JP6124647B2 - 薄葉紙収納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、薄葉紙を収納する薄葉紙収納容器に関する。
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための薄葉紙を収納する薄葉紙収納容器が知られている。
このような薄葉紙収納容器としては、例えば、内側に積層薄紙を収容する収容空間とこの積層薄紙の取出口とが備わった容器本体と、取出口を閉塞並びに解放するための開閉蓋とが備わり、開閉蓋が容器本体の上壁にほぼ沿って平行にスライド出来るように装着されているとともに、開閉蓋による取出口の閉塞姿勢を保持するロック機構が、開閉蓋の辺縁上面を押圧することでロック解除可能に構成されているスライド式開閉蓋を有する収納容器や(特許文献1,2参照)、湿潤シートを収納する容器本体と、この容器本体又は容器本体の着脱部材に形成された湿潤シートの取出口と、この取出口を開閉する容器本体又は着脱部材にヒンジを介し連結された開閉蓋とを具備し、取出口には、湿潤シートが取出口から引き出される際に摺接するガイド縁が形成され、取出口は容器本体又は着脱部材に取り付けられた軟質覆板で覆われ、この軟質覆板にガイド縁の周辺に接離可能に被さる舌片が形成され、湿潤シートがガイド縁に摺接しつつ取出口外に引き出される際に、この舌片が弾性変形して湿潤シートの通過を許容するようにした保湿容器(特許文献3参照)などが知られている。
特開2012−91834号公報 特開2012−91835号公報 特開2008−100747号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の薄葉紙収納容器において、取出口と、係止手段(ロック機構)を構成する爪部及び爪受部(係止突起及び係合凹部)とは、蓋体(開閉蓋)のスライド移動の方向に重なるように配置されている。すなわち、取出口が、蓋体のスライド移動に伴う爪部や爪受部の移動の軌跡下に配置されている。そのため、取出口から突出している薄葉紙(積層薄紙)が蓋体よりも上方に飛び出ている状態で蓋体を閉めようとすると、当該薄葉紙が爪部と爪受部との間や蓋体とケース体(容器本体)との間に挟まってしまい、スムーズに蓋体を閉塞状態にすることができない。
また、特許文献3に記載の薄葉紙収納容器においては、舌片が形成された軟質覆板によって取出口を覆っているので、先行する薄葉紙(湿潤シート)が引き出されると、後続する薄葉紙の先端部が舌片の先の待機位置まで引き出されて停止することとなるが、後続する薄葉紙の先端部が待機位置を越えて引き出される場合もあり得る。したがって、特許文献3の構成(取出口を舌片が形成された軟質覆板で覆う構成)を、特許文献1,2に記載の薄葉紙収納容器(スライド式開閉蓋を有する薄葉紙収納容器)に適用しても、後続する薄葉紙の先端部が待機位置を越えて停止した場合には、当該薄葉紙が爪部と爪受部との間や蓋体とケース体との間に挟まってしまって、スムーズに蓋体を閉塞状態にすることができない。
本発明の課題は、スムーズに蓋体を閉塞状態にすることができる薄葉紙収納容器を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、薄葉紙収納容器において、
上面に取出口を有し、内側に薄葉紙が積層された薄葉紙積層体を収納するケース体と、
前記ケース体に対してスライド移動することで前記取出口を開閉させる蓋体と、を備え、
前記ケース体には、前記取出口の縁部に固定される固定端と固定されない自由端とを有し、前記取出口の上側から当該取出口の少なくとも一部を覆う薄葉紙押さえ部が設けられており、
前記薄葉紙押さえ部は、
前記取出口の前記縁部から延出し、前記固定端を有する第1延出部と、
前記第1延出部の前記固定端とは反対側の端部から、当該第1延出部の延出方向よりも前記ケース体の内側に向けて延出する第2延出部と、を備え、
前記蓋体が閉塞状態となる方向に移動すると、当該蓋体に徐々に押圧され、前記自由端が下方向へと移動して倒伏状態となって、前記取出口の少なくとも一部を覆い、
前記蓋体が開放状態となる方向に移動すると、当該蓋体からの押圧力が徐々に解除され、前記自由端が上方向へと移動して起立状態となることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄葉紙収納容器において、
前記蓋体には、前記薄葉紙押さえ部の前記倒伏状態において当該薄葉紙押さえ部の前記自由端側を前記取出口内へと押し込む突起が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、薄葉紙押さえ部は、蓋体が閉塞状態となる方向に移動すると、当該蓋体に徐々に押圧され、自由端が下方向へと移動して倒伏状態となって、取出口の少なくとも一部を覆うので、取出口から突出している薄葉紙が蓋体よりも上方に飛び出ている状態で蓋体を閉めても、薄葉紙押さえ部によって薄葉紙を押さえ込むことができる。したがって、当該薄葉紙が蓋体の開閉の邪魔になることがないので、スムーズに蓋体を閉塞状態にすることができる。
本発明の実施形態に係る薄葉紙収納容器において、(a)は上蓋を閉めた状態を示す斜視図、(b)は上蓋を開けた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る薄葉紙収納容器において、上蓋を閉めた状態を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る薄葉紙収納容器において、上蓋を開けた状態を示す平面図である。 図2の薄葉紙収納容器のIV−IV線における断面図である。 図3の薄葉紙収納容器のV−V線における断面図である。 (a)はケース側パッキンを示す平面図、(b)はケース側パッキンを示す斜視図である。 上蓋の開閉によって変化するケース側パッキンの状態を説明するための図である。 容器本体を示す平面図である。 シャーシ及び付勢部材を示す平面図である。 上蓋を示す平面図である。 ケース側パッキンの変形例を示す図である。 ケース側パッキンの変形例を示す図である。 ケース側パッキンの変形例を示す図である。 (a)はケース側パッキンの変形例を示す図、(b),(c)は上蓋の開閉によって変化する当該ケース側パッキンの状態を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
なお、以下の説明では、薄葉紙収納容器の平面視長手方向を左右方向、平面視短手方向を前後方向、高さ方向を上下方向とする。
本実施形態に係る薄葉紙収納容器1は、例えば、図1(a)に示すように、上蓋20を閉じた状態で前後方向の側面視にて上側の角が丸みを帯びた略長方形状に形成されており、内部にウェットシートやウェットティシュー等のウェットタイプの薄葉紙Pを収納可能に構成されている。なお、薄葉紙収納容器1には、ティシューペーパーやキッチンペーパーやペーパータオル等のドライタイプの薄葉紙Pを収納しても良い。
具体的には、薄葉紙収納容器1は、例えば、図1(a),(b)、図2から図5に示すように、上面に薄葉紙Pを取り出すための取出開口11を有するとともに下面に薄葉紙Pが積層された薄葉紙積層体Qを詰め替えるための底面開口12を有し、内側の収納空間部Sに薄葉紙積層体Qを収納する容器本体10と、容器本体10の上面にスライド移動自在に設けられ、取出開口11を開閉させる上蓋20と、上蓋20を容器本体10に取り付けるためのシャーシ30と、容器本体10の底面開口12を塞ぐ底蓋40と、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材50と、等を備えて構成される。
容器本体10、上蓋20、シャーシ30及び底蓋40は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の熱可塑性樹脂から形成されている。
また、本実施形態においては、付勢部材50として、引張コイルばね(引きばね)を用いるが、これに限ることはなく、付勢部材50は、伸縮部材であれば適宜任意に変更可能であり、例えば、トーションばねや圧縮コイルばね(押しばね)等であっても良い。
また、付勢部材50は、金属材料からなる伸縮部材であっても、高分子材料からなる伸縮部材であっても良い。高分子材料からなる伸縮部材としては、例えば、プラスチック製の伸縮部材、シリコンゴム等のゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ナイロン系のエラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの弾性体(軟質材料)製の伸縮部材等が挙げられ、また、その形状は、ばね状であっても、板状やチューブ状や紐状であっても良く、適宜任意に変更可能である。付勢部材50が高分子材料からなる場合、金属製の付勢部材と違って錆びることがないので、長期に亘って安定的に使用することができる。薄葉紙収納容器1に収納する薄葉紙Pが、ウェットタイプの薄葉紙Pである場合は特に、金属製の付勢部材50を用いると、薄葉紙Pから蒸発した薬液によって付勢部材が錆びる可能性が高くなるので、高分子材料からなる付勢部材50を用いることが好ましい。
容器本体10は、例えば、図1(a),(b)に示すように、当該容器本体10の上面を構成する上面部10aと、当該容器本体10の前後左右の周面を構成する周面部10bと、からなり、容器本体10の下面は平面視にて角のとれた略長方形状を呈する底面開口12となっている。そして、この底面開口12を塞ぐように取り付けられた底蓋40と、容器本体10の上面部10a及び周面部10bと、によって囲まれた空間が、薄葉紙積層体Qを収納するための収納空間部Sとなる。
なお、本実施形態では、下面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の下面側から詰め替えるように構成したが、これに限ることはなく、例えば、下面は閉口して前後左右の何れかの面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の前後左右の何れかの面側から詰め替えるように構成することも可能である。
容器本体10の上面部10aには、例えば、図4、図5に示すように、下側に向けて陥没する凹部13が設けられており、この凹部13の底面部13aに取出開口11が形成されている。なお、本実施形態では、底面部13aのうち左右方向(容器本体10の平面視長手方向)中央よりも一側(本実施形態の場合、右側)にずれた位置に取出開口11を形成したが、これに限ることはなく、例えば、底面部13aの左右方向略中央に取出開口11を形成することも可能である。
取出開口11は、容器本体10の内部の収納空間部Sに収納された薄葉紙Pを取り出すための、平面視にて角のとれた略長方形状に形成された開口である。
この取出開口11の周縁部には、例えば、図4、図5に示すように、取出口Caを有する枠状のケース側パッキン14が装着されている。
取出口Caは、上蓋20が開放状態(図1(b)、図3、図5参照)となった場合に開放され、このとき薄葉紙Pを、取出口Caを通じて一枚毎に収納空間部Sから外部に引き出すことができるようになっている。
また、取出口Caは、上蓋20が閉塞状態(図1(a)、図2、図4参照)となった場合に閉塞されるようになっている。
すなわち、本実施形態の場合、上面に取出口Caを有し、内側に薄葉紙Pが積層された薄葉紙積層体Qを収納するケース体Cは、容器本体10と、当該容器本体10の上面に固定されるシャーシ30と、当該容器本体10の上面に装着されるケース側パッキン14と、からなり、上蓋20は、ケース体Cのうちシャーシ30に取り付けられている。
また、上蓋20の下面にも、蓋側パッキン21が取り付けられている。
蓋側パッキン21は、上蓋20の下面のうち、上蓋20の閉塞状態においてケース側パッキン14に対応する位置に設けられており、ケース側パッキン14と蓋側パッキン21とは、上蓋20が閉塞状態となった場合に互いに密着して(図4参照)、収納空間部S内の気密性を保持するように構成されている。すなわち、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21が、収納空間部S内を気密に保つための気密手段として機能する。
これにより、薄葉紙収納容器1に収納する薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの薄葉紙Pである場合には、薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21を、シリコンゴム等のゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ナイロン系のエラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの軟質材料で形成したが、これに限ることはない。ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21は、例えば、PE(Polyethylene)やPP(Polypropylene)などの硬質材料で形成しても良い。また、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21を、同じ材料で形成しても良いし、異なる材料で形成しても良い。また、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21は、薄葉紙収納容器1に収納する薄葉紙Pがウェットタイプである場合は特に、薬液耐性のある材料で形成されることが好ましい。
ここで、収納空間部Sに収納されている薄葉紙積層体Qは、例えば、複数枚の薄葉紙Pが積層された詰替え用の薄葉紙積層体であって、ケース体Cに形成された取出口Caから薄葉紙Pを継続して取り出せるように交互に折り重ねられた状態で積層されている。すなわち、薄葉紙Pは、薄葉紙Pを取出口Caからケース体Cの外側へ引き出したときに、次の薄葉紙Pの上端が取出口Caよりも突出する位置まで収納空間部Sから引き出されるように、いわゆるポップアップ方式で折り重ねられている。
なお、薄葉紙積層体Qは、本実施形態のように包装体Tによって内包されていても良いし、包装体Tによって内包されていなくても良い。特に、薄葉紙収納容器1に収納する薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの薄葉紙Pである場合には、薄葉紙積層体Qは防湿性の包装体Tによって内包されていることが好ましい。
ケース側パッキン14の下端部のうち左側部分には、例えば、図4、図5、図6(a),(b)に示すように、内側に向けて、すなわち取出口Caを塞ぐ方向側に向けて延出する延出部14aが設けられている。これにより、薄葉紙Pを一枚ずつ引き出しやすくなっている。
また、ケース側パッキン14には、例えば、図4、図5、図6(a),(b)に示すように、取出口Caの縁部に固定される固定端と固定されない自由端とを有し、取出口Caの上側から当該取出口Caの少なくとも一部を覆う薄葉紙押さえ部14bが設けられている。
薄葉紙押さえ部14bは、取出口Caの縁部(本実施形態の場合、左縁部)に固定されており、取出口Caを開放する起立状態(図7(a)参照)と、取出口Caの少なくとも一部を覆う倒伏状態(図7(b),(c)参照)と、に変換可能となっている。具体的には、薄葉紙押さえ部14bは、上蓋20の開放状態において起立状態となり、少なくとも上蓋20の閉塞状態において倒伏状態となる。
したがって、ケース側パッキン14(薄葉紙押さえ部14bを含む)は、薄葉紙押さえ部14bが起立状態から倒伏状態へと弾性変形可能な軟質材料で形成されている。
なお、本実施形態では、薄葉紙押さえ部14bを、ケース側パッキン14本体に一体的に設けたが、薄葉紙押さえ部14bは、ケース側パッキン14本体と別体であってもよい。薄葉紙押さえ部14bがケース側パッキン14本体と別体である場合、薄葉紙押さえ部14bは、例えば、当該薄葉紙押さえ部14bを起立状態となる方向に付勢する付勢部材(ねじりコイルばね等)を介してケース側パッキン14本体に接続されている。
また、上蓋20には、例えば、図4、図5に示すように、上蓋20の下面から突出する突起29が設けられている。
この突起29は、上蓋20の下面のうち、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14b(倒伏状態の薄葉紙押さえ部14b)の少なくとも一部に対応する位置に設けられており、上蓋20が閉塞状態となった場合(図4参照)に、倒伏状態の薄葉紙押さえ部14bを上側から押圧して、当該倒伏状態を維持する役割を果たす。上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bが倒伏状態から起立状態に戻ると、上蓋20を開放する際に、薄葉紙押さえ部14bが蓋側パッキン21に引っ掛かってしまって、薄葉紙押さえ部14bが上蓋20開放の邪魔になる場合がある。これに対し、突起29を設けることで、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持できるので、薄葉紙押さえ部14bが上蓋20開放の邪魔になることなく、スムーズに上蓋20を開放状態にすることができる。
なお、突起29の形状、個数、配設の仕方等は、突起29により上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持できるのであれば、適宜任意に変更可能である。
また、突起29は、上蓋20ではなく、蓋側パッキン21に設けられていてもよい。蓋側パッキン21に突起29を設ける構成は、例えば、蓋側パッキン21に、当該蓋側パッキン21の開口を横断する橋渡部を設けて、その橋渡部から突出する突起29を設けること等によって実現できる。
また、本実施形態では、容器本体10にケース側パッキン14を設けて上蓋20に蓋側パッキン21を設けた、すなわち、ケース体Cと上蓋20との双方に気密手段を設けたが、これに限ることはなく、気密手段によって取出口Caの周縁と上蓋20との隙間を封止できるのであれば、例えば、ケース体Cだけに気密手段を設けても良いし、上蓋20だけに気密手段を設けても良い。上蓋20だけに気密手段を設ける場合、ケース体Cは、ケース側パッキン14を備えないので、取出開口11が取出口Caとなり、容器本体10(或いは、シャーシ30)に薄葉紙押さえ部14bが設けられる。
シャーシ30は、例えば、図4、図5に示すように、容器本体10の凹部13内に収容された状態で容器本体10の上面部10aに固定されており、上蓋20は、シャーシ30を介して容器本体10に取り付けられている。
シャーシ30は、例えば、図9に示すように、凹部13の底面部13a上に載置され、取出開口11を取り囲む枠部31と、閉塞状態の上蓋20と略面一となるよう枠部31に支持される上壁部32と、を備えて構成される。
本実施形態では、上蓋20と上壁部32とを合わせると、平面視にて略楕円形状の板状部材を構成するようになっている。また、上蓋20及び上壁部32は、前後方向(短径方向)に下方へ凸となるよう湾曲した形状をなしている。
シャーシ30の枠部31(具体的には、枠部31の連結部31c(後述))の上面には、例えば、図2、図3、図9に示すように、付勢部材50の一端と係合する固定側係合部33が設けられている。
また、上蓋20の下面のうち前後方向中央よりも前側及び後側の位置には、例えば、図2、図3、図10に示すように、付勢部材50の他端と係合する可動側係合部22がそれぞれ設けられている。
本実施形態において、薄葉紙収納容器1は、例えば、図9に示すように、付勢部材50である引張コイルばねを2本備えている。また、上蓋20は、可動側係合部22を2つ備えているとともに、シャーシ30の枠部31は、固定側係合部33を2つ備えている。そして、2本の付勢部材50のうち一方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの他方に掛止され、2本の付勢部材50のうち一方の他端が、2つの可動側係合部22のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の他端が、2つの可動側係合部22のうちの他方に掛止されている。
上蓋20が右側(すなわち、上壁部32側)へとスライド移動して開放状態から閉塞状態に移行すると、付勢部材50の一端に係合する固定側係合部33と、付勢部材50の他端に係合する可動側係合部22と、の間隔が長くなるので、付勢部材50は左側(すなわち、上壁部32とは反対側)に付勢された状態になる。すなわち、付勢部材50は、上蓋20の閉塞状態において、当該上蓋20を開放状態となる方向に付勢している。そして、付勢部材50の付勢力に抗する力が解除されると、付勢部材50の付勢力によって上蓋20が左側(すなわち、上壁部32とは反対側)に引っ張られて、取出口Caが開放される。
また、本実施形態において、可動側係合部22は、例えば、図4、図5に示すように、固定側係合部33よりも上側に配置されている。そのため、付勢部材50は、ケース体Cの高さ方向(すなわち、上下方向)に対して斜めに設置、具体的には、可動側係合部22と係合する他端が、固定側係合部33と係合する一端よりも上側に配置された状態で設置されている。したがって、付勢部材50は、上蓋20の閉塞状態において、当該上蓋20を開放状態となる方向に付勢するだけでなく、当該上蓋20を下方向(すなわち、当該上蓋20をケース体Cに押し付ける方向)にも付勢するので、気密手段(本実施形態の場合、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21)によって取出口Caの周縁と上蓋20との隙間がしっかりと封止されることとなって、収納空間部Sの気密性が向上する。
従来、薄葉紙を収納するためのケース体の上面に、その開放端を上下方向に回動させることで開閉を行う蓋体を設けた薄葉紙収納容器として、蓋体の開放動作を行いやすくするために、蓋体を開く方向に付勢する付勢部材(エラストマー等により形成されたヒンジ、ねじりコイルばねなど)を備えたものが知られている。このような薄葉紙収納容器において、付勢部材は、蓋体を開放状態となる方向に付勢、すなわち、蓋体を閉塞状態とは反対方向に付勢しているので、気密性を持たせることが困難であった。これに対し、本実施形態では、左右方向にスライド移動することで開閉を行う蓋体(上蓋20)を設け、可動側係合部22を固定側係合部33よりも上側に配置して付勢部材50をケース体Cの高さ方向に対して斜めに設置することで、蓋体(上蓋20)を開放状態となる方向だけでなく、ケース体Cに押し付ける方向にも付勢するように構成したので、収納空間部Sの気密性が向上する。これにより、薄葉紙収納容器1に収納する薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの薄葉紙Pである場合には、薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を確実に防止できるようになっている。
付勢部材50は、伸縮部材により構成され、シャーシ30の固定側係合部33が、ケース体C(本実施形態の場合、シャーシ30)に設けられ付勢部材50の一端と係合する固定点として機能し、上蓋20の可動側係合部22が、上蓋20に設けられ付勢部材50の他端と係合する可動点として機能する。
そして、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が、上蓋20を開放状態となる方向にスライド移動させる可動機構として機能する。
なお、本実施形態では、固定側係合部33(固定点)をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、固定側係合部33(固定点)は、容器本体10に設けても良い。
また、本実施形態では、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22は、上蓋20が、開放状態である場合も、閉塞状態である場合も、開放状態から閉塞状態に移行する途中の状態である場合も、閉塞状態から開放状態に移行する途中の状態である場合も、凹部13内に配置された状態で上蓋20に上方から覆われているので、薄葉紙収納容器1の外部から視認することができない。
すなわち、上蓋20は、当該上蓋20の状態にかかわらず、外部から視認不能に付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22を遮蔽している。これにより、薄葉紙収納容器1の美観が向上するとともに、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が触られることを防止できるようになっている。
さらに、本実施形態では、凹部13の底面部13aが、容器本体10の内側(収納空間部S側)から視認不能に付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22を遮蔽しているので、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が、容器本体10の内側から触られることも防止できるようになっている。
上蓋20の右端部(すなわち、上壁部32側の端部)には、例えば、図4、図5に示すように、下側に向けて突出する爪部23が設けられている。
また、シャーシ30には、上壁部32の一部を操作面34aとしたスイッチ部34が設けられている。スイッチ部34は、前後方向に沿って延設された軸部34bを回動軸として回動可能に構成されており、左端側(すなわち、上蓋20側)に爪部23が上方から進入して係合する爪受部34cを有している。また、スイッチ部34は、図示しない付勢手段によって、押圧されて回動する方向とは逆方向に付勢されている。
上蓋20が開放状態である際に、付勢部材50の付勢力に抗する力を作用させて上蓋20を右側(すなわち、上壁部32側)へとスライド移動させると、まず、上蓋20の爪部23がスイッチ部34の爪受部34cに当接する。さらに上蓋20を右側へとスライド移動させると、爪受部34cが爪部23に押されてスイッチ部34の付勢手段の付勢力に抗する力が作用し、爪受部34cが下側へと移動するようにスイッチ部34が回動する。そして、上蓋20が閉塞状態になってスイッチ部34の付勢手段の付勢力に抗する力が解除されると、スイッチ部34の付勢手段の付勢力によって爪受部34cがもとの位置に戻るよう(すなわち、操作面34aが上壁部32の表面と略面一の状態となるよう)にスイッチ部34が回動して、爪部23と爪受部34cとが係合する。これにより、上蓋20の閉塞状態を維持できるようになっている。
また、爪部23と爪受部34cとが係合している際に、スイッチ部34の操作面34aが押圧されてスイッチ部34の付勢手段の付勢力に抗する力が作用すると、爪受部34cが下側へと移動するようにスイッチ部34が回動する。そして、スイッチ部34の回動に伴い爪部23と爪受部34cとの係合が解除されると、付勢部材50の付勢力によって上蓋20が左側(すなわち、上壁部32とは反対側)へとスライド移動して開放状態になる。
すなわち、上蓋20に設けられた爪部23と、シャーシ30に設けられ爪部23と係合する爪受部34cとが、付勢部材50の付勢力に抗して上蓋20が閉塞状態となるように係止するとともに、当該係止を解除可能な係止手段として機能する。
なお、本実施形態では、係止手段による係止を解除する際に押圧されるスイッチ部34をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、スイッチ部34は、容器本体10に設けても良い。
ここで、例えば、図3に示すように、取出口Caは、平面視にて、爪部23及び爪受部34cと左右方向(上蓋20のスライド移動の方向)に重なるように配置されている。すなわち、取出口Caは、上蓋20のスライド移動に伴う爪部23の移動の軌跡に重なるように配置されている。
このように、取出口Caが爪部23の移動の軌跡下に配置されている場合、ケース体Cに薄葉紙押さえ部14bが設けられていないと、スムーズに上蓋20を閉塞状態にすることができない。具体的には、ケース体Cに薄葉紙押さえ部14bが設けられていないと、取出口Caから突出している薄葉紙Pが上蓋20よりも上方に飛び出ている状態で上蓋20を閉める際に、当該薄葉紙Pが爪部23と爪受部34cとの間に挟まったり、上蓋20と上壁部32との間に挟まったりして、スムーズに上蓋20を閉塞状態にすることができない。
これに対し、本実施形態の場合は、ケース体Cに薄葉紙押さえ部14bが設けられており、上蓋20を閉める際に、薄葉紙押さえ部14bも閉まる(すなわち、薄葉紙押さえ部14bが倒伏状態になる)ので、取出口Caから突出している薄葉紙Pが上蓋20よりも上方に飛び出ている状態で上蓋20を閉めようとしても、薄葉紙押さえ部14bで薄葉紙Pを押さえ込むことができる。したがって、取出口Caから突出している薄葉紙Pが上蓋20よりも上方に飛び出ている場合であっても、当該薄葉紙Pが爪部23と爪受部34cとの間や上蓋20と上壁部32との間に挟まってしまうことがなく、スムーズに上蓋20を閉塞状態にすることができる。
具体的には、本実施形態の場合、上蓋20が開放状態である際(図7(a)参照)に、上蓋20を右方向へとスライド移動させると、薄葉紙押さえ部14bは、まず上蓋20の爪部23に当接する。
さらに上蓋20を右方向へとスライド移動させると、薄葉紙押さえ部14bは、爪部23に押されて、当該薄葉紙押さえ部14bの自由端が下側へと移動するように、当該薄葉紙押さえ部14bの固定端を回動軸として回動する。さらに上蓋20を右方向へと移動させると、蓋側パッキン21の下端部のうち右側部分が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げ、薄葉紙押さえ部14bは、倒伏状態となる(図7(b)参照)。
このように、開放状態の上蓋20を閉塞状態となる方向へとスライド移動させると、薄葉紙押さえ部14bが起立状態から倒伏状態へと変換し、取出口Caから突出している薄葉紙Pが薄葉紙押さえ部14bによって押さえ込まれるので、当該薄葉紙Pが爪部23と爪受部34cとの間や上蓋20と上壁部32との間に挟まってしまうことを抑制できる。
さらに上蓋20を右方向へとスライド移動させると、突起29が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げて、薄葉紙押さえ部14bの自由端側が取出口Ca内へと押し込まれる(図7(c)参照)。これにより、薄葉紙Pをケース体Cの内側へと押し込むことができ、取出口Caから突出している薄葉紙Pの突出量が小さくなるので、当該薄葉紙Pが爪部23と爪受部34cとの間や上蓋20と上壁部32との間に挟まってしまうことをより確実に抑制することができる。
そして、さらに上蓋20を右方向へと移動させると、上蓋20が閉塞状態になる(図5参照)。
すなわち、薄葉紙押さえ部14bは、上蓋20が閉塞状態となる方向(本実施形態の場合、右方向)に移動すると、当該上蓋20に徐々に押圧され、自由端が下方向へと移動して倒伏状態となって、取出口Caの少なくとも一部を覆い、上蓋20が開放状態となる方向(本実施形態の場合、左方向)に移動すると、当該上蓋20からの押圧力が徐々に解除され、自由端が上方向へと移動して起立状態となる。
ここで、本実施形態では、突起29が上蓋20の開閉の邪魔にならず、かつ、突起29が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げた際に当該突起29によって薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができるように、突起29の先端(下端)の上下方向の位置と蓋側パッキン21の下端面の上下方向の位置とが略一致するように構成した。
また、本実施形態の場合、ケース側パッキン14本体の上面に薄葉紙押さえ部14bが固定されているので、突起29は、上蓋20が閉塞状態となる方向に移動する際に、ケース側パッキン14本体の上面と薄葉紙押さえ部14bの固定端との段差を乗り越えなければならない。よって、突起29の材質を、当該段差を乗り越える際に撓み、当該段差を乗り越えた後は元の状態の徐々に戻って薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができる程度の可撓性を有するものとした。
なお、突起29は、当該突起29が上蓋20の開閉の邪魔にならず、ケース側パッキン14本体の上面と薄葉紙押さえ部14bの固定端とに段差がある場合には当該段差を乗り越えることができ、かつ、突起29が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げた際に当該突起29によって薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができるのであれば、突起29の突出長さ(上下方向の長さ)や突起29の材質は適宜任意に変更可能であり、また、突起29に圧縮コイルばねを内蔵する等して突起29が上下方向に伸び縮みするように構成することも可能である。
また、突起29によって、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持することができるのであれば、突起29は、薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができなくてもよい。
本実施形態においては、シャーシ30の枠部31の一部が、上蓋20を直線的にスライド移動するようガイドするレール部31aになっている。具体的には、例えば、図9に示すように、シャーシ30の枠部31は、左右方向に沿って延設され、前後方向に並ぶレール部31a,31aと、レール部31a,31aの右端部(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側の端部)同士を連結するとともに上壁部32を支持する支持部31bと、レール部31a,31aの左端部(すなわち、上蓋20の開放状態となる方向側の端部)同士を連結する連結部31cと、からなる。
また、例えば、図10に示すように、上蓋20には、レール部31aに対してスライド移動可能に係合するスライド部24が設けられている。スライド部24は、例えば、上蓋20とシャーシ30とが組み合わされた状態で、レール部31aに設けられた横溝部に挿入可能となるように、上蓋20の下面から垂下する垂壁部(図示省略)の下端に接続されている。
これにより、上蓋20をスムーズかつ確実に開閉できるようになっている。
なお、本実施形態では、上蓋20のスライド移動をガイドするためのレール部31aをシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、レール部31aは、容器本体10に設けても良い。
スライド部24の左端部(すなわち、上蓋20の開放状態となる方向側の端部)には、例えば、図10に示すように、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収するダンパー24aが設けられている。
また、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態においてスライド部24の左端側(ダンパー24aを含む)に対応する位置には、例えば、図8に示すように、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際にスライド部24が入り込む横穴部15が形成されており、上蓋20の開放状態において、横穴部15内でスライド部24のダンパー24aが容器本体10に当接するように構成されている。すなわち、スライド部24が容器本体10に衝突することによって、付勢部材50の付勢力による上蓋20のスライド移動が停止するように構成されており、当該衝突の際の衝撃を、ダンパー24aによって吸収できるようになっている。
なお、本実施形態では、撓むことで衝撃を吸収できるようにダンパー24aを左方へ凸となるよう内側から外側に向けて湾曲した弓状に形成したが、これに限ることはなく、ダンパー24aの形状は、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収できるのであれば、適宜任意に変更可能である。
上蓋20には、例えば、図4、図5に示すように、上蓋20を閉める際等に指を掛けるための可動側指掛部25が設けられている。具体的には、上蓋20には、可動側指掛部25として、当該上蓋20の右端部(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側の端部)を上側に向けて起立させることによって形成された突起部が設けられている。また、上蓋20には、可動側指掛部25に掛けた指を載置するための指載置部26として、当該上蓋20の上面を下側に向けて窪ませることによって形成された凹部が設けられている。
また、ケース体C(本実施形態の場合、シャーシ30)のうち係止手段(本実施形態の場合、爪受部34c)よりも右側(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側)には、上蓋20を閉める際等に指を掛けるための不動側指掛部35が設けられている。具体的には、シャーシ30には、不動側指掛部35として、シャーシ30の端部(本実施形態の場合、上壁部32の右端部)を上側に向けて起立させることにより形成された突起部が設けられている。
すなわち、可動側指掛部25の左側(すなわち、不動側指掛部35とは反対側)に指を掛けて上蓋20を閉める際に、不動側指掛部35の右側(すなわち、可動側指掛部25とは反対側)に指を掛けて容器本体10に左方向の力(上蓋20に作用させる力とは逆方向の力)を作用させて容器本体10が滑らないように容器本体10を固定しておくことができるように構成されている。これにより、片手で上蓋20を閉めることができるようになっている。
また、本実施形態の場合、不動側指掛部35は、スイッチ部34に離間してケース体C(本実施形態の場合、シャーシ30)に設けられている。これにより、不動側指掛部35に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまうことを防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、不動側指掛部35をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、不動側指掛部35は、容器本体10に設けても良い。
上蓋20の下面には、例えば、図4、図5に示すように、先端が左側(すなわち、上蓋20の開放状態となる方向側)を向くよう前後方向の側面視略逆L字状に突出する突片部27が設けられている。
また、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態において突片部27の先端側(ダンパー27a(後述)を含む)に対応する位置には、例えば、図8に示すように、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際に突片部27が入り込む横穴部16が形成されており、上蓋20が開放状態になると、上蓋20の突片部27の先端側が容器本体10の横穴部16に入り込んで、突片部27の上下方向の移動が規制されるように構成されている。これにより、上蓋20の開放状態において、上蓋20の左端側が上方向へと移動して上蓋20が起き上がってしまうことを防止できるようになっている。
突片部27の先端部には、例えば、図4、図5に示すように、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収するダンパー27aが設けられており、上蓋20の開放状態において、横穴部16内で突片部27のダンパー27aが容器本体10に当接するように構成されている。すなわち、突片部27が容器本体10に衝突することによっても、付勢部材50の付勢力による上蓋20のスライド移動が停止するように構成されており、当該衝突の際の衝撃を、ダンパー27aによって吸収できるようになっている。
なお、本実施形態では、撓むことで衝撃を吸収できるようにダンパー27aを左方へ凸となるよう上側から下側に向けて湾曲した弓状に形成したが、これに限ることはなく、ダンパー27aの形状は、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収できるのであれば、適宜任意に変更可能である。
また、本実施形態では、突片部27にダンパー27aを設けてスライド部24にダンパー24aを設けた、すなわち、突片部27とスライド部24との双方にダンパーを設けたが、これに限ることはなく、ダンパーによって上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収すること(衝撃を緩めること)ができるのであれば、例えば、突片部27だけにダンパーを設けても良いし、スライド部24だけにダンパーを設けても良いし、突片部27及びスライド部24以外の部分にダンパーを設けても良い。また、ダンパーは、上蓋20側ではなく、ケース体C側に設けても良いし、上蓋20側とケース体C側との双方に設けても良い。突片部27にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、突片部27が横穴部16内で容器本体10に当接しないように構成されていることが好ましい。また、スライド部24にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、スライド部24が横穴部15内で容器本体10に当接しないように構成されていることが好ましい。
なお、本実施形態では、スライド部24の左端側が入り込む横穴部15の上方が上面部10aによって塞がれるように構成したが、これに限ることはなく、横穴部15は上方に開口していてもよい。
また、突片部27は、上蓋20が起き上がってしまうことを防止するために設けられているが、本実施形態のように、スライド部24の左端側が入り込む横穴部15の上方が上面部10aによって塞がれている場合には、スライド部24によって、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができる。具体的には、この場合には、上蓋20が開放状態になると、上蓋20のスライド部24の左端側が容器本体10の横穴部15に入り込んで、スライド部24の上下方向の移動が規制され、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができるので、突片部27を設けなくてもよい。
以上説明した本実施形態の薄葉紙収納容器1によれば、上面に取出口Caを有し、内側に薄葉紙Pが積層された薄葉紙積層体Qを収納するケース体Cと、ケース体Cに対してスライド移動することで取出口Caを開閉させる上蓋20(蓋体)と、を備え、ケース体Cには、取出口Caの縁部に固定される固定端と固定されない自由端とを有し、取出口Caの上側から当該取出口Caの少なくとも一部を覆う薄葉紙押さえ部14bが設けられており、薄葉紙押さえ部14bは、上蓋20が閉塞状態となる方向に移動すると、当該上蓋20に徐々に押圧され、自由端が下方向へと移動して倒伏状態となって、取出口Caの少なくとも一部を覆い、上蓋20が開放状態となる方向に移動すると、当該上蓋20からの押圧力が徐々に解除され、自由端が上方向へと移動して起立状態となるように構成されている。
したがって、取出口Caから突出している薄葉紙Pが上蓋20よりも上方に飛び出ている状態で上蓋20を閉めても、薄葉紙押さえ部14bによって薄葉紙Pを押さえ込むことができ、当該薄葉紙Pが上蓋20の開閉の邪魔になることがないので、スムーズに上蓋20を閉塞状態にすることができる。
また、以上説明した本実施形態の薄葉紙収納容器1によれば、上蓋20(蓋体)には、薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態において当該薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込む突起29が設けられている。
したがって、突起29に押された薄葉紙押さえ部14bによって薄葉紙Pがケース体Cの内側へと押し込まれ、取出口Caから突出している薄葉紙Pの突出量が小さくなるので、よりスムーズに上蓋20を閉塞状態にすることができる。
なお、突起29は、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持することができるのであれば、薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態において当該薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができなくてもよい。
<変形例>
本実施形態においては、ケース側パッキン14に薄葉紙押さえ部14bを1個設け、薄葉紙押さえ部14bの形状を、倒伏状態のときに取出口Caのほぼ全域を覆うことができる形状としたが、取出口Caの左側(上蓋20が開放状態となる方向側)の縁部に固定される固定端と取出口Caの縁部に固定されない自由端とを有し、倒伏状態の薄葉紙押さえ部14bによって取出口Caの少なくとも一部を覆うことができるのであれば、薄葉紙押さえ部14bの形状、個数、配設の仕方等は、適宜任意に変更可能である。また、薄葉紙押さえ部14bの形状、個数、配設の仕方等に応じて、突起29の形状、個数、配設の仕方等も適宜任意に変更可能である。
具体的には、例えば、図11に示すように、薄葉紙押さえ部14bを複数個(図11の例では2個)設けてもよいし、図12に示すように、複数の薄葉紙押さえ部14b同士を交差させるように設けてもよい。
また、例えば、図13に示すように、薄葉紙押さえ部14bの延出長さ(左右方向の長さ)を、倒伏状態において薄葉紙押さえ部14bの自由端が取出口Caの右側(上蓋20が閉塞状態となる方向側)の縁部を越えた位置に達するような長さとしてもよい。
この場合、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持する突起29を設けなくても、上蓋20が閉塞状態になると、薄葉紙押さえ部14bの自由端が蓋側パッキン21とケース側パッキン14との間に挟まれて、薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態が維持されるので、突起29を設けなくてもよい。
また、この場合、上蓋20の閉塞状態において薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態を維持する突起29を設けてもよく、この突起29が、薄葉紙押さえ部14bの倒伏状態において当該薄葉紙押さえ部14bの自由端側を取出口Ca内へと押し込むことができる場合には、上蓋20の閉塞状態において、薄葉紙押さえ部14bの自由端は、当該自由端側が取出口Ca内へと押し込まれた状態で蓋側パッキン21とケース側パッキン14との間に挟まれてもよいし、挟まれなくてもよい。
また、薄葉紙押さえ部14bは、例えば、図14(a)に示すように、取出口Caの左側(上蓋20が開放状態となる方向側)の縁部から延出し、固定端を有する第1押さえ部14b1(第1延出部)と、第1押さえ部14b1の固定端とは反対側の端部から、当該第1押さえ部14b1の延出方向よりもケース体Cの内側に向けて延出する第2押さえ部14b2(第2延出部)と、を備えるものであってもよい。
この場合、図14(b)に示すように、蓋側パッキン21が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げて倒伏状態となった場合に、第2押さえ部14b2によって、薄葉紙Pをケース体Cの内側へと押し込むことができる。また、図14(c)に示すように、突起29が薄葉紙押さえ部14b上に乗り上げて、薄葉紙押さえ部14bの自由端側が取出口Ca内へと押し込まれた場合には、第2押さえ部14b2によって、薄葉紙Pをケース体Cの内側へとさらに押し込むことができる。よって、当該薄葉紙Pが爪部23と爪受部34cとの間や上蓋20と上壁部32との間に挟まってしまうことをより確実に抑制することができる。
図14に示す例では、第2押さえ部14b2の形状を、略半円状としたが、第2押さえ部14b2の形状は適宜任意に変更可能である。
また、図14に示す例では、第1押さえ部14b1と第2押さえ部14b2とのなす角度を90°としたが、第1押さえ部14b1と第2押さえ部14b2とのなす角度は、鋭角であってもよいし、鈍角であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、前述の実施形態及び変形例の構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 薄葉紙収納容器
10 容器本体(ケース体)
14 ケース側パッキン(ケース体)
14b 薄葉紙押さえ部
14b1 第1押さえ部(第1延出部)
14b2 第2押さえ部(第2延出部)
20 上蓋(蓋体)
29 突起
30 シャーシ(ケース体)
C ケース体
Ca 取出口
P 薄葉紙
Q 薄葉紙積層体

Claims (2)

  1. 上面に取出口を有し、内側に薄葉紙が積層された薄葉紙積層体を収納するケース体と、
    前記ケース体に対してスライド移動することで前記取出口を開閉させる蓋体と、を備え、
    前記ケース体には、前記取出口の縁部に固定される固定端と固定されない自由端とを有し、前記取出口の上側から当該取出口の少なくとも一部を覆う薄葉紙押さえ部が設けられており、
    前記薄葉紙押さえ部は、
    前記取出口の前記縁部から延出し、前記固定端を有する第1延出部と、
    前記第1延出部の前記固定端とは反対側の端部から、当該第1延出部の延出方向よりも前記ケース体の内側に向けて延出する第2延出部と、を備え、
    前記蓋体が閉塞状態となる方向に移動すると、当該蓋体に徐々に押圧され、前記自由端が下方向へと移動して倒伏状態となって、前記取出口の少なくとも一部を覆い、
    前記蓋体が開放状態となる方向に移動すると、当該蓋体からの押圧力が徐々に解除され、前記自由端が上方向へと移動して起立状態となることを特徴とする薄葉紙収納容器。
  2. 前記蓋体には、前記薄葉紙押さえ部の前記倒伏状態において当該薄葉紙押さえ部の前記自由端側を前記取出口内へと押し込む突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薄葉紙収納容器。
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