JP5651012B2 - 表示装置組み立て用テープ基材及びこれを用いた表示装置組み立て用粘着シート並びに表示モジュールユニット - Google Patents

Description

本発明は、表示装置組み立て用テープ基材及びこれを用いた表示装置組み立て用粘着シート並びに表示モジュールユニットに関する。

近年、液晶表示装置は、携帯電話や電子手帳などの電子機器の表示装置として多く用いられている。このような小型電子機器に用いられる液晶表示装置としては、サイドライト型バックライト方式の液晶表示装置が採用されている。

上記サイドライト型バックライト方式の液晶表示装置は、一般的に、反射シート、導光板、拡散シート、プリズムシートなどの光学フィルムが積層状態とされた上で合成樹脂製のバックライト筐体内に配設され、この積層状の光学フィルム上に表示装置組み立て用テープ基材を介して液晶表示パネルが積層一体化されていると共に、導光板の側方にランプリフレクタが設けられてＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）などの光源が配設されている。

そして、表示装置組み立て用テープ基材は、液晶表示パネルの外周部に光が進入することによる液晶表示面の見栄えの低下防止のための遮光性と、光源からの光を反射して液晶表示パネルに光を効率よく誘導するための光反射性の双方を有している必要がある。

このような表示装置組み立て用テープ基材としては、特許文献１に、（ａ）ＬＣＤモジュールのＬＣＤパネルとバックライト筐体の間に貼着して使用される光反射性と遮光性とを併有する粘着テープであって、（ｂ）光反射層と遮光層を積層して成る支持体と、前記支持体の少なくとも片方の面に設けた粘着剤層とを有し、（ｃ）前記光反射層が１０〜３０μｍの膜厚と１０．０Ｎ／１０ｍｍ以上の引張強度とを有する白色着色剤が混練された二軸延伸白色樹脂フィルムで構成され、総厚さが２０〜１００μｍである粘着テープが開示されている。

そして、粘着テープの遮光層は、黒色のインキを二軸延伸白色樹脂フィルム上に塗布、乾燥させて形成され、ピンホールを防止するために２〜４層積層するのが好ましいことが記載されている（段落番号〔００３４〕〕。

白色樹脂フィルム上に遮光層を２〜４層積層させるには、白色樹脂フィルム上に黒色のインキを塗布、乾燥させた後、黒色のインキの塗膜上に黒色インキを塗布、乾燥させる。

しかしながら、白色樹脂フィルム上に黒色のインキを塗布し乾燥させた後に黒色のインキを塗布するとはいえ、白色樹脂フィルム上に塗布した黒色のインキが完全に乾燥した上で次の黒色のインキを塗布することは製造効率を低下させることになるため、白色樹脂フィルム上に既に塗布した黒色のインキが完全に乾燥する前に、次の黒色のインキが塗膜上に塗布される。

一方、黒色のインキ中にはブロッキング防止剤として珪素粒子などの無機粒子が含有されており、この無機粒子が遮光層のピンホールの原因ではないかと考えられている。そして、上述のように、白色樹脂フィルム上に塗布した黒色のインキが完全に乾燥しないうちに次の黒色のインキを重ねて塗布すると、黒色のインキ中に含まれている無機粒子が、重ね塗りされ且つ完全に乾燥していない複数の塗膜層中を厚み方向に横断し、その結果、遮光層を複数層、積層させたとしても、遮光層を厚み方向に横断した状態にピンホールが形成し、充分な遮光性を確保することができないといった問題点を有している。

そこで、白色樹脂フィルム上への黒色のインキの重ね塗り回数が増加すればするほど遮光層のピンホールの問題が発生する可能性が低減するが、遮光層の厚みが厚くなると、粘着テープの厚みが厚くなってしまい、電子機器の表示装置の厚みを薄くしたいという要望を損なうといった問題点を有している。

又、遮光層を形成する黒色のインキ中に含有される有色顔料が導電性を有している場合、遮光層の厚みが、一定の厚みを超えると遮光層の導電性が急激に上昇する現象が確認されており、その結果、遮光層に電流が流れ、この電流が表示装置の表示パネルの制御装置の誤作動の原因になるといった問題が指摘されている。

特開２００４−１５６０１５号公報

本発明は、優れた遮光性及び光反射性を有し且つ遮光層中を流れる電流によって表示パネルの制御装置が誤作動を生じることはなく、表示パネルの表示性能を確実に維持することができる表示装置組み立て用テープ基材及びこの表示装置組み立て用テープ基材を用いた表示装置組み立て用粘着シート並びに表示モジュールユニットを提供する。

本発明の表示装置組み立て用テープ基材は、基材フィルムと、上記基材フィルムの両面に積層一体化され且つ黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラックを含有する厚みが１〜５μｍの遮光層と、上記遮光層の何れか一方の遮光層上に積層一体化された光反射層とを含み、上記基材フィルムの両面に積層一体化された上記遮光層の合計厚みが２〜１０μｍであることを特徴とする。

又、本発明の表示モジュールユニットは、内周面にパネル配設用段部が形成された枠状のバックライト筐体と、上記パネル配設用段部上に配設された表示装置組み立て用粘着シートであって、基材フィルム、上記基材フィルムの両面に積層一体化され且つ黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラックを含有する厚みが１〜５μｍの遮光層及び上記遮光層の何れか一方の遮光層上に積層一体化された光反射層を含み、上記基材フィルムの両面に積層一体化された上記遮光層の合計厚みが２〜１０μｍである表示装置組み立て用テープ基材と、上記表示装置組み立て用テープ基材の少なくとも一面に積層一体化された粘着剤層とを含む表示装置組み立て用粘着シートと、上記表示装置組み立て用粘着シート上に配設される表示パネルと、上記バックライト筐体内に積層状態にて配設される複数枚の光学フィルムとを含むことを特徴とする。

本発明の表示装置組み立て用テープ基材は、基材フィルムの両面に遮光層が積層一体化されていると共に、何れか一方の遮光層上に光反射層が積層一体化されているので、各遮光層は基材フィルムを介して別々に形成されており、各遮光層にピンホールが形成されていても、ピンホールは極めて径の小さな孔であるので、各遮光層に形成されたピンホール同士が重なり合う可能性は殆どなく、二つの遮光層によって確実に光を遮断することができる。

そして、遮光層に、黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラック、即ち、ファーネスブラックが含有されており、遮光層は優れた遮光性を有し、表示装置組み立て用テープ基材に入射する光をより確実に遮断することができる。

更に、遮光層に含まれている黒色着色剤としてファーネスブラックを用いることによって遮光層の導電性を低減させているのに加えて、遮光層の厚みが１〜５μｍであるので、遮光層の抵抗値を５００ＭΩ以上として遮光層に電流が流れることを防止することができる。よって、遮光層に電流が流れることによる表示パネルの制御装置の誤動作を防止することができる。

本発明の表示装置組み立て用テープ基材を示した縦断面図である。 本発明の表示装置組み立て用粘着シートを示した縦断面図である。 本発明の表示装置組み立て用粘着シートの他の一例を示した縦断面図である。 本発明の表示装置組み立て用粘着シートの他の一例を示した縦断面図である。 本発明の表示モジュールユニットを示した縦分解図である。 本発明の表示モジュールユニットを示した分解斜視図である。 本発明の表示装置組み立て用テープ基材の遮光層の導電性を測定する要領を示した模式図である。

本発明の表示装置組み立て用テープ基材の一例を図面を参照しつつ説明する。本発明の表示装置組み立て用テープ基材Ａは、基材フィルム１の両面に遮光層２、２が積層一体化されていると共に、何れか一方の遮光層２上に光反射層３が積層一体化されていることを特徴とする。表示装置組み立て用テープ基材Ａの形状は、特に限定されないが、以下の説明においては、枠状に形成されている場合を例に挙げて説明する。

表示装置組み立て用テープ基材Ａの基材フィルム１を構成する合成樹脂としては、従来からテープ基材として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、セロファンなどが挙げられ、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。

基材フィルム１の厚みは、厚いと、得られる表示装置組み立て用テープ基材の厚みが厚くなるので、１０μｍ以下が好ましい。基材フィルム１の厚みは、薄いと、表示装置組み立て用テープ基材の強度が低下すると共に、使用時に表示装置組み立て用テープ基材に皺が発生し易くなり、バックライト筐体と表示パネルとの一体化が不充分となることがあるので、１μｍ以上が好ましく、３μｍ以上がより好ましく、４μｍ以上が特に好ましい。なお、基材フィルム１の厚みは、表示装置組み立て用テープ基材を任意の箇所にてその厚み方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、任意の５箇所の基材フィルムの厚みの相加平均値とする。

そして、基材フィルム１は粉状の有色顔料を含有していないことが好ましく、このように粉状の有色顔料を含有していないことで、基材フィルムの薄膜化を図ることができ、その結果、表示装置組み立て用テープ基材の薄型化を図ることができる。なお、上記粉状の有色顔料としては、常温において粉状であれば、特に限定されず、二酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、鉛白などの白色顔料や、カーボンブラック、アセチレンブラック、松煙、黒鉛などの黒色顔料や、その他種々の色素顔料が挙げられる。

特に、基材フィルム１に粉状の有色顔料を含有させないことによって、基材フィルムに亀裂を生じさせることなく高倍率の延伸処理を施すことが可能となり、基材フィルムの更なる薄膜化と強度の向上を図ることができる。

図１に示したように、上記基材フィルム１の両面には遮光層２が積層一体化されている。遮光層２は、光を遮断し遮光層２を通じて基材フィルム１側に光が透過しないようにするために、黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラック（以下「ファーネスブラック」ということがある）が含有されている。

遮光層２は、黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラックを含有することによって、遮光層２の導電性を抑制しながら、遮光層２に優れた遮光性を付与することができ、例えば、表示パネルとバックライト筐体とを一体化するために用いられた場合、バックライト筐体からの光漏れを防止しつつ、表示パネルの制御装置の誤作動を防止し表示パネルの表示性能を確実に維持して、表示装置の優れた視認性及び表示性を達成することができる。

黒色着色剤（ファーネスブラック）の平均粒径は、小さいと、黒色インキの製造時の取扱性に欠けることがあり、大きいと、遮光層の表面粗さが大きくなって粘着剤層との一体化が不充分となることがあるので、０．０１〜０．５μｍが好ましい。なお、黒色着色剤の平均粒径は、電子顕微鏡で観察して求めた算出平均径をいう。

遮光層２を形成するには、基材フィルム１上に、黒色着色剤としてファーネスブラックを含有する黒色インキを塗布、乾燥させて形成すればよい。この際、基材フィルム１上に上記インキを塗布、乾燥する工程を複数回に亘って行なうことが好ましい。即ち、黒色インキを塗布、乾燥する工程を複数回に亘って繰返し行い、遮光基層を複数層、積層一体化させて遮光層２を形成してもよい。このように、遮光基層を複数層、積層一体化することによって、一の遮光基層に万一、ピンホールが形成されているとしても、ピンホールは極めて小径であるので、ピンホールが他の遮光基層に形成されたピンホールと重なり合うようなことはないので、遮光基層に形成されたピンホールを他の遮光基層によって確実に遮蔽することができ、遮光層２の遮光性をより確実なものとすることができる。又、インキを塗布するには、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの汎用の手段を用いればよい。

又、上述のように、基材フィルム１の両面に黒色インキを塗布するにあたって、基材フィルムと黒色インキとの間において馴染み性が低い、即ち、基材フィルムの濡れ性（親和性）が低いと、基材フィルム１の表面に黒色インキを塗布した際に、黒色インキが基材フィルム１上に均一に塗布されず、特に、黒色インキが均一に塗布されずに黒色インキの膜厚が薄くなった部分にカーボンブラックが存在していると、カーボンブラックの周囲にバインダーが円滑に供給されず、その結果、黒色インキが部分的に塗布されていない微細な部分が発生し、この微細な部分がピンホールとなると推定される。

従って、基材フィルム１の表面に黒色インキをできるだけ均一に塗布するために、基材フィルム１の両面に予めコロナ放電処理を施しておき、基材フィルム１の両面の濡れ性を向上させた上で、基材フィルム１の両面に黒色インキを塗布することによって遮光層２（遮光基層）を形成することが好ましい。コロナ放電処理は、基材フィルム１の表面張力が４０ｍＮ／ｍ以上となるように行うことが好ましい。

黒色着色剤（ファーネスブラック）を含有する黒色インキとしては、黒色着色剤（ファーネスブラック）とバインダーと溶剤とを含有していることが好ましい。バインダーとしては、特に限定はされないが、従来からインキに用いられているものが用いられ、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、尿素メラミン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどが挙げられ、ポリウレタン系樹脂が好ましい。

上記バインダーとしては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などのハロゲン元素の含有量が５０ｐｐｍ以下であるものが好ましい。これは、バインダー中にハロゲン元素が多量に含有していると、表示装置の使用中に、ハロゲン元素に起因したガスが発生し、このガスが原因となって表示装置の表示性能が低下し、或いは、焼却時に有害ガスが発生する虞れがあるからである。

なお、バインダー中のハロゲン元素量は、発光分光分析法により測定することができる。発光分光分析法とは、プラズマ光源で原子を励起して発光させ、発光を回折格子などにより分光し、所謂、原子スペクトルを得ることにより含有元素を特定する測定方法である。島津製作所から商品名「ＰＤＡシリーズ」にて市販されている測定装置を用いることができる。

上記溶剤としては特に限定はされず、バインダーの種類に合わせて適宜選択すればよい。

黒色インキ中における黒色着色剤（ファーネスブラック）の含有量は、多いと、表示装置内において用いた際の電気絶縁性が低下することがあるので、インキ中、１２重量％未満であることが好ましい。

黒色着色剤（ファーネスブラック）を含有するインキは、例えば、大日本インキ化学工業社から商品名「ユニビアＡ−３００」で、帝国インキ製造株式会社から商品名「ＥＧＳ−９１１墨」で市販されている。

遮光層は、ＪＩＳ Ｚ８７２９で規格されているＬ^*ａ^*ｂ^*表色系のうち明度を表すＬ^*が２５±１０であることが好ましい。

遮光層２中における黒色着色剤（ファーネスブラック）の含有量は、少ないと、遮光層の遮光性が低下し、表示パネルとバックライト筐体とを一体化するために用いられた場合、バックライト筐体からの光漏れが生じ、表示装置の視認性が低下することがあり、多いと、表示装置内において用いた際の電気絶縁性が低下することがあるので、１５〜７０重量％が好ましい。

遮光層２の厚みが厚いと、表示装置組み立て用テープ基材の厚みが厚くなると共に、遮光層に導電性を有する有色顔料が含有されている場合には遮光層の導電性が高くなって表示パネルの制御装置の誤動作を引き起こす。又、遮光層２の厚みが薄いと、遮光性能が低下する。従って、遮光層２の厚みは１〜５μｍに限定され、２〜４μｍが好ましい。なお、遮光層の厚みは、表示装置組み立て用テープ基材を任意の箇所にてその厚み方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、任意の５箇所の遮光層２の厚みの相加平均値とする。

又、基材フィルム１の両面に積層一体化された遮光層２、２の合計厚みは、薄いと、遮光性能が低下することがあり、厚いと、遮光層の導電性が高くなって表示パネルの制御装置の誤動作を引き起こすことがあるので、２〜１０μｍに限定され、４〜８μｍが好ましい。

このように、基材フィルム１の両面に遮光層２、２を積層一体化させており、基材フィルム１の一面に積層一体化されている遮光層２に形成されるピンホールと、基材フィルム１の他面に積層一体化されている遮光層２に形成されるピンホールとはそれらの大きさが極めて小径であることもあって重なり合う可能性は極めて低く、表示装置組み立て用テープ基材Ａは優れた遮光性を有している。

そして、遮光層２、２は別々に形成されており、上述のように、一方の遮光層２に仮にピンホールが形成されていても、他方の遮光層２がそのピンホールを通じて透過した光を遮断するので、ピンホールの形成を防止するために必要以上に遮光層２の厚みを厚くする必要はない。従って、表示装置組み立て用テープ基材Ａの厚みを薄くすることができると共に、各遮光層２、２の厚み精度を向上させることができ、表示装置組み立て用テープ基材Ａの品質を均一化することができる。

更に、遮光層２の厚みを薄くすることができるので、遮光層２中に導電性の有色顔料が含有されていても、導電性の有色顔料による遮光層２の導電性の上昇を防止して遮光層２に電気が流れるのを防止することができる。その結果、遮光層２中を流れる電流によって表示パネルの制御装置が誤作動を生じることはなく、表示パネルの表示性能を確実に維持することができる。

又、遮光層２は、上述のように、通常、基材フィルム１の表面に黒色インキを塗布、乾燥させて形成するが、基材フィルム１の表面に黒色インキを塗布する際に、基材フィルム上に塗布した黒色インキが部分的に弾かれることがあり、この部分において基材フィルム上への黒色インキの塗布が不充分となって遮光層にピンホールが形成される。そこで、基材フィルム上に黒色インキを塗布、乾燥させて遮光層を形成する工程を複数回繰返し行うことによって、下側の遮光層に形成されるピンホールを上側に形成される遮光層によって隠蔽することが考えられる。しかしながら、下側の遮光層を形成する際に黒色インキが弾かれた部分に改めて黒色インキを塗布しても、上側の遮光層を形成するための黒色インキが弾かれる可能性が高く、上側の遮光層にも同一部分にピンホールが形成され、ピンホールを隠蔽することができない可能性が高い。

一方、本発明の表示装置組み立て用テープ基材Ａでは基材フィルム１の両面に遮光層２、２を別々に形成しているので、基材フィルムの両面のそれぞれに黒色インキを別々に塗布している。従って、基材フィルムの両面に塗布した黒色インキにおいて、基材フィルムによって弾かれる部分が同一である可能性は極めて低い。従って、一方の遮光層２においてピンホールが形成された位置と、他方の遮光層２においてピンホールが形成された位置とが互いに重なり合うことは殆どなく、一方の遮光層２に形成されたピンホールは、他方の遮光層２に形成されたピンホールによって確実に隠蔽される。よって、本発明の表示装置組み立て用テープ基材Ａは優れた遮光性を有している。

なお、本発明の表示装置組み立て用テープ基材Ａの基材フィルム１の両面に積層一体化される遮光層２、２は互いに同一の構成を有している必要はなく、各遮光層２が異なる構成を採っていてもよい。

更に、表示装置組み立て用テープ基材Ａの遮光層２、２のうちの何れか一方の遮光層２上には光反射層３が積層一体化されている。表示装置組み立て用テープ基材Ａが光反射層３を有することにより、例えば、表示パネルとバックライト筐体とを一体化させるために用いられた場合、バックライト筐体からの光を後述する反射板10方向に反射して表示パネルに光を効率よく誘導することができる。

上記光反射層３は、光を反射すればよく、白色着色剤を含有していることが好ましい。このような白色着色剤としては、特に限定されず、二酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、鉛白などが挙げられ、二酸化チタンが好ましい。

光反射層３を形成するには、遮光層２上に光反射層３を形成し得るインキを塗布、乾燥させて形成すればよく、好ましくは、白色着色剤を含有する白色インキを塗布、乾燥させて形成すればよい。この際、インキを塗布、乾燥する工程を複数回に亘って行なうことが好ましい。又、インキを塗布するには、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの汎用の手段を用いればよい。

白色着色剤を含有する白色インキとしては、白色着色剤とバインダーと溶剤とを含有していることが好ましい。なお、バインダー及び溶剤は、黒色着色剤と同様であるのでその説明を省略する。

白色インキ中における白色着色剤の含有量としては、少ないと、光反射層の反射率が低下し、充分な光反射率を保持しつつ光反射層の厚みを薄くことができず、多いと、光反射層の表面粗さが大きくなり、光反射層上に粘着剤層を形成する場合に光反射層と粘着剤層との間の密着性が低下して、光反射層と粘着剤層との間において層間剥離を生じる虞れがあるので、１０〜４０重量％が好ましく、１５〜３０重量％がより好ましい。

なお、白色インキとしては、例えば、大日本インキ化学工業社から商品名「パナシアＣＶＬ−ＳＰ７０９白」にて市販されている白色インキ、帝国インキ社から商品名「ＥＧＳ６１１白」にて市販されている白色インキを用いることができる。

又、光反射層３中における白色着色剤の含有量は、少ないと、光反射層の反射率が低下し、充分な光反射率を保持しつつ光反射層の厚みを薄くことができず、多いと、光反射層の表面粗さが大きくなり、光反射層上に粘着剤層を形成する場合に、光反射層と粘着剤層との間の密着性が低下して、光反射層と粘着剤層との間において層間剥離を生じる虞れがあるので、２０〜８５重量％が好ましい。

光反射層３は、ＪＩＳ Ｚ８７２９で規格されているＬ^*ａ^*ｂ^*表色系のうち明度を表すＬ^*が８５よりも大きいことが好ましい。

光反射層３の厚さは、薄いと、光反射層を通じて遮光層が透けてしまい、光反射層の色が見掛け上、灰色となると共に、光反射層を透過した光が遮光層に吸収されることがあり、その結果、光反射層３の光反射性能が低下する虞れがあり、厚いと、表示装置組み立て用テープ基材全体の厚みが厚くなってしまうので、２〜１５μｍが好ましい。なお、光反射層３の厚みは、表示装置組み立て用テープ基材を任意の箇所にてその厚み方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、任意の５箇所の光反射層３の厚みの相加平均値とする。

上述のように、基材フィルム１の両面に遮光層２が積層一体化されていると共に、何れか一方の遮光層２上に光反射層３が設けられることによって表示装置組み立て用テープ基材Ａが形成されているが、図２及び図３に示したように、表示装置組み立て用テープ基材Ａの少なくとも一面に粘着剤層４を積層一体化させることによって表示装置組み立て用粘着シートＢを形成し、或いは、図４に示したように、表示装置組み立て用テープ基材Ａの両面に粘着剤層４、４を積層一体化させることによって表示装置組み立て用粘着シートＢが形成されてもよい。

この粘着剤層４を構成している粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。表示装置組み立て用テープ基材Ａの両面に粘着剤層４、４を積層一体化する場合、両粘着剤層４、４は同一であっても相違していてもよい。

アクリル系粘着剤としては、アルキル基の炭素数が１〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、アルキル基の炭素数が１〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノマーなどの共重合性モノマーとの共重合体を５０重量％以上含有するものが好ましい。なお、本発明において、（メタ）アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。

そして、アクリル系粘着剤中におけるアルキル基の炭素数が１〜１８の（メタ）アクリル酸アルキルエステル成分の含有量は、少ないと、アクリル系粘着剤の粘着性が低下することがあるので、５０重量％以上が好ましく、６０重量％以上がより好ましい。

上記（メタ）アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、（メタ）アクリル酸メチル、（メタ）アクリル酸エチル、（メタ）アクリル酸ブチル、（メタ）アクリル酸イソブチル、（メタ）アクリル酸へキシル、（メタ）アクリル酸オクチル、（メタ）アクリル酸２−エチルヘキシル、（メタ）アクリル酸イソオクチル、（メタ）アクリル酸ノルマルデシル、（メタ）アクリル酸イソデシル、（メタ）アクリル酸ラウリル、（メタ）アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。

又、上記官能性モノマーの例としては、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、例えば、（メタ）アクリル酸２−ヒドロキシエチル、（メタ）アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの（メタ）アクリル酸ヒドロキシアルキルなどが例示される。

そして、カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα，β−不飽和カルボン酸；マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキル；マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸、無水マレイン酸などの二塩基酸無水物などが挙げられる。

更に、アミド基を有するモノマーとしては、（メタ）アクリルアミド、ジメチル（メタ）アクリルアミド、ジエチル（メタ）アクリルアミドなどのアルキル（メタ）アクリルアミド、Ｎ−ブトキシメチル（メタ）アクリルアミド、Ｎ−エトキシメチル（メタ）アクリルアミドなどのＮ−アルコキシメチル（メタ）アクリルアミド、ジアセトン（メタ）アクリルアミドなどが挙げられる。

又、アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチル（メタ）アクリレートなどが例示される。上記以外の共重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。

なお、アクリル系粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、架橋剤などが配合されてもよい。このような粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤架橋剤などが挙げられる。

更に、アクリル系粘着剤としては、ＧＰＣ法によりポリスチレン換算分子量として測定された重量平均分子量が５０万〜１００万である（メタ）アクリル酸エステル系樹脂と、水酸基価が３５以上のロジンエステル系樹脂と、水酸基価が３５以上のテルペンフェノール樹脂とを含み、且つ、ゲル分率が１０〜４０重量％である粘着剤が好ましい。このような粘着剤を用いることによって、表示装置組み立て用粘着シートは、その粘着剤層の厚みを１０μｍ程度まで薄層化させても充分な粘着力を発現するので好ましい。

又、上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのゴム弾性体を５０重量％以上含有するものが挙げられる。

上記ゴム弾性体には、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着付与剤が適量、添加され、更に、必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレートなどの軟化剤が配合される。上記シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチルシロキサンなどを５０重量％以上含有するものが挙げられる。

なお、上記粘着剤には、ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止剤などの各種添加剤が適量、添加されてもよい。又、粘着剤層４は透明であることが好ましいが、光反射層３上に積層一体化される粘着剤層４は白色に、遮光層２上に積層一体化される粘着剤層４は黒色に着色されてもよい。

そして、表示装置組み立て用テープ基材Ａの一面又は両面に粘着剤層４を積層一体化させる要領としては、特に限定されず、表示装置組み立て用テープ基材Ａ上に、粘着剤を含有する溶液又は分散液をコンマコーター、トップフィードリバースコーターなどを用いて直接塗布して乾燥させる方法、離型フィルムの離型処理面に、粘着剤を含有する溶液又は分散液を上述の要領で直接塗布して乾燥させた後、この離型フィルムをその粘着剤層が表示装置組み立て用テープ基材Ａに対向した状態に表示装置組み立て用テープ基材Ａ上に重ね合わせて、粘着剤層を表示装置組み立て用テープ基材Ａに転写して積層一体化させる方法などが挙げられる。

上記粘着剤層４の厚さは、薄いと、粘着剤層の粘着性が低下することがあり、厚いと、表示装置組み立て用粘着シートの厚さが厚くなるので、５〜５０μｍが好ましい。

次に、上記表示装置組み立て用粘着シートＢの使用要領の一態様を、図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを例に挙げて説明する。表示装置組み立て用粘着シートＢは矩形枠状に形成されて、バックライト筐体５内に、液晶表示パネルや有機ＥＬ（electroluminescence）パネルなどの表示パネル６を配設一体化して表示モジュールユニットＣを構成するために用いられる。

上記バックライト筐体５は、図５及び図６に示したように、合成樹脂製の矩形枠状に形成され、上端部には表示パネル６を載置するための平面矩形枠状のパネル配設用段部51がバックライト筐体５の上端面に開口した状態に形成されていると共に、下端部には反射板10を配設するための反射板配設用段部52が下端面に開口した状態に平面矩形枠状に形成されている。

そして、バックライト筐体５のパネル配設用段部51上には、バックライト筐体５の上端開口部よりも僅かに小さい大きさの平面矩形状の表示パネル６が配設されていると共に、バックライト筐体５内には複数枚の光学フィルムが互いに積層された状態で配設されている。

具体的には、導光板７、拡散シート８、及び、輝度を向上させるための一枚或いは複数枚のプリズムシート９、９・・・が、この順序で積層された上で、プリズムシート９を表示パネル６に対向させ且つプリズムシート９がパネル配設用段部51のパネル受止面51aに略面一となるようにバックライト筐体５内に配設されている。なお、上記以外の光学フィルムが適宜、積層されていてもよい。

なお、バックライト筐体５の反射板配設用段部52には反射板10が配設一体化されていると共に、バックライト筐体５内にはＬＥＤ（図示せず）が光源として配設されている。

上記表示パネル６とこれに対向するプリズムシート９とは表示装置組み立て用粘着シートＢを介して一体化されており、表示装置組み立て用粘着シートＢは、その遮光層２が表示パネル６に、光反射層３がプリズムシート９に対向した状態に配設されている。

そして、表示装置組み立て用粘着シートＢは、バックライト筐体５のパネル配設用段部51のパネル受止面51a上に配設された状態において、バックライト筐体５のパネル配設用段部51のパネル受止面51aの内周縁部から、パネル配設用段部51のパネル受止面51aで囲まれた開口部内に配設されたプリズムシート９の外周部に達する程度の幅寸法を全周に亘って有しており、バックライト筐体５のパネル配設用段部のパネル受止面51a及びプリズムシート９と、表示パネル６とがこれらの全周において表示装置組み立て用粘着シートＢを介して貼着一体化されている。

上記では、表示パネル６に対向する光学フィルムがプリズムシート９であるとして説明したが、表示パネル６に対向する光学フィルムは必ずしもプリズムシートである必要はなく、他の光学フィルムであってもよい。

上記のようにして構成された表示モジュールユニットＣは、その表示装置組み立て用テープ基材Ａが薄型化されているので、携帯電話や電子辞書などの小型電子機器の薄型化に好適に対応することができると共に、上記表示装置組み立て用テープ基材は、表示パネルの外周部に光が進入することによる表示面の見栄えの低下防止のための優れた遮光性と、光源からの光を反射して表示パネルに光を効率よく誘導するための優れた光反射性を発揮し、得られる表示モジュールユニットは、薄型である上に優れた表示性能を有している。

そして、表示装置組み立て用粘着シートＢの表示装置組み立て用テープ基材Ａにおける遮光層２がその厚みが薄く導電性が極めて低いので、表示パネル６の制御装置に悪影響を与えることはなく、表示パネル６の表示性能を損なうことはない。

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。

（実施例１）
厚みが４．５μｍの無色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム（東レ社製 商品名「５ＡＦ５３」）を透明基材フィルム１として用意した。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、有色顔料を一切、含有していなかった。又、透明基材フィルム１の両面には、コロナ放電処理が施されており、透明地合フィルム１の両面の表面張力は５０ｍＮ／ｍであった。

バインダーとしてウレタン樹脂（ハロゲン元素含有量：５０ｐｐｍ未満）３０重量部、黒色着色剤として平均粒径が０．０３μｍのファーネス法によって製造されたカーボンブラック１０重量部、並びに、酢酸エチル、トルエン及びイソプロピルアルコールを混合してなる溶剤６０重量部からなる黒色インキ（カーボンブラック：１０重量％）からなる黒色インキを用意した。

ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に黒色インキをグラビア印刷法を用いて塗布、乾燥させて、厚みが１μｍの遮光基層を形成した。この遮光基層上にグラビア印刷法を用いて上記黒色インキを重ねて塗布、乾燥させることによって、遮光基層上に、別の厚み１μｍの遮光基層を積層一体化させた。遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計３回繰り返して行い、遮光基層が４層、互いに積層一体化してなる厚みが４μｍの遮光層２を形成した。なお、各遮光基層中におけるカーボンブラックの含有率は、２５重量％であった。

更に、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面にも同様の要領で、遮光基層が４層、互いに積層一体化してなる厚みが４μｍの遮光層２を形成した。なお、各遮光基層中におけるカーボンブラックの含有率は、２５重量％であった。

次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に積層一体化させた遮光層２上に、バインダーとしてウレタン樹脂（ハロゲン元素含有量：５０ｐｐｍ未満）２５重量部、白色着色剤として二酸化チタン２５重量部、並びに、酢酸エチル、トルエン及びイソプロピルアルコールを混合してなる溶剤５０重量部からなる白色インキ（二酸化チタン：２５重量％）をグラビア印刷法を用いて塗布、乾燥させて、厚みが１．３μｍの光反射基層を形成した。

更に、上記光反射基層上にグラビア印刷法を用いて上記白色インキを重ねて塗布、乾燥させることによって、光反射基層上に、別の厚み１．３μｍの光反射基層を積層一体化させた。光反射基層上に白色インキを塗布、乾燥させる要領を合計２回繰り返して行い、厚みが３．９μｍの光反射層３を形成して表示装置組み立て用テープ基材Ａを形成した。なお、各光反射基層中における二酸化チタンの含有率は、５０重量％であった。

次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に積層一体化した遮光層２及び光反射層３上にアクリル系粘着剤（綜研化学社製 商品名「ＳＫ１７１７」）を塗布、乾燥させ、遮光層２及び光反射層３上のそれぞれに厚みが２０μｍの粘着剤層４、４を形成して図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（実施例２）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の両面のそれぞれに一層の遮光基層からなる厚みが１μｍの遮光層２を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（実施例３）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に積層一体化させた遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計３回の代わりに合計１回として遮光基層が２層、互いに積層一体化してなる厚みが２μｍの遮光層を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（実施例４）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の両面のそれぞれに積層一体化された遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計３回の代わりに合計４回として遮光基層が５層、互いに積層一体化してなる厚みが５μｍの遮光層を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（実施例５）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の両面のそれぞれに積層一体化された遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計３回の代わりに合計１回として遮光基層が２層、互いに積層一体化してなる厚みが２μｍの遮光層を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例１）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に、遮光基層が８層、互いに積層一体化してなる厚みが８μｍの遮光層２を形成したこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に遮光層を形成することなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に直接、光反射基層が３層、互いに積層一体化してなる厚みが３．９μｍの光反射層３を形成したこと以外は実施例１と同様にして表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例２）
白色樹脂フィルム（帝人社製 商品名「テフレックス」、厚み：１３μｍ、全光線透過率：３０〜４０％）を基材フィルムとして用意し、実施例１と同様の黒色インキを用意した。

次に、白色樹脂フィルムの一面に黒色インキをグラビア印刷により塗布、乾燥させて、厚みが１μｍの遮光基層を形成した。この遮光基層上にグラビア印刷により上記黒色インキを重ねて塗布、乾燥させることによって、遮光基層上に、別の厚み１μｍの遮光基層を積層一体化させた。遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計７回繰り返して行い、遮光基層が８層、互いに積層一体化してなる厚みが８μｍの遮光層を形成して表示装置組み立て用テープ基材を形成した。

次に、白色樹脂フィルムの他面及び遮光層上に、アクリル系粘着剤を塗布、乾燥させ、厚みが１．５μｍの粘着剤層を形成して表示装置組み立て用粘着シートを製造した。

（比較例３）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の両面のそれぞれに一層の遮光基層からなる厚みが０．５μｍの遮光層２を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例４）
ポリエチレンテレフタレートフィルムの他面に形成した遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計３回の代わりに合計５回として遮光基層が６層、互いに積層一体化してなる厚みが６μｍの遮光層を形成したこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例５）
白色樹脂フィルム（帝人社製 商品名「テフレックス」、厚み：１３μｍ、全光線透過率：３０〜４０％）を基材フィルムとして用意し、実施例１と同様の黒色インキを用意した。

次に、白色樹脂フィルムの一面に黒色インキをグラビア印刷により塗布、乾燥させて、厚みが１μｍの遮光基層からなる遮光層を形成した。しかる後、白色樹脂フィルムの他面及び遮光層上にアクリル系粘着剤（綜研化学社製 商品名「ＳＫ１７１７」）を塗布、乾燥させ、白色樹脂フィルムの他面及び遮光層上のそれぞれに厚みが２０μｍの粘着剤層を形成して表示装置組み立て用粘着シートを製造した。

（比較例６）
白色樹脂フィルム（帝人社製 商品名「テフレックス」、厚み：１３μｍ、全光線透過率：３０〜４０％）を基材フィルムとして用意し、実施例１と同様の黒色インキを用意した。

次に、白色樹脂フィルムの一面に黒色インキをグラビア印刷により塗布、乾燥させて、厚みが１μｍの遮光基層を形成した。この遮光基層上にグラビア印刷により上記黒色インキを重ねて塗布、乾燥させることによって、遮光基層上に、別の厚み１μｍの遮光基層を積層一体化させた。遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計５回繰り返して行い、遮光基層が６層、互いに積層一体化してなる厚みが６μｍの遮光層を形成して表示装置組み立て用テープ基材を形成した。

次に、白色樹脂フィルムの他面及び遮光層上にアクリル系粘着剤（綜研化学社製 商品名「ＳＫ１７１７」）を塗布、乾燥させ、白色樹脂フィルムの他面及び遮光層上のそれぞれに厚みが２０μｍの粘着剤層を形成して表示装置組み立て用粘着シートを製造した。

（比較例７）
遮光基層上に黒色インキを塗布、乾燥させる要領を合計５回の代わりに合計９回繰り返して行って、遮光基層が１０層、互いに積層一体化してなる厚みが１０μｍの遮光層を形成したこと以外は比較例６と同様にして表示装置組み立て用粘着シートを製造した。

（比較例８）
透明樹脂フィルム（二村社製 商品名「太閤ポリエステルフィルム ＃２３ＦＥ２００２」、厚み：２３μｍ、全光線透過率：８５〜９５％）を基材フィルムとして用意した。

次に、透明樹脂フィルムの両面にアクリル系粘着剤（綜研化学社製 商品名「ＳＫ１７１７」）を塗布、乾燥させ、透明樹脂フィルムの両面のそれぞれに厚みが２０μｍの粘着剤層を形成して表示装置組み立て用粘着シートを製造した。

（比較例９）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の両面のそれぞれに一層の遮光基層からなる厚みが１μｍの遮光層２を形成したこと、カーボンブラックとしてケッチェンブラック（三菱化学社製ケッチェンブラックＥＣ）を用いたこと以外は実施例１と同様にして図４に示した表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例１０）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に、遮光基層が６層、互いに積層一体化してなる厚みが６μｍの遮光層２を形成したこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に遮光層を形成することなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に直接、光反射基層が３層、互いに積層一体化してなる厚みが３．９μｍの光反射層３を形成したこと以外は実施例１と同様にして表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

（比較例１１）
ポリエチレンテレフタレートフィルム１の一面に、遮光基層が１０層、互いに積層一体化してなる厚みが１０μｍの遮光層２を形成したこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に遮光層を形成することなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム１の他面に直接、光反射基層が３層、互いに積層一体化してなる厚みが３．９μｍの光反射層３を形成したこと以外は実施例１と同様にして表示装置組み立て用粘着シートＢを製造した。

得られた表示装置組み立て用粘着シートの光反射率、明度、遮光性、遮光層の導電性及びピンホールの数を下記の要領で測定し、その結果を表１に示した。得られた表示装置組み立て用粘着シートを用いて電子機器が正常に動作するかを下記の要領で確認し、その結果を表１に示した。

（光反射率）
表示装置組み立て用粘着シートの光反射層についてＪＩＳ Ｋ７１０５に準拠して５００ｎｍにおける全光線反射率を測定した。なお、比較例２については、白色樹脂フィルムの光反射率を測定した。

（明度）
表示装置組み立て用粘着シートの光反射層及び遮光層について、Ｌ^*ａ^*ｂ^*表色系のうち明度を表すＬ^*をＪＩＳ Ｚ８７２９に準拠して測定した。なお、比較例２について、光反射層の明度として、白色樹脂フィルムの明度を測定した。

（遮光性）
表示装置組み立て用粘着シートの遮光層についてＪＩＳ Ｋ７１０５に準拠した全光線透過率を測定した。

（遮光層の導電性）
表示装置組み立て用テープ基材から一辺が５０ｍｍの平面正方形状の試験片Ｔを３枚、切り出した。次に、図７に示したように、各試験片Ｔに二本の鉄製の針Ｎ₁、Ｎ₂を１０ｍｍの間隔Ｗ₁を存して互いに平行となるように突き刺した。なお、二本の針Ｎ₁、Ｎ₂は、試験片Ｔの他面側から一面側に貫通させた上で一面側から他面側に貫通させた状態とした。針Ｎ₁、Ｎ₂を試験片Ｔに貫通させている二箇所の間隔Ｗ₂は１０ｍｍであった。試験片の一面又は他面とは、表示装置組み立て用テープ基材を製造する際の基材フィルムの一面又は他面にそれぞれ対応する。

次に、一方の針Ｎ₁に測定用針Ｓ₁を当接させると共に、他方の針Ｎ₂に測定用針Ｓ₂を当接させて、各試験片Ｔ毎に抵抗値を測定し、各試験片Ｔの抵抗値の相加平均値を遮光層の導電性とした。

（ピンホールの数）
円筒体の上端開口部上にこの上端開口部を完全に閉塞するように表示装置組み立て用テープ基材を載置した。円筒体内に光源（ナショナル社製 商品名「ダイクロビーム １１０Ｖ ６５Ｗ ビーム角１０°型番JDR110V65WKN/5E11」）を配設して光源から光を表示装置組み立て用テープ基材に照射した。そして、表示装置組み立て用テープ基材を垂直上方３０ｃｍの位置から目視観察してピンホールの数を測定した。なお、光源から表示装置組み立て用テープ基材の下面までの垂直方向の距離は２０ｃｍとした。比較例３、５の表示装置組み立て用テープ基材は全面的に光が透過したのでピンホールの有無を確認することができなかった。

比較例３の表示装置組み立て用テープ基材は、全体的に光を透過していたためピンホールの有無について測定しなかった。

（電子機器の動作）
市販のパソコンのＣＰＵ（中央処理装置）をマザーボード上に取り付けるにあたって、ＣＰＵの導通端子を表示装置組み立て用テープ基材に貫通させた上でマザーボード上に取り付けた。そして、パソコンを起動させて正常に起動したか否かを確認した。表示装置組み立て用テープ基材に導電性がある場合にはパソコンは正常に起動しない。正常に起動した場合を「良（good）」とし、正常に起動しなかった場合を「不良（bad）」とした。

本発明は、優れた遮光性及び光反射性を有し且つ遮光層中を流れる電流によって表示パネルの制御装置が誤作動を生じることはなく、表示パネルの表示性能を確実に維持することができ、液晶表示パネルや有機ＥＬ（Electroluminescence）パネルなどの表示パネルを用いた表示モジュールユニットの用途などに用いることができる。

１ 基材フィルム
２ 遮光層
３ 光反射層
４ 粘着剤層
５ バックライト筐体
６ 表示パネル
Ａ 表示装置組み立て用テープ基材
Ｂ 表示装置組み立て用粘着シート
Ｃ 表示モジュールユニット

Claims (6)

1. 基材フィルムと、上記基材フィルムの両面に積層一体化され且つ黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラックを含有する厚みが１〜５μｍの遮光層と、上記遮光層の何れか一方の遮光層上に積層一体化された光反射層とを含み、上記基材フィルムの両面に積層一体化された上記遮光層の合計厚みが２〜１０μｍであることを特徴とする表示装置組み立て用テープ基材。
2. 基材フィルムの両面にコロナ放電処理が施されていることを特徴とする請求項１に記載の表示装置組み立て用テープ基材。
3. 請求項１又は請求項２に記載の表示装置組み立て用テープ基材の少なくとも一面に粘着剤層が積層一体されていることを特徴とする表示装置組み立て用粘着シート。
4. 基材フィルムは、粉状の有色顔料を含有しておらず且つ厚みが１〜１０μｍであることを特徴とする請求項３に記載の表示装置組み立て用粘着シート。
5. 内周面にパネル配設用段部が形成された枠状のバックライト筐体と、上記パネル配設用段部上に配設された表示装置組み立て用粘着シートであって、基材フィルム、上記基材フィルムの両面に積層一体化され且つ黒色着色剤としてファーネス法によって製造されたカーボンブラックを含有する厚みが１〜５μｍの遮光層及び上記遮光層の何れか一方の遮光層上に積層一体化された光反射層を含み、上記基材フィルムの両面に積層一体化された上記遮光層の合計厚みが２〜１０μｍである表示装置組み立て用テープ基材と、上記表示装置組み立て用テープ基材の少なくとも一面に積層一体化された粘着剤層とを含む表示装置組み立て用粘着シートと、上記表示装置組み立て用粘着シート上に配設される表示パネルと、上記バックライト筐体内に積層状態にて配設される複数枚の光学フィルムとを含むことを特徴とする表示モジュールユニット。
6. 基材フィルムは、粉状の有色顔料を含有しておらず且つ厚みが１〜１０μｍであることを特徴とする請求項５に記載の表示モジュールユニット。

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