JP6121769B2 - マットゴム面の修繕方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マットゴム面の破れ等を修繕するためのマットゴム面の修繕方法に関し、更に詳細には、マットゴム面の修繕方法、それに使用する修繕用の積層シート及びマットの修繕に用いられるプレス装置に関する。
従来のマットゴム面の修繕方法には、修繕用のゴムシートを接着剤によって破損した箇所に接着する方法がある。例えば、公開された特許文献1(特開2001−239209号公報)及び特許文献2(特開2007−144798)に記載されているマットの修繕方法である。特許文献1には、要修繕箇所をサンダなどで研磨し、研磨した要修繕箇所に固体接着剤を塗布した後、上方から修理用ゴムシートを当接させて加熱プレスする方法が記載されており、特許文献2には、要修繕箇所を研磨せず、要修繕箇所に固体接着剤を塗布した後、上方から修理用ゴムシートを当接させて加熱プレスする方法が記載されている。
図7は、従来技術である特許文献1のマット修繕方法を示す従来説明図である。マット101は、パイル131とゴム板部材102から構成され、ゴム板部材102の裏面に多数のクラック121が発生したとき、これらのクラック121を含む要修繕箇所に、修理用ゴムシート105を接着することによりマットの修繕を行う。先ず、要修繕箇所をサンダで研磨し、研磨した要修繕箇所に粉粒体状の固体接着剤104を塗布した後、上方から修理用ゴムシート105を当接して加熱プレスする。即ち、この特許文献1では、要修繕箇所を研磨し、その研磨面に固体接着剤104を塗布して、修理用ゴムシート105を接着する必要があった。
図8は、従来技術である特許文献2に記載されるマットの修繕方法を示す従来説明図である。この特許文献2は、前述した特許文献1を改良したマットの修繕方法が示されており、具体的には、特許文献2には、研磨工程を必要とせず、接着性の良いエポキシ樹脂を接着剤207に用いたマットの修繕方法が記載されている。即ち、図8に示すように、パイル222を有するマット基材203の裏面に生じた破れ261を修繕する方法が示されている。まず、破れ261を含む要修繕箇所に研磨をせずに接着剤207を塗着して未加硫ゴムシート281を配置する第1工程と、前記未加硫ゴムシート281が配置された要修繕箇所を熱プレスする第2工程とを有している。前述の様に、接着剤207として、接着性の良いエポキシ化合物を用いることで、要修繕箇所の研磨を行う必要がなく、未加硫ゴムシート281を接着することができる。接着剤207の塗布部271より面積の小さな未加硫ゴムシート281を用いることによって、熱プレス時に、未加硫ゴムシート281が流動して広がっても、広がった部分の下には接着剤207が存在し、未加硫ゴムシート281を接着することが可能になった。
また、特許文献3(特許第4026921号)には、スチレン・ブタジエン系ゴムと、エポキシ系樹脂とその硬化剤を混練した混合物からなる加熱硬化型接着シートが記載されている。この加熱硬化型接着シートは、自動車や家電製品、スチール家具等の金属製品の組み立て工程に使用される接着シートである。このシートの特徴は、初期状態の粘着力により、金属面である被着体を仮固定する初期粘着力を有し、加熱処理により硬化する。更に、このシートは、両面にセパレータを仮着しており、接着シートにゴミ等が付着しないようセパレータによって被覆保護されている。この加熱硬化型接着シートを使用する場合、初期粘着力により被着体を仮固定した後、加熱処理してエポキシ系樹脂を硬化させ、加熱後の接着力を発現させていた。
特開2001−239209号公報 特開2007−144798号公報 特許第4026921号公報
前述したように、特許文献2の技術は、特許文献1が有していた研磨工程を不要にする改良技術である。しかしながら、特許文献1の技術と特許文献2の技術に共通する必須工程の弱点は、要修繕箇所に固体接着剤を必ず塗布し、その後、上方から修理用ゴムシート又は未加硫ゴムシートを前記要修繕箇所に当接させ、加熱プレスする点である。従って、第1の弱点は、固体接着剤を塗着し、その後にゴムシートを貼着するという2工程が必要になる点である。つまり、固体接着剤の塗着と云う余分な工程により、作業工程が増加するという点であった。第2の弱点は、固体接着剤領域の輪郭にゴムシートの輪郭を完全に一致させ、重ねて接着することは殆んど不可能に近い作業であるという点である。従って、ゴムシートの下面に接着剤が塗布されていても、ゴムシート面よりも接着剤面が大きい場合や、接着剤面よりもゴムシート面が大きい場合が生じる。この様な不一致状態で熱プレスすると、前者では、ゴムシートの周囲に接着剤がはみ出るために見栄えが非常に悪く、後者では、ゴムシートの周縁が接着されていない為、補修されたマットのゴム面が床面とずれ動くときの衝撃により、ゴムシートが剥がれたり、破れたりする原因となる。
また、特許文献1では、要修繕箇所を研磨する工程が必要である為、基材及び人件費等のコストを増加させていた。更に、研磨工程で粉塵等が発生し、作業員の健康を損なう恐れも生じていた。
更に、特許文献3では、スチレン・ブタジエン系ゴムと、エポキシ系樹脂とその硬化剤を含む混合物のシートである加熱硬化型接着シートが記載されている。確かに、この加熱硬化型接着シートをマットのゴム面の修繕に使用する場合には、このシート1枚だけで修繕できると云う長所を有する。しかし、この加熱硬化型接着シートは、ゴムと接着剤を混練している為、熱プレス後に修繕面が非常に硬化する特質がある。従って、自動車や家電製品、スチール家具等の金属製品への接着はよいが、マットのゴム面への修理には硬すぎる為、踏みつけられれば亀裂が生じたり、割れる惧れがある。また、弾力がないのでゴム面に違和感が生じるという欠点があった。更に、この加熱硬化型接着シートは、加熱処理前に粘着性を示し、加熱処理で硬化して強固な接着力を発揮するエポキシ系樹脂のシートであり、初期粘着性を有するため、加熱処理前の作業工程時に、作業員が取り扱い難く、塵埃等が付着しやすいという欠点があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、マットの修繕において、研磨工程や接着剤塗布工程を必要とせず、作業効率を向上させたマットの修繕方法及びそれに用いる修繕用のシートとプレス装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、マットのゴム面のキズを修繕する方法であり、未加硫ゴムシートと接着シートを積層した積層シートを用意し、前記積層シートから前記キズを被覆するサイズに切り出だされた修繕用シート片を使用し、又は前記積層シートそのものを修繕用シート片として使用し、前記修繕用シート片の接着シートが前記キズを被覆して当接するように前記修繕用シート片を前記マットのゴム面に配置したマットシート積層体を形成し、加熱押圧部と受圧部を有するプレス装置の前記加熱押圧部に前記修繕用シート片が対向するように前記マットシート積層体を前記加熱押圧部と前記受圧部の間に配置し、前記加熱押圧部を所定温度に加熱して所定時間だけ前記受圧部に押圧することにより前記接着シートを介して前記未加硫ゴムシートを前記キズのあるゴム面に加熱接着させるマットの修繕方法である。
本発明の第2の形態は、修繕される前記ゴム面が多数の凸点を形成したエンボス面であるとき、前記加熱押圧部の押圧面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置し、前記加熱押圧部の押圧時に、前記エンボスシートが前記未加硫ゴムシートを押圧し、未加硫ゴムシートの表面に多数の凸点を形成するエンボス加工を施すマットの修繕方法である。
本発明の第3の形態は、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層し、前記加熱押圧部の押圧時に、前記未加硫ゴムシートに対する押圧力を全面で均一化させるマットの修繕方法である。
本発明の第4の形態は、前記受圧面に積層された前記圧力分散シートの上面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置するマットの修繕方法である。
本発明の第5の形態は、前記加熱押圧部周辺から前記受圧部の方へ光照射して前記加熱押圧部による加熱押圧領域に相当する光領域を形成し、前記光領域の内部に前記修繕用シート片を位置させて、前記加熱押圧部に前記修繕用シート片が対向するようにしたマットの修繕方法である。
本発明の第6の形態は、マットのゴム面のキズを修繕するために使用されるシートで、同形の未加硫ゴムシートと接着シートをそれらの輪郭が上下に一致するように積層された積層シートであり、前記積層シートから前記キズを被覆するサイズの修繕用シート片を切り出し可能に形成されている積層シートである。
本発明の第7の形態は、前記積層シートの未加硫ゴムシート面にゴム剥離シートを積層し、前記積層シートの接着シート面に接着剥離シートを積層した積層シートである。
本発明の第8の形態は、加熱押圧部と受圧部を有するプレス装置であり、前記加熱押圧部の押圧面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層したプレス装置である。
本発明の第9の形態は、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層したプレス装置である。
本発明の第10の形態は、前記圧力分散シートの上面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置するプレス装置である。
本発明の第11の形態は、前記加熱押圧部の周辺に前記受圧部の方に光照射する光源を配置したプレス装置である。
本発明の第1の形態によれば、未加硫ゴムシートと接着シートを積層した積層シートを使用するから、従来分離されていた接着剤塗布工程と未加硫ゴムシート貼着工程が一体となっており、接着剤塗布工程を省くことができ、作業効率を向上させることができる。また、未加硫ゴムシートと接着シートの輪郭が完全に一致した状態で相互に密着しており、未加硫ゴムシートと接着シートが一体化されている為、従来よりも未加硫ゴムシートの接合強度を向上させると共に、修繕箇所を秀麗に仕上げることができ、優れた耐久性を付与することができる。更に、前記積層シートから前記キズを被覆するサイズに切り出だされた修繕用シート片を使用することができ、また大きなキズに対しては、前記積層シートそのものを修繕用シート片として使用することができるから、あらゆるキズの大きさに対し、前記積層シートで対応することができる。しかも、前記修繕用シート片の接着シート面が、キズを被覆するように、前記修繕用シート片を前記マットのゴム面に配置したマットシート積層体を形成するから、プレス装置にマットシート積層体を配置する場合に、取り扱い易い利点がある。
更に、修繕用シートを熱プレスしても、ゴム面の上面には、熱プレスされた未加硫ゴムシートが存在し、この未加硫ゴムシート面はゴムとしての弾力性を有しているから、床面に当接状に設置された場合にでも、弾力性を有し、足で踏まれてもその弾力性により破断せず、修理箇所の耐久性を増大できる。
本発明の第2の形態によれば、修繕される前記ゴム面が多数の凸点を形成したエンボス面であるとき、前記加熱押圧部の押圧面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置できる。このエンボスシートは、エンボス加工された樹脂シートが利用でき、例えば、テフロン(登録商標)シート等から形成される。前記加熱押圧部の押圧時(熱プレス時)に、前記エンボスシートが前記未加硫ゴムシートを押圧し、前記未加硫ゴムシートの表面に多数の凸点を形成するエンボス加工を施すことができる。従って、未加硫ゴムシートのエンボス面が周囲のゴム面のエンボス面と模様パターンが共通し、修繕面を秀麗に仕上げることができる。また、前記未加硫ゴムシート面をエンボス加工することにより、マットが床面へ載置された時、エンボス面が滑り止めとなり、マットがずれ難いという技術的効果がある。
本発明の第3の形態によれば、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層し、前記加熱押圧部の押圧時に、前記未加硫ゴムシートに対する押圧力を全面で均一化することができる。つまり、前記未加硫ゴムシートの全面が、均一に押圧され、前記ゴム面に対して未加硫ゴムシートを均一に貼着することができ、剥がれ難く、耐久性に優れた修繕を行うことができる。圧力分散シートとしては、柔軟性があり、柔らかい弾性素材のものが優れており、例えば、フェルト、タオル地、パイル地、スポンジ体などが利用できる。
本発明の第4の形態によれば、前記受圧面に積層された前記圧力分散シートの上面に多数の凸点を突設したエンボスシートが積層配置されているから、パイルが形成されていないマットの周縁部の修繕において、修繕面をエンボス加工する際に、その裏面も同時にエンボス加工することが可能になる。
本発明の第5の形態によれば、前記加熱押圧部周辺から前記受圧部の方へ光照射して前記加熱押圧部による加熱押圧領域に相当する光領域を形成し、この光領域の内部に前記修繕用シート片を目視により簡単に位置させることができる。つまり、前記加熱押圧部に前記修繕用シート片を正しい位置関係で対向させることができるから、前記光領域内に前記修繕用シート片を容易且つ確実に配置することができる。即ち、前記光領域内にマットシート積層体の前記修繕用シート片を配置することができ、前記修繕用シート片の位置を正確に調整し、作業者が熱プレスする際にプレス位置がずれることを防止することができる。
本発明の第6の形態によれば、マットのゴム面のキズを修繕するために使用されるシートで、同形の未加硫ゴムシートと接着シートをそれらの輪郭が上下に一致するように積層された積層シートであり、前記積層シートから前記キズを被覆するサイズの修繕用シート片を任意サイズで切り出すことが可能であり、修繕の際に接着剤塗布工程を不要とする効果がある。また、接着シート面がキズを覆うように修繕用シート片を貼り付けるだけで、簡単にマットを修繕することができる。しかも、未加硫ゴムシートに同形の接着シートが輪郭一致で過不足無く積層されているから、修繕面を秀麗に仕上げることができる。更に、前記積層シートは、大きなキズに対して、そのままの大きさで貼り付けてもよく、キズの大きさに合わせて前記積層シートから前記キズを被覆するサイズの修繕用シート片を切り出して使用することもできる。
また、第1形態と同様に、この積層シートは未加硫ゴムシートと接着シートの2層シートであり、キズのあるマットゴム面に接合されたとき、未加硫ゴムシート面が表面側に存在し、マットを床面に設置するときには、未加硫ゴムシート面が床面に接地するように配置されるから、床面に対し未加硫ゴムシートが弾力層として作用する。従って、マットに力が作用しても、未加硫ゴムシートの弾力性によって破断することが無く、耐久性に優れた積層シートを提供できる。
本発明の第7の形態によれば、前記積層シートの未加硫ゴムシート面にゴム剥離シートを積層し、前記積層シートの接着シート面に接着剥離シートを積層しているから、キズに前記積層シートを貼着する直前に、剥離シートを剥がせばよく、生ゴム面及び接着面に塵埃などが付着するのを防止することができる。
本発明の第8の形態によれば、加熱押圧部と受圧部を有するプレス装置であり、前記加熱押圧部の押圧面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層しているから、前記未加硫ゴムシート面をプレスする際、前記未加硫ゴムシート面をエンボス加工することができる。従って、未加硫ゴムシートのエンボス面が周囲のゴム面のエンボス面と模様パターンが共通し、修繕面を秀麗に仕上げることができる。また、前記未加硫ゴムシート面をエンボス加工することにより、マットが床面へ載置された時、エンボス面が滑り止めとなり、マットがずれ難いという技術的効果がある。更に、押圧後に加熱押圧部を上昇させると、エンボスシート面と未加硫ゴムシート面との密着性が低いため、エンボスシート面が未加硫ゴムシート面から容易に分離できる。
本発明の第9の形態によれば、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層しているから、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層することにより、プレスする際にマットの修繕面の全面に圧力を均一に分散することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記圧力分散シートの上面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置しているから、特にマットの周縁部の修繕に際して、エンボス加工を同時に施すことができる。
本発明の第11の形態によれば、前記加熱押圧部の周辺に前記受圧部の方に光照射する光源を配置しているから、前記加熱押圧部による加熱押圧領域に相当する光領域を形成できるので、前記光領域の内部に前記修繕用シート片を容易に配置でき、前記修繕用シート片の位置を正確に調整することができる。
図1は、本発明に係るマットの修繕方法に使用される積層シートの製造工程図である。 図2は、本発明に係るマットの修繕方法において、ゴム面のキズを被覆する修繕用シート片のサイズを決める概略説明図である。 図3は、本発明に係るマットの修繕方法において、積層シートから修繕用シート片を切り出す工程図である。 図4は、本発明に係るマットの修繕方法において、マットシート積層体をプレス装置の加熱押圧部と受圧部の間に配置する配置説明図である。 図5は、本発明に係るマットの修繕方法において、加熱押圧部を受圧部に加熱しながら押圧して、修繕されたマットを得る押圧工程図である。 図6は、本発明に係るマットの修繕方法において、加熱押圧部の周辺に光源を配置して加熱押圧領域に相当する光領域を形成する概念図である。 図7は、従来技術である特許文献1(特開2001−239209)のマット修繕方法を示す従来説明図である。 図8は、従来技術である特許文献2(特開2007−144798)のマット修繕方法を示す従来説明図である。
以下に、本発明に係るマットゴム面の修繕方法、それに使用される積層シート及びプレス装置の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るマットの修繕方法に使用される積層シートの製造工程図である。以下では、製造工程順に説明する。(1A)は、未加硫ゴムシート2と接着シート6の説明図であり、第1の工程では、未加硫ゴムシート2の上面に剥離可能なゴム剥離シート4を積層して未加硫ゴムシート積層体3を形成し、接着シート6の下面に剥離可能な接着剥離シート8を積層して接着シート積層体7を形成する。ゴム剥離シート4と接着剥離シート8は、未加硫ゴムシート2と接着シート6の表面にゴミ等が付着するのを防止する。接着シート6には、ポリエステル系ポリウレタン樹脂からなる可塑性ポリウレタンシートを使用している。可塑性ポリウレタンシートは、加熱すれば粘着性が発現するが、常温では粘着性がない為、作業時に作業員が取り扱い易く、塵埃等の付着を防ぐことができる。また、ポリウレタンシートは透明であるため未加硫ゴムシート2と積層したときに透視できる利点を有し、無臭であるため取り扱い易い。軟化温度は130℃を中心に材質によって分布するが、比重は1.2程度であるから軽量で取扱容易である。
(1B)は、未加硫ゴムシート積層体3と接着シート積層体7を積層した剥離シート付の積層シート10の説明図である。第2の工程では、未加硫ゴムシート積層体3と接着シート積層体7を積層する場合に、未加硫ゴムシート面2aと接着シート面6aが接合するように積層される。その結果、未加硫ゴムシート2と接着シート6の2層からなる積層シート10aの上下面をゴム剥離シート4と接着剥離シート8で狭着した4層からなる積層シート10が形成される。ゴム剥離シート4及び接着剥離シート8を積層している理由は、未加硫ゴムシート2と接着シート6の表面にゴミや塵埃が付着するのを防止するためである。ゴム剥離シート4及び接着剥離シート8を剥がし、未加硫ゴムシート2及び接着シート6から成る積層シート10aの状態にして使用する。積層シート10は剥離シート付きの積層シートであり、積層シート10aは剥離シート無しの積層シートを意味する。
図2は、本発明に係るマットの修繕方法において、ゴム面のキズを被覆する修繕用シート片のサイズを決める概略説明図である。(2A)は、マット12の切断縁24にある角部25に生じたキズ28の発生具合を示す説明図である。柱22に添ってカットされたマット12の角部25に形成されたパンチ孔26から、キズ28が生じている。一般に、角部25が直角点に形成されると、その直角点から破断が生じ易いので、直角点にはパンチ孔26を穿孔して、破断が生じ難いようにしている。しかし、長期使用により、(2A)に示す様なキズ28が生じることがある。図のマット12は、パイル16が表面に設けられ、裏面であるゴム面14は全面が凸点18を伴ったエンボス面20に形成されている。このように、ゴム面14に多数の凸点18を突設している理由は、床面上にエンボス面20が当接すると、凸点18が床面に摩擦力を付与してマットが横ずれしない作用を有するからである。
(2B)は、キズ28を含む修繕を必要とする修繕領域を示す説明図であり、(2B)ではパイルの図示を省略している。キズ28とその周囲を取り囲む領域を修繕領域30とし、この修繕領域30に、図1の(1B)に示した剥離シート付の積層シート10を、修繕領域30のサイズに適合するように切り取って接着させる。
図3は、本発明に係るマットの修繕方法において、積層シートから修繕用シート片を切り出す工程図である。(3A)は、剥離シート付の積層シート10の説明図である。剥離シート付の積層シート10は、図2の(2B)に示された修繕領域30の大きさに合わせて、切出線31に沿って切り取られ、修繕用シート片32とする。また、キズ28の大きさが大領域の場合には、切り取らずに積層シート10自体を修繕用シート片32として使用することも可能である。
(3B)は剥離シート付の積層シート10から切り出された剥離シート付きの修繕用シート片32の説明図である。剥離シート付きの修繕用シート片32は、ゴム剥離シート4、未加硫ゴムシート2、接着シート6及び接着剥離シート8の4層構造から成る。ゴム剥離シート4と接着剥離シート8により未加硫ゴムシート2と接着シート6の表面には塵やゴミが付着しないから、修繕直前まで保存・保管することが可能になる。
(3C)は、剥離シート付きの修繕用シート片32からゴム剥離シート4及び接着剥離シート8を剥がした剥離シート無しの修繕用シート片32aの説明図である。修繕の直前に修繕用シート片32からゴム剥離シート4と接着剥離シート8を剥がして、剥離シート無しの修繕用シート片32aの状態にし、図2の(2B)に示した修繕領域30に、修繕用シート片32aの接着シート6側を下面にして、接着させて使用する。
図4は、本発明に係るマットの修繕方法において、マットシート積層体をプレス装置の加熱押圧部と受圧部の間に配置する配置説明図である。マットシート積層体34は、マット12と修繕用シート片32aを積層して構成され、マット12のパイル16は下面側に配置され、マット12の上面側にあるゴム面14にはエンボス構造が形成されている。プレス装置40は、加熱押圧部42を支持する台座部47と、加熱押圧部42の押圧時の圧力を受ける受圧部44から構成される。マット12のゴム面14に生じたキズ28は、上方から、修繕用シート片32aが、キズ28を覆うように配置される。修繕用シート片32aは、接着シート6を下方に、未加硫ゴムシート2を上方にして配置する。
マットシート積層体34が加熱押圧部42により受圧部44の方へ押圧されるとき、接着シート6がゴム面14に加熱接着されて未加硫ゴムシート2がゴム面14に強力に接合される様に配置されている。加熱押圧部42の表面には、凸点48aを全面に形成したエンボスシート48が配置されている。加熱押圧部42の押圧時に、エンボスシート48が前記未加硫ゴムシート2の未加硫ゴムシート面2aに圧接され、未加硫ゴムシート面2aに多数の凸点を形成するエンボス加工を施すことができる。受圧部44の上側に圧力分散シート50が配置され、この圧力分散シート50は、プレス時に、マットシート積層体34に対して均一に分散した圧力を印加し、積層シート32aの全面をゴム面14に均一に圧接することができる。圧力分散シート50の上側には、凸点52aが形成されたエンボスシート52が配置されている。エンボス加工されていないマット12のマット端部の修繕を行う際には、前記熱プレスにより、マット12のマット端部にエンボス加工が施される。このエンボスシート52の上側に、前記マット12が配置されている。
台座部47の台座下面47aの左右に配設された光源46,46からゴム面14に光線46a,46aが照射され、ゴム面14に光領域54を形成する。この光領域54の内部中央に修繕用シート片32aを配置すると、図2(2B)で説明した修繕領域30が自動的に光領域54の中央位置に配置されるようになる。このように、マットシート積層体34が配置されれば、加熱押圧部42により修繕用シート片32aが均一な押圧力により確実に加熱押圧されることができる。
図5は、本発明に係るマットの修繕方法において、加熱押圧部を受圧部に加熱しながら押圧して、修繕されたマットを得る押圧工程図である。(5A)は、加熱押圧部42を受圧部44の方へ押圧して、マット12のキズ28の修繕を実現する工程図である。加熱押圧部42により、修繕用シート片32aが上方から受圧部44の方へプレスされ、その圧力により、修繕用シート片32aの接着シート6がマット12のゴム面14に加熱圧着される。この際、加熱温度は180℃〜200℃であり、圧着時間は3〜5分間である。接着シート6は、ポリウレタン樹脂を使用したシートであるから、加熱の際に粘着性を発現して、ゴム面14へ接着される。ゴム面14への接着後は、接着シート6がゴム面14と接着された状態で冷却され、冷却と共に、接着シート6はゴム面14に、一体化されて硬化する。同時に、未加硫ゴムシート2をゴム面14に接着固定することができる。マットシート積層体34が、冷却されると、修繕が完了し、未加硫ゴムシート2がゴム面14を保護する状態になる。また、圧力分散シート50により、プレス時に生じる圧力を均一に分散するので、修繕用シート片32aは、偏ることなく、ゴム面14に対しプレスされ貼着される。
(5B)は、修繕後にプレス装置から取り出された修繕完了後のマットの説明図である。キズ28に接着シート6及び未加硫ゴムシート2が上方から接着固定されている。未加硫ゴムシート2は、圧接時の加圧及び加熱により、その未加硫ゴムシート面2aが、多数の凸点2bを形成されたエンボス面2cに加工され、マット12のゴム面14と接着一体化されている。換言すれば、加熱押圧部42に配置されたエンボスシート48を未加硫ゴムシート面2aにプレスすることにより、未加硫ゴムシート面2aは、エンボス面2cに形成される。
図6は、本発明に係るマットの修繕方法において、加熱押圧部の周辺に光源を配置して加熱押圧領域に相当する光領域を形成する概念図である。4個の光源46は、台座47の台座下面47aに配置され、これらの光源46により、修繕領域30が示されたマット12のゴム面14の上方から、修繕領域30を均等に取り囲む様に光線46aが照射され、光領域54が区画形成される。台座下面47aに配置された光源46は、加熱押圧部42の側方を囲む様に配置されているから、加熱押圧部42は、光源46が形成する光領域54のほぼ全面を押圧し、修繕領域30を光領域54の中央に位置させれば、修繕領域30を確実に押圧することができる。光領域54は、目視することが可能である為、作業員が眼でプレス位置を正確に素早く把握することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明の修繕方法によれば、未加硫ゴムシートと接着シートを重ねた積層シートからキズに合わせたサイズの修繕用シート片を自在に切り出して、キズに簡単に加熱接着でき、極めて容易且つ迅速にマットゴム面の修繕を行うことができる。従って、レンタルマット及び売り切りマットに関し、マットに耐久性と超寿命性を付与できる修繕方法が可能になる。また、マット関連の産業界においては、マット製造業、マット販売業、マットレンタル業、マット修理業などの発展に寄与することができる。
2 未加硫ゴムシート
2a 未加硫ゴムシート面
2b 凸点
2c エンボス面
3 未加硫ゴムシート積層体
4 ゴム剥離シート
6 接着シート
6a 接着シート面
7 接着シート積層体
8 接着剥離シート
10 積層シート
10a 積層シート
12 マット
14 ゴム面
16 パイル
18 凸点
20 エンボス面
22 柱
24 切断縁
25 角部
26 パンチ孔
28 キズ
30 修繕領域
31 切り出し線
32 剥離シート付きの修繕用シート片
32a 修繕用シート片
34 マットシート積層体
40 プレス装置
42 加熱押圧部
44 受圧部
46 光源
46a 光線
47 台座
47a 台座下面
48 エンボスシート
48a 凸点
50 圧力分散シート
52 エンボスシート
52a 凸点
54 光領域
56 加熱押圧領域
101 マット
102 ゴム板部材
104 固体接着剤
105 修理用ゴムシート
121 クラック
131 パイル
203 マット基材
205 基材本体部
207 接着剤
222 パイル
261 破れ
271 塗布部
281 未加硫ゴムシート

Claims (3)

  1. マットのゴム面のキズを修繕する方法であり、未加硫ゴムシートと接着シートを積層した積層シートを用意し、前記積層シートから前記キズを被覆するサイズに切り出された修繕用シート片を使用し、又は前記積層シートそのものを修繕用シート片として使用し、前記修繕用シート片の接着シートが前記キズを被覆して当接するように前記修繕用シート片を前記マットのゴム面に配置したマットシート積層体を形成し、加熱押圧部と受圧部を有するプレス装置の前記加熱押圧部に前記修繕用シート片が対向するように前記マットシート積層体を前記加熱押圧部と前記受圧部の間に配置し、前記受圧部の受圧面に圧力分散シートを積層し、前記加熱押圧部の押圧時に、前記未加硫ゴムシートに対する押圧力を全面で均一化させ、前記圧力分散シートの上面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置し、前記加熱押圧部を所定温度に加熱して所定時間だけ前記受圧部に押圧することにより前記接着シートを介して前記未加硫ゴムシートを前記キズのあるゴム面に加熱接着させることを特徴とするマットゴム面の修繕方法。
  2. 修繕される前記ゴム面が多数の凸点を形成したエンボス面であるとき、前記加熱押圧部の押圧面に多数の凸点を突設したエンボスシートを積層配置し、前記加熱押圧部の押圧時に、前記エンボスシートが前記未加硫ゴムシートを押圧し、前記未加硫ゴムシートの表面に多数の凸点を形成するエンボス加工を施す請求項1に記載のマットゴム面の修繕方法。
  3. 前記加熱押圧部周辺から前記受圧部の方へ光照射して前記加熱押圧部による加熱押圧領域に相当する光領域を形成し、前記光領域の内部に前記修繕用シート片を位置させて、前記加熱押圧部に前記修繕用シート片が対向するようにした請求項1又は2に記載のマットゴム面の修繕方法。
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