JPH10321585A - 乾燥装置および乾燥方法 - Google Patents

乾燥装置および乾燥方法

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JPH10321585A
JPH10321585A JP9132046A JP13204697A JPH10321585A JP H10321585 A JPH10321585 A JP H10321585A JP 9132046 A JP9132046 A JP 9132046A JP 13204697 A JP13204697 A JP 13204697A JP H10321585 A JPH10321585 A JP H10321585A
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JP
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solvent liquid
liquid
processing tank
drying
opening
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JP9132046A
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Akinori Matsumoto
曉典 松本
Takeshi Kuroda
健 黒田
Koji Ban
功二 伴
Touko Konishi
瞳子 小西
Naoki Yokoi
直樹 横井
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Renesas Semiconductor Engineering Corp
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Renesas Semiconductor Engineering Corp
Mitsubishi Electric Corp
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    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
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    • H01L21/67017Apparatus for fluid treatment
    • H01L21/67028Apparatus for fluid treatment for cleaning followed by drying, rinsing, stripping, blasting or the like
    • H01L21/67034Apparatus for fluid treatment for cleaning followed by drying, rinsing, stripping, blasting or the like for drying

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理対象物の乾燥不良を抑制する。 【解決手段】 ノズル34へIPA液が供給されると、
流出孔35を通じて流出するIPA液の流れ29が生成
される。流れ29は、膜状となって、処理槽11の側壁
の内側表面に沿って下降し、その後、処理槽11の下部
に形成されている液受け部36を通じて、外部へと回収
される。処理槽11の側壁の内側表面がIPA液の流れ
29で覆われるので、この内側表面へのIPA蒸気の無
用な凝縮が抑制される。その結果、IPA蒸気が、受け
皿6の上に載置される処理対象物の表面への凝縮に、有
効に利用されるので、処理対象物の乾燥不良が抑制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体ウェハの
乾燥に好適な乾燥技術に関し、特に、乾燥不良を抑制す
るための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図22は、この発明の背景となる従来の
乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この乾燥装置
151は、半導体ウェハの乾燥を目的とした装置として
構成されている。装置151には、上方が開口した処理
槽171が備わっている。処理槽171の側壁の上方部
分の内側には、処理槽171の側壁に沿うように冷却コ
イル162が取り付けられている。冷却コイル162
は、石英管で構成されており、その内部には冷却水が流
される。
【0003】処理槽171の底部の直下には、ヒータ1
70が設置されている。さらに、処理槽171の内部に
は、底部と上方の開口端との間の位置に、受け皿166
が固定されている。この受け皿166の底部には、ドレ
イン用の配管180が接続されている。
【0004】装置151を使用する際には、まず、処理
槽171の内部に、IPA(イソプロピルアルコール)
液167が注ぎ込まれる。処理槽171の深さは、液面
が受け皿166の底部に達しないように調整される。そ
して、冷却コイル162の内部に、冷却水が流される。
【0005】さらに、ヒータ170がオンされることに
より、IPA液167が加熱される。その結果、IPA
液167が気化して、IPA蒸気165が発生する。こ
のIPA蒸気165は、処理槽171の内部に充満す
る。IPA蒸気165は、冷却コイル162の近傍で
は、冷却されるために凝縮する。すなわち、冷却コイル
162は、IPA蒸気165が処理槽171の外部へと
漏出するのを防止する働きをなしている。
【0006】したがって、処理槽171の中で、底部の
付近の液貯留部169に、IPA液167が貯留され、
その上方から冷却コイル162が設置される付近までの
蒸気充填部168に、IPA蒸気165が充満する。蒸
気充填部168にIPA蒸気165が充満した後に、処
理対象物としての半導体ウェハ163に対する処理が開
始される。すなわち、多数の半導体ウェハ163と、こ
れらを積載するカセット164とが、水洗処理の完了後
に、保持アーム161に吊り下げられつつ、処理槽17
1の上方から蒸気充填部168へと挿入される。半導体
ウェハ163を積載するカセット164は、図22に示
すように、受け皿166の直上の位置に、保持アーム1
61によって保持される。
【0007】すると、蒸気充填部168に充満するIP
A蒸気165が、半導体ウェハ163およびカセット1
64の表面に付着する水滴の中へと、凝縮し解け込んで
ゆく。その結果、水滴は実質的にIPAの液滴へと置き
換えられ、半導体ウェハ163やカセット164の表面
から滑り落ちて行く。このようにして、水滴で濡れた半
導体ウェハ163およびカセット164の乾燥が実現す
る。滑り落ちたIPAの液滴は、受け皿166によって
回収され、配管180を通じて外部へと排出される。
【0008】乾燥処理が完了すると、カセット164
は、保持アーム161によって引き上げられ、処理槽1
71の外部へと取り出される。その後、取り出されたカ
セット164は、つぎの処理工程へと搬送される。そし
て、処理槽171には、新たな半導体ウェハ163およ
びカセット164が投入される。このようにして、半導
体ウェハ163およびカセット164の乾燥処理が、反
復的に実行される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置151は、処理対象物としての半導体ウェハ163
をIPA蒸気165に晒し、その表面へIPA蒸気16
5を凝縮させることによって、表面の乾燥を実現するも
のであるために、IPA蒸気165の凝縮量が十分に得
られない条件の下では、乾燥が十分に行われず、乾燥不
良を生じることがあるという問題点があった。
【0010】特に、IPA蒸気165が、投入された処
理対象物としての半導体ウェハ163だけでなく、処理
槽171の内壁表面などの不必要な部分にも凝縮してい
たために、IPA蒸気165の凝縮量が不十分となるこ
とがあった。そして、半導体ウェハ163における乾燥
不良が、半導体ウェハ163に作り込まれる半導体デバ
イスの歩留まりを劣化させる要因の一つとなっていた。
【0011】この発明は、従来の技術における上記した
問題点を解消するためになされたもので、乾燥不良を抑
制し得る乾燥技術を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、水
溶性の溶媒液を用いて処理対象物の表面を乾燥させるた
めの乾燥装置において、前記処理対象物を出し入れ可能
で上方向を向いて開口する開口部を上部に規定し、底部
において前記溶媒液を貯留可能であるとともに、貯留さ
れた当該溶媒液の上方において前記処理対象物を収容可
能な処理槽を備える。そして、前記装置は、さらに、前
記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可能
な加熱手段と、貯留される前記溶媒液が加熱されること
によって当該溶媒液から発生する蒸気が、前記開口部を
通じて前記処理槽の内部から外部へと放散することを防
止するための放散防止手段と、前記溶媒液の供給を受け
ることによって、前記処理槽の側壁の内側表面に沿っ
て、当該内側表面を覆うように流れる前記溶媒液の流れ
を生成するノズルと、前記内側表面に沿って流れた後の
前記溶媒液を回収し、前記処理槽の外部へと導く液回収
手段と、を備える。
【0013】第2の発明の装置は、第1の発明の乾燥装
置において、前記液回収手段によって回収された前記溶
媒液を、再び前記ノズルへと戻すことにより、当該ノズ
ルへ前記溶媒液を循環的に供給する循環手段を、さらに
備える。
【0014】第3の発明の装置は、第1または第2の発
明の乾燥装置において、前記処理槽の前記側壁の外側表
面に取り付けられ、前記溶媒液の前記流れを加熱可能な
ヒータを、さらに備える。
【0015】第4の発明の装置では、第1ないし第3の
いずれかの発明の乾燥装置において、前記循環手段が、
前記液回収手段によって回収された前記溶媒液を、当該
溶媒液が前記ノズルへと戻されるのに先だって、加熱す
る加熱器を、備える。
【0016】第5の発明の装置は、水溶性の溶媒液を用
いて処理対象物の表面を乾燥させるための乾燥装置にお
いて、前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて
開口する開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒
液を貯留可能であり、しかも、貯留される当該溶媒液の
中に前記処理対象物を浸漬可能であるとともに、貯留さ
れる前記溶媒液の上方においても前記処理対象物を収容
可能な処理槽を備える。そして、前記装置は、さらに、
前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可
能な加熱手段と、貯留される前記溶媒液が加熱されるこ
とによって当該溶媒液から発生する蒸気が、前記開口部
を通じて前記処理槽の内部から外部へと放散することを
防止するための放散防止手段と、を備える。
【0017】第6の発明の装置は、第5の発明の乾燥装
置において、前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶
媒液を回収し、回収された当該溶媒液から水分を除去し
た上で、再び前記処理槽へと戻すことにより、貯留され
る前記溶媒液を循環的に再処理する再処理手段を、さら
に備える。
【0018】第7の発明の装置では、第6の発明の乾燥
装置において、前記再処理手段が、水と前記溶媒液とを
分離する分離膜によって、前記溶媒液から水分を除去す
る分離手段、を備える。
【0019】第8の発明の装置では、第6の発明の乾燥
装置において、前記再処理手段が、回収された前記溶媒
液を蒸留することによって、前記溶媒液から水分を除去
する蒸留手段、を備える。
【0020】第9の発明の装置では、第5ないし第8の
いずれかの発明の乾燥装置において、前記放散防止手段
が、前記開口部を挟んで互いに対向するように設けられ
る、噴出手段と排気手段と、を備えている。そして、前
記排気手段は、前記噴出手段に向かって開口する排気口
を規定し、前記噴出手段は、ガスの供給を受けることに
よって、前記排気口へ向かうとともに前記開口部を覆う
前記ガスの噴流を生成可能であり、前記排気手段は、前
記排気口を通じて吸引した前記ガスを外部へと排出可能
であり、前記処理槽の側壁が、下方から前記開口部へと
接近するにしたがって、内側へと滑らかに湾曲する湾曲
部を有している。前記乾燥装置は、さらに、前記噴出手
段に接続された配管と、当該配管を通じて前記噴出手段
へ接続され、当該噴出手段へ非反応性ガスを供給するた
めの非反応性ガス供給手段と、前記配管の少なくとも一
部に設けられ、前記配管を流れる前記非反応性ガスを冷
却するための冷却手段と、を備える。
【0021】第10の発明の装置では、第5ないし第8
のいずれかの発明の乾燥装置において、前記放散防止手
段が、前記開口部を挟んで互いに対向するように設けら
れる、噴出手段と排気手段と、を備えている。そして、
前記排気手段は、前記噴出手段に向かって開口する排気
口を規定し、前記噴出手段は、ガスの供給を受けること
によって、前記排気口へ向かうとともに前記開口部を覆
う前記ガスの噴流を生成可能であり、前記排気手段は、
前記排気口を通じて吸引した前記ガスを外部へと排出可
能であり、前記処理槽の側壁が、下方から前記開口部へ
と接近するにしたがって、内側へと滑らかに湾曲する湾
曲部を有している。前記乾燥装置は、出力が前記噴出手
段へと連結されており、切替え自在に複数の入力の一つ
を選択して出力へと連通させる切替バルブと、常温の非
反応性ガスを供給するための常温ガス供給手段と、冷却
された非反応性ガスを供給するための冷却ガス供給手段
と、前記切替バルブの切替え動作を制御する制御手段
と、をさらに備えている。そして、前記複数の入力の一
つに前記常温ガス供給手段が接続され、前記複数の入力
の他の一つに前記冷却ガス供給手段が接続され、前記制
御手段は、前記処理対象物が前記噴出手段によって生成
される前記噴流を横切って前記処理槽の内部へ投入され
るときに限って、前記噴流が冷却された前記非反応性ガ
スの噴流となるように、前記切替えバルブを制御する。
【0022】第11の発明の装置は、第5ないし第8の
いずれかの発明の乾燥装置において、前記処理槽の前記
開口部の上方の空気を冷却する冷却手段を、さらに備え
る。
【0023】第12の発明の装置では、第5ないし第8
のいずれかの発明の乾燥装置において、前記放散防止手
段が、前記開口部に近接した前記処理槽の部分に設けら
れ、前記開口部を通じて前記処理槽の中へと投入される
前記処理対象物を冷却可能な程度に、前記処理槽の前記
開口部付近の内側を冷却する冷却手段を、備える。
【0024】第13の発明の装置は、第5ないし第8の
いずれかの発明の乾燥装置において、前記処理槽に隣接
して設置された冷却水洗手段を、さらに備え、当該冷却
水洗手段は、前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を
向いて開口する開口部を上部に規定し、洗浄水を貯留可
能であり、しかも、貯留される当該洗浄水の中に前記処
理対象物を浸漬可能である水洗槽と、前記水洗槽に取り
付けられ、前記洗浄水を冷却するための冷却手段と、を
備える。
【0025】第14の発明の装置は、水溶性の溶媒液を
用いて処理対象物の表面を乾燥させるための乾燥装置に
おいて、前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向い
て開口する開口部を上部に規定し、底部において前記溶
媒液を貯留可能であるとともに、貯留された当該溶媒液
の上方において前記処理対象物を収容可能な処理槽を備
える。前記装置は、さらに、前記処理槽の前記底部に貯
留される前記溶媒液を加熱可能な加熱手段と、貯留され
る前記溶媒液が加熱されることによって当該溶媒液から
発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理槽の内部
から外部へと放散することを防止するための放散防止手
段と、前記溶媒液の供給を受けることによって、前記処
理槽の内部に前記溶媒液をミスト状に噴出するノズル
と、を備える。
【0026】第15の発明の装置は、水溶性の溶媒液を
用いて処理対象物の表面を乾燥させるための乾燥装置に
おいて、前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向い
て開口する開口部を上部に規定し、底部において前記溶
媒液を貯留可能であるとともに、貯留された当該溶媒液
の上方において前記処理対象物を収容可能な処理槽を備
える。前記装置は、さらに、前記処理槽の前記底部に貯
留される前記溶媒液を加熱可能な加熱手段と、貯留され
る前記溶媒液が加熱されることによって当該溶媒液から
発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理槽の内部
から外部へと放散することを防止するための放散防止手
段と、前記処理槽に隣接して設置された冷却水洗手段
と、前記加熱手段を制御する制御手段と、を備えてい
る。そして、当該冷却水洗手段は、前記処理対象物を出
し入れ可能で上方向を向いて開口する開口部を上部に規
定し、洗浄水を貯留可能であり、しかも、貯留される当
該洗浄水の中に前記処理対象物を浸漬可能である水洗槽
と、前記水洗槽に取り付けられ、当該水洗槽に前記処理
対象物が存在するか否かを検出し、検出信号を前記制御
手段へと送出するセンサと、を備えている。さらに、前
記制御手段は、前記検出信号に応答して、前記水洗槽か
ら移送され前記処理槽へと投入される前記処理対象物に
よって、前記処理槽に充満する前記蒸気が奪われる熱量
を、補償するように、前記加熱手段の出力を制御する。
【0027】第16の発明の装置は、第1ないし第8、
または、第11ないし第15のいずれかの発明の乾燥装
置において、前記放散防止手段が、前記開口部を挟んで
互いに対向するように設けられる、噴出手段と排気手段
と、を備えている。そして、前記排気手段は、前記噴出
手段に向かって開口する排気口を規定し、前記噴出手段
は、ガスの供給を受けることによって、前記排気口へ向
かうとともに前記開口部を覆う前記ガスの噴流を生成可
能であり、前記排気手段は、前記排気口を通じて吸引し
た前記ガスを外部へと排出可能であり、前記処理槽の側
壁が、下方から前記開口部へと接近するにしたがって、
内側へと滑らかに湾曲する湾曲部を有している。
【0028】第17の発明の方法は、水溶性の溶媒液を
用いて処理対象物の表面を乾燥させるための乾燥方法に
おいて、前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向い
て開口する開口部を上部に規定し、底部において前記溶
媒液を貯留可能であり、しかも、貯留される当該溶媒液
の中に前記処理対象物を浸漬可能であるとともに、貯留
される前記溶媒液の上方においても前記処理対象物を収
容可能な処理槽を準備する工程を備えている。前記方法
は、さらに、前記処理対象物を浸漬可能な量の前記溶媒
液を、前記処理槽の底部に貯留する工程と、貯留された
前記溶媒液を加熱して、当該溶媒液の前記蒸気を前記処
理槽の中に充満させる工程と、前記処理対象物を、前記
開口部を通じて外部から前記処理槽の中へと投入する投
入工程と、投入された前記処理対象物を、貯留される前
記溶媒液へと向かって、充満する前記蒸気の中を下降さ
せる下降工程とを備える。また、前記方法は、さらに、
前記処理対象物を、貯留される前記溶媒液の中に浸漬さ
せることにより、前記処理対象物の表面に付着する水分
を除去する工程と、前記処理対象物を、前記溶媒液の中
から引き上げ、充満する前記蒸気に晒すことにより、前
記処理対象物の表面に残留する前記溶媒液を除去する工
程と、前記処理対象物を、前記開口部を通じて前記処理
槽の中から外部へと取り出す工程と、を備える。
【0029】第18の発明の方法は、第17の発明の乾
燥方法において、前記下降工程に先だって、前記処理対
象物を冷却する工程を、さらに備える。
【0030】第19の発明の方法は、第17の発明の乾
燥方法において、前記投入工程に先立って、前記処理対
象物を、冷却された洗浄水に浸漬して水洗する工程を、
さらに備える。
【0031】第20の発明の方法は、第1ないし第4、
または、第14ないし第16のいずれかの発明の乾燥装
置を用いて前記処理対象物の表面を乾燥させる乾燥方法
において、前記乾燥装置を準備する工程と、前記処理槽
の中に前記溶媒液を供給することにより、前記処理槽の
中の一部に前記溶媒液を貯留する工程と、前記加熱手段
を駆動することにより、前記溶媒液を加熱する工程と、
前記開口部を通過させることにより、前記処理対象物を
前記処理槽の中へと挿入する工程と、を備える。前記方
法は、さらに、挿入された前記処理対象物を、前記溶媒
液の液面の上方に保持しつつ、加熱された前記溶媒液の
前記蒸気によって、前記処理対象物の表面を乾燥させる
乾燥処理工程と、当該乾燥処理工程の後に、前記開口部
を通過させることによって、前記処理対象物を前記処理
槽の外部へと取り出す工程と、を備える。
【0032】
【発明の実施の形態】
<1.序論>はじめに、従来装置151と並んで、以下の
各実施の形態の基礎技術の一つとなり得る乾燥装置10
0について説明する。なお、以下の各実施の形態では、
主として、乾燥装置100を基礎とした例を示すが、同
様に従来装置151を基礎として実施することも可能で
ある。
【0033】<1-1.装置100の構成>図2は、乾燥装
置100の構成を示す正面断面図である。この装置10
0は、従来装置151と同様に、半導体ウェハ3の乾燥
を目的とする装置として構成されている。図2に示すよ
うに、装置100には、処理槽11が備わっている。処
理槽11は、上部のみが開口した容器として構成されて
いる。すなわち、処理槽11の上部には、上方に向かっ
て開口する開口部22が規定されている。そして、処理
槽11の側壁は、その上端の付近において、下方から開
口部22へと接近するのにしたがって、内側へと滑らか
に湾曲している。
【0034】処理槽11の上部には、開口部22を挟ん
で互いに対向するように、一列のノズル(噴出手段)1
3およびダクト状の排気部材(排気手段)14が設置さ
れている。これらのノズル13の各々には、配管19の
一端が接続されている。この配管19の他端は、窒素ガ
ス供給装置18に接続されている。窒素ガス供給装置1
8は、例えば、工場設備の一つとして設置されている装
置である。排気部材14に規定される排気口は、ノズル
13に対向するように開口している。
【0035】処理槽11の上部には、さらに、開口部2
2を開閉自在に覆う蓋15が備わっている。蓋15の開
閉を自在とするために、例えば、図2に示すように、蓋
15に連結するアクチュエータ24が設置される。アク
チュエータ24は、図示しないコントローラからの信号
に応答して、蓋15を水平方向へ移動させることによ
り、蓋15を開閉する。
【0036】一方、処理槽11の底部の直下には、ヒー
タ(第1ヒータ)10が設置されている。さらに、処理
槽11の内部には、底部とその上方の開口部22との間
の位置に、受け皿6が固定されている。この受け皿6の
底部には、処理槽11の側壁を貫通し、外部へと導かれ
ているドレイン用の配管20の一端が接続されている。
【0037】<1-2.装置100の動作>この装置100
は、つぎの手順で使用される。まず、処理槽11の内部
には、水洗後の半導体ウェハ3の乾燥に適した溶媒、例
えば、IPA液(溶媒液)7が供給される。供給される
IPA液7の量は、液面が受け皿6の底部よりも下方に
位置するように調整される。そして、蓋15を閉じた状
態で、ヒータ10に通電が行われる。
【0038】その結果、ヒータ10が発生する熱が、処
理槽11の底部を通して、IPA液7へと伝えられる。
IPA液7が加熱される結果、IPA液7が気化するこ
とにより、IPA蒸気5が発生する。このIPA蒸気5
は、処理槽11の内部に充満する。すなわち、処理槽1
1は、IPA液7を貯留する液貯留部9と、その上部の
IPA蒸気5で満たされる蒸気充填部8とに分けられ
る。
【0039】水洗処理が終了した半導体ウェハ3の処理
槽11内への投入に先立って、窒素ガス供給装置18か
ら窒素ガスが、配管19を通じてノズル13へと供給さ
れる。すると、ノズル13から、窒素ガスが噴出する。
ノズル13が列状に配列しているために、噴出する窒素
ガス、すなわち窒素ガスの噴流21は、膜状となって開
口部22の全体を覆う。そして、噴流21は、ノズル1
3に対向して開口する排気部材14の排気口へと回収さ
れる。排気部材14は、排気口を通じて吸引した噴流2
1を、外部へと排出する。
【0040】噴流21が噴出している間に、蓋15が開
かれ、処理対象物としての半導体ウェハ3の処理槽11
内への投入が行われる。すなわち、多数の半導体ウェハ
3と、これらを積載したカセット4とが、水洗処理の完
了後に、保持アーム161(図22)と同様の保持アー
ムに吊り下げられつつ、開口部22の上方から、噴流2
1を横切り開口部22を通過して、蒸気充填部8へと挿
入される。半導体ウェハ3を積載するカセット4は、図
2に示すように、受け皿6の上に載置される。その後、
保持アームは外部へと引き上げられる。保持アームが外
部へ除去された後には、蓋15を閉塞し、噴流21を停
止することが可能である。
【0041】半導体ウェハ3およびカセット4が蒸気充
填部8の中に保持されるために、蒸気充填部8に充満す
るIPA蒸気5が、半導体ウェハ3およびカセット4の
表面に付着する水滴の中に、凝縮し解け込んでゆく。I
PAは、水に対する溶解度が高いので、水滴の中に多量
に溶解する。その結果、水滴は実質的にIPAの液滴へ
と置き換えられ、重量を増す。そして、IPAの液滴
は、その重量のために、半導体ウェハ3やカセット4の
表面から滑り落ちて行く。
【0042】このようにして、水滴で濡れた半導体ウェ
ハ3およびカセット4の乾燥が実現する。滑り落ちたI
PAの液滴は、受け皿6によって回収され、配管20を
通じて外部へと排出される。すなわち、水滴や微量の不
純物が混入したIPA液は、IPA液7へと混じり合う
ことなく、処理槽11の外へと排除される。このため、
液貯留部9に貯留されるIPA液7の純度は高いままに
保たれる。
【0043】半導体ウェハ3およびカセット4の乾燥処
理が完了すると、噴流21が再び生成され、蓋15が開
かれる。そうして、保持アームが処理槽11の中に再び
挿入され、半導体ウェハ3を積載したカセット4が、こ
の保持アームによって引き上げられることによって、噴
流21を横切り、開口部22を通過して、処理槽11の
外部へと取り出される。その後、取り出された半導体ウ
ェハ3およびカセット4は、つぎの処理工程へと搬送さ
れる。そして、処理槽11の蒸気充填部8には、新たな
半導体ウェハ3およびカセット4が投入される。このよ
うに、半導体ウェハ3およびカセット4の乾燥処理が、
反復的に実行される。
【0044】半導体ウェハ3およびカセット4の乾燥処
理が行われるときに、それらが受け皿6の上に載置され
る代わりに、保持アームによって、蒸気充填部8の中の
受け皿6の上方に保持されていてもよい。このときに
は、乾燥処理が行われる間においても、蓋15は開いた
ままであり、噴流21は停止されない。
【0045】<1-3.装置100の利点>処理対象物とし
ての半導体ウェハ3およびカセット4が、処理槽11へ
投入されるとき、および、処理槽11から外部へと取り
出されるとき、さらに場合によっては、乾燥処理が行わ
れているときにも、蓋15が開いており、同時に噴流2
1が生成されている。蓋15が開いているにもかかわら
ず、IPA蒸気5は、開口部22を覆う噴流21に阻ま
れて、開口部22を通過して処理槽11の外部へと飛散
し難くなっている。すなわち、IPA蒸気5は、ほとん
ど蒸気充填部8に留まる。すなわち、噴流21は、ガス
の通過を阻止する一種のカーテンの役割を果たす。
【0046】装置100では、噴流21がカーテンとし
ての機能を効果的に果たす上で、処理槽11の形状が大
きな役割を演じている。図2に示すように、IPA液7
から発生したIPA蒸気5は、処理槽11の側壁面に沿
って上昇する。ところが、既述したように、処理槽11
の側壁は、開口部22の付近において、開口部22へと
接近するのにしたがって、内側へと滑らかに湾曲してい
る。
【0047】このために、IPA蒸気5の流れは、処理
槽11の上部の付近では、側壁の湾曲部に沿って内側へ
と滑らかに湾曲する。そして、IPA蒸気5が蒸気充填
部8の上部で冷却される結果、IPA蒸気5の流れは、
下方へ向かう流れへとつながってゆく。すなわち、蒸気
充填部8の中で、IPA蒸気5の対流が、図2に示す流
れ23に沿って発生する。その結果、蒸気充填部8の中
に充満するIPA蒸気5の開口部22を通じての外部へ
の流出が、噴流21によって効果的に阻止される。
【0048】装置100では、噴流21が生成されるた
めに、従来装置151で必要とされた冷却コイル162
が必要でないので、冷却コイル162に供給される冷媒
の状態の変動にともなうIPA蒸気165の状態の不安
定性が解消される。すなわち、蒸気充填部8に充満する
IPA蒸気5の濃度や広がりなどが安定する。その結
果、半導体ウェハ3およびカセット4等の処理対象物の
乾燥が均一に、しかも、安定して行われ易くなる。すな
わち、従来装置151で問題とされた乾燥不良の問題が
緩和され、半導体ウェハ3に作り込まれる半導体デバイ
スの歩留まりが向上する。
【0049】さらに、開閉自在の蓋15が備わるため
に、装置100が稼働していないとき、稼働の準備が行
われているとき、あるいは、稼働中ではあっても半導体
ウェハ3やカセット4が処理槽11の中に投入されてい
ないときなどに、蓋15で開口部22を閉塞することが
できる。蓋15が閉塞されている期間では、ノズル13
へ窒素ガスを供給する必要がないので、窒素ガスの使用
量を節減することができる。すなわち、ノズル13およ
び排気部材14に加えて、蓋15も、IPA蒸気5が開
口部22を通じて外部へと放散することを防止する放散
防止手段として機能する。
【0050】大規模な量産工場では、窒素ガスの使用に
ともなうコストも軽視することはできない。したがっ
て、蓋15が備わることによる、コスト節減の効果も無
視できない。また、ノズル13が作動する期間が短縮さ
れるので、ノズル13の損耗が低減され、装置の寿命が
拡大するという利点も得られる。
【0051】なお、処理槽11に貯留される溶媒として
IPAが用いられる例を示したが、水洗後の処理対象物
の乾燥に適した溶媒であれば、他の物質が用いられても
よい。すなわち、沸点が水よりも低く、蒸発潜熱が水よ
りも小さく、しかも、水に対する溶解度の高い有機溶剤
が、一般に使用可能である。例えば、TFEA(トリフ
ルオロエチルエチルアルコール)、HFIPA(ヘキサ
フルオロイソプロピルアルコール)、PFPA(ペンタ
フルオロプロピルアルコール)などが、好適である。
【0052】また、配管19を通じてノズル13へ供給
されるガスとして、窒素ガスが使用される例を示した
が、一般に、化学的に安定なガス、すなわち、非反応性
のガスであれば、他の種類のガスであってもよい。例え
ば、アルゴンガスなどの不活性ガスを用いてもよい。も
っとも、窒素ガスは、非反応性のガスの中で、最も安価
で、しかも、入手し易いという利点がある。
【0053】さらに、ノズル13が一列に配列され、そ
のことによって、開口部22を膜状に覆う噴流21が生
成される例を示したが、一列のノズル13の代わりに、
膜状の噴流21を生成可能な単一のノズルが設置されて
もよい。
【0054】<2.実施の形態1>図1および図3は、そ
れぞれ、実施の形態1の乾燥装置の構成を示す斜視断面
図および正面断面図である。この装置101は、処理槽
11の側壁の内側表面、すなわち蒸気充填部の内壁面を
覆うように、IPA液の流れが生成される点において、
装置100とは特徴的に異なっている。装置101で
は、この特徴によって、IPA蒸気5の濃度の低下の問
題が緩和され、処理対象物における乾燥不良がさらに抑
えられるという利点が得られる。
【0055】装置101では、処理槽11は、その側壁
を構成しIPA蒸気5が充填される蒸気充填部31と、
底部にあってIPA液7を貯留するための液貯留部32
とを備えている。そして、IPA液を下方へと流出する
ノズル34が、蒸気充填部31の上部の位置に、しかも
内壁面に隣接するように設置されている。ノズル34
は、例えば一端が閉塞された円管状であり、水平に設置
されている。そして、その下部には、複数の流出孔35
の列が形成されている。ノズル34の他端は、配管39
を通じて、IPA液供給装置38へと接続されている。
【0056】蒸気充填部31の下部には、流出孔35か
ら流出したIPA液を回収可能なように、内壁面から断
面「L」字状に内側に突出した液受け部36が取り付け
られている。液受け部36は、ノズル34に対向するよ
うに、略水平に延在している。そして、液受け部36が
設置される蒸気充填部31の部位には、孔が形成されて
おり、この孔には配管37が接続されている。
【0057】装置100と同様に、液貯留部32の直下
には、IPA液7を加熱するためのヒータ10が備わっ
ている。また、蒸気充填部31の内部に受け皿6が設置
されており、処理槽11の上部にノズル13、排気部材
14、および蓋15が備わっている点なども、装置10
0と同様である。
【0058】この装置101では、ヒータ10が駆動さ
れることによってIPA液7が加熱されるときに、IP
A液供給装置38からノズル34へとIPA液が供給さ
れる。供給されたIPA液は、列状に並んだ複数の流出
孔35から、下方へ向かって流出する。このため、IP
A液の流れ29は、膜状となって、蒸気充填部31の内
壁面に沿って、ノズル34から液受け部36へと向かっ
て流れる。
【0059】すなわち、IPA液の流れ29は、蒸気充
填部31の内壁面の上部から下部へと、内壁面を覆うよ
うに流れる。その後、IPA液の流れ29は、液受け部
36によって回収される。そして、回収されたIPA液
は、配管37を通じて、処理槽11の外部へと排出され
る。
【0060】このように、蒸気充填部31の内壁面が、
IPA液の流れ29で覆われるので、蒸気充填部31の
内壁面へのIPA蒸気5の無用な凝縮が抑制される。こ
のため、IPA蒸気5が、半導体ウェハ3等の処理対象
物の表面への凝縮に有効に利用される。したがって、処
理対象物の乾燥不良がさらに抑制されるので、半導体ウ
ェハ3に作り込まれる半導体デバイスの歩留まりが一層
向上する。
【0061】図1および図3では、液受け部36によっ
て回収されたIPA液が、配管37を通じて、外部へと
排出される例を示したが、図4の正面断面図に例示する
ように、回収されたIPA液を循環的にノズル34へと
供給するように装置を構成してもよい。図4の装置10
2では、配管37と配管39の間に、IPA液を循環さ
せるためのポンプ41が介挿されている。そして、液受
け部36に回収されたIPA液が、ポンプ41の働きに
よって、配管37を通じて吸引され、さらに、配管39
を通じて、ノズル34へと送出される。
【0062】このように、装置102では、ノズル34
から液受け部36へ、さらに、液受け部36から再びノ
ズル34へと、IPA液が循環する。このため、流れ2
9を形成するためのIPA液の供給に要するコストが節
減されるという利点が得られる。
【0063】なお、循環にともなってIPA液が徐々に
消失するなどによって、循環するIPA液の量に不足が
生じたときに、この不足を補うために、ポンプ41ある
いは配管39など、循環経路の中のいずれかの部位に、
IPA液供給装置38を接続してもよい。
【0064】<3.実施の形態2>図5は、実施の形態2
の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置1
03は、蒸気充填部31の外壁面にヒータ40が設置さ
れている点において、装置102とは特徴的に異なって
いる。ヒータ40は、IPA液の流れ29を加熱可能な
ように、蒸気充填部31の内壁面の中で流れ29に覆わ
れる部分に対応する外壁面の部分を覆うように設置され
ている。
【0065】装置103では、ヒータ10によってIP
A液7が加熱されるとともに、ノズル34から液受け部
36へとIPA液の流れ29が生成されるときに、ヒー
タ40が駆動される。ヒータ40によって発生した熱
は、IPA液の流れ29へと伝えられる。流れ29が加
熱される結果、IPA蒸気5の流れ29の中への凝縮が
低減される。
【0066】例えば、流れ29を形成するIPA液の温
度が30℃であるときには、蒸気圧は60mmHgであり、
処理槽11の中の蒸気圧760mmHgに比べて低いため
に、IPA液の中への凝縮が発生する。これに対して、
例えば、IPA液の温度を70℃へと昇温すると、蒸気
圧は、処理槽11の中の蒸気圧と、同程度の高さとな
る。このときには、IPA液へのIPA蒸気5の凝縮
は、ほとんど発生しなくなる。
【0067】以上のように、装置103では、蒸気充填
部31の内壁面を覆うIPA液の流れ29が加熱される
ので、流れ29へのPA蒸気5の無用な凝縮が抑制され
る。このため、IPA蒸気5が、半導体ウェハ3等の処
理対象物の表面への凝縮に、さらに有効に利用される。
したがって、処理対象物の乾燥不良がさらに抑制される
ので、半導体ウェハ3に作り込まれる半導体デバイスの
歩留まりが一層向上する。
【0068】なお、液受け部36で回収されたIPA液
が、ノズル34へと循環的に使用される代わりに、装置
101と同様に、IPA液供給装置38からノズル34
へとIPA液が供給されてもよい。ただし、装置103
のように、IPA液がノズル34へと循環的に供給され
る形態では、ヒータ40の負荷を軽くすることができる
という利点がある。
【0069】<4.実施の形態3>図6は、実施の形態3
の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置1
04は、ノズル34から流出したIPA液の流れ29を
加熱する代わりに、配管39を通過するIPA液を、あ
らかじめ加熱した後に、ノズル34へと供給するように
構成されている点において、装置103とは特徴的に異
なっている。
【0070】すなわち、装置104では、配管39の一
部に、ヒータ42が取り付けられており、このヒータ4
2によって配管39を通過するIPA液が加熱される。
このため、IPA液がノズル34から、流れ29として
流出したときには、IPA液は、すでに適切な温度に昇
温されている。したがって、流れ29へのIPA蒸気5
の凝縮が、さらに効果的に抑制される。その結果、IP
A蒸気5が、半導体ウェハ3等の処理対象物の表面への
凝縮に、さらに有効に利用されるので、処理対象物の乾
燥不良が一層抑制される。
【0071】ヒータ42は、配管39の代わりに、配管
37あるいはポンプ41に取り付けられていてもよい。
すなわち、一般に、液受け部36からノズル34へと至
るIPA液の循環経路の少なくとも一部に、この循環経
路を通過するIPA液を加熱するためのヒータが取り付
けられておれば、同様の効果が得られる。
【0072】ノズル34へ供給されるIPA液があらか
じめ加熱されることによって得られる上記した効果は、
IPA液が、液受け部36からノズル34へと循環せず
に、IPA液供給装置38によって、ノズル34へと供
給されるときに、特に顕著に現れる。また、IPA液供
給装置38によって、IPA液がノズル34へと供給さ
れるときには、配管39を加熱する代わりに、IPA液
供給装置38自体を加熱しても、同様の効果が得られ
る。
【0073】図7の正面断面図に、そのように構成され
た装置を例示する。図7の装置105では、IPA液供
給装置38にヒータ42が取り付けられており、IPA
液供給装置38が供給するIPA液が、ヒータ42によ
って、あらかじめ加熱される。また、ヒータ42に加え
て、装置103のヒータ40をも設置することによっ
て、流れ29の温度を目標温度へとさらに容易に保持す
ることが可能となる。すなわち、流れ29の昇温に由来
する上記した効果を、各ヒータの総合的な負荷を軽減し
つつ、さらに顕著に引き出すことができる。
【0074】<5.実施の形態4>図8は、実施の形態4
の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置1
06は、処理対象物としての半導体ウェハ3およびカセ
ット4が、IPA液7の中に浸漬可能なように構成され
ている点において、装置101〜105とは、特徴的に
異なっている。すなわち、装置106では、処理槽11
の下部を構成する液貯留部46は、IPA液7を貯留可
能であり、しかも、貯留するIPA液7の中に、半導体
ウェハ3およびカセット4を浸漬可能な容量および深さ
を有している。また、処理槽11の上部を構成する蒸気
充填部45も、半導体ウェハ3およびカセット4を浸漬
可能な容量および深さを有している。
【0075】装置100と同様に、液貯留部46の直下
には、IPA液7を加熱するためのヒータ10が備わっ
ている。また、処理槽11の上部にノズル13、排気部
材14、および蓋15が備わっている点なども、装置1
00と同様である。液貯留部46の底部には、カセット
4を載置可能な載置台47が備わっている。
【0076】装置106は、つぎの手順で使用される。
まず、処理槽11の内部には、IPA液7が供給され
る。供給されるIPA液7の深さは、載置台47に載置
されたカセット4に積載された半導体ウェハ3の頭部よ
りも、液面が上方に位置するように調整される。処理槽
11の中で、IPA液7をこの深さに貯留する部分が、
上記した液貯留部46に相当する。
【0077】その後、蓋15を閉じた状態で、ヒータ1
0に通電が行われる。ヒータ10の熱によってIPA液
7が加熱される結果、IPA液7が気化することによ
り、IPA蒸気5が発生する。このIPA蒸気5は、I
PA液7の上方の空間、すなわち、蒸気充填部45の内
部に充満する。水洗処理が終了した半導体ウェハ3(お
よびカセット4)の処理槽11内への投入に先立って、
窒素ガスが配管19を通じてノズル13へと供給される
ことにより、噴流21が形成される。
【0078】噴流21が噴出している間に、図9に示す
ように、蓋15が開かれ、処理対象物としての半導体ウ
ェハ3の処理槽11内への投入が行われる。すなわち、
多数の半導体ウェハ3と、これらを積載したカセット4
とが、水洗処理の完了後に、保持アーム48に吊り下げ
られつつ、開口部22の上方から、噴流21を横切り開
口部22を通過して、処理槽11の中へと挿入される。
【0079】挿入された半導体ウェハ3およびカセット
4は、蒸気充填部45を速やかに通過して、液貯留部4
6の中の載置台47の上に載置される。すなわち、水洗
によって水滴が付着したままの処理対象物が、IPA液
7の中に直接に投入される。処理対象物が載置台47の
上に載置されると、保持アーム48は、外部へと一旦引
き上げられる。保持アームが外部へ除去された後には、
蓋15を閉塞し、噴流21を停止することが可能とな
る。
【0080】水に対するIPAの溶解度は、実質的に無
限大であるため、処理対象物の表面に付着する水滴は、
IPA液7に直接に接触することによって、IPA液7
の中に混ざり合う。このため、処理対象物の表面に付着
した水は、全てIPA液7に取り込まれる。その結果、
処理対象物の表面は、取り込まれた水滴の分だけ希釈さ
れたIPA液7に接触することとなる。
【0081】例えば、直径が200mmの半導体ウェハ3
が、25枚一度に処理される場合には、IPA液7は液
貯留部46に30リットル程度準備される。半導体ウェ
ハ3の一枚当たりに、2cm3の水滴が付着しているとす
ると、一回の浸漬では50cm3の水がIPA液7の中に
持ち込まれることとなり、その結果、IPA液7は、
0.17%だけ希釈される。IPA液が水との共沸点を
持つ91%へと、IPA液7の濃度が低下するまで、I
PA液7を用いるとすると、1回のIPA液7の供給に
よって、50回以上の乾燥処理が実行可能となる。この
数値は、充分に実用に耐える数値である。
【0082】処理対象物の表面の水滴が、IPA液7に
よって除去されると、図10に示すように、再び噴流2
1が生成され、蓋15が開放される。その後、保持アー
ム48が挿入され、処理対象物が保持アーム48によっ
てIPA液7の上方へと引き上げられ、蒸気充填部45
に充満するIPA蒸気5に晒される。IPA液の表面張
力は22dyne/cmであり、水の表面張力である73dyne/
cmと比較して小さいため、処理対象物の表面にIPAの
液滴が付着することなく、IPA液7からの引き上げが
可能である。したがって、この時点において、すでに処
理対象物の表面には、水分がほとんど残留しない。
【0083】さらに、処理対象物をIPA蒸気5に晒す
ことによって、処理対象物の表面に微量だけ残存するI
PAの薄い液膜も除去され、処理対象物の乾燥が完了す
る。IPA液7から引き上げられた時点で、処理対象物
の表面には水分がほとんど残留していないので、気液固
相の3相界面が表面に形成されない。したがって、乾燥
後に、表面にウォーターマークが発生することはなく、
清浄な乾燥が実現する。
【0084】その後、処理対象物としての半導体ウェハ
3およびカセット4が、保持アーム48に保持されつ
つ、さらに引き上げられることによって、噴流21を横
切り、開口部22を通過して、処理槽11の外部へと取
り出される。その後、取り出された半導体ウェハ3およ
びカセット4は、つぎの処理工程へと搬送される。そし
て、処理槽11には、新たな半導体ウェハ3およびカセ
ット4が投入される。このように、半導体ウェハ3およ
びカセット4の乾燥処理が、反復的に実行される。
【0085】半導体ウェハ3およびカセット4の乾燥処
理が行われるときに、それらが載置台47の上に載置さ
れる代わりに、保持アーム48によって、IPA液7の
中に保持されていてもよい。このときには、半導体ウェ
ハ3およびカセット4がIPA液7に浸漬されていると
きにも、蓋15は開いたままであり、噴流21は停止さ
れない。
【0086】以上のように、装置106では、処理対象
物をIPA液7の中に浸漬することによって、乾燥処理
が行われる。このため、処理対象物をIPA蒸気5に晒
すのみで乾燥を実行する装置100〜105に比べて、
投入される半導体ウェハ3の数量の変動、IPA蒸気5
の流れの変動などに由来するIPA蒸気5の凝縮量の不
足によって、乾燥不良が引き起こされることがなく、安
定した乾燥処理が実現する。
【0087】<6.実施の形態5>図11は、実施の形態
5の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置
107は、IPA液7を再処理しつつ液貯留部46へと
循環的に供給する装置部分が備わる点において、装置1
06とは、特徴的に異なっている。すなわち、装置10
7では、液貯留部46の底部に、配管52,55を通じ
て、水/IPA分離ユニット53が接続されている。そ
して、配管52には、ポンプ51が介挿されている。
【0088】ポンプ51は、配管52を通じて、液貯留
部46に貯留されるIPA液7を吸引し、さらに配管5
2を通じて水/IPA分離ユニット53へと送出する。
水/IPA分離ユニット53は、例えばオレフィンなど
の水/IPA分離膜を中空糸状に成型した部材を備えて
おり、配管52を通じて回収されたIPA液7を、その
中に含まれるIPA液と水分へと分離する。廃液に相当
する水分は、配管54を通じて、装置の外部へと排出さ
れる。一方、回収されたIPA液7から抽出されたIP
A液、すなわち、再処理が施されたIPA液は、配管5
5を通じて、液貯留部46へと戻される。
【0089】このように、装置107では、処理対象物
の乾燥処理にともなって水分の混入を受けるIPA液7
が、循環的に再処理されるので、IPA液7における水
分の濃度の上昇が抑えられる。このため、IPA液7を
新たに供給することなく、長期間にわたって処理対象物
を反復的に処理することが可能となる。その結果、IP
A液7を交換するための装置のダウンタイムが短縮さ
れ、乾燥処理の能率が向上する。
【0090】<7.実施の形態6>図12は、実施の形態
6の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置
108も、装置107と同様に、IPA液7を再処理し
つつ液貯留部46へと循環的に供給する装置部分を備え
ている。ただし、水/IPA分離ユニット53の代わり
に、IPA蒸留ユニット57が用いられている。すなわ
ち、液貯留部46の底部に、配管52を通じて、IPA
蒸留ユニット57が接続されている。IPA蒸留ユニッ
ト57は、さらに、配管55を通じて、例えば蒸気充填
部45(液貯留部46でもよい)へと接続されている。
配管55には、ポンプ51が介挿されている。
【0091】液貯留部46に貯留される水分を含んだI
PA液7は、例えば重力の作用により、配管52を通じ
て、IPA蒸留ユニット57に備わる蒸留槽58へと供
給される。蒸留槽58に貯留されるIPA液61は、蒸
留槽58の直下に設置されたヒータ60によって加熱さ
れる。その結果、水分を含んだIPA液61の中のIP
Aが選択的に蒸発することによって、蒸留槽58の中の
IPA液61の上方の空間には、IPA蒸気62が充満
する。
【0092】IPA蒸気62は、蒸留槽58の内部に設
置される集液部59の表面に凝縮する。凝縮したIPA
液63は、水分を含まないIPA液である。このIPA
液63は、集液部59によって集められ、さらに、ポン
プ51へと送られる。ポンプ51は、集められたIPA
液63、すなわち、再処理されたIPA液を、配管55
を通じて、液貯留部46の中へと戻す。一方、IPAが
蒸発するのにともなって、IPA液61の水分の濃度は
次第に高くなる。水分を高濃度に含むに至ったIPA液
61は、配管64を通じて、装置の外部へと適宜排出さ
れる。
【0093】このように、装置108においても、処理
対象物の乾燥処理にともなって水分の混入を受けるIP
A液7が、循環的に再処理されるので、IPA液7にお
ける水分の濃度の上昇が抑えられる。このため、IPA
液7を新たに供給することなく、長期間にわたって処理
対象物を反復的に処理することが可能となるので、装置
のダウンタイムが短縮され、乾燥処理の能率が向上す
る。
【0094】<8.実施の形態7>図13は、実施の形態
7の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置
109も、装置107,108と同様に、IPA液7を
再処理しつつ液貯留部46へと循環的に供給する装置部
分を備えている。ただし、水/IPA分離ユニット53
とPA蒸留ユニット57の双方が併用されている点が特
徴的である。すなわち、IPA液7を循環的に再処理す
る経路に、水/IPA分離ユニット53とPA蒸留ユニ
ット57とが、互いに直列に介挿されている。
【0095】ポンプ51は、配管52を通じて、液貯留
部46に貯留されるIPA液7を吸引し、さらに配管5
2を通じて水/IPA分離ユニット53へと送出する。
水/IPA分離ユニット53は、配管52を通じて回収
されたIPA液7を、その中に含まれるIPA液と水分
へと分離する。廃液に相当する水分は、配管54を通じ
て、装置の外部へと排出される。
【0096】一方、回収されたIPA液7から抽出され
たIPA液は、配管65を通じて、IPA蒸留ユニット
57へと供給される。IPA蒸留ユニット57による蒸
留を通じて得られる水分を含まないIPA液、すなわち
再処理されたIPA液は、ポンプ51へと送られる。ポ
ンプ51は、再処理されたIPA液を、配管55を通じ
て、液貯留部46の中へと戻す。
【0097】以上のように、処理対象物の乾燥処理にと
もなって水分の混入を受けるIPA液7が、水/IPA
分離ユニット53とIPA蒸留ユニット57の双方を通
じて、循環的に再処理されるので、IPA液7における
水分の濃度の上昇が、さらに効果的に抑えられる。この
ため、水分の濃度が低く純度の高いIPA液7を用いた
乾燥処理が、連続的に行われ得る。したがって、乾燥処
理を、良好な品質で、しかも、能率よく行い得る。
【0098】なお、循環経路に介挿される水/IPA分
離ユニット53とIPA蒸留ユニット57の順序は、図
13とは逆であってもよい。
【0099】<9.実施の形態8>図14は、実施の形態
8の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装置
110では、配管19を流れる窒素ガスを冷却するため
の冷却器71が、配管19の一部に備わる点において、
装置106(図8)とは特徴的に異なっている。冷却器
71には、例えば、電子冷熱素子、水冷機構、あるい
は、空冷機構等が用いられる。また、冷却器71には、
信号線を通じてコントローラ72が接続されている。
【0100】図15に示すように、半導体ウェハ3を積
載するカセット4が、水洗終了後に、保持アーム1に吊
り下げられつつ、処理槽11の上方から噴流21を横切
りつつ開口部22へと挿入されるときに、噴流21とし
て噴出する窒素ガスは、冷却器71の働きによって、常
温よりも低い温度へと冷却されている。すなわち、半導
体ウェハ3およびカセット4は、開口部22へと挿入さ
れるときに、冷却された窒素ガスの噴流21に晒され
る。
【0101】その結果、水滴で表面が濡れたままの半導
体ウェハ3およびカセット4が、通常の水洗に用いられ
る水温25℃より低い温度、例えば4〜23℃にまで、
均一に冷却される。その後、半導体ウェハ3およびカセ
ット4は、図16に示すように、開口部22を通過し、
さらに、蒸気充填部45の中を緩やかに通過して、IP
A液7の中へと投入される。
【0102】半導体ウェハ3およびカセット4が蒸気充
填部45を通過するときには、それらは、蒸気充填部4
5に充満するIPA蒸気5に晒される。このとき、冷却
された半導体ウェハ3およびカセット4の表面には、I
PA蒸気5が多量かつ均一に凝縮する。そして、それら
の表面に付着した水滴が、効率よく大きなIPAの液滴
となって、表面を離れて落下してゆく。
【0103】すなわち、IPA液7への投入の前に、表
面に付着する水滴の多くが、あらかじめ除去される。し
かも、半導体ウェハ3およびカセット4は、それらの表
面温度がIPA蒸気5の温度へと漸近しつつ、IPA液
7へと投入される。このため、乾燥むらのない、良好な
乾燥処理が実現する。
【0104】IPA液7への浸漬を可能にするために、
液貯留部46には大量のIPA液7が貯留されるので、
ヒータ10によるIPA液7の昇温には、安全性を確保
する上で限度がある。装置110では、処理対象物がI
PA液7への投入に先立って冷却されるので、IPA液
7の温度をさほどに高くしなくても、処理対象物とIP
A蒸気5との間の温度差が、十分に確保される。その結
果、安全性を確保しつつ、乾燥むらのない、良好な乾燥
処理を実現することができる。
【0105】処理対象物の表面の水滴が、IPA液7に
よって除去されると、図16に示したように、処理対象
物が保持アーム48によってIPA液7の上方へと引き
上げられ、蒸気充填部45に充満するIPA蒸気5に晒
される。それによって、処理対象物の表面に微量だけ残
存するIPAの薄い液膜が除去され、処理対象物の乾燥
が完了する。
【0106】コントローラ72は、半導体ウェハ3およ
びカセット4が投入されるときに、噴流21として十分
に冷却された窒素ガスを噴出可能なように、冷却器71
をオン・オフする時期を調節する。例えば、新たな半導
体ウェハ3およびカセット4が投入されるよりも、幾分
早めに冷却器71がオンされ、噴流21を形成する窒素
ガスがあらかじめ十分に冷却される。コントローラ72
は、例えば、保持アーム48の動きを制御する図示しな
い制御装置からの信号を受信することによって、カセッ
ト4の動きに応じた冷却器71の制御を遂行することが
可能となる。
【0107】半導体ウェハ3およびカセット4が開口部
22を通過して処理槽11の中に挿入された後には、例
えば、冷却器71はオフ状態に戻される。このようにし
て、乾燥不良を抑制すると同時に、不必要な冷却を節減
することが可能である。なお、不必要な冷却が特に問題
とされないときには、コントローラ72を設置すること
なく、装置110が稼働する期間には、冷却器71が常
時オンするように、装置110を構成してもよい。
【0108】装置110は、配管19を流れる窒素ガス
を冷却するように構成されたが、あらかじめ冷却された
窒素ガスを、配管19へと供給するように構成されて
も、同様の効果が得られる。図17は、そのように構成
された乾燥装置の構成を示す正面断面図である。
【0109】この装置111では、配管19には切替バ
ルブ73の出力が接続されている。そして、切替バルブ
73の二入力の中の一方入力には、常温の窒素ガスを供
給する窒素ガス供給装置18が配管74を通じて接続さ
れ、他方入力には、冷却された窒素ガスを供給する冷却
窒素ガス供給装置75が、配管76を通じて接続されて
いる。切替バルブ73には、さらに、信号線を通じてコ
ントローラ72が接続されている。
【0110】噴流21として常温の窒素ガスを噴出すべ
きときには、切替バルブ73は、常温の窒素ガスを搬送
する配管74を選択して配管19へと連通させ、常温の
窒素ガスをノズル13へと供給する。一方、噴流21と
して、冷却された窒素ガスを噴出すべきとき、すなわ
ち、処理対象物が噴流21を横切って処理槽11の中へ
と投入されるときには、切替バルブ73は、冷却された
窒素ガスを搬送する配管76を選択して配管19へと連
通させ、冷却された窒素ガスをノズル13へと供給す
る。このような切替バルブ73における切り替え動作
は、コントローラ72によって制御される。
【0111】以上のように、装置111においても、必
要に応じて、常温の窒素ガスと冷却された窒素ガスとの
いずれかが選択的に、噴流21として噴出するように構
成されているので、装置110と同様に、乾燥不良が抑
制されるとともに、冷却された窒素ガスの使用量が節減
されるという効果が得られる。
【0112】ノズル13によって、冷却された窒素ガス
の噴流21が生成される代わりに、処理対象物としての
半導体ウェハ3およびカセット4が、噴流21を横断す
る前に、あらかじめ冷却されるように、装置が構成され
てもよい。図18に、そのように構成された装置を例示
する。装置では、装置106(図8)の上方に、大気を
冷却するための冷却器80が設置されている。冷却器8
0はコントローラ81の指示にもとづいて、下方へと向
かう冷却された空気の流れ82を生成する。
【0113】半導体ウェハ3およびカセット4は、保持
アーム48に保持されつつ、処理槽83に貯留される薬
液84に浸漬されて、薬液84による洗浄処理が施され
た後に、処理槽85に貯留される洗浄水86に浸漬され
ることにより、水洗処理が施される。その後、もう一つ
の処理槽87に貯留される洗浄水88に浸漬されて、さ
らに水洗処理が加えられる。
【0114】洗浄水88による水洗処理が完了すると、
コントローラ81の指示にもとづいて、冷却器80が動
作を開始し、冷却器80から直下に位置する処理槽11
へ向けて、冷却された空気の流れ82を生成する。流れ
82が生成されている間に、半導体ウェハ3およびカセ
ット4は、洗浄水88から引き上げられ、処理槽11の
上方へ移送され、さらに、処理槽11の内部へと挿入さ
れる。
【0115】この過程の中で、水洗完了後の半導体ウェ
ハ3およびカセット4は、冷却された空気の流れ82の
中を通過することとなる。その結果、乾燥処理の対象と
しての半導体ウェハ3およびカセット4が、処理槽11
の中へ挿入されるのに先立って、冷却されることとな
る。したがって、装置110,111と同様に、安全性
を確保しつつ、乾燥むらのない、良好な乾燥処理を実現
することができる。
【0116】<10.実施の形態9>図19は、実施の形
態9の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。この装
置112の処理槽90の下部を構成する液貯留部9は、
IPA液7を貯留可能であり、しかも、貯留するIPA
液7の中に、半導体ウェハ3およびカセット4を浸漬可
能な容量および深さを有している。液貯留部9の底部に
は、カセット4を載置可能な載置台47が取り付けられ
ている。また、液貯留部9の直下には、IPA液7を加
熱するためのヒータ10が設置されている。
【0117】また、蒸気充填部8の上方には、冷却部9
1が備わっている。冷却部91の上方は、処理対象物を
出し入れ可能なように開放されており、開口部22は、
好ましくは、蓋15によって開閉自在に覆われている。
冷却部91の内側には、内壁面に沿うように冷却コイル
92が取り付けられている。また、冷却部91の外側に
は、外壁面に沿うように、例えば電子冷熱素子を有する
冷却器93が取り付けられている。
【0118】装置112では、従来装置151と同様
に、冷却コイル92に冷却水などの冷媒を供給すること
によって、IPA蒸気5の外部への放散が防止される。
また、冷却コイル92とともに冷却器93が設けられる
ことによって、冷却能力が高められている。すなわち、
装置112では、冷却コイル92、冷却器93、およ
び、蓋15が、放散防止手段を構成している。
【0119】装置112では、冷却コイル92および冷
却器93は、共同して高い冷却能力を発揮するので、単
にIPA蒸気5の放散を防止するだけでなく、洗浄処理
が完了した半導体ウェハ3などの処理対象物を予冷する
働きをもなす。すなわち、図20に示すように、洗浄処
理が完了した半導体ウェハ3およびカセット4が、開口
部22を通じて、上方から処理槽11の中へと挿入され
るときに、冷却コイル92および冷却器93で囲まれた
領域、すなわち、冷却部91の内部を通過する。
【0120】この領域に存在する空気などの気体は、冷
却コイル92および冷却器93によって冷却されてい
る。このため、処理対象物としての半導体ウェハ3およ
びカセット4が、この領域を通過する際に冷却される。
処理対象物は、この領域を緩やかに通過した後に、さら
に蒸気充填部45の中を緩やかに通過して、IPA液7
の中へと投入される。
【0121】このように、装置112においても、処理
対象物は、蒸気充填部8に充満するIPA蒸気5に晒さ
れるのに先だって、冷却されることとなる。したがっ
て、装置110,111と同様に、安全性を確保しつ
つ、乾燥むらのない、良好な乾燥処理を実現することが
できる。
【0122】なお、図19および図20には、冷却部9
1の内部の気体を冷却するために、冷却コイル92と冷
却器93の双方が設置された例を示したが、十分な冷却
能力が得られるのであれば、それらの中の一方のみが備
わっていてもよい。
【0123】<11.実施の形態10>図21は、実施の
形態10の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。こ
の装置114には、装置106(図8)と、それに隣接
する冷却水洗装置113とが備わっている。冷却水洗装
置113は、半導体ウェハ3などの処理対象物に対し
て、装置106で乾燥処理を実行する直前に、洗浄水を
用いて水洗処理を行うとともに冷却を行うための装置と
して構成されている。
【0124】すなわち、装置113には、床等に設置さ
れる基台94、その上に据え付けられる処理槽87、処
理槽87の側壁の外側表面に取り付けられた冷却器9
3、処理槽87の底部に設けられた載置台47、およ
び、処理槽87の上方に開口した開口部を開閉自在に覆
う蓋95が備わっている。
【0125】処理槽87の中には、洗浄水88が貯留さ
れる。冷却器93は、この洗浄水88を、例えば4℃か
ら23℃の範囲内で設定された温度に冷却する。カセッ
ト4に積載された半導体ウェハ3は、装置106による
乾燥処理の直前、すなわち、洗浄処理の最終工程で、処
理槽87に貯留される洗浄水88へと浸漬される。それ
によって、処理対象物としての半導体ウェハ3およびカ
セット4は、水洗処理されると同時に、洗浄水88の温
度にまで冷却される。
【0126】その後、半導体ウェハ3を積載したカセッ
ト4は、保持アーム48に保持されつつ、経路96に沿
って、洗浄水88から引き上げられ、置106に備わる
処理槽11の上方へと水平移動し、さらに、開口部22
を通過して処理槽11の内部へと投入される。処理対象
物としての半導体ウェハ3およびカセット4は、IPA
蒸気5が充満する蒸気充填部45の中を緩やかに通過し
た後に、液貯留部46に貯留されるIPA液7の中へと
投入される。
【0127】このように、装置114においても、処理
対象物は、蒸気充填部45に充満するIPA蒸気5に晒
されるのに先だって、冷却されることとなる。したがっ
て、装置110〜112と同様に、安全性を確保しつ
つ、乾燥むらのない、良好な乾燥処理を実現することが
できる。
【0128】<12.実施の形態11>図22は、実施の
形態11の乾燥装置の構成を示す正面断面図である。こ
の装置115は、蒸気充填部45の上部に、IPA液の
ミストを噴霧するためのミスト噴霧ノズル97が備わる
点において、装置106(図8)とは特徴的に異なって
いる。ミスト噴霧ノズル97は、例えば蒸気充填部45
の内壁面に隣接するように設置される。
【0129】ミスト噴霧ノズル97は、例えばノズル3
4(図1)と同様の一端が閉塞された円管状であり、水
平に設置されている。そして、その側壁には、開口部2
2から蒸気充填部45へと通過する処理対象物、蒸気充
填部45に収納される処理対象物、あるいはそれらの双
方へ向かうように、IPA液をミスト状に噴出可能な微
細な孔(図示を略する)が複数個形成されている。ミス
ト噴霧ノズル97の他端は、図示しない配管を通じて、
例えばIPA液供給装置38(図3)へと接続されてお
り、IPA液供給装置38からIPA液の供給を受ける
ことによって、IPA液のミスト98を噴出する。
【0130】図23に示すように、開口部22を通じ
て、上方からカセット4に積載された半導体ウェハ3な
どの処理対象物が、処理槽11の中へと挿入されるとき
に、開口部22から蒸気充填部45へと向かう際、蒸気
充填部45を通過して液貯留部46に貯留されるIPA
液7へと向かう際、あるいはそれらの双方において、ミ
スト噴霧ノズル97から噴出するミスト98を浴びる。
すなわち、処理対象物は、蒸気充填部45に充満するI
PA蒸気5に晒される前、あるいは、晒されると同時に
(または、それら双方において)、ミスト98を浴びる
こととなる。
【0131】処理対象物がミスト98を浴びることによ
って、その表面は急速度でIPA液に濡れることとな
る。このため、表面に付着した水滴が、効率よく大きな
IPAの液滴となって、表面を離れて落下してゆく。す
なわち、IPA液7への投入の前に、表面に付着する水
滴の多くが、あらかじめ除去される。このため、乾燥む
らのない、良好な乾燥処理が実現する。
【0132】ミスト98を処理対象物へ浴びせることに
よる利点は、処理対象物をIPA液7の中へ投入せず
に、IPA蒸気5に晒すことによってのみ乾燥処理を遂
行するときにも、同様に得られる。図24は、そのよう
に構成された装置を例示する正面断面図である。この装
置116の処理槽99の下部を構成する液貯留部9は、
IPA液7を貯留可能である。液貯留部9の底部には、
カセット4を載置可能な受け皿6が取り付けられてい
る。また、液貯留部9の直下には、IPA液7を加熱す
るためのヒータ10が設置されている。
【0133】また、蒸気充填部8の上方には、冷却部9
1が備わっている。冷却部91の上方は、処理対象物を
出し入れ可能なように開放されており、開口部は、好ま
しくは、蓋15によって開閉自在に覆われている。冷却
部91の内側には、内壁面に沿うように冷却コイル92
が取り付けられている。装置116では、従来装置15
1と同様に、冷却コイル92に冷却水などの冷媒を供給
することによって、IPA蒸気5の外部への放散が防止
される。すなわち、装置116では、冷却コイル92、
および、蓋15が、放散防止手段を構成している。
【0134】蒸気充填部8の上部において、その内壁面
に隣接するように、ミスト噴霧ノズル97が水平に設置
されている。ミスト噴霧ノズル97は、例えば、IPA
液供給装置38からIPA液の供給を受けることによっ
て、IPA液のミスト98を、開口部22から蒸気充填
部8へと通過する処理対象物、蒸気充填部8に収納され
る処理対象物、あるいはそれらの双方へ向かうように、
噴出する。
【0135】このため、開口部を通じて、上方からカセ
ット4に積載された半導体ウェハ3などの処理対象物
が、処理槽99の中へと挿入されるときに、開口部から
蒸気充填部8へと向かう際、蒸気充填部8に保持され
る、あるいはそれらの双方において、ミスト噴霧ノズル
97から噴出するミスト98を浴びる。すなわち、処理
対象物は、蒸気充填部45に充満するIPA蒸気5に晒
される前、あるいは、晒されると同時に(または、それ
ら双方において)、ミスト98を浴びることとなる。
【0136】その結果、処理対象物の表面は、急速度で
IPA液に濡れる。すなわち、処理対象物の表面へIP
A蒸気5が凝縮するよりも速く、ミスト98によって、
大量のIPA液が表面へと供給される。このため、乾燥
むらのない、良好な乾燥処理が実現する。しかも、乾燥
処理に要する時間を短縮して、作業効率を高めることも
可能となる。さらに、ヒータ10によるIPA液7の昇
温を、比較的低く抑えて、安全性を高めることも可能で
ある。
【0137】<13.実施の形態12>図25は、実施の
形態12の乾燥装置の構成を示す図である。この装置1
17には、装置101(図1)の他に、それに隣接する
水洗用の処理槽87(図18)、および、コントローラ
120が備わっている。さらに、処理槽87には、半導
体ウェハ3などの処理対象物の有無を検知するセンサ1
30が取り付けられており、コントローラ120はセン
サ130からの検知信号を受信し、この検知信号にもと
づいて、ヒータ10の出力を制御する。
【0138】センサ130は、例えば、赤外線等のビー
ム123を出力する発振機121と、ビーム123を受
信する受信機122とを備えている。半導体ウェハ3等
の処理対象物が、処理槽87に貯留される洗浄水88の
中に投入されると、ビーム123が遮蔽されるので、受
信機122は、処理対象物の有無を検知することが可能
となる。
【0139】コントローラ120は、例えば、センサ1
30が処理対象物の投入を検知したときに、ヒータ10
の出力を高め、その後、例えば一定時間にわたって、高
い出力を維持する。このため、処理対象物が、洗浄水8
8から引き上げられ、処理槽11の中へと投入されたと
きに、処理槽11の中に充満するIPA蒸気の熱が処理
対象物へと奪われることにともなうIPA蒸気の温度お
よび濃度の一時的な低下が抑制される。すなわち、IP
A蒸気が処理対象物によって奪われる熱量を補償するよ
うに、コントローラ120によるヒータ10の出力の制
御が行われる。
【0140】IPA蒸気の温度および濃度が一時的に低
下すると、投入直後に開始される処理対象物へのIPA
蒸気の凝縮が、その後、一旦休止ないし弱まり、処理対
象物が不十分に乾燥した状態となる。その後、IPA蒸
気の濃度および温度の回復にともなって、再び凝縮が開
始される。このように乾燥処理が一時中断することは、
乾燥不良の原因の一つとなり得る。
【0141】装置117では、IPA蒸気の温度および
濃度の低下が抑えられるので、乾燥処理が一時中断する
ことに由来する乾燥不良が抑制される。すなわち、乾燥
むらのない、良好な乾燥処理を実現することが可能とな
る。しかも、乾燥処理に要する時間を短縮して、作業効
率を高めることも可能となる。
【0142】コントローラ120が、ヒータ10の出力
を高める時期は、洗浄水88へと処理対象物が投入され
たことをセンサ130が検出した時期と、必ずしも同時
でなくてもよい。例えば、センサ130によって、処理
対象物が洗浄水88から引き上げられた時期、あるい
は、処理対象物が処理槽11へと投入される時期に相当
するように設定された一定時間の後に、ヒータ10の出
力を高くするように制御が行われてもよい。一般に、処
理槽11の中に投入される処理対象物へと奪われる熱量
を補償可能なように、制御が行われればよい。ヒータ1
0の出力を高く維持する期間の長さも、この目的に沿う
ように、適切に設定される。
【0143】<14.変形例>以上に述べた実施の形態1
〜12の各々は、適宜、組み合わせて実施することが可
能である。図26にその一例を示す。すなわち、図26
に示される装置118は、実施の形態1の装置101
(図1)と同様に、蒸気充填部45の内壁面をIPA液
の流れ29で覆うように構成されている。装置118
は、それと同時に、実施の形態4の装置106(図8)
と同様に、液貯留部46に貯留されるIPA液7の中
へ、処理対象物としての半導体ウェハ3およびカセット
4を浸漬可能なように構成されている。
【0144】この装置118においても、蒸気充填部4
5の内壁面がIPA液の流れ29で覆われるので、装置
101と同様に、蒸気充填部45の内壁面へのIPA蒸
気5の無用な凝縮が抑えられるので、IPA蒸気5の濃
度の低下の問題が緩和され、処理対象物における乾燥不
良が、装置106よりもさらに抑えられるという利点が
得られる。
【0145】
【発明の効果】第1の発明の装置では、ノズルに溶媒液
を供給することによって、処理槽の側壁の内側表面を覆
う溶媒液の流れを生成することができる。それによっ
て、側壁の内側表面への溶媒液の蒸気の無用な凝縮を抑
えることが可能となる。その結果処理対象物への蒸気の
凝縮効率が高められ、乾燥不良が抑制される。
【0146】第2の発明の装置では、溶媒液がノズルへ
循環的に供給されるので、溶媒液の供給に要するコスト
が節減される。
【0147】第3の発明の装置では、ノズルから流出す
る溶媒液が、ヒータによって加熱されるので、流出する
溶媒液への蒸気の無用な凝縮が抑制される。このため、
蒸気が、処理対象物の表面への凝縮に、さらに有効に利
用される。したがって、処理対象物の乾燥不良がさらに
抑制される。
【0148】第4の発明の装置では、溶媒液があらかじ
め加熱された後に、ノズルへと供給されるので、溶媒液
がノズルら流出したときには、溶媒液は、すでに昇温さ
れている。したがって、ノズルから流出する溶媒液への
蒸気の凝縮が、さらに効果的に抑制される。その結果、
蒸気が、処理対象物の表面への凝縮に、さらに有効に利
用されるので、処理対象物の乾燥不良が一層抑制され
る。
【0149】第5発明の装置では、処理対象物を処理槽
の底部に貯留される溶媒液の中に浸漬することによっ
て、表面に付着した水滴が除去され、その後、処理槽の
中に充満する蒸気に晒すことによって残留する溶媒液の
除去が行われる。このため、投入される処理対象物の数
量の変動、充満する蒸気の流れの変動などに由来する蒸
気の凝縮量の不足によって、乾燥不良が引き起こされる
ことがなく、安定した乾燥処理が実現する。
【0150】第6の発明の装置では、処理対象物の乾燥
処理にともなって水分の混入を受ける溶媒液が、循環的
に再処理されるので、溶媒液おける水分の濃度の上昇が
抑えられる。このため、溶媒液を新たに供給することな
く、長期間にわたって処理対象物の乾燥処理を反復的に
実行することが可能となる。その結果、溶媒液を交換す
るための装置のダウンタイムが短縮され、乾燥処理の能
率が向上する。
【0151】第7の発明の装置では、分離膜を備えた分
離手段が用いられるので、溶媒液の再処理が、簡単な構
成で、しかも、加熱などのエネルギー消費をともなうこ
となく、実現する。
【0152】第8発明の装置では、蒸留手段が用いられ
るので、溶媒液の再処理が、簡単な構成で実現する。
【0153】第9の発明の装置では、処理対象物が開口
部を通じて外部から処理槽へと投入されるときに、冷却
手段によって冷却された非反応性ガスの噴流を、噴出手
段によって生成することが可能である。すなわち、処理
対象物は、非反応性ガスの噴流によってあらかじめ冷却
された後に、処理槽の中に充満する溶媒液の蒸気の中を
通過して、溶媒液の中へと浸漬される。冷却された処理
対象物が溶媒液の蒸気の中を通過するときには、処理対
象物の表面に、溶媒液の蒸気が多量かつ均一に凝縮す
る。その結果、溶媒液への投入の前に、表面に付着する
水滴の多くが、あらかじめ除去される。このため、さら
に乾燥むらのない、良好な乾燥処理が実現する。
【0154】第10の発明の装置では、処理対象物が、
噴出手段によって生成される噴流を横切って外部から処
理槽の内部へと投入されるときに限って、冷却された非
反応性ガスの噴流が生成される。このため、良好な乾燥
処理が実現するとともに、冷却された非反応性ガスの使
用量が節減され、処理に要するコストを引き下げること
ができる。
【0155】第11の発明の装置では、処理対象物が、
開口部を通じて外部から処理槽の中へと投入される直前
に、冷却された空気の中を通過する。このため、処理対
象物は、あらかじめ冷却された後に、処理槽の中に充満
する溶媒液の蒸気の中を通過して、溶媒液の中へと浸漬
されることとなる。冷却された処理対象物が溶媒液の蒸
気の中を通過するときには、処理対象物の表面に、溶媒
液の蒸気が多量かつ均一に凝縮するので、溶媒液への投
入の前に、表面に付着する水滴の多くが、あらかじめ除
去される。このため、さらに乾燥むらのない、良好な乾
燥処理が実現する。
【0156】第12の発明の装置では、冷却手段によっ
て開口部付近の内側が冷却されるので、処理槽の中に充
満する溶媒液の蒸気が外部へと放散するのを防止するこ
とができる。しかも、冷却手段が十分な冷却能力を有し
ているので、処理対象物は開口部を通じて処理槽の中へ
と投入されるときに冷却される。すなわち、処理対象物
は、あらかじめ冷却された後に、処理槽の中に充満する
溶媒液の蒸気の中を通過して、溶媒液の中へと浸漬され
ることとなる。冷却された処理対象物が溶媒液の蒸気の
中を通過するときには、処理対象物の表面に、溶媒液の
蒸気が多量かつ均一に凝縮するので、溶媒液への投入の
前に、表面に付着する水滴の多くが、あらかじめ除去さ
れる。このため、さらに乾燥むらのない、良好な乾燥処
理が実現する。
【0157】第13の発明の装置では、処理対象物を、
洗浄処理の最終工程として、洗浄槽に貯留され冷却手段
で冷却された洗浄水へ浸漬した後に、開口部を通じて処
理槽の内部へと投入することが可能である。そうするこ
とによって、処理対象物は、あらかじめ冷却された後
に、処理槽の中に充満する溶媒液の蒸気の中を通過し
て、溶媒液の中へと浸漬されることとなる。冷却された
処理対象物が溶媒液の蒸気の中を通過するときには、処
理対象物の表面に、溶媒液の蒸気が多量かつ均一に凝縮
するので、溶媒液への投入の前に、表面に付着する水滴
の多くが、あらかじめ除去される。このため、さらに乾
燥むらのない、良好な乾燥処理が実現する。
【0158】第14の発明の装置では、処理対象物は、
処理槽の中へ投入されると、ノズルから噴出される溶媒
液のミストを浴びる。その結果、処理対象物の表面へ溶
媒液の蒸気が凝縮するよりも速く、溶媒液のミストによ
って、大量の溶媒液が表面へと供給される。このため、
乾燥むらのない、良好な乾燥処理が実現する。しかも、
乾燥処理に要する時間を短縮して、作業効率を高めるこ
とが可能となる。さらに、加熱手段による溶媒液の昇温
を、比較的低く抑えて、安全性を高めることも可能とな
る。
【0159】第15の発明の装置では、水洗槽から移送
され処理槽へと投入される処理対象物によって、処理槽
に充満する蒸気が奪われる熱量が補償されるように、加
熱手段の出力が制御されるので、処理対象物の投入にと
もなう溶媒液の蒸気の温度および濃度の低下が抑えられ
る。このため、乾燥処理が一時中断することに由来する
乾燥不良が抑制され、乾燥むらのない、良好な乾燥処理
が実現する。しかも、乾燥処理に要する時間を短縮し
て、作業効率を高めることが可能となる。
【0160】第16の発明の装置では、噴出手段へ、ガ
スとして非反応性ガスを供給することによって、非反応
性ガスの噴流が生成され、その結果、処理槽の開口部を
覆う一種のカーテンが形成される。さらに、処理槽の側
壁が、湾曲部を有しているので、溶媒液から発生した蒸
気の外部への流出が、非反応性ガスのカーテンによって
効果的に阻まれる。このため、従来装置が必要とした冷
却コイルが不要となるので、処理槽の内部に充満する蒸
気の状態が安定する。その結果、処理対象物の乾燥不良
が、さらに効果的に抑制される。また、冷却コイルの設
置に要した処理槽の上層部が不要となるので、装置の小
型化が実現する。さらに、複雑で高価な冷却コイルが不
要であるために、装置の製造コストおよび補修コストの
節減、補修の迅速化が実現する。
【0161】第17の発明の方法では、処理対象物を処
理槽の底部に貯留される溶媒液の中に浸漬することによ
って、表面に付着した水滴が除去され、その後、処理槽
の中に充満する蒸気に晒すことによって残留する溶媒液
の除去が行われる。このため、投入される処理対象物の
数量の変動、充満する蒸気の流れの変動などに由来する
蒸気の凝縮量の不足によって、乾燥不良が引き起こされ
ることがなく、安定した乾燥処理が実現する。
【0162】第18の発明の方法では、処理対象物は、
あらかじめ冷却された後に、処理槽の中に充満する溶媒
液の蒸気の中を通過して、溶媒液の中へと浸漬される。
冷却された処理対象物が溶媒液の蒸気の中を通過すると
きには、処理対象物の表面に、溶媒液の蒸気が多量かつ
均一に凝縮するので、溶媒液への投入の前に、表面に付
着する水滴の多くが、あらかじめ除去される。このた
め、さらに乾燥むらのない、良好な乾燥処理が実現す
る。
【0163】第19の発明の方法では、処理対象物は、
冷却された洗浄水によって水洗されるとともに冷却され
た後に、処理槽の中に充満する溶媒液の蒸気の中を通過
して、溶媒液の中へと浸漬される。冷却された処理対象
物が溶媒液の蒸気の中を通過するときには、処理対象物
の表面に、溶媒液の蒸気が多量かつ均一に凝縮するの
で、溶媒液への投入の前に、表面に付着する水滴の多く
が、あらかじめ除去される。このため、さらに乾燥むら
のない、良好な乾燥処理が実現する。
【0164】第20の発明の方法では、第1〜第4、第
14〜第16の発明の装置の中のいずれかを用いて、処
理対象物に対する乾燥処理が行われる。このため、乾燥
処理工程の中で、処理対象物の表面は、十分な量の溶媒
液の供給を受ける。その結果、処理対象物の乾燥不良が
抑制され、良好な処理結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の装置の斜視断面図である。
【図2】 各実施の形態の基礎となる装置の正面断面図
である。
【図3】 実施の形態1の装置の正面断面図である。
【図4】 実施の形態1の別の装置例の正面断面図であ
る。
【図5】 実施の形態2の装置の正面断面図である。
【図6】 実施の形態3の装置の正面断面図である。
【図7】 実施の形態3の別の装置例の正面断面図であ
る。
【図8】 実施の形態4の装置の正面断面図である。
【図9】 実施の形態4の装置を用いた処理の工程図で
ある。
【図10】 実施の形態4の装置を用いた処理の工程図
である。
【図11】 実施の形態5の装置の正面断面図である。
【図12】 実施の形態6の装置の正面断面図である。
【図13】 実施の形態7の装置の正面断面図である。
【図14】 実施の形態8の装置の正面断面図である。
【図15】 実施の形態8の装置を用いた処理の工程図
である。
【図16】 実施の形態8の装置を用いた処理の工程図
である。
【図17】 実施の形態8の別の装置例の正面断面図で
ある。
【図18】 実施の形態8のさらに別の装置例の構成を
示す図である。
【図19】 実施の形態9の装置の正面断面図である。
【図20】 実施の形態9の装置を用いた処理の工程図
である。
【図21】 実施の形態10の装置の正面断面図であ
る。
【図22】 実施の形態11の装置の正面断面図であ
る。
【図23】 実施の形態11の装置を用いた処理の工程
図である。
【図24】 実施の形態11の別の装置例の正面断面図
である。
【図25】 実施の形態12の装置の構成を示す図であ
る。
【図26】 変形例の装置を示す正面断面図である。
【図27】 従来の装置の正面断面図である。
【符号の説明】
3 半導体ウェハ(処理対象物)、4 カセット(処理
対象物)、5 IPA蒸気(蒸気)、7 IPA液(溶
媒液)、10 ヒータ(加熱手段)、11,90,99
処理槽、13 ノズル(噴出手段)、14 排気部材
(排気手段)、18 窒素ガス供給装置(非反応性ガス
供給手段、常温ガス供給手段)、19配管、21 噴
流、22 開口部、34 ノズル、29 流れ、36
液受け部(液回収手段)、41 ポンプ(循環手段)、
40 ヒータ、42 ヒータ(加熱器)、53 水/I
PA分離ユニット(分離手段,再処理手段)、57 I
PA蒸留ユニット(蒸留手段)、71,80,93 冷
却器(冷却手段)、73切替バルブ、75 冷却窒素ガ
ス供給装置(冷却ガス供給手段)、72 コントローラ
(制御手段)、87 処理槽(水洗槽)、92 冷却コ
イル(冷却手段)、97 ミスト噴霧ノズル(ノズ
ル)、113 冷却水洗装置(冷却水洗手段)、120
コントローラ(制御手段)、121 センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 健 兵庫県伊丹市瑞原四丁目1番地 菱電セミ コンダクタシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 伴 功二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小西 瞳子 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 横井 直樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性の溶媒液を用いて処理対象物の表
    面を乾燥させるための乾燥装置において、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒液を貯
    留可能であるとともに、貯留された当該溶媒液の上方に
    おいて前記処理対象物を収容可能な処理槽と、 前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可
    能な加熱手段と、 貯留される前記溶媒液が加熱されることによって当該溶
    媒液から発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理
    槽の内部から外部へと放散することを防止するための放
    散防止手段と、 前記溶媒液の供給を受けることによって、前記処理槽の
    側壁の内側表面に沿って、当該内側表面を覆うように流
    れる前記溶媒液の流れを生成するノズルと、 前記内側表面に沿って流れた後の前記溶媒液を回収し、
    前記処理槽の外部へと導く液回収手段と、 を備える乾燥装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の乾燥装置において、 前記液回収手段によって回収された前記溶媒液を、再び
    前記ノズルへと戻すことにより、当該ノズルへ前記溶媒
    液を循環的に供給する循環手段を、さらに備える乾燥装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の乾燥装
    置において、 前記処理槽の前記側壁の外側表面に取り付けられ、前記
    溶媒液の前記流れを加熱可能なヒータを、さらに備える
    乾燥装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の乾燥装置において、 前記循環手段が、 前記液回収手段によって回収された前記溶媒液を、当該
    溶媒液が前記ノズルへと戻されるのに先だって、加熱す
    る加熱器を、備える乾燥装置。
  5. 【請求項5】 水溶性の溶媒液を用いて処理対象物の表
    面を乾燥させるための乾燥装置において、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒液を貯
    留可能であり、しかも、貯留される当該溶媒液の中に前
    記処理対象物を浸漬可能であるとともに、貯留される前
    記溶媒液の上方においても前記処理対象物を収容可能な
    処理槽と、 前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可
    能な加熱手段と、 貯留される前記溶媒液が加熱されることによって当該溶
    媒液から発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理
    槽の内部から外部へと放散することを防止するための放
    散防止手段と、 を備える乾燥装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の乾燥装置において、 前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を回収
    し、回収された当該溶媒液から水分を除去した上で、再
    び前記処理槽へと戻すことにより、貯留される前記溶媒
    液を循環的に再処理する再処理手段を、さらに備える乾
    燥装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の乾燥装置において、 前記再処理手段が、水と前記溶媒液とを分離する分離膜
    によって、前記溶媒液から水分を除去する分離手段、を
    備える乾燥装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の乾燥装置において、 前記再処理手段が、回収された前記溶媒液を蒸留するこ
    とによって、前記溶媒液から水分を除去する蒸留手段、
    を備える乾燥装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし請求項8のいずれかに記
    載の乾燥装置において、 前記放散防止手段が、前記開口部を挟んで互いに対向す
    るように設けられる、噴出手段と排気手段と、を備え、 前記排気手段は、前記噴出手段に向かって開口する排気
    口を規定し、 前記噴出手段は、ガスの供給を受けることによって、前
    記排気口へ向かうとともに前記開口部を覆う前記ガスの
    噴流を生成可能であり、 前記排気手段は、前記排気口を通じて吸引した前記ガス
    を外部へと排出可能であり、 前記処理槽の側壁が、下方から前記開口部へと接近する
    にしたがって、内側へと滑らかに湾曲する湾曲部を有し
    ており、 前記乾燥装置は、 前記噴出手段に接続された配管と、 当該配管を通じて前記噴出手段へ接続され、当該噴出手
    段へ非反応性ガスを供給するための非反応性ガス供給手
    段と、 前記配管の少なくとも一部に設けられ、前記配管を流れ
    る前記非反応性ガスを冷却するための冷却手段と、 をさらに備える乾燥装置。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし請求項8のいずれかに
    記載の乾燥装置において、 前記放散防止手段が、前記開口部を挟んで互いに対向す
    るように設けられる、噴出手段と排気手段と、を備え、 前記排気手段は、前記噴出手段に向かって開口する排気
    口を規定し、 前記噴出手段は、ガスの供給を受けることによって、前
    記排気口へ向かうとともに前記開口部を覆う前記ガスの
    噴流を生成可能であり、 前記排気手段は、前記排気口を通じて吸引した前記ガス
    を外部へと排出可能であり、 前記処理槽の側壁が、下方から前記開口部へと接近する
    にしたがって、内側へと滑らかに湾曲する湾曲部を有し
    ており、 前記乾燥装置は、 出力が前記噴出手段へと連結されており、切替え自在に
    複数の入力の一つを選択して出力へと連通させる切替バ
    ルブと、 常温の非反応性ガスを供給するための常温ガス供給手段
    と、 冷却された非反応性ガスを供給するための冷却ガス供給
    手段と、 前記切替バルブの切替え動作を制御する制御手段と、を
    さらに備え、 前記複数の入力の一つに前記常温ガス供給手段が接続さ
    れ、 前記複数の入力の他の一つに前記冷却ガス供給手段が接
    続され、 前記制御手段は、前記処理対象物が前記噴出手段によっ
    て生成される前記噴流を横切って前記処理槽の内部へ投
    入されるときに限って、前記噴流が冷却された前記非反
    応性ガスの噴流となるように、前記切替えバルブを制御
    する乾燥装置。
  11. 【請求項11】 請求項5ないし請求項8のいずれかに
    記載の乾燥装置において、 前記処理槽の前記開口部の上方の空気を冷却する冷却手
    段を、さらに備える乾燥装置。
  12. 【請求項12】 請求項5ないし請求項8のいずれかに
    記載の乾燥装置において、 前記放散防止手段が、 前記開口部に近接した前記処理槽の部分に設けられ、前
    記開口部を通じて前記処理槽の中へと投入される前記処
    理対象物を冷却可能な程度に、前記処理槽の前記開口部
    付近の内側を冷却する冷却手段を、備える乾燥装置。
  13. 【請求項13】 請求項5ないし請求項8のいずれかに
    記載の乾燥装置において、 前記処理槽に隣接して設置された冷却水洗手段を、さら
    に備え、 当該冷却水洗手段は、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、洗浄水を貯留可能であり、し
    かも、貯留される当該洗浄水の中に前記処理対象物を浸
    漬可能である水洗槽と、 前記水洗槽に取り付けられ、前記洗浄水を冷却するため
    の冷却手段と、 を備える乾燥装置。
  14. 【請求項14】 水溶性の溶媒液を用いて処理対象物の
    表面を乾燥させるための乾燥装置において、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒液を貯
    留可能であるとともに、貯留された当該溶媒液の上方に
    おいて前記処理対象物を収容可能な処理槽と、 前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可
    能な加熱手段と、 貯留される前記溶媒液が加熱されることによって当該溶
    媒液から発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理
    槽の内部から外部へと放散することを防止するための放
    散防止手段と、 前記溶媒液の供給を受けることによって、前記処理槽の
    内部に前記溶媒液をミスト状に噴出するノズルと、 を備える乾燥装置。
  15. 【請求項15】 水溶性の溶媒液を用いて処理対象物の
    表面を乾燥させるための乾燥装置において、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒液を貯
    留可能であるとともに、貯留された当該溶媒液の上方に
    おいて前記処理対象物を収容可能な処理槽と、 前記処理槽の前記底部に貯留される前記溶媒液を加熱可
    能な加熱手段と、 貯留される前記溶媒液が加熱されることによって当該溶
    媒液から発生する蒸気が、前記開口部を通じて前記処理
    槽の内部から外部へと放散することを防止するための放
    散防止手段と、 前記処理槽に隣接して設置された冷却水洗手段と、 前記加熱手段を制御する制御手段と、 を備え、 当該冷却水洗手段は、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、洗浄水を貯留可能であり、し
    かも、貯留される当該洗浄水の中に前記処理対象物を浸
    漬可能である水洗槽と、 前記水洗槽に取り付けられ、当該水洗槽に前記処理対象
    物が存在するか否かを検出し、検出信号を前記制御手段
    へと送出するセンサと、を備え、 前記制御手段は、前記検出信号に応答して、前記水洗槽
    から移送され前記処理槽へと投入される前記処理対象物
    によって、前記処理槽に充満する前記蒸気が奪われる熱
    量を、補償するように、前記加熱手段の出力を制御する
    乾燥装置。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項8、または、請
    求項11ないし請求項15のいずれかに記載の乾燥装置
    において、 前記放散防止手段が、前記開口部を挟んで互いに対向す
    るように設けられる、 噴出手段と排気手段と、を備え、 前記排気手段は、前記噴出手段に向かって開口する排気
    口を規定し、 前記噴出手段は、ガスの供給を受けることによって、前
    記排気口へ向かうとともに前記開口部を覆う前記ガスの
    噴流を生成可能であり、 前記排気手段は、前記排気口を通じて吸引した前記ガス
    を外部へと排出可能であり、 前記処理槽の側壁が、下方から前記開口部へと接近する
    にしたがって、内側へと滑らかに湾曲する湾曲部を有し
    ている乾燥装置。
  17. 【請求項17】 水溶性の溶媒液を用いて処理対象物の
    表面を乾燥させるための乾燥方法において、 前記処理対象物を出し入れ可能で上方向を向いて開口す
    る開口部を上部に規定し、底部において前記溶媒液を貯
    留可能であり、しかも、貯留される当該溶媒液の中に前
    記処理対象物を浸漬可能であるとともに、貯留される前
    記溶媒液の上方においても前記処理対象物を収容可能な
    処理槽を準備する工程と、 前記処理対象物を浸漬可能な量の前記溶媒液を、前記処
    理槽の底部に貯留する工程と、 貯留された前記溶媒液を加熱して、当該溶媒液の前記蒸
    気を前記処理槽の中に充満させる工程と、 前記処理対象物を、前記開口部を通じて外部から前記処
    理槽の中へと投入する投入工程と、 投入された前記処理対象物を、貯留される前記溶媒液へ
    と向かって、充満する前記蒸気の中を下降させる下降工
    程と、 前記処理対象物を、貯留される前記溶媒液の中に浸漬さ
    せることにより、前記処理対象物の表面に付着する水分
    を除去する工程と、 前記処理対象物を、前記溶媒液の中から引き上げ、充満
    する前記蒸気に晒すことにより、前記処理対象物の表面
    に残留する前記溶媒液を除去する工程と、 前記処理対象物を、前記開口部を通じて前記処理槽の中
    から外部へと取り出す工程と、 を備える乾燥方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の乾燥方法におい
    て、 前記下降工程に先だって、前記処理対象物を冷却する工
    程を、さらに備える乾燥方法。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の乾燥方法におい
    て、 前記投入工程に先立って、前記処理対象物を、冷却され
    た洗浄水に浸漬して水洗する工程を、さらに備える乾燥
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし請求項4、または、請
    求項14ないし請求項16のいずれかに記載の乾燥装置
    を用いて前記処理対象物の表面を乾燥させる乾燥方法に
    おいて、 前記乾燥装置を準備する工程と、 前記処理槽の中に前記溶媒液を供給することにより、前
    記処理槽の中の一部に前記溶媒液を貯留する工程と、 前記加熱手段を駆動することにより、前記溶媒液を加熱
    する工程と、 前記開口部を通過させることにより、前記処理対象物を
    前記処理槽の中へと挿入する工程と、 挿入された前記処理対象物を、前記溶媒液の液面の上方
    に保持しつつ、加熱された前記溶媒液の前記蒸気によっ
    て、前記処理対象物の表面を乾燥させる乾燥処理工程
    と、 当該乾燥処理工程の後に、前記開口部を通過させること
    によって、前記処理対象物を前記処理槽の外部へと取り
    出す工程と、 を備える乾燥方法。
JP9132046A 1997-05-22 1997-05-22 乾燥装置および乾燥方法 Pending JPH10321585A (ja)

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