JP6114636B2 - 乾燥装置及び乾燥処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば有機EL素子の製造過程で、基板上の有機材料膜の乾燥を行うために利用可能な乾燥装置及び乾燥処理方法に関する。
有機EL(Electro Luminescence)素子は、電流を流すことで発生する有機化合物のルミネッセンスを利用する発光素子であり、一対の電極間に複数の有機機能膜の積層体(以下、この積層体を「EL層」と総称する)が挟まれた構造となっている。ここで、EL層は、例えば、陽極側から、[正孔輸送層/発光層/電子輸送層]、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層]、あるいは、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層]などの順に積層された構造を有している。
EL層の形成は、各層毎に、基板上に有機材料を蒸着したり、塗布したりすることにより行われる。高精度の微細パターンを形成する場合は、塗布方法として、インクジェット印刷法を利用することが有利であると考えられている。
インクジェット印刷法によって基板上に印刷された有機材料膜中には、インク由来の溶媒が多量に含まれているため、溶媒を除去するために減圧乾燥が行われる。乾燥された有機材料膜は、さらに、低酸素雰囲気中でベーク処理される。このベーク処理によって、有機材料膜は、EL層を構成する有機機能膜へ変化させられる。
乾燥処理時には、基板上の有機材料膜から、溶媒が多量に揮発する。そのため、複数枚の基板について、乾燥処理の条件を一定にするためには、乾燥処理後に、乾燥装置の処理容器内から溶媒を速やかに除去することが大切である。しかし、乾燥装置の処理容器内を減圧にしていくと、圧力の低下に伴い排気量が減少していくため、高真空状態では排気量が少なくなって溶媒の除去効率が低下する。また、高真空状態では、分子量が大きな高沸点溶媒の移動は、拡散が支配的となるために動きが小さく、処理容器外へ排出されにくい、という問題があった。
有機EL製造装置などの処理容器内の有機物を除去する方法として、特許文献1では、処理容器内にオゾンを含むガスを注入することが提案されている。
特開2005−138041号公報(請求項1など)
本発明は、基板上の有機材料膜を乾燥する乾燥装置の処理容器内に残留した溶媒を、短時間に効率良く除去することを目的とする。
本発明の乾燥装置は、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥装置である。本発明の乾燥装置は、真空引き可能な処理容器と、前記処理容器内で前記基板を支持する支持部材と、前記処理容器から乾燥処理済みの前記基板を搬出した後に、前記処理容器内に残留する前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解する溶媒分解手段と、を備えている。
本発明の乾燥装置は、前記溶媒分解手段が、前記処理容器の内部へ紫外線を照射する紫外線照射装置を有していてもよい。
本発明の乾燥装置は、さらに、前記有機材料膜から揮発した溶媒を捕集する溶媒捕集部を備えており、前記紫外線照射装置は、前記処理容器を構成する壁に設けられた透過窓の外部に装着されて前記溶媒捕集部へ向けて紫外線を照射するものであってもよい。
本発明の乾燥装置は、前記透過窓が前記支持部材の下方に設けられていてもよい。
本発明の乾燥装置は、前記溶媒分解手段が、さらに、前記処理容器内に酸化性ガスを導入する酸化性ガス供給装置を有していてもよい。
本発明の乾燥装置は、さらに、前記有機材料膜から揮発した溶媒を捕集する溶媒捕集部を備えており、前記酸化性ガス供給装置は、前記溶媒捕集部へ向けて前記酸化性ガスを供給するものであってもよい。
本発明の乾燥装置は、前記溶媒分解手段が、前記処理容器内にプラズマを導入するプラズマ供給装置を有していてもよい。
本発明の乾燥装置において、前記プラズマ供給装置は、前記プラズマを生成させるプラズマ発生部と、前記プラズマ発生部へガスを供給するガス供給源と、前記プラズマ発生部で発生させたプラズマを前記処理容器内へ供給するプラズマ供給路と、を備えていてもよい。この場合、前記プラズマ供給路は、前記処理容器のプラズマ導入部に接続されていてもよい。
また、本発明の乾燥装置は、さらに、前記有機材料膜から揮発した溶媒を捕集する溶媒捕集部を備えており、前記プラズマ導入部は、前記溶媒捕集部に前記プラズマを供給できるように、前記溶媒捕集部に臨む位置に設けられていてもよい。
本発明の乾燥装置において、前記溶媒捕集部は、複数の貫通開口を有する一枚又は複数枚の金属プレートを有していてもよい。
本発明の乾燥装置において、前記溶媒捕集部は、さらに、前記金属プレートを冷却する冷却装置を有していてもよい。
本発明の乾燥処理方法は、乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、を備えている。
本発明の乾燥処理方法において、前記リフレッシュ工程は、前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で、前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、前記処理容器内を前記第2の圧力まで減圧する途中で、前記紫外線の照射を終了するステップと、を含んでいてもよい。そして、本発明の乾燥処理方法は、前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内である。
本発明の乾燥処理方法において、前記リフレッシュ工程は、前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で、前記処理容器内に酸化性ガスの導入を開始するステップと、前記処理容器内を、前記第1の圧力よりも高い第3の圧力に調圧した状態で前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、前記酸化性ガスの導入を終了するステップと、前記紫外線の照射を終了するステップと、前記紫外線照射の終了後、前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、を含んでいてもよい。この場合、前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内であってもよく、前記第3の圧力が、50〜150Paの範囲内であってもよい。
本発明の乾燥処理方法において、前記リフレッシュ工程は、前記処理容器内を大気圧から第3の圧力まで減圧排気するステップと、前記処理容器内を、前記第3の圧力に調圧した状態で前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、前記紫外線の照射を終了するステップと、前記紫外線照射の終了後、前記処理容器内を前記第3の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、を含んでいてもよい。この場合、前記第3の圧力が、50〜150Paの範囲内であってもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記紫外線の波長が、100nm以上200nm以下の範囲内であってもよい。
本発明の乾燥処理方法において、前記リフレッシュ工程は、前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で前記処理容器内に酸化性ガスの導入を開始するステップと、前記処理容器内を、前記第1の圧力よりも高い第4の圧力に調圧した状態で前記処理容器の内部に、前記酸化性ガスのプラズマの導入を開始するステップと、前記酸化性ガス及び前記プラズマの導入を終了するステップと、前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、を含んでいてもよい。この場合、前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内であってもよく、前記第4の圧力が、50〜300Paの範囲内であってもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記第2の圧力が、1×10−4Pa以下であってもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記有機材料膜が、有機EL素子の製造においてインクジェット印刷法によって前記基板上に塗布されたものであってもよい。
本発明の乾燥装置及び乾燥処理方法によれば、溶媒分解手段を備えていることによって、基板を乾燥処理した後の処理容器内を、短時間で効率良くリフレッシュすることができる。従って、複数の基板を交換しながら乾燥処理する際のスループットを大幅に向上させることができる。また、溶媒分解手段によって、処理容器内に残留しやすい高沸点溶媒を確実に除去できるので、複数枚の基板を順次入れ替えて処理する際に、処理容器内のコンディションを整えて、安定した乾燥処理を行うことが可能になる。このように、本発明の乾燥装置及び乾燥処理方法によれば、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 第1の実施の形態の乾燥装置の変形例の概略構成を示す断面図である。 溶媒捕集部の詳細な構成を示す断面図である。 捕集プレートの一例を示す平面図である。 紫外線照射によって、溶媒中に含まれる有機化合物を分解させる過程を模式的に示す説明図である。 紫外線照射によって、溶媒中に含まれる有機化合物を分解させる過程を模式的に示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程における圧力の時間変化を示す図面である。 有機EL素子の製造工程の概略を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の乾燥装置の変形例の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の乾燥処理方法のリフレッシュ工程における圧力の時間変化を示す図面である。 本発明の第2の実施の形態の乾燥処理方法のリフレッシュ工程における圧力の時間変化の別の例を示す図面である。 本発明の第3の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態の乾燥装置の変形例の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態の乾燥処理方法のリフレッシュ工程における圧力の時間変化を示す図面である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る枚葉式の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。本実施の形態の乾燥装置100は、被処理体として、例えば有機ELディスプレイ用のガラス基板(以下、単に「基板」と記す)Sに対して、その表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥処理に用いられる。
本実施の形態の乾燥装置100は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、処理容器1の内部へ向けて紫外線200を照射する紫外線照射装置5と、制御部6とを備えている。
<処理容器>
処理容器1は、真空引き可能な耐圧容器である。処理容器1は、金属材料によって形成されている。処理容器1を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。処理容器1は、底壁11、角筒状の4つの側壁13及び天井部15を備えている。
側壁13には、装置内に基板Sを搬入、搬出するための搬入出口13aが設けられている。搬入出口13aは、処理容器1の外部との間で基板Sの搬入出を行うためものである。搬入出口13aには、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、搬入出口13aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器1を気密にシールすると共に、開状態で処理容器1と外部との間で基板Sの移送を可能にする。
また、側壁13には、貫通開口13bが設けられている。この貫通開口13bには、透過窓13cが気密性を維持した状態で装着されており、処理容器1の外部からの光線の入射が可能になっている。
底壁11には、複数の排気口11aが設けられている。排気口11aは、排気管17を介して外部の排気装置19に接続されている。この排気装置19を駆動させることによって、処理容器1内を所定の真空度、例えば0.1Pa程度の圧力まで減圧排気できるように構成されている。
<載置台>
処理容器1の内部には、基板Sを支持する支持装置としての載置台3が配備されている。なお、図1では、載置台3に載置された基板Sを二点鎖線で示している。載置台3は、底壁11に固定されている。載置台3は、図示を省略するが、基板Sを昇降変位させるための機構、例えばリフトピンなどを有しており、基板Sを受け渡す受け渡し位置と、載置台3上に載置して乾燥処理を行う処理位置との間で基板Sの高さ位置を調整することができる。
<紫外線照射装置>
本実施の形態の乾燥装置100において、紫外線照射装置5は、処理容器1から乾燥処理済みの基板Sを搬出した後に、処理容器1内に残留する溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解する溶媒分解手段として機能するものである。
紫外線照射装置5は、光源部5aを有している。紫外線照射装置5は、光源部5aが透過窓13cに臨むように、処理容器1の側壁13の外部に装着されている。光源部5aから照射された所定波長の紫外線200は透過窓13cを介して処理容器1内に入射できるようになっている。紫外線200の波長としては、例えば100nm以上300nm以下の範囲内とすることが好ましく、特に溶媒分子に吸収されやすい波長である100nm以上200nm以下の範囲内がより好ましい。
<圧力制御機構>
本実施の形態の乾燥装置100は、さらに排気装置19を備えている。なお、排気装置19は、乾燥装置100の一構成部分でもよいし、乾燥装置100とは別の外部の装置でもよい。排気装置19は、例えば、ターボ分子ポンプやドライポンプ等の真空ポンプを有している。乾燥装置100は、更に、排気口11aと排気装置19とを接続する排気管17と、排気管17の途中に設けられたAPC(Adaptive Pressure Control)バルブ23と、を備えている。排気装置19の真空ポンプを作動させるとともに、APCバルブ23の開度を調節することにより、処理容器1の内部空間を所定の真空度に減圧排気することができる。なお、APCバルブ23は、1つのマスタバルブと複数のスレーブバルブにより構成され、各スレーブバルブは、マスタバルブに連動して作動する。
また、本実施の形態の乾燥装置100は、さらに処理容器1内の圧力を監視するための圧力計25を備えている。圧力計25は、処理容器1内の計測圧力を電気信号として上記マスタバルブのAPCバルブ23に送信する。
本実施の形態では、排気装置19、排気管17、APCバルブ23及び圧力計25によって処理容器1内を減圧排気するとともに所定圧力に調節する圧力制御機構を構成している。
<ガス供給機構>
本実施の形態の乾燥装置100は、処理容器1内へガスを供給するガス供給装置27を備えている。なお、ガス供給装置27は、乾燥装置100の一構成部分でもよいし、乾燥装置100とは別の外部の装置でもよい。処理容器1の天井部15には、ガス導入部15aが設けられている。ガス導入部15aには、ガス供給装置27が接続されている。ガス導入部15aは天井部15以外の位置、例えば側壁13などに設けてもよい。ガス供給装置27は、ガス導入部15aへガスを供給するガス供給源29と、ガス供給源29とガス導入部15aとを接続し、ガス導入部15aへガスを供給する一本又は複数本の配管31(1本のみ図示)を備えている。ガス導入部15aには、図示しないノズルやシャワーヘッドが設けられている。また、ガス供給装置27は、配管31の途中に、ガス流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)33と、複数の開閉バルブ35(2つのみ図示)を備えている。ガス導入部15aから処理容器1内に導入されるガスの流量等は、マスフローコントローラ33および開閉バルブ35によって制御される。ガス供給源29から供給するガスとしては、例えば、酸素ガス、オゾンガスなどの酸化性ガス、アルゴンガスなどのプラズマ形成用の不活性ガス、窒素ガス、ドライエアなどの置換用ガスを用いることが好ましい。
<制御部>
図1に示したように、乾燥装置100の各構成部は、制御部6に接続されて制御される構成となっている。制御部6は、CPUを備えたコントローラ61と、ユーザーインターフェース62と記憶部63とを備えている。コントローラ61は、コンピュータ機能を有しており、乾燥装置100において、各構成部を統括して制御する。ユーザーインターフェース62は、工程管理者が乾燥装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、乾燥装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成される。記憶部63には、乾燥装置100で実行される各種処理をコントローラ61の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが保存されている。ユーザーインターフェース62および記憶部63は、コントローラ61に接続されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース62からの指示等にて任意のレシピを記憶部63から呼び出してコントローラ61に実行させることで、コントローラ61の制御下で、乾燥装置100での所望の処理が行われる。前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどに格納された状態のものを利用できる。あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
[第1の実施の形態の変形例]
次に、図2〜図4を参照しながら、第1の実施の形態の変形例の乾燥装置100Aについて説明する。図2は、本変形例の乾燥装置100Aの概略構成を示す断面図である。本変形例の乾燥装置100Aは、処理容器1内に基板S上に形成された有機材料膜中から揮散する溶媒を捕集する溶媒捕集部70を備えている。溶媒捕集部70は、載置台3の周囲に設けられている。本変形例では、捕集された溶媒の排出が速やかに行えるように、溶媒捕集部70は、排気装置19に接続する排気口11aの上方に配置されている。溶媒捕集部70は、有機材料膜中から気化した処理容器1内の雰囲気中のガス状の溶媒を結露させることによってトラップする。
また、本実施の形態では、溶媒捕集部70へ向けて紫外線200を照射できるように、複数の紫外線照射装置5が、処理容器1の天井部15に設けられている。紫外線照射装置5は、光源部5aを有している。紫外線照射装置5は、光源部5aが天井部15の貫通開口15bに設けられた透過窓15cに臨むように、処理容器1の天井部15の外部に装着されている。光源部5aから照射された所定波長の紫外線200は透過窓15cを介して処理容器1内に入射し、溶媒捕集部70へ照射できるようになっている。
本変形例における他の構成は、図1の乾燥装置100と同じであるため、同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、溶媒捕集部70の詳細な構成を示す断面図である。溶媒捕集部70は、1枚又は複数枚の金属プレートとしての捕集プレート71を備えている。捕集プレート71は、矩形をなす板状であり、複数の貫通開口71aが形成されている。捕集プレート71は、図示しない支持部によって支持されている。なお、捕集プレート71を処理容器1の側壁13に直接固定してもよい。
捕集プレート71は、1枚でもよいが、溶媒の捕集効率を高めるためには、例えば2〜20枚の範囲内で用いることが好ましい。捕集プレート71の設置枚数を増減することで、溶媒捕集部70における捕集プレート71の合計の表面積を変化させ、溶媒蒸気との接触面積を調節できる。
捕集プレート71は、熱伝導性に優れた材質、例えばアルミニウム、ステンレス等によって構成することが好ましい。1枚の捕集プレート71の厚みは、溶媒捕集部70全体での表面積を大きくして溶媒の捕集効率を高めるため、例えば0.2〜2mmの範囲内とすることができる。また、複数の捕集プレート71を積層する場合の間隔は、溶媒の捕集効率を高めるため、例えば1〜20mmの範囲内とすることができる。
本実施の形態では、図4に示すように、大きさが同じ複数の円形の貫通開口71aを、捕集プレート71の面内において一定の間隔で均等に配列している。捕集プレート71の貫通開口71aは、例えば平面視が円形の孔である。なお、貫通開口71aの形状は円形に限らず、例えば、楕円形や、長方形等の多角形でもよい。貫通開口71aの大きさや形状は、すべて同じであってもよいし、捕集プレート71の面内において変化させてもよい。また、捕集プレート71の面内において、貫通開口71aは、任意の配列で形成することができる。
捕集プレート71の面内における貫通開口71aの開口率は、捕集プレート71の設置枚数によっても異なるが、例えば20〜80%の範囲内であることが好ましい。ここで、開口率は、貫通開口71aが存在しないと仮定した場合の捕集プレート71の片面の面積に占める貫通開口71aの開口面積の合計を意味する。捕集プレート71の面内における貫通開口71aの開口率を上記範囲内にすることによって、溶媒蒸気との接触面積を調節できるとともに、基板S側から排気口11aへ至る揮発蒸気の排気コンダクタンスを調節できる。
捕集プレート71の表面は、処理容器1内で気化した溶媒の結露を促し、捕集プレート71の表面に付着させやすくする観点から、例えば算術平均粗さRaが0.3〜13μmの範囲内であることが好ましい。捕集プレート71の表面の算術平均粗さRaが0.3μm未満では、結露した溶媒を除去しづらくなり、13μmを超えると捕集プレート71の表面において溶媒の結露が発生しにくく、捕集効率が低下する。
本変形例では、図3に示すように、複数枚の捕集プレート71が、互いに離間した状態で、平行に積層して配置されている。また、複数枚の捕集プレート71のうち、少なくとも2枚の捕集プレート71について、貫通開口71aの全体が積層方向に重ならないように位置をずらして配置することが好ましい。また、少なくとも積層方向に隣接する2枚の捕集プレート71について貫通開口71aの全体が積層方向に重ならないように位置をずらして配置することがより好ましい。なお、積層された複数の捕集プレート71について、貫通開口71aの一部分が積層方向に重なりあう配置であってもよい。
このように、本実施の形態では、複数枚の捕集プレート71によって、迷路構造が形成されている。基板Sから揮発した溶媒蒸気の気流AFは、捕集プレート71の迷路構造によって進行方向が遮られ、蛇行しながら溶媒捕集部70を通過していくことになる。このように、隣接する捕集プレート71間で貫通開口71aの位置をずらすことによって、溶媒捕集部70を通過する溶媒蒸気と捕集プレート71表面との接触機会を増やし、捕集効率を向上させることができる。また、複数の貫通開口71aを有する捕集プレート71の枚数を増減することによって、基板S側から排気口11aへ至る排気コンダクタンスを容易に調節できる。
本実施の形態の乾燥装置100において、溶媒捕集部70は、各捕集プレート71における溶媒の捕集効率を上げるため、捕集プレート71への溶媒の付着を促進する捕集促進装置を備えている。ここでは、捕集促進装置として、温度調節装置を利用することができる。温度調節装置は、例えば、複数のペルチェ素子73と、各ペルチェ素子73へ直流電流を供給する図示しない電源部及び給電線を備えることができる。各ペルチェ素子73は、例えば−20〜80℃の範囲内で温度制御が可能に構成されている。電源部から各ペルチェ素子73へ給電することによって、ペルチェ素子73の下面側を吸熱させ、面接触している捕集プレート71を冷却することができる。捕集プレート71を冷却することによって、処理容器1内の雰囲気中の溶媒が捕集プレート71の表面で結露しやすくなるため、溶媒捕集部70における溶媒の捕集効率を向上させることができる。また捕集プレート71を加熱することによっても溶媒を気化させて速やかに排気することができる。
本変形例の乾燥装置100Aでは、溶媒捕集部70へ向けて紫外線200を照射できるように、紫外線照射装置5を配置しているため、溶媒捕集部70で捕集した溶媒に対して、効率良く紫外線200を照射できる。従って、処理容器1内からの溶媒の除去効率を高めることができる。
なお、捕集促進装置は配備しなくてもよい。また、捕集促進装置として、ペルチェ素子73に代えて、例えばチラー、ヒートポンプ等の冷却装置を用いることも可能である。
[乾燥処理の手順]
以上のように構成された乾燥装置100,100Aを用いる乾燥処理の手順について説明する。まず、前段階として、外部のインクジェット印刷装置(図示省略)で基板S上に有機材料膜を所定のパターンで印刷する。次に、ゲートバルブGVを開放し、有機材料膜が印刷された基板Sを外部の搬送装置(図示省略)によって乾燥装置100,100Aの載置台3へ受け渡す。
次に、乾燥装置100,100AのゲートバルブGVを閉じ、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気する。そして、圧力計25によって処理容器1内の圧力をモニタしながら、APCバルブ23の開度をコントロールして所定の真空度まで減圧する。このようにして、基板S上に形成された有機材料膜中に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を実施することができる。この乾燥処理に先立ち、又は乾燥処理の間、変形例の乾燥装置100Aでは、例えば、溶媒捕集部70の捕集プレート71を、ペルチェ素子73を利用して冷却することによって、処理容器1内の雰囲気中の溶媒が内壁に付着することを抑制でき、捕集プレート71によって効率良く捕集することができる。
次に、排気装置19を停止し、処理容器1内を所定圧力まで昇圧した後、乾燥装置100,100AのゲートバルブGVを開放し、外部の搬送装置(図示省略)によって基板Sを処理容器1から搬出する。以上の手順によって、1枚の基板Sに対する乾燥処理が終了する。
乾燥処理が終了し、基板Sが搬出された処理容器1内には、基板S上の有機材料膜から揮発した溶媒が残留している。特に、処理容器1の内壁面には、溶媒が付着している。このように溶媒が付着した状態で、次以降の基板Sの乾燥処理を行う際に、処理容器1内のコンディションを一定に維持することが困難になる。そこで、乾燥処理が終了した基板Sを搬出した後、処理容器1内のリフレッシュ工程を行う。このリフレッシュ工程によって、処理容器1内に残留した溶媒を気化させて速やかに処理容器1内から排気することができる。
本実施の形態の乾燥装置100,100Aは、溶媒分解手段としての紫外線照射装置5を備えている。リフレッシュ工程では、乾燥処理が終了し、基板Sの搬出が終わった後で、紫外線照射装置5から処理容器1内へ向けて紫外線200を照射する。つまり、本実施の形態の乾燥装置100,100Aでは、処理容器1内の内壁面等に付着した溶媒中に含まれる有機化合物に対し、紫外線200を照射することによって、紫外線200のエネルギーを利用して、揮散させやすい低分子量の化合物に分解する。
有機材料膜を形成するためのインクは、溶質と溶媒からなり、乾燥処理の対象となる成分は主に溶媒である。溶媒に含まれる有機化合物としては、高沸点のものが多く、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(1,3-dimethyl-2-imidazolidinone、沸点220℃、融点8℃)、4−tert-ブチルアニソール(4-tert-Butylanisole、沸点222℃、融点18℃)、Trans−アネトール(Trans-Anethole、沸点235℃、融点20℃)、1,2−ジメトキシベンゼン(1,2-Dimethoxybenzene、沸点206.7℃、融点22.5℃)、2−メトキシビフェニル(2-Methoxybiphenyl、沸点274℃、融点28℃)、フェニルエーテル(Phenyl Ether、沸点258.3℃、融点28℃)、2−エトキシナフタレン(2-Ethoxynaphthalene、沸点282℃、融点35℃)、ベンジルフェニルエーテル(Benzyl Phenyl Ether、沸点288℃、融点39℃)、2,6−ジメトキシトルエン(2,6-Dimethoxytoluene、沸点222℃、融点39℃)、2−プロポキシナフタレン(2-Propoxynaphthalene、沸点305℃、融点40℃)、1,2,3−トリメトキシベンゼン(1,2,3-Trimethoxybenzene、沸点235℃、融点45℃)、シクロヘキシルベンゼン(cyclohexylbenzene、沸点237.5℃、融点5℃)、ドデシルベンゼン(dodecylbenzene、沸点288℃、融点-7℃)、1,2,3,4-テトラメチルベンゼン(1,2,3,4-tetramethylbenzene、沸点203℃、融点76℃)等を挙げることができる。これらの高沸点有機化合物は、2種以上が組み合わされてインク中に配合されている場合もある。
図5A及び図5Bは、紫外線照射によって、溶媒中に含まれる有機化合物を分解させる過程を模式的に示す説明図である。図5Aに示すように、乾燥処理後の処理容器1内には、有機化合物201が残留し、例えば処理容器1の内壁面に付着している。処理容器1の内面に付着している高沸点の有機化合物201に、分子の結合エネルギー以上のエネルギーを有する紫外線200(図5A中、矢印で示す)を照射することによって、図5Bに示すように、分子内の結合を切断し、低分子量の化合物202,203に分解することができる。低分子量の化合物202,203は、有機化合物201に比べて低沸点であり、蒸気圧が高く、揮散しやすい。従って、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気することによって、容易に処理容器1外へ排出させることが可能になる。なお、後述するプラズマ照射によっても、図5A,5Bに示したものと同様の機構で高沸点の有機化合物201の脱離が可能である。
次に、図6を参照しながら、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程について詳細に説明する。図6は、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程における圧力の時間的変化を説明する図面である。
リフレッシュ工程は、処理容器1内を大気圧から第1の圧力まで減圧排気するステップと、
処理容器1内が第1の圧力にある状態で、処理容器1内への紫外線200の照射を開始するステップと、
処理容器1内を第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
紫外線200の照射を終了するステップと、
を含むことができる。
図6において、縦軸は圧力を示している。圧力PAは大気圧であり、第2の圧力である圧力P0は排気装置19のポンプ能力を最大にした状態(1×10−4Pa以下;引き切りで)である。また、第1の圧力である圧力P1は処理容器1内に残留した溶媒の蒸気圧であり、例えば0.001〜10Paの範囲内である。
また、図6において、横軸は時間を示している。時点t0は、乾燥処理が終了した基板Sを乾燥装置100,100Aの処理容器1内から搬出した状態である。
図6では、紫外線照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を実線で示した。また、比較のため、紫外線照射を行わず、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を破線で示した。
圧力曲線(実線)において、時点t0から時点t1までは、処理容器1内を減圧排気し、処理容器1内を溶媒の蒸気圧である圧力P1まで低下させる。処理容器1内を圧力P1に調節することによって、処理容器1内に付着した溶媒が脱離しはじめる。そして、時点t1で紫外線照射装置5によって紫外線200の照射を開始する。紫外線200の照射によって、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201が低分子量の化合物202,203に分解し始める(図5B参照)。有機化合物201の分解によって、時点t1から処理容器1内の圧力は上昇に転じる。つまり、圧力曲線は圧力P1で下に凸のピークを形成する。
圧力曲線(実線)において、次に、時点t2では、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201がほぼすべて脱離する。これに伴い、時点t2から、処理容器1内の圧力が再び下降に転じる。つまり、圧力曲線は、圧力P1超えたところで上に凸のピークを形成する。時点t1から時点t2までの期間では、有機化合物201から低分子量の化合物202,203へ分解が進むことによって、排出が促される結果、処理容器1内の溶媒濃度が低下し、付着した溶媒の脱離がさらに促進される。
時点t2以降、時点t3までの期間は、排気装置19によって処理容器1内を排気しながら、有機化合物201、低分子量の化合物202、203を排出させる。時点t3では、処理容器1内を第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧する。この時点t2からt3までの間の任意のタイミングで紫外線200の照射を終了する。
処理容器1内の圧力がP0に達した時点t3では、排気装置19を停止する。そして処理容器1内を昇圧していき、大気開放させる。
図6において、紫外線照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における圧力曲線(実線)を、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における圧力曲線(破線)と比較すると、従来の圧力曲線では、溶媒の蒸気圧に近い圧力P1を下回るのに時点t4まで必要としている。つまり、本実施の形態のリフレッシュ工程に比べ、溶媒の脱離に長時間を必要としていることが理解される。本実施の形態では、処理容器1内を溶媒の蒸気圧である圧力P1まで低下させた段階で、処理容器1内に紫外線200を照射することによって、残留溶媒の除去に要する時間を大幅に短縮できる。従って、乾燥装置100,100Aを用い、複数の基板Sを入れ替えながら処理する場合のスループットを大幅に改善できる。
以上のように、本実施の形態の乾燥装置100,100Aは、溶媒分解手段としての紫外線照射装置5を備えていることによって、基板Sを乾燥処理した後の処理容器1内のリフレッシュを短時間で効率良く行うことができる。従って、乾燥装置100,100Aでは、複数の基板Sを交換しながら乾燥処理する際のスループットを大幅に向上させることができる。また、紫外線照射によって、処理容器1内に残留しやすい高沸点溶媒を確実に除去できる。従って、複数枚の基板Sを順次入れ替えて処理する際に、処理容器1内を同じコンディションに整えて、安定した乾燥処理を行うことが可能になり、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
[有機EL素子の製造プロセスへの適用例]
有機EL素子の製造は、陽極と陰極との間に、EL層として、複数の有機機能膜を形成する。本実施の形態の乾燥装置100,100Aは、どのような積層構造の有機EL素子の製造にも適用できる。ここでは、EL層として、陽極側から陰極側へ向けて、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を有する有機EL素子を製造する場合を例に挙げて、乾燥装置100,100Aによる具体的な処理を説明する。
図7に、有機EL素子の製造工程の概略を示した。本例において、有機EL素子は、STEP1〜STEP8の工程によって製造される。STEP1では、基板S上に、例えば蒸着法などによって所定のパターンで陽極(画素電極)を形成する。次にSTEP2では、陽極の間に、絶縁物による隔壁(バンク)をフォトリソグラフィー法で形成する。隔壁を形成するための絶縁材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂などの高分子材料を用いることができる。
次に、STEP3では、STEP1で形成された陽極の上に、正孔注入層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、各隔壁によって区画された陽極の上に、正孔注入層の材料となる有機材料を印刷する。次に、このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100,100Aを用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、大気中でのベーク処理を行うことにより、正孔注入層を形成する。
次に、STEP4では、STEP3で形成された正孔注入層の上に、正孔輸送層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、正孔注入層の上に、正孔輸送層の材料となる有機材料を印刷する。このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100,100Aを用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、大気中でのベーク処理を行うことにより、正孔輸送層を形成する。
次に、STEP5では、STEP4で形成された正孔輸送層の上に、発光層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、正孔輸送層の上に、発光層の材料となる有機材料を印刷する。このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100,100Aを用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、大気中でのベーク処理を行うことにより、発光層を形成する。なお、発光層が複数層からなる場合、上記処理が繰り返される。
次に、発光層の上に、例えば蒸着法によって、電子輸送層(STEP6)、電子注入層(STEP7)及び陰極(STEP8)を順次形成することによって、有機EL素子が得られる。また、インクジェット印刷法によって電子輸送層(STEP6)、電子注入層(STEP7)を形成することもできる。
このような有機EL素子の製造プロセスにおいて、乾燥装置100,100Aは、STEP3(正孔注入層形成)、STEP4(正孔輸送層形成)、STEP5(発光層形成)、STEP6(電子輸送層形成)、及びSTEP7(電子注入層形成)に好ましく適用できる。すなわち、インクジェット印刷法によって、各層の前段階である有機材料膜を印刷した後、乾燥装置100,100Aを使用して有機材料膜に対する減圧乾燥処理を行うことができる。また、乾燥装置100,100Aは、溶媒分解手段としての紫外線照射装置5を備えているため、基板Sの乾燥処理によって処理容器1内に付着した溶媒の除去(リフレッシュ処理)を短時間で確実に行うことができる。従って、乾燥装置100,100Aでは、複数の基板Sを繰り返し処理する場合に、スループットを大幅に向上させることができる。また、溶媒分解手段によって、処理容器1内のコンディションを整えることが可能となり、乾燥処理の確実性が高くなり、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
以上のように、乾燥装置100,100Aを用いることによって、有機EL素子の製造プロセスにおいて、EL層を形成するために必要な乾燥工程を高スループットで効率良く行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、図8を参照しながら、本発明の第2の実施の形態の乾燥装置について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る乾燥装置101の概略構成を示す断面図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置101では、複数の紫外線照射装置5を装着しているとともに、ガス供給装置27から酸化性ガスを供給できるように構成している。つまり、ガス供給装置は、酸化性ガス供給装置として機能する。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置101において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置101は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3Aと、処理容器1の底部11に設けられ、処理容器1の内部へ向けて紫外線200を照射する紫外線照射装置5と、処理容器1内へ酸化性ガスを供給するガス供給装置27を備えている。
底壁11には、複数の貫通開口11bが設けられている。各貫通開口11bには、透過窓11cが気密性を維持した状態で装着されており、処理容器1の外部からの光線の入射が可能になっている。
紫外線照射装置5は、光源部5aを有している。紫外線照射装置5は、光源部5aが透過窓11cに臨むように、処理容器1の底壁11の外部に装着されている。
本実施の形態の乾燥装置101において、載置台3Aは、貫通部3aを有している。貫通部3aと透過窓11cは対応した位置に設けられている。従って、各光源部5aから照射された所定波長の紫外線200は、透過窓11c、載置台3Aの貫通部3aを介して処理容器1内に入射し、例えば天井部15に向けて照射できるようになっている。
本実施の形態において、複数の紫外線照射装置5及びガス供給装置27は、溶媒分解手段を構成している。ガス供給装置27は、ガス供給源29として、酸素ガス又はオゾンガスの供給源を有している。そして、ガス導入部15aを介して、処理容器1内へ酸素ガス又はオゾンガスを供給する。酸素ガスは、紫外線照射装置5から照射された紫外線200によってオゾンや酸素ラジカルを生成する。また、紫外線200によって、溶媒中の有機化合物201を分解して低分子量の化合物202,203に変化させる(図5B参照)。低分子量の化合物202,203は、オゾンや酸素ラジカルの作用で酸化されることによって、さらに気化しやすく変化し、処理容器1内からの排出が促進される。
以上のように、本実施の形態の乾燥装置101では、溶媒分解手段として、複数の紫外線照射装置5及びガス供給装置27を備えていることによって、基板Sを乾燥処理した後の処理容器1内のリフレッシュを短時間に効率良く行うことができる。従って、乾燥装置101では、複数の基板Sを交換しながら乾燥処理する際のスループットを大幅に向上させることができる。また、紫外線照射と酸化性ガスとの組み合わせによって、処理容器1内に残留しやすい高沸点溶媒を分解、酸化して確実に除去できる。従って、次以降の基板Sを処理する際に、処理容器1内のコンディションを同じに整えて、安定した乾燥処理を行うことが可能であり、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
[第2の実施の形態の変形例]
次に、図9を参照しながら、本実施の形態の変形例の乾燥装置101Aについて説明する。図9は、本変形例の乾燥装置101Aの概略構成を示す断面図である。本変形例の乾燥装置101Aは、処理容器1内に、基板S上の有機材料膜中から揮散する溶媒を捕集する溶媒捕集部70を備えている。溶媒捕集部70の構成は第1の実施の形態と同様である。溶媒捕集部70は、有機材料膜中から気化した処理容器1内の雰囲気中のガス状の溶媒を結露させることによってトラップする。
また、本実施の形態では、溶媒捕集部70へ向けて紫外線200を照射できるように、処理容器1の天井部15に複数の紫外線照射装置5が設けられている。紫外線照射装置5は、光源部5aを有している。紫外線照射装置5は、光源部5aが透過窓15cに臨むように、処理容器1の天井部15の外部に装着されている。光源部5aから照射された所定波長の紫外線200は透過窓15cを介して処理容器1内に入射し、溶媒捕集部70へ照射できるようになっている。
本変形例における他の構成は、図8の乾燥装置101と同じであるため、同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例の乾燥装置101Aでは、溶媒捕集部70へ向けて紫外線200を照射できるように、紫外線照射装置5を天井部15にも配置しているため、溶媒捕集部70で捕集した溶媒に向けて効率良く紫外線200を照射できる。従って、処理容器1内からの溶媒の除去効率を高めることができる。
[乾燥処理の手順]
次に、以上のように構成された乾燥装置101,101Aを用いる乾燥処理の手順について説明する。まず、前段階として、外部のインクジェット印刷装置(図示省略)で基板S上に有機材料膜を所定のパターンで印刷する。次に、ゲートバルブGVを開放し、有機材料膜が印刷された基板Sを外部の搬送装置(図示省略)によって乾燥装置101,101Aの載置台3Aへ受け渡す。
次に、乾燥装置101,101AのゲートバルブGVを閉じ、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気する。そして、圧力計25によって処理容器1内の圧力をモニタしながら、APCバルブ23の開度をコントロールして所定の真空度まで減圧する。このようにして、基板S上に形成された有機材料膜中に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を実施することができる。この乾燥処理に先立ち、又は乾燥処理の間、変形例の乾燥装置101Aでは、例えば、溶媒捕集部70の捕集プレート71を、ペルチェ素子73を利用して冷却することによって、処理容器1内の雰囲気中の溶媒を効率良く捕集することができる。
次に、排気装置19を停止し、処理容器1内を所定圧力まで昇圧した後、乾燥装置101,101AのゲートバルブGVを開放し、外部の搬送装置(図示省略)によって基板Sを処理容器1から搬出する。以上の手順によって、1枚の基板Sに対する乾燥処理が終了する。
乾燥処理が終了し、基板Sが搬出された処理容器1内には、基板S上の有機材料膜から揮発した溶媒が残留している。特に、処理容器1の内壁面には、溶媒が付着している。このように溶媒が付着した状態では、次以降の基板Sの乾燥処理を行う際に、処理容器1内のコンディションを一定に維持することが困難になる。そこで、乾燥処理が終了した基板Sを搬出した後、処理容器1内のリフレッシュ工程を行う。このリフレッシュ工程によって、処理容器1内に残留した溶媒を気化させて速やかに処理容器1内から排気することができる。
本実施の形態の乾燥装置101,101Aにおいて、紫外線照射装置5及びガス供給装置27は、溶媒分解手段を構成している。リフレッシュ工程では、乾燥処理が終了し、基板Sの搬出が終わった後で、ガス供給装置27から処理容器1内に酸化性ガスを供給するとともに、紫外線照射装置5から処理容器1内へ向けて紫外線200を照射する。つまり、本実施の形態の乾燥装置101,101Aでは、処理容器1内の内壁面等に付着した溶媒中に含まれる有機化合物201に対し、酸化性ガスの存在下で紫外線200を照射することによって、揮散させやすい低分子量の化合物202,203に分解する。
次に、図10を参照しながら、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程について詳細に説明する。図10は、本実施の形態の乾燥処理方法のリフレッシュ工程における圧力の時間的変化を説明する図面である。
本実施の形態のリフレッシュ工程は、
処理容器1内を大気圧から第1の圧力まで減圧排気するステップと、
処理容器1内が第1の圧力にある状態で、処理容器1内への酸化性ガスの導入を開始するステップと、
処理容器1内を、第1の圧力よりも高い第3の圧力に調圧した状態で処理容器1内への紫外線200の照射を開始するステップと、
酸化性ガスの導入を終了するステップと、
紫外線200の照射を終了するステップと、
紫外線照射の終了後、処理容器1内を第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
を含むことができる。
図10において、縦軸は圧力を示している。圧力PAは大気圧であり、第2の圧力としての圧力P0は排気装置19のポンプ能力を最大にした状態(1×10−4Pa以下;引き切りで)である。また、第1の圧力としての圧力P1は、処理容器1内に残留した溶媒の蒸気圧であり、例えば0.001〜10Paの範囲内である。また、第3の圧力としての圧力P2は、処理容器1内における酸化性ガス導入後の圧力であり、この場合、酸化性ガスの分圧は、50〜150Pa、好ましくは100Pa前後である。酸化性ガスの圧力が高すぎると紫外線の照射距離が短くなり効果が弱まる。また酸化性ガスの圧力が低すぎると酸化が少なくなり効果が弱まる。ここで、酸化性ガスとしては、例えば酸素ガス、オゾンガスなどを用いることが好ましい。
また、図10において、横軸は時間を示している。時点t0は、乾燥処理が終了した基板Sを乾燥装置101,101Aの処理容器1内から搬出した状態である。
図10では、紫外線照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を実線で示した。また、比較のため、紫外線照射を行わず、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を破線で示した。
圧力曲線(実線)において、時点t0から時点t11までは、処理容器1内を減圧排気し、処理容器1内を溶媒の蒸気圧である圧力P1まで低下させる。処理容器1内を圧力P1に調節することによって、処理容器1内に付着した溶媒が脱離しはじめる。そして、時点t11でガス供給装置27によって処理容器1内への酸化性ガスの導入を開始する。酸化性ガスの導入によって、時点t11から処理容器1内の圧力は上昇に転じる。つまり、圧力曲線は圧力P1で下に凸のピークを形成する。
圧力曲線(実線)において、次に、時点t12からt13の期間は、処理容器1内を酸化性ガス導入後の圧力P2に調圧する。そして、この時点t12からt13の期間の一部分もしくは全部の範囲で、紫外線照射装置5による紫外線200の照射を行う。つまり、処理容器1内を圧力P2に調圧した状態で紫外線200の照射を開始し、圧力P2が維持されている間、紫外線200の照射を行う。紫外線200の照射によって、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201が低分子量の化合物202,203に分解し始める(図5B参照)。また、紫外線200が処理容器1内の酸化性ガス、例えば酸素ガスに照射されることによって、オゾンや酸素ラジカルを生成する。これらの活性種によって、有機化合物201を酸化することで低分子量の化合物202,203への分解が進み、処理容器1内からの排出が促される。その結果、処理容器1内の溶媒濃度が低下し、付着した溶媒の脱離がさらに促進される。
圧力曲線(実線)において、時点t13では、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201がほぼすべて脱離する。時点t13以降、時点t14までの期間は、排気装置19による排気速度を大きくして処理容器1内を排気しながら、有機化合物201、低分子量の化合物202、203を排出させる。時点t13から時点t14にかけて、処理容器1内を第1の圧力である圧力P1よりも低い第2の圧力P0(1×10−4Pa以下;引き切りで)まで減圧する。処理容器1内が圧力P0に達した時点t14では、排気装置19を停止する。そして、処理容器1内を昇圧していき、大気開放させる。
図10において、紫外線照射と酸化性ガスの導入を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における圧力曲線(実線)を、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における圧力曲線(破線)と比較すると、従来の圧力曲線では、溶媒の蒸気圧に近い圧力P1を下回るまでに時点t15まで必要としている。つまり、本実施の形態のリフレッシュ工程に比べ、溶媒の脱離に長時間がかかっていることが理解される。それに対し、本実施の形態の乾燥処理方法では、処理容器1内に酸化性ガスを導入し、かつ、圧力P2に調節した状態で紫外線200を照射することによって、残留溶媒の除去に要する時間を大幅に短縮できる。従って、乾燥装置101,101Aを用い、複数の基板Sを入れ替えながら処理する場合のスループットを大幅に改善できる。
次に、図11を参照しながら、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程の他の例について詳細に説明する。図11は、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程の他の例の圧力の時間的変化を説明する図面である。
本実施の形態のリフレッシュ工程は、
大気開放された処理容器1内を大気圧から第3の圧力まで減圧排気するステップと、
処理容器1内を、第3の圧力に調圧した状態で処理容器1内へ紫外線200の照射を開始するステップと、
前記紫外線200の照射を終了するステップと、
前記紫外線照射の終了後、前記処理容器内を前記第3の圧力よりも低い第2の圧力(1×10−4Pa以下;引き切りで)まで減圧するステップと、
を含むことができる。
図11において、縦軸は圧力を示している。圧力PAは大気圧であり、第2の圧力としての圧力P0は排気装置19のポンプ能力を最大にした状態(1×10−4Pa以下;引き切りで)である。また、圧力P1は、処理容器1内に残留した溶媒の蒸気圧であり、例えば0.001〜10Paの範囲内である。また、第3の圧力としての圧力P2は、処理容器1内の圧力であり、例えばP2が250〜750Paの範囲内の場合は、酸素ガス分圧は50〜150Paの範囲内で、好ましくは100Pa前後である。
また、図11において、横軸は時間を示している。時点t0は、乾燥処理が終了した基板Sを乾燥装置101,101Aの処理容器1内から搬出した状態である。
図11では、紫外線照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を実線で示した。また、比較のため、紫外線照射を行わず、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を破線で示した。
圧力曲線(実線)において、まず、時点t0から時点t21までは、処理容器1内を大気圧である圧力PAから圧力P2まで降圧する。ここで、本例では、酸化性ガスを導入する代わりに、酸化性ガスとして、大気中の酸素を利用する。
圧力曲線(実線)において、次に、圧力P2を時点t21からt22まで維持する。そして、この時点t21からt22の期間の一部分もしくは全部の範囲で、紫外線照射装置5によって紫外線200の照射を開始する。紫外線200の照射によって、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201が低分子量の化合物202,203に分解し始める(図5B参照)。また、紫外線200が処理容器1内の酸素に照射されることによって、オゾンや酸素ラジカルを生成する。これらの活性種によって、有機化合物201から低分子量の化合物202,203への分解、さらに酸化が進み、処理容器1の内壁面からの排出が促される。その結果、処理容器1内の溶媒濃度が低下し、付着した溶媒の脱離が促進される。
圧力曲線(実線)において、時点t22では、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201がほぼすべて脱離する。時点t22以降、時点t23までの期間は、排気装置19による排気速度を大きくして処理容器1内を排気しながら、有機化合物201、低分子量の化合物202、203を排出させる。
処理容器1内の圧力が第2の圧力である圧力P0に達した時点t23で、排気装置19を停止する。そして、処理容器1内を昇圧していき、大気開放させる。
図11において、紫外線照射と大気中の酸素を利用する本実施の形態のリフレッシュ工程における圧力曲線(実線)を、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における圧力曲線(破線)と比較すると、従来の圧力曲線では、溶媒の蒸気圧である圧力P1を下回るのに時点t24まで必要としている。つまり、本実施の形態のリフレッシュ工程に比べ、溶媒の脱離に長時間がかかっていることが理解される。それに対し、本実施の形態の乾燥処理方法では、処理容器1内に存在する大気由来の酸素を利用し、かつ、処理容器1内へ紫外線200を照射することによって、残留溶媒の除去に要する時間を大幅に短縮できる。従って、乾燥装置101,101Aを用い、複数の基板Sを入れ替えながら処理する場合のスループットを大幅に改善できる。
図11に示した方法と、図10に示した方法とを比較すると、図10では、スループットが遅いが必要濃度の酸素供給が可能であるため、酸素濃度を制御しやすいという利点がある。それに対し、図11ではスループットが早いという利点がある。なお、図11に示した方法においても、必要濃度の酸素を確保できない場合は、酸素供給を行って必要酸素濃度を確保することができる。
以上のように、本実施の形態の乾燥装置101,101A及び乾燥処理方法によって、基板Sを乾燥処理した後の処理容器1内のリフレッシュを短時間に効率良く行うことができる。従って、乾燥装置101,101Aでは、複数の基板Sを交換しながら乾燥処理する際のスループットを大幅に向上させることができる。また、紫外線照射と酸化性ガス(大気中の酸素を含む)とを組み合わせて利用することによって、処理容器1内に残留しやすい高沸点溶媒を確実に除去できる。従って、複数枚の基板Sを順次入れ替えて処理する際に、処理容器1内を同じコンディションに整えて、安定した乾燥処理を行うことが可能であり、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置101,101Aは、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
[第3の実施の形態]
次に、図12を参照しながら、本発明の第3の実施の形態の乾燥装置について説明する。図12は、第3の実施の形態に係る乾燥装置102の概略構成を示す断面図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置102では、処理容器1内にプラズマPを導入するプラズマ供給装置40を備えている。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置102において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置102は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、処理容器1の内部へ向けてプラズマPを供給するプラズマ供給装置40とを備えている。
プラズマ供給装置40は、プラズマPを生成させるプラズマ発生部41と、プラズマ発生部41へガスを供給するガス供給装置43と、プラズマ発生部41で発生させたプラズマを処理容器1内へ供給するプラズマ供給路45と、を備えている。プラズマ供給路45は、処理容器1の側壁13に形成された貫通開口であるプラズマ導入部13dに接続されている。
ガス供給装置43は、プラズマ発生部41へ向けてガスを供給するガス供給源47と、ガス供給源47とプラズマ発生部41とを接続し、プラズマ発生部41へガスを供給する一本又は複数本の配管49(1本のみ図示)を備えている。また、ガス供給装置43は、配管49の途中に、ガス流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)51と、複数の開閉バルブ53(2つのみ図示)を備えている。ガス供給源47からプラズマ発生部41へ供給されるガスの流量等は、マスフローコントローラ51および開閉バルブ53によって制御される。ガス供給源47から供給するガスとしては、例えば酸素ガスなどの酸化性ガスと、アルゴンガスなどのプラズマ生成用の不活性ガスを用いることが好ましい。なお、ガス供給源47は、ガス供給装置27のガス供給源29と共用してもよい。
本実施の形態において、プラズマ供給装置40は、溶媒分解手段を構成している。そして、プラズマ導入部13dを介して、処理容器1内へプラズマPを供給する。このプラズマP中の酸素ラジカルやイオンによって、溶媒中の有機化合物201を分解もしくは酸化分解して気化しやすい低分子量の化合物202,203に変化させることができる。そして、処理容器1内からの排出が促進される。このプラズマPによる有機化合物201の脱離の過程は、第1の実施の形態における紫外線照射による作用と同様の機構で行われる(図5A,5Bを参照。なお、図5Aにおける矢印をプラズマPに読み替えればよい)。
[第3の実施の形態の変形例]
次に、図13を参照しながら、第3の実施の形態の変形例の乾燥装置102Aについて説明する。図13は、本変形例の乾燥装置102Aの概略構成を示す断面図である。本変形例の乾燥装置102Aは、処理容器1内に基板S上に形成された有機材料膜中から揮散する溶媒を捕集する溶媒捕集部70を備えている。溶媒捕集部70の構成は第1の実施の形態と同様である。溶媒捕集部70は、有機材料膜中から気化した処理容器1内の雰囲気中のガス状の溶媒を結露させることによってトラップする。また、本実施の形態では、溶媒捕集部70へ向けてプラズマ供給装置40からプラズマPを供給できるように、プラズマ導入部13dは、溶媒捕集部70に臨むように設けられており、具体的には、プラズマ導入部13dの高さ位置とほぼ同等の高さ位置に溶媒捕集部70が配備されている。
本変形例の乾燥装置102Aにおける他の構成は、図12の乾燥装置102と同じであるため、同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例の乾燥装置102Aでは、溶媒捕集部70へ向けてプラズマ供給装置40からプラズマを供給できるように、プラズマ導入部13dに近接して溶媒捕集部70を配置している。そのため、溶媒捕集部70で捕集した溶媒に効率良くプラズマPを供給できる。従って、処理容器1内からの溶媒の除去効率を高めることができる。
[乾燥処理の手順]
次に、以上のように構成された乾燥装置102,102Aを用いる乾燥処理の手順について説明する。まず、前段階として、外部のインクジェット印刷装置(図示省略)で基板S上に有機材料膜を所定のパターンで印刷する。次に、ゲートバルブGVを開放し、有機材料膜が印刷された基板Sを外部の搬送装置(図示省略)によって乾燥装置102,102Aの載置台3へ受け渡す。
次に、乾燥装置102,102AのゲートバルブGVを閉じ、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気する。そして、圧力計25によって処理容器1内の圧力をモニタしながら、APCバルブ23の開度をコントロールして所定の真空度まで減圧する。このようにして、基板S上に形成された有機材料膜中に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を実施することができる。この乾燥処理に先立ち、又は乾燥処理の間、変形例の乾燥装置102Aでは、例えば、溶媒捕集部70の捕集プレート71を、ペルチェ素子73を利用して冷却することによって、処理容器1内の雰囲気中の溶媒を効率良く捕集することができる。
次に、排気装置19を停止し、処理容器1内を所定圧力まで昇圧した後、乾燥装置102,102AのゲートバルブGVを開放し、外部の搬送装置(図示省略)によって基板Sを処理容器1から搬出する。以上の手順によって、1枚の基板Sに対する乾燥処理が終了する。
乾燥処理が終了し、基板Sが搬出された処理容器1内には、基板S上の有機材料膜から揮発した溶媒が残留している。特に、処理容器1の内壁面には、溶媒が付着している。このように溶媒が付着した状態では、次以降の基板Sの乾燥処理を行う際に、処理容器1内のコンディションを一定に維持することが困難になる。そこで、乾燥処理が終了した基板Sを搬出した後、処理容器1内のリフレッシュ工程を行う。このリフレッシュ工程によって、処理容器1内に残留した溶媒を気化させて速やかに処理容器1内から排気することができる。
本実施の形態の乾燥装置102,102Aにおいて、プラズマ供給装置40は、溶媒分解手段を構成している。リフレッシュ工程では、乾燥処理が終了し、基板Sの搬出が終わった後で、プラズマ供給装置40から処理容器1内へ向けて酸化性ガスのプラズマPを供給する。また、ガス供給装置27から処理容器1内に置換ガスを供給する。つまり、本実施の形態の乾燥装置102,102Aでは、処理容器1内の内壁面等に付着した溶媒中に含まれる有機化合物201に対し、酸化性ガスのプラズマPを作用させることによって、揮散させやすい低分子量の化合物202,203に分解する。
次に、図14を参照しながら、本実施の形態の乾燥処理方法におけるリフレッシュ工程について詳細に説明する。図14は、本実施の形態の乾燥処理方法のリフレッシュ工程における圧力の時間的変化を説明する図面である。
本実施の形態のリフレッシュ工程は、
処理容器1内を大気圧から溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、
処理容器1内が第1の圧力にある状態で処理容器1内に酸化性ガスの導入を開始するステップと、
処理容器1内を、第1の圧力よりも高い第4の圧力に調圧した状態で、処理容器1の内部に、酸化性ガスのプラズマPの導入を開始するステップと、
酸化性ガス及びプラズマPの導入を終了するステップと、
処理容器1内を第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
を含むことができる。
図14において、縦軸は圧力を示している。圧力PAは大気圧であり、第2の圧力である圧力P0は排気装置19のポンプ能力を最大にした状態(1×10−4Pa以下;引き切りで)である。また、第1の圧力である圧力P1は、処理容器1内に残留した溶媒の蒸気圧であり、例えば0.001〜10Paの範囲内である。また、第4の圧力である圧力P3は、例えば50〜300Paの範囲内、好ましくは100〜250Pa前後である。
また、図14において、横軸は時間を示している。時点t0は、乾燥処理が終了した基板Sを乾燥装置102,102Aの処理容器1内から搬出した状態である。
図14では、紫外線照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を実線で示した。また、比較のため、紫外線照射を行わず、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における処理容器1内の圧力曲線を破線で示した。
圧力曲線(実線)において、時点t0から時点t31までは、処理容器1内を、大気圧である圧力PAから、溶媒の蒸気圧である圧力P1まで低下させる。処理容器1内を圧力P1に調節することによって、処理容器1内に付着した溶媒が脱離しやすくなる。そして、時点t31でガス供給装置43により、処理容器1内へ酸化性ガスの導入を開始する。酸化性ガスの流量は、プラズマPの着火性と安定性を高めるため、例えば1〜6L/min(slm)の範囲内とすることが好ましい。酸化性ガスの導入によって、時点t31から処理容器1内の圧力は上昇に転じる。つまり、圧力曲線は圧力P1で下に凸のピークを形成する。ここで、酸化性ガスとしては、例えば酸素ガス、オゾンガスなどを用いることが好ましい。
圧力曲線(実線)において、次に、時点t32からt33の期間は、処理容器1内を第4の圧力である圧力P3に調圧する。この圧力P3は、処理容器1内で安定してプラズマPを生成させ得る圧力帯に相当する。そして、この時点t32からt33の期間の一部分もしくは全部の範囲で、プラズマ供給装置40によって処理容器1内へのプラズマPの導入を行う。プラズマPの導入によって、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201が低分子量の化合物202,203に分解し始める(図5B参照)。また、プラズマP中のオゾンや酸素ラジカルなどの活性種によって、有機化合物201を酸化することで低分子量の化合物202,203への分解が進み、処理容器1の内壁面からの排出が促される。その結果、処理容器1内の溶媒濃度が低下し、付着した溶媒の脱離が促進される。
時点t33では、処理容器1内に付着した溶媒中の有機化合物201がほぼすべて脱離する。従って、時点t33までに、プラズマPの導入を停止する。時点t33以降、時点t34までの期間は、排気装置19による排気速度を大きくして処理容器1内を排気しながら、有機化合物201、低分子量の化合物202、203を排出させる。
処理容器1内の圧力が第2の圧力である圧力P0に達した時点t34で、排気装置19を停止する。そして、処理容器1内を昇圧していき、大気開放させる。
図14において、プラズマ照射を行う本実施の形態のリフレッシュ工程における圧力曲線を、排気のみを行う従来のリフレッシュ工程における圧力曲線と比較すると、従来の圧力曲線では、溶媒の蒸気圧に近い圧力P1を下回るのに時点t35まで必要としている。つまり、本実施の形態のリフレッシュ工程に比べ、溶媒の脱離に長時間がかかっていることが理解される。それに対し、本実施の形態の乾燥処理方法では、処理容器1内に酸化性ガスのプラズマPを導入することによって、残留溶媒の除去に要する時間を大幅に短縮できる。従って、乾燥装置102,102Aを用い、複数の基板Sを入れ替えながら処理する場合のスループットを大幅に改善できる。
以上のように、本実施の形態の乾燥装置102,102Aでは、溶媒分解手段として、プラズマ供給装置40を備えていることによって、基板Sを乾燥処理した後の処理容器1内のリフレッシュを短時間で効率良く行うことができる。従って、乾燥装置102,102Aでは、複数の基板Sを交換しながら乾燥処理する際のスループットを大幅に向上させることができる。また、リモートプラズマを利用することによって、処理容器1内に残留しやすい高沸点溶媒を分解、酸化して確実に除去できる。従って、複数の基板Sを順次入れ替えて処理する際に、処理容器1内のコンディションを同じに整えて、安定した乾燥処理を行うことが可能であり、例えば有機ELディスプレイなどの製品の信頼性も向上させることができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置102,102Aは、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、有機EL素子の製造工程は、図7に例示したものに限らない。例えば、EL層が陽極側から陰極側へ向けて、[正孔輸送層/発光層/電子輸送層]や、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層]などの順に積層された構造を有している有機EL素子の製造においても、同様に本発明の乾燥装置100,100A,101,101A,102,102Aを適用できる。
1…処理容器、3…載置台、5…紫外線照射装置、6…制御部、11…底壁、13…側壁、13a…搬入出口、13b…貫通開口、13c…透過窓、15…天井部、15a…ガス導入部、17…排気管、19…排気装置、23…APCバルブ、25…圧力計、27…ガス供給装置、31…配管、33…マスフローコントローラ(MFC)、35…開閉バルブ、61…コントローラ、62…ユーザーインターフェース、63…記憶部、100…乾燥装置、200…紫外線、S…基板、GV…ゲートバルブ

Claims (19)

  1. 基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥装置であって、
    真空引き可能な処理容器と、
    前記処理容器内で前記基板を支持する支持部材と、
    前記処理容器内に設けられて前記有機材料膜から揮発した前記溶媒を捕集する溶媒捕集部と、
    前記処理容器から乾燥処理済みの前記基板を搬出した後に、前記処理容器内に残留し、前記溶媒捕集部に捕集された前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解する溶媒分解手段と、
    を備えたことを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記溶媒分解手段が、前記処理容器の内部へ紫外線を照射する紫外線照射装置を有している請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記紫外線照射装置は、前記処理容器を構成する壁に設けられた透過窓の外部に装着されて前記溶媒捕集部へ向けて紫外線を照射するものである請求項2に記載の乾燥装置。
  4. 前記透過窓が前記支持部材の下方に設けられている請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 前記溶媒分解手段が、さらに、前記処理容器内に酸化性ガスを導入する酸化性ガス供給装置を有している請求項1に記載の乾燥装置。
  6. 前記酸化性ガス供給装置は、前記溶媒捕集部へ向けて前記酸化性ガスを供給するものである請求項5に記載の乾燥装置。
  7. 前記溶媒分解手段が、前記処理容器内にプラズマを導入するプラズマ供給装置を有している請求項1に記載の乾燥装置。
  8. 前記プラズマ供給装置は、
    前記プラズマを生成させるプラズマ発生部と、
    前記プラズマ発生部へガスを供給するガス供給源と、
    前記プラズマ発生部で発生させたプラズマを前記処理容器内へ供給するプラズマ供給路と、
    を備えており、
    前記プラズマ供給路は、前記処理容器のプラズマ導入部に接続されている請求項7に記載の乾燥装置。
  9. 前記プラズマ導入部は、前記溶媒捕集部に前記プラズマを供給できるように、前記溶媒捕集部に臨む位置に設けられている請求項8に記載の乾燥装置。
  10. 前記溶媒捕集部は、複数の貫通開口を有する一枚又は複数枚の金属プレートを有している請求項3、6又は9に記載の乾燥装置。
  11. 前記溶媒捕集部は、さらに、前記金属プレートを冷却する冷却装置を有している請求項10に記載の乾燥装置。
  12. 真空引き可能な処理容器と、前記処理容器内で基板を支持する支持部材と、前記処理容器内に設けられて前記基板の表面に塗布された有機材料膜から揮発した溶媒を捕集する溶媒捕集部と、前記処理容器から乾燥処理済みの前記基板を搬出した後に、前記処理容器内に残留し、前記溶媒捕集部に捕集された前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解する溶媒分解手段と、を備えた乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、
    前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を前記溶媒分解手段によって低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、
    を備えている乾燥処理方法。
  13. 乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、
    前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、
    を備え、
    前記リフレッシュ工程は、
    前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、
    前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で、前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、
    前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
    前記処理容器内を前記第2の圧力まで減圧する途中で、前記紫外線の照射を終了するステップと、
    を含み、
    前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内である乾燥処理方法。
  14. 乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、
    前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、
    を備え、
    前記リフレッシュ工程は、
    前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、
    前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で、前記処理容器内に酸化性ガスの導入を開始するステップと、
    前記処理容器内を、前記第1の圧力よりも高い第3の圧力に調圧した状態で前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、
    前記酸化性ガスの導入を終了するステップと、
    前記紫外線の照射を終了するステップと、
    前記紫外線照射の終了後、前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
    を含み、
    前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内であり、
    前記第3の圧力が、50〜150Paの範囲内である乾燥処理方法。
  15. 乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、
    前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、
    を備え、
    前記リフレッシュ工程は、
    前記処理容器内を大気圧から第3の圧力まで減圧排気するステップと、
    前記処理容器内を、前記第3の圧力に調圧した状態で前記処理容器内への紫外線の照射を開始するステップと、
    前記紫外線の照射を終了するステップと、
    前記紫外線照射の終了後、前記処理容器内を前記第3の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
    を含み、
    前記第3の圧力が、50〜150Paの範囲内である乾燥処理方法。
  16. 前記紫外線の波長が、100nm以上200nm以下の範囲内である請求項13から15のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
  17. 乾燥装置の処理容器内で、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を揮発させて除去する乾燥処理工程と、
    前記乾燥処理工程の終了後に前記基板を前記処理容器から搬出した後、前記処理容器内に残留した前記溶媒中に含まれる有機化合物を低分子量の化合物に分解して前記処理容器内から排出させるリフレッシュ工程と、
    を備え、
    前記リフレッシュ工程は、
    前記処理容器内を大気圧から前記溶媒の蒸気圧である第1の圧力まで減圧排気するステップと、
    前記処理容器内が前記第1の圧力にある状態で前記処理容器内に酸化性ガスの導入を開始するステップと、
    前記処理容器内を、前記第1の圧力よりも高い第4の圧力に調圧した状態で前記処理容器の内部に、前記酸化性ガスのプラズマの導入を開始するステップと、
    前記酸化性ガス及び前記プラズマの導入を終了するステップと、
    前記処理容器内を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力まで減圧するステップと、
    を含み、
    前記第1の圧力が、0.001〜10Paの範囲内であり、
    前記第4の圧力が、50〜300Paの範囲内である乾燥処理方法。
  18. 前記第2の圧力が、1×10−4Pa以下である、請求項13から17のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
  19. 前記有機材料膜が、有機EL素子の製造においてインクジェット印刷法によって前記基板上に塗布されたものである請求項12から18のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
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