JP6134917B2 - キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッドカーや燃料電池車のエネルギー回生用又は電子機器の電源として用いられるキャパシタに関する。
従来からキャパシタは、その充放電の応答性の良さから多くの電子機器の電源として用いられている。キャパシタの中で特に電気二重層キャパシタは高いエネルギー密度を有しており、蓄電用途にも使用されている。
電気二重層キャパシタにおいては、金属箔からなる集電体の表面に大気雰囲気下で形成される自然酸化皮膜により、集電体の表面における接触抵抗が増大する。そのために、この接触抵抗の増大を抑制するために集電体と分極性電極層との間に硬質の炭素粒を圧着した構成が開示されている。この構成によって、自然酸化皮膜に食い込んだ炭素粒と集電体表面との距離がより近くなり、通電することが可能となり、集電体の表面の接触抵抗を低減することができる。
なお、この出願に関する先行技術文献情報として、例えば、特許文献1が知られている。
しかし、キャパシタを長期使用した場合、炭素粒の層の隙間を通じて電解液と接触する集電体の表面に、電解液と反応して生成された化合物が付着し、この化合物が電極部と集電体表面との接触抵抗(直流抵抗)を増大させてしまう。これが未だに、従来のキャパシタの長期使用時における性能劣化の要因となっている。
また、その性能劣化はキャパシタを高温条件下で使用することでより顕著になる。今後キャパシタが車載用電源などに利用された場合、高温の車体内での充放電を行うことが考えられる。よって、高温条件下でのキャパシタの信頼性を高めていくことも必要である。
特許第3719570号公報
本発明は、長期使用時の性能劣化が抑制されたキャパシタを提供する。本発明は、金属から成る集電体の表面へ炭素材料を主体とした電極部が形成された正極および負極を一対の電極とし、その間にセパレータを介在した状態で巻回又は積層された素子を用いたキャパシタにおいて、正極及び負極の少なくとも一方の集電体の表面の少なくとも一部にリンを含んだ皮膜が形成され、この皮膜の上に導電材および結着材を含む導電層が形成された構成とする。
この構成により、本発明におけるキャパシタは、集電体の表面に形成された皮膜がリンおよび集電体を構成する金属を含むため、駆動用電解液と化学的に不活性であり、キャパシタを長期使用した際に、集電体と駆動用電解液との反応によって生成される化合物が集電体に付着し、集電体の表面の接触抵抗に当たる直流抵抗(DCR)が増大していくことを抑制することが可能となる。さらに、上記皮膜の上に導電層が設けられることにより、この皮膜に導電層の一部が食い込み(アンカー効果)、且つ、食い込んだ導電層の周囲を密着するように皮膜が形成される構成となるため、皮膜による電解液と集電体との反応の
抑制効果を高めることができる。
また、それぞれの集電体に設けられた皮膜の厚みが約140Å以下であれば、皮膜の物理的特性によって、皮膜に導電層が、よく食い込む又は皮膜を貫通して集電体の表面に接触するため、従来の自然酸化皮膜が形成された集電体の表面に導電層が設けられた構成よりも、初期のDCRを低減することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタの一部分を切り欠いた斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタの正極を示した鉛直方向の断面図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製したキャパシタおよび比較例の電圧印加時間とDCR変化率との関係を示した図である。 図4は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製したキャパシタおよび比較例の他の条件における電圧印加時間とDCR変化率との関係を示した図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製した皮膜の耐電圧における劣化傾向を示した図である。
以下に、本発明にかかるキャパシタのうち、電気二重層キャパシタについて、図面を用いながら本発明における実施の形態の説明を行うが、本発明は下記の実施の形態の内容に限らない。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態にかかるキャパシタの一部分を切り欠いた斜視図である。
図1において、素子1は、イオンの吸脱着を行う正極2および負極3と、正極2と負極3との間に介在し絶縁するセパレータ4とが巻回されたものである。この素子1の正極2ならびに負極3へそれぞれ、引き出し端子である正極のリード線5aと負極のリード線5bが設けられている。素子1は、駆動用電解液(図示なし)とともに有底状の外装ケース6へ収容され、リード線5a、5bが表出するように外装ケース6の開口端部が封口部材7によって封止されてキャパシタが構成されている。
正極2および負極3は、例えば厚み約20μmのアルミニウム箔で構成される正極の集電体2aおよび負極の集電体3aの表裏面に、それぞれ電極部として活性炭を主とした正極の分極性電極層2bおよび負極の分極性電極層3bが塗布されているものである。
なお、正極2と負極3は各部材の寸法を異にして用いる場合もあるが、正極2および負極3を構成する部材の材質は略同一である。そのため、以下に主に正極2を用いて本実施の形態における電極の構成の説明を行う。
図2は本実施の形態にかかるキャパシタの正極を示した鉛直方向の断面図である。
図2において、集電体2aの材料としては弁金属が用いられる。弁金属としては、アルミニウム、タンタル、チタンなどの金属がある。また、これらの元素を含んで弁作用を生じる合金、例えばチタンを含むアルミニウム系合金なども用いられるが、特に金属の種類を限定するものではない。最も好ましいのは、高純度アルミニウムである。
アルミニウム箔はさらに、表面を粗面化することが好ましい。表面を粗面化することにより、集電体2aと分極性電極層2bとの接触面積が増し、導電性が向上するとともに、集電体2aの表面へ設けられる各部材との接合が強固になる。粗面化の方法としては、塩酸系のエッチング液中で電解エッチングする方法、酸性溶液中で化学的および/または電気的にエッチングする方法などが適用可能であるが特に限定されない。
図2において、本実施の形態におけるキャパシタの正極2は集電体2aの両面へリンおよびアルミニウムを含む皮膜8が形成されている。さらに、この皮膜8の上に導電層9が形成されている。
皮膜8の形成方法は集電体2aを溶液中に浸漬する、又は液中で陽極酸化する、または熱酸化することにより形成される。溶液中に浸漬して皮膜8を形成する場合および液中で陽極酸化する場合の溶液としては、リン系化合物を含む溶液を用いることが望ましい。その他、ホウ素系化合物を含む溶液又はアジピン酸化合物を含む溶液を用いても良い。これらの溶液を用いてもリン系化合物を含む溶液を用いた場合と同様の効果が得られる。さらに陽極酸化に、ホウ素化合物あるいはアジピン酸を用いた場合、リンおよび集電体を構成する金属を含む皮膜より緻密な皮膜が得られる。ホウ素化合物の溶液から得られる皮膜とアジピン酸化合物の溶液から得られる皮膜とは、物性および本発明の効果であるキャパシタの劣化抑制性能が似ている。しかし、どちらも水に対する反応性がリンより高いため耐水性を高める処理として、ホウ素またはアジピン酸と集電体とを含む皮膜の上にリンを含んだ薄い皮膜によるコーティングを施すのが好ましい。
また、陽極酸化する場合の溶液としてより好ましくは、リン酸アンモニウム水溶液、希リン酸、ホウ酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム水溶液などの溶液を使用することができる。
上記溶液に浸漬され、陽極酸化等が施された集電体2aにおける一部のアルミニウムは溶液中のリン等と反応して、駆動用電解液と反応性の低い皮膜8が生成される。
本実施の形態では皮膜8の構成をリンおよびアルミニウムを含んだものとしたが、上記のように、陽極酸化を行う際の溶液によって皮膜の組成も異なり、また集電体2aを構成する金属によっても異なる。リンおよびアルミニウムを含む皮膜8の具体的な組成としては、Al(PO)、Al(HPO)、Al(HPO)などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、これら本実施の形態における皮膜8は、自然酸化によって形成される自然酸化皮膜とは異なるものであり、用いられる駆動用電解液と低い反応性を示すものである。
導電層9は材料として、導電材(図示せず)である炭素材料、導電性有機高分子材料、および酸化ルテニウムなどの金属酸化物が用いられる。炭素材料はカーボンブラック、黒鉛粉末、活性炭などを含み、導電性有機高分子材料はポリアセチレン、ポリピロール、ポリアセンなどを含む。好ましくは炭素材料が用いられる。さらに、好ましくは、カーボンブラックが用いられ、カーボンブラックの一種であるアセチレンブラックが用いられればさらに好ましい。しかし、導電材は上記材料に限定されない。
また、導電層9の形成方法としては集電体2aの表面に、導電材を含む導電ペースト(図示せず)を塗工、又は導電材を蒸着し、導電材を含むシートを形成し、プレス工程により集電体2aと導電層9を密着させるなどの方法を用いることができるが、特に導電層9の形成方法を限定するものではない。
上記の方法により作製された皮膜8と駆動用電解液との反応性は低い。すなわち、不活性である。そのため、皮膜8が集電体2aの表面へ設けられることにより、従来のようにキャパシタの長期使用時において、集電体と駆動用電解液との反応で生成される化合物が、集電体の表面に付着し続け、この化合物が集電体の表面のDCRを増大させていくことを抑制することができる。結果として、長期使用時のキャパシタの性能劣化を抑制することができる。さらに、駆動用電解液の分解により発生するガスを抑制することができる。
また本発明は、皮膜8の上に導電層9を設け、これらをプレスすることによって、特許文献1のように自然酸化皮膜に導電層9を食い込ませる構成と比較して、自然酸化皮膜の膜厚より厚い皮膜8を形成した場合においても、約140Å以下の厚みであれば、導電層9がより深く食い込む。又は、導電層9が皮膜8を貫通して集電体2aと接触することが可能である。これによって、集電体2aと通電する導電層9を従来より多く設けることができる。そのため、集電体2aの初期DCRを低減することが可能である。当然、皮膜8の厚みが140Å以上であっても皮膜8が形成されることにより初期DCRが高まることを、導電層9を設けることによって抑制する効果は得ることができる。仮に、同じ1厚みの自然酸化皮膜の上に導電層9が設けられた構成と比較しても、本実施の構成のほうが初期DCRを非常に良く低減できる。
加えて、導電層9が、リンおよびアルミニウムを含む皮膜8に食い込むことによって、食い込む導電層9の周囲に、駆動用電解液との反応性が低い皮膜8が密着するように形成されることとなり、皮膜8に食い込む導電層9の隙間などを通じて、電解液と接触する集電体の表面積が低減される。よって、駆動用電解液と集電体2aとが反応することにより生成される化合物の量を低減することが可能となる。さらに導電層9の配設により集電体2aと分極性電極層2bとの導電性を高めた上で、集電体2aのDCRが増大していくことを抑制することができるため、性能劣化の抑制効果をより高めることが可能となる。
大気雰囲気下で弁金属の表面に形成される自然酸化皮膜は、一般的には、集電体2aと分極性電極層2bとの導電性を阻害する要因の一つであった。したがって、自然酸化皮膜などは一般的には取り除かれていた。また、意図せず形成される自然酸化皮膜の厚みとは一般的には30Å未満である。しかし、本実施の形態ではこの化学的に不活性であり、自然酸化皮膜とは異なる皮膜8を集電体2aの表面へ意図的に設け、皮膜8と分極性電極層2bとの間に導電層9を設けている。これにより、長期使用における性能劣化の抑制と初期DCRの低減とを両立することを可能とした。本実施の形態の皮膜8は意図的に設けられるため、意図なく集電体表面に形成される自然酸化皮膜では形成し難い厚み30Å以上のものも形成することができる。
因みに、図2は概略図であるため、集電体2aの表面へエッチング処理により設けられた上記凹凸の描写や、皮膜8に導電層9が食い込む描写は省略した。
上記のように本実施の形態において、集電体2aとしてアルミニウム箔の表面にエッチング処理を施したものが用いられている。本発明は集電体2aの構成をエッチング処理したものに限定はしないが、エッチング処理されたアルミニウム箔に皮膜8を設けることによって非常に緻密な皮膜8を設けることができ、高温化した電解液の中で使用しても剥離などの物理的劣化に対して耐性を有することができる。
また、集電体2aは、正極2を巻回するときに切れない程度の引っ張り強度を有する必要がある。一方、一定体積の外装ケース6内に多くの活性炭(図示せず)を充填することが求められるので、集電体2aはできる限り薄いことが望ましい。そのため、集電体2aの厚みは10μm〜50μmであることが望ましい。なお、本実施の形態では集電体2aおよび3aに箔状の金属を用いたが集電体2aの形状はこれに限定されない。
本実施の形態では図2の正極2を用いて本発明の構成を具体的に説明したが、負極3についても同様の構成を用いることができる。また、本実施の形態ではそれぞれの集電体2aおよび3aの表裏面へ皮膜8および導電層9が設けられているが、皮膜8および導電層9の配設箇所はこれに限定されず、一方の電極に片面だけ設けられている構成でも本発明の効果を得ることができる。
図1において、セパレータ4には多孔性で絶縁性である材料が用いられる。多孔性で絶縁性である材料としては、セルロース系の紙、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミドなどが用いられる。また、セパレータ4は、正極2と負極3の間に介在するように配設され、正極2および負極3とともに、巻回するときに切れない程度の引張り強度を有する必要がある。さらに、一定体積の外装ケース6内に多くの活性炭を充填するためには、厚み10μm〜50μmであることが望ましい。なお、セパレータ4は上記材料および寸法に限定されない。
リード線5aおよび5bは、正極2及び負極3における導電層9、分極性電極層2bおよび3bの未形成部分、つまり露出した集電体2aおよび集電体3a表面に接続され、外部回路に接続される。そのため、リード線5aおよび5bを構成する材料は集電体2aおよび集電体3aとの接続抵抗をできる限り低減するために、例えばリード線5aおよび5bはアルミニウムや銅などの金属が用いられるが、上記材料に限定されない。また、素子1からそれぞれの電極を引き出す手段はリード線5aおよび5bに限定されない。
外装ケース6の基材は加工性等の点から例えばアルミニウムまたはステンレスを用いることができるが、材料を限定するものではない。なお、外装ケース6の形状は有底であれば図1のように円筒状に限定されず、例えば角筒状であっても良い。
因みに駆動用電解液(図示せず)には、溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのうち少なくとも一つを用い、電解質として例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEABF)や、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMABF)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF)、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMIBF)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(TMIBF)及び1、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(DMIBF)などのうち少なくとも一つを用いることができる。しかし、特に溶媒、電解質を限定するものではない。
封口部材7は外装ケース6の開口端内部において外装ケース6内周面と密着するように配設されている。そして、封口部材7は封口部材7と接している外装ケース6の開口端内周面の一部に対して、外装ケース6の外周面から外装ケース6内部に向かって絞り加工が施されている。この絞り加工によって封口部材7が配設箇所に固定されている。さらに、封口部材7より外部へ突出した外装ケース6の開口端部の一部に外装ケース6内側に向かう曲げ加工が施され、封口部材7の固定強度が強化されている。また、本実施の形態においては素子1と接続しているリード線5aおよび5bが封口部材7を貫通して外部回路と接続するために、封口部材7の一部に貫通孔が設けられている。なお、封口部材7には例えばブチルゴムが用いられるが、特に材料を限定するものではない。
(性能評価試験1)
以下に、本発明を実施した複数のサンプルと比較例をもとに行った性能評価試験1の内容を示す。
まずサンプル1のキャパシタにおける、正極ならびに負極の構成と作製方法について説明する。
それぞれの集電体2a、3aの表面の両面ともに、リンおよびアルミニウムを含む皮膜8を形成する。そして、この皮膜8の上に導電層9を形成する。皮膜8は、硫酸に浸漬することで自然酸化皮膜の除去処理を行い、エッチング処理により表面を粗面化した、大きさ約15cm×20cm、厚さ20μmのアルミニウム箔を、リン酸アンモニウム(PM)水溶液中に浸漬し、陽極酸化電圧0.5Vで陽極酸化を行うことにより設ける。ここで、PM水溶液の濃度を0.5%〜10%にして用いれば、良質なリンおよびアルミニウムを含む厚み約7Åの皮膜を設けることができる。上述の濃度範囲の下限を下回った場合、溶液内のリンの不足により、十分な皮膜を形成することができず、上限を超えた場合、PM水溶液のpHが低くなり、皮膜形成中に正極の集電体が腐食してしまう恐れがある。
また、陽極酸化処理時の電流を0.1A〜5Aにすれば、効率よく、良質な皮膜を設けることができる。陽極酸化処理の速度は、陽極酸化時の電流の大きさに起因し、電流値が大きいほど迅速に陽極酸化を行うことができる。しかし上述の電流値範囲の上限を超えると、陽極酸化の速度が速過ぎて非常に粗い皮膜が形成され、本発明の効果を得ることができなくなってしまう。
なお、陽極酸化電圧に達してからの電圧保持時間は30秒以上であることが望ましく、時間を長くするほど、良質なリン系化合物を含む皮膜を設けることができる。
導電層9の材料である導電性ペーストには、導電材として、1次粒子の平均粒径D50=50nmのカーボンブラックの一種であるアセチレンブラックを用いる。また、結着剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、CMC)のアンモニウム塩を用い、溶媒として水とを用いる。
導電材であるアセチレンブラックと結着剤であるCMCのアンモニウム塩と水を、アセチレンブラックとCMCのアンモニウム塩の配合割合が4:1で混練し分散を行う。アセチレンブラックとCMCのアンモニウム塩の配合割合は2:1〜10:1が望ましい。アセチレンブラックの配合割合が2よりも小さくなると、それぞれの集電体2a、3aと分極性電極層2b、3bとの接触抵抗が大きくなり、本発明の効果が得られない。また、アセチレンブラックの配合割合が10よりも大きくなると、アセチレンブラックとCMCのアンモニウム塩と水とを混練し分散を行うことが困難となり、導電ペーストが得られない。
リン系化合物を含む皮膜を設けた集電体2a、3aへ、導電層9の厚みが片面5μmになるように塗工機により導電性ペーストを塗工する。すなわち、両面塗工後の上記皮膜8と導電層9を表面に有する集電体2a、3aの厚みが、30μmになるように塗工する。その後、塗工した導電ペーストを90℃の温度で乾燥して分散媒である水を除去する。その後、皮膜8と導電層9を表面に有するそれぞれの集電体2a、3aをロールプレス機によりプレスし、皮膜8と導電層9を表面に有するそれぞれの集電体2a、3aの厚みを約22μmにした。
このようにして作製された集電体2a、3aに電極ペーストを塗工して分極性電極層2b、3bを形成する。
まず電極ペーストの材料として、水酸化カリウム(KOH)によりアルカリ賦活処理し、比表面積が2000m/g、平均粒径D50が3μmの活性炭を用いる。さらに導電
性付与剤としては平均粒径D50が50nmのカーボンブラックの一種であるアセチレンブラックを用いる。結着剤としてはCMCのアンモニウム塩およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水分散液を用いる。これらを固形分の重量比がそれぞれ約85:8:5:2となるように配合し、分散媒である水を添加して、混練、分散する。このようにして電極ペーストを調製する。なお電極ペースト中の固形分の重量比率は約30重量%とする。
このようにして得られた電極ペーストを塗工機により、正極2ならびに負極3それぞれの集電体2a、3aの両面に塗工することで分極性電極層2b、3bを形成する。なお、分極性電極層2b、3bの厚みが片面約34μmになるように電極ペーストを塗工する。すなわち、正極2、負極3の厚みが90μmになるように塗工条件を調整して、電極ペーストを塗工する。
その後、塗工した電極ペーストを90℃の温度で乾燥して分散媒である水を除去する。このようにして得られた正極2、負極3をさらにロールプレス機を用いてプレス加工を行う。このとき、加圧後の分極性電極層2b、3bの厚みが加圧前の分極性電極層2b、3bの厚みの約90%となるようにプレスする。すなわち、加圧後の正極2、負極3の厚みは約85μmとなり、分極性電極層2b、3bの厚みは約63μmとなる。この状態で分極性電極層2b、3bの密度は約0.55g/cmとなる。
このようにして作製した、正極2ならびに負極3を4cm×10cmの寸法に切断する。そしてそれぞれの集電体2b、3bにそれぞれアルミニウム製のリード線を取り付け、正極2、負極3がセパレータ4を挟んで対面するように配置し巻回する。セパレータ4は厚み35μm、密度0.45g/cmであるセルロース系の紙を使用する。このようにして、素子1を作製する。
その後、この素子1を駆動用電解液に浸漬し、正極2、負極3とセパレータ4とに駆動用電解液を含浸させる。駆動用電解液としては、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒に1.0Mの濃度となるように1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを溶かした溶液を用いる。
最後に、正極2、負極3、セパレータ4からなる素子1を有底筒状の外装ケース6に挿入し、封口部材7を用いて封口する。このようにしてサンプル1のキャパシタが作製される。
サンプル2のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面にリンおよびアルミニウムを含む厚み約14Åの皮膜を、陽極酸化電圧1Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外はサンプル1と同様の構成にしてサンプル2のキャパシタを作製する。
サンプル3のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約42Åの皮膜を、陽極酸化電圧3Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外はサンプル1と同様の構成にしてサンプル3のキャパシタを作製する。
サンプル4のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約70Åの皮膜を、陽極酸化電圧5Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外はサンプル1と同様の構成にしてサンプル4のキャパシタを作製する。
サンプル5のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約140Åの皮膜を、陽極酸化電圧10Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外はサンプル1と同様の構成にしてサンプル5のキャパシタを作製する。
サンプル6のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約420Åの皮膜を、陽極酸化電圧30Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外はサンプル1と同様の構成にしてサンプル6のキャパシタを作製する。
比較例1のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体に陽極酸化処理および導電層の形成を行わない。これ以外はサンプル1と同様の構成にして比較例1のキャパシタを作製する。
比較例2のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、導電層の塗工のみを行い、陽極酸化による皮膜形成を行わない。これ以外はサンプル1と同様の構成にして比較例2のキャパシタを作製する。
比較例3のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面のリンおよびアルミニウムを含む厚み約14Åの皮膜を、陽極酸化電圧1Vで陽極酸化を行うことにより形成し、導電層の形成は行わない。これ以外はサンプル1と同様の構成にして比較例3のキャパシタを作製する。
比較例4のキャパシタは、比較例3のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約42Åの皮膜を、陽極酸化電圧3Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外は比較例3と同様にして比較例4のキャパシタを作製する。
比較例5のキャパシタは、比較例3のキャパシタの作製において、それぞれの集電体の表面に、リンおよびアルミニウムを含む厚み約70Åの皮膜を、陽極酸化電圧5Vで陽極酸化を行うことにより形成した。これ以外は比較例3と同様にして比較例5のキャパシタを作製する。
以下に、上記サンプル1〜6および比較例1〜5に関する性能評価試験の結果を表1および図3を用いて説明する。表1は本実施の形態におけるサンプル1〜6と比較例1〜5のキャパシタによる常温下での初期特性を示したものである。図3は本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製したキャパシタおよび比較例の電圧印加時間とDCR変化率との関係を示した図である。さらに詳細には本実施の形態におけるサンプル1〜6と比較例1〜5のキャパシタにおける60℃雰囲気中で2.8V定電圧を印加し続けた時間と常温下で測定した直流抵抗(DCR)変化率との関係を示した図である。
図3において、サンプル1〜6と比較例1〜5との比較の中で、サンプル1〜6は、陽極酸化および導電層の形成ともに行っていない比較例1および導電層のみを設けた比較例2よりも常温における長時間使用後のDCRの劣化を抑制することができている。また表1において、サンプル2〜4と、陽極酸化のみを行いサンプル2〜4と同じ厚みの皮膜だけを設けた比較例3〜5とを比較すると、サンプル2−4は導電層を設けることで常温における初期のDCRを低減できていることがわかる。さらに、サンプル1〜5では比較例1と比較しても、常温における初期のDCRを低減できていることがわかる。
導電層を設けずに陽極酸化電圧5Vで陽極酸化を行った比較例5は、常温における初期のDCRの値が非常に増大している。導電層を設け、陽極酸化を5V以上で行ったサンプル3〜6は、常温における初期のDCRの値は低減されたまま、長時間使用後のDCRの増大は抑制されていることがわかる。これは電導度の高い導電層を皮膜上に塗工することにより、導電層が皮膜に食い込み、導電層を介して集電体と通電した活性炭の量が増え、皮膜のみの構成と比べて抵抗が低くなるためである。さらに、皮膜に食い込んだ導電層の周囲には、電解液と不活性である皮膜が密着している。そのため、従来のように自然酸化皮膜に食い込む導電層と異なり、サンプル3〜6は、導電層が配設され導電性が高まった上で、食い込んだ導電層の周囲にある集電体の電解液との反応性が低くなる。それによって、従来よりも性能劣化を抑えられている。これが、DCR変化率の差として大きく現れている。
上記の性能評価試験から、比較例1より初期DCRを抑え、且つ、長時間使用後のDCRの劣化を低減するという効果を得るためには陽極酸化電圧を約5V以下、皮膜の厚みとして7Å以上、70Å以下の皮膜上に、導電層を設けることが好ましい。
ここで、上記性能評価試験において、自然酸化皮膜を形成したエッチング箔の表面に導電層が設けられた構成である比較例2の初期DCRと比較例1の初期DCRとの間に差がない点について説明する。
本実施の形態で説明したように、エッチング処理とは部材の表面に対して凹凸を設ける表面処理方法である。
比較例1では集電体に設けられたこの凹凸の少なくとも一部の凹部に、自然酸化皮膜の上から微細な活性炭が収容されている。これに対して比較例2では、この凹部に導電層を
設けた構成である。比較例2においては、この導電層がエッチング処理による凹部の空間を充填してしまうため、活性炭と凹部の内表面とを、導電層および自然酸化皮膜を介して通電させる必要が生じる。比較例1と比較例2との初期DCRにあまり変化がないのは、導電層が設けられることによってエッチング処理された集電体の導電性の向上という効果を、活性炭と凹部との間に導電層が存在することで通電を阻害していることにより打ち消しているためである。
(性能評価試験2)
60℃雰囲気下でのライフ試験を行った性能評価試験1に続いて、性能評価試験2では更に高温(85℃)の雰囲気下でのライフ試験を行った。
サンプル7として性能評価試験1におけるサンプル4(5V陽極酸化および導電層あり)と同様の構成である電気二重層キャパシタを用いた。
サンプル8として性能評価試験1におけるサンプル5(10V陽極酸化および導電層あり)と同様の構成である電気二重層キャパシタを用いた。
比較例6として性能評価試験1における比較例1(エッチング箔のみ)と同様の構成である電気二重層キャパシタを用いて行った。
試験条件として、85℃雰囲気下で2.5Vの定電圧を印加し続けた後、常温でサンプル7、8ならびに比較例6のDCRの変化率を測定した。その結果を図4として示す。
図4は本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製したキャパシタおよび比較例の他の条件における電圧印加時間とDCR変化率との関係を示した図である。さらに詳細には、上記サンプル7〜8および比較例6を上記条件で印加した時間とDCR変化率との関係を示した図である。図4において、より高温の雰囲気化、且つ、長時間使用することによって、サンプル7、8と比較例6との差がより明確になることが分かる。
すなわち、図4からわかるようにエッチング箔の集電体のみの構成で高温雰囲気下で定電圧を印加し続けた比較例6は、急激なDCR劣化が確認された。一方、集電体の表面に皮膜、その上に導電層を設けた構成であるサンプル7,8は、高温条件下かつ長時間使用後においても性能劣化は小さく、性能劣化抑制効果は大きいことがわかる。
(性能評価試験3)
本発明において陽極酸化にアジピン酸あるいはホウ素化合物を用いた場合の皮膜の劣化抑制特性を調べる性能評価試験3を行った。
評価は、20mm×25mmのアルミニウム箔試料を用い、このアルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム(AA)溶液に含浸し、3V電圧で印加し、陽極酸化を行ったものと(以下、「サンプル9」と呼ぶ)、同様のサイズのアルミニウム箔をPM溶液に含浸し、3V電圧で印加し、陽極酸化を行ったもの(以下、「比較例7」と呼ぶ)を用いて行った。サンプル9および比較例7をAA溶液中に95℃雰囲気下で1時間含浸した後、サンプル9および比較例7に対してそれぞれ、定電流を5分間流した後の電圧を測定した。そして、サンプル9および比較例7のAA溶液を含浸する前と後との耐電圧の比(含浸後/含浸前)で表し、評価した。上記条件で試験を行うことによって、試験のためにキャパシタを組み立てる必要がなく、夫々の組成の皮膜が集電体の表面に形成された場合の電解液との反応性の傾向が短時間かつ簡単な設備で調べることができる。
上記条件で行った試験の結果を、それぞれ陽極酸化時の酸化時間を横軸として図5に示す。図5は、本発明の実施の形態にかかるキャパシタにおいて、種々の条件で作製した皮膜の耐電圧における劣化傾向を示した図である。さらに詳細には、上記サンプル9および比較例7の耐電圧における劣化傾向を示した図である。
図5において、サンプル9と比較例7とを比較すると、酸化時間によっては若干数値に誤差はあるが略同等の性能を示していると言える。因みに、アジピン酸化合物の溶液から得られる皮膜とホウ素化合物から得られる皮膜は物性およびキャパシタの劣化抑制特性が似ている。そのため、比較例7のようにリンおよびアルミニウムを含む皮膜と、サンプル9のようにAA溶液から得られる炭素およびアルミニウムを含む皮膜とが同等の性能であるという結果はホウ素およびアルミニウムを含む皮膜についても言える。
なお、本発明におけるキャパシタの電極はキャパシタ素子が巻回状であるときに限らず、積層状、九十九折状である場合にも同様に用いることが可能である。
さらに、本発明のキャパシタとして電気二重層キャパシタを用いて説明を行ったが、これに限らず、例えば負極の集電体表面へ設けた炭素材料内部へリチウムイオンを吸蔵する電気化学キャパシタの電極にも集電体の表面へリンを含む皮膜を設けることは可能である。一例として負極集電体に銅箔を用い、正極集電体にアルミニウム箔を用いる場合にも、正極集電体の表面に皮膜を形成し、さらに皮膜の上に導電層を設けることで、上記の電気二重層キャパシタと同様の効果が得られる。
以上より、本実施の形態にかかるキャパシタは、駆動用電解液と反応性の高い金属製の箔で構成された集電体の少なくとも片面に電極部として分極性電極層を形成する際に、予め集電体の少なくとも片面へ、リンおよび集電体を構成する金属を含む皮膜と、この皮膜の上に導電層が配設される。さらに、皮膜ならびに導電層が設けられた集電体の表面に分極性電極層が設けられた構成とする。
これにより、正極および負極それぞれの集電体に設けられた皮膜は駆動用電解液との反応性が低いため、充放電を繰り返す際の駆動用電解液と集電体の反応を抑制することが可能となる。そのため、長時間使用によるキャパシタのDCRの増大や容量低下などの性能劣化を抑えることが可能である。また、それぞれの集電体に設けられた皮膜が約140Å以下であれば、皮膜の物理的特性によって、皮膜によく導電層が食い込む。そのため、従来の自然酸化皮膜が形成された集電体の表面に導電層が設けられた構成よりも、初期DCRを低減することが可能となる。
本発明は集電体の両面または片面に予め皮膜を設けた上に導電層を配することによって、長時間使用によるキャパシタの性能劣化を抑えているため、製品ライフスパンが長く、急速な充放電を要する自動車のエネルギー回生や電子機器の電源としての用途が有用である。
1 素子
2 正極
3 負極
2a,3a 集電体
2b,3b 分極性電極層
4 セパレータ
5a,5b リード線
6 外装ケース
7 封口部材
8 皮膜
9 導電層

Claims (2)

  1. 金属から成る集電体の表面に炭素材料を主とした電極部が形成された正極および負極と、これら正極および負極の間に介在するセパレータとを巻回または積層して素子を作製するステップと、
    前記素子および駆動用電解液を外装ケースに収容するステップと、
    を備えたキャパシタの製造方法において、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方の集電体の表面に陽極酸化によって、リンを含んだ皮膜を形成する第1ステップと、
    前記皮膜の上に導電材および結着剤を含む導電層を形成する第2ステップと、
    前記導電層が形成された前記集電体をプレスする第3ステップと、
    記導電層の上に前記電極部を形成する第4ステップと
    備え
    前記集電体は、粗面化されているキャパシタの製造方法。
  2. 前記第1ステップにおいて、前記陽極酸化の化成電圧を1V以上5V以下とし、請求項1に記載のキャパシタの製造方法。
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