JP6119654B2 - 透明性積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウインドガラス代替品などとして用いられる透明積層体に関する。具体的には、所要の強度と透明性とを備えた透明積層体、およびかかる透明積層体の製造方法に関する。
燃費改善を目的として、車両の軽量化が求められている。そこで、従来より、ガラスよりも比重の小さい樹脂を基材とする車両用ウインド材の開発が試みられてきた。
車両用ウインド材では、実使用環境で透明性を維持することが重要な課題となる。しかし、一般に樹脂は耐摩耗性や、洗車ブラシなどにより生じる傷付きに対する耐傷付性が悪い。それゆえ、樹脂製ウインド材の場合、透明性を充分確保できないという問題があった。
国際公開WO2010/128661号明細書(特許文献1)には、トリアジン環含有重合体が記載されている。特許文献1に記載されるトリアジン環含有重合体は、高耐熱性および高屈折率を有することが記載されている。
特開2012−97175号公報(特許文献2)には、トリアジン環含有重合体が記載されている。この特許文献2に記載されるトリアジン環含有重合体は、特許文献1に記載されるトリアジン環含有重合体と比較してさらに高屈折率を示し、各種有機溶媒に対する溶解性も良好であると記載されている。
国際公開WO2010/128661号明細書 特開2012−97175号公報
ところで、車両用ウインド材には、前記透明性のほかにも、実使用環境での使用中に想定される衝撃や荷重に耐えるための耐荷重性および割れを防止するための高い耐熱性などが要求される。これらの要求を満たしつつ従来のウインドガラスを樹脂製ウインド材で代替するには、ウインド材を構成する透明樹脂基材の弾性率に加えて耐熱性を適切に設定し、さらにウインド材の一層の軽量化を図るためには、透明樹脂基材の厚さを適切に設定する必要がある。
また、耐傷付性を確保するには、透明性保護膜の厚さを充分大きくすることが好ましいが、熱収縮を考慮すると、保護膜の割れを防止するには、透明樹脂基材の厚さおよび弾性率を所定の値以下に設定する必要がある。
しかしながら、特許文献1、2では、車両用ウインド材の耐荷重性および耐熱性を考慮して基材の弾性率および厚さが決定されていない。また、透明性保護膜の厚さ範囲についても、保護膜の組成を考慮して決定されたものでなく、保護膜の割れ防止のための検討が充分になされていない。
そこで、本発明は、ガラス代替用の樹脂製ウインド材などとして用いられる透明積層体として、優れた耐摩耗性と耐傷付性とを共に有する透明積層体、およびかかる透明積層体の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
板状の透明樹脂基材と、上記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に設けられた透明性保護膜とを備えた透明積層体であって、
上記透明樹脂基材は、70℃以上の耐熱性を有し、
上記透明性保護膜は、コーティング組成物を塗装し硬化させることによって得られる、5μm以上150μm以下の厚さを有する保護膜であり、
上記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および、10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
上記無機酸化物微粒子の量は、上記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
透明積層体。
[2]
上記透明樹脂基材は、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を含み、かつ、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で1GPa以上の弾性率および10kgf/mm以上のビッカース硬度を有し、
上記透明性保護膜の厚さは、10μm以上80μm以下であり、
上記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
上記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
上記シラン化合物の量は、上記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
透明積層体。
[3]
上記透明樹脂基材と透明性保護膜との間に介在する透明プライマ層をさらに備え、
上記透明プライマ層は、(メタ)アクリレート化合物を含むプライマ組成物を塗装し硬化させることによって得られる層であって、上記透明プライマ層は5μm以上の厚さを有し、
上記透明性保護膜は、5μm以上80μm以下の厚さを有し、
上記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
上記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
上記シラン化合物の量は、上記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
透明積層体。
[4]
上記透明樹脂基材は、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を含み、かつ、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で、1GPa以上の弾性率及び10kgf/mm以上のビッカース硬度を有することを特徴とする、透明積層体。
[5]
上記分岐高分子化合物(a)がトリアジン環含有重合体である、透明積層体。
[6]
移動体のウインド材であることを特徴とする、上記透明積層体。
[7]
70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、および、室温下で1GPa以上の弾性率を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
コーティング組成物を、上記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装し、次いで硬化させて、上記透明樹脂基材上に、透明性保護膜である、5μm以上150μm以下の厚さを有する透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
を包含する、透明積層体の製造方法であって、
上記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
上記無機酸化物微粒子の量は、上記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
透明積層体の製造方法。
[8]
70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で、1GPa以上の弾性率および10kgf/mm以上のビッカース硬度を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
(メタ)アクリレート化合物を含むプライマ組成物を上記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装して、厚さ5μm以上のプライマ層を設ける、プライマ層形成工程と、
コーティング組成物を用いて、上記プライマ層上に組成物からなる膜部を形成し、次いで硬化させて、上記プライマ層上に、5μm以上80μm以下の厚さを有する透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
を包含する、透明積層体の製造方法であって、
上記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
上記無機酸化物微粒子の量は、上記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
透明積層体の製造方法。
[9]
上記透明性保護膜形成工程における硬化手段が、上記透明樹脂基材の耐熱温度未満の雰囲気温度で、200nm以上400nm以下の波長域の光を、照度が1×10−2mW/cm以上1×10mW/cm以下、および波長域での積算光量が5×10mJ/cm以上3×10mJ/cm以下の条件で照射して光硬化させる手段である、
透明積層体の製造方法。
[10]
上記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
上記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
上記シラン化合物の量は、上記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
透明積層体の製造方法。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、本願の請求項1に記載の発明によれば、耐熱性を所定の範囲内に設定することにより、割れにくい透明性保護膜を備えた透明積層体が得られる。また、硬化性樹脂において分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を主成分として厚さを所定の範囲内とした透明性保護膜を透明樹脂基材上に設けることで、優れた耐傷付性を確保しつつ、割れにくい透明性保護膜を備えた透明積層体が得られる。
本発明における透明性保護膜はさらに無機酸化物微粒子を含む。これにより、透明性保護膜に対するせん断応力が、硬度が高い無機酸化物微粒子によって分散され、優れた耐摩耗性が発揮されることとなる。さらに、本発明におけるコーティング組成物中に含まれる硬化性樹脂が、水酸基含有多官能モノマー(b)を含むことによって、透明性保護膜中に存在する、水酸基含有多官能モノマー(b)に由来する水酸基と、無機酸化物微粒子との間で、水素結合が生じる。これにより、優れた耐擦傷性が発揮されることとなる。従って、優れた耐摩耗性と耐傷付性とを共に有する透明性保護膜を備えた透明積層体が実現される。
そして、透明性保護膜の耐摩耗性および耐傷付性が向上することにより、透明積層体全体の耐摩耗性および耐傷付性が向上することとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、透明樹脂基材の厚さ、弾性率を所定の範囲内に設定することにより、透明積層体を軽量化しつつ、実使用環境での使用中に想定される衝撃や荷重に耐えるための耐荷重性を確保することができる。また、透明樹脂基材のビッカース硬度を所定の範囲内に設定するとともに、透明性保護膜の厚さをさらに好ましい範囲内に設定し、さらに、無機酸化物微粒子を所定範囲内の重量比のシラン化合物で表面処理することで、耐傷付性をさらに向上させることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、透明樹脂基材と透明性保護膜との間に、プライマ組成物によって形成された透明プライマ層を介在させたことにより、透明性保護膜が有する紫外線および熱線の吸収機能の一部、並びに防傷機能の一部を透明プライマ層に配分することができ、それゆえウインド材を厳しい環境で使用した場合でも黄変を防ぐことができるなど、透明積層体の耐候性を向上させることができる。
さらに、透明性保護膜のみに多量の紫外線吸収剤および熱線吸収剤を含有させた場合、透明性保護膜の軟化および光硬化時の硬化阻害が生じることが考えられるところ、透明プライマ層に紫外線吸収剤および熱線吸収剤を含有させることができるため、これらを抑制することが可能となる。これにより、透明積層体の耐候性をさらに向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、透明樹脂基材のビッカース硬度を所定の範囲内に設定するとともに、透明性保護膜の厚さをさらに好ましい範囲内に設定し、さらに、無機酸化物微粒子を所定範囲内の重量比のシラン化合物で表面処理することで、耐傷付性をさらに向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、保護膜の高透明性を確保することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、耐摩耗性と耐傷付性とが共に優れたウインド材が実現されることとなる。
請求項7に記載の発明によれば、耐摩耗性と耐傷付性とが共に優れた透明積層体を製造することが可能である。
さらに、請求項8に記載の発明によれば、請求項6と同様の効果が得られると共に、耐候性に優れた透明積層体を製造することが可能である。
請求項9に記載の発明によれば、耐摩耗性と耐傷付性とが共に優れた透明積層体を製造することが可能である。さらにこの方法では、光硬化工程により迅速に透明性保護膜を設けることができるので、歩留まりを向上させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、無機酸化物微粒子が特定種類のものであることによって、ウインド材としての機能(透明性など)を確保しつつ、良好な硬度を得ることができる。
本発明の第1実施形態による透明積層体の模式図である。 図1の透明性保護膜部分の拡大図である。 透明樹脂基材の耐熱性の範囲についての実験結果を示す図である。 透明樹脂基材の弾性率の範囲についての説明図である。 無機酸化物微粒子の平均粒子径の範囲についての説明図である。 図6(a)は、本発明の第1実施形態による効果を説明する図(その1)であり、図6(b)は、図6(a)の四角部分の拡大図である。 本発明の第2実施形態による透明積層体の模式図である。 図7の透明性保護膜部分の拡大図である。 耐傷付性試験の試験装置を示す。 表面光沢値の測定装置を示す。 耐候性試験の試験装置を示す。
第1実施形態による透明積層体
図1は、本発明の第1実施形態による透明積層体1の模式図であり、図2は図1の透明性保護膜3部分の拡大図である。本発明による透明積層体1は、板状の透明樹脂基材2と、透明樹脂基材2上に設けられた透明性保護膜3とを備える。この透明樹脂基材2は、移動体などのウインド材において、実際に光が透過する可視光透過部を構成することとなる。なおこのようなウインド材は、必要に応じて可視光非透過部を有してもよい。図1、図2では、透明樹脂基材2上の片面上にのみ透明性保護膜3が設けられた透明積層体1を示しているが、透明性保護膜3が両面に設けられていてもよい。
透明樹脂基材
本発明の透明積層体は、板状の透明樹脂基材を有する。透明樹脂基材として、可視光が充分に透過する樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂(アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂など)、PET樹脂など、が挙げられる。好ましい透明樹脂基材として、ポリカーボネート樹脂またはメタクリレート樹脂が挙げられる。以下に説明する形態で言及した実験では、透明樹脂基材2として、ポリカーボネート(帝人化成(株)製:L−1250)を用いた。
図3は、透明樹脂基材2の耐熱性についての実験結果を示す。周囲をブラックボックスで覆った透明樹脂基材2に、実使用環境で想定される200W/m、400W/m、900W/mの照度の光を到達温度が飽和するまで照射した。図3中の実線は、実使用環境で想定される最も高い雰囲気温度40℃での実験結果を示している。また、参考のため、雰囲気温度20℃での実験結果を点線で示している。
図3に示すように、雰囲気温度40℃での最大到達温度は70℃であった。それゆえ、透明樹脂基材2は、70℃以上の耐熱性を有することが好ましい。
図4は、透明樹脂基材2の弾性率についての説明図を示す。一般に、樹脂はガラスの半分程度の比重を有する。また、従来の車両用のガラスウインドの厚さは3mm程度である。それゆえ、樹脂製ウインド材の厚さが6mm以下でないと、従来より軽量化することができない。図4では、1mmの略均一な厚さを有する、4辺を固定した150mmの正方形状の透明樹脂基材2に対して、JISK7191B法に準拠して0.6Nの荷重を加えた場合の、室温での透明樹脂基材2の弾性率と最大たわみ量との関係を示している。
一般に、車両用ウインド材は、前記条件での最大たわみ量が0.34mm以下であることが要求される。図4に示すように、最大たわみ量が0.34mmのとき、弾性率は1GPaである。それゆえ、透明樹脂基材2は、室温下で1GPa以上の弾性率を有することが好ましい。
また、透明樹脂基材2の表面硬度が充分大きくなければ、透明性保護膜3に荷重が加わった場合に、変形が生じやすくなり、変形に応じて透明性保護膜3に生じる傷が大きくなる可能性がある。それゆえ、透明積層体1の車両のウインド材として必要な耐傷付性を確保するために、透明樹脂基材2は、室温下で10kgf/mm以上のビッカース硬度を有することが好ましい。
なお、樹脂基材のビッカース硬度は、JIS Z2244(2009)の記載に準拠して測定することができる。
透明性保護膜
本発明の透明積層体は、透明性保護膜3を有する。そしてこの透明性保護膜3は、以下に記載するコーティング組成物を塗装し硬化させることによって得られる保護膜である。
コーティング組成物
本発明におけるコーティング組成物は、硬化性樹脂、および10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子を含む。そして硬化性樹脂は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を少なくとも含む。
分岐高分子化合物(a)
本発明における硬化性樹脂は、分岐高分子化合物(a)を含む。分岐高分子化合物(a)として、トリアジン環含有重合体が好ましく用いられる。
トリアジン環含有重合体として、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する、トリアジン環含有重合体が挙げられる。
Figure 0006119654
[式(1)中、Arは芳香族環を有する2価の有機基であり、
Lは硫黄原子またはNR基であり、ここでRは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはアラルキル基であり、
は、結合手、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基である。]
本明細書において「結合手」とは、原子などを有しない単なる結合を意味する。
上記アルキル基として、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。このアルキル基は分岐構造を有してもよい。このようなアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基、1−エチル−2−メチル−n−プロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−イソプロピル−シクロプロピル基、2−イソプロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基などが挙げられる。
上記アルコキシ基として、炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。このアルコキシ基は分岐構造を有してもよい。このようなアルコキシ基として、例えば、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基、1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基などが挙げられる。
上記アリール基として、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。このようなアリール基として、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、フルオロフェニル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよい。置換基として、ハロゲン基、カルボキシル基、スルホン基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルコキシ基が挙げられる。
上記アラルキル基として、炭素数7〜30のアラルキル基が挙げられる。このようなアラルキル基として、例えば、上記アリール基に炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルキル基が結合した基が挙げられる。これらのアラルキル基は置換基を有していてもよい。置換基として、ハロゲン基、カルボキシル基、スルホン基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルコキシ基が挙げられる。
上記アルキルアミノ基として、上記アルキル基の1またはそれ以上の任意の水素がアミノ基に置換された基が挙げられる。アラルキルアミノ基として、上記アラルキル基の1またはそれ以上の任意の水素がアミノ基に置換された基が挙げられる。アリールアミノ基として、上記アリール基の1またはそれ以上の任意の水素がアミノ基に置換された基が挙げられる。アラルキルオキシ基として、オキソ結合を有する上記アラルキル基が挙げられる。アリールオキシ基として、オキソ結合を有する上記アリール基が挙げられる。
Arで示される、芳香族環を有する2価の有機基として、例えば、フェニル環を有する2価の有機基、ベンジル環を有する2価の有機基、フルオレン環を有する2価の有機基、ナフタレン環を有する2価の有機基、チオベンジル環を有する2価の有機基、ビフェニル環を有する2価の有機基、アゾベンゼン環を有する2価の有機基、アゾナフタレン環を有する2価の有機基などが挙げられる。これらの2価の有機基は、置換基を有していてもよい。置換基として、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルキル基、炭素数1〜10の分岐構造を有してもよいアルコキシ基が挙げられる。
上記トリアジン環含有重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜500,000が好ましく、500〜100,000がより好ましい。上記重量平均分子量の下限値は、より耐熱性を向上させるとともに、収縮率を低くするという点から、2,000以上であるのがさらに好ましい。上記重量平均分子量の上限値は、溶解性および溶液粘度の点から、50,000以下であるのが好ましく、30,000以下であるのがより好ましく、10,000以下であるのがさらに好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
上記トリアジン環含有重合体は、ハロゲン化シアヌルと、芳香族環含有化合物とを反応させることによって調製することができる。芳香族環含有化合物として、チオール基を有する芳香族環含有化合物およびアミノ基を有する芳香族環含有化合物が挙げられる。
アミノ基を有する芳香族環含有化合物として、例えば、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、m−フェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ジアミノ安息香酸などの、ジアミノアリール化合物が挙げられる。
チオール基を有する芳香族環含有化合物として、4,4’−チオビスベンゼンチオールなどのアリールジチオール化合物が挙げられる。
ハロゲン化シアヌルと芳香族環含有化合物との反応は、必要に応じて有機溶媒を用いて、通常用いられる方法で反応させることができる。反応手法としては、例えば国際公開WO2010/128661号明細書および特開2012−97175号公報に記載されるような公知の方法が挙げられる。反応は1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。ハロゲン化シアヌルおよび芳香族環含有化合物の量は、ハロゲン化シアヌル1当量に対して、芳香族環含有化合物を0.1〜10当量用いるのが好ましい。またこれらの反応において、必要に応じてキャップ化合物を用いてもよい。キャップ化合物として、例えば、モノアミン化合物およびモノチオール化合物が挙げられる。
こうして調製されるトリアジン環含有重合体は、ハイパーブランチ構造を有するハイパーブランチポリマーとなる。ここでハイパーブランチポリマーとは、多数の分岐点を有する多分岐ポリマーであって、不規則な分岐構造を有するポリマーを意味する。
本発明において、硬化性樹脂が分岐高分子化合物(a)を含むことによって、優れた耐摩耗性および耐擦傷性が確保されることとなる。さらに、本発明において分岐高分子化合物(a)が上記トリアジン環含有重合体であることによって、得られる保護膜の高透明性が確保される利点がある。上記トリアジン環含有重合体は高屈折率であるため、無機酸化物微粒子の屈折率範囲と近い屈折率を有する。本発明における硬化性樹脂がトリアジン環含有重合体を含むことによって、硬化後の樹脂成分の屈折率が高くなり、保護膜に含まれる無機酸化物微粒子の屈折率に近い値となり、これにより保護膜の高透明性が確保されることとなる。
水酸基含有多官能モノマー(b)
本発明における硬化性樹脂は、分岐高分子化合物(a)に加えて、水酸基含有多官能モノマー(b)を含む。この水酸基含有多官能モノマー(b)は、コーティング組成物を塗装し硬化させることによって、無機酸化物微粒子と相互作用が生じる。これにより、耐擦傷性などに優れた保護膜が得られることとなる。
水酸基含有多官能モノマー(b)の1例として、例えば、水酸基および2以上の不飽和二重結合基を有する多官能モノマーが挙げられる。このような水酸基含有多官能モノマー(b)の具体例として、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレートなどが挙げられる。水酸基含有多官能モノマー(b)の他の1例として、例えば、水酸基および2以上のグリシジル基を有する多官能モノマーが挙げられる。このような水酸基含有多官能モノマー(b)の具体例として、グリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
その他の不飽和化合物
本発明における硬化性樹脂は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)に加えて、他の不飽和化合物を含んでもよい。不飽和化合物の具体例として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンアクリレートメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンアクリレートメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジアクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジアクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンアクリレートメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンアクリレートメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリエン/チオール、シリコーンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルエチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、マレイン酸ジアリル、または他の反応性モノマーまたはオリゴマーを用いることができる。これらの反応性モノマーまたはオリゴマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるコーティング組成物における硬化性樹脂の好ましい構成として、
分岐高分子化合物(a):5〜50重量部、好ましくは5〜30重量部、
水酸基含有多官能モノマー(b):5〜95重量部、好ましくは10〜95重量部、
その他の不飽和化合物:0〜90重量部、好ましくは0〜65重量部、
(上記は硬化性樹脂100重量部に対する固形分割合である。)
が挙げられる。
なお本明細書において、「コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂」とは、コーティング組成物中に含まれる硬化性樹脂の固形分重量を意味する。
本発明において、透明性保護膜3は、優れた耐傷付性を確保するために、透明樹脂基材2の可視光透過部上で5μm以上の厚さを有することが好ましく、透明性保護膜3の割れを防止し且つ優れた耐傷付性を確保するために、150μm以下の厚さを有することが好ましい。つまり透明性保護膜3は、優れた耐傷付性を確保し且つ割れを防止するために、5μm以上150μm以下の厚さを有することが好ましい。また透明性保護膜3は、より優れた耐傷付性を確保するために、10μm以上80μm以下の厚さを有することがさらに好ましい。
無機酸化物微粒子
本発明におけるコーティング組成物は、無機酸化物微粒子4を含む。
図5は、透明積層体1について、無機酸化物微粒子4の平均粒子径を変化させて、後述する耐摩耗性試験および耐傷付性試験を行った結果を示す。尚、図5は、厚さが16μmである透明積層体1に対する試験結果を示す。また、後述する無機酸化物微粒子4に対するシラン化合物の重量比は23重量%である(実施例1の組成に準拠)。ここで、曇価変化ΔHが10%以上の場合には透過像鮮明度の低下を認知し易く、それゆえ、曇価変化ΔHが10%未満の場合に、優れた耐摩耗性が確保されていると判断可能である。同様に、光沢保持率が70%未満の場合には透過像鮮明度の低下を認知し易く、それゆえ、光沢保持率が70%を上回った場合に、優れた耐傷付性が確保されていると判断可能である。
図5に示されるように、無機酸化物微粒子4の平均粒子径が10nm以上100nm以下の範囲内にあれば、曇価変化ΔHは10%未満となり、かつ、光沢保持率は70%を上回る。それゆえ、無機酸化物微粒子4は、優れた耐摩耗性および耐傷付性の両方を確保するために、10nm以上100nm以下の平均粒子径を有することが好ましい。
なお、本明細書において、無機酸化物微粒子の平均粒子径は、測定される体積基準の平均径の数値を意味する。粒度分布の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて行うことが好ましい。
無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であるのが好ましい。
無機酸化物微粒子が酸化ケイ素である場合の例として、上記範囲の平均粒子径を有するシリカ微粒子が挙げられる。このようなシリカ微粒子の具体例として、例えば、日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルである、メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−ZL、EG−ST、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST、PGM−STなどが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化チタンである場合の具体例として、例えば、日揮触媒化成株式会社製の1120Z、2120Z、6320Z、TECNAN社製のTECNADIS−TI−220などが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化スズである場合の具体例として、例えば、日産化学工業株式会社製のCX−S303IP、CX−S301H、CX−S501M、CX−S505Mなどが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化ジルコンである場合の具体例として、例えば、日産化学工業株式会社製のZR−30AL、ZR−30AH、ZR−20AS、ZR−40BL、ZR−30BS、ZR−30BF、TECNAN社製のTECNADIS−ZR−220などが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化セリウムである場合の具体例として、例えば、日産化学工業株式会社製のCE−20A、TECNAN社製のTECNADIS−CE−220などが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化亜鉛(ZnO)である場合の具体例として、例えば、ハクスイテック製のF−2、F−1、住友大阪セメント製のZnO−310、ZnO−410、ZnO−510、TECNAN社製のTECNADIS−ZN−220などが挙げられる。
無機酸化物微粒子が酸化アンチモンである場合の具体例として、例えば、日本精鉱製のPATOX−Uなどが挙げられる。
無機酸化物微粒子が、上記金属酸化物の複酸化物である場合の具体例として、例えば、酸化亜鉛(ZnO)および五酸化アンチモン(Sb)の複酸化物(ZnSb)などが挙げられる。このような複酸化物の具体例として、例えば、日産化学工業株式会社製のCX−Z210IP−F2、CX−Z330H、CX−Z610M−F2などが挙げられる。
無機酸化物微粒子の量は、硬化性樹脂100重量部に対して、5重量部以上400重量部以下の量で、コーティング組成物中に含まれるのが好ましい。無機酸化物微粒子の量が5重量部未満である場合は、耐摩耗性を充分に確保できないおそれがある。また無機酸化物微粒子の量が400重量部を超える場合は、膜部が脆化するおそれがある。無機酸化物微粒子の量は、硬化性樹脂100重量部に対して、5重量部以上200重量部以下の量でコーティング組成物中に含まれるのがより好ましい。
無機酸化物微粒子として、シラン化合物で表面処理された無機酸化物微粒子を用いるのがより好ましい。シラン化合物で表面処理された無機酸化物微粒子を用いることによって、無機酸化物微粒子を透明性保護膜中に好適に分散させることができる。さらに、コーティング組成物中に含まれる硬化性樹脂と無機酸化物微粒子とを共有結合させることができ、これにより、耐摩耗性向上および耐傷付性向上の効果を高めることができるという利点がある。さらに、コーティング組成物中に含まれる硬化性樹脂に適したシラン化合物を選択することによって、無機酸化物微粒子に表面処理されたシラン化合物と硬化性樹脂との間に、水素結合、π結合などによる分子間力を働かせることができる。これにより、耐摩耗性向上および耐傷付性向上の効果をさらに高めることができる。
無機酸化物微粒子の表面処理に用いられるシラン化合物として、例えば、下記の一般式(5)
SiA4−m−n …(5)
で表される化合物を使用することが好ましい。ここで、Yは、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、ビニル基、グアニル基およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を有する有機官能基、Aは、アルキル基またはその他の有機官能基、Bは、ヒドロキシル基、アルコキシル基またはハロゲン原子であり、mは0〜1の整数、nは0〜3の整数であり、m+nは1以上3以下を満たす。
このようなシラン化合物の具体例として、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジプロピルトリメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジプロピルトリエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、トリイソプロピルエトキシシランなどが挙げられる。これらのシラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
シラン化合物は、上記シラン化合物と、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートとの混合物であってもよい。なおシラン化合物としては、上記シラン化合物のみであるのがより好ましい。
上記シラン化合物の量は、無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部であるのが好ましい。シラン化合物の量が上記範囲内であることによって、優れた耐摩耗性および耐傷付性の両方を確保することができる。
無機酸化物微粒子を、シラン化合物で表面処理する方法として、例えば、上述した無機酸化物微粒子とシラン化合物とを、50〜120℃、好ましくは60〜90℃の温度で、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜8時間撹拌することによって、無機酸化物微粒子を表面処理する方法などが挙げられる。
他の成分
本願発明におけるコーティング組成物は、上記成分に加えてさらに、必要に応じた、光重合開始剤、硬化触媒、そして紫外線吸収剤、光安定剤などを含んでもよい。コーティング組成物はさらに、必要に応じて、有機/無機フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分などの添加剤を含んでもよい。
コーティング組成物を光硬化させる場合は、光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系などの化合物が挙げられる。光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤および/または鋭感剤などをさらに含んでもよい。
光重合開始剤の例としては、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アントラキノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよく、或いは2種類以上を混合して使用してもよい。
紫外線吸収剤として、例えばヒドロキシフェニルトリアジン系の有機系紫外線吸収剤などを用いることができる。光安定剤として、例えば、ヒンダートアミン系光安定剤などを用いることができる。
具体的に述べると、紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、または、2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール類、または、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート類、または、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリシレート類、または、ジエチル−p−メトキシベンジリデンマロネート、ビス(2−エチルヘキシル)ベンジリデンマロネートなどのベンジリデンマロネート類、または、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(メチル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(エチル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(プロピル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ブチル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン類、または、2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとこのモノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体、2−(2’―ヒドロキシ−5−アクリロキシエチルフェニル)―2H―ベンゾトリアゾールとこのモノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体などを用いることができる。これらの紫外線吸収剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジフェニルメタン−p,p’−ジカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3−ジスルホネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フェニルホスファイトなどのヒンダードアミン類、または、ニッケルビス(オクチルフェニルサルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメートなどのニッケル錯体を用いることができる。これらの光安定剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明で用いられる、硬化性樹脂および無機酸化物微粒子を含むコーティング組成物は、上述の硬化性樹脂、無機酸化物微粒子、そして必要に応じたその他の成分を、当業者における通常の手法によって混合することによって、調製することができる。コーティング組成物の調製においては、必要に応じて、通常用いられる溶媒(水または有機溶媒など)を用いてもよい。
第1実施形態による透明積層体の製造方法
本発明の第1実施形態による透明積層体1の製造方法は、
70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、および、室温下で1GPa以上の弾性率を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
コーティング組成物を、上記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装し、次いで硬化させて、上記透明樹脂基材上に、5μm以上150μm以下の厚さを有する透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
を包含する。
コーティング組成物の塗装の前に、透明樹脂基材2上にスペーサを接着する工程を含んでもよい。スペーサを接着した後にコーティング組成物を塗装することによって、所定の厚みを有する保護膜をより容易に得ることができる利点がある。
上記コーティング組成物の硬化手段として、透明樹脂基材の耐熱温度未満の雰囲気温度で光を照射してコーティング組成物を光硬化させる手段が好ましい。このような光硬化手段として、例えば水銀ランプを用いて、200nm以上400nm以下の波長域の照度が1×10−2mW/cm以上1×10mW/cm以下、波長域の積算光量が5×10mJ/cm以上3×10mJ/cm以下、の条件で光を照射する態様が好ましい。
上記光硬化は、大気開放下で実施することができる。好ましくは、窒素パージして酸素分圧を大気以下、好ましくは1%以下まで小さくした雰囲気下で実施する。また、酸素分圧を大気より小さくした気体、例えば大気に窒素を混合した気体などをコーティング組成物の表面にふきかけながら光硬化工程を実施してもよい。さらに、上部に透明部材、例えば透明フィルム、コーティング組成物と硬化反応しない有機組成物、ラミネートまたはガラスなどを配置して光硬化工程を実施してもよい。また、光硬化工程の前に必要に応じた加熱工程を含んでもよい。例えば、塗装する前に、調製したコーティング組成物を、例えば80〜100℃で0.5〜3時間加熱してもよい。この加熱によって、コーティング組成物中に含まれる分岐高分子化合物(a)をより高硬度にすることができる。また、例えば、コーティング組成物を塗装した後、硬化前に、透明樹脂基材2の耐熱温度よりも充分低い温度、例えば80℃で加熱し、上からフィルムなどで余分なコーティング組成物を除去する工程を含んでもよい。
以上、本実施形態の透明積層体1の製造方法により、耐摩耗性と耐傷付性とが共に優れた透明性保護膜3を備えた透明積層体1を製造することが可能である。また、光硬化により迅速に透明性保護膜3を設けることができるので、焼成工程を含む製造方法よりも歩留まりを向上させることができる。また、上記の照度および積算光量で光硬化工程を実施することにより、光硬化工程および製造方法全体を単純化することができる。
また、光硬化反応はラジカル反応であり、酸素阻害を受ける。上記のように、酸素分圧を大気以下、好ましくは1%以下まで小さくした雰囲気下で光硬化工程実施した場合、かかる酸素阻害を抑制することが可能である。また、光硬化工程の前に加熱工程を実施することにより、透明積層体1の平滑性を向上させることができる。また、上部に透明部材を配置して光硬化工程を実施することにより、透明積層体1の平滑性を向上させることができる。
本実施形態の透明積層体1では、透明樹脂基材2の厚さ、弾性率を所定の範囲内に設定されている。これにより、透明積層体1を軽量化しつつ、実使用環境での使用中に想定される衝撃や荷重に耐えるための耐荷重性を確保することができる。さらに、耐熱性を所定の範囲内に設定することにより、割れにくい透明性保護膜3を備えた透明積層体1が得られる。また、無機酸化物微粒子4を含む透明性保護膜3を透明樹脂基材2上に設けることで、優れた耐傷付性および耐摩耗性を確保しつつ割れにくい透明性保護膜3を備えた透明積層体1が得られる。
また、透明樹脂基材2は、汎用性の高いポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を含むため、容易に透明積層体1を製造することができる。
また、透明性保護膜3が紫外線吸収剤を含む場合、透明性保護膜3の紫外線吸収力や熱線吸収力を向上させることができる。また、透明性保護膜3が光安定剤を含むことにより、紫外線などによる透明積層体1の劣化を防止することができる。これらにより、結果として透明積層体1の耐候性を向上させることができる。
次に、図6を用いて、透明積層体1が無機酸化物微粒子4を含むことによる作用を説明する。
図6(a)は、無機酸化物微粒子を含む摩耗輪11を透明性保護膜3に対して回転させ且つ前後移動させ、負荷荷重を加えた状態を示している。このとき、摩耗輪11の回転により、図6(b)に符号(ア)で示す方向にせん断応力が加わるところ、透明性保護膜3を構成する材料に比べて平均粒子径が充分大きい無機酸化物微粒子4の存在により、せん断応力が分散すると考えられる。それゆえ、透明性保護膜3がフレーク状に剥離するのを防止し、従って透明積層体1の優れた耐摩耗性を確保することができる。尚、図6は、後述するJISR3212に準拠したテーバ摩耗試験を想定している。
本実施形態による透明積層体1は、無機酸化物微粒子4が含まれることに加えて、上記硬化性樹脂が硬化するによって形成された保護膜を有するため、優れた耐摩耗性と耐傷付性との両方を確保することができる。これにより、JIS規格(JISR3212)などで採用されているテーバ摩耗性の規格を充分に満たす透明積層体1が得られる。
また、より好ましい実施形態では、無機酸化物微粒子4が所定範囲内の平均粒子径を有し、所定範囲内の重量比を有するシラン化合物で表面処理されているため、無機酸化物微粒子4を透明性保護膜3中に好適に分散させることができ、かつ、無機酸化物微粒子と硬化性樹脂とを共有結合させることができ、従って無機酸化物微粒子4による透明積層体1の耐摩耗性向上および耐傷付性向上の効果を高めることができる。また、シラン化合物の組成によっては、無機酸化物微粒子に表面処理されたシラン化合物と硬化性樹脂との間に、水素結合、π結合などによる分子間力を働かせることができ、この場合、さらに無機酸化物微粒子4による透明積層体1の耐摩耗性向上および耐傷付性向上の効果を高めることができる。
第2実施形態による透明積層体
図7は、本発明の第2実施形態による透明積層体51の模式図を示す。また図8は図7の透明性保護膜53部分の拡大図である。本発明の第2実施形態による透明積層体51は、板状の透明樹脂基材52と、透明樹脂基材52少なくとも一方の面上に設けられた透明プライマ層55と、透明プライマ層55上に設けられた透明性保護膜53とを備える。図7では、透明樹脂基材52上の片面上にのみ透明プライマ層55および透明性保護膜53が設けられた透明積層体51を示しているが、これらは透明樹脂基材52の両面に設けられていてもよい。
プライマ組成物
本実施形態による透明積層体51は、透明プライマ層55を透明樹脂基材52と透明性保護膜53との間に介在させている点で第1実施形態の透明積層体1と異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であり、以下、説明を省略する。
透明プライマ層55は、プライマ組成物を塗装し硬化させることによって調製される。得られる透明プライマ層は、優れた耐候性を確保するために、好ましくは5μm以上の厚さを有するのが好ましい。プライマ層の厚さの上限は100μm以下であるのが好ましく、70μm以下であるのがより好ましい。
透明プライマ層を形成するプライマ組成物は、(メタ)アクリレート化合物および/または(メタ)アクリレートコポリマーを含む重合性化合物を含む。(メタ)アクリレート化合物として、脂環式不飽和化合物および非脂環式化合物が挙げられる。本発明において好ましいプライマ組成物の1態様は、脂環式不飽和化合物を含む重合性化合物を含む。ここで、重合性化合物中に含まれる脂環式不飽和化合物の量は、重合性化合物100重量部に対して5〜100重量部の範囲で含まれる。脂環式不飽和化合物は、例えば下記一般式(6)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物である。このような重合性化合物は、透明性保護膜53の主成分である硬化性樹脂がラジカル重合可能な樹脂である場合は、ラジカル重合することが可能となる。
Figure 0006119654
上記一般式(6)において、Rは、水素原子またはメチル基であり、Zは、下記式(7)または(8)で表される。
Figure 0006119654
脂環式不飽和化合物の具体例として、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート(または、ジシクロペンタニルジアクリレート)の他、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンアクリレートメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンアクリレートメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジアクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジアクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンアクリレートメタクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンアクリレートメタクリレート、などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
プライマ組成物に含まれる重合性化合物は、脂環式不飽和化合物に加えて、非環式不飽和化合物を含んでもよい。不飽和化合物は一般に、構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である反応性オリゴマーと、低分子量、低粘度の反応性モノマーに大別され、さらに、不飽和基を1個有する単官能不飽和化合物と、不飽和基を複数個有する多官能不飽和化合物が存在する。
本実施形態においては、反応性オリゴマーとして、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリエン/チオール、シリコーンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルエチルメタクリレートなどを用いることができる。また、反応性の単官能モノマーとして、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、−ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどを用いることができる。一方、反応性の多官能モノマーとして、上記の一般式(6)以外の不飽和化合物であるトリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、本実施形態で用いる不飽和化合物としては、他の反応性オリゴマー、反応性モノマーを用いることができる。また、これらの反応性オリゴマーや反応性モノマーは、それぞれ単独で使用してもよく、或いは2種類以上を混合して使用してもよい。
透明プライマ層55は、光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系などの化合物を含んでもよい。光重合開始剤は、後述する透明積層体51の製造方法が含む光硬化工程においては、重合開始剤として作用する。さらに、透明プライマ層55は、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤または鋭感剤を含んでもよい。
光重合開始剤の具体例として、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトンなどを用いることができる。
本発明において好ましいプライマ組成物の他の1態様は、(メタ)アクリレートコポリマーを含む重合性化合物を含む。(メタ)アクリレートコポリマーとして、例えば、上記反応性の単官能モノマーおよび/または反応性の多官能モノマーを通常用いられる方法で重合して得られた(メタ)アクリレートコポリマーなどが挙げられる。プライマ組成物がこのような(メタ)アクリレートコポリマーを含む態様においては、イソシアネート硬化剤を含むのが好ましい。イソシアネート硬化剤として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらの2量体、3量体または多量体などが挙げられる。プライマ組成物において、イソシアネート硬化剤の量は、(メタ)アクリレートコポリマーが有するヒドロキシ基1当量に対して、1〜2当量であるのが好ましい。
さらに、透明性保護膜53および透明プライマ層55の少なくとも一方は、第1実施形態で説明した紫外線吸収剤および光安定剤などを含んでもよい。
以上、本実施形態の透明積層体51によれば、第1実施形態の透明積層体1により得られる効果に加えて、次の効果が得られる。つまり、透明性保護膜53が有する紫外線および熱線の吸収機能の一部を透明プライマ層55に配分できる。また、透明プライマ層55に紫外線吸収剤および熱線吸収剤を含有させることができるので、透明性保護膜53のみが多量の紫外線吸収剤および熱線吸収剤を含有する場合に生じうる、透明性保護膜53の軟化や、光硬化時の硬化阻害を抑制することができる。従って、透明積層体51の透明性保護膜53の優れた耐摩耗性および耐傷付性を確保しつつ、更には耐候性を向上させることができる。これらにより、長期間の使用に耐える車両用ウインドなどへの使用に適した透明積層体51が得られる。
また、前述の通り、透明性保護膜53に負荷荷重が加わった場合に、変形に応じて透明性保護膜53に生じる傷が大きくなるところ、プライマ層55を介在させることにより、変形を抑制することができる。それゆえ、透明性保護膜53の防傷機能の一部を透明プライマ層55に配分することができる。
第2実施形態による透明積層体の製造方法
本発明の第2実施形態による透明積層体51の製造方法は、
70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で、1GPa以上の弾性率および10kgf/mm以上のビッカース硬度を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
(メタ)アクリレート化合物を含むプライマ組成物を上記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装して、厚さ5μm以上のプライマ層を設ける、プライマ層形成工程と、
上記コーティング組成物を用いて、上記プライマ層上に、コーティング組成物からなる膜部を形成し、次いで硬化させて、前記プライマ層上に、透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
を包含する。
プライマ組成物の塗装の前に、透明樹脂基材2上にスペーサを接着する工程を含んでもよい。スペーサを接着した後にプライマ組成物を塗装することによって、所定の厚みを有するプライマ層をより容易に得ることができる利点がある。
こうして形成された未硬化のプライマ層は、上記したコーティング組成物の硬化手段を用いて硬化させることができる。
次いで、得られたプライマ層の上に、コーティング組成物からなる膜部を形成し、次いで硬化させることにより、透明性保護膜を設ける。上記したコーティング組成物の塗装手段のいずれを用いてもよい。次いで硬化させることによって、透明性保護膜が形成される。これらコーティング組成物の硬化手段として、上述した硬化手段を用いることができる。
また、透明積層体51の製造方法では、透明プライマ層55を構成するプライマ組成物が乾燥しない状態で、コーティング組成物を塗装する、いわゆるウェットオンウェットコーティングを実施してもよい。ウェットオンウェットコーティングを実施する場合、コーティング組成物を塗装する前に、プライマ組成物に対する加熱または光照射を短時間だけ実施してもよい。
以上、本実施形態の透明積層体51の製造方法によれば、耐摩耗性および耐傷付性に加えて、耐候性に優れた透明性保護膜3を備えた透明積層体51を製造することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
以下、本発明による透明積層体および透明積層体の製造方法を、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例において、部および%は、重量部および重量%を意味する。
調製例1−1 分岐高分子化合物(a−1)の調製
室温、窒素下、200mL四つ口フラスコに4,4’−チオビスベンゼンチオール(4.12部、0.0165mol、Aldrich社製)、およびp−トルエンチオール(1.86部、0.015mol、東京化成工業(株)製)を加え、N−メチルピロリドン(41.3mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(6.21部、0.045mol)を加え、氷浴で20分撹拌した。その後、N−メチルピロリドン(27.7mL)に溶解させた塩化シアヌル(2.77部、0.015mol、エボニック・デグサ社製)を加えて重合を開始した。1時間後、反応液をイオン交換水414部、メタノール138部の混合溶液中に再沈殿した。沈殿物をろ過し、150℃で8時間乾燥させ、目的とする多岐高分子化合物6.39部を得た。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量
Mwは1,900であった。
Figure 0006119654
調製例1−2 分岐高分子化合物(a−2)の調製
空気下、200mL四口フラスコにビス(4−アミノフェニル)スルフィド(9.29部、0.027mol、Aldrich製)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAc)80mLに溶解し、オイルバスで100℃に加熱した。その後、DMAc20mLに溶解した2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(0.56部、0.05mol、東京化成工業(株)製)を加えて重合を開始した。
5分後、アニリン(14.1部、0.15mol))を加え、10分間撹拌して重合を停止した。室温まで放冷後、炭酸カリウム(15部、0.11mol)を水1,000mLに溶解した水溶液中に再沈殿させた。沈殿物をろ過し、THF50mLに再溶解させ、ヘキサン540mLとエタノール60mLに再沈殿した。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で40℃、6時間乾燥し、目的とする分岐高分子化合物16.85部を得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは3,100であった。
Figure 0006119654
調製例1−3 分岐高分子化合物(a−3)の調製
空気下、200mL四口フラスコに9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン[2](9.29部、0.027mol、Aldrich製)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAc)80mLに溶解し、オイルバスで100℃に加熱した。その後、DMAc20mLに溶解した2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン[1](3.69部、0.02mol、東京化成工業(株)製)を加えて重合を開始した。
5分後、アニリン(3.34部、0.036mol)を加え、10分間撹拌して重合を停止した。室温まで放冷後、炭酸カリウム(15部、0.11mol)を水1,000mLに溶解した水溶液中に再沈殿させた。沈殿物をろ過し、THF50mLに再溶解させ、ヘキサン540mLとエタノール60mLに再沈殿した。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で40℃、6時間乾燥し、目的とする多岐高分子化合物12.4部を得た。
GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは9,200であった。
Figure 0006119654
調製例2−1 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−1(23))の調製
撹拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、シリカ微粒子としてイソプロパノール分散コロイダルシリカゾル(平均粒子径10〜15nm、固形分30重量%、日産化学工業(株)製;IPA−ST)を100重量部(シリカ固形分30重量部)と、シラン化合物として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製;SZ−6030)7重量部とを加えた。続いて、撹拌しながら徐々に加熱し、反応溶液の温度が68℃に到達後、さらに5時間加熱して表面処理を行い、シラン化合物で表面処理されたシリカ微粒子を作成した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、シリカ微粒子の固形分100重量部に対して23重量部であった。
調製例2−2 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−2(0.1))の調製
シリカ微粒子としてイソプロパノール分散コロイダルシリカゾル(平均粒子径70〜100nm、固形分30重量%、日産化学工業(株)製;IPA−ST−ZL)を100重量部(シリカ固形分30重量部)用いて、そして、シラン化合物である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製;SZ−6030)の量を、7重量部から0.03重量部に変更したこと以外は、調製例2−1と同様にして、シラン化合物で表面処理されたシリカ微粒子を作成した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、シリカ微粒子の固形分100重量部に対して0.1重量部であった。
調製例2−3 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−2(23))の調製
シラン化合物である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製;SZ−6030)の量を、0.03重量部から7重量部に変更したこと以外は、調製例2−2と同様にして、シラン化合物で表面処理されたシリカ微粒子を作成した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、シリカ微粒子の固形分100重量部に対して23重量部であった。
調製例2−4 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−2(80))の調製
シラン化合物について、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15重量部および4−ヒドロキシブチルアクリレート9重量部を用いたこと以外は、調製例2−2と同様にして、シラン化合物で表面処理されたシリカ微粒子を作成した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、シリカ微粒子の固形分100重量部に対して80重量部であった。
調製例2−5 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−3(23))の調製
攪拌機、温度計及び、冷却管を備え付けた反応容器に金属微粒子として、ジルコニア(平均粒子径91nm、日産化学工業(株)社製;ZR−30AL、2−プロパノールに分散、固形分30重量%)100重量部に対して3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製;SZ−6030)7重量部を加えた。続いて、撹拌しながら82℃まで徐々に加熱し、さらに5時間加熱して表面処理をおこない、ジルコニア微粒子を作製した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、ジルコニア微粒子の固形分100重量部に対して23重量部であった。
調製例2−6 シラン化合物で表面処理された微粒子(P−4(23))の調製
攪拌機、温度計及び、冷却管を備え付けた反応容器に金属微粒子として、酸化亜鉛(平均粒子径65nm、(ハクスイテック(株)社製;F−2、固形分30重量% 2−プロパノールに分散)100重量部に対して3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製;SZ−6030)7重量部を加えた。続いて、撹拌しながら82℃まで徐々に加熱し、さらに5時間加熱して表面処理をおこない、酸化亜鉛微粒子を作製した。表面処理に用いたシラン化合物の重量部は、酸化亜鉛微粒子の固形分100重量部に対して23重量部であった。
表1〜2中の「微粒子(重量部)」は、透明積層体における、硬化性樹脂100重量部に対する微粒子の固形分重量部である。下記表中「P1〜P4」は微粒子の種類を意味し、括弧内の数字は、表面処理に用いたシラン化合物の重量部(微粒子の固形分100重量部に対する量)を意味する。
コーティング組成物の調製例
攪拌機、温度計及び、冷却管を備え付けた反応容器に、下記表に記載された、重合開始剤以外の透明性保護膜の組成(固形分重量部換算)を加え、撹拌しながら90℃まで徐々に加熱し、さらに1時間加熱して前処理を行った。次いで、減圧下で揮発溶媒分を徐々に加熱しながら除去した。このとき最終的な温度は80℃とした。
続いて、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.5重量部を混合し、透明な無機酸化物微粒子含有コーティング組成物を得た。
実施例16〜28、比較例5および参考例で用いたプライマ組成物の調製例
下記表に示される(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを混合して、プライマ組成物を調製した。
実施例1〜15および比較例1〜4の透明積層体の作成例
透明樹脂基材として、ポリカーボネート(帝人化成(株)製:L−1250)またはポリメチルメタクリレート((株)カネカ製)を用いた。まず、1)3mmの略均一な厚さを有する透明樹脂基材上に、透明性保護膜が所定の厚みになるようスペーサを接着した。続いて、2)コーティング組成物を流延し、80℃で3分間加熱を行った。続いて、3)PETフィルムで押さえつけ余分なコーティング組成物を除去した。その後、4)PETフィルムでカバーした状態で200nm以上400nm以下の波長域の光を、照度が505mW/cmの条件で、水銀ランプを用いて照射し、8400mJ/cmの積算露光量で硬化させ、透明積層体を作成した。
実施例16〜28、比較例5および参考例の、透明プライマ層を含む透明積層体の作成例
透明樹脂基材として、ポリカーボネート(帝人化成(株)製:L−1250)またはポリメチルメタクリレート((株)カネカ製)を用いた。まず、1)コーティング組成物をPETフィルム上に流延し、ブレードで余分なコーティング組成物を除去した。続いて、2)透明樹脂基材上に、透明プライマ層が所定の厚みになるようスペーサを接着し、透明プライマ層を構成するプライマ組成物を流延し、80℃で3分間加熱を行った。続いて、3)透明性保護膜を構成するコーティング組成物が付着した状態のPETフィルムを用いて、透明プライマ層を構成するプライマ組成物が付着した状態の透明樹脂基材を押さえつけ、余分な透明プライマ層となるプライマ組成物を除去した。次に、4)PETフィルムでカバーした状態で200nm以上400nm以下の波長域の照度が505mW/cmの条件で、水銀ランプを用いて照射し、8400mJ/cmの積算露光量で硬化させ、透明プライマ層および透明性保護膜を設け、透明積層体を作成した。
下記の表1は、透明プライマ層を備えない透明積層体について、各実施例、比較例において使用した透明樹脂基材の材料、透明性保護膜の組成および厚さを示す。
Figure 0006119654
また、下記の表2は、透明プライマ層を備えた透明積層体について、各実施例、比較例において使用した透明樹脂基材の材料、透明プライマ層の組成および厚さ、並びに透明性保護膜の組成および厚さを示す。
Figure 0006119654
上記表1、2において、各記号は以下のものを示す。

樹脂基材
S1:ポリカーボネート(PC)(帝人化成(株)製:L−1250)、厚さ3mm
S2:ポリメチルメタクリレート(PMMA)((株)カネカ製)、厚さ3mm

硬化性樹脂
A:調製例1−1で得られた分岐高分子化合物(a−1)
B:調製例1−2で得られた分岐高分子化合物(a−2)
C:調製例1−3で得られた分岐高分子化合物(a−3)
D:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学(株)製:ライトエステルG−201P)
E:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートDPE−6A)
F:トリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートDCP−A)

紫外線吸収剤
UV1〜UV3:ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製:TINUVIN400,TINUVIN477,TINUVIN479)

光安定剤
ヒンダートアミン系光安定剤(BASFジャパン(株)製:TINUVIN123)

無機酸化物微粒子
P1:イソプロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製:IPA−ST、平均粒子径10〜15nm)
P2:イソプロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製:IPA−ST−ZL、平均粒子径70〜100nm)
P3:2−プロパノール分散ジルコニア(日産化学工業株式会社製:ZR−30AL、平均粒子径91nm)
P4:2−プロパノール分散酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製:F−2、平均粒子径65nm)

(メタ)アクリレート化合物(表2のみ)
PA:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートDCP−A)
PB:PEG400#ジアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレート9EG−A)
上記基材S1は、140℃の耐熱性(JISK7191B法)、並びに室温で2.2GPaの弾性率および13kgf/mmのビッカース硬度を有する。同様に、基材S2は、100℃の耐熱性(JISK7191B法)、並びに室温で3.1GPaの弾性率および20kgf/mmのビッカース硬度を有する。
また、表1、2には、実施例および比較例によって得られた透明積層体に対して行った試験の評価結果を示している。
各試験は、下記の方法により行った。
初期外観
各試験を行う前の透明積層体1,51の外観を目視にて観察した。透明積層体1,51に割れや剥離が生じていない場合は○とした。
耐傷付性試験
図9に示す耐傷付性の試験装置を用いて試験を行った。綿で覆われ、加重腕13に取り付けられた傷付子14を、試験片Gとの間にダストDが存在する状態で、矢印(ア)で示す方向に前後移動させた。加重腕13が印加する加重は2N、傷付子14の移動距離は120mm、往復速度は0.5回/sとし、雰囲気温度20℃で試験を行った。ダストDは、平均粒径300μm以下のシリカ粒子およびアルミナ粒子を含む粒子群とした。表1,2に示す耐傷付性の数値は、試験開始前の表面光沢値を100とした場合の所定の回数往復させた後の表面光沢値を示す。表面光沢値は、図10に示す測定装置によって、光源21から試験片Gに照射光を照射して、受光器22によって受光した反射光の強度に基づいて算出した。光沢保持率(=試験後の表面光沢値/試験前の表面光沢値)が70%を超えた場合に、優れた耐傷付性が確保されていると判断した。
耐摩耗性試験
JISR3212に準拠してテーバ摩耗試験を実施し、摩耗輪が500回転した後の透明積層体の曇価(%)を測定した。表1の数値は、(試験後の曇価)−(試験前の曇価)を表す。試験前後での曇価変化が10%未満の場合に、優れた耐摩耗性が確保されていると判断した。
耐候性試験
図11に示すように、キセノン光源31および散水器32を備えた耐候性試験装置を使用して、1)ブラックパネル温度73℃、湿度35%の条件で、照度180W/mの光を60minの間照射した。続いて、2)ブラックパネル温度50℃、湿度95%の条件で、照度180W/mの光を80minの間照射した。1),2)を1サイクルとして、このサイクルを繰り返した。積算照射光量は、200MJ/mおよび600MJ/mとした(表2)。透明積層体1,51の外観変化を目視にて観察した。割れや色変化がなければ○とした。
まず、表1(透明プライマ層なし)の試験結果について説明する。
実施例1〜3、比較例1、2では、透明性保護膜の厚さ以外の条件を等しくして試験を行った。透明性保護膜の厚さが5μm以上150μm以下の範囲内(実施例1〜3)では、光沢保持率が70%を上回った。一方、透明性保護膜の厚さが5μm未満である比較例1、そして透明性保護膜の厚さが200μmである比較例2では、いずれも、光沢保持率が70%を下回った。これは、透明性保護膜の厚さが5μm以上150μm以下の範囲内から外れることによって、充分な耐傷付性を確保できなかったと考えられる。
実施例4〜7、10、11では、無機酸化物微粒子の種類および含有量以外の条件を等しくして試験を行った。これらの実施例では、硬化性樹脂100重量部に対して無機酸化物微粒子を5重量部以上400重量部以下含む。そして、これらの実施例では、光沢保持率が70%を上回り、曇価変化は10%を下回った。これより、硬化性樹脂100重量部に対して無機酸化物微粒子を5重量部以上400重量部以下含む場合には、優れた耐摩耗性および耐傷付性を確保できると言える。また、無機酸化物微粒子の割合が5重量部未満の場合には、耐摩耗性を充分に確保できないと考えられる。
硬化性樹脂中の分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマーの割合を変更して試験を行った実施例8〜9でも、光沢保持率は70%を上回り、曇価変化は10%を下回った。
実施例12は、紫外線吸収剤および光安定剤を含むコーティング組成物を用いた実験例である。これらの成分を含む場合であっても、良好な耐傷付性および耐摩耗性が確保された。
基材樹脂をポリメチルメタクリレートに変更した実施例13でも、光沢保持率は70%を上回り、曇価変化は10%を下回った。基材樹脂をポリメチルメタクリレートとして各実施例の条件で試験を行っても、優れた耐摩耗性および耐傷付性が確保されると考えられる。
硬化性樹脂中の分岐高分子化合物(a)を異なるものとした実施例14、15においても、光沢保持率は70%を上回り、曇価変化は10%を下回っており、良好な耐傷付性および耐摩耗性が確保された。
無機酸化物微粒子を含まない比較例3、そして水酸基含有多官能モノマーを含まないコーティング組成物を用いた比較例4においては、耐摩耗性および耐傷付性の両方の性能を両立することができなかった。比較例3では、無機酸化物微粒子が含まれないため、耐摩耗性が大きく劣ることとなった。比較例4では、無機酸化物微粒子を含む一方で水酸基含有多官能モノマーが含まれないことによって、水酸基含有多官能モノマーと無機酸化物微粒子との間における相互作用が発生せず、耐傷付性が大きく劣ることとなった。
なお、これらの実施例では、表1、2に示すように、無機酸化物微粒子に対してシラン化合物が0.1重量%以上80重量%以下の重量比となるように表面処理を行っている。この範囲内では、優れた耐摩耗性および耐傷付性が確保されると言える。
そして、これらの実施例、比較例において、初期外観で割れは生じなかった。さらに、表1には示していないが、厳しい環境での使用を想定した耐候性試験(積算照射光量:200MJ/m)を各実施例、比較例に用いた透明積層体に対して実施したところ、すべての透明積層体で割れ、黄変は生じなかった。これより、本実施例による透明積層体では、優れた耐候性が確保されていると言える。
次に、表2(透明プライマ層あり)の試験結果について説明する。
透明性保護膜の厚さが5μm以上150μm以下であり、硬化性樹脂100重量部に対して無機酸化物微粒子を5重量部以上400重量部以下含むこれらの実施例では、光沢保持率が70%を上回り、曇価変化は10%を下回った。従ってこれらの実施例では、表1の実施例と同様に、優れた耐摩耗性および耐傷付性が確保されていると言える。なお、表2の実施例においては、透明プライマ層が透明性保護膜の防傷機能の一部を担保していることも考えられる。
これらの実施例では、表2に示すように、無機酸化物微粒子に対してシラン化合物が0.1重量%以上80重量%以下の重量比となるように表面処理したが、この範囲内では、優れた耐摩耗性および耐傷付性が確保されると言える。
これらの実施例、比較例において、初期外観で割れは生じなかった。また、厳しい環境での使用を想定した耐候性試験(積算照射光量:200MJ/m)では、すべての実施例、比較例の透明積層体で割れ、黄変は生じなかった。それゆえ、本実施例による透明積層体では、優れた耐候性が確保されると言える。
さらに、透明プライマ層の厚さを5μm以上とした各実施例において、長期間、厳しい環境で使用することを想定して積算照射光量を600MJ/mに増加させた耐候性試験でも、割れ、黄変が生じなかった。それゆえ、透明プライマ層の厚さを5μm以上とした場合には、より優れた耐候性が確保されると言える。
また、各実施例、比較例の透明積層体が備える透明プライマ層は異なる種類の紫外線吸収剤または光安定剤を含むところ、これらの種類を変更した場合でも、耐候性試験の結果については同様の結果が得られ、また、これらを含まない場合でも、同様の結果が得られると考えられる。
なお、表2では、基材樹脂をポリカーボネートとして各試験を実施したが、表1の結果から、基材樹脂をポリメチルメタクリレートとしても同様の結果が得られることは明らかである。
本発明は、車両用ウインド材などの移動体のウインド材、更にはその他のウインド材として広く適用することができる。
1,51:透明積層体、
2,52:透明樹脂基材、
3,53:透明性保護膜、
4,44:無機酸化物微粒子、
55:透明プライマ層

Claims (9)

  1. 板状の透明樹脂基材と、前記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に設けられた透明性保護膜とを備えた透明積層体であって、
    前記透明樹脂基材は、70℃以上の耐熱性を有し、
    前記透明性保護膜は、コーティング組成物を塗装し硬化させることによって得られる、5μm以上150μm以下の厚さを有する保護膜であり、
    前記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および、10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
    前記分岐高分子化合物(a)は、トリアジン環含有重合体であり、
    前記無機酸化物微粒子の量は、前記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
    透明積層体。
  2. 前記透明樹脂基材は、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を含み、かつ、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で1GPa以上の弾性率および10kgf/mm以上のビッカース硬度を有し、
    前記透明性保護膜の厚さは、10μm以上80μm以下であり、
    前記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
    前記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
    前記シラン化合物の量は、前記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
    請求項1記載の透明積層体。
  3. 前記透明樹脂基材と透明性保護膜との間に介在する透明プライマ層をさらに備え、
    前記透明プライマ層は、(メタ)アクリレート化合物を含むプライマ組成物を塗装し硬化させることによって得られる層であって、前記透明プライマ層は5μm以上の厚さを有し、
    前記透明性保護膜は、5μm以上80μm以下の厚さを有し、
    前記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
    前記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
    前記シラン化合物の量は、前記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
    請求項1記載の透明積層体。
  4. 前記透明樹脂基材は、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂を含み、かつ、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で、1GPa以上の弾性率及び10kgf/mm以上のビッカース硬度を有することを特徴とする、請求項3に記載の透明積層体。
  5. 移動体のウインド材であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明積層体。
  6. 70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、および、室温下で1GPa以上の弾性率を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
    コーティング組成物を、前記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装し、次いで硬化させて、前記透明樹脂基材上に、透明性保護膜である、5μm以上150μm以下の厚さを有する透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
    を包含する、透明積層体の製造方法であって、
    前記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
    前記分岐高分子化合物(a)は、トリアジン環含有重合体であり、
    前記無機酸化物微粒子の量は、前記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
    透明積層体の製造方法。
  7. 70℃以上の耐熱性、1mm以上の略均一な厚さ、並びに室温下で、1GPa以上の弾性率および10kgf/mm以上のビッカース硬度を有する板状の透明樹脂基材を準備する準備工程と、
    (メタ)アクリレート化合物を含むプライマ組成物を前記透明樹脂基材の少なくとも一方の面上に塗装して、厚さ5μm以上のプライマ層を設ける、プライマ層形成工程と、
    コーティング組成物を用いて、前記プライマ層上に組成物からなる膜部を形成し、次いで硬化させて、前記プライマ層上に、5μm以上80μm以下の厚さを有する透明性保護膜を設ける、透明性保護膜形成工程と、
    を包含する、透明積層体の製造方法であって、
    前記コーティング組成物は、分岐高分子化合物(a)および水酸基含有多官能モノマー(b)を含む硬化性樹脂、および10nm以上100nm以下の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子、を含有し、
    前記分岐高分子化合物(a)は、トリアジン環含有重合体であり、
    前記無機酸化物微粒子の量は、前記コーティング組成物に含まれる硬化性樹脂100重量部に対して5重量部以上400重量部以下である、
    透明積層体の製造方法。
  8. 前記透明性保護膜形成工程における硬化手段が、前記透明樹脂基材の耐熱温度未満の雰囲気温度で、200nm以上400nm以下の波長域の光を、照度が1×10−2mW/cm以上1×10mW/cm以下、および波長域での積算光量が5×10mJ/cm以上3×10mJ/cm以下の条件で照射して光硬化させる手段である、
    請求項または記載の透明積層体の製造方法。
  9. 前記無機酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよびこれらの複酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物微粒子であり、
    前記無機酸化物微粒子は、シラン化合物で表面処理されており、
    前記シラン化合物の量は、前記無機酸化物微粒子100重量部に対して0.1〜80重量部である、
    請求項いずれかに記載の透明積層体の製造方法。
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