JP2006210883A - 分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタ - Google Patents

分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタ Download PDF

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基浩 坂田
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Abstract

【課題】エネルギー密度と出力密度の向上で低抵抗化と高信頼性を図り、かつ生産性向上が可能な、分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】金属プレーン箔からなる集電体2と、導電性カーボンとバインダーからなり上記集電体2上に形成されたアンカーコート層3と、このアンカーコート層3上に形成された電極層4からなる分極性電極体1において、上記アンカーコート層3の導電性カーボンに黒鉛化カーボンブラックを、同バインダーに水溶性、かつ乾燥後に難水溶性になるものを用いた構成により、薄手化を図ると共にアンカーコート層3上に直接電極層4を形成でき、かつ集電体2と電極層4の十分な接合強度を確保してエネルギー密度と出力密度を向上し、低抵抗化を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器に使用される、分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタに関するものである。
図6はこの種の従来の電気化学キャパシタの構成を示した一部切り欠き斜視図であり、図6において、11は素子であり、この素子11はアルミニウム箔等からなる集電体12の表裏面に図示しないアンカーコート層が形成され、このアンカーコート層上に電極シート13が貼り付けられて構成された分極性電極体を2枚1組として、その間にセパレータ14を介在させた状態で巻回することにより構成されているものである。
15は上記2枚の分極性電極体に夫々接続されて引き出されたアルミニウム製のリード線、16は上記素子11を図示しない駆動用電解液と共に収容したアルミニウム製の金属ケース、17は上記素子11から一対で引き出されたリード線15が貫通する孔を有して上記金属ケース16の開口部に嵌め込まれ、金属ケース16の開口端の加工により封止を行う封口ゴムである。
図7は上記素子11を構成する分極性電極体の構成を示した斜視図、図8は同断面図であり、図7と図8において、12は表面を粗面化したアルミニウム箔等からなる集電体、18はこの集電体12の表裏面に形成されたアンカーコート層、13はこのアンカーコート層18上に貼り付けられた電極シートであり、上記アンカーコート層18は、黒鉛またはカーボンブラックからなる導電性カーボンとバインダーにより構成されているものである。
なお、上記電極シート13を用いる理由は、ペースト状の電極材料をアンカーコート層18を介して集電体12上に塗布して電極層を形成しようとすると、アンカーコート層18の中に含まれるバインダーが分解されてアンカーコート層18が溶解してしまうためである。従って、あらかじめ、活性炭と導電性付与材とバインダーを混練し、これを粉砕した後、成型することによりシート状の電極シート13を作製し、これをアンカーコート層18上に貼り付けるようにしているものである。
このように構成された従来の電気化学キャパシタは、二次電池と比較して出力密度が大きく、瞬時に大電流を流すことが可能であり、電気自動車等の動力アシスト、無停電電源装置等に活用することが検討されており、そのために、より一層の出力密度の向上が期待されるのは言うまでも無く、エネルギー密度の向上及び連続電圧印加に対する信頼性、充放電サイクルの繰り返しに対する耐久性の向上が要望されているものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1ならびに特許文献2が知られている。
特開平11−154630号公報 特開2004−186266号公報
このように構成された電気化学キャパシタでは、エネルギー密度及び出力密度の向上に最も大きな効果を発揮する手段として集電体の薄手化があるが、この集電体の薄手化はセルにおける電極層の占有体積の向上による電気容量の向上、ならびに分極性電極体の対向面積の増加による内部抵抗の低減という大きなメリットがあり、集電体の薄手化によりエネルギー密度及び出力密度の向上が実現できるものである。
しかしながら上記従来の電気化学キャパシタでは、内部抵抗の低減と電気容量の劣化の抑制のために、エッチングにより表面を粗面化したアルミニウム箔を集電体として用いているものであるが、このように表面を粗面化したアルミニウム箔は強度が低く、製造工程においてアルミニウム箔に加わるテンションに耐え切れずに箔切れ等が発生するために薄手化が困難であるという問題がある。
これに対し、表面を粗面化していないアルミニウム箔(以下、プレーン箔という)は、箔強度が向上するために薄手化は可能であるが、エッチングしていないために当然ながらエッチングピットが無く、これにより、電極層と集電体との接触面積が減少して接合強度が低下し、この結果、電気化学キャパシタの内部抵抗が増大し、かつ、信頼性が悪化するという問題があった。
また、電極層を直接アンカーコート層2上に形成することができないために電極シート3を用いた構成としているが、この電極シート3の作製によって生産性が低下し、コスト面での大きな問題を有したものであった。
従って、集電体にプレーン箔を用いることにより薄手化を図り、これによりエネルギー密度と出力密度を向上して低抵抗化と高信頼性を実現し、かつ、生産性の向上によりコスト低減を図ることは、従来の技術においては極めて困難であるという課題を有したものであった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、エネルギー密度と出力密度を向上して低抵抗化と高信頼性を実現し、かつ、生産性の向上によりコスト低減を図ることができる、分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、金属プレーン箔からなる集電体と、導電性カーボンとバインダーにより構成されて上記集電体上に形成されたアンカーコート層と、このアンカーコート層上に形成された電極層からなる分極性電極体において、上記アンカーコート層を構成する導電性カーボンとして黒鉛化カーボンブラックを用い、同バインダーとして、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ゴム系高分子、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体の中から選ばれる1種以上を用いた構成にしたものである。
また、このように構成された分極性電極体を2枚1組で、その間にセパレータを介在させた状態で積層または巻回し、これを駆動用電解液と共にケース内に収容して封止することにより電気化学キャパシタを構成するようにしたものである。
以上のように本発明による分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタは、分極性電極体を構成する集電体にプレーン箔を用いると共に、この集電体と電極層の間に導電性と接着能力を有するアンカーコート層を設けた構成により、薄手化を図ると共にアンカーコート層上に直接電極層を形成することが可能になり、かつ、集電体と電極層の十分な接合強度を確保することができるために、内部抵抗の増大や電気容量の劣化を抑制してエネルギー密度と出力密度の向上を図ることができるようになり、しかも、アンカーコート層を構成する導電性カーボンとして黒鉛化カーボンブラックを用いた構成により、低抵抗化を実現することができるという効果が得られるものである。
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
図1は本発明の一実施の形態による分極性電極体の構成を示した断面図、図2は同実施の形態による分極性電極体の他の例を示した断面図である。
図1において1は分極性電極体を示し、この分極性電極体1は表面を粗面化していない金属プレーン箔からなる集電体2の表裏面にアンカーコート層3を形成し、このアンカーコート層3の上に活性炭を主体とする電極層4を形成することにより構成されたものであり、本実施の形態においては、上記集電体2の材料としてアルミニウム箔を用いた。
なお、上記プレーン箔とは、本発明においては、JIS B 0601−1994に定める平均粗さ(Ra)が0.5μm以下、最大高さ(Ry)が2.0μm以下、+点平均粗さ(Rz)が1.0μm以下のものを意味するものであり、本実施の形態に使用したアルミニウム箔の表面粗さを測定した結果を(表1)に示す。
Figure 2006210883
なお、(表1)において、TDはアルミニウム箔の製造時の送り方向を示すものである。
また、図2はアンカーコート層3を集電体2の片面のみに形成し、電極層4を集電体2の表裏面に形成することにより分極性電極体5を構成した例を示したものである。
なお、集電体2の材料としては、陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成する金属材料であれば何でも良く、アルミニウム以外に、銅、チタン、ニオブ、タンタル、ニッケル、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、マグネシウム、あるいはこれらの化合物等を用いることもできるが、これらの中でも、陽極酸化により陽極酸化皮膜を形成する金属であるアルミニウム、チタン、ニオブ、タンタル、ニッケル、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、マグネシウム等を用いることが好ましいものである。
なお、電気化学キャパシタが電気二重層コンデンサである場合には、充電時に正極側の集電金属は電子を引き抜かれ、金属カチオンとして電解液中に溶出する。ここで、この金属カチオンと電解液アニオンが反応しない場合は、充放電に伴って金属溶析出が繰り返されるために集電体2が脆弱になって集電機能が低下する。また、溶出金属カチオンが電解液アニオンと結合した場合においても、この物質が電気化学的に不安定であり、放電時に可逆的に反応する場合は、充放電に伴ってファラデー反応が繰り返されるため、非ファラデー反応であるイオンの吸脱着にはない反応抵抗が生じることにより、電気二重層コンデンサの内部抵抗及び電気容量の劣化が著しくなる。従って、金属カチオンと電解液アニオンが結合した物質が電気化学的に安定となる上記金属材料を用いることにより、放電時にも不可逆な誘電体酸化皮膜を形成するために、集電体2の脆弱や内部抵抗の増大、電気容量が劣化等が発生しないため、集電体2の材料として適したものである。
図3は上記アンカーコート層3の構成を示した断面図であり、図3に示すように、アンカーコート層3は導電性カーボン6とバインダー7によって構成されている。ここで、アンカーコート層3の導電フィラーとして金属を用いた場合、充電時に陽極酸化されて金属カチオンとなり、電解液中に溶出するためにアンカーコート層3の導電性を維持することができない。また、誘電体酸化皮膜、即ち絶縁層を形成するような弁作用金属を用いた場合も、絶縁層が形成されることによって導電性の低下を招く。従って、アンカーコート層3の導電フィラーとしてカーボンを用いると電気化学的に安定であり、充放電を繰り返した場合においても導電性を維持することができるために好ましいものである。
そして、バインダー7が導電性カーボン6間、アンカーコート層3と集電体2間、及び図1に示すようにアンカーコート層3と電極層4間を接着することによって物理的安定性を向上させることができ、電気化学キャパシタの信頼性を向上させることができるという作用効果を奏するものである。
また、本発明においては、上記アンカーコート層3を構成する導電性カーボン6として黒鉛化カーボンブラックを用いたものであり、図3に示すように、導電性カーボン6は集電体2に侵入しており、この侵入深さは5nm〜5μmの範囲が好ましい。これは、導電性カーボン6の侵入深さが5nm未満の場合には、集電体2表面を被覆する絶縁性の自然酸化皮膜8を貫通できない可能性があるため、集電体2とアンカーコート層3間の電気伝導が不十分となって電気化学キャパシタの内部抵抗が増大するために好ましくないものである。また逆に、導電性カーボン6の侵入深さが5μmより大きい場合には、集電体2の実効厚みが極めて薄くなるために箔強度が著しく低下し、製造工程で加わるテンションに耐えられなくなって製造が困難になるために好ましくないものである。
また、黒鉛は、sp2混成軌道からなる炭素であり、4個のうちL核電子のうち3個が同一平面内で隣のσ電子と共有結合して六角網平面を形成し、残りの1個が面と垂直方向に配向したπ軌道を形成し、このπ電子が非局在化するために高い電気伝導性を有する。カーボンブラックは疑似黒鉛構造の微結晶が平行に積層した状態で結晶子を構成し、この結晶子が集合して粒子を形成し、さらに粒子どうしが融着してストラクチャーを形成する。このストラクチャーの接触によりπ電子がジャンプすることによって高い電気伝導性を有している。黒鉛化カーボンブラックは、このカーボンブラックの粒子表面を黒鉛化させたものであり、カーボンブラックの電気伝導性が更に高められている。従って、黒鉛化カーボンブラックをアンカーコート層3の導電フィラーとして用いることにより、電気化学キャパシタの内部抵抗を低減することができるという作用効果を奏するものである。
さらに、黒鉛化カーボンブラックは、集電体2の平面に平行方向のみに配列することもなく、また電解液中に溶出することもないために低抵抗化を実現することができるものであり、さらに、黒鉛化カーボンブラックは、その作製工程の中で熱処理工程を有するため、この熱処理工程で不純物を飛ばしていることから抵抗値の劣化も極めて少ないものである。
また、図4(a)は上記黒鉛化カーボンブラックのX線回折測定におけるピーク強度を示したものであり、炭素材料の結晶性(黒鉛化度)の指標とされる(002)面に起因するピーク強度を示しており、強度が約10000を示しているものである。また、比較用として、黒鉛ならびにアセチレンブラックの同様のピーク強度を図4(b)、(c)に示すが、図4(b)、(c)から明らかなように、黒鉛のピーク強度は約60000、アセチレンブラックのピーク強度は約1400であり、本発明による上述の効果を得るために必要な導電性カーボンのX線回折測定におけるピーク強度は、2500以上が適していると思われる。
また、上記導電性カーボンの平均粒径は30nm〜10μmの範囲が好ましいものであり、30nm未満の場合には、アンカーコート層3を形成する際に導電性カーボン6がふわふわと舞って作業性が低下するために好ましくない。また逆に、10μmより大きくなると、アンカーコート層3の膜厚が大きくなり、その分、電極層4が薄くなって容量が減少してしまうために好ましくないものである。
また、本来、表面を粗面化していないプレーン箔を集電体2として用いた場合には、電極層4との接触面積が小さいために電気化学キャパシタの導電率を上げることが難しいものであるが、本発明においては上記図3に示す導電性カーボン6として黒鉛化カーボンブラックを用いた構成にしたことにより、このような導電性の低下を気にすることなく、プレーン箔を集電体2に用いることができる。従って、このようなプレーン箔を集電体2に用いることにより、箔強度が著しく増加するために薄手化が極めて容易になり、これにより、電気化学キャパシタ内での電極層4の占有体積を増加させて電気容量を向上させることができるという作用効果と、薄手化により、巻回形の素子を用いる場合には巻回量を増加させることができるために分極性電極体1の対向面積を増加させ、内部抵抗を低減させることができるという作用効果を有する。このとき、集電体2の厚みは1μm〜100μmの範囲が好ましい。これは箔強度と、薄手化による電気容量の向上、内部抵抗の低減の各効果との兼ね合いによるものである。
また、上記アンカーコート層3を構成するバインダー7として、本発明ではカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩を用いたものであるが、これ以外に、ゴム系高分子、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体等、水溶性、かつ、乾燥後に難水溶性になるものであれば何を用いても同様の効果が得られるものである。
ここで、アンカーコート層3を構成する導電性カーボン6に対するバインダー7の重量比は5%〜50%の範囲が適しており、この範囲内であれば電気化学キャパシタの内部抵抗の低減及び信頼性の向上を実現することができる。同バインダー7の比率が50%より大きい場合には、絶縁性のバインダー7が過剰に存在するためにアンカーコート層3の電気伝導性が低下して電気化学キャパシタの内部抵抗を増大させてしまうために好ましくない。また逆に、バインダー7の比率が5%未満の場合には、アンカーコート層3の接着能力が低下することによって電気化学キャパシタの内部抵抗の増大、及び電気容量の劣化が著しくなるために好ましくないものである。
また、アンカーコート層3の厚みは50nm〜20μmの範囲が適しており、これも前述の導電性カーボン6の平均粒径と同様に、作業性と大容量化との兼ね合いによるものである。
このようなアンカーコート層3は、黒鉛化カーボンブラックからなる導電性カーボン6、バインダー7を分散媒(図示せず)によって分散してアンカーコートスラリー(図示せず)を作製し、続いて、このアンカーコートスラリーを集電体2の表裏面に夫々塗布した後、上記分散媒を乾燥して除去することにより形成することができるものである。
さらに、このアンカーコート層3を介して集電体2上に電極層4が形成されているものであり、この電極層4は、図5に示すように、活性炭9を主体とし、バインダー、導電性カーボン等により構成されているものである。
また、図5に示すように、アンカーコート層3には電極層4の一部が侵入しており、これは電極層4がアンカーコート層3に侵入することによって電極層4を構成する活性炭9とアンカーコート層3を構成する導電性カーボン6が接触する面積が増加し、アンカーコート層3と電極層4間の電気伝導が得られやすくなるためである。ただし、この活性炭9が集電体2に接触するまで侵入してしまうと、この活性炭9自体の導電率が低いことから上述の効果が得られなくなるため、少なくとも集電体2と電極層4との間にはアンカーコート層3の導電性カーボン6が介在していることが望ましいものである。
また、このように構成された分極性電極体1を構成するアンカーコート層3の接着強度を確認する目的で、幅2cm×長さ5cmのセロハンテープを分極性電極体1上に貼り付け、90度剥離試験機によって負荷を与えた場合に、電極層4において凝集破壊に起因する剥離が発生し、集電体2/アンカーコート層3の界面ならびにアンカーコート層3/電極層4の界面における剥離は発生しないことを確認した。これは、アンカーコート層3を構成するバインダー7によって優れた接着強度を発揮していることを裏付けるものである。
また、本実施の形態では上記活性炭9として、フェノール樹脂を水酸化カリウムで処理したものを用いたものであるが、活性炭9としてはフェノール樹脂の他に、ヤシガラ、木粉、紙、石油コークス、石油ピッチ、石炭コークス等からなる原材料を、水酸化カリウムの他に、水酸化ナトリウム、水蒸気、二酸化炭素、リン酸、塩化亜鉛等のいずれかで処理したものを用いても良いものである。
これは、微細孔構造を有しない原材料を処理することにより多孔質化して比表面積を増加させることにより、単位体積あたりの電気容量を向上させるようにしているものであり、これらの原材料及び処理方法の組み合わせによって活性炭9の構造及び比表面積等は異なり、これらを選択することにより電気化学キャパシタの電気容量及び内部抵抗等を適宜設計することができるものである。
また、上記活性炭9の平均粒径は40μm以下が望ましいものであり、活性炭9の粒径が大きくなると、それに伴って細孔長が長くなるためにイオンが細孔の奥に達するまでに時間がかかる、即ち、イオンの拡散抵抗が大きくなって素子全体の抵抗を上げてしまうために好ましくないものである。
また、上記電極層4は、まず、活性炭9、バインダー、導電性カーボン等を分散媒(図示せず)と共にプラネタリーミキサー(図示せず)に投入して混練することにより電解液(図示せず)を作製し、次に、この電解液を圧力ホモジナイザー(図示せず)に投入して分散した後、アンカーコート層3が形成された集電体2の表裏面に夫々塗布し、乾燥することによって形成することができるものである。さらに、これを圧延する工程を加えることによって分極性電極体1を作製することができるものであり、この圧延工程で加える圧力により、電極層4のアンカーコート層3に対する侵入深さを制御することができるものである。
そして、このように構成された分極性電極体1を用いて、従来の技術の項で図6を用いて説明した電気化学キャパシタを作製した。
なお、本発明による電気化学キャパシタに用いた分極性電極体1は、プレーン箔を集電体2として用い、電極層4は、活性炭(88wt%)、導電性カーボン(6wt%)、カルボキシメチルセルロース(CMC(4wt%))、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE(2wt%))から構成し、また、アンカーコート層3は、導電性カーボンとしての黒鉛化カーボンブラック(80wt%)、カルボキシメチルセルロース(CMC(20wt%))から構成したものである。
このようにして作製した本実施の形態の電気化学キャパシタの特性を測定した結果を比較例と比較して(表2)に示す。試験は、印加電圧2.3Vで定電圧連続印加を行った。
なお、比較例としての「ABアンカー箔」とは、アセチレンブラックを導電性フィラーとして用いたアンカーコート層を介して、プレーン箔からなる集電体上に電極層を形成することにより分極性電極体を構成したものであり、「プレーン箔」とは、アンカーコート層を形成せずに、プレーン箔からなる集電体上に直接電極層を形成することにより分極性電極体を構成したものであり、「エッチング箔」とは、アンカーコート層を形成せずに、エッチング処理することにより表面を粗面化した集電体上に直接電極層を形成することにより分極性電極体を構成したものである。
Figure 2006210883
(表2)から明らかなように、本発明による電気化学キャパシタは、「ABアンカー箔」に比べて初期電気容量が高く、初期内部抵抗は低くなっており、さらに、500時間、2000時間の定電圧連続印加試験においてもその劣化率が小さくなっており、さらに、この差は「プレーン箔」と比べると更に大きくなっていることが分かるものである。
また、低抵抗化を目的として集電体をエッチング処理した「エッチング箔」と比較しても本発明品の初期電気容量は高く、初期内部抵抗は低くなっており、さらに、500時間、2000時間の定電圧連続印加試験においてもその劣化率が低くなっていることが分かるものである。
このように、本発明による分極性電極体を用いた電気化学キャパシタは、初期内部抵抗の低減と長期に亘る低抵抗化を図ることができると共に、電気容量の向上と長期に亘る高容量化を図ることができるものである。
本発明による分極性電極体とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタは、低抵抗化と高容量化を図ることができるという効果を有し、特に、電気自動車等の動力アシスト、無停電電源装置等として有用である。
本発明の一実施の形態による分極性電極体の構成を示した断面図 同実施の形態による分極性電極体の他の例を示した断面図 同アンカーコート層の構成を示した断面図 (a)同アンカーコート層を構成する黒鉛化カーボンブラックのX線回折測定におけるピーク強度を示した特性図、(b)同黒鉛の同特性を示した特性図、(c)同アセチレンブラックの同特性を示した特性図 同電極層の構成を示した断面図 従来の電気化学キャパシタの構成を示した一部切り欠き斜視図 同電気化学キャパシタに使用される素子を構成する分極性電極体の構成を示した斜視図 同断面図
符号の説明
1,5 分極性電極体
2 集電体
3 アンカーコート層
4 電極層
6 導電性カーボン
7 バインダー
8 自然酸化皮膜
9 活性炭

Claims (10)

  1. 金属プレーン箔からなる集電体と、導電性カーボンとバインダーにより構成されて上記集電体上に形成されたアンカーコート層と、このアンカーコート層上に形成された電極層からなる分極性電極体において、上記アンカーコート層を構成する導電性カーボンとして黒鉛化カーボンブラックを用い、同バインダーとして、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ゴム系高分子、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体の中から選ばれる1種以上を用いた分極性電極体。
  2. 電極層は活性炭を主体に構成され、この活性炭の平均粒径が0.3〜40μmである請求項1に記載の分極性電極体。
  3. アンカーコート層を構成する導電性カーボンの平均粒径が30nm〜10μmである請求項1に記載の分極性電極体。
  4. アンカーコート層を構成する導電性カーボンに対するバインダーの重量比が1〜50%である請求項1に記載の分極性電極体。
  5. アンカーコート層の厚みが50nm〜20μmである請求項1に記載の分極性電極体。
  6. アンカーコート層の導電率が7.5S/cm以上である請求項1に記載の分極性電極体。
  7. アンカーコート層の一部が集電体に侵入し、この侵入深さが集電体表面から5nm〜5μmである請求項1に記載の分極性電極体。
  8. 電極層の一部がアンカーコート層に侵入し、この侵入深さがアンカーコート層の厚みに対して1〜100%である請求項1に記載の分極性電極体。
  9. アンカーコート層を形成するための導電性カーボン及びバインダーを分散媒に分散してスラリー化する工程と、このアンカーコートスラリーを集電体の表面に塗布し、分散媒を乾燥除去してアンカーコート層を形成する工程と、このアンカーコート層を介して集電体上にペースト状の電極材を塗布し、この電極材の分散媒を乾燥除去して電極層を形成する工程と、乾燥後の電極体を圧延する工程とを有した分極性電極体の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の分極性電極体を2枚1組で、その間にセパレータを介在させた状態で積層または巻回し、これを駆動用電解液と共にケース内に収容して封止した電気化学キャパシタ。
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