JP6115688B1 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
[I]光学濃度と厚みの比(光学濃度(OD)/厚み(T))が0.22以上、2.0以下であり、示差走査熱量測定(以下、DSC)における降温結晶化温度Tmcが180℃以上、210℃以下であるポリエステルフィルム。
[II]黒色顔料を4質量%以上、25質量%以下含む[I]に記載のポリエステルフィルム。
[III]少なくとも一方の表面の十点平均粗さRz(μm)が、Rz(μm)と厚み(μm)の比(十点平均粗さ(Rz)/厚み(T))が0.30以下であること満たす[I]または[II]に記載のポリエステルフィルム。
[IV]フィルムを構成するポリエステル樹脂が、ポリエステルの構成成分としてイソフタル酸成分および/またはシクロヘキサンジメタノール成分を含む[I]〜[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]フィルムを構成するポリエステルが、全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸成分を0.5mol%以上20mol%以下含む、または全ジオール成分に対してシクロヘキサンジメタノール成分を0.5mol%以上20mol%以下含む[IV]に記載のポリエステルフィルム。
[VI]フィルム厚みが28μm以下である[I]〜[V]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VII]電子機器の遮光基材として用いられる[I]〜[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII][I]〜[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルムを用いた遮光テープ。
ここでポリエステル樹脂の共重合体としては、重合適性や熱安定性、ホモ重合体との相溶性に優れる観点からジカルボン酸成分として、脂環族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてはブタンジオール、エチレングリコール、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノールを共重成分として含むものが好ましく用いられ、これらは単独で用いても、必要に応じて組み合わせて用いても良い。中でも製膜性を向上させる観点からジカルボン酸成分としてイソフタル酸を共重合体成分として含むものや、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを共重合体成分として含むものがより好ましく用いられる。
ここでいう共重合成分とは、ポリエステル樹脂全体の50mol%を超えて構成する重合体のジカルボン酸成分、およびジオール成分を第一成分としたとき、ポリエステル樹脂に50mol%未満含まれる第一成分以外のジカルボン酸成分、およびジオール成分を示す。尚、ポリエステルフィルムの共重合成分は、ポリエステルフィルムを溶媒抽出した後、プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)やカーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)によって分析を行うことができる。
ポリエステル樹脂の共重合成分の比率が0.5mol%未満の場合、結晶性を抑えられずに製膜性が不足したり延伸時の配向がかかりすぎて耐光収縮性も低化する場合がある。一方でポリエステル樹脂の共重合成分の比率が20mol%越える場合、ポリエステル樹脂の結晶性が低化し過ぎて、かえって製膜性が低化する場合や、配向がかからず機械強度が不足することで、光を照射した際に発生した熱によってフィルムが収縮し過ぎることから、耐光収縮性が不足する場合がある。つまり、本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂において、共重合成分の比率を全ポリエステル樹脂成分に対して0.5mol%以上、20mol%以下とすることで、より優れた製膜性と光収縮性を両立したポリエステルフィルムとすることができる。
更には、前記の共重合成分として、全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸成分を0.5mol%以上20mol%以下含む、または全ジオール成分に対してシクロヘキサンジメタノール成分を0.5mol%以上20mol%以下含むことで、ポリエステルフィルムの製膜性と耐光収縮性を更に向上させることができるため、より好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は、二軸延伸性の観点から結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。ここでいう結晶性とは、ポリエステルフィルムを、JIS K7122(1987)に準じて、示差走査熱量測定にて昇温速度10℃/分で固体状態から溶融状態まで加熱した際に得られたチャートにおいて熱結晶化による吸熱ピークが観測されることを示す。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法について具体例を挙げて説明する。本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
その延伸方法として、未延伸シートを70〜140℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸シートを得ることができる。
また、本発明の効果が損なわれない範囲で、その他の添加剤を含有する機能層を新たに設けても良く、前記の粘着剤層や黒色インク層に組み合わせても良い。例えば、粘着剤層の反対側の面に粒径の大きい粒子を含有する層をポリエステルフィルムに設けることで、艶消し性を持つ遮光テープとすることができる。また黒色インク層に放熱性粒子を添加することで、放熱性に優れる遮光テープとすることができる。
(1)示差走査熱量測定(DSC)
JIS K7122(1987)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用い、ポリエステルフィルム5mgをサンプルパンに秤量し、昇温速度10℃/分で室温から300℃まで加熱(1stRUNと称する)し、その状態で5分間保持し、次いで降温速度10℃/分で25℃まで冷却し、昇温過程と降温過程の測定チャートを得た。
(1−1)降温結晶化温度Tmcの測定
(1)で得られた、降温過程に現れる発熱ピークについて、ピークトップの温度をポリエステルフィルムの降温結晶化温度Tmcとした。尚、発熱ピークが複数現れる場合は、最も高温側のピークを降温結晶化温度Tmcとする。
ポリエステルフィルムの光学濃度はX−lite社製の分光濃度測定器を用いて、光学濃度測定を行った。測定は長手方向、および幅方向の直線上に5cm以上離れた箇所を選択して5回づつ行い、計10回の平均値を光学濃度とした。尚、方向性が不明な場合や概念が無い場合は任意の直線上と、その垂直方向の直線上の測定を実施した。
ポリエステルフィルムの十点平均粗さRzは小坂研究所製の3次元表面粗さ計(型式ET−4000A)と小坂研究所製の3次元表面粗さ解析システム(型式TDA−31)を用いて、触針は先端半径0.5μmR、径2μm、ダイヤモンド製、針圧を100μNとし、測定条件をXピッチ(測定方向):1.00μm、Yピッチ(測定方向の垂直方向):5μm、X送り速さ:0.1mm/s、低域カット:0.25mm、高域カット:R+W、測定力:100、Z測定倍率:20000、ヒステリシス:0.006μmに設定して、測定方向をフィルム長手方向、および幅方向で2回測定を行った平均値を三次元表面粗さRzとした。尚、測定は両表面について行い、表には値が低い方の三次元表面粗さを記載した。尚、方向性が不明な場合や概念が無い場合は任意の直線上と、その垂直方向の直線上の測定を実施した。
ポリエステルフィルムの製膜性は、1時間連続製膜時にフィルム破れが発生しない延伸面倍率から以下の通り判定した。尚、縦延伸、横延伸倍率はいずれも最低2.5倍以上とし、ここでの横延伸倍率はテンター入り口幅と最大幅の比である機械倍率のことを示す。また延伸倍率以外の条件は自由に変更しても良い。
面倍率が10倍以上:A
面倍率が9倍以上:B
面倍率が8倍以上:C
面倍率が6倍以上:D
面倍率が6倍未満、または製膜不可:E
製膜性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
(5−1)遮光性評価用擬似LED照明台の作製
林時計工業(株)製の光ファイバーライトガイド用LED光源(型式:LA−HDF108AS、定格電圧AC100〜240V、定格消費電力20W、定格周波数50/60Hz)に同社製の結束径4mmφの光ファイバーライトガイドを接続し、LED光源本体のコントロール目盛りを8としてLED照明を準備する。次いでライトガイド先端の径のサイズの穴を開けたサンプル台の下部からライトガイドを挿入し、サンプル台の平面部から5mm離れた位置にLED照明の先端が位置するように固定し、擬似LED照明台を作製した。
(5−2)擬似光遮光性評価
(5−1)で得られた擬似LED照明台にポリエステルフィルムを被せて、入力電圧の調整時にポリエステルフィルムを透過するLED光源の有無を目視で確認し、ポリエステルフィルムの遮光性を以下の通り判定した。尚、前記評価は長手方向、および幅方向の直線上に5cm以上離れた箇所を選択して5回づつ行い、計10回の平均値とした。また透過光の形状が円形では無い場合は、最も長径となる箇所を測長する。
入力電圧5Vでも透過光が見えない:A
入力電圧3V以上、5V未満で透過光が見えない:B
入力電圧2V以上、3V未満で透過光が見えない:C
入力電圧1V以上、2V未満で透過光が見えない:D
入力電圧1V未満でも透過光が見える:E
遮光性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
ポリエステルフィルムの片面に1辺1cmの正方形を記入し、対角線2本の長さを(株)テクノニーズ製万能投影器(AMM−1号機)を用いて測定し、2本の長さの平均値をL0とする。次いで、(4)で用いた擬似LED照明台に正方形の中心がLED照明の中心となるように、ポリエステルフィルムを被せて、入力電圧を5Vに設定し30秒間ライトを当てた後に正方形の対角線2本の長さを同様に測定した時の平均値をLとし、下記式から光収縮率を算出した。尚、前記評価は長手方向、および幅方向の直線上に5cm以上離れた箇所を選択して5回行い、計10回の平均値とした。
得られた光収縮率からポリエステルフィルムの耐光収縮性を以下の通り判定した。
光収縮率が2%未満:A
光収縮率が2%以上、3%未満:B
光収縮率が3%以上、5%未満:C
光収縮率が5%以上、10%未満:D
光収縮率が10%以上、または測定不可:E
耐光収縮性はA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
ポリエステルフィルムの厚みと、(5)項の遮光性、(6)項の耐光収縮性評価から、下記の通り判定した。
厚みが16μm以下で、遮光性と耐光収縮性評価がいずれもA判定:A
厚みが20μm以下で、遮光性と耐光収縮性評価のいずれもB判定以上:B
厚みが25μm以下で、遮光性と耐光収縮性評価のいずれもC判定以上:C
厚みが28μm以下で、遮光性と耐光収縮性評価のいずれもD判定以上:D
厚みが28μmを越える、または遮光性と耐光収縮性評価のいずれかがE判定:E
電子機器用の遮光基材としてはA〜Dが良好であり、その中でAが最も優れている。
ポリエステルフィルムを用いた遮光テープにおいて、(5)遮光性評価の(5−1)擬似光遮光性評価でAを達成するために、ポリエステルフィルム上に黒色インク層を印刷する回数から、遮光テープ評価を以下の通り、判定した。評価は5回行い、その平均値にて判定した。
印刷不要:A
印刷回数が2回未満:B
印刷回数が2回以上、4回未満:C
印刷回数が4回以上、6回未満:D
印刷回数が6回以上:E
遮光テープ評価としては、環境負荷低減や製造工程簡略化の観点からA〜Dが良好であり、その中でもAが最も優れている。
1.ポリエチレンテレフタレート(PET)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール57.5質量部、酢酸マグネシウム2水和物0.03質量部、三酸化アンチモン0 .03質量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005質量部をエチレングリコール0.5質量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。
ジカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、固有粘度0.61、末端カルボキシル基量が36当量/トンのポリエチレンナフタレートを得た。
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル82.5質量部とイソフタル酸ジメチル25質量部を混合した以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル75質量部とイソフタル酸ジメチル25質量部を混合した以外はポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が25mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた以外は前記3.項のポリエチレンテレフタレート共重合体と同様にナフタレンジカルボン酸(NDC)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
シクロヘキサンジメタノール(CHDM)が30mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートとして、イーストマンケミカル社製ポリエステル樹脂「EastarTMCopolyester6763」を用いた。
ジオール成分がブタンジオール(BDO)であるポリブチレンテレフタレートとして、東レ(株)社製「トレコン1200S」を用いた。
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート80質量部と、一次粒径18nmのファーネス法によって製造されたカーボンブラック(CB−1)20質量部を、ベントした280℃の押出機内で溶融混練し、CBマスターバッチ1を作製した。
一次粒径23nmのアセチレン法によって製造されたカーボンブラック(CB−2)を用いた以外は、CBマスターバッチ1と同様の方法でCBマスターバッチ2を作製した。
ベースのポリエステル樹脂として、上記3.項で得られたポリエチレンテレフタレート−IPA共重合体1を用いた以外は、CBマスターバッチ1と同様の方法でCBマスターバッチ3を作製した。
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート50質量部と、一次粒径200nmのルチル型二酸化チタン粒子50質量部をベントした280℃の押出機内で溶融混練し、TiO2マスターバッチを作製した。
(遮光テープの作製方法)
1.粘着剤層
イソノニルアクリレート98.9重量部、アクリル酸0.1重量部、N−ビニルカプロラクタム1.0重量部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.05重量部及び溶剤として酢酸エチル80重量部を、攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入口を備えた五つ口フラスコに仕込み、攪拌した後、窒素ガスで約30分間パージし、モノマー溶液中に残存する酸素を除去した。しかる後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し、攪拌しつつ昇温し70℃に保持し、熱重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.03重量部を1重量部の酢酸エチルに溶解したものを、滴下ロートから滴下した。反応開始後、そのままの温度で10時間反応させ、アクリル系共重合体溶液を得た。
CBマスターバッチ1(CB−MB1)で用いたカーボンブラック(CB−1)に市販のインク用メジウム(ポリウレタン系/塩・酢ビコポリマー)と溶剤(ケトン/芳香族炭化水素/アルコール)を加えて混合・撹拌し、溶剤乾燥後のカーボン含有率が50重量%となる黒色インクを調合した。
続いて、ポリエステルフィルム上に前記の黒色インクを用いて、乾燥後の厚みが2μmの黒色インク層を遮光性の要求特性に応じた回数、オフセット印刷にて設けた。
(実施例1)
表に示す組成となるように、ポリエステル原料として前項で作製したポリエチレンテレフタレート34質量部とポリエチレンテレフタレート−イソフタル酸(IPA)共重合体1を26質量部、CBマスターバッチ1を40質量部ブレンドし、180℃で2時間真空乾燥した。次いで280℃に昇温した押出機内で溶融させて吐出し、Tダイから押出した溶融シートを表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸シートを得た。
続いて、得られた未延伸シートを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、85℃の温度に加熱したロールと25℃の温度に調整したロール間で3倍の速度差をつけることで長手方向(縦方向)に3倍に延伸した後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸シートを得た。更に得られた一軸延伸シートの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃に保たれた加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.6倍に延伸した。更に引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンにて230℃で20秒間の熱処理を施し、さらに6%幅方向に弛緩処理を行いながら均一に徐冷し、ポリエステルフィルムを製膜した。
引き続き、製膜後のポリエステルフィルムの厚みが16μmとなるように押出機の吐出量とキャスティングドラム以降のライン速度を調整して、実施例1に記載のポリエステルフィルムを得た。製膜性は非常に優れており、前記条件で1時間連続製膜を実施しても一度もフィルム破れが発生しなかった。
得られたポリエステルフィルムの遮光性評価と光収縮性評価を実施したところ、いずれも非常に優れた遮光性と耐光収縮性を有することが分かった。
また非常に薄膜でありながら、前記特性を満足することから、電子機器に用いられる遮光基材として好適に用いることができるポリエステルフィルムであることが分かった。
更に、ポリエステルフィルムの片面に粘着剤層を設けて遮光テープを作製した。得られた遮光テープは非常に遮光性に優れ、黒色インク層を設ける必要が無いことから、環境負荷低減や製造工程簡略化の観点で、非常に優れる遮光テープであることが分かった。
表に記載の着色顔料濃度となるようにCBマスターバッチ1の量と、表に記載の厚みとなるように製膜条件を調整した以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。実施例4、5については製膜時にフィルム破れが発生したため、実施例1に比べて延伸倍率を下げて製膜を行った。
表に記載の共重合成分の比率となるようにポリエチレンテレフタレート−イソフタル酸(IPA)共重合体1の量を調整した以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。実施例8以外については製膜時にフィルム破れが発生したため、実施例1に比べて延伸倍率を下げて製膜を行い、中でも実施例13は製膜性に劣るが問題ない範囲であった。得られたポリエステルフィルムの特性は表に示す通り、実施例1には劣るものの良好な特性を示し、電子機器用の遮光基材としても良好で、中でも実施例9は最も優れる特性であることが分かった。また実施例12耐光収縮性に劣るが問題ない範囲であった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、非常に優れる遮光テープであることが分かった。
表に記載の共重合成分の種類と比率となるように前項に記載のポリエチレンテレフタレート−ナフタレンジカルボン酸(NDC)共重合体、ポリエチレンテレフタレート−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)共重合体、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の量を調整した以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。実施例17以外については製膜時にフィルム破れが発生したため、実施例1に比べて延伸倍率を下げて製膜を行い、中でも実施例14は製膜性に劣るが問題ない範囲であった。
得られたポリエステルフィルムの特性は表に示す通り、共重合成分としてジオール成分にCHDMを用い、共重合成分比率9mol%とした実施例17は実施例1と同様に非常に優れた遮光性と耐光収縮性を有することが分かった。またその他の実施例については、実施例1や17には劣るものの良好な特性を示し、電子機器用の遮光基材としても良好な特性であることが分かった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、非常に優れる遮光テープであることが分かった。
表の通り、前項に記載のCBマスターバッチ2、CBマスターバッチ3、酸化チタンマスターバッチを用いて着色顔料の種類と含有量を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。実施例20は製膜性に劣るが問題ない範囲であった。
得られたポリエステルフィルムの特性は表に示す通り、実施例19は実施例1に比べて遮光性と耐光収縮性に劣るものの優れた特性であること、実施例20は実施例1に比べて着色顔料濃度が少量であっても実施例1と同等の遮光性が得られることがわかった。また実施例21は遮光性に劣るが問題無い範囲であった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、実施例1には劣るものの遮光テープとして良好な特性であることが分かった。
構成成分を前項に記載のポリエチレンナフタレートとし、共重合成分としてジカルボン酸成分がテレフタル酸(TPA)である前項に記載のポリエチレンテレフタレートを表に記載の比率となるように調製した以外は、実施例1と同様にポリエステルフィルムを得たところ、製膜性に劣るが問題ない範囲であった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、非常に優れる遮光テープであることが分かった。
フィルムの厚みを10μmとした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表に示す通りであり、実施例1に比べて遮光性に劣るものの優れた特性であることがわかった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、優れた遮光テープであることが分かった。
表に記載の通り、製膜条件を変更した以外は実施例23と同様にポリエステルフィルムを得た。尚、実施例25〜35は縦延伸の際、予熱ロールから延伸ロールの間に、フィルム間距離400mm、ヒーター容量6.6kW、発熱長800mmの赤外線ヒーター(RH)を設置して製膜を行った。得られたポリエステルフィルムは製膜条件における、縦延伸時のフィルム温度と延伸倍率、横延伸時における予熱温度を変えることで、光学濃度と十点平均粗さRz(μm)とフィルム厚み(μm)の比(Rz/T)が変化することがわかった。また実施例35を製膜性に劣るが問題ない範囲であった。
また、実施例1と同様に遮光テープを作製したところ、実施例25、34、35は実施例23に比べて優れた遮光テープであることが分かった。
表の通り、ポリエチレンテレフタレートのホモ重合体を単独で用いた以外は実施例1と同様であったが、遮光性と耐光収縮性には非常に優れるものの、製膜性に劣るものであった。
(比較例2)
表の通り、ポリエチレンテレフタレート−イソフタル酸(IPA)共重合体2を単独で用いた以外は実施例1と同様であったが、遮光性には非常に優れ、製膜性は良好なものの、耐光収縮性に劣るものであった。
(比較例3)
表の通り、着色顔料を高濃度化した以外は実施例12と同様であったが、遮光性には優れるものの、製膜性と耐光収縮性に劣るものであった。
(比較例4)
表の通り、着色顔料を低濃度化した以外は実施例1と同様であったが、製膜性と耐光収縮性には非常に優れるものの、遮光性に劣るものであった。
Claims (8)
- 光学濃度と厚み(μm)の比(光学濃度(OD)/厚み(T))が0.22以上、2.0以下であり、示差走査熱量測定(DSC)において、溶融状態で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で冷却した時の降温結晶化温度Tmcが180℃以上、210℃以下であるポリエステルフィルム。
- 黒色顔料を3.5質量%以上、30質量%以下含む請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 少なくとも一方の表面の十点平均粗さRz(μm)が、Rz(μm)と厚み(μm)の比(十点平均粗さ(Rz)/厚み(T))が0.30以下であること満たす請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- フィルムを構成するポリエステル樹脂が、ポリエステルの構成成分としてイソフタル酸成分および/またはシクロヘキサンジメタノール成分を含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- フィルムを構成するポリエステルが、全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸成分を0.5mol%以上20mol%以下含む、または全ジオール成分に対してシクロヘキサンジメタノール成分を0.5mol%以上20mol%以下含む請求項4に記載のポリエステルフィルム。
- フィルム厚みが28μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 電子機器の遮光基材として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルムを用いた遮光テープ。
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