JP6090968B2 - 家庭用薄葉紙収納容器 - Google Patents
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Description
このような家庭用薄葉紙収納容器においては、家庭用薄葉紙を収納するためのケース体の上面に、その開放端を上下方向に回動させることで開閉を行う蓋体を設けた構成が一般的である。しかしながら、この構成の場合、蓋体を開くと当該蓋体が起立した状態になるため、蓋体を開ける際に高さが必要となり、狭いスペースでは使いづらいという問題があった。また、この構成の場合、蓋体を開くと当該蓋体が起立した状態になるため、蓋体が邪魔になって蓋体の後ろ側からは家庭用薄葉紙が取り出しづらいという問題があった。
これに対し、スライド移動することで開閉を行う蓋体を設けた構成(例えば、特許文献1から3参照)とすれば、蓋体が開いても蓋体が起立した状態にならないため、狭いスペースでも使いやすく、蓋体が邪魔にならず家庭用薄葉紙を全方向から取り出すことができる。
上面に取出口を有し、内側にウェットタイプの家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記ケース体の外側にて当該ケース体に対してスライド移動することで前記取出口を開閉させる蓋体と、
前記蓋体を開放状態となる方向に付勢する付勢部材を有し、当該蓋体を開放状態となる方向にスライド移動させる可動機構と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記蓋体が閉塞状態となるように係止するとともに、当該係止を解除可能な係止手段と、を備え、
前記付勢部材は、高分子材料からなり、
前記可動機構は、前記蓋体の下面に設けられ、前記付勢部材の一部と係合する被係合部を備え、前記蓋体が開放状態、閉塞状態、開放状態から閉塞状態に移行する途中の状態、閉塞状態から開放状態に移行する途中の状態のいずれの状態であっても、外部から視認不能に前記蓋体によって遮蔽され、前記ケース体の内側から視認不能に前記ケース体によって遮蔽されるよう備えられることを特徴とする。
前記取出口の周縁と前記蓋体との隙間を封止する気密手段を備えることを特徴とする。
前記付勢部材は、伸縮部材により構成され、
前記可動機構は、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の一端と係合する第1固定点と、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の他端と係合する第2固定点と、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の一端と他端との間の部分と係合する前記被係合部としての可動点と、を備えることを特徴とする。
前記付勢部材は、伸縮部材により構成され、
前記可動機構は、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の一端と係合する前記被係合部としての第1可動点と、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の他端と係合する前記被係合部としての第2可動点と、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の一端と他端との間の部分と係合する固定点と、を備えることを特徴とする。
前記ケース体には、前記蓋体のスライド移動をガイドするためのレール部が設けられ、
前記蓋体には、前記レール部に対してスライド移動可能に係合するスライド部が設けられていることを特徴とする。
さらに、付勢部材が高分子材料からなるので、金属製の付勢部材と違って錆びることがなく、長期に亘って安定的に使用することができる。
まず、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器の構成について説明する。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器の平面視長手方向を左右方向、平面視短手方向を前後方向、高さ方向を上下方向とする。
具体的には、家庭用薄葉紙収納容器1は、例えば、図1(a),(b)、図2から図5に示すように、上面に家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出口11を有するとともに下面に家庭用薄葉紙Pが積層された薄葉紙積層体Qを詰め替えるための底面開口12を有し、内側の収納空間部Sに薄葉紙積層体Qを収納する容器本体10と、容器本体10の上面にスライド移動自在に設けられ、取出口11を開閉させる蓋体としての上蓋20と、上蓋20を容器本体10に取り付けるためのシャーシ30と、容器本体10の底面開口12を塞ぐ底蓋40と、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材50と、等を備えて構成される。
また、容器本体10、上蓋20、シャーシ30及び底蓋40は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の熱可塑性樹脂から形成されている。
また、本実施形態においては、付勢部材50として、引張コイルばねを用いることとする。
なお、薄葉紙積層体Qを、包装体によって内包することとしても良い。特に、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、薄葉紙積層体Qを防湿性の包装体によって内包することが好ましい。
なお、本実施形態では、下面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の下面側から詰め替えるように構成したが、これに限ることはなく、例えば、下面は閉口して前後左右の何れかの面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の前後左右の何れかの面側から詰め替えるように構成することも可能である。
取出口11は、容器本体10の内部の収納空間部Sに収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための、平面視にて角のとれた略長方形状に形成された開口である。
取出口11は、上蓋20が開放状態(図1(b)、図3、図5参照)となった場合に開放され、このとき家庭用薄葉紙Pは、取出口11を通じて一枚毎に収納空間部Sから外部に引き出すことができるようになっている。
また、取出口11は、上蓋20が閉塞状態(図1(a)、図2、図4参照)となった場合に閉塞されるようになっている。
また、上蓋20の下面にも、シリコンゴム等のゴムやオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの弾性体から形成された蓋側パッキン21が取り付けられている。
蓋側パッキン21は、上蓋20の下面のうち上蓋20の閉塞状態においてケース側パッキン14に対応する位置に設けられており、ケース側パッキン14と蓋側パッキン21とは、上蓋20が閉塞状態となった場合に互いに密着して(図4参照)、収納空間部S内の気密性を保持するように構成されている。すなわち、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21が、取出口11の周縁と上蓋20との隙間を封止する気密手段として機能する。
これにより、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、家庭用薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、容器本体10にケース側パッキン14を設けて上蓋20に蓋側パッキン21を設けた、すなわち、容器本体10と上蓋20との双方に気密手段を設けたが、これに限ることはなく、気密手段によって取出口11の周縁と上蓋20との隙間を封止できるのであれば、例えば、容器本体10だけに気密手段を設けても良いし、上蓋20だけに気密手段を設けても良い。また、例えば図26(後述)に示すように、シャーシ30に取出口11が設けられている場合には、シャーシ30に気密手段を設けても良い。
シャーシ30は、例えば、図7に示すように、凹部13の底面部13a上に載置され、取出口11を取り囲む枠部31と、閉塞状態の上蓋20と略面一となるよう枠部31に支持される上壁部32と、を備えて構成される。
ここで、本実施形態では、上蓋20と上壁部32とを合わせると、平面視にて略楕円形状の板状部材を構成するようになっている。また、上蓋20及び上壁部32は、前後方向(短径方向)に下方へ凸となるよう湾曲した形状をなしている。
また、上蓋20の下面のうち前後方向略中央の位置には、例えば、図2、図3、図8に示すように、付勢部材50の他端と係合する可動側係合部22が設けられている。
ここで、例えば、図7に示すように、本実施形態において、家庭用薄葉紙収納容器1は、付勢部材50である引張コイルばねを2本備えている。また、シャーシ30の枠部31は、固定側係合部33を2つ備えている。この2つの固定側係合部33は、上蓋20とシャーシ30とが組み合わされた状態で所定の直線(具体的には、左右方向(長径方向)に平行で可動側係合部22を通る直線)に対して互いに線対称となる位置に配置され、かつ、上蓋20の閉塞状態における可動側係合部22との間隔が、上蓋20の開放状態における可動側係合部22との間隔よりも長くなるように、枠部31に設けられている。そして、2本の付勢部材50のうち一方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの他方に掛止され、2本の付勢部材50の双方の他端が、上蓋20に設けられた可動側係合部22に掛止されている。
ここで、付勢部材50は、伸縮部材により構成され、シャーシ30の固定側係合部33が、ケース体(本実施形態の場合、シャーシ30)に設けられ付勢部材50の一端と係合する固定点として機能し、上蓋20の可動側係合部22が、上蓋20に設けられ付勢部材50の他端と係合する可動点として機能する。
そして、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が、上蓋20を開放状態となる方向にスライド移動させる可動機構として機能する。
なお、本実施形態では、固定側係合部33(固定点)をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、固定側係合部33(固定点)は、容器本体10に設けても良い。
すなわち、上蓋20は、当該上蓋20の状態にかかわらず、外部から視認不能に付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22を遮蔽している。これにより、家庭用薄葉紙収納容器1の美観が向上するとともに、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が触られることを防止できるようになっている。
また、シャーシ30には、上壁部32の一部を操作面34aとしたスイッチ部34が設けられている。スイッチ部34は、前後方向に沿って延設された軸部34bを回動軸として回動可能に構成されており、左端側(すなわち、上蓋20側)に爪部23が上方から進入して係合する爪受部34cを有している。また、スイッチ部34は、図示しない付勢手段によって、押圧されて回動する方向とは逆方向に付勢されている。
すなわち、爪部23及び爪受部34cが、付勢部材50の付勢力に抗して上蓋20が閉塞状態となるように係止するとともに、当該係止を解除可能な係止手段として機能する。
なお、本実施形態では、係止手段による係止を解除する際に押圧されるスイッチ部34をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、スイッチ部34は、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図8に示すように、上蓋20には、レール部31aに対してスライド移動可能に係合するスライド部24が設けられている。スライド部24は、例えば、上蓋20とシャーシ30とが組み合わされた状態で、当該スライド部24の下面が、対応するレール部31aの上面に当接するように、上蓋20の下面から垂下する垂壁部(図示省略)の下端に接続されている。
これにより、上蓋20をスムーズかつ確実に開閉できるようになっている。
なお、本実施形態では、上蓋20のスライド移動をガイドするためのレール部31aをシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、レール部31aは、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図6に示すように、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態においてスライド部24の左端側(ダンパー24aを含む)に対応する位置には、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際にスライド部24が入り込む横穴部15が形成されており、上蓋20の開放状態において、横穴部15内でスライド部24のダンパー24aが容器本体10に当接するように構成されている。すなわち、スライド部24が容器本体10に衝突することによって、付勢部材50の付勢力による上蓋20のスライド移動が停止するように構成されており、当該衝突の際の衝撃を、ダンパー24aによって吸収できるようになっている。
なお、本実施形態では、撓むことで衝撃を吸収できるようにダンパー24aを左方へ凸となるよう内側から外側に向けて湾曲した弓状に形成したが、これに限ることはなく、ダンパー24aの形状は、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収できるのであれば、適宜任意に変更可能である。
また、ケース体(本実施形態の場合、シャーシ30)のうち係止手段(本実施形態の場合、爪受部34c)よりも右側(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側)には、上蓋20を閉める際等に指を掛けるための不動側指掛部35が設けられている。具体的には、シャーシ30には、不動側指掛部35として、シャーシ30の端部(本実施形態の場合、上壁部32の右端部)を上側に向けて起立させることにより形成された突起部が設けられている。
また、本実施形態の場合、不動側指掛部35は、スイッチ部34に離間してケース体(本実施形態の場合、シャーシ30)に設けられている。これにより、不動側指掛部35に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまうことを防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、不動側指掛部35をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、不動側指掛部35は、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図6に示すように、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態において突片部27の先端側(ダンパー27a(後述)を含む)に対応する位置には、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際に突片部27が入り込む横穴部16が形成されており、上蓋20が開放状態になると、上蓋20の突片部27の先端側が容器本体10の横穴部16に入り込んで、突片部27の上下方向の移動が規制されるように構成されている。これにより、上蓋20の開放状態において、上蓋20の左端側が上方向へと移動して上蓋20が起き上がってしまうことを防止できるようになっている。
また、本実施形態では、突片部27にダンパー27aを設けてスライド部24にダンパー24aを設けた、すなわち、突片部27とスライド部24との双方にダンパーを設けたが、これに限ることはなく、ダンパーによって上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収すること(衝撃を緩めること)ができるのであれば、例えば、突片部27だけにダンパーを設けても良いし、スライド部24だけにダンパーを設けても良いし、突片部27及びスライド部24以外の部分にダンパーを設けても良い。また、ダンパーは、上蓋20側ではなく、ケース体(容器本体10やシャーシ30)側に設けても良いし、上蓋20側とケース体側との双方に設けても良い。突片部27にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、突片部27が横穴部16内で容器本体10に当接しないように構成することが好ましい。また、スライド部24にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、スライド部24が横穴部15内で容器本体10に当接しないように構成することが好ましい。
また、突片部27は、上蓋20が起き上がってしまうことを防止するために設けられているが、本実施形態のように、スライド部24の左端側が入り込む横穴部15の上方が上面部10aによって塞がれている場合には、スライド部24によって、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができる。具体的には、この場合には、上蓋20が開放状態になると、上蓋20のスライド部24の左端側が容器本体10の横穴部15に入り込んで、スライド部24の上下方向の移動が規制され、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができるので、突片部27を設けなくてもよい。
次に、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器の製造方法の一例について、図9を参照して説明する。
まず、シャーシ30に、付勢部材50と上蓋20とを組み付けてアセンブリ体Aを形成する。
次いで、アセンブリ体Aを容器本体10に取り付ける。具体的には、シャーシ30の下面に設けられた複数(本実施形態の場合、5個)の嵌合凸部36と、容器本体10の凹部13の底面部13aに嵌合凸部36に対応させて設けられた嵌合孔部17と、が嵌合するよう、アセンブリ体Aを、容器本体10の凹部13内に当該凹部13の上方から嵌め込むことによって、容器本体10に取り付ける。すなわち、付勢部材50と上蓋20とは、シャーシ30に組み付けられて一体に構成されたアセンブリ体Aの状態で、容器本体10に取り付けられている。これにより、上蓋20と付勢部材50とシャーシ30とを別々に容器本体10に取り付ける手間を省くことができるようになっている。
なお、本実施形態では、シャーシ30に設けられた嵌合凸部36と、容器本体10に設けられた嵌合孔部17と、を嵌合させることによって、アセンブリ体Aを容器本体10に固定するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、ねじ等によってアセンブリ体Aを容器本体10に固定しても良い。
すなわち、係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除すると、付勢部材50の付勢力によって、取出口11を閉塞していた上蓋20がスライド移動して開放状態となり、取出口11が開放されることとなる。
したがって、係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除するだけで付勢部材50の付勢力によって自動的に上蓋20が開くので、上蓋20の開放動作が行いやすく、利便性が高い。
なお、家庭用薄葉紙収納容器1に備える付勢部材50の個数(本数)は、2つ(2本)に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、1つ(1本)であっても良いし、3つ(3本)以上あってもよい。また、固定側係合部33や可動側係合部22の個数は、付勢部材50の個数に応じて、適宜任意に変更可能である。
また、本実施形態では、上蓋20が、ケース体の外側でスライド移動するように構成したが、これに限ることはなく、上蓋20が、ケース体の内側でスライド移動して、上蓋20の開放状態において上蓋20の大部分(例えば、可動側指掛部25を除く部分)がケース体内に収まるように構成することも可能である。
したがって、家庭用薄葉紙収納容器1の美観が向上する。
また、付勢部材50が触られることを防止することができるので、付勢部材50に汚れが付きにくく、付勢部材50に指等が挟まる心配もなく、衛生的に安全に使用することができるとともに、付勢部材50が、取り外されてしまったり、取り外されて誤飲されてしまったりすることを防止することができる。
すなわち、上蓋20は付勢部材50の付勢力によって自動的に開くが、その際の衝撃がダンパー24a,27aによって吸収されるので、上蓋20が開放状態となる際の衝撃に伴う上蓋20やケース体(本実施形態の場合、主に容器本体10)の磨耗を抑制したり、上蓋20が開放状態となる際に生じる衝突音を軽減したりすることができる。
すなわち、上蓋20はスライド移動することによって取出口11を開閉させるが、そのスライド移動がレール部31aによってガイドされるので、上蓋20をスムーズかつ確実に開閉することができる。
すなわち、可動側指掛部25に指を掛けて上蓋20に閉塞状態となる方向(本実施形態の場合、右方向)の力を加えることができるだけでなく、上蓋20を閉める際に、閉塞状態となる方向の力が上蓋20だけでなくケース体(容器本体10及びシャーシ30)に加わってしまっても、不動側指掛部35に指を掛けてケース体に逆方向の力を作用させてケース体を固定しておくことができるので、ケース体が滑ってしまうことがない。
したがって、片手で上蓋20を閉めることができ、上蓋20の閉塞動作が行いやすい。
なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙収納容器1に上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材50を設けたが、これに限ることはなく、家庭用薄葉紙収納容器1に付勢部材50を設けなくてもよい。家庭用薄葉紙収納容器1に付勢部材50を設けない場合には、可動側指掛部25と不動側指掛部35との双方に指を掛けて上蓋20を開閉することができる。したがって、片手で上蓋20を開閉することができ、上蓋20の開閉動作が行いやすい。
具体的には、本実施形態において、ケース体は、容器本体10と、当該容器本体10の上面に固定されるシャーシ30と、を備え、上蓋20は、シャーシ30に取り付けられ、不動側指掛部35は、シャーシ30の端部(本実施形態の場合、上壁部32の右端部)を上側に向けて起立させることにより形成された突起部である。
したがって、不動側指掛部35がスイッチ部34に離間して設けられているので、不動側指掛部35に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまうことを防止することができ、上蓋20を片手で確実に閉めることができる。
なお、本実施形態では、スイッチ部34を回動可能に構成したが、これに限ることはなく、スイッチ部34を押圧することで係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除できるのであれば、スイッチ部34の構成は適宜任意に変更可能であり、例えば、スイッチ部34は上下方向に揺動可能に構成しても良い。
また、スイッチ部34や不動側指掛部35を設ける箇所は、スイッチ部34や不動側指掛部35が容器本体10の平面(上面)視外形からはみ出さないのであれば、適宜任意に変更可能である。
具体的には、本実施形態において、容器本体10は、上面に凹部13を有し、取出口11は当該凹部13に設けられ、アセンブリ体Aは、凹部13内に当該凹部13の上方から嵌め込まれている。
また、以上説明した本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器1の製造方法によれば、シャーシ30に、付勢部材50と上蓋20とを組み付けてアセンブリ体Aを形成し、次いで、アセンブリ体Aを容器本体10に取り付けるようになっている。
したがって、上蓋20と付勢部材50とを別々に容器本体10に取り付ける必要がないので、組み立てやすい。
第1実施形態では、付勢部材50である引張コイルばねを2本備えるとともに、シャーシ30に固定側係合部33を2つ、上蓋20に可動側係合部22を1つ備えて、2本の付勢部材50のうち一方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの他方に掛止され、2本の付勢部材50の双方の他端が、1つの可動側係合部22に掛止されるように構成したが、これに限ることはない。
例えば、付勢部材50である引張コイルばねを2本備えるとともに、シャーシ30に固定側係合部33を2つ、上蓋20に可動側係合部22を2つ備えて、2本の付勢部材50のうち一方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの他方に掛止され、2本の付勢部材50のうち一方の他端が、2つの可動側係合部22のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の他端が、2つの可動側係合部22のうちの他方に掛止されるように構成することも可能である。
なお、家庭用薄葉紙収納容器1に備える付勢部材50の個数(本数)は、2つ(2本)に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、1つ(1本)であっても良いし、3つ(3本)以上あってもよい。また、固定側係合部33や可動側係合部22の個数は、付勢部材50の個数に応じて、適宜任意に変更可能である。
第1実施形態では、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材として、引張コイルばね(引きばね)を用いたが、これに限ることはなく、当該付勢部材は、伸縮部材であれば適宜任意に変更可能であり、例えば、トーションばねや圧縮コイルばね(押しばね)等であっても良い。
また、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材は、金属材料からなる伸縮部材であっても、高分子材料からなる伸縮部材であっても良い。高分子材料からなる伸縮部材としては、例えば、プラスチック製の伸縮部材、シリコンゴム等のゴムやオレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの弾性体(軟質性樹脂)製の伸縮部材等が挙げられ、また、その形状は、ばね状であっても、板状やチューブ状や紐状であっても良く、適宜任意に変更可能である。付勢部材が高分子材料からなる場合、金属製の付勢部材と違って錆びることがないので、長期に亘って安定的に使用することができる。家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合は特に、金属製の付勢部材を用いると、家庭用薄葉紙Pから蒸発した薬液によって付勢部材が錆びる可能性が高くなるので、高分子材料からなる付勢部材を用いることが好ましい。
なお、可動側係合部22や固定側係合部33の位置は、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材の種類によって適宜任意に変更可能である。
付勢部材150の一端を2つの固定側係合部33のうちの一方と係合させて、付勢部材150の他端を2つの固定側係合部33のうちの他方と係合させる場合も、付勢部材150の一端を2つの可動側係合部22のうちの一方と係合させて、付勢部材150の他端を2つの可動側係合部22のうちの他方と係合させる場合も、付勢部材150を1本だけ用意すれば良いので、部品点数を少なくすることができる。なお、この場合、付勢部材150の形状は、チューブ状に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、ばね状であっても、板状や紐状であっても良い。また、付勢部材150は、高分子材料からなる伸縮部材に限ることはなく、金属材料からなる伸縮部材であっても良い。
上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材は、伸縮部材により構成されるものに限ることはなく、例えば、可撓性部材により構成される付勢部材250であっても良い。
上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材が可撓性部材により構成される付勢部材250である場合、家庭用薄葉紙収納容器1は、例えば、図16から図19に示すように、容器本体10と、容器本体10の上面にスライド移動自在に設けられ、取出口11を開閉させる蓋体としての上蓋220と、上蓋220を容器本体10に取り付けるためのシャーシ230と、底蓋40と、上蓋220を開放状態となる方向に付勢する付勢部材250と、等を備えて構成される。
上蓋220は、シャーシ230の上壁部232の下方にスライド移動可能に配設され、スライド移動して当該上壁部232の開口部232aを開閉することによって、取出口11を開閉させるように構成されている。また、上蓋220には、可動部238aと当接する当接部220aとして、当該上蓋220の左端部(すなわち、上蓋220の開放状態となる方向側の端部)を上側に向けて起立させることによって形成された起立壁部が設けられている。
ここで、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材が可撓性部材により構成される付勢部材250である場合、付勢部材250と、ケース体(本変形例の場合、シャーシ230)に設けられ付勢部材250の一端と係合する固定部237(固定点)と、上蓋20に当接し付勢部材250の他端と係合する可動部238a(可動点)と、が可動機構として機能する。
なお、本変形例では、固定部237(固定点)をシャーシ230に設けたが、これに限ることはなく、固定部237(固定点)は、容器本体10に設けても良い。
不動側指掛部は、シャーシ30の端部を上側に向けて起立させることにより形成された突起部に限ることはなく、スイッチ部34に離間してケース体に設けられた突起部であれば、例えば、図20に示す不動側指掛部335のように、レール部31a,31aの右端部(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側の端部)同士を連結するとともに上壁部32を支持する支持部31bに設けられ、スイッチ部34の操作面34aよりも上方に突出する突起部であっても良い。
なお、スイッチ部34に不動側指掛部を設ける場合も、不動側指掛部は凹部であっても良い。しかし、スイッチ部34に設ける不動側指掛部が凹部であると、当該不動側指掛部に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまう虞がある。これに対し、前述したように、スイッチ部34に設ける不動側指掛部を突起部にすると(図21参照)、当該不動側指掛部に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまう虞を抑制することができるので、好適である。
また、上蓋20自体が湾曲して指がフィットする形状としても良い。この場合、上蓋20の上面が可動側指掛部になる。
例えば、図24に示すように、シャーシ30の下面に、家庭用薄葉紙Pを積層してなる家庭用薄葉紙積層体(薄葉紙積層体Q)を上側から押える突出部37を備えるとともに、容器本体10の凹部13の底面部13aに突出部37を挿通可能な孔部(図示省略)を設けてもよい。
ここで、突出部37は、薄葉紙積層体Qの種類(例えば、収納空間部S内に収納する商品)に応じて、突出長さを変更可能となっている。具体的には、例えば、収納空間部S内に収納する薄葉紙積層体Q(商品)が、ウェブ高さの高い商品である場合には、短い突出部37が設けられたシャーシ30を使用し、ウェブ高さの低い商品である場合には、長い突出部37が設けられたシャーシ30を使用することが可能となっている。これにより、薄葉紙積層体Q(商品)の高さが高い場合には、収納空間部S内に薄葉紙積層体Qが収まるよう薄葉紙積層体Qを突出部37で押えつけることができ、薄葉紙積層体Q(商品)の高さが低い場合には、収納空間部S内で薄葉紙積層体Qが動かないよう薄葉紙積層体Qを突出部37で押えつけることができる。
また、付勢部材50と上蓋20とは、シャーシ30に組み付けられて一体に構成されたアセンブリ体Aの状態で、容器本体10に取り付けられているので、容器本体10を再設計しなくても、アセンブリ体Aを交換するだけで、上蓋20のデザインや寸法を変更することや、例えば図26(後述)に示すようにシャーシ30に取出口11が設けられている場合には取出口11のデザインや寸法を変更することができる。また、容器本体10を再設計しなくても、アセンブリ体Aを交換するだけで、蓋側パッキン21の材質や形状を変更して収納空間部Sの気密性を調整することもできる。
なお、本変形例では、嵌合凸部36とは別に突出部37を設けたが、これに限ることはなく、嵌合凸部36を突出部の代用としても良い。
シャーシ30に付勢部材50と上蓋20とを組み付けて形成されたアセンブリ体Aは、例えば、図25に示すように、容器本体10内に当該容器本体10の下面側(底面開口12側)から嵌め込まれるように構成することも可能である。
この場合、例えば、図25、図26に示すように、容器本体10に、容器本体10の内面と、当該容器本体10に装着されたアセンブリ体Aの外面と、の隙間を塞ぐためのリブRを設けると、収納空間部Sの気密性が向上するので、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、家庭用薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を防止できる。また、容器本体10にリブRを設けると、リブRによって容器本体10に対するアセンブリ体Aの位置決めを行うことができるので、家庭用薄葉紙収納容器1の組み立て作業を効率良く行うことが可能となる。
10 容器本体(ケース体)
11 取出口
13 凹部
14 ケース側パッキン(気密手段)
20,220 上蓋(蓋体)
21 蓋側パッキン(気密手段)
22 可動側係合部(可動機構、可動点、第1可動点、第2可動点)
23 爪部(係止手段)
24 スライド部
24a ダンパー
25 可動側指掛部
27a ダンパー
30,230 シャーシ(ケース体)
31a レール部
33 固定側係合部(可動機構、固定点、第1固定点、第2固定点)
34 スイッチ部
34c 爪受部(係止手段)
35,335,435,535 不動側指掛部
37 突出部
50,150,250 付勢部材(可動機構)
237 固定部(可動機構、固定点)
238a 可動部(可動機構、可動点)
A アセンブリ体
P 家庭用薄葉紙
Q 薄葉紙積層体(家庭用薄葉紙積層体)
Claims (5)
- 上面に取出口を有し、内側にウェットタイプの家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記ケース体の外側にて当該ケース体に対してスライド移動することで前記取出口を開閉させる蓋体と、
前記蓋体を開放状態となる方向に付勢する付勢部材を有し、当該蓋体を開放状態となる方向にスライド移動させる可動機構と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記蓋体が閉塞状態となるように係止するとともに、当該係止を解除可能な係止手段と、を備え、
前記付勢部材は、高分子材料からなり、
前記可動機構は、前記蓋体の下面に設けられ、前記付勢部材の一部と係合する被係合部を備え、前記蓋体が開放状態、閉塞状態、開放状態から閉塞状態に移行する途中の状態、閉塞状態から開放状態に移行する途中の状態のいずれの状態であっても、外部から視認不能に前記蓋体によって遮蔽され、前記ケース体の内側から視認不能に前記ケース体によって遮蔽されるよう備えられることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記取出口の周縁と前記蓋体との隙間を封止する気密手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
- 前記付勢部材は、伸縮部材により構成され、
前記可動機構は、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の一端と係合する第1固定点と、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の他端と係合する第2固定点と、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の一端と他端との間の部分と係合する前記被係合部としての可動点と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記付勢部材は、伸縮部材により構成され、
前記可動機構は、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の一端と係合する前記被係合部としての第1可動点と、前記蓋体の下面に設けられ前記付勢部材の他端と係合する前記被係合部としての第2可動点と、前記ケース体に設けられ前記付勢部材の一端と他端との間の部分と係合する固定点と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記ケース体には、前記蓋体のスライド移動をガイドするためのレール部が設けられ、
前記蓋体には、前記レール部に対してスライド移動可能に係合するスライド部が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
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