスピンドルに効率良く係止させることが可能な軸受ユニットの開発が望まれているが、現在そのような軸受ユニットは知られていない。
特開2005−256897号公報 特開2003−25803号公報
本発明は、このような要望に応えるためになされており、その目的は、加締め加工のし易さを図ることで、内輪をスピンドルに効率良く係止させることが可能な軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、車体に対して車輪を回転自在に連結するためのスピンドルに嵌合可能な内輪と、当該内輪に対して相対回転可能に対向配置可能な外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に組み込まれた複数の転動体とを備え、スピンドルの軸端部を加締めることで内輪をスピンドルに係止している軸受ユニットであって、スピンドルは、機械構造用炭素鋼から成る素材に冷間鍛造による加工処理を施すことにより、当該鍛造後の焼鈍しを行うこと無く、径方向に突出したフランジと共に一体成形されると共に、冷間鍛造直後であって、かつ、熱処理前の状態において、当該熱処理が施される領域を含まないフランジの根元部分とスピンドルの軸端部における硬さとして、当該フランジの根元部分の硬さは、加締め前におけるスピンドルの軸端部の硬さに比べて高く設定されている。
具体的には、フランジの根元部分の硬さは、加締め前におけるスピンドルの軸端部の硬さに比べてビッカース硬度でHV50以上高く設定されている。この場合、スピンドルの軸端部は、素材に冷間密閉鍛造による縮径又は拡径加工を施すことで一体成形され、当該スピンドルのフランジは、素材に冷間密閉鍛造による側方押出し加工を施すことで一体成形されている。
本発明によれば、加締め加工のし易さを図ることで、内輪をスピンドルに効率良く係止させることが可能な軸受ユニットを実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。なお、本実施の形態の軸受ユニットは、図1(a),(b)に示された軸受ユニットの改良であるため、以下では、同一構成についての説明は省略し、相違する構成についての説明にとどめる。
図1(a),(b)に示された軸受ユニットでは、ハブフランジ12aの根元部分の硬さをある程度高くするために、ハブ12全体に亘って略一定の硬さに設定されているため、当該ハブ12の加締め領域(軸端部)12cを塑性変形させ難くなっている。
そこで、本実施の形態の軸受ユニットは、ハブ(スピンドル)12の軸端部の加締め領域12c(図2(a),(b))を塑性変形し易くして、当該加締め領域(軸端部)12cを回転輪構成体16の周端部16sに沿って容易に加締める(密着させる)ことで、回転輪構成体(内輪)16をハブ12に効率良く係止させることができるように構成されている。
かかる構成を実現するためには、より高い回転曲げ強度が要求されるハブフランジ12aの根元部分は比較的硬く、加締め加工が行われるハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cは比較的軟らかさが保たれるように、当該ハブ12に対して冷間密閉鍛造による加工処理を施せば良い。
ここで、ハブ12を冷間密閉鍛造により形成するプロセスについて、図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、ハブ12を形成するための素材として、当該素材が球状化焼鈍された機械構造用炭素鋼から成る円柱形状のビレット20を用意する。なお、ここでは、従動輪用のハブ12(図2(b))を想定しているため、ビレット20は中実材となっているが、駆動輪用の場合(図2(a))には、中空のビレット(図示しない)を用意すれば良い。
次に、図3(b),(c)に示すように、ビレット20に対して冷間密閉鍛造により例えば絞り加工を施すことにより、ハブ12の外周面4mとなる部位20mと、回転輪構成体16の嵌合面4n-2となる部位20n-2とを一体成形する。このとき、双方の部位20m,20n-2の間には、段部12bとなる部位20bも同時に一体成形するようにしても良い。
また、当該絞り加工では、ハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cとなる部位20cも同時に一体成形される。この場合、当該部位20cは、ビレット20に冷間密閉鍛造による縮径又は拡径加工が施される。このような縮径又は拡径加工を施すことで、加締め領域(軸端部)12cとなる部位20cを比較的軟らかく保つことができる。
具体的に説明すると、駆動輪用及び従動輪用のハブ12(図2(a),(b))において、加締め領域(軸端部)12cとなる部位20cを縮径又は拡径すると、その分だけ薄肉化させることができ、これにより当該部位20cの硬さを弱めることができる。なお、縮径又は拡径の程度については、例えばハブ12の形状や大きさ、当該部位20cに対する加締め力の大きさなどに応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。
続いて、図3(d)に示すように、ビレット20に対して冷間密閉鍛造により側方押出し加工を施すことにより、回転軌道面4sとなる部位20sと、リップシール10aの摺動面4n-1となる部位20n-1と、ハブフランジ12aとなる部位20aを一体成形する。このとき、ハブフランジ12aとなる部位20aと同時に、パイロット部12dとなる部位20dも周方向に沿って連続して一体成形される。
このような冷間密閉鍛造による側方押出し加工によれば、ハブフランジ12aとなる部位(根元部分含める)20aの硬さは、上述したハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cとなる部位20cよりも硬くなる。これはビレット20に対する加工硬化の違いから生じる結果である。
ここで、加工硬化の違いについての試験結果について説明する。
まず、例えば炭素量0.50〜0.56%の機械構造用炭素鋼に球状化焼鈍しを行い、その硬さをビッカース硬度でHV160に調整したビレット(素材)を用意する。そして、当該素材に冷間密閉鍛造による加工処理を施して、ハブ(スピンドル)を成形した場合、その加締め領域(軸端部)の硬さがHV200に対して、ハブフランジ(根元部分含める)の硬さはHV250以上となり、HV50〜100の硬度差が生じた。
このような硬度差(HV50〜100)は、材料力学的な引張強さの差に換算すると、約17〜33kgf/mmとなり、加締め領域(軸端部)に対してハブフランジ(根元部分含める)の強度(硬さ)を向上させる結果が得られた。
そして、図3(e)に示すように、冷間密閉鍛造による側方押出し加工が終了することにより、図2(b)のハブ12と同一形状を成す製品を高精度に完成させることができる。この場合、側方押出しされたハブフランジ12aを含めたハブ12全体の形状は、スターシェイプとなる。
なお、ハブ(スピンドル)12の完成後において、通常の鍛造処理では焼鈍しが行われるが、焼鈍しは、素材の機械的性質を変化させることで、残留応力の除去、硬さの低減など行なう処理である。しかし、本実施の形態では、ハブ(スピンドル)12の完成後に、加締め領域(軸端部)12cとハブフランジ12a(根元部分含める)との間のHV50〜100の硬度差を維持する必要上、冷間密閉鍛造後に焼鈍しを行うことはできない。
従って、ビレット20の硬さについては、冷間密閉鍛造後に維持したい加締め領域(軸端部)12cの残留硬さを考慮して設定する必要がある。この場合、加締め領域(軸端部)12cの残留硬さについては、例えば加締め領域(軸端部)12cに加える加締め力や、ハブフランジ12a(根元部分含める)の硬さとの関係により任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。
以上、本実施の形態によれば、ハブフランジ12a(根元部分含める)の硬さは、加締め前におけるハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cの硬さに比べて高く設定することができる。即ち、ハブフランジ12a(根元部分含める)の硬さは、加締め前におけるハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cの硬さに比べてビッカース硬度でHV50以上高く設定することができる。
そして、完成したハブ(スピンドル)12には、図1(a),(b)に示すように、静止輪(外輪)2が対向配置されると共に、複数の転動体6,8やシール部材が組み込まれ、回転輪構成体16が嵌合された後、加締め領域(軸端部)12cに加締め加工が施される。この場合、加締め前におけるハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cの硬さは、ハブフランジ12a(根元部分含める)に比べて軟らかさが保たれている。このため、当該加締め領域(軸端部)12cを回転輪構成体16の周端部16sに沿って容易に加締める(密着させる)ことができる。これにより、回転輪構成体(内輪)16をハブ12に効率良く係止させることができる。
なお、本実施の形態のハブ(スピンドル)12によれば、ハブフランジ12aの表面(ハブボルト14を着座させるためのボルト座面14mを含む)、パイロット部12dに対して機械加工が施されることは無く、そのまま供用することができる。このため、従来のように芯ズレが発生し、例えば回転輪である内輪4(ハブ12)の回転バランスが崩れてしまうといったような事態が生じることは無い。これにより、軸受ユニットの回転性能を長期に亘って一定に維持することができる。
また、ハブフランジ12aを側方押出し加工で成形することにより、周方向に連続したパイロット部12dを簡単且つ短時間に一体成形することができる。これにより、ハブ12の製造効率を向上させることができるため、製造コストの低減を図ることができる。
更に、ハブフランジ12aの根元部分の強度を向上させることができるため、当該根元部分の薄肉化を図ることが可能となり、薄肉化した分だけハブ12の軽量化を実現することができる。これにより、バネ下荷重を軽減することができるため、車輪の走行安定性や操作性を向上させることができる。
なお、図3(e)に示す完成品(ハブ12)において、リップシール10aの摺動面4n-1や回転軌道面4s、回転輪構成体16の嵌合面4n-2に対して熱処理を施すことが好ましい。この場合、摺動面4n-1から回転軌道面4sを介して外周面4mの段部12bから回転輪構成体16の嵌合面4n-2に至る領域には、電磁誘導方式による焼入れ・焼戻し処理を行えば良い。
ここで、電磁誘導方式による熱処理では、例えば完成品(ハブ12)をコイル中に配置した状態で、当該コイルに高周波電流を流し、コイル周りに高周波磁束を発生させると、そのときの誘導作用により完成品(ハブ12)を加熱することができる。このとき、加熱された部分を冷却剤(例えば、水など)で急冷することで焼入れが施される。続いて、再び加熱した後に冷却することで焼戻しが施される。
このような電磁誘導方式による焼入れ・焼戻し処理では、完成品(ハブ12)を均一に焼入れ硬化させることができる。特に中空のビレット(図示しない)で成形された駆動輪用のハブ12(図2(a))では、当該ハブ12の各部の肉厚の差が比較的小さくなるため、各部の熱容量が一定になる。このため、焼入れ硬化される深さが安定し、ハブ12全体に亘って均一な強度を確保することができる。
なお、静止輪(外輪)2及びハブ12を冷間鍛造するための素材としては、機械構造用炭素鋼から成るビレット材以外に、例えばパイプ材や板材を適用しても良い。
また、上述した実施の形態において、加締め後におけるハブ(スピンドル)12の加締め領域(軸端部)12cとハブフランジ12a(根元部分含める)との間の硬さについては特に言及しなかったが、当該加締め後においては、双方にHV50〜100の硬度差を維持させる必要は無く、どのような硬度となっても良い。例えばそれ以下の硬度差となっても良いし、或いは、硬度差がゼロとなっても良い。
また、上述した実施の形態では、第3世代の軸受ユニットを想定したが、これに限定されることは無く、例えば図4(a),(b)に示すような第2.5世代の軸受ユニットに対しても本発明を適用することが可能である。なお、同図(a)には駆動輪用の軸受ユニットが、同図(b)には従動輪用の軸受ユニットが示されている。この場合、第2.5世代の軸受ユニットは、上述した第3世代の軸受ユニットと基本的に同一構成を成しているが、ハブ(スピンドル)12には複列の内輪4が嵌合されている。この場合、加締め領域(軸端部)12c塑性変形して車輪側の内輪4に加締める(密着させる)ことで、複列の内輪4をハブ12に効率良く係止させることができる。
(a)は、駆動輪用の軸受ユニットの構成を示す断面図、(b)は、従動輪用の軸受ユニットの構成を示す断面図。 (a)は、冷間密閉鍛造された駆動輪用のハブ(スピンドル)の断面図、(b)は、冷間密閉鍛造された従動輪用のハブ(スピンドル)の断面図。 従動輪用のハブを冷間密閉鍛造するプロセスを示す図であって、(a)はビレットを用意する工程、(b),(c)は絞り加工工程、(d)は側方押出し加工工程、(e)は側方押出し加工終了工程。 第2.5世代の軸受ユニットの構成を示す図であって、(a)は、駆動輪用の軸受ユニットの断面図、(b)は、従動輪用の軸受ユニットの断面図。
符号の説明
2 外輪
2a 固定フランジ
4 内輪
6,8 転動体
12 ハブ(スピンドル)
12a ハブフランジ
12c スピンドルの軸端部(加締め領域)

Claims (3)

  1. 車体に対して車輪を回転自在に連結するためのスピンドルに嵌合可能な内輪と、当該内輪に対して相対回転可能に対向配置可能な外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に組み込まれた複数の転動体とを備え、スピンドルの軸端部を加締めることで内輪をスピンドルに係止している軸受ユニットであって、
    スピンドルは、機械構造用炭素鋼から成る素材に冷間鍛造による加工処理を施すことにより、当該鍛造後の焼鈍しを行うこと無く、径方向に突出したフランジと共に一体成形されると共に、冷間鍛造直後であって、かつ、熱処理前の状態において、当該熱処理が施される領域を含まないフランジの根元部分とスピンドルの軸端部における硬さとして、当該フランジの根元部分の硬さは、加締め前におけるスピンドルの軸端部の硬さに比べて高く設定されていることを特徴とする軸受ユニット。
  2. フランジの根元部分の硬さは、加締め前におけるスピンドルの軸端部の硬さに比べてビッカース硬度でHV50以上高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. スピンドルの軸端部は、素材に冷間密閉鍛造による縮径又は拡径加工を施すことで一体成形され、当該スピンドルのフランジは、素材に冷間密閉鍛造による側方押出し加工を施すことで一体成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受ユニット。
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