JPH06305066A - 光指向性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

光指向性フィルム及びその製造方法

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JPH06305066A
JPH06305066A JP5120441A JP12044193A JPH06305066A JP H06305066 A JPH06305066 A JP H06305066A JP 5120441 A JP5120441 A JP 5120441A JP 12044193 A JP12044193 A JP 12044193A JP H06305066 A JPH06305066 A JP H06305066A
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film
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ionizing radiation
light
linear
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Fumihiro Arakawa
文裕 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光指向性フィルムの生産性を改善し、性能に優
れ、且つ安価な光指向性フィルムを提供する。 【構成】透明な基材フィルム1の上に、表面に線状の凹
凸模様を設けた電離放射線硬化型化合物による成形体フ
ィルム2を積層し、その凹部の垂直に立つ面には、光吸
収体の塗膜3が設けられており、更に、その凹部に電離
放射線硬化型樹脂2′を充填して、表面を平滑にした構
成。尚、必要があれば、その上に保護用の透明フィルム
4を積層してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムに対して浅い
角度で入射する光のみを選択的に遮断する光指向性フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光指向性フィルムは、従来より、光線−
平行化プラスチックフィルム、光制御フィルム、光線コ
ントロールフィルム、或いはルーバーフィルムとして知
られ、公知のものである。このようなフィルムは全て透
明樹脂中に不透明なルーバーを設けた構成を採ってい
る。
【0003】そして、このようなフィルムの製造方法と
しては、米国特許第Re.27,617号〔オルセン
(Olsen)〕で比較的低い光学密度を有するプラス
チックと比較的高い光学密度を有するプラスチックが交
互に重なった層のビレットを薄く剥ぐことによって指向
フィルムを作る方法が開示されている。この他にも、米
国特許第3,198,860号、ベルギー特許第55
9,15号、日本特許特公昭62−38142号、日本
特許特開平4−232719号が知られているが、いず
れもビレットからフィルムを削成する方法に関する特許
である。
【0004】しかし、これらビレットからフィルムを削
成する製造方法には、種々の問題点がある。第一に、ビ
レットを形成すること自体コストと時間のかかる作業で
あること。第二に、削成した表面が不規則表面になり、
光の透過性を損なうため表面を光学的に平滑にする処理
(例えば加熱してプレスする等)や保護フィルムの積層
等の処置が必要となること。第三に、ビレットから一定
の厚みの薄いフィルムをできるだけ広い幅で且つ長尺に
得ることは非常な困難を伴う作業であること等である。
【0005】また、日本特許特開平2−97904では
多数の溝を機械加工で作った金型を使用して透明樹脂を
圧縮成形し、多数の溝を有する透明フィルムを作成した
後、その溝の内部を吸光性にすることにより光指向フィ
ルムを製造する方法が開示されているが、この方法で
も、金型の溝の加工精度と圧縮成形の精度の点から溝が
大きなものになってしまい、必要以上に吸光性が大きく
なってしまうとか、また、圧縮成形加工では溝の側面を
垂直に立てることが困難であり、そのために光の指向性
が減少するなどの欠点がある。
【0006】更に日本特許特開平3−31804および
特開平2−63001では針状体を透明樹脂中に垂直な
いしは平行に配置してなる光指向性フィルムを提案して
いるが、針状体を完全に連続したルーバーとして配置す
ることは困難である。
【0007】一方、基材上に凹凸パターンを形成する有
効な方法として、例えば、Photo Polymerization法(2
P法)と言うのが知られている。これは、凹凸形状パタ
ーンの形成された金型上に、例えば光硬化性化合物を滴
下し、その上に透明な基材を重ねて圧着した後、基材側
から紫外線等の電離放射線を照射して、光硬化性化合物
を硬化させ、一体化した光硬化樹脂と基材とを金型から
剥離して、金型の凹凸形状に対応する成形体を複製する
方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な公知の光指向性フィルムの欠点を改善し、生産性が良
く、且つ、性能に優れた光指向性フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、鋭意
研究を行った結果、例えば、所定のピッチで線状の凹凸
を表面に設けた金型を使用して、その金型表面の凹凸の
垂直方向に立つ壁面に光吸収体組成物を塗布しておき、
この凹凸面に電離放射線硬化型化合物を滴下し、更に、
その上に基材とする透明なフィルムを重ねて圧着した
後、透明フィルム側から紫外線を照射して硬化させ、そ
の後、硬化一体化した電離放射線硬化型化合物成形体と
基材フィルムを金型から剥離することにより、金型に塗
布しておいた光吸収体組成物を成形体側に転移させ得る
ことを見いだし、この技術の応用により本発明の完成に
至ったものである。
【0010】即ち、本請求項1の発明は、透明な基材フ
ィルム上に、表面に微細な線状の凹凸形状を設けた電離
放射線硬化型樹脂の成形体フィルムを積層した積層フィ
ルムにおいて、該凹凸形状の垂直方向に立つ面には光吸
収体の塗膜が設けられ、更に、その凹凸形状の凹部には
前記電離放射線硬化型樹脂が充填されて表面が平滑にさ
れていることを特徴とする光指向性フィルムからなる。
【0011】そして、本請求項2の発明は、前記電離放
射線硬化型樹脂がN−ビニル−2−ピロリドン、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレートまたはテトラヒドロフル
フリルメタアクリレートの重合物からなることを特徴と
する請求項1記載の光指向性フィルムである。
【0012】また、本請求項3の発明は、前記透明な基
材フィルムがポリカーボネートフィルムであることを特
徴とする請求項1及び2記載の光指向性フィルムからな
る。
【0013】次に、本請求項4の発明は、所望の幅とピ
ッチで線状の凹凸を表面に設けた金型において、その凹
部の垂直に立つ壁面以外の面にはテフロンコーティング
を施し、また、垂直に立つ壁面は電気の導通性を有し、
該壁面に電着により光吸収体組成物を塗布した金型を用
いて、電離放射線硬化型化合物をその金型に充填し、そ
の上に透明な基材フィルムを重ねて圧着、硬化させた
後、光吸収体と一体化した電離放射線硬化型樹脂成形体
積層フィルムを金型から剥離し、次に、その積層フィル
ムの凹部に、再度電離放射線硬化型化合物を充填し、硬
化させ、表面を平滑にすることを特徴とする光指向性フ
ィルムの製造方法からなる。
【0014】そして、本請求項5の発明は、所望の幅と
ピッチで配列した線状パターンの穴をあけた所望の厚さ
の金属板を金型とし、その線状の穴の垂直に立つ面に光
吸収体の塗膜を設け、電離放射線硬化型化合物を塗布し
た透明な基材フィルムの上にこの金型を重ね、更に、そ
の金型の穴部に前記電離放射線硬化型化合物を充填し、
硬化させた後、金型と基材フィルムを剥がして、線状パ
ターンの凹凸部の垂直に立つ面に光吸収体が転移した電
離放射線硬化型樹脂成形体積層フィルムを作成し、更
に、この積層フィルムの線状パターンの凹部に電離放射
線硬化型化合物を充填し、硬化させて表面を平滑にする
ことを特徴とする光指向性フィルムの製造方法からな
る。
【0015】また、本請求項6の発明は、請求項5の発
明の製造方法において、その金型がフォトリソグラフィ
ー法によるエッチングにより線状パターンの穴を設けた
薄い金属板の積層体で形成され、その積層が、熱融着に
より行われていることを特徴とする請求項5記載の光指
向性フィルムの製造方法からなっている。
【0016】次に、図面を用いて本発明を更に詳細に説
明する。図1は、本発明の光指向性フィルムの一実施例
の構成を示す模式断面図である。即ち、本発明の光指向
性フィルムは、透明な基材フィルム1の上に、表面に微
細な線状の凹凸を設けた電離放射線硬化型樹脂2の成形
体フィルムを積層した積層フィルムにおいて、その凹凸
形状の垂直方向に立つ面には光吸収体3の塗膜が設けら
れ、更に、その凹凸形状の凹部には電離放射線硬化型樹
脂2′が充填されて表面が平滑にされた構成であって、
必要な場合には、その上に保護用の透明フィルム4を積
層してもよい。
【0017】図2の(a)〜(g)は、本発明の光指向
性フィルムの製造方法、例えば、請求項4の発明に対応
する製造方法の主要部分の手順を示す半製品模式断面図
である。(a)は所望の幅とピッチで線状の凹凸を表面
に設けた金型5において、その凹部の垂直に立つ壁面以
外の面にはテフロンコーティングが施してあり、また、
垂直に立つ壁面は電気の導通性を有し、該壁面に電着に
より光吸収体3の塗膜を付けた状態を示し、(b)は、
前記金型の凹凸面に電離放射線硬化型化合物6を滴下し
た状態を示している。尚、金型5の光吸収体の塗膜を付
ける面には離型性の点からニッケルメッキを施してもよ
い。
【0018】次に、(c)は、滴下した電離放射線硬化
型化合物6の上に透明な基材フィルム1を重ねた状態を
示し、(d)は基材フィルムを金型に圧着し、基材フィ
ルム側から紫外線照射7を行い、前記電離放射線硬化型
化合物を硬化させている状態を示す。そして、(e)
は、硬化後、基材フィルムに積層された電離放射線硬化
型樹脂成形体2を金型から剥離した状態であり、この
時、光吸収体3は電離放射線硬化型樹脂成形体との接着
力が金型面との接着力よりも強いため、電離放射線硬化
型樹脂成形体凹凸面の垂直に立つ面に転移し、一体化さ
れる。
【0019】(f)は、(e)で得た積層フィルムの凹
凸面を平滑にするために、別の透明フィルム4の上に電
離放射線硬化型化合物6を滴下し、前記凹凸面に重ねた
状態を示している。そして、(g)は、(f)で重ねた
フィルムを圧着し、透明フィルム4側から紫外線照射7
を行い、前記電離放射線硬化型化合物を硬化させ、凹凸
部を埋めている状態を示している。尚、図(g)におい
て、透明フィルム4は保護用フィルムとして、そのまゝ
積層してもよいが、不要の場合は離型フィルム等を使用
して除くことができる。また、図(f)、(g)は実際
の工程では上下を逆にして、積層フィルムを下に置いて
(凹凸面は上に向ける)、その凹凸面に電離放射線硬化
型化合物を滴下する方法を採ってもよい。
【0020】次に、本発明の光指向性フィルムの製造に
使用する材料と加工方法について追加説明する。先ず、
透明な基材フィルムとしては、各種プラスチックの透明
フィルムが使用できるが、光指向性フィルムの特性から
見て透明度が最も重要であり、その他、用途に関連して
硬さ、耐衝撃性などを加味すると、透明なポリカーボネ
ートフィルムが価格も比較的安く適している。また、基
材フィルムの反対側の面に保護用として透明フィルムを
積層する場合にも、やはりポリカーボネートフィルムを
使用するのが好ましい。
【0021】本発明に用いる電離放射線硬化型化合物と
しては、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレートまたはテトラヒドロフルフリルメ
タアクリレートの中から選定して使用することが好まし
い。尚、実際に使用する場合には、塗布および硬化等の
加工適性を良くするため、これらのモノマーに限らず、
オリゴマーであってもよいし、モノマーとオリゴマーの
混合物であってもよい。また、硬化手段として電子線を
用いる場合はこのままでよいが、紫外線を用いる場合に
は公知の光重合開始剤や光増感剤を添加して電離放射線
硬化型化合物を構成すればよい。
【0022】光重合開始剤は、一般に市販されている公
知のものでよく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミ
ロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファ
イド、チオキサントン類等があり、これに光増感剤とし
てn−ブチルアミン、トリエチルアミン等を混合して用
いてもよい。
【0023】また、紫外線照射装置は、超高圧水銀灯を
光源とする公知の装置が使用でき、特に限定はされな
い。
【0024】次に、光吸収体の材料であるが、これは基
本的には光吸収染料もしくは光吸収顔料とバインダーで
構成されるが、コーティング等の加工適性を付与するた
め、これに溶剤等を添加して溶液状にしたものを使用す
る。また、光吸収染料もしくは光吸収顔料としては、通
常、黒色系の染料もしくは顔料を使用するのが一般的で
ある。また、電着用インキとしては、例えばアクリル系
樹脂をバインダーとし、カーボンブラック等の顔料を添
加したアニオン性電着インキ等が使用できる。
【0025】尚、金型については、請求項4、5、6に
記載した通りであるが、例えば、請求項4の製造方法に
おいて、図2には、金型に線状の凹凸をそれぞれ矩形状
に設け、その凹部の垂直に立つ両側の壁面に光吸収体の
塗膜を付けた形状を示した。只、この形状の場合、電離
放射線硬化型化合物を金型内で硬化後、金型から剥がす
際、型離れがやゝ悪い傾向がある。従って、凹部の形状
は、垂直に立つ壁面は一方のみとし、その下端からなだ
らかな傾斜で底面を立ち上がらせた形状でもよく、その
形状は自由である。
【0026】また、請求項5に記載の製造方法では、金
型として、光吸収体の高さに相当する厚さの金属板を、
所望の線幅のラインパターンでエッチングして穴を開け
たものを用いており、請求項6に記載の製造方法の金型
は、薄い金属板を所望の線幅のラインパターンでエッチ
ングし、穴を開けたものを熱融着により所望の厚さに積
層したものを用いている。そして、それぞれの金型にお
いて、光吸収体が塗布される凹部の垂直に立つ面は、適
度な離型性が必要でありニッケルメッキを施すことが好
ましく、その他の面には、より高い離型性を持たせるた
めテフロンコーティングを施している。
【0027】
【作用】本発明の光指向性フィルムは、透明な基材フィ
ルム上に、表面に微細な線状の凹凸模様を設けた電離放
射線硬化型化合物による成形体フィルムを積層し、その
凹部の垂直に立つ面には、光吸収体の塗膜が設けられて
おり、更に、その凹部に電離放射線硬化型樹脂を充填し
て、表面を平滑にした構成を採っている。このため、光
吸収体の幅を数μm迄薄くでき、且つ、高さも金型の深
さにより大きくできるため、高さ/幅の比を大きくで
き、可視範囲(可視角度)を絞った光指向性に優れたフ
ィルムが得られる。
【0026】また、透明な基材フィルムや保護用の透明
フィルムに、ポリカーボネートフィルムを採用し、ま
た、電離放射線硬化型樹脂としてN−ビニル−2−ピロ
リドン、テトラヒドロフルフリルアクリレートまたはテ
トラヒドロフルフリルメタアクリレートの重合物を採用
することにより、透明度、硬さ、耐衝撃性、耐熱性等の
性能も優れた光指向性フィルムとなる。
【0027】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明する。 (実施例1)透明な基材フィルムとして、厚さ200μ
mのポリカーボネートフィルム(ユーピロンフィルム:
三菱瓦斯化学株式会社製)を使用し、金型には、厚さ5
0μmの金属板に線幅180μmの細線を400μmの
ピッチで配列したパターンでエッチングにより穴を開
け、同じものを4枚穴の位置を合わせて熱融着により積
層し、厚さ200μm積層体とした。この金属板積層体
の線状の穴の側面にはニッケルメッキを施し、その他の
面にはテフロン加工を施したものを用いた。
【0028】次に、この金型を光吸収体用インキである
2液硬化タイプのポリエステルウレタン樹脂(硬化剤は
イソシアネート)をバインダーとする墨インキ(ALF
A991墨:ザ・インクテック社製)にディッピング
し、引き上げた後、金型の両表面のインキのみをドクタ
ーナイフで掻き落として乾燥した。このようにして線状
の穴の側面に光吸収体として、膜厚が略20μmの墨イ
ンキの付いた金型を得た。
【0029】この金型を、下記の組成の電離放射線硬化
型化合物を塗布した透明な基材フィルムの上に重ね、更
に、その上から金型の穴部が埋まるように前記電離放射
線硬化型化合物を滴下し、その上に離型フィルムを重ね
てプレス機で圧着した後、透明な基材フィルム側から紫
外線を照射して硬化させた。硬化後に離型フィルムを剥
がし、更に、金型と樹脂を剥離させて、透明な基材フィ
ルム上に線幅180μmで、ピッチ400μm、高さ2
00μmの線状凹凸パターンが形成された積層フィルム
を得た。尚、この凹凸パターンの垂直に立つ各面には光
吸収体となる墨インキが金型から転移し、膜厚略20μ
mで積層され一体化していた。
【0030】 電離放射線硬化型化合物組成(単位:重量部) オリゴエステルアクリレート 50部 〔アロニックスN−8030 東亞合成(株)製〕 反応性アクリレートモノマー 47部 〔アロニックスM−815 東亞合成(株)製〕 光重合開始剤 ベンゾフェノン 3部 合計 100部
【0031】次に、前記の工程で得た線状凹凸パターン
を有する積層フィルムの凹凸面の光吸収体の間の溝に、
強度を確保し、且つ、光学的に表面を平滑にするため、
前記と同じ電離放射線硬化型化合物を充填し、保護用と
して厚さ100μmのポリカーボネートフィルムを重ね
て圧着し、その上から紫外線を照射し硬化させることに
より本発明の光指向性フィルムを得た。
【0032】この光指向性フィルムは、厚さ200μm
と100μmのポリカーボネートフィルムの間に厚さ略
200μmの透明な電離放射線硬化型樹脂の層を有し、
その透明樹脂層の中に膜厚略20μm、高さ200μm
の光吸収体が垂直方向に200μmのピッチで配列され
た形態である。
【0033】
【発明の効果】本発明の光指向性フィルムは、以上に説
明したように、透明な基材フィルム上に、線状の凹凸パ
ターンを有し、且つ、その凹凸の垂直に立つ面には光吸
収体の塗膜が金型より転移、一体化して設けられた電離
放射線硬化型樹脂成形体フィルムが積層され、更に、そ
の線状の凹部を電離放射線硬化型化合物で埋めて、硬化
し、表面を平滑にした構成である。そして、製造方法と
して、Photo Polymerization法を利用しており、光吸収
体用インキをディッピングとか電着により金型の所定部
分に予め塗布しておき、これを成形体に転移させる方法
を採っている。
【0034】従って、光吸収体の厚さを数μm迄薄くで
き、高さやピッチも金型により比較的自由に設定できる
ため、光吸収体の高さ/幅の比を大きくでき、光指向性
に優れたフィルムが得られると共に、可視範囲(可視角
度)の調節も容易に行える効果がある。また、基材フィ
ルムや保護用透明フィルムとしてポリカーボネートフィ
ルムを使用し、電離放射線硬化型樹脂としてN−ビニル
−2−ピロリドン、テトラヒドロフルフリルアクリレー
トまたはテトラヒドロフルフリルメタアクリレートの重
合物を用いることにより、透明性、硬さ、耐衝撃性、耐
熱性等の性能にも優れた光指向性フィルムを容易に得ら
れる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光指向性フィルムの一実施例
の構成を示す模式断面図である。
【図2】図2の(a)〜(g)は、本発明の光指向性フ
ィルムの製造方法の主要部分の手順を示す半製品の模式
断面図である。
【符号の説明】
1 透明な基材フィルム 2、2′電離放射線硬化型樹脂 3 光吸収体 4 透明フィルム(保護用) 5 線状の凹凸を設けた金型 6 電離放射線硬化型化合物 7 紫外線照射

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な基材フィルム上に、表面に微細な線
    状の凹凸形状を設けた電離放射線硬化型樹脂の成形体フ
    ィルムを積層した積層フィルムにおいて、該凹凸形状の
    垂直方向に立つ面には光吸収体の塗膜が設けられ、更
    に、その凹凸形状の凹部には前記電離放射線硬化型樹脂
    が充填されて表面が平滑にされていることを特徴とする
    光指向性フィルム。
  2. 【請求項2】前記電離放射線硬化型樹脂がN−ビニル−
    2−ピロリドン、テトラヒドロフルフリルアクリレート
    またはテトラヒドロフルフリルメタアクリレートの重合
    物からなることを特徴とする請求項1記載の光指向性フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】前記透明な基材フィルムがポリカーボネー
    トフィルムであることを特徴とする請求項1および2記
    載の光指向性フィルム。
  4. 【請求項4】所望の幅とピッチで線状の凹凸を表面に設
    けた金型において、その凹部の垂直に立つ壁面以外の面
    にはテフロンコーティングが施してあり、また、垂直に
    立つ壁面は電気の導通性を有し、該壁面に電着により光
    吸収体組成物を塗布した金型を用いて、電離放射線硬化
    型化合物をその金型に充填し、その上に透明な基材フィ
    ルムを重ねて圧着、硬化させた後、光吸収体と一体化し
    た電離放射線硬化型樹脂成形体積層フィルムを金型から
    剥離し、次に、その積層フィルムの凹部に、再度電離放
    射線硬化型化合物を充填し、硬化させ、表面を平滑にし
    たことを特徴とする光指向性フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】所望の幅とピッチで配列した線状パターン
    の穴をあけた所望の厚さの金属板を金型とし、その線状
    の穴の垂直に立つ面に光吸収体の塗膜を設け、電離放射
    線硬化型化合物を塗布した透明な基材フィルムの上にこ
    の金型を重ね、更に、その金型の穴部に前記電離放射線
    硬化型化合物を充填し、硬化させた後、金型と基材フィ
    ルムを剥がして、線状パターンの凹凸部の垂直に立つ面
    に光吸収体が転移した電離放射線硬化型樹脂成形体積層
    フィルムを作成し、更に、この積層フィルムの線状パタ
    ーンの凹部に電離放射線硬化型化合物を充填し、硬化さ
    せて表面を平滑にすることを特徴とする光指向性フィル
    ムの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の製造方法において、その金
    型がフォトリソグラフィー法によるエッチングにより線
    状パターンの穴を設けた薄い金属板の積層体であって、
    その積層が熱融着によりなされていることを特徴とする
    請求項5記載の光指向性フィルムの製造方法。
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