JP6121795B2 - ドレッシング装置、該ドレッシング装置を備えた研磨装置、および研磨方法 - Google Patents

ドレッシング装置、該ドレッシング装置を備えた研磨装置、および研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨パッドの表面をドレッシングするドレッシング装置、ウェハなどの基板を研磨する研磨装置、および研磨方法に関する。
化学的機械研磨(CMP)装置は、ウェハなどの基板の表面を研磨する研磨装置として広く知られている。この研磨装置は、トップリングで基板を保持し、研磨テーブル上の研磨パッドに基板を押圧しつつ、研磨テーブルとトップリングとを相対運動させることにより、基板を研磨する。基板の研磨中は、研磨液供給ノズルから研磨パッド上に研磨液(スラリー)が供給され、基板の表面は、研磨液の化学的作用と研磨液に含まれる砥粒の機械的作用とにより研磨される。
研磨パッドで基板の研磨を続けると、研磨パッド表面の微小な凹凸が潰れてしまい、研磨レートの低下を引き起こす。このため、ダイヤモンド粒子などの多数の砥粒を電着させたドレッサ(パッドコンディショナー)で研磨パッド表面のドレッシング(目立て)を行い、研磨パッド表面に微小な凹凸を再形成することが行われる。ドレッシング中は、純水などのドレッシング液が研磨パッド上に供給される。
図1は、研磨テーブル1上の研磨パッド3をドレッシングしているドレッサ2を示す側面図であり、図2は、研磨テーブル1とドレッサ2との相対運動を示す平面図である。研磨パッド3は、研磨テーブル1の上に取り付けられており、研磨パッド3の上面が研磨面3aを構成する。図2において、一点鎖線はドレッサ2の揺動を示し、二点鎖線は研磨パッド3の研磨面3a上に定義された複数の領域を示す。図1に示すように、ドレッサ2はドレッサアーム6に支持されている。このドレッサアーム6はドレッサ旋回軸5を中心として旋回するように構成されている。ドレッサアーム6の旋回に伴って、ドレッサ2は研磨面3a上を研磨パッド3の略半径方向に揺動する。ドレッサ2の下面は、ダイヤモンド粒子などの多数の砥粒からなるドレッシング面を構成する。ドレッサ2は、研磨面3a上を揺動しながら回転し、研磨パッド3を僅かに削り取ることにより研磨面3aをドレッシングする。
ドレッサ2は図示しない球面軸受を介してドレッサシャフト4に連結されている。ドレッサシャフト4はドレッサ2の中央部に荷重を加えてドレッサ2のドレッシング面を研磨パッド3の研磨面3aに押し付けるように構成されている。このため、研磨テーブル1およびドレッサ2の回転によりドレッサ2のドレッシング面が研磨面3aに摺接されると、研磨面3aとドレッサ2との間に生じる摩擦抵抗により、ドレッサ2が研磨パッド3の研磨面3aに対して傾斜する。ドレッサ2が傾斜した状態で研磨パッド3の研磨面3aをドレッシングすると、ドレッサ2の周縁部はドレッサ2の中央部よりも早く消耗する。その結果、ドレッサ2の中央部が消耗する前にドレッサ2を交換しなければならず、ドレッサ2の交換頻度が高くなる。
図2に示す例では、研磨パッド3の研磨面3a上には、同心状の複数の環状または円形の領域R1〜R5が定義されている。例えば、領域R5は研磨パッド3の最外周領域であり、領域R1は研磨パッド3の中心領域である。これら複数の領域R1〜R5の半径は異なるため、研磨パッド3の周方向の速度は領域ごとに異なる。ドレッサ2が研磨パッド3上の複数の領域R1〜R5を横断すると、各領域の速度の違いにより、ドレッサ2の傾きが変化する。その結果、研磨面3aの全体が均一にドレッシングされず、平坦な研磨面3aを形成することができない。
特開2000−263416号公報 特開2006−175534号公報 特開2000−052233号公報
本発明は上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、ドレッサのドレッシング面全体を研磨パッドの研磨面に均一に摺接させ、かつ研磨パッドの研磨面全体を均一にドレッシングすることができるドレッシング装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、このようなドレッシング装置を備えた研磨装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、基板を研磨する研磨面に摺接して該研磨面のドレッシングを行うドレッサと、前記ドレッサに荷重を加えるドレッサシャフトと、前記ドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与える少なくとも1つの荷重付与装置と、前記荷重付与装置の動作を制御する動作制御部とを備え、前記動作制御部は、前記研磨面上のドレッサの位置に従って前記下向き荷重を変えるように前記荷重付与装置の動作を制御することを特徴とするドレッシング装置である。
発明の好ましい態様は、前記荷重付与装置を、前記ドレッサに対して相対的に移動させる相対移動機構をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、基板を研磨する研磨面に摺接して該研磨面のドレッシングを行うドレッサと、前記ドレッサに荷重を加えるドレッサシャフトと、前記ドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与える少なくとも1つの荷重付与装置と、前記荷重付与装置の動作を制御する動作制御部と、前記荷重付与装置を、前記ドレッサに対して相対的に移動させる相対移動機構とを備え、前記動作制御部は、前記研磨面上のドレッサの位置に従って、前記荷重付与装置の前記ドレッサに対する相対位置を変えるように前記相対移動機構の動作を制御することを特徴とするドレッシング装置である
本発明の好ましい態様は、前記相対移動機構は、前記荷重付与装置を前記ドレッサシャフトのまわりに回転させる回転機構であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ドレッサの高さを測定する少なくとも1つの位置センサをさらに備え、前記動作制御部は、前記ドレッサの高さの測定値が所定の目標値に維持されるように前記荷重付与装置の動作を制御することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様は、基板を研磨面に摺接させて該基板を研磨する研磨装置であって、基板を前記研磨面に押し付けるトップリングと、上記ドレッシング装置とを備えることを特徴とする。
本発明の一参考例は、基板を研磨する研磨面に摺接して該研磨面のドレッシングを行うドレッサと、前記ドレッサに荷重を加えるドレッサシャフトと、前記ドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与える複数の荷重付与装置と、前記複数の荷重付与装置の動作を制御する動作制御部とを備え、前記動作制御部は、前記複数の荷重付与装置を別々に制御し、前記複数の荷重付与装置に異なる荷重を発生させることを特徴とするドレッシング装置である。
本発明の好ましい参考例は、前記複数の荷重付与装置は、2つの荷重付与装置であって、前記2つの荷重付与装置は、前記ドレッサシャフトを中心として対称的に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記複数の荷重付与装置は、2つの荷重付与装置であって、前記2つの荷重付与装置は、互いに隣接して配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい参考例は、前記複数の荷重付与装置は、3つの荷重付与装置であって、前記3つの荷重付与装置は、前記ドレッサシャフトを中心として等間隔に配列されていることを特徴とする。
本発明のさらに他の態様は、ドレッサを研磨面上で揺動させながら、前記ドレッサを前記研磨面に摺接させて前記研磨面のドレッシングを行い、前記ドレッシング中に、前記ドレッサの前記研磨面上の位置に従って、前記ドレッサの周縁部の一部に付与する下向き荷重および該下向き荷重の位置を変化させて前記ドレッサのドレッシング面の前記研磨面に対する傾斜角度を制御し、前記ドレッシングが終了した後、基板を前記研磨面に押し付けて前記基板と前記研磨面とを摺接させることで前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法である。
本発明の好ましい態様は、前記ドレッシング中に前記ドレッシング面を前記研磨面と平行にすることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ドレッシング中に前記ドレッサの高さを測定し、前記ドレッサの高さの測定値が所定の目標値に保たれるように前記下向き荷重および前記下向き荷重の位置を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、荷重付与装置によりドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与えることでドレッサのドレッシング面を研磨パッドの研磨面と平行にすることができる。従って、ドレッサのドレッシング面全体を研磨パッドの研磨面に均一に摺接させることができ、研磨パッドの研磨面全体を均一にドレッシングすることができる。
研磨テーブル上の研磨パッドをドレッシングしているドレッサを示す側面図である。 研磨テーブルとドレッサとの相対運動を示す平面図である。 研磨装置を示す模式図である。 本実施形態に係るドレッシング装置を示す断面図である。 回転機構の上面図である。 図6(a)はドレッサが研磨面に対して傾斜している様子を示す図であり、図6(b)は加圧ローラーを下降させてドレッサの周縁部の一部に下向きの荷重を与えている様子を示す図である。 ドレッサの研磨パッド上の位置に従って荷重付与装置の荷重点が変更される様子を示す平面図である。 ドレッシングレシピの一例を示す図である。 ドレッサの高さを検出する位置センサを備えたドレッシング装置を示す図である。 回転機構の下面に2つの荷重付与装置を配置した様子を示す図である。 2つの荷重付与装置の荷重点が変更される様子を示す模式図である。 2つの荷重付与装置に隣接して位置センサをそれぞれ配置した様子を示す図である。 2つの荷重付与装置、2つの位置センサ、およびドレッサの配置を示す平面図である。 2つの荷重付与装置の荷重点を示す平面図である。 3つの荷重付与装置、3つの位置センサ、およびドレッサの配置を示す平面図である。 3つの荷重付与装置の荷重点を示す平面図である。 円筒状のカバーを備えたドレッシング装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図3乃至図17において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3は、研磨装置10を示す模式図である。図3に示すように、研磨装置10は、研磨具としての研磨パッド3を支持するための研磨テーブル1と、ウェハなどの基板Wを保持し、かつ基板Wを研磨テーブル1上の研磨パッド3に押圧するための研磨ヘッド12と、研磨パッド3の研磨面3aのドレッシングを行うドレッシング装置(ドレッシングユニット)14とを備えている。研磨パッド3は研磨テーブル1の上面に貼付されており、研磨パッド3の上面が基板Wを研磨する研磨面3aを構成している。研磨具としては、研磨パッド3に代えて固定砥粒または研磨布などを用いてもよい。
研磨テーブル1は、テーブル軸16を介してテーブルモータ18に連結されており、このテーブルモータ18により研磨テーブル1および研磨パッド3がその中心軸まわりに回転されるようになっている。
研磨ヘッド12は、基板Wを保持して研磨面3aに押し付けるトップリング20と、トップリング20が固定されるトップリングシャフト22と、トップリングシャフト22を介してトップリング20を昇降させるトップリング昇降機構24と、トップリング昇降機構24が設置されるトップリングアーム26と、トップリングシャフト22を介してトップリング20をその中心軸まわりに回転させるトップリング回転機構(図示せず)等とを備えている。トップリング回転機構はトップリングアーム26内に配置されている。トップリング昇降機構24およびトップリング回転機構は、トップリング20を駆動するトップリング駆動機構を構成する。
トップリング20はトップリングシャフト22の下端に連結されている。トップリング20は、真空吸着によりその下面に基板Wを保持できるように構成されている。トップリングアーム26は、トップリング旋回軸28に連結されており、このトップリング旋回軸28を中心として旋回するようになっている。
トップリング昇降機構24は、軸受30を介してトップリングシャフト22を回転可能に支持するブリッジ32と、ブリッジ32に取り付けられたボールねじ34と、支柱36により支持された支持台38と、支持台38上に設けられたサーボモータ40とを備えている。サーボモータ40を支持する支持台38は、支柱36を介してトップリングアーム26に連結されている。
ボールねじ34は、サーボモータ40に連結されたねじ軸34aと、このねじ軸34aが螺合するナット34bとを備えている。トップリングシャフト22は、ブリッジ32と一体となって昇降(上下動)するようになっている。従って、サーボモータ40を駆動すると、ボールねじ34を介してブリッジ32が上下動し、これによりトップリングシャフト22およびトップリング20が上下動する。
基板Wの研磨は次のようにして行われる。基板Wを保持したトップリング20は待機位置から研磨位置に移動される。トップリング20および研磨テーブル1をそれぞれ同じ方向に回転させ、研磨液供給ノズル42から研磨パッド3上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、トップリング20は基板Wを研磨パッド3の研磨面3aに押し付け、基板Wと研磨面3aとを摺接させる。基板Wの表面は、研磨液の化学的作用と研磨液に含まれる砥粒の機械的作用により研磨される。
ドレッシング装置14は、研磨パッド3の研磨面3aをドレッシングするドレッサ2と、ドレッサ2が連結されるドレッサシャフト4と、ドレッサシャフト4を支持するドレッサアーム6と、ドレッサシャフト4を介してドレッサ2を回転駆動するドレッサ回転機構(図示せず)とを備えている。ドレッサ回転機構はドレッサアーム6内に配置されている。ドレッサ2の下面にはダイヤモンド粒子などの砥粒(図示せず)が固定されており、これらの砥粒によってドレッシング面が構成されている。
ドレッサアーム6は、ドレッサ旋回軸5に連結されており、このドレッサ旋回軸5を中心として旋回するようになっている。ドレッサアーム6が旋回すると、ドレッサ2は研磨面3a上を研磨テーブル1の略半径方向に揺動する。ドレッサ2は、研磨パッド3の研磨面3a上を揺動しながら回転し、研磨パッド3を僅かに削り取ることにより研磨面3aをドレッシングする。
図4は、本発明の実施形態に係るドレッシング装置14の一部を示す断面図である。図4に示すように、ドレッサ2とドレッサシャフト4とは、球面軸受60を介して互いに連結されている。この球面軸受60は、ドレッサシャフト4に対するドレッサ2の傾動を許容しつつ、ドレッサシャフト4の荷重をドレッサ2の中心部に伝達する。球面軸受60は、ドレッサシャフト4の下面に形成された球面凹部60Aと、ドレッサ2の上面に形成された球面凹部60Bと、これら球面凹部60A,60Bに摺動自在に保持されたボール60Cとを備えている。ボール60Cはセラミックなどの耐摩耗性に優れた材料から構成されている。球面凹部60A,60B及びボール60Cは、ドレッサシャフト4の中心軸上に配置されている。
ドレッサシャフト4の半径方向外方にはドレッサ2の周縁部の一部に下向き荷重を加える荷重付与装置68と、荷重付与装置68を支持し、かつ荷重付与装置68を回転させる回転機構70とが配置されている。回転機構70は、荷重付与装置68をドレッサシャフト4を中心として(すなわち、ドレッサ2の中心周りに)回転させるように構成されている。
荷重付与装置68は、エアシリンダ72と、エアシリンダ72のピストンロッド72aに連結された加圧ローラー73とを備えている。エアシリンダ72は、回転機構70に固定されており、この回転機構70によってドレッサシャフト4のまわりを旋回するようになっている。ピストンロッド72aの先端にはローラー支持部材75が取り付けられている。加圧ローラー73はその中心に配置されたローラー軸78に回転自在に支持されており、ローラー軸78を中心として回転する。ローラー軸78はローラー支持部材75に固定されている。
加圧ローラー73はエアシリンダ72により上下動可能に構成されている。エアシリンダ72は、エアシリンダ72に供給される圧縮空気の圧力を制御する電空レギュレータ(気体圧力レギュレータ)100に接続されている。この電空レギュレータ100は図示しない空気圧縮機(コンプレッサ)に接続されている。空気圧縮機は圧縮空気を電空レギュレータ100を通じてエアシリンダ72内に供給する。電空レギュレータ100は図示しない圧力制御機構を備えており、この圧力制御機構によりエアシリンダ72内に供給される圧縮空気の圧力が制御される。
エアシリンダ72内に圧縮空気が供給されると、ピストンロッド72aとともに加圧ローラー73が下降し、加圧ローラー73がドレッサ2の周縁部の一部を下方に押圧する。加圧ローラー73はドレッサ2の上面に転がり接触する。エアシリンダ72内に供給される圧縮空気の圧力を変更することにより、ドレッサ2に与えられる下向きの荷重を変更することができる。電空レギュレータ100はコントローラ101に接続されている。コントローラ101は電空レギュレータ100を操作してエアシリンダ72内に供給される圧縮空気の圧力を制御し、これにより、加圧ローラー73の下向き荷重を制御する。さらに、コントローラ101は回転機構70の回転動作を制御するように構成されている。
コントローラ101は所定の圧力に制御された圧縮空気をエアシリンダ72内に供給するよう電空レギュレータ100を操作し、電空レギュレータ100はエアシリンダ72内に所定の圧力の圧縮空気を供給する。本実施形態では、コントローラ101と電空レギュレータ100によって動作制御部102が構成されており、荷重付与装置68および回転機構70の動作はこの動作制御部102によって制御される。
図4に示すように、回転機構70は、ドレッサシャフト4と同心状に配置された環状のリングギヤ90と、リングギヤ90を回転させるピニオンギヤ92と、ピニオンギヤ92を駆動する駆動装置(例えばサーボモータ)94とを備えている。リングギヤ90とピニオンギヤ92とは互いに噛み合っている。駆動装置94が駆動されると、ピニオンギヤ92が回転し、同時にリングギヤ90が回転する。リングギヤ90は図示しない支持部材により回転自在に支持されており、リングギヤ90の下面には荷重付与装置68のエアシリンダ72が固定されている。
図5は、回転機構70の上面図である。ピニオンギヤ92が矢印で示す方向に回転すると、リングギヤ90および荷重付与装置68はドレッサシャフト4を中心として回転する。パッドドレッシング中、ドレッサ2はドレッサシャフト4を中心として回転するが、リングギヤ90は、ドレッサ2とは別体として設けられた支持部材(図示しない)に支持されているため、ドレッサ2とともには回転しない。従って、荷重付与装置68をドレッサ2に対して相対的に移動させることができる相対移動機構を構成する。
ドレッサ2が研磨パッド3をドレッシングしているとき、図6(a)に示すように、ドレッサ2と研磨パッド3との摩擦によりドレッサ2が傾く。パッドドレッシング中のドレッサ2は、その上流側の部位が研磨パッド3に沈み込み、下流側の部位が研磨パッド3から浮き上がるように傾斜する。このようにドレッサ2が傾くと、ドレッサ2はそのドレッシング面を研磨パッド3の研磨面3aに均一に押し付けることができない。そこで、荷重付与装置68は、その加圧ローラー73を下降させてドレッサ2の周縁部の一部(すなわち、下流側の部位)に下向きの力を局所的に与えることによって、ドレッサ2のドレッシング面を研磨パッド3の研磨面3aと平行にする。その結果、図6(b)に示すように、ドレッサ2のドレッシング面全体を研磨パッド3の研磨面3aに均一に摺接させることができる。図6(a)に示すように、研磨パッド3の移動方向において、荷重付与装置68はドレッサシャフト4の下流側に位置している。
ドレッサ2は、研磨パッド3上をその略半径方向に揺動しながら、研磨パッド3の研磨面3aをドレッシングする。ドレッサ2が研磨パッド3の中心に近づくにつれて、研磨パッド3の周方向の速度は遅くなる。このため、ドレッサ2の傾斜角度(すなわち、研磨面3aに対する傾斜角度)は、ドレッサ2の位置に従って変化する。そこで、動作制御部102は、研磨パッド3上のドレッサ2の位置に従ってドレッサ2に加えられる下向きの荷重を変えるように、荷重付与装置68を制御する。より具体的には、ドレッサ2が大きく傾く領域では、荷重付与装置68はより大きな荷重を発生し、ドレッサ2があまり傾かない領域では、荷重付与装置68はより小さい荷重を発生する。荷重の目標値は、研磨面3a上に予め定義された複数の領域R1〜R5についてそれぞれ設けられている。これらの目標値は動作制御部102のコントローラ101に予め記憶されている。
ドレッサ2が研磨パッド3上をその略半径方向に移動するにつれて、ドレッサ2に作用する摩擦力の方向も変化する。このため、ドレッサ2の傾斜方向(より具体的には、研磨パッド3の中心に対するドレッサ2の相対的な傾斜方向)が研磨面3a上のドレッサ2の位置によって変わる。そこで、本実施形態では、回転機構70により荷重付与装置68を回転するドレッサ2に対して相対移動させて、ドレッサ2の傾斜方向の変化に追随させるようになっている。
図7は、ドレッサ2の研磨パッド3上の半径方向の位置に従って荷重付与装置68の荷重点P(加圧ローラー73の位置)が変更される様子を示す平面図である。図7に示すように、研磨パッド3上のドレッサ2の位置に従って、回転機構70は荷重付与装置68を回転させることにより荷重付与装置68の荷重点Pを変える(すなわち、回転するドレッサ2の全体に対する荷重付与装置68の相対位置を変える)。このようにドレッサ2の傾斜方向の変化に従って荷重付与装置68を回転させることによって、ドレッサ2の揺動位置にかかわらず、ドレッサ2を研磨面3aと平行に保つことができる。
ドレッサ2を水平に保つために必要な荷重付与装置68の荷重および回転角度は、実験により予め決定される。荷重付与装置68の荷重および回転角度は、研磨面3a上に予め定義された複数の領域のそれぞれについて予め定められ、図8に示すようなドレッシングレシピが作成される。図8はドレッシングレシピの一例を示す図である。図8に示す例では、研磨パッド3の研磨面3aは、領域R1から領域R5(図7参照)までの5つの領域に分けられる。そして、それぞれの領域ごとにドレッサ2の回転速度、研磨面3aに付与される荷重(ドレッシング荷重)、荷重付与装置68からドレッサ2に付与される下向き荷重(以下、局所荷重ともいう)、荷重付与装置68の回転角度が設定される。
このようにして作成されたドレッシングレシピは、コントローラ101に記憶される。コントローラ101は、このドレッシングレシピに従って回転機構70および荷重付与装置68を動作させる。研磨パッド3のドレッシング中、回転機構70は荷重付与装置68を所定の角度だけ回転させ、荷重付与装置68は所定の下向き荷重をドレッサ2の周縁部の一部(下流側の部位)に与える。
ドレッサ2は、研磨面3a上を揺動しながら回転し、研磨パッド3を僅かに削り取ることで研磨面3aをドレッシングする。このとき、コントローラ101は、ドレッサ2がドレッシングレシピに従って研磨面3aをドレッシングするようにドレッサ2の動作を制御する。具体的には、コントローラ101は、ドレッサ2の研磨パッド3上の位置に従って、ドレッサ2の回転速度、ドレッシング荷重、ドレッサ2に付与される局所荷重(すなわち、ドレッサ2のドレッシング面の研磨面3aに対する傾斜角度)、および荷重付与装置68の回転角度(局所荷重の位置)を変化させる。このようにドレッサ2の姿勢を制御することにより、研磨パッド3のドレッシング中、ドレッサ2は研磨パッド3の研磨面3aと平行に保たれる。従って、ドレッサ2は、研磨面3aの全体を均一にドレッシングすることができる。
荷重付与装置68を備えた研磨装置10を用いた研磨方法について説明する。まず、研磨パッド3の研磨面3aにドレッシング液を供給し、この状態でドレッサ2を研磨面3aの半径方向に揺動させながら、ドレッサ2を研磨面3aに摺接させる。上述したように、ドレッサ2が研磨パッド3上の複数の領域R1〜R5(図2および図7参照)を横断するにつれて、ドレッサ2の傾斜角度および傾斜方向が変化する。そこで、ドレッサ2の研磨パッド3上の位置に従ってドレッサ2に付与する局所荷重および局所荷重の位置を変化させる。その結果、ドレッサ2の揺動位置にかかわらず、ドレッサ2を研磨面3aと平行に保つことができる。ドレッサ2が研磨面3aをドレッシングした後、基板Wを保持したトップリング20は待機位置から研磨位置に移動される。トップリング20および研磨テーブル1をそれぞれ同じ方向に回転させ、研磨液供給ノズル42から研磨パッド3上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、トップリング20は基板Wを研磨パッド3の研磨面3aに押し付け、基板Wと研磨面3aとを摺接させることで基板Wが研磨される。
図9に示すように、ドレッシング装置14はドレッサ2の鉛直方向の位置(すなわち、ドレッサ2の高さであり、より具体的には研磨パッド3の研磨面3aからのドレッサ2の上面の高さである)を測定する位置センサ140を備えてもよい。位置センサ140は荷重付与装置68に隣接して配置されている。位置センサ140はリングギヤ90の下面に固定されており、位置センサ140は回転機構70によって荷重付与装置68と一体に回転される。位置センサ140はドレッサ2の高さを測定し、その測定値をコントローラ101に送信する。コントローラ101は、ドレッサ2の高さの測定値が所定の目標値に保たれるように、荷重付与装置68の動作を制御する。この所定の目標値は、ドレッサ2のドレッシング面が研磨面3aと平行に保たれる値である。この実施形態では、荷重付与装置68からドレッサ2に付与される局所荷重は、ドレッサ2の高さに基づいてフィードバック制御されるので、図8に示すドレッシングレシピ中の局所荷重を省略することができる。
図10に示すように、回転機構70の下面に2つの荷重付与装置68を配置してもよい。この実施形態では、2つの荷重付与装置68がドレッサシャフト4を中心として対称的に配置されている。より具体的には、ドレッサ2の中心とドレッサ揺動軸5とを結ぶ線(仮想線)上に2つの荷重付与装置68が配列されている。動作制御部102は、2つの荷重付与装置68に接続された2つの電空レギュレータ100を備えており、これにより2つの荷重付与装置68を別々に制御し、2つの荷重付与装置68に異なる荷重を発生させることができる。2つの荷重付与装置68のエアシリンダ72は、リングギヤ90の下面に固定されている。従って、2つの荷重付与装置68は、回転機構70によって一体に回転される。図11は、ドレッサ2の研磨パッド3上の位置に従って2つの荷重付与装置68の荷重点P1,P2(加圧ローラー73の位置)が変更される様子を示す模式図である。
図12に示すように、2つの荷重付与装置68に隣接して2つの位置センサ140を配置してもよい。動作制御部102はこれら位置センサ140から送信されたドレッサ2の高さの測定値が、それぞれ所定の目標値に保たれるように2つの荷重付与装置68の動作を制御する。これらの所定の目標値は、ドレッサ2のドレッシング面が研磨面3aと平行に保たれる値である。
図13は、2つの荷重付与装置68、2つの位置センサ140、およびドレッサ2の配置を示す平面図である。図13に示すように、2つの荷重付与装置68を互いに隣接して配置し、さらに2つの荷重付与装置68に隣接して2つの位置センサ140を配置してもよい。この実施形態では、2つの荷重付与装置68は、ドレッサシャフト4の下流側に配置され、かつドレッサ2の中心とドレッサ揺動軸5とを結ぶ線(仮想線)の両側に配置されている。動作制御部102は、2つの位置センサ140から送信されたドレッサ2の高さの測定値が、それぞれ所定の目標値に保たれるように2つの荷重付与装置68の動作を制御する。これらの所定の目標値は、ドレッサ2のドレッシング面が研磨面3aと平行に保たれる値である。
2つの荷重付与装置68からドレッサ2に付与される局所荷重は、ドレッサ2の高さに基づいてフィードバック制御される。したがって、本実施形態では、図8に示すドレッシングレシピ中の局所荷重を省略することができる。さらに、図13に示す実施形態によれば、ドレッサ2の傾斜方向が変化しても、2つの荷重付与装置68の荷重バランスを変えることによってドレッサ2を水平に保つことができる。図14は、2つの荷重付与装置68の荷重点P1,P2(加圧ローラー73の位置)を示す平面図である。図14に示すように、ドレッサ2の揺動位置によらず、荷重点P1,P2のドレッサ2に対する相対位置は一定である。この場合でも、2つの荷重付与装置68の荷重バランスを変化させることにより2つの荷重の中心位置を変えることができる。したがって、2つの荷重付与装置68は、ドレッサ2の傾斜角度および傾斜方向の両方の変化に追随してドレッサ2を水平に保つことができる。この実施形態では、回転機構70を省略することができる。
図15に示すように、3つの荷重付与装置68および3つの位置センサ140を設けてもよい。3つの荷重付与装置68は、ドレッサシャフト4を中心として等間隔に配列される。3つの位置センサ140は3つの荷重付与装置68にそれぞれ隣接して配置される。図16は3つの荷重付与装置68の荷重点P1,P2,P3(加圧ローラー73の位置)を示す平面図である。図15に示すように、ドレッサ2の揺動位置によらず、荷重点P1,P2,P3のドレッサ2に対する相対位置は一定であるが、3つの荷重付与装置68の荷重バランスを変化させることにより3つの荷重の中心位置を変えることができる。したがって、3つの荷重付与装置68は、ドレッサ2の傾斜角度および傾斜方向の両方の変化に追随してドレッサ2を水平に保つことができる。この実施形態でも、回転機構70を省略することができる。4つ以上の荷重付与装置68および4つ以上の位置センサ140を設けることも可能である。
図17に示すように、円筒状のカバー150を荷重付与装置68およびドレッサ2の上部を囲むように設置することが好ましい。このカバー150はリングギヤ90の下面に固定されており、加圧ローラー73の下方まで延びている。このカバー150により、研磨液などの飛沫が加圧ローラー73などの摺動部に付着することや、加圧ローラー73からの発塵が研磨面3aへ落下することを防ぐことができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 研磨テーブル
2 ドレッサ
3 研磨パッド
3a 研磨面
4 ドレッサシャフト
5 ドレッサ旋回軸
6 ドレッサアーム
10 研磨装置
12 研磨ヘッド
14 ドレッシング装置
16 テーブル軸
18 テーブルモータ
20 トップリング
22 トップリングシャフト
24 トップリング昇降機構
26 トップリングアーム
28 トップリング旋回軸
30 軸受
32 ブリッジ
34 ボールねじ
36 支柱
38 支持台
40 サーボモータ
42 研磨液供給ノズル
60 球面軸受
68 荷重付与装置
70 回転機構
72 エアシリンダ
73 加圧ローラー
75 ローラー支持部材
78 ローラー軸
90 リングギヤ
92 ピニオンギヤ
94 駆動装置
100 電空レギュレータ
101 コントローラ
102 動作制御部
140 位置センサ
150 カバー

Claims (9)

  1. 基板を研磨する研磨面に摺接して該研磨面のドレッシングを行うドレッサと、
    前記ドレッサに荷重を加えるドレッサシャフトと、
    前記ドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与える少なくとも1つの荷重付与装置と、
    前記荷重付与装置の動作を制御する動作制御部とを備え、
    前記動作制御部は、前記研磨面上のドレッサの位置に従って前記下向き荷重を変えるように前記荷重付与装置の動作を制御することを特徴とするドレッシング装置。
  2. 前記荷重付与装置を、前記ドレッサに対して相対的に移動させる相対移動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のドレッシング装置。
  3. 基板を研磨する研磨面に摺接して該研磨面のドレッシングを行うドレッサと、
    前記ドレッサに荷重を加えるドレッサシャフトと、
    前記ドレッサの周縁部の一部に下向き荷重を与える少なくとも1つの荷重付与装置と、
    前記荷重付与装置の動作を制御する動作制御部と、
    前記荷重付与装置を、前記ドレッサに対して相対的に移動させる相対移動機構とを備え、
    前記動作制御部は、前記研磨面上のドレッサの位置に従って、前記荷重付与装置の前記ドレッサに対する相対位置を変えるように前記相対移動機構の動作を制御することを特徴とするドレッシング装置。
  4. 前記相対移動機構は、前記荷重付与装置を前記ドレッサシャフトのまわりに回転させる回転機構であることを特徴とする請求項2または3に記載のドレッシング装置。
  5. 前記ドレッサの高さを測定する少なくとも1つの位置センサをさらに備え、
    前記動作制御部は、前記ドレッサの高さの測定値が所定の目標値に維持されるように前記荷重付与装置の動作を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のドレッシング装置。
  6. 基板を研磨面に摺接させて該基板を研磨する研磨装置であって、
    基板を前記研磨面に押し付けるトップリングと、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のドレッシング装置とを備えることを特徴とする研磨装置。
  7. ドレッサを研磨面上で揺動させながら、前記ドレッサを前記研磨面に摺接させて前記研磨面のドレッシングを行い、
    前記ドレッシング中に、前記ドレッサの前記研磨面上の位置に従って、前記ドレッサの周縁部の一部に付与する下向き荷重および該下向き荷重の位置を変化させて前記ドレッサのドレッシング面の前記研磨面に対する傾斜角度を制御し、
    前記ドレッシングが終了した後、基板を前記研磨面に押し付けて前記基板と前記研磨面とを摺接させることで前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
  8. 前記ドレッシング中に前記ドレッシング面を前記研磨面と平行にすることを特徴とする請求項に記載の研磨方法。
  9. 前記ドレッシング中に前記ドレッサの高さを測定し、
    前記ドレッサの高さの測定値が所定の目標値に保たれるように前記下向き荷重および前記下向き荷重の位置を変化させることを特徴とする請求項またはに記載の研磨方法。
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