JP2023055544A - 車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】複列の外輪軌道の中央部側及び両端部側の両側で所望の熱処理硬化層深さを有し、且つ、外周面への熱処理硬化層の突き抜けを防止することができる車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットを提供する。【解決手段】内周面が軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となる筒状部材20Aを成形する鍛造工程と、筒状部材20Aの外周面28aを軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となるように、筒状部材20Aの内周面を拡径する拡径工程と、外輪軌道22に高周波熱処理を施し、外輪軌道22に熱処理硬化層23を形成する高周波熱処理工程と、高周波熱処理工程後に外輪の外周面28aを所定の形状に旋削仕上げする旋削工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットに関し、特に、転動体として円すいころを用いた車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットに関する。
自動車の車輪及び制動用部材は、車輪支持用転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対して回転自在に支持される。この様な車輪支持用転がり軸受ユニットには、自動車が旋回走行する際に大きなモーメント荷重が加わるので、旋回走行時の安定性を確保するために、大きなモーメント剛性を確保する必要がある。従来、高負荷容量の車輪支持用転がり軸受ユニットとしては、転動体を複列に配置すると共に、各列の転動体に円すいころを使用した構造のものが知られている。また、特許文献1~3では、軌道面にフレーキングや圧痕の発生を防止するため、軌道面に熱処理硬化層を設けることが記載されている。
特許文献1に記載の車両用ハブユニットでは、外輪軌道または内輪軌道の少なくとも一方の転がり接触域に、高周波焼き入れによる硬化層を形成し、その硬化層の軸方向両端部から1mm内方位置での硬化層深さを1.5~1.9mmとしている。
また、特許文献2に記載の車輪支持用転がり軸受ユニットでは、軸方向外側の外輪軌道面部分から軸方向内側の外輪軌道面部分に亙り、熱処理硬化層が全周に形成されており、外側硬化層及び内側硬化層の大径側部分の厚さ寸法を、各硬化層の小径側部分の厚さ寸法よりも大きく設定している。
さらに、特許文献3に記載の車輪支持用転がり軸受ユニットでは、両外輪軌道に設けられた熱処理硬化層の一部がシール部材を嵌合固定する為の嵌合円筒部の軸方向中間部まで延在され、シール部材の嵌合面が、嵌合円筒部の熱処理硬化層が形成された部分のみと嵌合している。
特開2009-180264号公報 特開2015-124847号公報 特開2015-28372号公報
車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪は、両端部に向かうほど軌道面が大径となるため、軌道面の面積が増えることによって高周波熱処理の際の受熱量が増加すると共に、肉厚が薄くなることによって熱容量が減少する。このため、両端部側の硬化層厚さが、中央部側の硬化層厚さより厚くなり、硬化層が両端部側の外周面に突き抜けてしまう不具合が発生しやすくなる。硬化層が両端部側の外周面に突き抜けてしまうと、外輪軌道面の圧縮応力が失われ、転がり疲れ寿命が低下する虞があると共に、外周面側に割れが発生しで突き抜け部分が輪断しやすくなる可能性があり好ましくない。このような硬化層の外周面への突き抜けを防止するため、両端部側の硬化層厚さを規制すると、中央部側で十分な硬化層厚さが得られず、転がり軸受ユニットの耐久性の低下につながる虞がある。
特許文献1では、外輪軌道面の硬化層深さを所定範囲内に規制することにより、転がり軸受ユニットの寿命向上を図った技術が開示されている。しかしながら、上述の様に、外輪は両端部に向かうほど、軌道面の面積が増えて受熱量が増加すると共に、熱容量が減少するので、通常の高周波熱処理では、硬化層深さ1.5~1.9mmの硬化層を両端部側で得ることは難しい。実際には、特許文献2に示されている様に、両端部側の硬化層厚さが中央部側の硬化層厚さより厚くなり、両端部側の硬化層の外周面への突き抜けが発生しやすくなる。また、特許文献3に開示されている様に、シール嵌合面にも硬化層が形成されていることが好ましいが、その様な硬化層を形成しようとすると、両端部側の硬化層の外周面への突き抜けが、更に発生しやすくなる問題がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複列の外輪軌道の中央部側及び両端部側の両側で所望の硬化層深さを有し、且つ、両端部側における外周面への硬化層の突き抜けを防止することができる車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
[1] 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法であって、
円柱状素材を鍛造加工し、前記内周面が軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となる筒状部材を成形する鍛造工程と、
前記筒状部材の外周面を軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となるように、前記筒状部材の内周面を拡径する拡径工程と、
前記外輪軌道に高周波熱処理を施し、前記外輪軌道に前記熱処理硬化層を形成する高周波熱処理工程と、
前記高周波熱処理工程後に前記外輪の外周面を所定の形状に旋削仕上げする旋削工程と、
を備える車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法。
[2] 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
前記外輪は、[1]に記載の製造方法によって製造される、車輪支持用転がり軸受ユニット。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法及び車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、複列の外輪軌道の中央部側及び両端部側の両側で所望の硬化層深さを有し、且つ、両端部側における外周面への硬化層の突き抜けを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの断面図である。 鍛造工程により成形された外輪の第1中間部材の断面図である。 図2に示す第1中間部材に対して、穴の両端部を拡径した状態を示す断面図である。 図3に示す第2中間部材に対して、フランジ面、両端面、外輪軌道及びシール嵌合部を旋削加工した後、高周波熱処理により外輪軌道に熱処理硬化層を形成した状態を示す断面図である。 図4に示す第3中間部材に対して、外周面を所定の形状に旋削仕上げした状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係り、フランジ面、両端面、外輪軌道及びシール嵌合部を旋削加工した後、高周波熱処理により外輪軌道及びシール嵌合部に熱処理硬化層を形成した、図4相当の第3中間部材の断面図である。 図6に示す第3中間部材に対して、外周面を所定の形状に旋削仕上げした、図5相当の第4中間部材の断面図である。
(第1実施形態)
図1~図6を参照して、第1実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット10について説明する。
なお、本明細書において、軸方向に関して外側とは、懸架装置に組み付けた状態で車体の幅方向外側となる側を言い、図1の左側となる。一方、軸方向に関して内側とは、車体の幅方向中央側となる側を言い、図1の右側となる。
第1実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット10は、従動輪用であり、外輪20と、ハブ30と、複数の円錐ころ40、40と、一対の組合せシールリング42とを備える。
外輪20は、外周面に静止側フランジ21を備え、内周面に断面形状(母線形状)が部分円錐形状である複列(2列)の外輪軌道22を有している。外輪軌道22には、高周波焼入れにより熱処理硬化層23が形成されている。外輪20は、静止側フランジ21を、懸架装置のナックルに結合固定することにより、使用時に、この懸架装置に固定支持された状態で回転しない。
ハブ30は、ハブ輪31と一対の内輪32とを結合することにより構成されており、外輪20の内径側に外輪20と同軸(同芯)に配置されている。
ハブ輪31には、外輪20の軸方向外側(アウトボード側)開口から軸方向外方に突出した部分から外径側に延出し、車輪及びディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定するための円輪状の回転側フランジ34が設けられている。回転側フランジ34に設けられた複数の挿通孔34aには、それぞれスタッドボルト41がセレーション嵌合されている。
また、ハブ輪31の外周面には、回転側フランジ34の近傍から軸方向内側(インボード側)に円筒状の小径段部35が形成される。そして、一対の内輪32は、互いの小鍔部32aを当接させた状態で、小径段部35の外周面に圧入によって外嵌され、ハブ輪31の軸方向内側端部に形成された加締め部37により軸方向内側の内輪32の軸方向内端面を抑え付けられ、ハブ輪31に位置決め固定される。
これにより、外輪20の内周面に設けられた軸方向外側列の外輪軌道22と対向する部分には、軸方向外側列の内輪32の外周面に形成された内輪軌道38が設けられる。また、外輪20の内周面に設けられた軸方向内側列の外輪軌道22と対向する部分には、軸方向内側列の内輪32の外周面に形成された軸方向内側列の内輪軌道38が設けられる。
なお、車輪支持用転がり軸受ユニット10は、軸方向外側列の内輪32を設けずに、軸方向外側列の内輪軌道38をハブ輪31の外周面によって構成してもよい。
円錐ころ40は、軸方向外側列の外輪軌道22と内輪軌道38との間、及び、軸方向内側列の外輪軌道22と内輪軌道38との間に、それぞれ複数ずつ、保持器43により保持された状態で転動自在に設けられる。
一対の組合せシールリング42は、シールリング42aとスリンガ42bとによってそれぞれ構成され、外輪20の内周面とハブ30の外周面との間に存在する、複数の円錐ころ40が設けられた内部空間45の軸方向両端開口(軸方向外側及び軸方向内側)を塞いでいる。シールリング42aは、外輪20の複列の外輪軌道22の軸方向両端側の内周面に設けられたシール嵌合部24に固定されている。また、スリンガ42bは、断面L字形に形成され、内輪32の大鍔部32bの外周面に外嵌固定される。これにより、内部空間45に封入したグリース等の潤滑剤が外部に漏洩するのを防止すると共に、外部から内部空間45に泥水等の異物が浸入するのを防止している。
ここで、複列の外輪軌道22に硬化層23が形成される本実施形態の外輪20の製造方法について説明する。本実施形態の外輪20の製造方法では、炭素含有量が0.3~0.7質量%の中炭素鋼製である円柱状素材に鍛造加工を施して筒状部材を成形し、該筒状素材に拡径加工を施した後、さらに、外輪軌道22などを形成するため旋削加工を行い、外輪軌道22に高周波熱処理を施す。その後、外輪20は、外周面28を旋削仕上げすると共に、外輪軌道22とシール嵌合部24に研削加工を施すことによって製作される。
具体的には、まず、図2に示すように、円柱状素材に鍛造加工を施して、軸方向中央部側の内径Diよりも軸方向両端部側の内径Doが大径となり、傾斜角度が外輪軌道22より小さい、一対のテーパー面25及び一対のテーパー面25間の円筒面25bを内周面に有し、外周面の軸方向中間部分にフランジ部21aを有する1次中間部材(筒状部材)20Aを成形する。
外輪20の鍛造加工は、一般的に、円柱状素材→焼鈍→材料切断→加熱→すえ込み→型鍛造→中抜→トリミングの各工程を備える。通常、外輪20の鍛造加工は、鋼材をA3変態点(略800℃)以上に熱して柔らかくし、打撃、加圧により塑性変形させる、熱間鍛造で行われる。熱間鍛造加工は、素材を軟らかくしているので、加工の自由度が高く、素材から製品まで大きく形を変形させることができ、また、鍛流線が表面に平行に流れるため、切削品に比べ、製品の靭性と耐久性が強くなる。
また、鍛造加工により形成される外周面28aは、型鍛造における型抜きのため、外輪20の中心線CLに対して、2~3°程の抜き勾配(軸方向中央部側が軸方向両端部側よりも大径)を有するものの、略平行といえる状態に形成されている。
次いで、図3に示すように、1次中間部材20Aの一対のテーパー面25に、軸方向両側から外周面がテーパー形状のパンチ50を打ち込み、傾斜角度がより大きくなったテーパー面25aを拡径により成形し、2次中間部材20Bを得る。該拡径加工により、外周面28aも、軸方向中央部側よりも軸方向両端部側が大径となるテーパー状に拡径して形成される。このため、パンチ50のテーパー形状の傾斜角度は、1次中間部材20Aのテーパー面25の傾斜角度よりも大きく、図1に示す完成品の外輪軌道22の傾斜角度より小さい。
そして、図4に示すように、2次中間部材20Bに対して、2点鎖線で示す、静止側フランジ21の側面21b(懸架装置に取り付けられる面)、軸方向両端面20a,20b、テーパー面25a、及び円筒面25bを実線で示す形状に旋削加工して3次中間部材20Cに成形する。これにより、テーパー面25aは、該旋削加工により外輪軌道22及びシール嵌合部24に近似した形状(研削代を残した形状)に加工され、3次中間部材20Cが得られる。
そして、旋削加工を施した3次中間部材20Cの一対の外輪軌道22(研削代を残した完成品と類似形状)に対して、高周波熱処理を施して熱処理硬化層23を形成する。ここで、3次中間部材20Cの外周面28aは、拡径加工によってテーパー状に形成されているので、高周波熱処理は、外輪20の両端部側の径方向厚さt1と中央部側の径方向厚さt2との肉厚差が少ない状態で行われる。即ち、高周波熱処理は、軸方向中央部側での肉厚は従来と実質変わらない一方、軸方向両端部側での肉厚は従来よりも厚い状態で行われるので、両端部側での熱容量が大きくなり、熱処理硬化層23の硬化層深さが、両端部側が中央部側に比べて大幅に深くなることがない。
なお、本実施形態では、一対の外輪軌道22間の円筒面25bを残して、高周波熱処理が行われているが、円筒面25bを含んで高周波熱処理が行われてもよい。
そして、図5に示すように、2点鎖線で示す外輪20の外周面28aを実線で示す所定の形状に旋削仕上げして、外輪軌道22を研削する前の4次中間部材20Dを成形する。ここでは、外周面28は、外輪20の中心線CLに対して略平行に旋削されるが、両端部側において硬化層23の外周面28への突き抜けが防止されている。即ち、熱処理硬化層23は、外周面28aを旋削した際に、硬化層23の外周面28への突き抜けがないような深さに形成されている。
その後、外輪軌道22を研削加工して、外輪20の完成品とする。
上述したように、本実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット10の外輪20の製造方法は、鍛造加工により、テーパー面25aを有する筒状部材20Aを成形した後、内周面22aを拡径して外周面も軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径とし、中央側と両端部側の肉厚差が少ない状態で外輪軌道22に高周波熱処理を行うことで、外輪軌道22の両端部側と中央部側で所望の深さとなる熱処理硬化層23を形成し、その後、外周面28を旋削加工している。これにより、複列の外輪軌道22の中央部側及び両端部側の両側で所望の硬化層深さとなり、外輪軌道22の軸方向全体に亘って耐圧痕性を向上することができ、且つ、両端部側における外周面28への硬化層23の突き抜けを防止することができる。
特に、外輪軌道22の両端部側でも硬化層23が深くなることなく、外周面28への突き抜けを防止できる所望の硬化層深さとされているので、外輪20の両端部での径方向厚さを薄くすることもできる。
なお、熱間鍛造後の空冷速度をコントロールすることにより、高周波熱処理前の外輪20の硬度をHRC25~30の範囲に調整して、熱処理硬化層23の径方向外方部分に存在する非硬化層の強度を高めて、外輪軌道22の耐圧痕性をより向上するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本実施形態の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態の外輪の製造方法は、高周波熱処理工程が、第1実施形態と異なり、その他については第1実施形態と同様である。
図6に示すように、3次中間部材20Eは、図3に示した2次中間部材20Bに対して、第1実施形態と同様に、静止側フランジ21の側面21b、軸方向両端面20a,20b、内周面25a及び25bに旋削加工を施した後、外輪20の外輪軌道22及びシール嵌合部24(共に研削代を残した完成品と類似形状)に対して、高周波熱処理を同時に施して熱処理硬化層23を形成する。この場合も、3次中間部材20Cの外周面28aは、拡径加工によってテーパー状に形成されているので、高周波熱処理は、外輪20の両端部側の径方向厚さt1と中央部側の径方向厚さt2との肉厚差が少ない状態で行われる。したがって、両端部のシール嵌合部24に熱処理硬化層23が形成されたにも係わらず、外周面28aへの熱処理硬化層23の突き抜けが防止される。
そして、図7に示すように、2点鎖線で示す外輪20の外周面28aを実線で示す所定の形状に旋削仕上げして、外輪軌道22及びシール嵌合部24の研削前の4次中間部材20Fを成形する。
その後、外輪軌道22及びシール嵌合部24を研削加工して外輪20の完成品とする。
これにより、長期間に亘って転がり軸受ユニットに車両の走行に伴う振動が作用しても、シール嵌合部24が摩耗する虞がなく、シール嵌合部24に嵌合するシールリング42を確実に保持できる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法であって、
円柱状素材を鍛造加工し、前記内周面が軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となる筒状部材を成形する鍛造工程と、
前記筒状部材の外周面を軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となるように、前記筒状部材の内周面を拡径する拡径工程と、
前記外輪軌道に高周波熱処理を施し、前記外輪軌道に前記熱処理硬化層を形成する高周波熱処理工程と、
前記高周波熱処理工程後に前記外輪の外周面を所定の形状に旋削仕上げする旋削工程と、
を備える車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法。
この構成によれば、外輪軌道の中央部側及び両端部側の両側で所望の硬化層深さを有し、且つ、両端部側における外周面への硬化層の突き抜けを防止することができる。
(2) 前記外輪は、前記複列の外輪軌道の軸方向両端側にシール嵌合部をさらに有し、
前記高周波熱処理工程は、前記外輪軌道と共に、前記シール嵌合部も同時に高周波熱処理を施す、(1)に記載の車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法。
この構成によれば、長期間に亘って車輪支持用転がり軸受ユニットに車両の走行に伴う振動が作用しても、シール嵌合部が摩耗する虞がなく、シール嵌合部に嵌合するシールリングを確実に保持できる。
(3) 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
前記外輪は、(1)又は(2)に記載の製造方法によって製造される、車輪支持用転がり軸受ユニット。
この構成によれば、外輪軌道の中央部側及び両端部側の両側で所望の硬化層深さを有し、且つ、両端部側における外周面への硬化層の突き抜けを防止することができる外輪を備えた車輪支持用転がり軸受ユニットを提供できる。
10 車輪支持用転がり軸受ユニット
20 外輪
20A 1次中間部材(筒状部材)
20B 2次中間部材
20C、20E 3次中間部材
20D、20F 4次中間部材
22 外輪軌道
23 熱処理硬化層
24 シール嵌合部
30 ハブ
38 内輪軌道

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法であって、
    円柱状素材を鍛造加工し、前記内周面が軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となる筒状部材を成形する鍛造工程と、
    前記筒状部材の外周面を軸方向中央部側よりも軸方向両端部側において大径となるように、前記筒状部材の内周面を拡径する拡径工程と、
    前記外輪軌道に高周波熱処理を施し、前記外輪軌道に前記熱処理硬化層を形成する高周波熱処理工程と、
    前記高周波熱処理工程後に前記外輪の外周面を所定の形状に旋削仕上げする旋削工程と、
    を備える車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法。
  2. 前記外輪は、前記複列の外輪軌道の軸方向両端側にシール嵌合部をさらに有し、
    前記高周波熱処理工程は、前記外輪軌道と共に、前記シール嵌合部も同時に高周波熱処理を施す、請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪の製造方法。
  3. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有するハブと、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数の円すいころと、を備え、少なくとも前記複列の外輪軌道には熱処理硬化層が形成されている車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
    前記外輪は、請求項1又は2に記載の製造方法によって製造される、車輪支持用転がり軸受ユニット。
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