JP6920131B2 - 減圧乾燥装置 - Google Patents

減圧乾燥装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6920131B2
JP6920131B2 JP2017155837A JP2017155837A JP6920131B2 JP 6920131 B2 JP6920131 B2 JP 6920131B2 JP 2017155837 A JP2017155837 A JP 2017155837A JP 2017155837 A JP2017155837 A JP 2017155837A JP 6920131 B2 JP6920131 B2 JP 6920131B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
substrate
solvent collecting
vacuum drying
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017155837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019035527A (ja
Inventor
直茂 伏見
直茂 伏見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2017155837A priority Critical patent/JP6920131B2/ja
Priority to CN201810901188.5A priority patent/CN109390253A/zh
Priority to KR1020180093817A priority patent/KR20190017699A/ko
Publication of JP2019035527A publication Critical patent/JP2019035527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6920131B2 publication Critical patent/JP6920131B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67005Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67011Apparatus for manufacture or treatment
    • H01L21/67017Apparatus for fluid treatment
    • H01L21/67028Apparatus for fluid treatment for cleaning followed by drying, rinsing, stripping, blasting or the like
    • H01L21/67034Apparatus for fluid treatment for cleaning followed by drying, rinsing, stripping, blasting or the like for drying
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B5/00Drying solid materials or objects by processes not involving the application of heat
    • F26B5/04Drying solid materials or objects by processes not involving the application of heat by evaporation or sublimation of moisture under reduced pressure, e.g. in a vacuum
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、チャンバ内に収納された基板上の溶液を減圧状態で乾燥させる減圧乾燥装置に関する。
従来、有機EL(Electroluminescence)の発光を利用した発光ダイオードである有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)が知られている。かかる有機発光ダイオードを用いた有機ELディスプレイは、薄型軽量かつ低消費電力であるうえ、応答速度や視野角、コントラスト比の面で優れているといった利点を有していることから、次世代のフラットパネルディスプレイ(FPD)として近年注目されている。
有機発光ダイオードは、基板上の陽極と陰極の間に有機EL層を挟んだ構造を有している。有機EL層は、例えば陽極側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層が積層されて形成される。これらの有機EL層の各層(特に正孔注入層、正孔輸送層及び発光層)を形成するにあたっては、例えばインクジェット方式で有機材料の液滴を基板上に吐出するといった方法が用いられる。
インクジェット方式で基板上に吐出された有機材料中には、多量の溶媒が含まれている。そのため、溶媒を除去することを目的として、基板上の溶液を減圧状態で乾燥する減圧乾燥処理が行われている(特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1の乾燥装置は、真空引き可能な処理容器と、処理容器内で基板を支持する載置台と、載置台に支持される基板に対向して設けられ、基板上の有機材料膜から揮発する溶媒を捕集する溶媒捕集部と、を備えている。
この特許文献1の乾燥装置の溶媒捕集部は、基板の表面とほぼ平行に配置された金属製の捕集プレートを有し、該捕集プレートには貫通開口が形成されている。また、特許文献1の乾燥装置は、乾燥処理が終了した後、捕集プレートで捕集した溶媒を、再度気化させて捕集プレートから脱離させるための溶媒脱離装置を備えている。さらに特許文献1の乾燥装置は、上述の捕集プレートの温度を調節するためにペルチェ素子等からなる温度調整装置を有する。
特開2014−199806号公報
ところで、溶媒捕集部に捕集/吸着された溶媒の脱離処理のための時間を含めた、乾燥装置における処理時間を短縮させるためには、溶媒捕集部での溶媒の捕集効率を向上させたり、溶媒捕集部からの溶媒の気化効率を向上させたりする必要がある。
しかしながら、特許文献1の乾燥装置では、溶媒捕集部すなわち捕集プレートでの溶媒の捕集効率や捕集プレートからの溶媒の気化効率を向上させるために、捕集プレートを冷却または加熱する温度調節装置を用いており、装置の構成が複雑である。
この点に関し、鋭意検討したところ、熱容量の小さい網状板を溶媒捕集用の溶媒捕集網として用いれば、温度調節装置を別途設けることなく、溶媒捕集部すなわち溶媒捕集網での溶媒の捕集効率や溶媒捕集部からの溶媒の気化効率を向上させることができるという知見を得た。しかし、さらに検討を進めたところ、熱容量の小さい網状板を溶媒捕集網として用いた場合、基板の中央に比べて端部の乾燥速度が遅く、乾燥時間を同一の基板内で均一にできず、すなわち、基板を均一に乾燥することができないことがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板上の溶媒の減圧乾燥処理と溶媒捕集部からの溶媒の脱離処理の両方を行うものであって、上記減圧乾燥処理の時間と上記脱離処理の時間が短く、装置の構成が簡易であり、基板を均一に乾燥することができる減圧乾燥装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、排気口が底板に設けられ、溶液が塗布された基板を収納するチャンバと、該チャンバ内において該チャンバの天板と前記基板との間に設けられ、前記基板から気化した前記溶液中の溶媒を一時的に捕集する、1m当たりの熱容量が850J/K以下の溶媒捕集部材と、を備え、前記チャンバ内で前記基板上の溶液を減圧状態で乾燥させる減圧乾燥装置において、前記チャンバの天板から下方に向けて延在し且つ前記天板から連続し、前記溶媒捕集部材の側端と前記チャンバの側壁との間を遮るように配設された遮断部材を備える、ことを特徴としている。
記遮断部材の下端は、前記溶媒捕集部材の下端より下側に位置することが好ましい。
前記遮断部材の下端と前記溶媒捕集部材の下端との鉛直方向の距離は1cm以上であることが好ましい。
前記基板の側端と前記遮断部材との水平方向の距離は1cm以上であることが好ましい。
前記遮断部材は、1m当たりの熱容量が286J/K以下であることが好ましい。
前記遮断部材の1m当たりの熱容量は、前記溶媒捕集部材の1m当たりの熱容量以下であることが好ましい。
前記溶媒捕集部材は、網状部材から構成される溶媒捕集網であることが好ましい。
前記溶媒捕集網は、開口率が60%以上80%以下であることが好ましい。
前記基板から前記溶媒捕集部材までの距離は、前記基板から前記チャンバの天板までの距離の40%以上60%以下であることが好ましい
本発明によれば、簡単な装置構成で、基板上の溶媒の減圧乾燥処理と溶媒捕集部からの溶媒の脱離処理を短時間で行うことができる。また、本発明によれば、基板を均一に乾燥することができる。
本発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置の概略構成を示す図である。 溶媒捕集部の取り付け構造を説明するための図である。 図1の減圧乾燥装置を用いた減圧乾燥処理の説明図である。 基板Wに塗布される溶液の溶媒の蒸気圧曲線の一例を示す図である。 排気開始から30秒後における、減圧乾燥装置内の溶媒捕集網の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 排気開始から16.5秒後における、減圧乾燥装置内の各領域における気体の温度、流れる方向及び流速を示す図である。 図6の減圧乾燥装置の端部部分を拡大して示す部分拡大図である。 図7のシミュレーション結果に基づく減圧乾燥装置の端部部分での気体の流れを示す図である。 遮断部材の作用効果について説明する図である。 遮断部材の他の例の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る減圧乾燥装置の概略構成を示す図であり、図1(A)は減圧乾燥装置の構成の概略を示す断面図、図1(B)は減圧乾燥装置内の構成の概略を示す上面図である。図1(A)では後述の溶媒捕集部を支持するための構造体の図示は省略され、図1(B)では上記構造体や後述の天板等の図示は省略されている。図2は、溶媒捕集部の取り付け構造を説明するための図であり、図2(A)は減圧乾燥装置内の部分側面図、図2(B)は減圧乾燥装置における溶媒捕集部の周囲の部分下面図である。
本実施形態に係る減圧乾燥装置は、基板上にインクジェット方式で塗布され溶液を、減圧状態で乾燥するものであり、本装置の処理対象の基板は例えば有機ELディスプレイ用のガラス基板である。
なお、本装置の処理対象の基板に塗布される溶液は、溶質と溶媒からなり、減圧乾燥処理の対象となる成分は主に溶媒である。溶媒に含まれる有機化合物としては、高沸点のものが多く、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(1,3-dimethyl-2-imidazolidinone、沸点220℃、融点8℃)、4−tert-ブチルアニソール(4-tert-Butylanisole、沸点222℃、融点18℃)、Trans−アネトール(Trans-Anethole、沸点235℃、融点20℃)、1,2−ジメトキシベンゼン(1,2-Dimethoxybenzene、沸点206.7℃、融点22.5℃)、2−メトキシビフェニル(2-Methoxybiphenyl、沸点274℃、融点28℃)、フェニルエーテル(Phenyl Ether、沸点258.3℃、融点28℃)、2−エトキシナフタレン(2-Ethoxynaphthalene、沸点282℃、融点35℃)、ベンジルフェニルエーテル(Benzyl Phenyl Ether、沸点288℃、融点39℃)、2,6−ジメトキシトルエン(2,6-Dimethoxytoluene、沸点222℃、融点39℃)、2−プロポキシナフタレン(2-Propoxynaphthalene、沸点305℃、融点40℃)、1,2,3−トリメトキシベンゼン(1,2,3-Trimethoxybenzene、沸点235℃、融点45℃)、シクロヘキシルベンゼン(cyclohexylbenzene、沸点237.5℃、融点5℃)、ドデシルベンゼン(dodecylbenzene、沸点288℃、融点-7℃)、1,2,3,4-テトラメチルベンゼン(1,2,3,4-tetramethylbenzene、沸点203℃、融点76℃)等を挙げることができる。これらの高沸点有機化合物は、2種以上が組み合わされて溶液中に配合されている場合もある。
本実施形態に係る減圧乾燥装置は、図1に示すように、チャンバ10と、載置台20と、溶媒捕集部30と、を備え、排気装置40に接続されている。
チャンバ10は、気密に構成されるものであり、ステンレス等の金属材料から形成される。チャンバ10は、角筒状の側壁部11と、側壁部11の上側に取り付けられる天板12と、側壁部11の下側に取り付けられる底板13と、天板12から下方に延在する遮断部材14を有する。
側壁部11には、基板Wをチャンバ10内に搬入出するための不図示の搬入出口が設けられている。
天板12は、側壁部11の上側の開口を塞ぐと共に、溶媒捕集部30を支持する。溶媒捕集部30の支持構造については後述する。
底板13は、側壁部11の下側の開口を塞ぐものであり、底板13の上側の中央には載置台20を支持する支持部材21が配設されている。また、底板13には、支持部材21の外周を囲うように排気口13aが設けられ、排気口13aには排気管41を介して排気装置40が接続されている。この排気口13aを介して、減圧乾燥装置1のチャンバ10内を減圧することができる。
遮断部材14については後述する。
載置台20は、基板Wが載置されるものであり、支持部材21を介してチャンバ10の底板13に支持される。載置台20には、基板Wの受け渡しを行う不図示の昇降ピンが設けられており、該昇降ピンは昇降機構により自在に上下動できる。
溶媒捕集部30は、基板W上にインクジェット方式により塗布された溶液から気化した溶媒を捕集するものであり、チャンバ10内の雰囲気中の溶媒濃度を調節するためのものである。
溶媒捕集部30は、開口が格子状に均一に形成された形状の薄板すなわち網状板から成る溶媒捕集プレート(以下、溶媒捕集網)31を有する。
溶媒捕集網31は、溶媒捕集部材の一例であり、ステンレスやアルミ、銅、金といった金属材料等の熱伝導性の良い材料から形成される。より具体的には、例えば、溶媒捕集網31は、鋼板を冷間切延することにより製造されるエキスパンドメタルから構成される。溶媒捕集網31は、1枚のエキスパンドメタルから構成されてもよいが、本例では、複数枚のエキスパンドメタルを水平方向に並べて構成されるものとする。
溶媒捕集網31の厚さは例えば0.1mmである。また、溶媒捕集網31の水平方向の寸法は、基板Wの水平方向の寸法と略同一である。より具体的には、溶媒捕集網31を構成する複数枚のエキスパンドメタル全体の水平方向の寸法は、基板Wの水平方向の寸法と略同一である。ただし、溶媒捕集網31の水平方向の寸法は、気化した溶媒の吸着量を増やすために、基板Wの水平方向の寸法よりも大きくしてもよい。また、溶媒捕集網31の水平方向の寸法は、基板Wの中央の上部に該溶媒捕集網31を設置した場合に、チャンバ10内の蒸気濃度のバランスを制御するために、基板Wの水平方向の寸法よりも小さくしてもよい。
溶媒捕集網31の開口率は大きく例えば65%である。なお、開口率とは、(上面視における溶媒捕集網31の開口部の総面積)/(上面視における溶媒捕集網31の全面積)で与えられる。
溶媒捕集網31は、上述のように開口率が大きい網状であり且つ薄型であるため、1m当たりの熱容量が例えば372J/Kと低く、すなわち単位面積当たりの熱容量が例えば372J/K・mと低い。
この溶媒捕集網31は、溶媒捕集網31の上部の構造物であって溶媒捕集網31に最も近い天板12と基板Wとの間の位置に支持される。また、溶媒捕集網31は、基板Wと正対するように、すなわち基板Wと略平行となるように、天板12に支持される。
天板12による溶媒捕集網31の支持は、図2に示すように、枠体32と脚部33を介して行われる。以下、具体的に説明する。
溶媒捕集網31を構成するエキスパンドメタル31aはそれぞれ、角筒状の枠体32に溶接等により固定される。枠体32の外側に設けられた耳部32aを、天板12から下方向に延出する脚部33に、ネジ等を用いて固定することにより、エキスパンドメタル31aすなわち溶媒捕集網31が天板12に支持される。
なお、枠体32や脚部33はステンレス等の金属材料から成る。
また、枠体32や脚部33は基板Wとは溶媒捕集網31を間に挟んで反対側に位置している。したがって、溶媒捕集網31が基板W側においてその全面が均一に露出しているので、基板Wから溶媒捕集網31の方向への気化した溶媒の流れは枠体32や脚部33には阻害されない。ただし、気化した溶媒の流れをより均一にするためには、枠体32や脚部33の体積は小さいことが好ましい。
図1の説明に戻る。
排気装置40は、真空ポンプから構成され、具体的には、ターボ分子ポンプとドライポンプとが例えば上流側からこの順に直列に接続されて構成される。この排気装置40は、底板13の中心付近すなわち基板Wの中心付近の下部に配設されている。
排気管41の排気口13aと排気装置40との間の部分には自動圧力制御バルブ(APC(Adaptive Pressure Control)バルブ)42が設けられている。減圧乾燥装置1では、排気装置40の真空ポンプを作動させた状態で、APCバルブ42の開度を調節することにより、減圧排気の際のチャンバ10内の真空度を制御することができる。
なお、減圧乾燥装置1は、チャンバ10内の圧力を測定する不図示の圧力計を有する。該圧力計での計測結果は電気信号としてAPCバルブ42に入力される。
また、減圧乾燥装置1は該装置1の不図示の制御部を備える。制御部は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、減圧乾燥装置1における減圧乾燥処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部にインストールされたものであってもよい。
続いて、チャンバ10内に設けられている遮断部材14について説明する。
遮断部材14は、図1(A)に示すように、前述の通り天板12から下方に延在しており、すなわち、天板12から連続している。また、遮断部材14は、溶媒捕集網31の側端と側壁部11との間、すなわち、溶媒捕集網31を遮るように配設され、具体的には、溶媒捕集網31の側端とチャンバ10の側壁との間を遮るように配設されている。より具体的には、載置台20とチャンバ10の側壁との間の、排気装置40に通ずる隙間10aの上方に位置する。
遮断部材14は、例えば、溶媒捕集網31と同様に、ステンレスやアルミ、銅、金といった金属材料等の熱伝導性の良い材料から成る板状部材で構成される。
遮断部材14の厚さは薄く例えば0.05mmである。遮断部材14は、このように薄いため、1m当たりの熱容量が例えば286J/Kと低い。遮断部材14の1m当たりの熱容量は286J/K以下であることが好ましい。
また、遮断部材14の1m当たりの熱容量は、実際に使用している溶媒捕集網31のもの以下であることが好ましい。なお、後述するように、溶媒捕集網31は、板厚が0.05mm、開口率が80%のとき、その単位面積当たりの熱容量が106J/K・mであり、板厚が0.2mm、開口率が60%のとき、その単位面積当たりの熱容量が850J/K・mである。
また、遮断部材14の長さは、当該遮断部材14の下端が溶媒捕集網31の下端より下側に位置するような長さである。遮断部材14の下端と溶媒捕集網31の下端との鉛直方向の距離は1cm以上である。また、載置台20上に載置される基板Wの側端との水平方向の距離は1cm以上である。
さらに、遮断部材14は、例えば、図1(B)に示すように、溶媒捕集網31の側方全周を覆う。
続いて、減圧乾燥装置1を用いた減圧乾燥処理について図3及び図4を用いて説明する。図3は、減圧乾燥処理の説明図であり、図3(A)〜図3(D)は減圧乾燥処理の各工程におけるチャンバ10内の様子を説明する図である。図4は、基板Wに塗布される溶液の溶媒の蒸気圧曲線を示す図であり、横軸は温度、縦軸は圧力である。
減圧乾燥装置1を用いた減圧乾燥処理では、まず、インクジェット方式で処理液が塗布された基板Wを載置台20に載置する。この状態では、図3(A)に示すように、基板Wの温度も溶媒捕集網31の温度も室温の23℃である。また、基板Wを載置台20に載置した時点でのチャンバ10内の圧力は、大気圧(約10×10Pa)であり、図4に示すように、基板Wの温度である23℃における溶媒Sの飽和蒸気圧より大きいため、基板Wからの溶媒Sの蒸発速度は小さい。
次いで、排気装置40のドライポンプを作動させてチャンバ10内を減圧排気する。ドライポンプによる減圧排気はチャンバ10内の圧力が10Paとなるまで行う。
この減圧排気の際、断熱膨張によりチャンバ10内の気体は冷却される。このようにチャンバ10内の気体が冷却されたとしても、基板Wの温度は、該基板Wの熱容量が大きいこと等から、室温の23℃からほとんど変化しない。しかし、熱容量が小さい溶媒捕集網31の温度は、チャンバ10内の冷却された気体により冷却され、低下する。具体的には、ドライポンプでの減圧排気が完了しチャンバ10内の圧力が10Paとなった時点では、図3(B)に示すように、溶媒捕集網31の温度は例えば8〜15℃まで低下する。
なお、図4の点P1に示すように、ドライポンプでの減圧排気終了時のチャンバ10内の圧力10Paは、基板Wの温度である23℃における溶媒Sの飽和蒸気圧より大きいため、ドライポンプでの減圧排気の終了時点でも蒸発速度は大きくない。
排気装置40のドライポンプによりチャンバ10内の圧力を10Paまで減圧排気した後、排気装置40のターボ分子ポンプを作動させてさらに減圧排気する。
該減圧排気により、図4の点P2に示すように、チャンバ10内の圧力が、基板Wの温度である23℃における溶媒の蒸気圧である0.2Pa以下となると、基板W上の溶媒Sの蒸発速度が大きくなる。
この際、溶媒捕集網31は前述のように減圧排気に伴って冷却されており、チャンバ10内の圧力が0.2Paまで減圧された時点で、溶媒捕集網31の温度は例えば図3(C)に示すように8〜15℃である。この8〜15℃は、図4の点P3からも明らかなように、0.2Paにおける溶媒の露点である23℃より小さい。
また、溶媒捕集網31の温度は、基板W上の溶媒Sの蒸発が完了するまでの間、各時点でのチャンバ10内の圧力における溶媒Sの露点以下に維持される。
したがって、基板Wから気化した溶媒は、溶媒捕集網31により高効率で捕集されるため、チャンバ10内の気体状の溶媒の濃度は低く維持される。したがって、基板W上の溶媒を速く除去することができる。
基板W上の溶媒Sの除去が完了した後も排気装置40のターボ分子ポンプでの排気を継続する。溶媒捕集網31により捕集された溶媒を該溶媒捕集網31から除去するためである。
上述のようにターボ分子ポンプでの排気を継続していくと、チャンバ10の天板12や基板W等からの輻射熱により、熱容量の小さい溶媒捕集網31の温度が上昇する。具体的には、基板W上の溶媒Sの蒸発が完了してから5分以内に、図4の点P4及び図3(D)に示すように、溶媒捕集網31の温度がその時点のチャンバ10の圧力(0.05Pa)における溶媒の露点以上である18〜23℃まで上昇する。したがって、溶媒捕集網31から溶媒を速く除去/脱離することができる。
なお、基板W上の溶媒Sの蒸発が完了してから溶媒捕集網31の温度がその時点のチャンバ10の圧力における溶媒の露点以上となるまでの時間は、5分以内であることが好ましい。5分より大きいと、溶媒捕集網31からの溶媒の脱離が完了するまでに長時間を要してしまい、タクトタイムが長くなってしまうからである。
また、基板W上の溶媒Sの蒸発が完了してから溶媒捕集網31の温度がその時点のチャンバ10の圧力における溶媒の露点以上となるまでの時間は、20秒以上であることが好ましい。基板W上の溶媒Sは蒸発開始から約10秒で乾燥が完了するため、溶媒捕集網31は少なくとも10秒以上、望ましくは20秒以上をかけて徐々に乾燥することが好ましい。20秒よりも短いと、溶媒捕集網31に吸着された溶媒が気化したときに該気化した溶媒により、基板W上の乾燥した塗布膜が溶けたり、気化した溶媒が基板Wに吸着されたりしてしまうおそれがあるからである。
溶媒捕集網31の温度が上述のようにその時点のチャンバ10の圧力における溶媒の露点以上となってから所定時間が経過するまで、ターボ分子ポンプでの排気を継続することにより、溶媒捕集網31から溶媒を除去する溶媒捕集網31の乾燥工程が終了する。
溶媒捕集網31の乾燥工程終了後、排気装置40を停止する。その後、チャンバ10内の圧力を大気圧まで戻した後、基板Wをチャンバ10から搬出する。これで、減圧乾燥装置1での減圧乾燥処理が終了する。
このように、減圧乾燥装置1では、熱容量の小さい網状板を溶媒捕集部30に用いるので、減圧乾燥処理に際し溶媒捕集部30を冷却/加熱するために、別途機構を設ける必要がない。したがって、減圧乾燥装置1では、基板の乾燥に要する時間(以下、乾燥時間)と溶媒捕集網31の乾燥時間の両方を含めた処理時間を簡易な構成で短くすることができる。言い換えると、基板上の溶媒の減圧乾燥処理と溶媒捕集部30からの溶媒の脱離処理を簡易な構成で短時間で行うことができる。
また、減圧乾燥装置1では、基板の乾燥時間のさらなる短縮のため、上述のように、溶媒捕集網31の温度が、チャンバ10内の圧力が基板Wの温度すなわち室温における蒸気圧以下となった時点で、その時点での圧力における露点すなわち室温以下とされ、さらに、蒸発が完了するまでの間、各時点での圧力における露点以下とされる。
さらに、減圧乾燥装置1では、溶媒捕集網31の乾燥時間のさらなる短縮のため、上述のように、溶媒捕集網31の温度が、蒸発が完了した時から5分以内に、その時点での圧力における露点以上とされる。
次に、溶媒捕集部30の溶媒捕集網31について詳述する。
上述の説明では、溶媒捕集網31は単位面積当たりの熱容量が例えば372J/K・mとした。しかし、溶媒捕集網31の単位面積当たりの熱容量は、上述のものに限られず、排気によるチャンバ10内の断熱膨張により該溶媒捕集網31の温度が低下すると共にチャンバ10等からの輻射熱により該溶媒捕集網31の温度が上昇すればよい。したがって、溶媒捕集網31の単位面積当たりの熱容量は106〜850J/K・m以下であればよい。なお、溶媒捕集網31の板厚が0.05mm、開口率が80%のときの単位面積当たりの熱容量が106J/K・mであり、溶媒捕集網31の板厚が0.2mm、開口率が60%のときの単位面積当たりの熱容量が850J/K・mである。
また、溶媒捕集網31は上述のように基板Wと天板12との間の位置に支持される。より具体的には、基板Wの上面と溶媒捕集網31の厚さ方向の中心までの距離が基板Wの上面からチャンバ10の天板12の下面までの距離の40〜60%となる位置に支持される。減圧排気時の気体の膨張率すなわち断熱膨張による冷却強度は、上下方向に係る位置によって異なり、上述の40〜60%となる位置では他に場所に比べ大きい。そのため、当該位置に支持することにより溶媒捕集網31を大きく冷却することができ、また、真空下でのチャンバ10から溶媒捕集網31への輻射熱による加熱はそれらの間の距離によらないため、基板Wからの溶媒を速く除去することができる。
次に、減圧乾燥装置1に遮断部材14を設けた理由について説明する。本発明者らが調査したところ、前述のように、熱容量の小さい網状板を溶媒捕集網として用いたときに、基板の中央に比べて端部の乾燥速度が遅く、基板を均一に乾燥することができない場合があることが確認された。そこで、本発明者らは、基板を均一に乾燥できない理由についてさらに検討を重ねた結果、まず、溶媒捕集網の冷却過程において溶媒捕集網の中央と端部とで温度差があり、端部の方が温度が高いことが確認された。ここで、溶媒捕集網の温度が低い方が溶媒の捕集効率が上がるため、上述の溶媒捕集網の中央と端部とでの温度差が、基板を均一に乾燥することができない原因であると推察される。
かかる考察を踏まえ、本発明者らは、溶媒捕集網の冷却過程において溶媒捕集網の中央と端部とで温度差が発生する原因を解明するため、溶媒捕集網の冷却過程における減圧乾燥装置内の温度変化と気体の流れについシミュレーションを行った。
シミュレーションには、汎用熱流体解析ソフトウェアであるFLUENTを使用した。
熱流体解析(CFD:Computational Fluid Dynamics)では、排気による強制対流、気体の温度差による自然対流のみを考慮し、輻射による温度変化については考慮しなかった。これは、輻射の高温源となる天板12や載置台20の温度は室温でほぼ一定であり低く、対流伝熱に比べて十分小さく無視できるためである。
また、本解析は、2次元軸対称解析とし、解析領域は減圧乾燥装置内の気体及び溶媒捕集網とし、解析における減圧乾燥装置は、図1の減圧乾燥装置1と同様の構成を有するが、遮断部材14を有さないものであるとした。また、溶媒捕集網を通過する気体と当該溶媒捕集網との間での伝熱については非平衡多孔質モデルを使用した。解析対象の時間領域は、大気圧の状態から、排気開始後30秒経過し減圧乾燥装置内の圧力が数百Paになるまで、とした。このように排気動作開始直後を解析対象としたのは、減圧された気体による溶媒捕集網の冷却が行われるには、圧力がある程度高い必要(例えば100Pa以上)があるからである。また、基板の温度勾配は、排気動作開始直後についてしまうと、溶媒の揮発が始まる時まで、その状態が維持されてしまい、揮発開始のタイミングが基板上の領域毎に異なってしまい、乾燥時間に影響が出るからである。なお、上述のように圧力がある程度高いため、溶媒の気化はほとんど生じないものと考えられるため、溶媒の気化/凝縮による熱は考慮しなかった。
解析対象の減圧乾燥装置において、基板の載置台及び溶媒捕集網の幅が2500〜3000mm、載置台及び溶媒捕集網からチャンバの側壁までの水平方向の距離が50〜100mm、溶媒捕集網からチャンバの天板までの鉛直方向の距離が50〜150、載置台から天板までの水平方向の距離が80〜375mm、チャンバの底板から天板が100〜500mmであるものとし、基板の幅が2500mmであるものとした。
さらに、溶媒捕集網はSUSであるものとした。つまり、溶媒捕集網の熱伝導率などの物性値にはSUSのものを用いた。また、溶媒捕集網の開口率は65%とし、厚さは0.1mmとした。
減圧乾燥装置内の気体の温度及び圧力の初期値は室温(25度)及び大気圧であるものとした。境界条件としてのInlet(流入口)は設定せず、Outlet(流出口)の圧力については、実際の減圧乾燥装置の排気口で測定された値を指定した。また、減圧乾燥装置の側壁、天板及び載置台並びに基板は、熱容量が大きく、減圧乾燥装置内の気体による温度変化はほとんど生じないため、これらの温度は室温(25℃)で一定であるものとした。
シミュレーション結果を図5〜図8に示す。図5は、排気開始から30秒後における、減圧乾燥装置内の溶媒捕集網の温度分布のシミュレーション結果を示す図である。図6は、排気開始から16.5秒後における、減圧乾燥装置内の各領域における気体の温度、流れる方向及び流速を示す図である。図7は、図6の減圧乾燥装置の端部部分を拡大して示す部分拡大図である。図8は、図7のシミュレーション結果に基づく減圧乾燥装置の端部部分での気体の流れを示す図である。なお、図5〜図7において、温度の高低がグレースケールで示されており、温度が高いほど濃く示されている。また、図6及び図7において矢印の向きは気体の流れる方向を示し、矢印の長さは流速を示している。図8の矢印は気体の流れを示す。
図5に示すように、シミュレーションにおける排気開始から30秒後の減圧乾燥装置M内の溶媒捕集網Nは、実際と同様に、その端部の温度が中央部に比べて高くなっている。このことから、発明者らが行ったシミュレーションは実際の様子を表現できているものと考えられる。
図6〜図8に示すように、シミュレーション結果によれば、減圧乾燥装置Mでは、下方から排気されるにも関わらず、チャンバの側壁M1に沿って上昇気流が生じている。これは、チャンバの側壁M1により暖められた気体が上昇することにより生じているものと考えられる。また、チャンバの側壁M1に沿って天板M2まで上昇した気体は、減圧乾燥装置Mの中央に向けて天板M2に沿って移動するがほとんど移動せず、溶媒捕集網Nの上部の領域M3に溜まる。これにより、溶媒捕集網Nの端部の上部の領域M3において気体の温度が他の領域に比べて高くなっている。
このシミュレーション結果により、溶媒捕集網Nの端部の上部に領域M3に位置する気体の温度が他の領域に比べて高くなっていることによって溶媒捕集網Nの端部の温度が高くなり、その結果、基板Wを均一に乾燥できないことが知見された。
この知見に基づいて、本実施形態の減圧乾燥装置1には、遮断部材14が設けられている。
図9は、遮断部材14の作用効果について説明する図であり、減圧乾燥装置1内における遮断部材14の周辺の様子を示す。
遮断部材14は、前述のように、天板12から下方に延在し該天板12から連続しており、また、溶媒捕集網31の側端と側壁部11との間に配設され、具体的には、溶媒捕集網31の側端とチャンバ10の側壁との間であって、載置台20とチャンバ10の側壁との間の、排気装置40(図1参照)に通ずる隙間10aの上方に位置する。
したがって、図9に示すように、チャンバ10の側壁に沿って天板12まで上昇した気体は、天板12に沿って装置中央に向けて移動するが、遮断部材14が存在するため、溶媒捕集網31の端部の上方の領域Aまで移動しない。その結果、溶媒捕集網31の端部の上方の温度が高くならないため、溶媒捕集網31の端部の温度のみが高くなることがない。言い換えると、溶媒捕集網31の端において網温度の低下を阻害している上昇暖気流を、遮断部材14により遮蔽することができる。よって、減圧乾燥装置1では基板Wの乾燥速度を面内で均一に乾燥することができる。遮断部材14は、特に、載置台20とチャンバ10の側壁との間の距離が小さいときに有用である。
また、溶媒捕集網31の端部の温度が低く、基板の端部の乾燥速度が遅いと、基板の端部の乾燥速度でプロセス速度が決まっている場合、低スループットとなってしまう。それに対し、本実施形態では、遮断部材14を設けない場合に比べ、基板の端部の乾燥速度が速いため、スループットすなわちプロセス性能が向上する。
また、遮断部材14の下端は、溶媒捕集網31の下端より下側に位置する。したがって、天板12に沿って装置中央に向け移動し、遮断部材14によって溶媒捕集網31の端部の上方までの移動が遮られた気体が、遮断部材14に沿って下方に移動したときに、該気体によって溶媒捕集網31の端部が熱せられるのを防ぐことができる。特に、遮断部材14の下端と溶媒捕集網31の下端との鉛直方向の距離は1cm以上である。したがって、上述のように遮断部材14に沿って下方に移動した気体によって溶媒捕集網31の端部が熱せられるのをより確実に防ぐことができる。
さらに、遮断部材14と基板Wの側端との水平方向の距離が1cm以上であるため、減圧により冷却された気体の底部側方に向かう流れが基板Wの端部付近において遮断部材14によって遮られることがないため、基板Wの端部の冷却が遮断部材14によって抑制されるのを防ぐことができる。
さらにまた、遮断部材14は、熱容量が小さく、具体的には、1m当たりの熱容量が286J/K以下であるため、減圧により冷却された気体によって遮断部材14も冷却される。したがって、遮断部材14によって気体が熱せられて、該気体によって基板Wの端部の冷却が抑制されるのを防ぐことができる。
また、遮断部材14の1m当たりの熱容量を、溶媒捕集網31の1m当たりの熱容量以下とすることにより、遮断部材14の方が溶媒捕集網31に比べてより容易に冷却されやすくなるため、遮断部材14の温度により溶媒捕集網31の冷却が抑制されるのを防ぐことができる。
図10は、遮断部材14の他の例の説明図であり、溶媒捕集網31と遮断部材14のみを上方から視た様子を模式的に示す。
図1の例の遮断部材14は、溶媒捕集網31の側方全周を覆っていたが、図7の例の遮断部材14は、載置台20上の基板Wの各辺に対向するように設けられた4つの部材を有し、各部材は連結されておらず、基板Wの角部の側方は覆わない構成である。
この構成では、基板Wの角部の上方に位置する溶媒捕集網31の角部は、前述のチャンバ10の側壁に沿った上昇気流により冷却されにくいが、基板Wの角部の乾燥速度は速い。そのため、この構成であっても、基板を均一に乾燥することができる。
なお、遮断部材14は、剛性を有する板状部材としたが、熱容量が1m当たり286J/K以下と小さければ、可撓性を有するフィルム状のものであってもよい。
また、遮断部材14は、本例では天板12から垂直に垂下していたが、垂下方向は垂直に限らず、例えば、その下端に向かうにつれて、溶媒捕集網31からの水平方向の距離が徐々に増加していくように垂下してもよい。
本発明はインクジェット方式で溶液が塗布された基板に対し減圧乾燥を行う技術に有用である。
1…減圧乾燥装置
10…チャンバ
11…側壁部
12…天板
13…底板
13a…排気口
14…遮断部材
20…載置台
30…溶媒捕集部(基板乾燥用捕集部)
31…該溶媒捕集網
31…溶媒捕集網
31a…エキスパンドメタル
32…枠体
32a…耳部
33…脚部
40…排気装置
42…APCバルブ
50…赤外線放射体
50…当該赤外線放射体
70…別の溶媒捕集部(枯らし用捕集部)

Claims (9)

  1. 排気口が底板に設けられ、溶液が塗布された基板を収納するチャンバと、該チャンバ内において該チャンバの天板と前記基板との間に設けられ、前記基板から気化した前記溶液中の溶媒を一時的に捕集する、1m当たりの熱容量が850J/K以下の溶媒捕集部材と、を備え、前記チャンバ内で前記基板上の溶液を減圧状態で乾燥させる減圧乾燥装置において、
    前記チャンバの天板から下方に向けて延在し且つ前記天板から連続し、前記溶媒捕集部材の側端と前記チャンバの側壁との間を遮るように配設された遮断部材を備える、ことを特徴とする減圧乾燥装置。
  2. 前記遮断部材の下端は、前記溶媒捕集部材の下端より下側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥装置。
  3. 前記遮断部材の下端と前記溶媒捕集部材の下端との鉛直方向の距離は1cm以上である、ことを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥装置。
  4. 前記基板の側端と前記遮断部材との水平方向の距離は1cm以上である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
  5. 前記遮断部材は、1m当たりの熱容量が286J/K以下である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
  6. 前記遮断部材の1m当たりの熱容量は、前記溶媒捕集部材の1m当たりの熱容量以下である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
  7. 前記溶媒捕集部材は、網状部材から構成される溶媒捕集網である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
  8. 前記溶媒捕集網は、開口率が60%以上80%以下である、ことを特徴とする請求項7に記載の減圧乾燥装置。
  9. 前記基板から前記溶媒捕集部材までの距離は、前記基板から前記チャンバの天板までの距離の40%以上60%以下である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
JP2017155837A 2017-08-10 2017-08-10 減圧乾燥装置 Active JP6920131B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155837A JP6920131B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 減圧乾燥装置
CN201810901188.5A CN109390253A (zh) 2017-08-10 2018-08-09 减压干燥装置
KR1020180093817A KR20190017699A (ko) 2017-08-10 2018-08-10 감압 건조 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155837A JP6920131B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 減圧乾燥装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019035527A JP2019035527A (ja) 2019-03-07
JP6920131B2 true JP6920131B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=65418196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017155837A Active JP6920131B2 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 減圧乾燥装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6920131B2 (ja)
KR (1) KR20190017699A (ja)
CN (1) CN109390253A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7285125B2 (ja) * 2019-04-16 2023-06-01 東京エレクトロン株式会社 減圧乾燥装置
CN111540846A (zh) * 2019-05-08 2020-08-14 广东聚华印刷显示技术有限公司 减压干燥装置及减压干燥方法
JP2021167696A (ja) * 2020-04-10 2021-10-21 東京エレクトロン株式会社 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法
CN114771111B (zh) * 2022-02-28 2024-03-22 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 真空干燥装置、基板真空干燥方法及真空干燥设备

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5581905A (en) * 1995-09-18 1996-12-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Coated substrate drying system
JPH10321585A (ja) * 1997-05-22 1998-12-04 Mitsubishi Electric Corp 乾燥装置および乾燥方法
JP3928417B2 (ja) * 2001-11-27 2007-06-13 セイコーエプソン株式会社 塗布膜の乾燥方法及びその装置
JP2010169308A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Panasonic Corp 乾燥装置
JP2011240309A (ja) * 2010-05-21 2011-12-01 Panasonic Corp 乾燥方法および乾燥装置
JP2013250000A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Konica Minolta Inc 塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法
JP2014009880A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Konica Minolta Inc 塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法
KR101994874B1 (ko) * 2013-03-14 2019-07-01 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 건조 장치 및 건조 처리 방법
JP6328434B2 (ja) * 2013-03-14 2018-05-23 東京エレクトロン株式会社 乾燥装置及び乾燥処理方法
JP6114636B2 (ja) * 2013-06-06 2017-04-12 東京エレクトロン株式会社 乾燥装置及び乾燥処理方法
JP6189161B2 (ja) * 2013-09-27 2017-08-30 東京エレクトロン株式会社 乾燥装置、乾燥処理方法、基板ホルダ及び溶媒吸着シート
KR20180082498A (ko) * 2015-11-16 2018-07-18 카티바, 인크. 기판을 열처리하기 위한 시스템 및 방법
JP6909617B2 (ja) * 2016-09-30 2021-07-28 東京エレクトロン株式会社 減圧乾燥装置
JP6886866B2 (ja) * 2017-05-31 2021-06-16 東京エレクトロン株式会社 減圧乾燥装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR20190017699A (ko) 2019-02-20
JP2019035527A (ja) 2019-03-07
CN109390253A (zh) 2019-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6920131B2 (ja) 減圧乾燥装置
JP6909617B2 (ja) 減圧乾燥装置
JP6328434B2 (ja) 乾燥装置及び乾燥処理方法
KR101994874B1 (ko) 건조 장치 및 건조 처리 방법
CN107878044B (zh) 减压干燥装置
JP2020190361A (ja) 減圧乾燥装置
JP6886866B2 (ja) 減圧乾燥装置
TWI837341B (zh) 減壓乾燥裝置
JP5448456B2 (ja) 円板状の基板の脱ガスをする装置
JP2021167696A (ja) 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法
JP2020190405A (ja) 減圧乾燥装置及び溶媒捕集部材の製造方法
WO2022234716A1 (ja) 減圧乾燥装置、減圧乾燥処理方法、減圧乾燥処理の所要時間の短縮方法
JP2022172679A (ja) 減圧乾燥装置、減圧乾燥処理方法、減圧乾燥処理の所要時間の短縮方法
JP2022172691A (ja) 減圧乾燥装置、減圧乾燥処理方法、減圧乾燥処理の所要時間の短縮方法
JP2022172684A (ja) 減圧乾燥装置、減圧乾燥処理方法、減圧乾燥処理の所要時間の短縮方法
JP2024088931A (ja) 減圧乾燥装置および減圧乾燥方法
JP2024089063A (ja) 減圧乾燥装置
TW202430281A (zh) 減壓乾燥裝置及減壓乾燥方法
JP2022170308A (ja) 減圧乾燥装置及び減圧乾燥処理方法
JP2024104902A (ja) 減圧乾燥装置および減圧乾燥方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6920131

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150