JP6136382B2 - 電池外装用ラミネートフィルムの製造方法 - Google Patents

電池外装用ラミネートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池外装用ラミネートフィルムと、その製造方法に関する。より具体的には、本発明は、リチウム電池(リチウム一次、二次電池)、リチウムイオン二次電池、ポリマー電池等の電池において、液体、ゲル状高分子体、又は固体の電解質を有する電池本体を包装するための電池外装用ラミネートフィルムと、その製造方法に関する。本発明はまた、この電池外装用ラミネートフィルムを用いた電池に関する。
近年、携帯電話、パーソナルコンピュータ、自動車等に用いられる薄型・小型電池として、リチウム電池、リチウムイオン二次電池等が開発されている。従来、これらの電池の外装材としては、金属製の缶タイプが用いられてきたが、近年では、電池の設計自由度が高く、より軽量化が可能であることから、基材層とシーラント層に高分子フィルムを用い、バリア層に金属箔を用い、これらを積層一体化してなる基材層/バリア層/シーラント層の積層フィルムを、シーラント層同士を熱シールして、袋状或いはケース状に加工したものが用いられるようになってきた。
電池外装材には、電池本体の包装形式により、パウチタイプ、エンボスタイプと称されるものがある。パウチタイプは、三方シール、四方シール、ピロータイプ等の袋形状のものであり、一方、エンボスタイプには、一方又は双方の外装材に凹部を形成してこの凹部に電池本体を収納し、周辺の鍔部をヒートシールして密封した形状のものがある。
これらの電池外装材を構成する電池外装用積層フィルムには、基本的なパッケージング部材としての高シール強度性、外部からの応力に対する強い耐突き刺し性が求められるが、さらに、以下の理由から、耐電解液性に優れ、高温環境下における高いシール性と層間接着性も要求されている。
即ち、リチウム電池には、電池内容物として正極材、負極材とともに、電解液として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の極性溶媒に、電解質としてLiPF、LiBF等のリチウム塩を配合したものが用いられている。これらの電解液の溶媒は、高分子フィルムへの浸透性が高いために、電解液の溶媒が外装材の積層フィルムに浸透することによるシール部の接着強度の低下や、各層間の接着強度の低下が問題となっている。
更には、電池内部では、電極、活物質、電解液等に含まれる僅かな水分や、シール層断面を通して外部から浸入する水分と、電解質のリチウム塩とで加水分解反応が起こり、フッ化水素酸が生成する。このフッ化水素酸が外装材の積層フィルムのシーラント層に浸透してバリア層の金属腐食を発生させ、シーラント層とバリア層との接着性の低下、シール部の接着強度の低下をより一層促進させることとなる。
また、リチウム電池には、真夏の車内に放置されたことを想定し、60〜80℃での高温環境下に放置された場合でも、シール強度、各層間の接着強度を維持する耐熱性も必要となる。
このようなことから、電池外装材としての積層フィルムには、シーラント層同士のシール性、各層間の接着強度について、他用途の包装材と比較しても格段に優れたものであることが要求される。
従来、電解液から発生するフッ化水素酸に対する耐腐食性を付与するために、バリア層に用いるアルミニウム箔に表面処理を施すことが提案されている。
例えば、特許文献1には、基材層、接着層、化成処理層、アルミニウム、化成処理層、酸変性PP皮膜層、最内層から構成された積層体であって、化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とするポリマー電池用包装材料が提案されている。
また、特許文献2には、フェノール樹脂、フッ化クロム(三価)化合物、リン酸の3成分からなる化成処理液でアルミニウム箔を化成処理したものを用いた積層体が提案されている。
特許文献3には、アミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物及びリン化合物を含有する化成処理液で化成処理したアルミニウム箔を用いた電池用包装材が提案されている。
しかし、これら特許文献1〜3で行われている化成処理は、塗布型化成処理とも言われ、処理液は人体への影響があり、環境負荷が大きく、しばしば土壌汚染などの環境汚染が問題となっているため、このような化成処理をバリア層のアルミニウム箔に施すことは好ましくない。
電池外装材用積層フィルムには、更に次のようなものも提案されている。
特許文献4には、最外層/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層からなる積層体において、ベーマイト処理したアルミニウム箔をバリア層として用い、シーラント層として密度0.925g/cm以上、融解熱量のピークトップが115℃以上であるエチレン−αオレフィン共重合体からなる層を使用した電池外装材が提案されている。この特許文献4では、接着層であるサンド樹脂層の成形にサンドイッチラミネーション法を採用している。
特許文献5には、外層、アルミニウム箔、内層からなると共に、アルミニウム箔の内層側に少なくとも化成処理層を設けた積層体において、化成処理層面と当接する樹脂層が酸変性オレフィン樹脂からなると共に、化成処理層面と酸変性オレフィン樹脂の単層フィルムないし酸変性オレフィン樹脂と1以上のオレフィン樹脂との共押出しフィルムをサーマルラミナーション法で貼合せたことを特徴とする積層体及びその製造方法が提案されている。
特許文献6、7には、電池用の包装材料の製造方法として、アルミニウムの両面にフェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液で化成処理を施し、一方の面に基材をドライラミネートした後、他方の面にヒートシール性フィルム層としてのポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムを、酸変性ポリエチレン樹脂又は酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂としてサンドイッチラミネート法によりラミネートして得られた積層体を、後加熱により接着樹脂の軟化点以上に加熱することを特徴とした製造方法が開示されている。
特許文献8、9には、ポリマー電池用包装材料の製造方法として、アルミニウムの両面にリン酸クロメート処理を施し、一方の面に基材をドライラミネートした後、他方の面に接着樹脂と最内層樹脂(ヒートシール層)とを共押出しして積層体とし、後加熱により接着樹脂の軟化点以上の条件で加熱する方法が開示されている。
特許文献10には2軸延伸ポリエステルフィルム層、2軸延伸ナイロンフィルム層、金属箔層、熱接着性樹脂層からなる積層体で形成された電池用積層フィルムであって、熱接着性樹脂層に、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンを用いるものが提案されている。この特許文献10には、熱接着性樹脂層と金属箔層との積層方法として、金属箔層と熱接着性樹脂層のフィルムとの間に、酸変性ポリプロピレンなどの熱接着性樹脂を膜状に押し出すことが記載されている。
特許文献11には基材層、接着層、化成処理層、アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、最内樹脂層からなり、接着樹脂層を酸変性ポリエチレンとし、最内樹脂層を密度0.935以上、MFR1〜10g/10minからなる中密度ポリエチレンとし、接着樹脂層と最内樹脂層とが共押出し製膜された層であることを特徴とするリチウム電池用包装材料が開示されている。
特開2011−138789号公報 特開2004−98409号公報 特開2003−236980号公報 特開2003−62932号公報 特開2004−74419号公報 特開2001−307684号公報 特開2001−202927号公報 特開2001−229887号公報 特開2001−202928号公報 特開2011−142091号公報 特開2002−93386号公報
シーラント層として、エチレン−αオレフィン共重合体からなる層を使用した特許文献4の電池外装材では、その実施例で具体的に製造された積層体のヒートシール強度は6.5N/15mm程度の弱いものであり、電池外装材として使用できるものではない。また、接着層であるサンド樹脂層の成形にインフレーション成形法ではなく、サンドイッチラミネーション法を採用しているため、MFRの高い高流動性の樹脂を選定しなければならず、シール時に接着樹脂層が流動化し、厚みが薄くなりバリア層のアルミニウム箔との接着強度が不足する問題がある。即ち、サンドイッチラミネート法で押し出される樹脂はインフレーション法で押し出される場合とは異なり、通常、融点より50〜100℃、或いはそれ以上の高温で押し出されるため、耐熱性の低い酸変性樹脂では高温下での押し出し時に熱劣化を引き起こし、シール強度及び耐電解液性が悪化する。
特許文献5の積層体では、アルミニウム箔と酸変性樹脂とを強固に接着させるために、化成処理層を酸変性オレフィン樹脂の軟化点以上、融点以下に加熱し、サーマルラミネーション法で貼り合わせて中間積層体とした後、更に、中間積層体を酸変性オレフィン樹脂の融点以上となるように再加熱する二段階加熱処理を行う必要があり、加工コストがかかる。また、この特許文献5においても、特許文献1〜3と同様に、リン酸クロメート処理による化成処理に起因する環境汚染が問題となる。
特許文献6、7の方法では、接着樹脂層の形成にサンドイッチラミネーション法を採用しているため、特許文献4と同様、シール時に接着樹脂層が流動化し、厚みが薄くなりバリア層のアルミニウム箔との接着強度が不足する問題や、高温下での押出し時の熱劣化でシール強度及び耐電解液性が悪化する問題がある。
特許文献8、9の方法は、共押出し法により直接アルミニウム面に接着樹脂を押出し製膜する所謂押出ラミネーション法によるものであり、サンドイッチラミネーション法と同様、接着樹脂としてMFRの高い高流動性の樹脂を選定しなければならず、シール時に接着樹脂層が流動化し、厚みが薄くなりアルミニウムとの接着強度が不足する問題、高温下での押し出し時の熱劣化でシール強度及び耐電解液性が悪化する問題がある。また、特許文献1〜3と同様に、リン酸クロメート処理に起因する環境汚染の問題もある。
特許文献10では、接着強化樹脂層として酸変性ポリプロピレンを使用しているため、耐電解液性が劣る。
特許文献11では、最内樹脂層が中密度ポリエチレンよりなるため耐引き裂き性に劣り、そのため、中密度ポリエチレンを積層してアルミニウムラミネートフィルムとしてケース状に成形する際に白化しやすく、耐電解液性が劣る。また、電極タブとシールする際に用いられるシール部材のポリプロピレン系樹脂との接着性、即ち、タブシール層との接着性に劣るという欠点もある。
このように、従来において、電池外装材として各種の積層フィルムは提案されているものの、バリア層となる金属箔とシーラント層との接着強度を十分なものとするためには、金属箔の表面に環境負荷の大きいクロム系化成処理等の化成処理を施す必要があり、環境汚染の問題があった。
これは、金属箔とシーラント層との接着層、及びシーラント層の樹脂特性と成膜方法、更には貼り合わせ加工方法等において最適な選択がなされていないために、環境負荷の大きい化成処理を行わなければ十分な接着強度が得られないことによる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、シール強度、層間接着強度が高く、耐電解液性、耐熱性に優れ、環境負荷の少ない方法で安価に製造することができる電池外装用ラミネートフィルムを提供するものである。
本発明者等は鋭意検討した結果、少なくとも保護層、第1の接着層、金属箔、第2の接着層、シーラント層がこの順で積層されてなる電池外装用ラミネートフィルムにおいて、金属箔の第2の接着層側の表面に、特定のベーマイト処理を施すことにより、環境負荷の大きいリン酸やクロム酸を使用した化成処理を行うことなく、耐電解液性、高接着強度を得ることができること、更には、特定の第2の接着層及びシーラント層を選定し、特定の貼りあわせ加工法を選択することでより、シール強度、層間接着強度が高く、耐電解液性、耐熱性に優れた電池外装用ラミネートフィルムを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 少なくとも保護層、第1の接着層、少なくともアルミニウムを含む金属箔、第2の接着層、シーラント層がこの順で積層されてなる電池外装用ラミネートフィルムであって、該金属箔の該第2の接着層と接する側の表面に、水との接触角が5°以上、70°以下となるようなベーマイト皮膜が形成されており、該第2の接着層は少なくとも酸変性ポリオレフィン樹脂を含有し、該金属箔と該第2の接着層が熱ラミネーション法により貼り合わされてなることを特徴とする電池外装用ラミネートフィルム。
[2] 前記第2の接着層は、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体のうち少なくとも何れか1つ以上を含有し、これらの合計含有量が5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする[1]に記載の電池外装用ラミネートフィルム。
[3] 前記第2の接着層は、ポリエチレン樹脂を主成分とする樹脂よりなり、該ポリエチレン樹脂の少なくとも一部は酸変性されており、且つ、MFR0.1g/10min以上10g/10min以下、密度0.920g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の電池外装用ラミネートフィルム。
[4] 前記シーラント層は、ポリエチレン樹脂を主成分とし、MFR0.1g/10min以上3g/10min以下、密度0.918g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1500MPa以下であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の電池外装用ラミネートフィルム。
[5] 前記シーラント層と前記第2の接着層のうち少なくとも一方の密度が0.928g/cm以上であり、且つ両者の密度差が0.015g/cm以下であることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の電池外装用ラミネートフィルム。
[6] 製膜材料を環状ダイから押し出すインフレーション成形法により、前記シーラント層形成用フィルムと前記第2の接着層形成用フィルムのうちの一方又は双方を製膜するインフレーション成形工程と、該シーラント層形成用フィルム及び/又は第2の接着層形成用フィルムと前記金属箔を用いて、熱ラミネーション法により、第2の接着層を介してシーラント層と金属箔とが貼り合わされた積層フィルムを得る熱ラミネーション工程とを備えることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
[7] 前記熱ラミネーション工程において、電池外装用ラミネートフィルムの前記シーラント層側を該シーラント層の融点より20℃以上高い温度の加熱ロールで加熱して熱ラミネーションすることを特徴とする[6]に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
[8] 前記熱ラミネーション工程において、前記金属箔とシーラント層とを第2の接着層を介して貼り合わせる際に、該シーラント層側の非貼り合わせ面に、該シーラント層の融点より20℃以上融点が高い、該シーラント層を構成する樹脂以外の樹脂よりなる耐熱樹脂フィルムを重ねて熱ラミネーションし、その後、該耐熱樹脂フィルムをシーラント層から剥離させることを特徴とする[6]又は[7]に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
[9] [1]ないし[5]のいずれかに記載の電池外装用ラミネートフィルムを含む電池。
本発明によれば、シール強度、層間接着強度が高く、耐電解液性、耐熱性に優れ、環境負荷の少ない方法で安価に製造することができる電池外装用ラミネートフィルムが提供され、この電池外装用ラミネートフィルムを用いて、電池の軽量・薄肉・小型化と、低コスト化、長期耐久性、信頼性の向上を図ることができる。
本発明の電池外装用ラミネートフィルムの実施の形態を示す断面図である。 本発明の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法の一例を示す熱ラミネーション工程の概略図である。 本発明の電池外装用ラミネートフィルムを用いた電池外装材の一例を示す斜視図である。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の電池外装用ラミネートフィルムの実施の形態を示す断面図であり、図2は、本発明の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法の一例を示す熱ラミネーション工程の概略図、図3は、本発明の電池外装用ラミネートフィルムを用いた電池外装材の一例を示す斜視図である。ただし、図1〜3は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明の電池外装用ラミネートフィルム、電池外装材は、何ら図1,3に示すものに限定されるものではない。また、本発明の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法も何ら図2に示す熱ラミネーション工程を経るものに限定されるものではない。
なお、本明細書において、樹脂又は樹脂組成物の引張り弾性率は、ISO1184−1970に基づき15mm幅の短冊状のサンプルを、チャック間距離100mmでテンシロン型引張り試験機にて1mm/minで測定された値である。また、MFR(メルトフローレート)は、JISK7210A法に基づき、ポリエチレン樹脂又は酸変性されたポリエチレン樹脂或いはこれらを主成分とする樹脂組成物の場合は、190℃、2.16kgf荷重にて測定された値であり、ポリプロピレン樹脂又はポリプロピレン系樹脂組成物の場合は、230℃、2.16kgf荷重にて測定された値である。また、樹脂の密度はJISK7112A法(水中置換法)により求められたものである。
また、融点は、DSC(示差走査熱量計)にて昇温速度10℃/分で測定した時の融解ピーク温度により求められたものである。
また、金属箔表面の水との接触角は、後掲の実施例の項に示されるように、協和界面科学株式会社製 商品名DROPMASTER自動接触角計を用いて測定し、5点の測定値の平均値を採用する。
[電池外装用ラミネートフィルム]
図1に示すように、本発明の電池外装用ラミネートフィルム10は、少なくとも保護層1、第1の接着層2、少なくともアルミニウムを含む金属箔3、第2の接着層4、シーラント層5がこの順で積層されてなり、金属箔3の第2の接着層4と接する側の表面に、水との接触角が5°以上、70°以下となるようなベーマイト皮膜が形成されており、第2の接着層4は少なくとも酸変性ポリオレフィン樹脂を含有し、金属箔3と第2の接着層4が熱ラミネーション法により貼り合わされてなることを特徴とする。
なお、第2の接着層4とシーラント層5との間に中間層が1層又は複数層あってもよい。
<保護層>
本発明における保護層1は、突き刺し等による外部からの力による金属箔3の破損を防ぐこと、金属箔3を補強すると共に、電池外装用ラミネートフィルムの加工時の電池外装用ラミネートフィルム自体の破損を防止するための層であり、単層であっても2層以上の積層であってもよい。
保護層1は、機械的強度に優れ、耐熱性にも優れていることが要求され、引張り弾性率の高い樹脂フィルムよりなることが、フィルム厚みを薄くすることができる点で好ましい。一方、耐電解液性や柔軟性を重視する場合は、ポリオレフィン等の引張り弾性率の低い柔軟な樹脂フィルムを用いてもよい。更には、引張り弾性率の高い樹脂フィルムと引張り弾性率の低い樹脂フィルムとを積層することによって、両者の特性を兼ね備える構成としてもよい。
保護層1に用いられる好ましい樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合体等のポリオレフィン及びその酸変性体、ゴム又はラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート(Par)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等のポリアルキレンテレフタレート(PAT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンオキシド(PPE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリオキシベンジレン(POB)、ポリイミド(PI)、液晶性ポリエステル、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリビスアミドトリアゾール、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリル、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ素化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体等の1種又はこれらの2種以上の混合物からなるものが使用できる。
保護層1の中で高弾性の保護層としては、無延伸フィルムであっても延伸フィルムであってもよいが、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリアルキレンテレフタレート(PAT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)よりなるものが好ましい。
また、機械的強度及び耐熱性の観点から、保護層は延伸フィルムよりなることが好ましく、中でも2軸延伸フィルムであることが好ましい。特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム又は2軸延伸ポリアミドフィルムからなるものは、引張り弾性率が高く、安価であり好ましい。
この中で2軸延伸ポリアミドフィルムは、柔軟性も持ち合わせているためこの点では好ましいが、低密度のものでは、電池ケース作製工程において電解液に接すると溶けてしまうため、密度が1.146g/cmを超える高密度タイプのポリアミドフィルムを使用することが好ましい。
一方、保護層1の中で低弾性の保護層としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合体等のポリオレフィン及びその酸変性体、ゴム又はラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレンよりなるものが好ましい。
保護層1は、電池としての組み立ての際の外部からの突き刺し等の変形による金属箔3のピンホール発生を阻止するための役割と、パウチ、エンボス加工する際に一般的に行われるプレス加工や張り出し加工時における電池外装用ラミネートフィルムの破損を防止するための役割を担うために、ある程度の弾性率と厚みが必要である。
高弾性タイプの保護層1の引張り弾性率は通常1000Pa以上、好ましくは2000MPa以上であり、特に好ましくは2400MPa以上である。この引張り弾性率の上限は特に定めないが、上述のような好適樹脂の引張り弾性率は通常6000MPa以下である。
低弾性タイプの保護層1の引張り弾性率は通常50Pa以上、好ましくは100MPa以上であり、特に好ましくは200MPa以上である。この引張り弾性率の上限は特に定めないが、上述のような好適樹脂の引張り弾性率は通常2000MPa以下である。
また、保護層1の厚みは、高弾性タイプでは好ましくは10μm以上50μm以下である。保護層1の厚みが50μmよりも厚いと、電池外装用ラミネートフィルムの剛性が高くなりすぎ、プレス加工等の加工がしにくくなるばかりか、面密度が大きくなり軽量化が図れなくなる傾向にある。また、保護層1の厚みが10μmより薄いと耐突き刺し性に影響が出る場合がある。保護層1の厚みは特に12μm以上30μm以下であることが好ましい。低弾性タイプの保護層1では、その厚みは20μm以上80μm以下であることが好ましい。
電池外装用ラミネートフィルムを図3に例示されるようなエンボスタイプの外装材とする場合、保護層1にはプレス成形時の金型との滑り性も必要となるため、保護層1の表面(電池外装用ラミネートフィルムの最表面)に滑剤を塗布したり、保護層の樹脂層に滑材を配合したり、凹凸を付与するなどして滑り性を高めることが好ましい。
ただし、滑剤を用いた場合は、滑剤による金型汚染の問題が懸念されるため、特に保護層1の表面に凹凸をつけて金型との摩擦係数を低下させた構成とすることが好ましい。この場合、保護層1の表面の凹凸は、キーエンス社製レーザー顕微鏡VK8500によりレンズ100倍、ピッチ0.01μm、シャッタースピードAUTO、ゲイン835の測定条件にて40μm×40μmのエリアで測定された表面粗さRaを4点測定した平均値で0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましい。Raが上記下限より小さいと滑り性が不足する傾向があり、上記上限よりも大きいと凹凸にごみが付着しやすくなる傾向がある。好ましい保護層1の表面粗さRaは0.35μm以上0.70μm以下である。
<第1の接着層>
第1の接着層2は、保護層1と金属箔3とを接着するための層であり、保護層1と金属箔3とをドライラミネーション法により貼り合わせる場合には、ドライラミネーション用の接着剤、例えば、脂肪族ポリエステル系、芳香族ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系、アクリル系などの各種の接着剤を用いることができる。
これらの接着剤の中でも、芳香族ポリエステル系、ポリオレフィン系、アクリル系の接着剤が耐電解液性に優れ、好ましい。
更なる耐電解液性が必要とされる場合には、第1の接着層2に酸変性樹脂フィルムを用いて熱ラミネーション法により保護層1と金属箔3とを貼り合わせてもよい。
第1の接着層2の厚みは限定されないが、通常1〜20μm程度である。
<金属箔>
金属箔3は、外部からの水分が電池内部に浸入することを防止(バリア)するための層であり、ピンホールが無いこと、電池外装用ラミネートフィルムとしての高い引張強度を有していること、エンボス加工、パウチ加工時の変形及び伸びに対する耐クラック性を有していること等が要求される。
金属箔3としては、ベーマイト処理を施して表面にベーマイト皮膜を形成させるため、少なくともアルミニウム(Al)を含む金属箔が用いられる。またプレス加工やエンボス加工時の耐クラック性の面から、純度99%以上の純アルミニウム、Al−Cu−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金、Al−Fe系合金等が使用可能である。なお、Al合金中のアルミニウム含有量は95重量%以上であることが好ましい。
その中でも、伸び性に優れたアルミニウム箔が好ましく、鉄を0.3重量%以上、3.0重量%以下含有するアルミニウム箔(合金番号8000番台)や、純度99%以上の純アルミニウム(合金番号1000番台)が好ましい。上記の鉄を0.3重量%以上、3.0重量%以下含有するアルミニウム箔において、鉄の含有量がこの範囲より少ないと伸びが十分でない傾向にあり、この範囲より多い場合には、電解液から発生するフッ化水素酸等による金属箔の腐食の問題が発生する傾向にある。鉄含有アルミニウム箔の好ましい鉄含有量は0.5重量%以上1.7重量%以下である。
また、アルミニウム箔には、硬質アルミニウム箔と軟質アルミニウム箔とが存在するが、焼鈍処理を施してある軟質アルミニウム箔が柔軟性を有しているため好ましい。
アルミニウム箔等の金属箔3の厚みは、9μm以上60μm以下、特に20μm以上50μm以下であることが、薄膜化とバリア性を両立させる上で好ましい。
以下、金属箔としてのアルミニウム箔を例示してベーマイト処理について説明する。
<アルミニウム箔のベーマイト処理>
本発明におけるアルミニウム箔の表面は、環境負荷の小さい耐腐食性を付与するためのベーマイト処理を施したものである。
即ち、本発明においては、後述するように、第2の接着層の製膜材料としての酸変性ポリオレフィン樹脂、好ましくは特定の物性の酸変性ポリオレフィン樹脂を用いて、インフレーション成形法により製膜したフィルムを、温度勾配をつけた熱ラミネーション法によりアルミニウム箔に貼り合わせることにより、ベーマイト処理を施したアルミニウム箔に対して、第2の接着層を強固に接着させることができ、耐電解液性、耐腐食性を十分に確保することができ、クロム系化成処理のような環境汚染の問題のある表面処理は不要とされる。
ベーマイト処理とは、高温のベーマイト処理水中に一定時間アルミニウム箔を保持することにより、アルミニウム箔の表面にベーマイトの結晶構造を有するアルミニウム水和酸化皮膜(ベーマイト皮膜)を形成する処理である。
好ましいベーマイト処理水は、脱イオン水に、トリエタノールアミン、アンモニアのようなアルカリを、0.1重量%以上2重量%以下、好ましくは0.3重量%以上1重量%以下、より好ましくは0.6重量%以上1重量%以下の濃度に添加したものであり、ベーマイト処理は、このようなベーマイト処理水を90〜100℃に加熱し、アルミニウム箔を20秒〜5分間、好ましくは20秒〜1分間浸漬させることにより行うことができる。
このようなベーマイト処理により、厚みが好ましくは0.02μm以上1μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.8μm以下、更に好ましくは0.1μm以上0.5μm以下のベーマイト皮膜を形成したアルミニウム箔であれば、第2の接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂層との熱ラミネーションにおいて、強固な接着性が得られ、耐電解液性に優れた電池外装用ラミネートフィルムとすることができる。ベーマイト皮膜の厚みが上記範囲よりも薄いとベーマイト処理による耐電解液性、接着性の向上効果を十分に得ることができず、上記範囲よりも厚いと、ベーマイト結晶がアルミニウム箔との界面から脱離しやすくなり好ましくない。
上述のベーマイト処理で形成されたベーマイト皮膜には、厚みとともに重要な物性として、表面エネルギーを示す水との接触角がある。即ち、ある適性のベーマイト皮膜面の水との接触角を有していれば、皮膜形成後、1年以上放置後に積層ラミネートフィルムとして加工しても、耐電解液性、接着性を維持することができる。この水との接触角は、ベーマイト結晶の針状結晶層の成長度の目安を示すと考えられ、水との接触角が5°以上、70°以下であればベーマイトの針状結晶層が形成されており、特に8°以上、40°以下であれば十分に形成されていることにより、1年以上放置しておいても耐電解液性、接着性を維持することができると推定される。
アルミニウム箔の表面に、水との接触角が上記範囲内となるベーマイト皮膜を形成するには、アルミニウム箔のベーマイト処理において、ベーマイト処理水の組成を調整する、ベーマイト処理時間を調整する、ベーマイト処理温度を調整する等を行えばよい。
なお本発明において、金属箔3表面のベーマイト皮膜は、少なくとも第2の接着層4と接する側の表面に形成されていればよいが、金属箔3の反対面にベーマイト皮膜を形成することを排除するものではない。
<第2の接着層>
第2の接着層4は金属箔3とシーラント層5とを接着するための層であり、本発明においては、金属箔3の、水との接触角が上記特定の範囲内のベーマイト皮膜面に、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する第2の接着層4を熱ラミネートすることにより、金属箔3とシーラント層5とを第2の接着層4を介して強固に接着することが可能となり、耐電解液性を向上させることができる。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂はドライラミネート用接着剤とは異なり、水分を透過しにくく、また熱ラミネート法により金属箔3のベーマイト皮膜に加熱、加圧されることにより結晶ラメラがベーマイト皮膜の針状結晶の内部に向って成長し、ベーマイト皮膜を保護することにも寄与するばかりか強固な接着力と耐電解液性を維持する。
第2の接着層4に、特に好ましい酸変性ポリオレフィン樹脂は、高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする酸変性ポリエチレン樹脂、ランダム又はブロックポリプロピレンを主成分とする酸変性ポリオレフィン樹脂であり、特に好ましいのはポリエチレン樹脂を主成分とするものであり、特に直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)を主成分とする酸変性ポリエチレン樹脂を含有するものが好ましい。
ここでいう主成分とは、複数の成分を配合してなる材料において、当該配合材料中、重量割合で最も多く含まれている成分をさす。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)とは、エチレンと炭素数4〜20程度のα−オレフィンとの共重合体を意味し、α−オレフィンで構成される分岐側鎖の具体例としては、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、テトラセン−1、オクタデセン−1等の各種コモノマーが挙げられるものである。
第2の接着層4の酸変性ポリオレフィン樹脂として酸変性ポリエチレン樹脂が好ましい理由としては、ポリエチレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂より融点は低いが、熱が繰り返し加えられることにより分子が架橋するポリマーであり、電池外装材としての用途で必要な80〜90℃の高温環境下での長時間暴露に対し、分子切断しにくく、ポリプロピレン樹脂より長期耐熱性が優れていることが挙げられる。
更にポリエチレン樹脂は、溶融張力も高く、柔軟性があり、電池外装材として加工される場合の変形に対しても強く、変形時の白化もしにくく、耐寒性にも優れる。また、ポリエチレン樹脂はポリプロピレン樹脂より密度が高く、外部からの水分や電解液の極性溶媒であるカーボネート系溶媒への耐性も強い。
このようなポリエチレン樹脂を酸変性させた樹脂は、金属箔3を構成する例えばアルミニウム箔との接着性にも優れ、アルミニウム箔に環境汚染を引き起こすクロム系化成処理や、リン系の化成処理を施さなくても、強固な接着力を得ることができるので好ましい。
本発明で用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、少なくとも一部が酸変性されていればよく、このような酸変性ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト重合で変性することで製造することができる。
その不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸の誘導体としては、特に限定されるものではないが、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等のジカルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水メサコン酸等のジカルボン酸無水物やアミド、イミド、エステルなどの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸を用いるのが好ましく、特に無水マレイン酸が好適である。
ポリオレフィン樹脂の変性方法としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂を有機溶媒に溶解させ、これをラジカル発生剤の存在下に酸(無水マレイン酸など)と反応させる溶液法、樹脂を加熱溶融させ、これをラジカル発生剤の存在下に酸(無水マレイン酸など)と反応させる溶融法等が挙げられる。
なお、酸変性に供するポリオレフィン樹脂としては、主成分として好適な直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)であってもよいし、これと併用することのできる他のポリエチレン樹脂、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)や中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、或いはポリプロピレン樹脂であってもよい。ここで低密度ポリエチレン(LDPE)とは、前記の直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)は含まず、通常、高圧法低密度ポリエチレンと呼ばれるものが挙げられる。
また、酸変性されたポリオレフィン樹脂と、酸変性されていないポリレフィン樹脂とを適宜配合して用いることもできる。酸変性ポリオレフィンと共に他のポリオレフィン樹脂を併用する場合においては、これらのポリオレフィン樹脂を混合または共存させた状態で酸変性してもよいし、少なくとも何れかのポリオレフィン樹脂を予め酸変性しておき、これと、酸変性されていない他のポリオレフィン樹脂とを混合して用いてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の変性率(酸変性ポリオレフィン樹脂中の酸基の含有量)は、少な過ぎると酸変性したことによる接着性の向上効果を十分に得ることができない場合があり、多過ぎると酸変性ポリオレフィン樹脂の耐熱性が低下する傾向にあるため、0.05重量%以上10重量%以下、特に0.2重量%以上5重量%以下であることが好ましい。ここで、酸変性ポリオレフィン樹脂の変性率は、例えば、赤外吸収スペクトル分析(IR)や、滴定法などの手段で確認することができる。なお、酸変性されたポリオレフィン樹脂と、酸変性されていないポリオレフィン樹脂とを配合して用いる場合においては、当該変性率とは、酸変性されていないポリオレフィン樹脂を含む全ポリオレフィン樹脂中における変性率を意味するものとする。
なお、酸変性ポリオレフィン樹脂としては、市販品を用いることもでき、例えば、三菱化学社製、モディック(商品名)シリーズや、三井化学社製、アドマー(商品名)等の中から、上記に該当するものを適宜選択して使用することができる。
第2の接着層4には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記のポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。ポリオレフィン樹脂以外の樹脂は限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。なお、第2の接着層4として、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を多量に含有する場合には、前記したポリオレフィン樹脂を用いることによる効果を損なう場合があるため、これらの樹脂は、第2の接着層中に、20重量%以下、好ましくは15重量%以下の範囲で用いることが好ましい。
更に、第2の接着層4は、上記のような酸変性ポリオレフィン樹脂に対して、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のオレフィン系エラストマーを、2種以上の場合はその合計で、第2の接着層4中の含有量として、5重量%以上30重量%以下、特に7〜25重量%配合された層であることが好ましい。
これは第2の接着層がこれらのオレフィン系エラストマーを含有することで、熱ラミネーションでの貼りあわせ時に、これらのエラストマー成分が厚み方向に配向して、金属箔のベーマイト皮膜の内部に酸変性ポリオレフィン樹脂のくさびを打ち込む効果とシーラント層及び第2の接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂の結晶化を促進させる効果とを生み出し、耐電解液性、耐熱性、層間接着性に優れた電池外装用ラミネートフィルムを得ることができるためである。
また、第2の接着層4として、製膜材料を環状ダイから押し出すインフレーション成形法によりフィルム化されたものを使用すると、縦横の引張り強度や伸び等の物性に差のない、均質な接着用フィルムを得ることができ、保護層1としてTダイ成形法等などの縦、横方向に機械強度の差がある1軸、2軸延伸フィルムあるいは無延伸フィルムを用いたとしても、ケース状に加工した際の縦、横の方向による欠陥が出にくくなり、保護層1として使用可能なフィルムの選択肢が増えるため好ましい。
尚、第2の接着層4には、酸化防止剤、熱安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の各種添加剤を添加することができる。
第2の接着層4は、MFR0.1g/10min以上10g/10min以下、密度0.920g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1000MPa以下であることが好ましい。
第2の接着層4のMFRが、10g/10minより大きいと、流動性が高過ぎてシール時に樹脂の溶融による流動が発生し、シール部の厚みが不足してシール強度の低下を引き起こすことがあり好ましくない。更には、分子量が低くなり、電解液から発生するフッ化水素酸に対しての浸透性が高くなり、金属箔3を腐食させてしまうため好ましくない。第2の接着層4の好ましいMFRは5g/10min以下、さらに好ましくは3g/10min以下である。第2の接着層4のMFRの下限は、インフレーション成形法で製膜する場合において、製膜性に問題が無いレベルであることが好ましいため0.1g/10min以上であることが好ましく、特に0.3g/10min以上であれば、インフレーション成形における高速成形性と高シール強度を維持できるため好ましい。
また、第2の接着層4の密度としては、0.920g/cm以上が好ましい。これより密度が小さいと、耐溶媒性、耐電解液性が悪化する。外部からの水分を遮断し、また電解液と水分との加水分解で発生するフッ化水素酸に対する耐性を高めるためにも、第2の接着層4の密度は高い方がよく、好ましい密度の下限は0.923g/cm以上であり、特に好ましくは0.925g/cm以上である。第2の接着層4の密度の上限は、ポリオレフィン樹脂の柔軟性を損なわなければ特に制限されるものではないが、通常、密度の上限は0.950g/cm以下であり、金属箔3との接着性、耐フッ化水素酸性、プレス或いは張り出し加工での耐白化性を考慮すると、密度の上限は好ましくは0.945g/cm以下である。
第2の接着層4の密度を上記範囲とするための手段は限定されないが、酸変性に用いるポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂の最適化、変性率の最適化のほか、前記の通り、酸変性されていないポリオレフィン樹脂やポリオレフィン樹脂以外の樹脂等を併用し、それら配合比率を最適化することなどが挙げられる。
なお、本発明において、第2の接着層4と後述のシーラント層5の何れか一方又は双方の密度が0.928g/cm以上であることが好ましく、その場合において、両者の密度差が0.015g/cm以下であることが好ましい。
即ち、第2の接着層4とシーラント層5のうちのいずれか一方又は双方の密度が0.928g/cm以上であることにより、耐溶媒性、耐電解液性に優れたものとなるが、シーラント層5の密度は、第2の接着層4の密度よりも高いことが好ましく、第2の接着層4の密度よりもシーラント層5の密度は0.001g/cm以上、好ましくは0.002g/cm以上高いことが、耐溶媒性、耐電解液性の面で好ましい。ただし、シーラント層5と第2の接着層4とは、その密度差が少ない方が、熱ラミネーション後の結晶性の差によるフィルムの反りが少なくなり好ましく、この密度差は0.015g/cm以下、特に0.012g/cm以下であることが好ましい。
なお、第2の接着層4とシーラント層5の両方の密度が0.928g/cm未満であると、十分な耐溶媒性、耐電解液性が得られない場合がある。
また、第2の接着層4の引張り弾性率は、柔軟性を付与しすぎると変形等の外力が作用した時に材料破壊を引き起こしやすくなるため100MPa以上であることが好ましく、反対に硬くなりすぎると脆くなりやすく金属箔3との界面で剥離しやすくなるため1000MPa以下であることが好ましい。第2の接着層4の引張り弾性率はより好ましくは130MPa以上800MPa以下、特に好ましくは180MPa以上600MPa以下である。
なお、前述のMFR、密度、引張り弾性率の値は、第2の接着層4を構成する材料の特性を意味し、ポリオレフィン樹脂として複数のポリオレフィン樹脂を併用する場合や、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含有する場合においては、樹脂組成物としての値を意味するものである。
第2の接着層4の厚みは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下、特に好ましくは12μm以上35μm以下である。第2の接着層4の厚みが上記範囲よりも薄いと、金属箔3とシーラント層5との接着に十分な接着強度を得ることができない場合があり、上記範囲よりも厚いと、シーラント層5の厚みを薄くしなければならなくなり、耐電解液性が劣る場合がある。
<シーラント層>
シーラント層5には、電池外装材としての加工時のヒートシール性と、耐電解液性が必要とされる。シーラント層5を構成する材料は限定されないが、本発明において、シーラント層5には、ポリエチレン樹脂、即ち、高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするもの、ランダム又はブロックポリプロピレンを主成分とするポリオレフィン樹脂や、酸やシランで変性したポリオレフィン樹脂を適宜選択できる。シーラント層5として好ましいのは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン樹脂層、又はランダムポリプロピレン(R−PP)を主成分とする樹脂層をシーラント層5の電解液接液側(最表層)に有する単層又は積層構造のものである。
ここでいう主成分とは、複数の成分を配合してなる材料において、当該配合材料中、重量割合で最も多く含まれている成分をさす。
シーラント層5を構成する材料として特に好ましいのは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン樹脂であり、シーラント層5は、ポリエチレン樹脂を主成分とし、MFR0.1g/10min以上3g/10min以下、密度0.918g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1500MPa以下である層であるか、或いはこのような層を有することが好ましい。
シーラント層5として、特に好ましいのは、MFR0.1g/10min以上1g/10min未満、密度0.920g/cm以上0.948g/cm以下、引張り弾性率150MPa以上1100MPa以下の層をシーラント層の電解液接液側(最表層)に有する単層又は積層構造のものである。
なお、本発明において、シーラント層は、上記の条件を満たすものであれば、ポリエチレン樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。
前述の如く、ポリエチレン樹脂はポリプロピレン樹脂より融点は低いが、熱が繰り返し加えられることにより分子が架橋するポリマーであり、電池外装材としての用途で必要な80〜90℃の高温環境下での長時間暴露に対し、分子切断しにくく、ポリプロピレン樹脂より長期耐熱性が優れている。
更にポリエチレン樹脂は、溶融張力も高く、柔軟性があり、電池外装材として加工される場合の変形に対しても強く、変形時の白化もしにくく、耐寒性にも優れる。また、ポリエチレン樹脂はポリプロピレン樹脂より密度が高く、外部からの水分や電解液の極性溶媒であるカーボネート系溶媒への耐性も強い。
本発明において直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)とは、前述の如く、エチレンと炭素数4〜20程度のα−オレフィンとの共重合体を意味し、α−オレフィンで構成される分岐側鎖の具体例としては、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、テトラセン−1、オクタデセン−1等の各種コモノマーが挙げられる。これらのα−オレフィンは2種以上を併用してもよい。また、炭素数4〜20程度のα−オレフィンをコモノマーとして用いていれば、さらにプロピレンをコモノマーとしてもよい。直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)としては、シーラント層のMFR、密度及び引張り弾性率を上記の好適範囲とすることができるものであれば、いずれも用いることができる。その中でも特に、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1のうち少なくとも何れかの側鎖がついた直鎖状低密度ポリエチレンが適度な柔軟性を有するため好ましく、特にヘキセン−1、オクテン−1は耐電解液性に優れているため好ましい。直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)の製造方法は限定されないが、ポリオレフィン樹脂を製造する公知の方法を採用することができるが、通常、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒等によって製造することが好ましい。
本発明におけるシーラント層5のポリエチレン樹脂には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)以外のポリエチレン樹脂も配合することができる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)以外のポリエチレン樹脂は限定されないが、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)や中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。ここで低密度ポリエチレン(LDPE)とは、前記の直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)は含まず、通常、高圧法低密度ポリエチレンと呼ばれるものが挙げられる。高密度ポリエチレン(HDPE)や中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)の製造方法は限定されず、公知の方法を採用することができるが、通常、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒等によって製造することが好ましい。
シーラント層5の好ましい構成材料は、良好なインフレーション成形安定性、耐熱性、耐電解液性が得られる適度な高密度を有するように、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPE)を主成分とし、高密度ポリエチレン(HDPE)及び/又は低密度ポリエチレン(LDPE)とのブレンド材であり、特にLLPE50重量%以上100重量%以下、HDPE5重量%以上45重量%以下、LDPE1重量%以上30重量%以下のブレンド材が、インフレーション成形安定性、耐熱性、耐電解液浸透性の点で好ましい。特に低密度ポリエチレン(LDPE)を配合するとLDPEがもつ長鎖分岐によりLLPE分子鎖とのからみあいが多くなり、溶融時の張力が増すため好ましく、これにより、インフレーション成形時の製膜性が安定し、得られるフィルムの強度が向上する効果がある。この場合の最適な配合割合は、LLPE50重量%以上95重量%以下、HDPE5重量%以上40重量%以下、LDPE1重量%以上25重量%以下である。
前述の如く、直鎖状低密度ポリエチレンには、分岐側鎖としてブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等の各種コモノマー種を共重合させたものがあり、シーラント層5として好適な後述の密度とMFRを満たすものであればよく、特に制限はないが、その中でも特に好ましいのが、ヘキセン−1、オクテン−1のうち少なくとも何れかの側鎖がついた直鎖状低密度ポリエチレンを50重量%以上含むものであり、このような直鎖状低密度ポリエチレンに更に高密度ポリエチレン及び/又は低密度ポリエチレンを配合したブレンド材が、耐電解液性、タブシール層との接着性、インフレーション成形性、熱ラミネーション加工時の耐熱性、第2の接着層4との接着性、耐フッ化水素酸性、プレス或いは張り出し加工での耐白化性等において優れていることから、好ましい。
シーラント層5には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記のポリエチレン樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。ポリエチレン樹脂以外の樹脂は限定されないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体や、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレンとα−オレフィン以外のコモノマーとを共重合したエチレン系樹脂;プロピレン系樹脂;塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。なお、シーラント層5として、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を多量に含有する場合には、前記したポリエチレン樹脂を用いることによる効果を損なう場合があるため、これらの樹脂は、シーラント層5の中に、20重量%以下、好ましくは15重量%以下の範囲で用いることが好ましい。
更に、シーラント層5には、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のオレフィン系エラストマーや、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の各種エラストマー成分、酸化防止剤、熱安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明において、シーラント層5は、MFR0.1g/10min以上3g/10min以下、密度0.918g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1500MPa以下であることが好ましい。
シーラント層5のMFRが、3g/10minより大きいと、流動性が高過ぎてシール時に樹脂の溶融による流動が発生し、シール部の厚みが不足してシール強度の低下を引き起こすため好ましくない。更には、分子量が低くなり、電解液から発生するフッ化水素酸に対しての浸透性が高くなり、金属箔を腐食させてしまうため好ましくない。シーラント層5の好ましいMFRは2g/10min以下、さらに好ましくは1.5g/10min以下である。シーラント層5のMFRの下限は、インフレーション成形法で製膜する場合において、製膜性に問題が無いレベルである必要があるため0.1g/10min以上であり、特に0.3g/10min以上であれば、インフレーション成形における高速成形性と高シール強度を維持できるため好ましい。
また、シーラント層の密度としては、0.918g/cm以上であることが好ましい。これより密度が小さいと、耐溶媒性、耐電解液性が悪化する。外部からの水分を遮断し、また電解液と水分との加水分解で発生するフッ化水素酸に対する耐性を高めるためにも、シーラント層5の密度は高い方がよく、好ましい密度の下限は0.920g/cm以上であり、特に好ましくは0.923g/cm以上である。シーラント層5の密度の上限は、ポリエチレン樹脂の柔軟性を損なわない範囲が必要であり、密度の上限は0.950g/cm以下であり、金属箔との接着性、耐フッ化水素酸性、プレス或いは張り出し加工での耐白化性を考慮すると、密度の上限は好ましくは0.945g/cm以下である。
シーラント層5の密度を上記範囲とするための手段は限定されないが、ポリエチレン樹脂の最適化、前記の通り、ポリエチレン樹脂やポリエチレン樹脂以外の樹脂等を併用し、それら配合比率を最適化することなどが挙げられる。
なお、第2の接着層4の密度とシーラント層5の密度の好ましい関係については前述の通りである。
シーラント層5の引張り弾性率は、柔軟性を付与しすぎると変形等の外力が作用した時に材料破壊を引き起こしやすくなるため100MPa以上であり、反対に硬くなりすぎると脆くなりやすく第2の接着層4を介して接する金属箔3との間で剥離しやすくなるため1500MPa以下であることが好ましい。シーラント層5の引張り弾性率はより好ましくは130MPa以上1000MPa以下、特に好ましくは180MPa以上900MPa以下である。
なお、前述のMFR、密度、引張り弾性率の値は、シーラント層5を構成する材料の特性を意味し、ポリエチレン樹脂として複数のポリエチレン樹脂を併用する場合や、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を含有する場合においては、樹脂組成物としての値を意味するものである。
本発明では、特にシーラント層5を直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層とし、第2の接着層4に特定の酸変性ポリエチレン樹脂層を使用することがより耐電解液性を高めることができ、好ましい。
また、シーラント層を多層構造とし、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層と、ランダムポリプロピレン層又はブロックポリプロピレン層との積層構造、或いは、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層と中密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンを主成分とする層との積層構造としてもよく、更に3〜5層程度の多層積層構造としてもよい。即ち、シーラント層は、上述のような直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする層の単層よりなるものであっても電極タブ部分に用いられるタブシール層との良好なシール強度を得ることができるが、電極タブ部分に用いられるタブシール層の材質によっては十分なシール強度が得られない場合がある。そのような場合は、シーラント層を上記のような積層構造とすることによって、電極タブ部分のタブシール層とのシール強度を更に向上させることができる。
シーラント層5の厚みは、3μm以上80μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上70μm以下、特に好ましくは12μm以上60μm以下である。シーラント層の厚みが上記範囲よりも薄いと、シーラント層同士のシール強度を得ることができない場合があり、上記範囲よりも厚いと、インフレーション成形時の製膜性が劣り、厚みが均一になりにくく、更に熱ラミネーション時にシーラント層が溶融しにくくなりシワ、空気の巻き込みが発生しやすくなる場合がある。
多層積層構造のシーラント層の場合も、合計の厚みが上記範囲となるようにすることが好ましい。
なお、シーラント層5は、保護層1と同様、エンボス加工時の滑り性を高めるために、電池外装用ラミネートフィルムの最表面となる面(第2の接着層4と反対側の面)に凹凸を付与することが、金型汚染の問題のある滑剤を不要とすることができ、好ましい。この場合、シーラント層5の凹凸付与面の表面粗さRaは、0.02〜0.08μm、特に0.03〜0.07μm程度であることが好ましい。ここで、シーラント層5の表面粗さRaは、前述の保護層1の表面粗さRaと同様にして測定された値である。この表面凹凸は、後述の熱ラミネーション工程で付与することができる。
[電池外装用ラミネートフィルムの製造方法]
本発明の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法としては特に制限はないが、少なくともシーラント層及び/又は第2の接着層については、インフレーション成形法により製膜し、その後、熱ラミネーション法で第2の接着層を介し、金属箔とシーラント層と貼り合わせることが好ましい。
また、共押出インフレーション成形法(多層インフレーション成形法)により予め第2の接着層とシーラント層との積層フィルムを製膜し、その後、熱ラミネーション法により金属箔/第2の接着層/シーラント層の積層フィルムとしてもよいし、第2の接着層、シーラント層を予め別々に製膜し、熱ラミネーション時にこれらを同時に貼り合わせて金属箔/第2の接着層/シーラント層の積層フィルムとしてもよい。また、第2の接着層は、押出しラミネートとし、予めインフレーション成形にて形成されたシーラント層と、保護層と貼りあわせた金属箔との間に第2の接着層を押し出してもよい。何れの場合でも、シーラント層として高密度かつ低MFRの樹脂を選択していれば、熱ラミネーション時にシーラント層と第2の接着層の結晶性が高まり、シーラント層の結晶ラメラが耐電解液性を生み出し、また、第2の接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂の結晶ラメラが金属箔表面に形成されたベーマイト皮膜の中に入り込みやすくなり、高い接着強度と耐熱性、耐電解液性が得られる。
また、熱ラミネーションに供するバリア層の金属箔は、予めドライラミネーション法等により第1の接着層を介して保護層を貼り合わせた積層フィルムとして用いた方が、熱ラミネーション時に第2の接着層側がよりゆっくりと冷却されるようになり、結晶化が進行して、耐熱性、耐電解液性に優れた電池外装用ラミネートフィルムを得ることができるため好ましい。
以下、インフレーション成形法によりシーラント層と第2の接着層のフィルムをそれぞれ成形し、これを熱ラミネーションにより金属箔、好ましくは保護層を第1の接着層で貼りあわせた金属箔と貼り合わせて本発明の電池外装用ラミネートフィルムを製造する方法について説明する。
<インフレーション成形>
インフレーション成形法とは、環状ダイより押し出された製膜材料の溶融チューブの中に空気等を入れ、環状ダイの直径より大きく膨らまし、空冷または水冷により冷却固化させつつ連続的に引き取り製膜する溶融押出成形法である。
インフレーション成形法では、押出機から押し出された溶融樹脂はチューブ状に成形され、インフレーションダイで溶融樹脂は環状の流路を流れる。この流路は外側ダイと内部マンドレルの間にある。溶融樹脂フィルムが、環状ダイから出た後、すぐ空気圧をチューブ内部に加え、それを膨張させる。膨張したチューブはニップロールで締め付けられて空気圧を保つように構成されている。膨張したチューブ(バブル)はダイ出口の上の冷却リングからの空気で冷却される。
バブルは押出方向(MD方向)、円周方向(TD方向)で大きくなるので、ニップロールでのフィルム速度はダイ出口でのチューブの速度よりはるかに速いものでなければならない。MD方向ではフィルムは延伸され、TD方向では膨張する。延伸比は最終フィルム速度と初期速度の比、ブローアップ比は最終チューブ径と初期径(環状ダイ径)の比で表されるが、ブローアップ比の大きさは1:1から10:1の範囲が好ましく、1.3:1から5:1の範囲が特に好ましい。
一般的に、電池外装用フィルムに用いられる樹脂としては、耐熱性の観点から、ポリプロピレンが用いられる場合が多く、また、低コストを重視するため、押出ラミネーション法、サンドラミネーション法又はキヤスト法で製膜したポリプロピレンを使用する場合が多い。しかしながら、これらは全てT型の金型(帯状の樹脂吐出口)から押し出した溶融樹脂を冷却して製膜するため、MD方向とTD方向とで引張強度、伸度、引張り弾性率といった物性に差が発生しやすい。そのため、電池外装用フィルムとして使用する際の、プレス加工や張り出し加工時には、その方向による機械物性の差のために、加工時のシワが発生しやすい傾向がある。
また、前述の如く、保護層の高弾性フィルムも通常Tダイで延伸成形されるため、MD/TD方向の差がでやすい。
このようなことから、本発明においては、シーラント層、更には第2の接着層はインフレーション成形でMD/TD方向での物性の差を出にくくし、また、保護層の物性とのバランスを考慮し、電池外装用ラミネートフィルムとして、異方性がなくなるように上述のブローアップ比の範囲で調整して製膜することが好ましい。
このように、インフレーション成形法により製膜されるフィルムは、押出方向(MD方向)と押出方向と垂直な円周方向(TD方向)との機械的物性の差が出にくく、プレス加工や張り出し加工される積層フィルムとしてはその方向により機械物性の差が少ないため、加工時のシワが発生しにくいといった利点がある。
また、インフレーション成形法に適合する樹脂原料には、MFRが低く、高分子量であるとともに、溶融張力が大きいといった特性が必要となり、また、製膜時の加工温度も低くする必要がある点において、高温で成形加工され、かつ高MFR、高流動の樹脂特性を必要とする押出ラミネート法又はサンドイッチラミネート法で使用される樹脂とはその特性が異なる。このため、本発明では第2の接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂、更にはシーラント層の樹脂として、前述のような低MFRの樹脂を用いるが、これらの樹脂は、低MFR性と高溶融張力性により、高シール強度が得られやすいといった利点もある。
本発明では、インフレーション成形法によるフィルムの異方性の少なさをより生かしつつ、電池外装用フィルムとしての機械物性、シール性、耐熱性、成形性等の各種特性を付与すために、インフレーション成形法に使用されるその樹脂特性に着目し、好ましくは前記した特定の樹脂及び特定の物性を有するシーラント層及び第2の接着層を構成することにより、バリア層である金属箔にクロム系化成処理を施さずとも金属箔との接着性に優れ、水分の浸入を阻止することができ、耐電解液性に優れた、高シール強度を有する電池外装用ラミネートフィルムが得られる。
<熱ラミネーション法>
本発明において、インフレーション法により製膜された第2の接着層(第2の接着層形成用フィルム)、好ましくは、第2の接着層とシーラント層との積層フィルムを熱ラミネーション法により熱圧着して金属箔と接着させることは、耐電解液性の向上のために重要である。
熱ラミネーション法とは、2つ以上のロールを用いてロール間に2種以上のフィルムを挟み込み、少なくとも一方のロールを回転駆動させながらフィルムを移送させ、かつ、少なくとも一方のロールを加熱しながらフィルムを加熱して接着させるラミネート方法である。本方法ではドライラミネーション、押出ラミネーション法と比べて、ライン速度は遅いが、冷却過程が急速ではないため、樹脂の結晶化を促進させる加工条件を作りやすい。
本発明では、好ましくは、第2の接着層及びシーラント層に高密度、高結晶性の直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン樹脂を用い、熱ラミネーション法でこのシーラント層と第2の接着層を溶融させて熱圧着させる方法を採用することにより、シーラント層と第2の接着層の結晶化を図り、さらに冷却過程でゆっくりと冷却させることによる結晶化の促進で、シーラント層の発達した結晶ラメラが電解液に対するバリア性を生み出すと共に、同種のポリマー成分の第2の接着層との高分子のからみあいによる接着性にも優れ、耐電解液性、耐熱性も向上するという効果が得られる。また、第2の接着層においても発達した結晶ラメラが第2の接着層とバリア層である金属箔と強固な接着を生み出す結果、接着強度が高められるとともに結晶ラメラは、特に、ベーマイト皮膜を形成したアルミニウム箔のベーマイト皮膜の細孔内に入り込み、より一層高い接着強度と耐電解液性を実現する効果がある。
図2は、熱ラミネーション法による第2の接着層とシーラント層との積層フィルム14と、保護層を第1の接着層で金属箔と予め積層一体化した保護層/金属箔積層フィルム12とを貼り合わせる工程の一例を示す図であり、第2の接着層/シーラント層積層フィルムの巻回体13から送り出された第2の接着層/シーラント層積層フィルム14と保護層/金属箔積層フィルムの巻回体11から送り出された保護層/金属箔積層フィルム12と、更に耐熱樹脂フィルムの巻回体15から送り出された耐熱樹脂フィルム16とが加熱ロール17A,17B間で加熱加圧されることにより、第2の接着層/シーラント層積層フィルム14の第2の接着層側14Aと、保護層/金属箔積層フィルム12の金属箔側12Aとが熱ラミネートされる。
熱ラミネートされた電池外装用ラミネートフィルム10は送りロール18A,18B間を通過して巻き取りロール20に巻き取られる。
一方、耐熱樹脂フィルム16は、電池外装用ラミネートフィルム10から剥離されて巻き取りロール19に巻き取られる。
尚、図2では第2の接着層とシーラント層との積層フィルムの場合を示したが、第2の接着層とシーラント層がそれぞれ単層フィルムの場合は、巻回体13を2つ用意し、シーラント層を耐熱樹脂フィルム側に、第2の接着層を金属箔側に配設すればよい。
このような熱ラミネーション法での、加熱ロール17A,17B間での加熱温度は、第2の接着層、シーラント層が溶融する温度に到達する温度で任意に設定できるが、シーラント層側の加熱ロール17Aの温度はシーラント層の融点より20℃以上、好ましくは25〜100℃高い温度であることが、加熱後の冷却段階でより除冷となり、シーラント層及び第2の接着層のラメラ結晶が成長しやすくなり、シーラント層と第2の接着層との接着強度や第2の接着層と金属箔との接着強度が向上する点で好ましい。この加熱ロール17Aの温度が上記下限よりも低いとシーラント層、第2の接着層が溶融しにくくなり接着強度が不足する傾向にあり、上記上限より高いとシーラント層及び第2の接着層の樹脂が流動し、各層間の接着強度が低下する傾向がある。なお、シーラント層の融点は通常120〜168℃程度である。
また、熱ラミネーションにおける加熱温度は、第2の接着層側の温度、即ち、加熱ロール17Aの温度と金属箔側の温度、即ち、加熱ロール17Bの温度とで温度差をつけた方が、第2の接着層の酸変性ポリオレフィン樹脂の結晶の配向性がより一層高められ、厚み方向の結晶成長が促進され、より強度に金属箔と接着するようになるため好ましい。この場合、第2の接着層側の温度、即ち、加熱ロール17Aの温度は、前述のシーラント層の融点との関係も含めて、170℃以上、例えば200℃以上260℃以下とし、金属箔側の温度、即ち、加熱ロール17Bの温度は170℃未満、例えば120℃以上165℃以下とし、両者に10℃以上、好ましくは20℃以上70℃以下の温度差をつけることが望ましい。加熱ロール17A,17Bの温度が低過ぎると十分な接着を行うことができないが、高過ぎると樹脂が劣化したり、溶融流動し接着層厚みが薄くなり、結果として十分な接着を行うことができなくなる傾向がある。また、両者の温度差が小さ過ぎると、温度差を設けることによる結晶成長の促進効果を十分に得ることができず、また、この温度差を過度に大きくすることは、各々の加熱ロール設定温度条件を満たす上で困難である。
また、このような高温下で熱ラミネーションを行う場合、加熱ロールにシーラント層の樹脂が溶着する場合がある。この溶着を防止する目的と、金属箔表面への第2の接着層の結晶ラメラの成長やシーラント層の第2の接着層への結晶ラメラの成長を促進させ、層間の接着をより強固にする目的で、シーラント層の更に外側(非貼り合わせ面)に、図2に示すように耐熱樹脂フィルム16を重ね、熱ラミネーション後に、耐熱樹脂フィルム16を剥がすようにすることが好ましい。
この時、耐熱樹脂フィルムの少なくともシーラント層と接触する側に、予めマット処理等により表面粗さRa0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.25μm以上0.75μm以下の凹凸をつけた耐熱樹脂フィルムを用いると、熱ラミネーション時に耐熱樹脂フィルムの凹凸がシーラント層に熱転写されて適度な凹凸がシーラント層の表面に付与され、エンボス加工時等に必要な金型との滑り性が得られるため、好ましい。
この耐熱樹脂フィルム16としては、耐熱性に優れ、熱ラミネーション時の加熱ロール17Aと非溶着でかつシーラント層とも非溶着性のもの、例えば、加熱ロール17Aの温度よりも融点が高く、シーラント層の融点より20℃以上融点が高く、シーラント層の樹脂と熱溶着しない、シーラント層を構成する樹脂以外の樹脂よりなる樹脂フィルムが好ましい。特に好ましいのは、シーラント層の融点より20℃以上高い融点を有し、例えば融点150℃以上、好ましくは200〜350℃の耐熱性を有する、前述の保護層と同様な熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。具体的には二軸延伸PAフィルム、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸PPフィルム、一軸延伸PPフィルム、無延伸PPフィルム等が好ましい。耐熱樹脂フィルム16の厚みは、通常25μm以上125μm以下である。耐熱樹脂フィルム16の厚みが薄過ぎると耐熱樹脂フィルム16を設けたことによる結晶ラメラの成長促進効果を十分に得ることができない場合があり、厚過ぎると熱ラミネーション時の加熱効率が悪くなる傾向がある。
[電池外装材]
本発明の電池外装用ラミネートフィルムは、常法に従って、電池外装材に加工することができる。
電池外装材とは、電池本体を包装する外装体を形成するものであって、その形式によりパウチタイプ、エンボスタイプがある。
図3はエンボスタイプの外装材の一実施形態を示し、第1の外装材31には、電池本体30の収容部31bとなる凹部が形成され、その開口周縁に鍔部(フランジ)31aが形成されている。第2の外装材32はこの第1の外装材31の開口を覆う蓋材となるものである。第1の外装材31は収容部31bの内壁側がシーラント層となり、第2の外装材32は、第1の外装材31への当接面側がシーラント層となる。
電極タブ30A、30Bが鍔部(フランジ)31aと第2の外装材32に当接する部分の電極タブには、タブシール層(図示せず)としてポリプロピレン等からなるフィルムが巻かれている。
この第2の外装材32を、電極タブ30A,30Bを引き出した状態で第1の外装材31にかぶせ、周縁をヒートシールして密閉することにより、電池が組み立てられる。
エンボスタイプの外装材には、このように片側に凹部を形成したものの他に、両方の外装材に凹部を形成したタイプのものもある。また、第1の外装材の一側辺の鍔部から第2の外装材に相当する蓋片部が延出したタイプのものもある。
一方、パウチタイプは、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ピロータイプ等の袋形状がある。
本発明の電池外装用ラミネートフィルムは、エンボスタイプ、パウチタイプ等含め、各種の電池外装材として用いることができる。
[電池]
本発明の電池は、本発明の電池外装用ラミネートフィルムよりなる外装材に電池本体を封入したものであり、各種リチウム電池や燃料電池等の電池において、軽量・薄肉・小型化と、低コスト化、長期耐久性、信頼性の向上を図ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、シーラント層及び第2の接着層の製膜に用いた材料は以下の表−1の通りである。
なお、第2の接着層の製膜材料として使用した酸変性LLPE−1及び酸変性LLPE−2は、いずれも側鎖としてブテン−1を有するLLPEを主成分とするものであり、エチレン含有量が70%のエチレン−プロピレン共重合体(EPR)と酸変性高密度ポリエチレン(HDPE)が配合されているものである。また、酸変性ランダムPPに含まれるエチレン−プロピレン共重合体(EPR)もエチレン含有量が70%のものである。
シーラント層の製膜材料としては、いずれの実施例及び比較例においても、LLPE95重量%、LDPE5重量%の配合でドライブレンドした材料を使用した。
Figure 0006136382
また、以下の実施例及び比較例で用いた金属箔1〜5は、以下のようにして準備した。
なお、金属箔表面及びその表面処理面の水との接触角は、協和界面科学株式会社製 商品名DROPMASTER自動接触角計を用いて測定し、5点の測定値の平均値を採用した。
<金属箔I>
厚み40μmのJIS A8079H−O材(鉄を1.0重量%含む軟質アルミニウム箔)の両面にベーマイト処理を施して、金属箔Iを調製した。
ベーマイト処理は、脱イオン水にトリエタノールアミンを0.5重量%の濃度で添加した95℃のベーマイト処理水に、上記のアルミニウム箔を1分間浸漬させることにより行い、厚さ0.25μmのベーマイトの針状結晶皮膜を形成した。その皮膜面の水との接触角は15°であった。
<金属箔II>
厚み40μmのJIS A8021H−O材(鉄を1.5重量%含む軟質アルミニウム箔)の両面にベーマイト処理を施して、金属箔IIを調製した。
ベーマイト処理は、脱イオン水にトリエタノールアミンを0.5重量%の濃度で添加した95℃のベーマイト処理水に、上記のアルミニウム箔を40秒浸漬させることにより行い、厚さ0.2μmのベーマイトの針状結晶皮膜を形成した。その皮膜面の水との接触角は15°であった。
<金属箔III>
厚み40μmのJIS A8079H−O材(鉄を1.0重量%含む軟質アルミニウム箔)の両面にベーマイト処理を施して、金属箔IIIを調製した。
ベーマイト処理は、脱イオン水にトリエタノールアミンを0.5重量%の濃度で添加した95℃のベーマイト処理水に、上記のアルミニウム箔を20秒浸漬させることにより行い、厚さ0.15μmのベーマイトの針状結晶皮膜を形成した。その皮膜面の水との接触角は25°であった。
<金属箔IV>
厚み40μmのJIS 8079H−O材(鉄を1.0重量%含む軟質アルミニウム箔)で未処理のものを金属箔IVとした。その未処理面の水との接触角は90°であった。
<金属箔V>
厚み40μmのJIS 8079H−O材(鉄を1.0重量%含む軟質アルミニウム箔)の両面にプラズマ処理を施して、金属箔Vを調製した。そのプラズマ処理面の水との接触角は30°であった。
[実施例1〜9、比較例1,2]
保護層として、厚み25μm、密度1.148、表面粗さRa0.03μmの片面コロナ処理した二軸延伸ポリアミドフィルム(引張り弾性率2500MPa)を用い、ドライラミネーション法により厚み3.5μmの芳香族ポリエステルとポリイソシアネートとの2液混合系ドライラミ用接着剤層(第1の接着層)を介して、表−2に示す金属箔の片面と、二軸延伸ポリアミドフィルムのコロナ処理面とを貼り合わせた。
第2の接着層及びシーラント層のフィルムは、表−1、表−2に記載の材料を用い、直径(バレル内径)75mmの押出機から押し出す単層インフレーション成形機を用い、環状ダイ径φ300mm、ダイギャップ1.5mmのスパイラル型環状ダイより押し出し成形し、チューブ径φ560mm、ブローアップ比1.87、引取り速度15m/minで引き取り、第2の接着層、シーラント層の厚みをそれぞれ表−2に記載の所定の厚みになるよう、押出機の押出量を調整しつつ、それぞれ単層フィルムとして製膜した。
上述の方法で得られた第2の接着層及びシーラント層のフィルムを用い、図2に示すように第2の接着層の面が金属箔側となるようにし、シーラント層面が耐熱樹脂フィルム側になるように、二軸延伸ナイロンフィルム/金属箔のドライラミネーション積層フィルムと、熱ラミネーション法により貼り合わせた。この熱ラミネーションにおいて、シーラント層積層フィルム側の加熱ロール17Aの温度は200℃とし、二軸延伸ナイロンフィルム/アルミニウム箔積層フィルム側の加熱ロール17Bの温度は180℃とした。また、耐熱樹脂フィルム16としては、厚み75μmのPETフィルム(融点260℃)を用いた。このPETフィルムのシーラント層に接する面側は、表面粗さRa0.06μmに凹凸を設けてある。
このようにして得られた電池外装用ラミネートフィルムについて、以下の方法でラミネート強度、シール強度、耐電解液性の評価を行って、結果を表−2に示した。
なお、耐熱樹脂フィルムとして用いたPETフィルムの表面凹凸により、得られた電池外装用ラミネートフィルムのシーラント層表面には、表面粗さRa0.06μmの凹凸が形成された。
<ラミネート強度>
金属箔と第2の接着層との間のラミネート強度は、15mm幅の短冊状にカットしたサンプルを用い、金属箔と第2の接着層側との界面の180°ピール強度を、テンシロン引張り試験機を用いて50mm/minの引張り速度の条件で測定し、この値をラミネート強度とした。
<シール強度>
予め65mm×65mmに切った2枚の電池外装用ラミネートフィルムのシーラント層同士を、富士インパルス社製片側ヒータ付きヒートシーラ「OPL−200−10」を用い、シール幅10mm、長さ65mmにわたって、220℃、シール圧0.45MPa、ヒートシール時間5秒の条件でヒートシールし、その後、温度23℃、湿度50%の条件下に24時間以上放置後、シール部分を幅15mmの短冊に裁断してシール強度測定用サンプルとした。
上記のシール強度測定用サンプルのシーラント層同士を引き剥がすようにして、テンシロン引張り試験機を用いて、引張り速度300mm/minでシール強度を測定した。
<耐電解液性(電解液浸漬後のラミネート強度とシール強度)>
混合溶媒として、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(容積比)を用い、6フッ化リン酸リチウム1molをこの混合溶媒に溶解させて、6フッ化リン酸リチウム1mol/L溶液の電解液を調製した。
この電解液をPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)製のブローボトルの中に入れ、その電解液中に上記のシール強度測定用サンプルとシールしていないラミネート強度測定用サンプルとを入れて蓋を閉め、80℃の恒温水槽の中に12時間放置とその後常温に戻し12時間放置の熱サイクルを3回繰り返し(合計80℃36時間、常温36時間放置)、その後サンプルを取り出し、水洗し、その後、温度23℃、湿度50%の条件下に24時間以上放置後、シール部分を幅15mmの短冊に裁断してそれぞれ上記と同様にラミネート強度とシール強度を測定した。
Figure 0006136382
表−2より、本発明で規定される水との接触角を満たすベーマイト処理を施した金属箔に、熱ラミネーション法に酸変性ポリオレフィン樹脂よりなる第2の接着層を接着させた電池外装用ラミネートフィルム(実施例1〜9)は、層間接着性、シール性、耐熱性、耐電解液性に優れることが分かる。これに対して、ベーマイト処理をしていない金属箔、或いは、プラズマ処理をした金属箔に熱ラミネーション法に酸変性ポリオレフィン樹脂よりなる第2の接着層を接着させた電池外装用ラミネートフィルムの比較例1〜2では、耐電解液性に劣る。
なお、表2において「総合評価」は、電池外装用ラミネートフィルムとして以下の基準で判断した。
○: ラミネート強度、シール強度及びその耐電解液性が非常に優れている。
△: ラミネート強度、シール強度及びその耐電解液性が使用可能なレベルにある。
×: ラミネート強度、シール強度及びその耐電解液性が不十分である。
1 保護層
2 第1の接着層
3 金属箔
4 第2の接着層
5 シーラント層
10 電池外装用ラミネートフィルム
12 保護層/金属箔積層フィルム
14 第2の接着層/シーラント層積層フィルム
16 耐熱樹脂フィルム
17A,17B 加熱ロール
30 電池本体
31 第1の外装材
32 第2の外装材

Claims (8)

  1. 少なくとも保護層、第1の接着層、少なくともアルミニウムを含む金属箔、第2の接着層、シーラント層がこの順で積層されてなる電池外装用ラミネートフィルムの製造方法であって、該金属箔はその該第2の接着層と接する側の表面に、水との接触角が5°以上、70°以下となるようなベーマイト皮膜が形成されており、該第2の接着層は少なくとも酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するとともにエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のポリオレフィン系エラストマーをその含有量が該第2の接着層の5重量%以上30重量%以下となるように含有し、該シーラント層はポリエチレン樹脂を主成分とし、MFRが0.1g/10min以上3g/10min以下、密度が0.918g/cm 以上0.950g/cm 以下、引張り弾性率が100MPa以上1500MPa以下の層であり、該金属箔と該第2の接着層とを熱ラミネーション法により貼り合わることを特徴とする電池外装用ラミネートフィルムの製造方法
  2. 前記第2の接着層は、ポリエチレン樹脂を主成分と、該ポリエチレン樹脂の少なくとも一部は酸変性されており、且つ、MFR0.1g/10min以上10g/10min以下、密度0.920g/cm以上0.950g/cm以下、引張り弾性率100MPa以上1000MPa以下の層であることを特徴とする請求項1に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法
  3. 前記シーラント層と前記第2の接着層のうち少なくとも一方の密度が0.928g/cm以上であり、且つ両者の密度差が0.015g/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法
  4. 前記金属箔を、90〜100℃に加熱したベーマイト処理水に20秒〜1分間浸漬するベーマイト処理を行うことにより、前記ベーマイト皮膜を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法
  5. 前記ベーマイト処理水が、トリエタノールアミン又はアンモニアを0.1重量%以上2重量%以下含有する脱イオン水であることを特徴とする請求項4に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
  6. 製膜材料を環状ダイから押し出すインフレーション成形法により、前記シーラント層形成用フィルムと前記第2の接着層形成用フィルムのうちの一方又は双方を製膜するインフレーション成形工程と、該シーラント層形成用フィルム及び/又は第2の接着層形成用フィルムと前記金属箔を用いて、熱ラミネーション法により、第2の接着層を介してシーラント層と金属箔とが貼り合わされた積層フィルムを得る熱ラミネーション工程とを備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
  7. 前記熱ラミネーション工程において、電池外装用ラミネートフィルムの前記シーラント層側を該シーラント層の融点より20℃以上高い温度の加熱ロールで加熱して熱ラミネーションすることを特徴とする請求項6に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
  8. 前記熱ラミネーション工程において、前記金属箔とシーラント層とを第2の接着層を介して貼り合わせる際に、該シーラント層側の非貼り合わせ面に、該シーラント層の融点より20℃以上融点が高い、該シーラント層を構成する樹脂以外の樹脂よりなる耐熱樹脂フィルムを重ねて熱ラミネーションし、その後、該耐熱樹脂フィルムをシーラント層から剥離させることを特徴とする請求項6又は7に記載の電池外装用ラミネートフィルムの製造方法。
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