JP2002113775A - 凹凸シートの製造方法 - Google Patents

凹凸シートの製造方法

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JP2002113775A
JP2002113775A JP2000306981A JP2000306981A JP2002113775A JP 2002113775 A JP2002113775 A JP 2002113775A JP 2000306981 A JP2000306981 A JP 2000306981A JP 2000306981 A JP2000306981 A JP 2000306981A JP 2002113775 A JP2002113775 A JP 2002113775A
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Masaru Okamoto
優 岡本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なエンボス版を使用することなく、また
表裏の凹凸の位置ズレを生じることのない凹凸シートの
製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂の基材シート11を加熱軟
化せしめるとともに、所定の断面形状の貫通孔hを多数
穿設してなる薄板を少なくとも一方に用いた一対のエン
ボス版12の間で挟んで加圧し、軟化した基材シート1
1の表面における前記貫通孔hに位置した部分を該貫通
孔h内の自由空間に膨出せしめて突起状となし、次い
で、基材シート11を突起部も含めて冷却固化せしめ、
しかる後に、一対のエンボス版12を離型せしめる。製
版工程で作製するような高価なエンボス版を使用しなく
ても、賦形の位置合わせ、突起部の鏡面性が可能なこと
から、凸レンズをシートに所定の2次元的配列で埋め込
んだ凹凸シートの製造が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一方の
面に微細凹凸を有する樹脂製シートの製造方法に係り、
特に投射型映写スクリーン等の各種集光レンズに用いる
蠅目レンズ等の複眼レンズシートに利用される凹凸シー
トの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の凹凸シートの製造方法と
して、熱可塑性樹脂からなる基材シートを使用し、その
シートにエンボス加工を施すことで、両面もしくは片面
に凹凸を形成する方法が知られている。具体的には、図
1(A)に示すように、熱可塑性樹脂からなる基材シー
ト1の両側に、金属板の表面に所望形状の凹陥部を多数
配列形成してなる一対のエンボス版2を対向させ、しか
る後、図1(B)に示すように、上下一対の加熱加圧盤
3によりエンボス版2を基材シート1の両面に押圧し、
熱圧をかけることで基材シート1の両面に凹凸を形成
し、冷却した後で加熱加圧盤3とエンボス版2とを開放
して脱型することによって凹凸シートを製造する方法で
ある。
【0003】上記の方法によれば、図2(A)に示す如
く両面に突起部aを有する凹凸シートSが製造できる。
また、上記方法で使用したエンボス版2のうちの一方の
みを平坦な鏡面板に置き換えると、図2(B)に示す如
く片面のみに突起部aを有する凹凸シートSが得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた凹
凸シートの製造方法で使用するエンボス版は製版工程で
作製している。したがって、エンボス版の製造コストが
高いという欠点がある。また、シートに形成される凹凸
形状はエンボス版の表面粗さの影響を受けることにな
る。この時、エンボス版の凸部(シート凹部)は製版段
階で研磨やメッキが可能であるため、鏡面に近い状態が
可能であるが、肝心のエンボス版の凹部(シート凸部)
の表面は、製版段階で腐蝕や機械加工で形成するため、
鏡面を得ることが難しい。したがって、凹凸シートを蠅
目レンズ等の光学部品として使用する場合には、十分な
光学機能が得られないことが起こりやすい。
【0005】また、両面凹凸シートの場合、凹凸形状が
数μm〜数百μm程度の微細な寸法になると、2枚のエ
ンボス版を載置するときの基材シートとの位置合わせ
(見当合わせ)が難しくなり、図3に示す如き、両面の
突起部aが見当ズレを起こした凹凸シートSとなる。こ
のため、両面の凹凸形状の位置合わせが重要な製品には
不向きな方法である。
【0006】本発明は、このような背景に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、高価なエンボ
ス版を使用することなく、また表裏の凹凸の位置ズレを
生じることのない凹凸シートの製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の凹凸シートの製造方法は、熱可塑性樹脂
の基材シートを加熱軟化せしめるとともに、所定の断面
形状の貫通孔を多数穿設してなる薄板を少なくとも一方
に用いた一対のエンボス版の間で挟んで加圧し、軟化し
た基材シートの表面における前記貫通孔に位置した部分
を該貫通孔内の自由空間に膨出せしめて突起状となし、
次いで、基材シートを突起部も含めて冷却固化せしめ、
しかる後に、一対のエンボス版を離型せしめることを特
徴としている。
【0008】そして、上記の製造方法において、基材シ
ートとして電離放射線硬化性の熱可塑性樹脂を用い、加
圧により基材シートの表面に突起部を形成してからエン
ボス版を離型するまでの間に、少なくとも貫通孔を通し
て突起部の樹脂に電離放射線を照射して、該樹脂を硬化
せしめるようにすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の凹凸シートは、熱可塑性
樹脂からなるものであり、凹凸シートを蠅目レンズ等の
複眼レンズとして用いる場合は、基材シートとして透明
なものを選択する。また、屈折率も適当なもの、通常
1.5程度のものを選ぶ。通常の熱可塑性樹脂は、隠蔽
性顔料などの特別な添加剤を添加しない場合は概ねこの
条件を満たす。下記に例示の樹脂もこの条件に合致す
る。
【0010】基材シートとして用いる熱可塑性樹脂とし
ては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)ア
クリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重
合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等
のアクリル樹脂(但し、ここで(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する)、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合
体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフ
ィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレー
ト共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂が用いられ
る。
【0011】基材シートとして用いる電離放射線硬化性
の熱可塑性樹脂としては、上記熱可塑性樹脂に、電離放
射線硬化性のプレポリマー(オリゴマーも概念として包
含する)又は単量体を混合したものが挙げられる。
【0012】電離放射線硬化性のプレポリマーとして
は、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基(ここで、(メタ)アクリロイル基とは
アクリロイル基又はメタクリロイル基という意味であ
る)等のラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマ
ー、不飽和ポリエステル樹脂、或いは分子中にカチオン
重合性不飽和基を有するプレポリマーが1種単独、或い
は2種以上を混合した組成物が用いられる。
【0013】分子中にラジカル重合不飽和基を有するプ
レポリマーの具体例としては、ポリエステル(メタ)ア
クリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレー
ト、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコン(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。また、分子中にカチ
オン重合性不飽和基を有するプレポリマーとしてはエポ
キシ樹脂が用いられる。
【0014】電離放射線硬化性の単量体としては、分子
中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオ
キシ基(ここで、(メタ)アクイロリル基とは、アクリ
ロイル基又はメタクリロイル基という意味である)等の
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体が用いられる。
【0015】分子中にラジカル重合性不飽和基を有する
単量体の具体例としては、ジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】或いは、これらのプレポリマー或いは単量
体のうちから選択した2種以上のものを併用して混合し
てもよい。
【0017】電離放射線としては、紫外線、可視光線、
X線等の電磁波、電子線等の荷電粒子線等が用いられる
が、通常は紫外線或いは電子線がよく用いられる。
【0018】電離放射線として、紫外線又は可視光線を
用いる場合は、上記の電離放射線硬化性樹脂中に光重合
開始剤を0.1〜10質量%程度添加する。
【0019】光重合開始剤としては、分子中にラジカル
重合性不飽和基を有する単量体又はプレポリマー或いは
不飽和ポリエステル樹脂の場合は、アセトフェノン、ベ
ンゾフェノン、チオキサントン、ベンゾエート等が用い
られる。また、分子中にカチオン重合性不飽和基を有す
るプレポリマーの場合は、芳香族スルホニウム塩、芳香
族ヨードニウム塩、メタロセン等が用いられる。
【0020】熱可塑性樹脂と電離放射線硬化性のプレポ
リマー(乃至はオリゴマー)及び/又は単量体との混合
比は、(熱可塑性樹脂/プレポリマー及び/又は単量
体)=1/9〜9/1(質量比)程度とする。
【0021】基材シートとして用いる電離放射線硬化性
の熱可塑性樹脂としては、上記したものの他に、上記の
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマー
を、室温で固体となるような高分子量としたものがあ
る。具体例としては、分子量10000程度以上とした
トリアジン(メタ)アクリレートプレポリマー、ウレタ
ン(メタ)アクリレートプレポリマー等が挙げられる。
【0022】これらの熱可塑性樹脂中には、必要に応じ
て、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、光拡散
剤、着色剤、可塑剤、酸化防止剤等の各種添加物を添加
することができる。
【0023】そして、これらの樹脂からなる基材シート
の厚みは、その用途、選択する加工方法にもよるが、通
常50〜1000μm程度である。
【0024】本発明の凹凸シートは、基材シートの片面
或いは両面に、多数の突起が平面内において所定の配列
で形成されてなるものである。突起の集合体を突起群と
呼称する。それぞれの突起は、エンボス版における貫通
孔内の自由空間へ向かって軟化状態で膨出した基材シー
トの樹脂によって形成されるものであるため、その表面
形状は表面張力を極小化した曲面乃至はそれに近似した
曲面となる。例えば、貫通孔の断面形状が円形の場合
は、突起の表面形状は半球形乃至はそれに近似した形と
なる。図4はその代表的な形状である半球形の突起aか
らなる突起群を片面に有する凹凸シートSの例を図示し
たものである。
【0025】本発明の凹凸シートを化粧シートとして用
いる場合は、必要に応じて、基材シートに装飾処理を施
す。装飾処理としては次の(1)〜(3)に挙げたもの
があり、これらを2種以上複合して施してもよい。
【0026】(1)基材シートへの着色剤の煉込み 着色剤としては、弁柄、カドミウムレッド、黄鉛、チタ
ンイエロー、群青、コバルトブルー、カーボンブラック
(墨)、鉄黒、チタン白、3酸化2アンチモン等の無機
顔料、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、イソイン
ドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、フタロシアニ
ンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料、アルミニ
ウム、真鍮等の金属の鱗片状箔粉からなる金属顔料、2
酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔粉から
なる真珠(パール)顔料等が単体、或いはこれらの2種
以上の混合物として用いられる。
【0027】(2)絵柄印刷層の形成 公知のインキを用いて公知の印刷方法により形成する。
インキとしては、バインダー樹脂中に、染料、顔料等の
着色剤、その他必要に応じて、体質顔料、可塑剤、界面
活性剤、酸化防止剤、溶剤等の添加剤を添加したものを
用いる。バインダー樹脂としては、セルロース(繊維
素)系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩素化ポリプロピ
レン、ポリアミド樹脂等の単体、或いはこれらの2種以
上の混合物を用いる。着色剤としては、前記着色剤の煉
込みのところで例示した公知の各種有機顔料或いは染料
等の中から適宜選択したものを用いる。
【0028】印刷方法は、グラビア印刷、オフセット印
刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、転写
印刷等の公知の印刷方法による。絵柄としては、木目
柄、石目柄、布目柄、砂目柄、タイル貼柄、煉瓦積柄、
文字、幾何学模様、全面ベタ、或いはこれらの組み合わ
せ等が用いられる。
【0029】(3)金属薄膜の形成 基材シート上に、真空蒸着、スパッタリング等の方法に
より、アルミニウム、クロム、真鍮、金、銀、銅等の金
属薄膜を形成する。金属薄膜は、全面に設けてもよい
し、模様状に部分的に設けてもよい。
【0030】本発明で使用するエンボス版は、鉄、炭素
綱、ステンレス綱、アルミニウム、ジュラルミン、銅、
青銅、チタニウム等の金属板で作製する。これら金属板
には、必要に応じて、表面に耐腐蝕性、平滑性、耐擦傷
性等を付与するために、クロムメッキ等の鍍金を施して
もよい。また、エンボス版は、金属板の他にセラミック
ス板で作製してもよい。
【0031】エンボス版の厚さは、突起部の形成に支障
のないように、基材シート上に形成すべき突起の高さ以
上の厚みとなるように設定することが必要である。その
他、エンボス加工機の形態や加工条件も考慮して適性な
る厚みを設定する。
【0032】平板プレス機(図6参照)でエンボス加工
する場合は、版が変形しないよう厚さ1〜10mm程度
の比較的厚い板とする。そして、この場合に使用するエ
ンボス版は枚葉の1枚板となる。また、エンドレスベル
ト版プレス機(図7参照)でエンボス加工する場合は、
エンドレス駆動できるだけの可撓性が必要となる。可撓
性に対する厚みの影響は、エンドレスベルト版の材料、
幅、長さ、曲がりの部分の曲率等によって変わるが、通
常2mm程度以下の厚みとする。
【0033】エンボス版で加熱加圧された基材シート
は、エンボス版における貫通孔以外の平坦部が押圧さ
れ、圧縮された分だけ貫通孔内の自由空間に膨出する。
そして、軟化した基材シート樹脂の表面張力、弾性、流
動性(粘性、メルトフローインデックス等で評価)、エ
ンボス版の圧力、貫通孔の形状、寸法等の条件の均衡す
る形状の突出部が形成される。
【0034】エンボス版に形成する貫通孔hの断面形状
(平面視形状)は、図5(A)のような円形(真円)、
図5(B)のような楕円形、図5(C)のような正方
形、図5(D)のような正六角形、図5(E)のような
正三角形、長方形(図示略)、五角形(図示略)等の各
種形状の中から用途に応じて選択する。
【0035】貫通孔の直径(多角形等の場合は外接円の
半径或いは対角線長で評価する)は、用途目的に応じた
値に適宜設計すればよいが、通常10〜1000μm程
度である。また、各貫通孔間の距離も各種用途目的に応
じて設計すればよいが、通常1〜1000μm程度であ
る。そして、貫通孔はエンボス成形した突起部が離型し
やすいように、基材シートから遠ざかるほど直径を漸次
減少させた逆テーパー形状とすることが好ましい。
【0036】貫通孔を穿設する方法としては、金型を用
いたプレス加工による打抜法、非貫通孔部分をレジスト
膜で被覆して塩化第2鉄水溶液等で腐蝕する方法、電子
線、炭酸ガスレーザー光線等のエネルギー線のビームに
よる穿孔、電鋳法等の公知の各種方法による。
【0037】基材シートから凹凸シートを作製するに際
しては、加熱軟化した基材シートを一対のエンボス版の
間に挟んで加圧し、エンボス版の貫通孔内の自由空間に
向かって膨出させ、突起部を形成(賦形)せしめる。そ
して、この状態で基材シートを冷却固化せしめ、賦形し
た突起部(複数存在するので突起群とも呼称する)を固
定する。
【0038】なお、基材シートの加熱軟化とエンボス版
の押圧とのタイミングは、平板プレス機(図6参照)の
場合は、一般に、先ずエンボス版の加圧を行い、しかる
後に加熱する方法が一般的である。一方、エンドレスベ
ルトプレス機(図7参照)の場合は、予め基材シートを
加熱軟化せしめ、しかる後に基材シートを加圧する方法
が一般的である。
【0039】基材シートの両面に突起部(突起群)を賦
形する場合には、図6や図7に示すように、基材シート
の表裏両面に貫通孔を穿設したエンボス版を押圧すれば
よい。また、基材シートの片面のみに突起部(突起群)
を賦形する場合には、表面或いは裏面のうちのいずれか
一方のエンボス版を貫通孔のない平滑な鏡面版とすれば
よい。
【0040】基材シートに電離放射線硬化性の熱可塑性
樹脂を用いた場合は、突起部が形成してから、適当なタ
イミングで電離放射線を照射して、基材シートの少なく
とも突起部を硬化せしめる。好ましくは、離型時の突起
形状の変形等の影響が生じないようにエンボス版を押圧
している状態の時に電離放射線を照射するとよい。
【0041】図6は凹凸シートの製造を平板プレス機に
より行う場合の一例を示す説明図であり、以下にこの図
面についてエンボス工程を説明する。
【0042】まず、図6(A)に示すように、上下一対
の加熱加圧盤13をそれぞれ油圧シリンダーのラム14
に接続して上下方向に駆動可能としたプレス機を用意す
る。これらの加熱加圧盤13の内部には加熱のための高
圧水蒸気を流通させる管と冷却のための冷水を流通させ
るための管とを埋設してある。そして、これらの管への
高圧水蒸気及び冷水の流通量を制御して加熱加圧盤13
を所望の温度に制御する。また、上側の加熱加圧盤13
の両側部には見当合わせ用挿入桿15が上下動可能に設
置されている。
【0043】両方の加熱加圧盤13が図6(A)に示す
如く開放した状態において、図示のように、基材シート
11及びこれを上下から挟持した形で一対の平板のエン
ボス版12を載置する。場合によっては、エンボス版1
2のさらに外側にスポンジ、ゴム板等のクッション材を
載置することもある。
【0044】次に、上下両エンボス版12の加熱加圧盤
13より外側の部分において、見当合わせ用挿入桿15
を上下両エンボス版12の合わせ孔kを貫通するように
挿入せしめる。そうすることによって、上下両エンボス
版12の対向する貫通孔hの位置が合致する(見当が合
う)ように調節する。
【0045】次いで、図6(B)に示す如く、上下の油
圧シリンダーのラム14を前進させて、両エンボス版1
2及び基材シート11を加圧する。そして、上下の加熱
加圧盤13内に高圧水蒸気を流通せしめて、基材シート
11の軟化温度以上でかつ熔融温度(乃至は融点)以下
となるように加熱する。この時の具体的な加熱温度は、
もちろん樹脂によっても異なるが、前記した一群の樹脂
であれば概ね150〜200℃程度である。この段階で
軟化した基材シート11の樹脂は、貫通孔hの自由空間
に向かって(外方に向かって)膨出する。この時の加圧
の圧力も樹脂の種類、エンボス版12の貫通孔hの形状
と寸法、加熱条件等に応じて変わってくるが、通常は1
〜10kg/cm2 程度である。
【0046】続いて、上下の加熱加圧盤13内に冷却水
を流通せしめて基材シート11の軟化温度未満にまで冷
却し、基材シート11を固化せしめる。しかる後に、油
圧シリンダーのラム14を後退させ、上下の加熱加圧盤
13を開放し、そして見当合わせ用挿入桿15を合わせ
孔kから外し、上下一対のエンボス版12を離型せしめ
る。かくして本発明の凹凸シートが得られる。
【0047】図7は凹凸シートの製造をエンドレスベル
トプレス機により行う場合の一例を示す説明図であり、
以下この図面について説明する。
【0048】使用するエンドレスベルトプレス機は、図
示のように、基材シート21の流れ方向に沿って、給紙
装置A、予熱装置B及びエンボス装置Cがこの順に設置
された構成になっている。
【0049】給紙装置Aには、連続帯状の基材シート2
1を巻き取ってなる給紙巻取ロール22を回転自在に載
置する。図示は略すが、給紙装置Aには給紙巻取ロール
22の紙管を回転可能に把持する巻取チャック、巻取チ
ャックを回転駆動する電動機等の動力源、動力制御機構
等を有する。
【0050】予熱装置Bは、水蒸気加熱、誘導加熱等で
加熱された金属製の予熱ロール23からなる。給紙巻取
ロール22から繰り出され、一対のガイドローラ24を
経由してきた基材シート21は、押圧ローラ25及び剥
離ローラ26によって予熱ロール23の上に接触させら
れて熱伝導により基材シート21を軟化温度程度に予熱
する。
【0051】エンボス装置Cは、エンドレスベルト状
(無限軌道状)の上下一対のエンボス版27とこれを循
環駆動せしめる駆動ローラ28、電動機等の駆動ローラ
28の動力源(図示略)からなり、さらにエンドレスベ
ルト状のエンボス版27の内部には基材シート21を軟
化温度以上でかつ熔融温度(乃至は融点)以下の温度に
加熱するための赤外線輻射ヒーター29、エンボス版2
7を上下から押圧するための加圧ローラ30、高圧水銀
燈等の電離放射線照射器31を備えている。
【0052】この構成からなるエンドレスベルトプレス
機によるエンボス工程は次のようである。まず、給紙巻
取ロール22から繰り出した基材シート21をガイドロ
ーラ24を通して搬送し、押圧ローラ25によって基材
シート21を回転する予熱ロール23に巻き付けること
で接触加熱せしめる。そして、基材シート21を軟化温
度程度にまで加熱してから、剥離ローラ26により基材
シート21を予熱ロール23から剥離する。その後、搬
送された基材シート21は、エンボス装置Cに搬入され
る。基材シート21の搬送速度は、通常1〜20m/分
程度である。なお、基材シートの予熱が不要の場合は、
予熱ロール23の温度は室温とすればよい。
【0053】エンボス装置Cでは、基材シート21をそ
の上下両方向からエンドレスベルト状のエンボス版27
で押圧し、かつその状態で搬送方向に移動せしめる。そ
して、エンボス装置Cの内部で、赤外線輻射ヒーター2
9により基材シート21を熔融温度(乃至は融点)程度
にまで加熱し、加圧ローラ30によって上下両方向から
エンボス版27を基材シート21に押圧する。そうする
ことにより、軟化した基材シート21の樹脂がエンボス
版27の貫通孔h(但し、図7では図示略)内の自由空
間に向かって膨出し、突起部が形成される。この時の基
材シート21の加熱温度、加圧の圧力は、平版プレス機
の場合とほぼ同様な範囲となる。また、突起部の形成と
平行して、加圧ローラ30により吸熱されて基材シート
21は冷却固化せしめられる。次いで、エンボス装置C
の内部に配設された電離放射線照射器31により、上下
両方向から電離放射線を照射して突起部を硬化せしめ
る。
【0054】そして、エンボス装置Cから基材シート2
1を排出する。斯くして、基材シートの表裏両面に突起
部aからなる突起群が賦形された凹凸シートを得るもの
である。
【0055】
【発明の効果】請求項1に記載の発明である凹凸シート
の製造方法は、熱可塑性樹脂の基材シートを加熱軟化せ
しめるとともに、所定の断面形状の貫通孔を多数穿設し
てなる薄板を少なくとも一方に用いた一対のエンボス版
の間で挟んで加圧し、軟化した基材シートの表面におけ
る前記貫通孔に位置した部分を該貫通孔内の自由空間に
膨出せしめて突起状となし、次いで、基材シートを突起
部も含めて冷却固化せしめ、しかる後に、一対のエンボ
ス版を離型せしめることを特徴としているので、製版工
程で作製するような高価なエンボス版を使用しなくて
も、賦形の位置合わせができ、また突起部の鏡面化が可
能なことから、微小凸レンズ群をシートに所定の2次元
的配列で埋め込んだ凹凸シートの製造が可能になる。
【0056】請求項2に記載の発明である凹凸シートの
製造方法は、請求項1に記載の凹凸シートの製造方法に
おいて、基材シートとして電離放射線硬化性の熱可塑性
樹脂を用い、加圧により基材シートの表面に突起部を形
成してからエンボス版を離型するまでの間に、少なくと
も貫通孔を通して突起部の樹脂に電離放射線を照射し
て、該樹脂を硬化せしめることを特徴としているので、
凹凸シートをさらに曲げ加工などする場合でも、硬化し
た突起部の変形は少なく、凹部の変形によって曲化する
ことが可能となる。。つまり、突起部の形状はそのまま
に、曲面状の凹凸シートの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凹凸シートの従来の製造方法を示す説明図であ
る。
【図2】従来の製造方法で製造された凹凸シートの側面
図である。
【図3】突起部の見当ズレを起こした凹凸シートの側面
図である。
【図4】本発明で製造される凹凸シートの代表例を示す
一部破断図である。
【図5】エンボス版に形成する貫通孔の断面形状を例示
した説明図である。
【図6】凹凸シートの製造を平板プレス機により行う場
合の一例を示す説明図である。
【図7】凹凸シートの製造をエンドレスベルトプレス機
により行う場合の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
S 凹凸シート a 突起部 h 貫通孔 11 基材シート 12 エンボス版 13 加熱加圧盤 14 ラム 15 見当合わせ用挿入桿 21 基材シート 22 給紙巻取ロール 23 予熱ロール 24 ガイドローラ 25 押圧ローラ 26 剥離ローラ 27 エンボス版 28 駆動ローラ 29 赤外線輻射ヒーター 30 加圧ローラ 31 電離放射線照射器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の基材シートを加熱軟化せ
    しめるとともに、所定の断面形状の貫通孔を多数穿設し
    てなる薄板を少なくとも一方に用いた一対のエンボス版
    の間で挟んで加圧し、軟化した基材シートの表面におけ
    る前記貫通孔に位置した部分を該貫通孔内の自由空間に
    膨出せしめて突起状となし、次いで、基材シートを突起
    部も含めて冷却固化せしめ、しかる後に、一対のエンボ
    ス版を離型せしめることを特徴とする凹凸シートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の凹凸シートの製造方法
    において、基材シートとして電離放射線硬化性の熱可塑
    性樹脂を用い、加圧により基材シートの表面に突起部を
    形成してからエンボス版を離型するまでの間に、少なく
    とも貫通孔を通して突起部の樹脂に電離放射線を照射し
    て、該樹脂を硬化せしめることを特徴とする凹凸シート
    の製造方法。
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