JP3083380B2 - 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂化粧板の製造方法

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JP3083380B2
JP3083380B2 JP03336271A JP33627191A JP3083380B2 JP 3083380 B2 JP3083380 B2 JP 3083380B2 JP 03336271 A JP03336271 A JP 03336271A JP 33627191 A JP33627191 A JP 33627191A JP 3083380 B2 JP3083380 B2 JP 3083380B2
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正史 豊泉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば家具,弱電機器
用キャビネットの表面材,壁面,床面等の化粧に利用さ
れる熱硬化性樹脂化粧板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱成形性能の無い熱硬化性樹脂化
粧板において、該化粧板の表面に凹凸模様を形成する方
法としては、未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸あるいは
塗布されている熱硬化性樹脂化粧板用素材の上に凹凸表
面の賦形用フィルムを重ね合わせた状態で、熱硬化性樹
脂化粧板用素材における熱硬化性樹脂を硬化させると共
に、賦形用フィルムにおける凹凸を化粧板の表面に転写
し、さらに賦形用フィルム剥離する方法が利用されてい
る。
【0003】かかる熱硬化性樹脂化粧板の製造に利用さ
れる賦形用フィルムとしては、例えば、特公昭38−2
2733号公報や特開平3−7341号公報等にみられ
るように、加熱,軟化している熱可塑性樹脂フィルムの
表面にエンボス版を押圧させて得られる凹凸面を有する
熱可塑性樹脂フィルムや、特公平1−17849号公報
にみられるように、表面に凹凸を有する原稿を利用し、
この原稿の表面にシリコン樹脂液を流し込んでこれを硬
化させた後、硬化したシリコン樹脂を離型して第1の型
取りを行ない、さらに、この第1の型取りによって得ら
れた型に対して熱硬化性樹脂液を流し込み、これを硬化
させて離型することにより第2の型取りを行ない、この
第2の型取りによって得られた型に対して熱硬化性樹脂
液を流し込み、これを硬化させて離型することにより第
3の型取りを行なう・・・・というようにして、熱硬化性樹
脂液の流し込みを適当な回数に亙って繰り返す、すなわ
ち、硬化工程と離型工程とを交互に繰り返すことによっ
て得られた凹凸面を有する熱硬化性樹脂フィルム等が知
られている。
【0004】なお、前者の凹凸面を有する熱可塑性樹脂
フィルムからなる賦形用フィルムは、メラミン樹脂化粧
板等を得る際の樹脂の硬化工程で利用する賦形用フィル
ムとして、また後者の凹凸面を有する熱硬化性樹脂フィ
ルム等による賦形用フィルムは、ポリエステル樹脂化粧
板を得る際の樹脂の硬化工程で利用する賦形用フィルム
として説明されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前述の凹凸
面を有する熱可塑性樹脂フィルムを賦形用フィルムとし
て利用する方法は、軟化させた熱可塑性樹脂フィルムを
短時間内にエンボス版に押し込んで得られた該賦形用フ
ィルムを使用するものであるため、エンボス版の凹凸の
再現性が悪く、特に木目板の木肌、周期及び深さが数十
μ以下の万線溝等による凹凸を完全に再現させることが
できない。
【0006】また、先の凹凸面を有する熱硬化性樹脂フ
ィルム等による賦形用フィルムは、熱硬化性樹脂液の流
し込み、熱硬化、離型等の工程の繰り返しによって得ら
れるものであるために、賦形用フィルムの製造に数時間
〜2,3日を要し、その製造効率が悪く、しかも該賦形
用フィルムの原版がシリコン樹脂版からなるものである
ことから、賦形用フィルムを得る際の熱硬化性樹脂液の
流し込み、熱硬化、離型の操作を繰り返すうちに、凹凸
の形状が崩れるだけでなく、原版が破損し易く、量産に
不都合である。さらにまた、この賦形用フィルムを利用
して得られた化粧板は、意匠,外観が単調で、例えば、
木目板等の天然物が具備している表面凹凸と色調とが一
体となっている外観を十分に再現させることができな
い。
【0007】これに対して本発明は、シャープで微細な
凹凸形状が忠実に再現される賦形用フィルムを利用する
熱硬化性樹脂化粧板の製造方法からなり、該賦形用フィ
ルムによって賦形されている凹凸表面に着色インキによ
る所謂ワイピング処理を行なうことにより、高品質,高
意匠特性を有する熱硬化性樹脂化粧板を、効率良く大量
生産し得る方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の熱硬化性樹脂化
粧板の製造方法は、以下に説明する第1工程〜第5工程
からなる。 (1) ロール凹版の少なくとも凹部に未硬化状態の電離放
射線硬化性樹脂を充填させた後、該ロールの表面にフィ
ルム基材を接当させ、フィルム基材がロール凹版の表面
に接触している間に、フィルム基材側及び/又は凹版の
内部側から電離放射線を照射し、凹版とフィルム基材と
の間に介在している前記電離放射線硬化性樹脂を硬化さ
せて該電離放射線硬化性樹脂とフィルム基材とを密接さ
せ、しかる後にフィルム基材を凹版から剥離することに
より、フィルム基材の表面に電離放射線硬化性樹脂によ
る離型性凹凸模様を形成した賦形用フィルムを得る第1
工程。
【0009】(2) 第1工程によって得られた賦形用フィ
ルムを、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸あるいは塗布
した熱硬化性樹脂化粧板用素材の上に、前記賦形用フィ
ルムの離型性凹凸模様面と熱硬化性樹脂化粧板用素材に
おける未硬化状態の熱硬化性樹脂とが接当するようにし
て重ね合わせる第2工程。
【0010】(3) 第2工程によって得られた重ね合わせ
体の熱硬化性樹脂を硬化させ、賦形用フィルムと熱硬化
性樹脂化粧板用素材とを積層させる第3工程。なお、本
第3工程においては、必要に応じて加熱,加圧を行なう
ことは勿論である。
【0011】(4) 第3工程によって得られた積層体から
賦形用フィルムを剥離し、賦形用フィルムにおける離型
性凹凸模様とその凹凸が逆形状の凹凸模様を表面に有す
る熱硬化性樹脂化粧板を得る第4工程。
【0012】(5) 第4工程によって得られた熱硬化性樹
脂化粧板の表面の全面に亙って着色インキを塗布した
後、該熱硬化性樹脂化粧板の表面の凸部に付着している
着色インキを掻き取ることにより、凹部内に着色インキ
層が充填されている熱硬化性樹脂化粧板を得る第5工
程。
【0013】前記第1工程の賦形用フィルムの製造工程
を、[図3]に基づいて説明する。
【0014】先ず塗布装置13を利用して、ロール凹版
10の少なくとも凹部11に未硬化状態の電離放射線硬
化性樹脂塗液12を充填した後、フィルム基材14とロ
ール凹版10の凹部11に充填させた樹脂とが接当する
ように、押圧ロール15を利用してフィルム基材14を
ロール凹版10に接触させる。なお、ロール凹版10の
凹部11に電離放射線硬化性樹脂12を充填させる方法
としては、[図3]に示されるようなTダイ状のノズル
塗布装置13を利用する方法や、ロールコート法、ナイ
フコート法等の塗布方法を利用し得る。
【0015】[図3]に示されるTダイ状のノズルによ
る塗布装置は、ノズルがロール凹版10に一定の幅で該
ロール凹版10の回転方向と直交する方向(幅方向)に
カーテン状に設けられ、電離放射線硬化性樹脂塗液を加
圧して吐出させ得る装置である。また、電離放射線硬化
性樹脂の吐出量の斑を防止したり、経時変化を緩和させ
たりするために、ノズルの途中に空洞16が形成されて
いる。
【0016】次いで、フィルム基材14がロール凹版1
0に接当している間、より具体的には[図3]におい
て、押圧ロール15と送りロール17との間に位置して
いる間に、電離放射線照射装置18による電離放射線を
照射し、ロール凹版10の凹部11内に充填されている
電離放射線硬化性樹脂19をフィルム基材14に密着さ
せる。
【0017】すなわち、先の電離放射線硬化性樹脂塗液
12が基材フィルム14とロール凹版10の凹部11と
の間の保持されている状態のときに、該電離放射線硬化
性樹脂塗液12を電離放射線によって硬化させる。この
ときの電離放射線硬化性樹脂塗液12の硬化の程度は、
該電離放射線硬化性樹脂塗液12が少なくとも流動性を
失い、しかも、フィルム基材14との密着性を生ずる程
度であればよい。
【0018】続いて、電離放射線照射装置18による照
射を終えた後に、フィルム基材14を凹版10から剥離
させ、電離放射線によって硬化樹脂層20がフィルム基
材14と一体となっている賦形用フィルム21を得る。
【0019】前記工程において、ロール凹版10には、
耐刷性、すなわち、ロール凹版における凹凸模様が、樹
脂液の硬化,離型の繰り返しによっても摩耗,破損等を
起こし難い性質と、電離放射線硬化性樹脂に対する離型
加工適性との点から、銅,鉄,クロム等の金属製による
ものが好ましい。
【0020】ロール凹版10における凹凸模様には、例
えば、各種の木目板の表面の木肌(微細な繊維束構造等
の微細凹凸),導管溝,年輪(秋材と春材との交互の積
層体)の断面模様、特に浮造調のもの(狭義の木目)等
を初め、御影石,トラバーチン等の石板の表面、織布,
編布,レザー等の表面等による天然物の表面の凹凸形状
を模写した形状や、万線状凹凸、金属板の表面の部分腐
食模様,ヘアライン加工,スピン加工等の人工の微細凹
凸形状等が利用される。
【0021】なお、万線状凹凸は、深さが1〜100μ
程度、好ましくは20μ以上からなり、1〜100μ好
ましくは30〜50μの周期の微細溝群からなるものが
好ましく、断面矩形状、断面U字型、さらには、断面V
字型等の形状により、{凹部の開口部の幅/凹部の深
さ}が1/5〜10程度に形成されているものが好都合
である。
【0022】この万線溝群は、例えば[図4]に示され
るように、閉曲線で区画された領域内の波状万線溝の走
行方向と、隣接する同じく閉曲線で区画された領域内の
波状万線溝の走行方向とが、互いに違方向となるように
して形成されているものや、[図5]〜[図6]に示さ
れるように、閉曲線で区画された領域内の直線状万線溝
の走行方向と、該領域と隣接している同じく閉曲線で区
画された領域内の直線状状万線溝の走行方向とが、互い
に違方向となるようにして形成されている閉領域モザイ
ク調をなすもの等を利用し得る。
【0023】なお、[図4]〜[図5]において、斜線
部は万線溝による凹部を、また、白抜き部は万線溝同士
の間の凸部を表現している。また、[図7]に示される
ような正弦波を初め、楕円関数、ベッセル関数、サイク
ロイド等の関数曲線、オッシロスコープで測定した音声
信号波形等の測定データ曲線等も利用することができ
る。
【0024】万線溝群における各万線溝同士の間の間
隔、振幅、周期あるいは位相等は均一であっても不均一
であってもよい。特にこの万線溝を利用した好ましい態
様は、例えば、[図7]のような波状万線の走行方向X
を木目(柾目または板目)模様印刷の走行方向と直交又
は斜交させて重ね、かつ、ワイピングインキとして、後
述の光輝性顔料を充填させるものであり、これにより特
に天然木が有する特有の光沢(照り)を良好に再現させ
ることができる。
【0025】凹版ロールの表面の凹部は、例えば、電
鋳,腐食,機械切削等を利用して形成し得る。なお、木
目板等の原稿の表面形状を凹版ロールの表面の凹部とし
て忠実に再現させる最適な方法は、原稿となる物体の表
面にシリコーン等の液状の樹脂を流し込み、硬化させた
後にこれを剥離して母型を作成し、この母型を元にして
金属メッキを行なう電鋳法がもっとも好適である。な
お、ロール凹版10の表面には、必要に応じてクロムメ
ッキが施される。
【0026】フィルム基材14としては、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル,ポリアミド,ポリ塩
化ビニル,ポリメタクル酸メチル等のアクリル系樹脂,
ポリカーボネート,ポリスチレン,弗素系樹脂,ポリプ
ロピレン,三酢酸セルロース,セロファン等によるプラ
スチックフィルム、銅,鉄,アルミニウム等の金属箔、
さらには紙等による単体、あるいはこれらのものの複合
体による10〜100μ程度、好ましくは、25〜50
μ程度のものを利用し得る。
【0027】なお賦形用フィルムを、メラミン化粧板の
成形の場合のように、高度の加熱,加圧下での成形に利
用する場合には、ポリエチレンテレフタレート,ポリア
リレート,ポリエーテルケトン,ポリイミド等の耐熱性
と強度とを兼備するフィルムをフィルム基材として利用
することが好ましい。
【0028】電離放射線硬化性樹脂塗液12には、紫外
線や電子線等の電離放射線によって硬化する従来公知の
樹脂が利用され、例えば、分子中に重合性不飽和結合又
はエポキシ基を有するプレポリマー,オリゴマー及び/
又は単量体を適度混合した組成物を利用し得る。
【0029】特に、賦形用フィルムをメラミン化粧板の
製造の場合のように高度の加熱,加圧を伴う化粧板の製
造に利用する場合には、耐熱性と高硬度との両者を満足
する樹脂層20を形成することが好ましく、例えば、ポ
リエステルアクリレート,エポキシアクリレート,シリ
コーンアクリレート,シロキサン等の多官能単量体を主
体とする高架橋密度型の樹脂を利用することが好都合で
ある。
【0030】また、微細かつ複雑な凹部11を有するロ
ール凹版10に対して、該凹部11の形状に対応する忠
実な凸部形状を有し、かつ、内部に気泡の混入等のない
完全な硬化樹脂層20が得られるようにするためには、
電離放射線硬化性樹脂12が凹部11に塗布される時点
で比較的低粘度(具体的には5000cps以下)のも
のを利用することが好ましく、単量体を主体とする組成
物とすることにより低粘度の塗布用樹脂にすることがで
きる。
【0031】しかしながら、電離放射線硬化性樹脂12
が凹部11へ塗布される時点での粘度や得られる硬化樹
脂層20の硬度等には、それぞれの適性範囲が存するた
め、単量体とプレポリマー(又はオリゴマー)との比率
や、単量体やプレポリマー(又はオリゴマー)の官能基
の数等は、賦形用フィルムの用途に応じて選択しなけれ
ばならない。
【0032】電離放射線硬化性樹脂12には、該電離放
射線硬化性樹脂12の流動性を制御する目的で、あるい
は、樹脂の選択幅を広くする目的で、さらには、塗布性
の調節を行なう等の目的で、溶剤希釈タイプの電離放射
線硬化性樹脂を利用することができるが、この場合には
符号22で表示される乾燥装置を利用することにより、
電離放射線が照射される前の電離放射線硬化性樹脂12
中の溶剤を乾燥するのが好ましく、乾燥装置12として
は、温風や赤外線ヒーター等を利用することができる。
なお、無溶剤タイプの電離放射線硬化性樹脂を利用する
場合には乾燥装置22は不要である。
【0033】また特に、電離放射線硬化性樹脂12に
は、熱硬化性樹脂化粧板の製造の際の賦形用フィルム2
1の離型性を向上させる目的で、例えば、蝋,ポリエチ
レンワックス等のワックス類,シリコーン,弗素樹脂等
による離型剤を1〜5重量%程度混入させることが好ま
しい。
【0034】電離放射線硬化型樹脂を紫外線の照射によ
って硬化させる場合には、例えば、アセトフェノン類,
ベンゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,
α・アミロキシムエステル,テトラメチルメウラムモノ
サルファイド,チオキサントン類等による光重合開始剤
と、必要に応じて添加される光増感剤、例えば、n−ブ
チルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホス
フィン等による光増感剤とが添加されることは勿論であ
る。
【0035】さらに、ロール凹版10から剥離させた後
の硬化樹脂層20を有するフィルム基材14に対して、
電離放射線照射装置23を利用して再度電離放射線を照
射することにより、電離放射線硬化性樹脂をより一層硬
化させることもできる。
【0036】電離放射線照射装置18や23ととして
は、例えば、超高圧水銀灯,高圧水銀灯,カーボンアー
ク,ブラックライトランプ,メタルハライドランプ等の
光源から照射される紫外線や、コックロフトワルトン
型,バンデグラフ型,共振変圧器型,絶縁コア変圧器
型,直線型,ダイナミトロン型,高周波型等の各種の電
子線加速器等の照射源から照射される電子線等を利用し
得る。
【0037】なお、電離放射線の照射は、フィルム基材
14が電離放射線透過性である場合には、通常、図示例
に示されるようにフィルム基材14側から行なわれる
が、ロール凹版10を石英やガラス等の電離放射線透過
性材料で形成することにより、ロール凹版10の内部側
からも照射することができ、さらには、フィルム基材1
4側とロール凹版10の内部側との両方から照射するこ
ともできる。
【0038】以上の第1工程によって得られた賦形用フ
ィルム21を熱硬化性樹脂化粧板用素材の上に重ね合わ
せる第2工程において、熱硬化性樹脂化粧板用素材とし
ては、基材に熱硬化性樹脂を塗布したものや含浸させた
ものを利用する。
【0039】本第2工程においては、熱硬化性樹脂化粧
板用素材における基材に塗布または含浸させた熱硬化性
樹脂は、完全には硬化していないことが必要である。す
なわち、熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂化粧板用素材の
上に賦形用フィルムを押圧することにより、あるいは場
合によってはさらに加熱することにより、賦形用フィル
ムの表面の凹凸が熱硬化性樹脂化粧板用素材の表面に十
分に転写され得る適度の流動性または熱可塑性を有して
いれば良く、半硬化状態であってもあるいは固体状態で
あってもよい。
【0040】熱硬化性樹脂化粧板用素材となる基材及び
熱硬化性樹脂には、従来の熱硬化性樹脂化粧板を得る際
に利用されているものをそのまま使用することができ
る。すなわち、酸化チタン等の隠蔽性顔料を混抄したチ
タン紙,薄紙,上質紙,和紙,不織布等の繊維質基材シ
ートに必要により絵柄印刷や金属蒸着層を部分的あるい
は全面に形成した基材に、不飽和ポリエステル樹脂,メ
ラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,グアナミン樹
脂,フェノール樹脂等による熱硬化性樹脂液を、例えば
250〜350g/m2 程度に塗布または含浸させたも
のが利用される。
【0041】なお、不飽和ポリエステル樹脂液を利用す
る場合には、該樹脂液中に、メチルエチルケトンパーオ
キサイド,ベンゾイルパーオキサイド,ハイドロパーオ
キサイド等の過酸化物やアゾビスイソブチルニトリルの
ようなラジカル重合開始剤等を0.5〜3.0重量%程
度添加し、また、必要に応じて、ナフテン酸コバルト等
によるコバルト化合物、バナジウム化合物、マンガン化
合物等による金属化合物、ジメチルアニリン等のアミン
系化合物等による重合促進剤を、0.1〜2.0重量%
程度添加させることは勿論である。さらに、該不飽和ポ
リエステル樹脂液には、形成される硬化樹脂の架橋密度
の調整や樹脂液の粘度の調整等の目的で、スチレンモノ
マー等によるビニル系化合物を樹脂液中の40重量%以
下の範囲で添加してもよい。
【0042】第2工程によって得られた重ね合わせ体に
おける熱硬化性樹脂を硬化させる第3工程は、通常、
上,下の熱盤の間で実施する。この第3工程において必
要に応じて施される加熱及び/又は加圧は、熱硬化性樹
脂化粧板用素材に利用した熱硬化性樹脂の種類や基材の
種類、及び、前述の賦形用フィルム、必要に応じて利用
されるコア紙,オーバーレイ紙等に応じて、適宜選択さ
れる。
【0043】例えば、ジアリルフタレート樹脂化粧板の
成形の場合には、板状基材の上にジアリルフタレート樹
脂化粧板用素材を順次積み重ね、その上に賦形用フィル
ムを接当し、140〜150℃,15kg/cm2 ,1
0分程度の加熱,加圧を行なう。また、メラミン樹脂化
粧板の成形の場合には、メラミン樹脂含浸コア紙を4枚
程重ねた上に、メラミン樹脂化粧板用素材を重ね合わ
せ、次いでその上に賦形用フィルムを接当し、これを2
枚の鏡面加工金属板の間に挟み、135℃,100kg
/cm2 ,20分間程度の加熱,加圧を行なう。
【0044】第4工程においては、先の第3工程によっ
て得られた積層体から賦形用フィルムを剥離し、賦形用
フィルムにおける離型性凹凸模様とその凹凸が逆形状の
凹凸模様が表面に転写されている熱硬化性樹脂化粧板を
得る。
【0045】第5工程は、第4工程によって得られた熱
硬化性樹脂化粧板の後処理工程であり、第4工程で得ら
れた熱硬化性樹脂化粧板の表面の全面に亙って着色イン
キを塗布した後、該熱硬化性樹脂化粧板の表面の凸部に
塗布されている着色インキを掻き取ることにより、熱硬
化性樹脂化粧板の表面の凹部内に着色インキ層を充填さ
せる。
【0046】第5工程において熱硬化性樹脂化粧板の表
面に適用する着色インキは、ベヒクルと着色顔料,艶消
し顔料,染料等とを含有するワイピングインキからなる
もので、原稿に忠実な色調を得るためには、原稿の凹部
の色彩と近似する色調や艶を有する着色インキを利用
し、また、単に表面の凹部を視角的に強調させるために
は、原稿の凹部の色調にはこだわることのない色調や艶
を有する着色インキを利用する。
【0047】前者の場合の着色インキは、例えば、木目
の導管溝を表現する黒褐色の艶消しインキやタイル目地
等を表現する灰色の艶消しインキ等であり、また、後者
の場合の着色インキは、例えば、万線溝による凹部に対
してパール顔料や金属粉末顔料を含有するインキ等であ
る。
【0048】第5工程で利用する着色インキのベヒクル
には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び電離放射線硬
化性樹脂等の中から適宜選択され、代表的なものは以下
に記載するようなものである。
【0049】熱可塑性樹脂 エチルセルロース,硝酸セルロース,エチルヒドロキシ
エチルセルロース,セルロースアセテートプロピオネー
ト,酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレ
ン,ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂及びス
チレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル,ポリメ
タクリル酸エチル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリ
ルブチル等のアクリルまたはメタクリル酸エステルの単
独または共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニ
ル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブチ
ラール樹脂等のビニル重合体、ロジン,ロジン変性マレ
イン酸樹脂,ロジン変性フェノール樹脂,重合ロジン等
のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂,ビニルトルエン
樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂等のその他の樹脂
等。
【0050】熱硬化性樹脂 メラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,フェノール樹
脂,尿素樹脂,グアナミン樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポシシ樹脂,アミノアルキッ
ド樹脂,メラミン・尿素共重合樹脂,珪素樹脂,ポリシ
ロキサン樹脂等からなり、必要に応じて、架橋剤,重合
開始剤,硬化剤,重合促進剤等が添加される。
【0051】電離放射線硬化性樹脂 分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/ 又は単量体等による混
合樹脂組成物が利用される。なお、前記プレポリマーや
オリゴマーの具体例は、不飽和ジカルボン酸と多価アル
コールとの縮合物等による不飽和ポリエステル類をはじ
め、ポリエステルメタクリレート,ポリエーテルメタク
リレート,ポリオールメタクリレート,メラミンメタク
リレート等によるメタクリレート類、ポリエステルアク
リレート,エポキシアクリレート,ウレタンアクリレー
ト,ポリエーテルアクリレート,ポリオールアクリレー
ト,メラミンアクリレート等によるアクリレート類等が
利用される。さらに、単量体の具体例は、スチレン,α
・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、アクリル
酸メチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル
酸メトキシエチル,アクリル酸ブトキシエチル,アクリ
ル酸ブチル,アクリル酸メトキシブチル,アクリル酸フ
ェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メ
タクリル酸メトキシエチル,メタクリル酸エトキシメチ
ル,メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸エステ
ル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エ
チル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル,アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミ
ノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルア
ミノ)メチル,アクリル酸−2−(N,N−ジエチルア
ミノ)プロピル等による不飽和酸の置換アミノアルコー
ルエステル類、アクリルアミド,メタクリルアミド等に
よる不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジア
クリレート,プロピレングリコールジアクリレート,ネ
オペンチルグリコールジアクリレート,1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート,ジエチレングリコールジア
クリレート,トリエチレングリコールジアクリレート等
のジアクリレート化合物、ジプロピレングリコールジア
クリレート,エチレングリコールアクリレート,プロピ
レングリコールジメタクリレート,ジエチレングリコー
ルジメタクリレート等による多官能性化合物、トリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート,トリメチロール
プロパントリチオプロピレート,ペンタエリスリトール
テトラチオグリコール等による分子中に2個以上のチオ
ール基を有するポリチオール化合物等である。
【0052】電離放射線硬化性樹脂によるビヒクルを利
用する場合には、通常、前述のプレポリマー又はオリゴ
マーの5〜95重量%と、単量体及び/又はポリチオー
ル化合物の95〜5重量%との混合組成物が利用され
る。さらに、この電離放射線硬化型樹脂を紫外線の照射
によって硬化させる場合には、例えば、アセトフェノン
類,ベンゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエー
ト,α・アミロキシムエステル,テトラメチルメウラム
モノサルファイド,チオキサントン類等による光重合開
始剤と、必要に応じて添加される光増感剤、例えば、n
−ブチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチル
ホスフィン等による光増感剤とが添加されることは勿論
である。
【0053】前述のベヒクルをなす樹脂に対して混合さ
れる着色顔料〜艶消し顔料には、粒径が0.1〜10μ
程度のものが利用される。また、着色インキとして光輝
性インキを利用する場合には、本発明方法によって得ら
れた熱硬化性樹脂化粧板の表面の凹部内に充填されてい
る着色インキ層に、化粧板に当たる光源の位置や化粧板
を見る人の位置によって着色インキ層の光沢が変化する
所謂「照り」が現出されるため、特異な意匠特性が得ら
れる。
【0054】この光輝性インキには、光輝性顔料、例え
ば、金属粉顔料,真珠光沢顔料(パール顔料)あるいは
光干渉性箔粉顔料等を含有するインキが利用され、例え
ば、アルミニウム粉,銅粉,真鍮粉等の金属粉、金属薄
片や金属蒸着合成樹脂フィルムの裁断片等による金属粉
顔料や、二酸化チタン被覆雲母,魚鱗箔,酸塩化ビスマ
ス等の真珠光沢や干渉光沢を有する真珠光沢顔料(パー
ル顔料)、さらには、例えば、ポリエステル樹脂層とア
クリル樹脂層との組み合わせのように、屈折率が互いに
相違する2種以上の樹脂層を数μ以下程度の厚さで多層
積層し、光の干渉による光彩色を生じさせたフィルム
(例えば、マール社製のマールフィルム)を裁断した箔
粉等による光干渉性箔粉顔料が利用される。
【0055】第4工程によって得られた熱硬化性樹脂化
粧板の表面に形成されている凹部内への着色インキ層の
充填は、熱硬化性樹脂化粧板の表面の全面に着色インキ
を塗布した後、該着色インキの掻き取りを熱硬化性樹脂
化粧板の任意の角度で行なうことによってなされる。な
お、第4工程によって得られた熱硬化性樹脂化粧板の表
面の全面への着色インキの塗布には、例えば、ロールコ
ートやナイフコート等を利用し得る。また、塗布された
着色インキの掻き取りは、ドクターブレードまたはワイ
ピングペーパー等で行なわれ、この着色インキの掻き取
りによって熱硬化性樹脂化粧板の表面の凹部内のみに着
色インキ層を充填させる。
【0056】なお、着色インキの掻き取り工程において
は、熱硬化性樹脂化粧板の表面の凹部内のみに着色イン
キ層が充填されて残るように、該着色インキの粘度,塗
布工程でのロールの回転数,掻き取り工程でのドクター
の角度,厚さ,熱硬化性樹脂化粧板の走行速度、ワイピ
ングペーパーのスピード,ゴムロールの硬度等を調整す
ることが必要である。また、着色インキとして、電離放
射線硬化性樹脂をビヒクルとするものを利用する場合に
は、掻き取り工程に続いて所定の電子線あるいは紫外線
の照射処理が行なわれ、また、熱硬化性樹脂をビヒクル
とするものを利用する場合には、熱硬化処理が施される
ことが勿論である。
【0057】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法に
おいては、前述のワイピング処理面に対してさらに所望
に応じて表面保護用の無色透明〜着色透明樹脂層からな
るトップコート層を形成し得る。この透明樹脂層は、例
えばポリ塩化ビニル,アクリル樹脂,エポキシ樹脂等、
さらには電離放射線硬化性樹脂等により、厚さ0.1〜
100μ程度に、例えば、ロールコート,ナイフコー
ト,エアナイフ等の塗布方法を利用して形成される。
【0058】
【作用】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法によれ
ば、原稿の表面の凹凸に極めて忠実な凹凸模様や繊細な
微細凹凸を賦形し得る。
【0059】またこの熱硬化性樹脂化粧板の製造方法に
おいては、第1工程での賦形用フィルムの生産速度が高
く、量産数量を大きくすることができるため、熱硬化性
樹脂化粧板の製造工程の全体を通して各工程を効率良く
実施することができ、大量生産が可能となる。
【0060】さらに、本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製
造方法においては、第5工程による熱硬化性樹脂化粧板
の表面の凹部内に着色インキ層を充填させる工程を有し
ているため、凹凸の形状が視角的に強調されるか、ある
いは原稿の凹凸により一層忠実な凹凸模様を熱硬化性樹
脂化粧板に具備させることができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方
法の具体的な構成を実施例に基づいて説明する。 実施例1 賦形用フィルムの製造 先の[図3]において、ロール凹版10として、銅メッ
キで型取りした後に表面にクロムメッキを施すことによ
って得られたロール凹版を利用した。なお、このロール
凹版10における凹部11は、電鋳法によって木目板の
表面から型取りして作成した木目導管溝によるものであ
る。また、フィルム基材14として、片面に易接着処理
を施した厚さ38μのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを、電離放射線硬化性樹脂12として、ウレタンア
クリレートの単量体とオリゴマーと光重合開始剤と3重
量%のシリコーンオイルとの組成物を、電離放射線照射
装置18として、オゾンを含有する高圧水銀灯からなる
紫外線照射用ランプをそれぞれ利用することにより、木
目導管溝に相当する凹部の形状が硬化樹脂層20として
形成されている賦形用フィルム21を得た。
【0062】熱硬化性樹脂化粧板の製造 [図1]において、メラミン含浸紙からなるバランス紙
2と、フェノール樹脂含浸紙からなるコア紙3と、メラ
ミン含浸紙からなるバランス紙4と、グラビア印刷によ
る木目模様が付されている100g/m2 のチタン紙に
メラミンを含浸させたメラミン含浸化粧チタン紙5と、
先の賦形用フィルムの製造工程によって得られた賦形用
フィルム21と、鏡面板6とを順次重ね合わせたもの
を、1対の熱盤7,7の間に、クッション材8,8を介
して載置し、プレス圧85kg/m2 にて、8分間かけ
て20℃から135℃迄に昇温した後、135℃に3分
間保持し、続く7分間で20℃迄冷却することにより、
バランス紙2と、コア紙3と、バランス紙4と、メラミ
ン含浸化粧チタン紙5と、賦形用フィルム21とによる
積層体を得た。
【0063】なお、メラミン含浸化粧チタン紙5と賦形
用フィルム21とは、化粧チタン紙5の木目印刷側が裏
面となるようにし、また、化粧チタン紙5の非印刷面
(表面)に賦形用フィルム21の硬化樹脂層20の形成
面が接当するようにして重ね合わせた。
【0064】次いで、得られた積層体から賦形用フィル
ム21を剥離することにより、表面に木目導管溝に相当
する凹部を有するメラミン化粧板を得た。
【0065】しかる後に、該メラミン化粧板の表面に、
黒褐色の2液型ウレタンインキ「ワイピングインキ・昭
和インク (株) :W−141」をナイフコート法によっ
て塗布し、続いて、該ワイピングインキの塗布面をドク
ターブレードで掻き取ることにより、表面の凹部にワイ
ピンブインキを充填させ、続いて、先のワイピング処理
面に、2液硬化型のウレタン透明塗料[昭和インク工業
(株) ・WP−18]を5g(dry)/m2 の割合で
塗布,乾燥することにより、[図2]において符号9で
表示されるウレタン樹脂によるトップコート層を有する
熱硬化性樹脂化粧板1を得た。
【0066】なお、[図2]に示される熱硬化性樹脂化
粧板1の積層各部の符号は、[図1]における加熱,加
圧成形工程の際の積層各部の符号をそのまま利用してあ
る。
【0067】得られた熱硬化性樹脂化粧板は、木目導管
溝をなす凹部内に黒褐色のワイピングインキ層が充填さ
れており、木目導管溝の形状だけでなく色彩の点からも
天然木板の表面の導管溝に近似するものであった。
【0068】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法
は、第1工程によって得られた賦形用フィルムを利用
し、かつ該賦形用フィルムによって形成された熱硬化性
樹脂化粧板の表面の凹部に着色インキ層を充填させる後
処理工程を行なうものであることから、第1工程での賦
形用フィルムの製造工程で、原稿に忠実な凹部や繊細な
微細凹部を賦形することのできる賦形用フィルムを高効
率で量産し得るため、熱硬化性樹脂化粧板の製造工程の
全体を通して、各工程を効率良く実施することができ
る。
【0069】また本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方
法においては、第5工程による熱硬化性樹脂化粧板の表
面の凹部内に着色インキ層を充填させる工程を有してい
るため、凹凸の形状が視角的に強調されるか、あるい
は、原稿の凹凸により一層忠実な凹凸模様を熱硬化性樹
脂化粧板に具備させることができる。
【0070】したがって本発明の熱硬化性化粧板の製造
方法によれば、熱硬化性化粧板の品質面、及び製造経費
の点で多大のメリットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法の途中
工程を模式的に説明する側面図である。
【図2】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法によっ
て得られた熱硬化性樹脂化粧板の積層構成を模式的に説
明する断面図である。
【図3】本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法の第1
工程の実施例を説明する工程説明図である。
【図4】凹版ロールの表面の凹部の例を万線溝によって
模型的に説明する平面図である。
【図5】凹版ロールの表面の凹部の例を別の万線溝によ
って模型的に説明する平面図である。
【図6】[図5]の万線溝のAーA線拡大断面模型図で
ある。
【図7】凹版ロールの表面の凹部の例をさらに別の波状
万線溝によって模型的に説明する平面図である。
【符号の説明】
1 熱硬化性樹脂化粧板 10 ロール凹版 11 ロール凹版10に形成されている凹部 12 未硬化状態の電離放射線硬化性樹脂 14 フィルム基材 18 電離放射線照射装置 20 賦形用フィルムにおける硬化樹脂層 21 賦形用フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/04 B32B 27/04 A // B29K 101:10 105:06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 5/06 104 B29C 59/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール凹版の少なくとも凹部に未硬化状
    態の電離放射線硬化性樹脂を充填させた後、該ロールの
    表面にフィルム基材を接当させ、フィルム基材がロール
    凹版の表面に接触している間に、フィルム基材側及び/
    又は凹版の内部側から電離放射線を照射し、凹版とフィ
    ルム基材との間に介在している前記電離放射線硬化性樹
    脂を硬化させて該電離放射線硬化性樹脂とフィルム基材
    とを密接させ、しかる後にフィルム基材を凹版から剥離
    することにより、フィルム基材の表面に電離放射線硬化
    性樹脂による離型性凹凸模様を形成してなる賦形用フィ
    ルムを得る第1工程と、第1工程によって得られた賦形
    用フィルムを、未硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸あるい
    は塗布した熱硬化性樹脂化粧板用素材の上に、前記賦形
    用フィルムの離型性凹凸模様面と熱硬化性樹脂化粧板用
    素材における未硬化状態の熱硬化性樹脂とが接当するよ
    うにして重ね合わせる第2工程と、第2工程によって得
    られた重ね合わせ体の熱硬化性樹脂を硬化させる第3工
    程と、第3工程によって得られた積層体から賦形用フィ
    ルムを剥離し、該賦形用フィルムにおける離型性凹凸模
    様とその凹凸が逆形状の凹凸模様を表面に有する熱硬化
    性樹脂化粧板を得る第4工程と、第4工程によって得ら
    れた熱硬化性樹脂化粧板の表面の全面に亙って着色イン
    キを塗布した後、該熱硬化性樹脂化粧板の表面の凸部に
    付着している着色インキを掻き取ることにより、表面の
    凹部内に着色インキ層が充填されている熱硬化性樹脂化
    粧板を得る第5工程とからなることを特徴とする熱硬化
    性樹脂化粧板の製造方法。
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