JP5990413B2 - 家庭用薄葉紙収納容器 - Google Patents
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Description
このような家庭用薄葉紙収納容器においては、家庭用薄葉紙を収納するためのケース体の上面に、その開放端を上下方向に回動させることで開閉を行う蓋体を設けた構成が一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この構成の場合、蓋体を開くと当該蓋体が起立した状態になるため、蓋体を開ける際に高さが必要となり、狭いスペースでは使いづらいという問題があった。また、この構成の場合、蓋体を開くと当該蓋体が起立した状態になるため、蓋体が邪魔になって蓋体の後ろ側からは家庭用薄葉紙が取り出しづらいという問題があった。
これに対し、スライド移動することで開閉を行う蓋体を設けた構成(例えば、特許文献2、3参照)とすれば、蓋体が開いても蓋体が起立した状態にならないため、狭いスペースでも使いやすく、蓋体が邪魔にならず家庭用薄葉紙を全方向から取り出すことができる。
上面に取出口を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記取出口を開閉させる蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部の前記重心とは反対側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与する抵抗を減少させるための切欠部が設けられていることを特徴とする。
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部の前記重心側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与する抵抗を増加させるための複数の角部又は複数のスリットが所定間隔を有して設けられていることを特徴とする。
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部表面の材質は、前記重心側の方が前記重心とは反対側よりも前記家庭用薄葉紙に対する摩擦抵抗が高いことを特徴とする。
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記家庭用薄葉紙は、当該家庭用薄葉紙を取り出すための開口が設けられた包装体によって内包されており、
前記取出口を、平面視にて前記開口とずらすとともに、前記取出口の中心を、平面視にて前記開口の中心よりも前記重心とは反対側にずらすことによって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することを特徴とする。
前記枠部材の前記重心側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与する抵抗を増加させるために、前記取出口を塞ぐ方向側に向けて延出する延出部が設けられていることを特徴とする。
前記ケース体は、当該ケース体の内面から突出する突起部を有し、
前記突起部によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することを特徴とする。
前記蓋体は、前記ケース体に対して前記重心側にスライド移動することで前記取出口を開閉させることを特徴とする。
まず、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器の構成について説明する。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器の平面視長手方向を左右方向、平面視短手方向を前後方向、高さ方向を上下方向とする。
具体的には、家庭用薄葉紙収納容器1は、例えば、図1(a),(b)、図2から図5に示すように、上面に家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出口11を有するとともに下面に家庭用薄葉紙Pが積層された薄葉紙積層体Qを詰め替えるための底面開口12を有し、内側の収納空間部Sに薄葉紙積層体Qを収納する容器本体10と、容器本体10の上面にスライド移動自在に設けられ、取出口11を開閉させる蓋体としての上蓋20と、上蓋20を容器本体10に取り付けるためのシャーシ30と、容器本体10の底面開口12を塞ぐ底蓋40と、上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材50と、等を備えて構成される。
また、容器本体10、上蓋20、シャーシ30及び底蓋40は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の熱可塑性樹脂から形成されている。
また、付勢部材50は、金属材料からなる伸縮部材であっても、高分子材料からなる伸縮部材であっても良い。高分子材料からなる伸縮部材としては、例えば、プラスチック製の伸縮部材、シリコンゴム等のゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ナイロン系のエラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの弾性体(軟質材料)製の伸縮部材等が挙げられ、また、その形状は、ばね状であっても、板状やチューブ状や紐状であっても良く、適宜任意に変更可能である。付勢部材50が高分子材料からなる場合、金属製の付勢部材と違って錆びることがないので、長期に亘って安定的に使用することができる。家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合は特に、金属製の付勢部材50を用いると、家庭用薄葉紙Pから蒸発した薬液によって付勢部材が錆びる可能性が高くなるので、高分子材料からなる付勢部材50を用いることが好ましい。
以下、上蓋20の開放状態時における家庭用薄葉紙収納容器1自体の重心を、「開放重心」という。
なお、薄葉紙積層体Qは、本実施形態のように家庭用薄葉紙Pを取り出すための開口T1が設けられた包装体Tによって内包されていても良いし、包装体Tによって内包されていなくても良い。特に、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、薄葉紙積層体Qを防湿性の包装体Tによって内包することが好ましい。
なお、本実施形態では、下面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の下面側から詰め替えるように構成したが、これに限ることはなく、例えば、下面は閉口して前後左右の何れかの面が開口した容器本体10を用い、薄葉紙積層体Qを容器本体10の前後左右の何れかの面側から詰め替えるように構成することも可能である。
取出口11は、容器本体10の内部の収納空間部Sに収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための、平面視にて角のとれた略長方形状に形成された開口である。
取出口11は、上蓋20が開放状態(図1(b)、図3、図5参照)となった場合に開放され、このとき家庭用薄葉紙Pは、取出口11を通じて一枚毎に収納空間部Sから外部に引き出すことができるようになっている。
また、取出口11は、上蓋20が閉塞状態(図1(a)、図2、図4参照)となった場合に閉塞されるようになっている。
また、上蓋20の下面にも、蓋側パッキン21が取り付けられている。
蓋側パッキン21は、上蓋20の下面のうち上蓋20の閉塞状態においてケース側パッキン14に対応する位置に設けられており、ケース側パッキン14と蓋側パッキン21とは、上蓋20が閉塞状態となった場合に互いに密着して(図4参照)、収納空間部S内の気密性を保持するように構成されている。すなわち、ケース側パッキン14及び蓋側パッキン21が、取出口11の周縁と上蓋20との隙間を封止する気密手段として機能する。
これにより、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、家庭用薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を防止できるようになっている。
また、本実施形態では、容器本体10にケース側パッキン14を設けて上蓋20に蓋側パッキン21を設けた、すなわち、容器本体10と上蓋20との双方に気密手段を設けたが、これに限ることはなく、気密手段によって取出口11の周縁と上蓋20との隙間を封止できるのであれば、例えば、容器本体10だけに気密手段を設けても良いし、上蓋20だけに気密手段を設けても良い。また、シャーシ30に取出口11が設けられている場合には、シャーシ30に気密手段を設けても良い。
また、取出口11の長手方向は、左右方向(容器本体10の平面視長手方向)に対して直交している。
したがって、家庭用薄葉紙Pは、取出口11から引き出される際に、取出口11に装着されたケース側パッキン14の短手部分(ケース側パッキン14のうち収納空間部Sに収納されている家庭用薄葉紙Pの折り方向に平行な部分)よりも、ケース側パッキン14の長手部分(ケース側パッキン14のうち収納空間部Sに収納されている家庭用薄葉紙Pの折り方向に直交する部分)に接触する。
前述したように、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pは、主にケース側パッキン14の長手部分、すなわちケース側パッキン14の左側部分及び右側部分に接触する。その接触する部分のうちの左側部分(開放重心側の部分)に延出部14aを設けることで、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの左側(開放重心側)に付与する抵抗を増加させることができる。
前述したように、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pは、主にケース側パッキン14の左側部分及び右側部分に接触する。その接触する部分のうちの右側部分(開放重心とは反対側の部分)に切欠部14bを設けることで、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの右側(開放重心とは反対側)に付与する抵抗を減少させることができる。
すなわち、例えば、図4に示すように、開口T1の左端部(開口T1の最長軸上にある左端部)から取出口11の左端部までの距離L1は、開口T1の右端部(開口T1の最長軸上にある右端部)から取出口11の右端部までの距離L2よりも長い。そのため、取出口11において取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの左側(開放重心側)が当該家庭用薄葉紙Pの右側(開放重心とは反対側)よりも大きく屈折するので、家庭用薄葉紙Pの左側と取出口11の左端部(本実施形態の場合、ケース側パッキン14の左側部分)との間には、家庭用薄葉紙Pの右側と取出口11の右端部(本実施形態の場合、ケース側パッキン14の右側部分)との間よりも大きな摩擦力が発生する。したがって、家庭用薄葉紙収納容器1は、包装体Tの開口T1に対する取出口11の位置及び大きさによって、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの左側(開放重心側)に、当該家庭用薄葉紙Pの右側(開放重心とは反対側)よりも大きな抵抗を付与することができる。
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
(ア)ケース側パッキン14の開放重心とは反対側に切欠部14bを設けること、
(イ)ケース側パッキン14の開放重心側に延出部14aを設けること、
(ウ)取出口11を開口T1とずらすとともに、取出口11の中心を開口T1の中心よりも開放重心とは反対側にずらすこと、
によって、「(3)a>b」の条件を満たすこと、すなわち取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に、当該家庭用薄葉紙Pの開放重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することができる。したがって、家庭用薄葉紙Pを取出口11から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器1にかかる上向きの力は、主に取出口11の開放重心側の端部(本実施形態の場合、左端部)にかかるが、家庭用薄葉紙収納容器1の開放重心側の重量によって、家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができる。
また、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器にかかる上向きの力が主に取出口の左右一端部(例えば、左端部)にかかるように構成しても、開放重心が平面視にて取出口内にある場合には、家庭用薄葉紙収納容器の左右一側(この例の場合、左側)に十分な重量がないため、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器の左右一側(この例の場合、左側)が持ち上がりやすくなる。
また、開放重心が平面視にて取出口からずれた位置(例えば、左側にずれた位置)にあっても、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器にかかる上向きの力が主に取出口の開放重心とは反対側の端部(この例の場合、右端部)にかかるように構成されている場合には、家庭用薄葉紙収納容器の開放重心とは反対側(この例の場合、右側)には十分な重量がないため、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器の開放重心とは反対側(この例の場合、右側)が持ち上がりやすくなる。
一方、本実施形態のように、開放重心が平面視にて取出口からずれた位置(例えば、左側にずれた位置)にあるとともに、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器にかかる上向きの力が主に取出口の開放重心側の端部(この例の場合、左端部)にかかるように構成されている場合には、家庭用薄葉紙収納容器の開放重心側(この例の場合、左側)に十分な重量があるため、家庭用薄葉紙を取出口から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器が持ち上がりにくい。
ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pは、ドライタイプの家庭用薄葉紙Pと比較して、取出口11から突出した部分が倒れやすい。最上層の家庭用薄葉紙Pの取出口11から突出した部分が倒れやすいと、取出口11から突出した部分が収納空間部S内に落ち込む、取出口11から突出した部分が上蓋20の開閉時に上蓋20に噛み込まれる等の問題が発生しやすくなる。これに対し、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器1では、最上層の家庭用薄葉紙Pの取出口11から突出した部分の直立状態を維持することが可能なので、このような問題の発生を抑制することができ、使い勝手が良い。
シャーシ30は、例えば、図8に示すように、凹部13の底面部13a上に載置され、取出口11を取り囲む枠部31と、閉塞状態の上蓋20と略面一となるよう枠部31に支持される上壁部32と、を備えて構成される。
ここで、本実施形態では、上蓋20と上壁部32とを合わせると、平面視にて略楕円形状の板状部材を構成するようになっている。また、上蓋20及び上壁部32は、前後方向(短径方向)に下方へ凸となるよう湾曲した形状をなしている。
また、上蓋20の下面のうち前後方向略中央の位置には、例えば、図2、図3、図9に示すように、付勢部材50の他端と係合する可動側係合部22が設けられている。
ここで、例えば、図8に示すように、本実施形態において、家庭用薄葉紙収納容器1は、付勢部材50である引張コイルばねを2本備えている。また、シャーシ30の枠部31は、固定側係合部33を2つ備えている。この2つの固定側係合部33は、上蓋20とシャーシ30とが組み合わされた状態で所定の直線(具体的には、左右方向(長径方向)に平行で可動側係合部22を通る直線)に対して互いに線対称となる位置に配置され、かつ、上蓋20の閉塞状態における可動側係合部22との間隔が、上蓋20の開放状態における可動側係合部22との間隔よりも長くなるように、枠部31に設けられている。そして、2本の付勢部材50のうち一方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの一方に掛止されるとともに、2本の付勢部材50のうち他方の一端が、2つの固定側係合部33のうちの他方に掛止され、2本の付勢部材50の双方の他端が、上蓋20に設けられた可動側係合部22に掛止されている。
従来、家庭用薄葉紙を収納するためのケース体の上面に、その開放端を上下方向に回動させることで開閉を行う蓋体を設けた家庭用薄葉紙収納容器として、蓋体の開放動作を行いやすくするために、蓋体を開く方向に付勢する付勢部材(エラストマー等により形成されたヒンジ、ねじりコイルばねなど)を備えたものが知られている。このような家庭用薄葉紙収納容器において、付勢部材は、蓋体を開放状態となる方向に付勢、すなわち、蓋体を閉塞状態とは反対方向に付勢しているので、気密性を持たせることが困難であった。これに対し、本実施形態では、左右方向にスライド移動することで開閉を行う蓋体(上蓋20)を設け、可動側係合部22を固定側係合部33よりも上側に配置して付勢部材50をケース体の高さ方向に対して斜めに設置することで、蓋体(上蓋20)を開放状態となる方向だけでなく、ケース体に押し付ける方向にも付勢するように構成したので、収納空間部Sの気密性が向上する。これにより、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、本実施形態のようにウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、家庭用薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を確実に防止できるようになっている。
そして、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が、上蓋20を開放状態となる方向にスライド移動させる可動機構として機能する。
なお、本実施形態では、固定側係合部33(固定点)をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、固定側係合部33(固定点)は、容器本体10に設けても良い。
すなわち、上蓋20は、当該上蓋20の状態にかかわらず、外部から視認不能に付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22を遮蔽している。これにより、家庭用薄葉紙収納容器1の美観が向上するとともに、付勢部材50、シャーシ30の固定側係合部33及び上蓋20の可動側係合部22が触られることを防止できるようになっている。
また、シャーシ30には、上壁部32の一部を操作面34aとしたスイッチ部34が設けられている。スイッチ部34は、前後方向に沿って延設された軸部34bを回動軸として回動可能に構成されており、左端側(すなわち、上蓋20側)に爪部23が上方から進入して係合する爪受部34cを有している。また、スイッチ部34は、図示しない付勢手段によって、押圧されて回動する方向とは逆方向に付勢されている。
すなわち、爪部23及び爪受部34cが、付勢部材50の付勢力に抗して上蓋20が閉塞状態となるように係止するとともに、当該係止を解除可能な係止手段として機能する。
なお、本実施形態では、係止手段による係止を解除する際に押圧されるスイッチ部34をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、スイッチ部34は、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図9に示すように、上蓋20には、レール部31aに対してスライド移動可能に係合するスライド部24が設けられている。スライド部24は、例えば、上蓋20とシャーシ30とが組み合わされた状態で、当該スライド部24の下面が、対応するレール部31aの上面に当接するように、上蓋20の下面から垂下する垂壁部(図示省略)の下端に接続されている。
これにより、上蓋20をスムーズかつ確実に開閉できるようになっている。
なお、本実施形態では、上蓋20のスライド移動をガイドするためのレール部31aをシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、レール部31aは、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図7に示すように、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態においてスライド部24の左端側(ダンパー24aを含む)に対応する位置には、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際にスライド部24が入り込む横穴部15が形成されており、上蓋20の開放状態において、横穴部15内でスライド部24のダンパー24aが容器本体10に当接するように構成されている。すなわち、スライド部24が容器本体10に衝突することによって、付勢部材50の付勢力による上蓋20のスライド移動が停止するように構成されており、当該衝突の際の衝撃を、ダンパー24aによって吸収できるようになっている。
なお、本実施形態では、撓むことで衝撃を吸収できるようにダンパー24aを左方へ凸となるよう内側から外側に向けて湾曲した弓状に形成したが、これに限ることはなく、ダンパー24aの形状は、上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収できるのであれば、適宜任意に変更可能である。
また、ケース体(本実施形態の場合、シャーシ30)のうち係止手段(本実施形態の場合、爪受部34c)よりも右側(すなわち、上蓋20の閉塞状態となる方向側)には、上蓋20を閉める際等に指を掛けるための不動側指掛部35が設けられている。具体的には、シャーシ30には、不動側指掛部35として、シャーシ30の端部(本実施形態の場合、上壁部32の右端部)を上側に向けて起立させることにより形成された突起部が設けられている。
また、本実施形態の場合、不動側指掛部35は、スイッチ部34に離間してケース体(本実施形態の場合、シャーシ30)に設けられている。これにより、不動側指掛部35に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまうことを防止できるようになっている。
なお、本実施形態では、不動側指掛部35をシャーシ30に設けたが、これに限ることはなく、不動側指掛部35は、容器本体10に設けても良い。
また、例えば、図7に示すように、容器本体10の凹部13の周縁のうち、上蓋20の閉塞状態において突片部27の先端側(ダンパー27a(後述)を含む)に対応する位置には、上蓋20が閉塞状態から開放状態へと移行する際に突片部27が入り込む横穴部16が形成されており、上蓋20が開放状態になると、上蓋20の突片部27の先端側が容器本体10の横穴部16に入り込んで、突片部27の上下方向の移動が規制されるように構成されている。これにより、上蓋20の開放状態において、上蓋20の左端側が上方向へと移動して上蓋20が起き上がってしまうことを防止できるようになっている。
また、本実施形態では、突片部27にダンパー27aを設けてスライド部24にダンパー24aを設けた、すなわち、突片部27とスライド部24との双方にダンパーを設けたが、これに限ることはなく、ダンパーによって上蓋20が開放状態となる際の衝撃を吸収すること(衝撃を緩めること)ができるのであれば、例えば、突片部27だけにダンパーを設けても良いし、スライド部24だけにダンパーを設けても良いし、突片部27及びスライド部24以外の部分にダンパーを設けても良い。また、ダンパーは、上蓋20側ではなく、ケース体(容器本体10やシャーシ30)側に設けても良いし、上蓋20側とケース体側との双方に設けても良い。突片部27にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、突片部27が横穴部16内で容器本体10に当接しないように構成することが好ましい。また、スライド部24にダンパーを設けない場合は、上蓋20の開放状態において、スライド部24が横穴部15内で容器本体10に当接しないように構成することが好ましい。
また、突片部27は、上蓋20が起き上がってしまうことを防止するために設けられているが、本実施形態のように、スライド部24の左端側が入り込む横穴部15の上方が上面部10aによって塞がれている場合には、スライド部24によって、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができる。具体的には、この場合には、上蓋20が開放状態になると、上蓋20のスライド部24の左端側が容器本体10の横穴部15に入り込んで、スライド部24の上下方向の移動が規制され、上蓋20が起き上がってしまうことを防止することができるので、突片部27を設けなくてもよい。
次に、本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器の製造方法の一例について、図10を参照して説明する。
まず、ブロー成型、またはインジェクション、ブローインジェクション等の製法によって、各パーツを作製する。
次いで、シャーシ30に、付勢部材50と上蓋20とを組み付けてアセンブリ体Aを形成する。
次いで、アセンブリ体Aを容器本体10に取り付ける。具体的には、シャーシ30の下面に設けられた複数(本実施形態の場合、5個)の嵌合凸部36と、容器本体10の凹部13の底面部13aに嵌合凸部36に対応させて設けられた嵌合孔部17と、が嵌合するよう、アセンブリ体Aを、容器本体10の凹部13内に当該凹部13の上方から嵌め込むことによって、容器本体10に取り付ける。すなわち、付勢部材50と上蓋20とは、シャーシ30に組み付けられて一体に構成されたアセンブリ体Aの状態で、容器本体10に取り付けられている。これにより、上蓋20と付勢部材50とシャーシ30とを別々に容器本体10に取り付ける手間を省くことができるようになっている。
なお、本実施形態では、シャーシ30に設けられた嵌合凸部36と、容器本体10に設けられた嵌合孔部17と、を嵌合させることによって、アセンブリ体Aを容器本体10に固定するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、ねじ等によってアセンブリ体Aを容器本体10に固定しても良い。
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
したがって、家庭用薄葉紙Pを取出口11から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器1にかかる上向きの力は、主に家庭用薄葉紙収納容器1の開放重心側(本実施形態の場合、左側)にかかるが、家庭用薄葉紙収納容器1の開放重心側の重量によって、家庭用薄葉紙Pを取出口11から取り出す際における家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができる。
具体的には、ケース側パッキン14の下端部の開放重心とは反対側には、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心とは反対側に付与する抵抗を減少させるための切欠部14bが設けられている。
また、ケース側パッキン14の開放重心側には、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に付与する抵抗を増加させるために、取出口11を塞ぐ方向側に向けて延出する延出部14aが設けられている。
したがって、収納空間部Sを気密状態とするためのケース側パッキン14によって、家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができるので、部品点数を増やすことなく、新たな機能を追加することができる。
したがって、開口T1に対する取出口11の位置及び大きさによって、家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができるので、部品点数を増やすことなく、新たな機能を追加することができる。
ここで、「取出口11を、平面視にて開口T1とずらす」とは、取出口11の少なくとも一部が平面視にて開口T1と重ならないことをいう。
したがって、上蓋20の開放状態となる方向へのスライド移動によって、家庭用薄葉紙収納容器1自体の重心が平面視にて取出口11からずれるので、部品点数を増やすことなく、新たな機能を追加することができる。
すなわち、係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除すると、付勢部材50の付勢力によって、取出口11を閉塞していた上蓋20がスライド移動して開放状態となり、取出口11が開放されることとなる。
したがって、係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除するだけで付勢部材50の付勢力によって自動的に上蓋20が開くので、上蓋20の開放動作が行いやすく、利便性が高い。
なお、家庭用薄葉紙収納容器1に備える付勢部材50の個数(本数)は、2つ(2本)に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、1つ(1本)であっても良いし、3つ(3本)以上あってもよい。また、固定側係合部33や可動側係合部22の個数は、付勢部材50の個数に応じて、適宜任意に変更可能である。
また、本実施形態では、上蓋20が、ケース体の外側でスライド移動するように構成したが、これに限ることはなく、上蓋20が、ケース体の内側でスライド移動して、上蓋20の開放状態において上蓋20の大部分(例えば、可動側指掛部25を除く部分)がケース体内に収まるように構成することも可能である。
すなわち、付勢部材50は、ケース体(容器本体10やシャーシ30)の高さ方向に対して斜めに設置されているので、上蓋20を開放状態となる方向だけでなく、上蓋20をケース体に押し付ける方向にも付勢することができる。したがって、家庭用薄葉紙収納容器1の気密性が向上するので、家庭用薄葉紙収納容器1に収納する家庭用薄葉紙Pが、ウェットタイプの家庭用薄葉紙Pである場合には、家庭用薄葉紙Pに含浸した薬液の蒸発を防止できる。
したがって、家庭用薄葉紙収納容器1の美観が向上する。
また、付勢部材50が触られることを防止することができるので、付勢部材50に汚れが付きにくく、付勢部材50に指等が挟まる心配もなく、衛生的に安全に使用することができるとともに、付勢部材50が、取り外されてしまったり、取り外されて誤飲されてしまったりすることを防止することができる。
すなわち、上蓋20は付勢部材50の付勢力によって自動的に開くが、その際の衝撃がダンパー24a,27aによって吸収されるので、上蓋20が開放状態となる際の衝撃に伴う上蓋20やケース体(本実施形態の場合、主に容器本体10)の磨耗を抑制したり、上蓋20が開放状態となる際に生じる衝突音を軽減したりすることができる。
すなわち、上蓋20はスライド移動することによって取出口11を開閉させるが、そのスライド移動がレール部31aによってガイドされるので、上蓋20をスムーズかつ確実に開閉することができる。
すなわち、可動側指掛部25に指を掛けて上蓋20に閉塞状態となる方向(本実施形態の場合、右方向)の力を加えることができるだけでなく、上蓋20を閉める際に、閉塞状態となる方向の力が上蓋20だけでなくケース体(容器本体10及びシャーシ30)に加わってしまっても、不動側指掛部35に指を掛けてケース体に逆方向の力を作用させてケース体を固定しておくことができるので、ケース体が滑ってしまうことがない。
したがって、片手で上蓋20を閉めることができ、上蓋20の閉塞動作が行いやすい。
なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙収納容器1に上蓋20を開放状態となる方向に付勢する付勢部材50を設けたが、これに限ることはなく、家庭用薄葉紙収納容器1に付勢部材50を設けなくてもよい。家庭用薄葉紙収納容器1に付勢部材50を設けない場合には、可動側指掛部25と不動側指掛部35との双方に指を掛けて上蓋20を開閉することができる。したがって、片手で上蓋20を開閉することができ、上蓋20の開閉動作が行いやすい。
具体的には、本実施形態において、ケース体は、容器本体10と、当該容器本体10の上面に固定されるシャーシ30と、を備え、上蓋20は、シャーシ30に取り付けられ、不動側指掛部35は、シャーシ30の端部(本実施形態の場合、上壁部32の右端部)を上側に向けて起立させることにより形成された突起部である。
したがって、不動側指掛部35がスイッチ部34に離間して設けられているので、不動側指掛部35に掛けた指でスイッチ部34を誤操作してしまうことを防止することができ、上蓋20を片手で確実に閉めることができる。
なお、本実施形態では、スイッチ部34を回動可能に構成したが、これに限ることはなく、スイッチ部34を押圧することで係止手段(爪部23及び爪受部34c)による係止を解除できるのであれば、スイッチ部34の構成は適宜任意に変更可能であり、例えば、スイッチ部34は上下方向に揺動可能に構成しても良い。
また、スイッチ部34や不動側指掛部35を設ける箇所は、スイッチ部34や不動側指掛部35が容器本体10の平面(上面)視外形からはみ出さないのであれば、適宜任意に変更可能である。
具体的には、本実施形態において、容器本体10は、上面に凹部13を有し、取出口11は当該凹部13に設けられ、アセンブリ体Aは、凹部13内に当該凹部13の上方から嵌め込まれている。
また、以上説明した本実施形態の家庭用薄葉紙収納容器1の製造方法によれば、シャーシ30に、付勢部材50と上蓋20とを組み付けてアセンブリ体Aを形成し、次いで、アセンブリ体Aを容器本体10に取り付けるようになっている。
したがって、上蓋20と付勢部材50とを別々に容器本体10に取り付ける必要がないので、組み立てやすい。
ケース側パッキン14に設ける延出部14aの形状は、適宜任意に変更可能であり、例えば、図11に示す延出部14aのように、その端部が上記実施形態の延出部14a(図6(a)参照)よりも幅広の円弧状をなしていても良いし、例えば、図12に示す延出部14aのように、その端部が波状をなしていても良い。
また、延出部14aの位置は、少なくともケース側パッキン14のうち開放重心側の部分に設けられているのであれば、適宜任意に変更可能であり、例えば、図13に示すように、開放重心側の部分(例えば、左側部分)を経て開放重心側の部分に直交する部分の一方(例えば、後側部分)から他方(例えば、前側部分)に亘って設けられていても良いし、例えば、図14、図15に示すように、開放重心とは反対側の部分(例えば、右側部分)にも設けられていても良い。
ここで、ケース側パッキン14が硬質材料で形成されている場合、延出部14aの形状が角ばった形状だと、延出部14aに家庭用薄葉紙Pが引っ掛かって毛羽立ったり破れたりする虞がある。したがって、ケース側パッキン14が硬質材料で形成されている場合は特に、延出部14aの形状は、上記実施形態の延出部14a(図6(a)参照)や変形例1の延出部14a(図11〜図15参照)のように、丸みを帯びた形状であることが好ましい。
特に、ケース側パッキン14の開放重心とは反対側にも延出部14aを設ける場合、ケース側パッキン14の下端部のうち延出部14aが形成される部分には切欠部14bを形成することができない。したがって、この場合には、例えば、図14、図15に示す切欠部14bのように、上記実施形態の切欠部14b(図6(a)参照)よりも幅狭にしたり、切欠部14bの前後方向の中心をケース側パッキン14の前後方向の中心からずらしたりすると良い。
また、ケース側パッキン14の下端部の開放重心側には、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に付与する抵抗を増加させるための複数の角部14cが所定間隔を有して設けられていても良い。具体的には、ケース側パッキン14の下端部のうち開放重心側の部分は、例えば、図16(a)に示すように、三角波状に形成されていても良いし、また、矩形波状やのこぎり波状や台形波状などに形成されていても良い。これにより、ケース側パッキン14の下端部の開放重心側に設けられた角部14cに家庭用薄葉紙Pの開放重心側が引っ掛かり、家庭用薄葉紙Pの開放重心側により大きな抵抗が付与されるので、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に付与する抵抗を増加させることができる。
また、図16(a)、(b)では、延出部14aの代わりに、複数の角部14cや複数のスリット14dを設けたが、ケース側パッキン14の開放重心側には、延出部14aと角部14cとの両方を設けることも可能であるし、延出部14aとスリット14dとの両方を設けることも可能である。また、ケース側パッキン14の開放重心側には、角部14cとスリット14dとを設けることも可能であるし、延出部14aと角部14cとスリット14dとを設けることも可能である。
また、ケース側パッキン14の下端部表面の材質を、開放重心側の方が開放重心とは反対側よりも摩擦抵抗の高い材質としても良い。具体的には、例えば、図17に示すように、ケース側パッキン14の下端部のうち開放重心側の部分を、ケース側パッキン14本体を形成する材料よりも摩擦抵抗の高い材料で形成された膜14eで覆っても良いし、また、ケース側パッキン14の下端部のうち開放重心側の部分を、その他の部分を形成する材料よりも摩擦抵抗の高い材料で形成しても良い。これにより、ケース側パッキン14の下端部の開放重心側と家庭用薄葉紙Pの開放重心側との間により大きな摩擦力が発生し、家庭用薄葉紙Pの開放重心側により大きな抵抗が付与されるので、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に付与する抵抗を増加させることができる。
また、ケース体の取出口11よりも開放重心側には、例えば、図18に示すように、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に抵抗を付与するために、ケース体(本変形例の場合、容器本体10)の内面から突出する突起部Yを設けても良い。この場合、家庭用薄葉紙収納容器1は、突起部Yによって、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に、当該家庭用薄葉紙Pの開放重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することができる。
したがって、家庭用薄葉紙Pを取出口11から取り出す際に家庭用薄葉紙収納容器1にかかる上向きの力は、主に突起部Yにかかるが、家庭用薄葉紙収納容器1の開放重心側の重量によって、家庭用薄葉紙Pを取出口11から取り出す際における家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができる。
また、ケース体に突起部Yを設ける場合、取出口11は、「取出口11が、平面視にて包装体Tの開口T1とずれているとともに、取出口11の中心が、平面視にて包装体Tの開口T1の中心よりも開放重心とは反対側にずれていること」という条件を満たしていてもよいし、満たしていなくてもよい。
また、突起部Yの形状や個数や設置位置は、図18に示すものに限ることはなく、適宜任意に変更可能である。また、家庭用薄葉紙収納容器1が取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に当該家庭用薄葉紙Pの開放重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することができるように構成されるのであれば、ケース体の開放重心とは反対側にも突起部を設けても良い。
また、突起部Yは、スプリングばね等を内蔵する伸縮可能な部材であっても良い。この場合、収納空間部S内の家庭用薄葉紙Pの枚数に応じて突起部Yが伸縮するので、収納空間部S内の家庭用薄葉紙Pの枚数にかかわらず、突起部Yによって、取出口11から取り出す家庭用薄葉紙Pの開放重心側に、当該家庭用薄葉紙Pの開放重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することができる。したがって、収納空間部S内の薄葉紙積層体Qの使いはじめから使い終わりにかけて安定して家庭用薄葉紙収納容器1の持ち上がりを抑制することができる。
この場合、収納空間部S内で薄葉紙積層体Qが動かないように、当該部材と、ケース側パッキン14や突起部Yとで、薄葉紙積層体Qを挟むことができるので、家庭用薄葉紙Pを取出口11からよりスムーズに取り出すことができるとともに、家庭用薄葉紙Pの取出口11から突出した部分が収納空間部S内に落ち込むことをより効果的に抑制することができる。
薄葉紙積層体における折り方が全体にわたって同一である場合、家庭用薄葉紙Pの飛び出し長さ(取出口11から突出した部分の長さ)は、使いはじめでは長く、使い終わりに近づくにつれて短くなる。
ポップアップする高さは、折り幅により決定される。したがって、使いはじめではポップアップする高さが短く、使い終わりに近づくにつれて長くなるような折り方が可能である。このような折り方をした薄葉紙積層体Qを用いれば、家庭用薄葉紙Pの飛び出し長さを使いはじめから使い終わりにかけてほぼ一定にすることができるので、取出口11から突出した部分が収納空間部S内に落ち込む、取出口11から突出した部分が上蓋20の開閉時に上蓋20に噛み込まれる等の発生を抑制することができる。
10 容器本体(ケース体)
11 取出口
14 ケース側パッキン(枠部材)
14a 延出部
14b 切欠部
14c 角部
14d スリット
20 上蓋(蓋体)
30 シャーシ(ケース体)
P 家庭用薄葉紙
T 包装体
T1 開口
Y 突起部
Claims (7)
- 上面に取出口を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記取出口を開閉させる蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部の前記重心とは反対側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与する抵抗を減少させるための切欠部が設けられていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 上面に取出口を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記取出口を開閉させる蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部の前記重心側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与する抵抗を増加させるための複数の角部又は複数のスリットが所定間隔を有して設けられていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 上面に取出口を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記取出口を開閉させる蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記取出口の周縁部に装着された枠部材を備え、
前記枠部材によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与し、
前記枠部材の下端部表面の材質は、前記重心側の方が前記重心とは反対側よりも前記家庭用薄葉紙に対する摩擦抵抗が高いことを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 上面に取出口を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納するケース体と、
前記取出口を開閉させる蓋体と、を備える家庭用薄葉紙収納容器において、
前記取出口は、平面視にて前記蓋体の開放状態時における当該家庭用薄葉紙収納容器自体の重心からずれた位置に設けられ、
当該家庭用薄葉紙収納容器のうち前記取出口の中心よりも前記重心側の部分の荷重をA、当該取出口の中心よりも前記重心とは反対側の部分の荷重をB、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与される抵抗力をa、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側に付与される抵抗力をbとした場合、下記の(1)〜(3)の全てを満たすように構成され、
(1)A>B、
(2)a<A及びb<B、
(3)a>b
前記家庭用薄葉紙は、当該家庭用薄葉紙を取り出すための開口が設けられた包装体によって内包されており、
前記取出口を、平面視にて前記開口とずらすとともに、前記取出口の中心を、平面視にて前記開口の中心よりも前記重心とは反対側にずらすことによって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記枠部材の前記重心側には、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に付与する抵抗を増加させるために、前記取出口を塞ぐ方向側に向けて延出する延出部が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
- 前記ケース体は、当該ケース体の内面から突出する突起部を有し、
前記突起部によって、前記取出口から取り出す家庭用薄葉紙の前記重心側に、当該家庭用薄葉紙の前記重心とは反対側よりも大きな抵抗を付与することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記蓋体は、前記ケース体に対して前記重心側にスライド移動することで前記取出口を開閉させることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
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