JP2010003717A - キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、駆動用電解液との反応性が低い電極を備えたキャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明におけるキャパシタは、金属箔である正極集電体2aおよび負極集電体3aの両面または片面に予め陽極酸化処理などによってリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜8が設けられ、この皮膜8が設けられた正極集電体2aおよび負極集電体3aの表面に分極性電極層2b、3bが設けられたことを特徴としている。
これにより、本発明におけるキャパシタは、正極集電体2aおよび負極集電体3aの表面に予め設けたリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜8と駆動用電解液との反応性が低いため、長期使用により充放電を繰り返し行った場合においても、駆動用電解液と正極集電体2aおよび負極集電体3aの反応を抑制することができ、キャパシタの性能劣化を抑制することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッドカーや燃料電池車のエネルギー回生用あるいは電子機器の電源として用いられるキャパシタに関するものである。
従来からキャパシタは、その充放電の応答性の良さから多くの電子機器の電源として用いられてきた。キャパシタの中でも、特に電気二重層キャパシタは高いエネルギー密度を有しており、蓄電用途にも使用されている。
電気二重層キャパシタにおいては、集電体である弁金属材料の表面に形成された酸化化合物の抵抗への寄与を抑制するために、カーボン粒を弁金属材料の金属表面に埋め込むことにより得られた弁金属材料を集電体とする構成により、低抵抗化を図った内容が開示されている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特許第3467200号公報
しかしながら、上記のような従来のキャパシタでは、長時間使用した場合に、弁金属表面付近の電解液が弁金属と反応し、弁金属の表面に反応物が生成されることへの対策が不十分であり、キャパシタの長時間使用における弁金属表面での接触抵抗の増加という課題が依然として残っていた。
そこで本発明では、駆動用電解液と集電体である金属製の箔との反応を抑制した集電体を用いたキャパシタを提供することを目的とする。
この課題を解決するために本発明は、金属製である集電体の表面へ炭素材料を主体とした電極部を設けた正極および負極一対の電極と、絶縁性を有したセパレータとが、正極と負極との間にセパレータが介在するように巻回あるいは積層された素子を用いたキャパシタにおいて、集電体の表面へ予めリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜を設け、この皮膜を設けた集電体の上に電極部が設けられており、リン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜の厚みが14Å以上42Å以下であることを特徴とした。
この構成により、本発明におけるキャパシタは、片面または両面へ予め設けたリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜を表面に有した金属製の箔を集電体として用いることにより、皮膜に含まれるリン系化合物が駆動用電解液や極微量含まれる水に対して化学的に不活性であるため、充放電を繰り返した際の集電体と駆動用電解液との反応を抑制する。
これにより、長期使用時のキャパシタの性能劣化を抑制することが可能となる。
以下に、キャパシタのうち、特に電気二重層キャパシタについて、図面を用いながら請求項1、2および本発明における実施の形態の説明を行うが、本実施の形態は下記の内容に限らない。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態によるキャパシタの一部切り欠き斜視図である。
図1において、1は素子を示し、この素子1は、イオンの吸脱着を行う正極2および負極3と、正極2および負極3を絶縁するセパレータ4とで巻回状に構成されている。
本発明では、正極集電体2aおよび負極集電体3aとして設けられている厚み約20μmのアルミニウム箔の表裏面に、リン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜8(図示なし)が設けられている。
なお、電気二重層キャパシタの場合、正極2と負極3は各部材の寸法を異にして用いる場合もあるが、正極2および負極3を構成する部材の材質は同一であるため、正極2を用いて本実施の形態における電極の構成の説明を以下で行う。
正極集電体2aの表面に設けられた分極性電極層2bは、活性炭(図示せず)、導電助剤(図示せず)、結着剤(図示せず)、および分散媒(図示せず)が混練ならびに分散され、ペースト状の電極ペースト(図示せず)として調製されたものが、正極集電体2aの表裏面に設けられた後、分散媒が除去されたものである。なお、必要に応じて正極2は分散媒除去後に加圧されたものでもよい。
セパレータ4は例えばセルロース系の紙から構成される。セパレータ4を正極2と負極3との間に介在するように配設し、前記正極2および前記負極3と共に巻回されて素子1が形成されている。
なお、セパレータ4は多孔性で絶縁性である材料であれば、いずれの材料であってもよい。
続いて、図1を用いて素子1以外の本発明の実施の形態による電気二重層キャパシタを構成する部材について説明する。
5a、5bは外部接続端子となるリード線である正極リード線と負極リード線を示す。正極リード線5aは正極集電体2aの分極性電極層2bの未形成部と、負極リード線5bは負極集電体3aの分極性電極層3bの未形成部と、夫々接続し、素子1と外部回路とを電気的に接続するものである。そのため、リード線の部材は正極集電体2aおよび負極集電体3aとの接続抵抗をできる限り低減するために、例えば正極リード線5aはアルミニウムなどの金属から構成される。
6は外装ケースを示す。この外装ケース6は有底円筒状であり、リード線と接続した素子1と素子1に含浸した駆動用電解液(図示せず)が収容されている。外装ケース6の基材は加工性等の点から例えばアルミニウムまたはステンレスから成るものが好ましいが、材料を限定するものではない。
なお、外装ケース6の形状は有底であれば円筒状に限定されず、例えば角筒状であっても良い。
7は封口部材を示す。封口部材7は外装ケース6の開口端内部において外装ケース6内周面と密着するように配設されている。そして、封口部材7は封口部材7と接している外装ケース6の開口端内周面の一部に対して、外装ケース6の外周面から外装ケース6内部に向かって絞り加工を施したものである。この絞り加工によって封口部材7は配設箇所に固定されている。さらに、封口部材7より外部へ突出した外装ケース6の開口端部の一部に外装ケース6内側に向かう曲げ加工が施され、封口部材7の固定強度が強化されている。また、本実施の形態において、封口部材7は素子1と接続したリード線が封口部材7を貫通して外部回路と接続するために、封口部材7の一部に貫通孔が設けられている。なお、封口部材7は例えばブチルゴムなどから構成されている。
図2は本実施の形態における電気二重層キャパシタの正極2の詳細を示した断面図である。
図2において、本実施の形態における電気二重層キャパシタの正極2は正極集電体2aの両面へリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜8が形成されている。皮膜8は正極集電体2aをリンを含む液中に浸漬、あるいはリンを含む液中で陽極酸化することにより形成されるものである。その陽極酸化時の液として、例えばリン酸アンモニウム水溶液が用いられる。
上記の形成方法から得られる前記皮膜8には、Al(PO4)、Al2(HPO4)3、Al(H2PO4)3などが挙げられる。
また、皮膜8の組成として、リン系化合物およびアルミニウムのみで構成されている場合もあるが、例えば、正極集電体2aから生成される酸化アルミニウム(図示なし)を微量に含んだ複合体である場合もある。
従来のように大気雰囲気下で自然に形成されるアルミニウムの酸化化合物(Al23)によって表面が覆われている金属製の箔である正極集電体2aと駆動用電解液とが反応することで、正極集電体2aと分極性電極層2bとの接触抵抗が、長時間使用を経て増大していたが、この皮膜8が正極集電体2a上へ設けられることによって、皮膜8と駆動用電解液(図示せず)との反応性が低いため、正極集電体2aと分極電極層2bとの接触抵抗の増大を抑えることができ、キャパシタの長期使用による抵抗値の増大を抑えることができる。
上記の大気雰囲気下で自然に正極集電体2aの表面に形成されるアルミニウムの酸化化合物や本実施の形態で正極集電体2aの表面へ設けた皮膜8は正極集電体2aと分極性電極層2bとの接触抵抗を高める要因の一つであった。したがって、酸化化合物などは一般的には取り除かれていた。しかし本発明では、駆動用電解液と化学的に不活性であるこの皮膜8を正極集電体2aの表面へあえて設けることにより、長期使用における性能劣化という問題を克服することを可能とした。
また本発明を用いることによって、正極集電体2aまたは負極集電体2bと駆動用電解液との反応により発生するガスも抑制することが可能であり、キャパシタ内の圧力上昇を抑制することができるため、キャパシタの長期使用における信頼性向上という効果も得られる。
なお、正極集電体2aに用いられるアルミニウム箔はさらに、表面を粗面化されたものであれば、正極集電体2aと分極性電極層2bとの接触面積が増し、電導度が向上するとともに接合が強固になり好ましい。粗面化の方法として塩酸系のエッチング液中で電解エッチングする方法、酸性溶液中で化学的および/または電気的にエッチングする方法などが適用可能であるが、上記方法だけに限定されない。
また、正極集電体2aは、正極2が巻回されるときに破断しない程度の引っ張り強度を有するものである必要がある。一方、一定体積の外装ケース6内に多くの活性炭が充填されていることが求められる。そのため、正極集電体2aの厚みは10μm〜50μmであることが望ましい。
正極集電体2aの材料は、アルミニウムの他に、タンタル、チタンなどの弁金属でもよい。あるいは、これらの元素を含んで弁作用を生じる合金、例えばチタンを含むアルミニウム系合金などから成るものでもよいが、特に金属の種類を限定するものではない。最も好ましいのは、高純度アルミニウムである。
また、分極性電極層2bに用いられる活性炭は、やしがらなどの植物系や石油コークス系、ピッチ系、フェノール樹脂系などから成るものが好ましいが、特に種類は限定されない。キャパシタの容量を大きくするために、固体である活性炭は液体である駆動用電解液との接触面積が多いものが好ましい。活性炭の比表面積が100m2/gよりも小さい場合には、固体と液体の接触面積が少ないために、キャパシタの高容量化を行うことができない。一方、活性炭の比表面積が2700m2/gよりも大きい場合には、固体と液体の接触面積は大きくなるが、活性炭(図示せず)の密度が小さくなる。そのため分極性電極層2bの中に含まれる活性炭が少なくなってしまうので、キャパシタの高容量化を行うことができない。以上の観点から活性炭の比表面積は100m2/g以上2700m2/g以下であることが望ましい。
また活性炭の平均粒径D50が2μmよりも小さい場合には、活性炭の表面積が増大する。そのため結着剤の添加量を増やさなければ、混練、分散を行うことができず、分極性電極層2bが形成されるための均一な電極ペーストが得られない。一方、活性炭の平均粒径D50が5μmよりも大きい場合には、活性炭内の拡散抵抗が大きくなる。以上の観点から活性炭の平均粒径D50は2μm以上5μm以下であることが望ましい。
導電助剤には、炭素材料、導電性有機高分子材料、酸化ルテニウムなどの金属酸化物から成るものがよい。炭素材料はカーボンブラック、黒鉛粉末などを含み、導電性有機高分子材料はポリアセチレン、ポリピロール、ポリアセンなどを含む。しかしながら、特に材料は限定されない。
結着剤としては、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、ポリテトラフルオロエチレンの水分散液、ラテックス、ウレタン樹脂、オレフィン系樹脂の少なくとも1種から構成されたものが好ましい。しかしながら、特に結着剤の種類は限定されず、その他の結着剤であってもよい。
ラテックスとは、水性媒体の中に高分子物質が安定して分散している材料である。
さらに、駆動用電解液には、溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのうち少なくとも一つから成る溶媒に、電解質として例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEABF4)や、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMABF4)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMIBF4)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(TMIBF4)及び1、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(DMIBF4)などのうち少なくとも1種類以上が含まれるものがよいが、特に溶媒、電解質を限定するものではない。
また、本実施の形態では正極集電体2aの表裏面へ皮膜8を設けたが、これに限らず片面のみに前記皮膜8が設けられた構成でも良い。
本実施の形態では図2の正極2を用いて本発明の構成を具体的に説明したが、負極3についても同様の構成を用いることができる。また、本実施の形態では正極集電体2aの表裏面へ分極性電極層2bを設けたが、これに限らず片面のみに分極性電極層2bが設けられている構成でも良い。
また、外部接続の方法はリード線に限らず、例えば、素子1の正極集電体2aおよび負極集電体3aの表裏面の幅方向の一端において、分極性電極層2b、3bの未形成部分(図示なし)が夫々設けられ、未形成部分がそれぞれ逆方向へ突出するように、正極2と負極3を逆方向へずらした状態で対向させ、その間にセパレータ4が介在した状態で巻回された素子1の両端部平面と、導電性を有する端子板(図示なし)および外装ケース6内底部とが、それぞれ電気的に接続された端面集電と呼ばれる構成でもよい。この場合、例えば端子板外面および外装ケース6外表面と外装ケース6外部に設けられた外部回路とが電気的接続を行う。
また、この本実施の形態における電極は素子が巻回状であるときに限らず、積層状である場合にも同様に用いることが可能である。
(性能評価試験)
以下に、本発明を実施した複数のサンプルと比較例をもとに行った性能評価試験の内容を示す。
サンプル1の分極性電極層2b、3bを構成する活性炭は、水酸化カリウム(KOH)によりアルカリ賦活処理し、比表面積が2000m2/g、平均粒径D50(仮に100個の粒子があった場合、50番目に小さい粒子の粒径を基準にする)が3μmの活性炭である。導電性付与剤はアセチレンブラックから構成されている。結着剤はカルボキシメチルセルロース(以下、CMC)のアンモニウム塩およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水分散液から構成されている。サンプル1の分極性電極層2b、3bは、これらを固形分の重量比がそれぞれ85:8:5:2となるように配合し、分散媒である水を添加して、混練、分散し、電極ペーストを調製した。なお電極ペースト(図示せず)中の固形分の重量比率は30重量%である。
サンプル1の分極性電極層2b、3bは、このようにして得られた電極ペーストを塗工機により、正極集電体2a、負極集電体3aの両面に塗工されたものである。正極集電体2a、負極集電体3aの表面には、両面ともに前記皮膜が形成されている。この皮膜は、2%リン酸アンモニウム(PM)水溶液中に、15cm×20cmの大きさのエッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔を浸漬し、陽極酸化電圧0.5Vで陽極酸化を行ったものである。
PM水溶液の濃度を0.5%〜10%にして用いれば、良質なリン系化合物およびアルミニウムを含む厚み約7Åの皮膜を設けることができる。これは、前記濃度範囲の下限を下回った場合、溶液内のリンの不足により、十分なリン系化合物およびアルミニウムを含む前記皮膜を形成することができず、上限を超えた場合、PM水溶液のpHが低くなり、前記皮膜形成中に正極集電体2aが腐食してしまう恐れがあるからである。
また、陽極酸化処理時の電流を0.1A〜5Aにすれば、効率よく、良質なリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜を設けることができる。陽極酸化の速度は陽極酸化処理時に流す電流に依存し、電流値が高いほど迅速に陽極酸化を行うことができる。しかし前記電流値範囲の上限を超えると、陽極酸化の速度が早過ぎて非常に粗いリン系化合物およびアルミニウムが含まれる皮膜が形成され、本発明の効果を得ることができなくなってしまう。なお、陽極酸化電圧での電圧保持時間は30秒以上であればよく、時間を長くするほど、良質なリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜が得られる。
なお、塗工条件を調製して、分極性電極層2b、3bの厚みが片面35μmになるように電極ペーストが塗工されている。すなわち、正極2、負極3の厚みが90μmになるように電極ペースト(図示せず)が塗工されている。
その後、塗工された電極ペーストを90℃の温度で乾燥して分散媒である水を除去する。このようにして得られた正極2、負極3をさらにロールプレス機を用いてプレス加工を行う。このとき、加圧後の分極性電極層2b、3bの厚みが加圧前の分極性電極層2b、3bの厚みの約90%となるようにプレスする。すなわち、加圧後の正極2、負極3の厚みは約85μmとなり、分極性電極層2b、3bの厚みは約65μmとなる。この状態で分極性電極層2b、3bの密度は0.55g/cm3となる。
このようにして作製した正極2、負極3を4cm×10cmの寸法に切断する。そして正極集電体2a、負極集電体3aにそれぞれアルミニウム製のリード線を取り付け、正極2、負極3がセパレータ4を挟んで対面するように配置し巻回されたものがサンプル1の素子である。セパレータ4は厚み35μm、密度0.45g/cm3であるセルロース系の紙である。
その後、この素子を駆動用電解液に浸漬し、正極2、負極3とセパレータ4とに駆動用電解液を含浸させる。駆動用電解液は、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒に1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを溶かした溶液である。
最後に、正極2、負極3、セパレータ4からなる素子は有底筒状のケースに収納され、封口部材を用いて封口される。
このようにしてサンプル1のキャパシタが得られる。
サンプル2のキャパシタには、サンプル1のキャパシタの作製において、正極集電体2a、負極集電体3aの表面に厚み約14Åの前記皮膜が設けられ、この皮膜は2%PM水溶液中に、15cm×20cmの大きさのエッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔を浸漬し、陽極酸化電圧1Vで陽極酸化することにより形成されたものである。これ以外の構成はサンプル1と同様である。
サンプル3のキャパシタには、サンプル1のキャパシタの作製において、正極集電体2a、負極集電体3aの表面に厚み約42Åの前記皮膜が設けられ、この皮膜は2%PM水溶液中に、15cm×20cmの大きさのエッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔を浸漬し、陽極酸化電圧3Vで陽極酸化を行うことにより形成されたものである。これ以外の構成はサンプル1と同様である。
比較例のキャパシタは、サンプル1のキャパシタの作製において、正極集電体2a、負極集電体3aに陽極酸化処理を行わず、エッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔が用いられている。これ以外の構成はサンプル1と同様である。
サンプル4のキャパシタには、サンプル1のキャパシタの作製において、正極集電体2a、負極集電体3aの表面に厚み約49Åの前記皮膜が設けられ、この皮膜は2%PM水溶液中に、15cm×20cmの大きさのエッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔を浸漬し、陽極酸化電圧3.5Vで陽極酸化することにより形成されたものである。これ以外の構成はサンプル1と同様である。
サンプル5のキャパシタには、サンプル1のキャパシタの作製において、正極集電体2a、負極集電体3aの表面に厚み約70Åの前記皮膜が設けられ、この皮膜は2%PM水溶液中に、15cm×20cmの大きさのエッチング処理により表面を粗面化した20μmの厚みのアルミニウム箔を浸漬し、陽極酸化電圧5Vで陽極酸化することにより形成されたものである。これ以外の構成はサンプル1と同様である。
図3は60℃雰囲気中で2.8V定電圧をキャパシタに印加し続けた時間と常温下で測定した直流抵抗(DCR)変化率との関係を示した図である。
図3よりサンプル1〜5と比較例とを比較すると、サンプル1は比較例と略同様の曲線を描いている。そして、サンプル2および3は比較例より常温における長時間使用後のDCRの劣化を低減できている。しかし、サンプル4および5は比較例と比較すると、皮膜の厚みを49Åあるいは70Åにすることにより、長時間使用後のDCRの劣化が非常に増大していることがわかる。
これについて、比較例とサンプル1〜5を比較することにより、説明する。
まず、比較例は自然酸化化合物のみを表面に有した正極集電体2a、負極集電体3aを用いているので、使用期間の初期の段階において、分極性電極層2b、3bを構成する多くの活性炭および導電助剤が、各電極の集電体と自然酸化化合物を貫通するなどして接触しており、各電極の集電体と分極性電極層2b、3bの接触抵抗は小さい。しかし、長時間使用することによって、各電極の集電体の表面に、駆動用電解液と各電極の集電体とが反応して生成された化合物が形成され、積層されることによって、分極性電極層2b、3bと各電極の集電体との接触抵抗の増加を引き起こしている。
同様に、サンプル1も各電極の集電体の表面に設けられたリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜が薄すぎるため、皮膜上に欠陥部分も多く、その集電体が表出した欠陥部分と駆動用電解液とが反応し化合物の生成を抑制する効果を得ることができていない。
これに対しサンプル2および3はリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜の厚みが、使用期間の初期の段階において、分極性電極層2b、3bを構成する多くの活性炭および導電助剤が前記皮膜を貫通できる厚みであるため、各電極の集電体の表面に分極性電極層2b、3bの大部分が接触しており、その接触抵抗は小さい。さらに、皮膜にリン系化合物が含まれていることによって、長時間使用後でも、駆動用電解液と集電体とが反応して生成される化合物(フッ化アルミニウムなど)が各電極の集電体の表面に形成されにくく、分極性電極層2b、3bと各電極の集電体との接触抵抗の増加が抑制されている。
また、サンプル4および5は、各電極の集電体の表面に予め設けたリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜の厚みが厚いため、使用期間の初期の段階において、前記皮膜を貫通するなどして各電極の集電体と接触している活性炭および導電助剤は少なく、各電極の集電体と分極性電極層2b、3bの接触抵抗は大きい。また、各電極の集電体は表面に厚いリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜が形成されているため、各電極の集電体の表面に、駆動用電解液と集電体とが反応して生成する化合物が形成されにくい。しかし、初期の状態においてサンプル4および5の各電極の集電体の表面と接触している活性炭および導電助剤が少ないため、駆動用電解液と各電極の集電体とが反応して生成する化合物により、活性炭および導電助剤と各電極の集電体との接触点数がわずかに減少しただけでも、サンプル4および5における各電極の集電体と分極性電極層2b、3bとの接触抵抗が急激に増大する。
上記のことから、集電体表面にリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜を設ければ必ず、キャパシタの長時間使用後の性能劣化抑制という効果が得られるというわけではなく、集電体表面に前記皮膜を設け長時間使用後の性能劣化を低減するという効果を得るために、この皮膜は、陽極酸化電圧を1V以上3V以下、皮膜の厚みとして14Å以上42Å以下である必要がある。
因みに、本実施の形態ではキャパシタとして電気二重層キャパシタを用いて説明を行ったが、これに限らず、例えば負極3の集電体表面へ設けた炭素材料内部へリチウムイオンを吸蔵することを特徴とした電気化学キャパシタの電極として、集電体表面へ前記皮膜が設けられていてもよい。
以上より、本発明における実施の形態による電気二重層キャパシタは、駆動用電解液と反応性の高い金属製の箔で構成された集電体の表面に、予め正極集電体2aおよび負極集電体3aの少なくとも一面上へリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜が厚み14Å以上42Å以下の範囲で設けられた構成である。
これにより、正極集電体2aおよび負極集電体3aに設けた前記皮膜は駆動用電解液との反応性が低いため、キャパシタの長期使用後の駆動用電解液と集電体との反応を抑制することが可能となり、キャパシタにおけるDCRの増大や容量低下などの性能劣化を抑えることが可能となる。
本発明は集電体の両面または片面に予めリン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜を設けることによって長時間使用によるキャパシタの性能劣化を抑えているため、製品ライフスパンが長く、自動車のエネルギー回生や電子機器の電源としての用途が有用である。
本実施の形態における電気二重層キャパシタを示した一部切り欠き斜視図 本実施の形態における集電体表面に皮膜を設けた電気二重層キャパシタの正極を示した鉛直方向の断面図 本実施の形態における種々の条件で生成した皮膜を設けた集電体を用いたキャパシタ(サンプル1〜5)および比較例の60℃雰囲気中で2.8V印加した時間と常温下でのDCR変化率との関係を示した図
符号の説明
1 素子
2 正極
2a 正極集電体
2b 分極性電極層
3 負極
3a 負極集電体
3b 分極性電極層
4 セパレータ
5a 正極リード線
5b 負極リード線
6 外装ケース
7 封口部材
8 皮膜

Claims (2)

  1. 金属製である集電体の表面に炭素材料を含む電極部が設けられた正極と、金属製である集電体の表面に炭素材料を含む電極部が設けられた負極と、
    対向する前記正極および前記負極との間に介在した絶縁性を有したセパレータとが、
    巻回あるいは積層された素子と、
    前記素子と駆動用電解液とが収納された外装ケースとを備えたキャパシタにおいて、
    前記集電体の表面に、リン系化合物およびアルミニウムを含む皮膜が設けられ、この皮膜が設けられた前記集電体の表面に前記電極部が配設されたことを特徴としたキャパシタ。
  2. リン系化合物およびアルミニウムを含む前記皮膜の厚みが、14Å以上42Å以下であることを特徴とした請求項1に記載のキャパシタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016146484A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 コリア・ジェイシーシー・カンパニー・リミテッド 電気二重層コンデンサの高電圧電極及びその製造方法
CN113593913A (zh) * 2021-08-26 2021-11-02 厦门阳光恩耐照明有限公司 一种铝电解电容器及其制备方法

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