JP6109785B2 - ジベンジルアミン構造を有するピリミジン化合物の新規形態 - Google Patents

ジベンジルアミン構造を有するピリミジン化合物の新規形態 Download PDF

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Description

本発明は、脂質異常症などの疾患の予防及び/又は治療に有用なジベンジルアミン構造を有するピリミジン化合物である、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸の新規形態に関する。
下記式(1):
で表される、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸(以下、本明細書において、ピリミジン化合物(1)と表記する場合がある。)は、コレステロールエステル転送タンパク(CETP:Cholesteryl ester transfer protein)阻害作用、プロタンパク質コンバターゼサブチリシン/ケキシン9型(PCSK9:Proprotein convertase subtilisin/kexin 9)タンパク量低下作用等を有し、脂質異常症などの疾患の予防や治療に有用であることが知られている(特許文献1、2、3)。
ピリミジン化合物(1)については、これまでに特許文献1 実施例45においてそのラセミ体が淡黄色油状物として得られた旨開示されているほか、特許文献2 実施例1や特許文献3 製造例2において白色アモルファスとして得られた旨開示されている。
しかしながら、ピリミジン化合物(1)の結晶については、これまでに報告されていない。
一般に、医薬品の有効成分として利用可能な低分子化合物について結晶化手法が確立出来れば、再結晶化により純度を向上させることができるため、高純度の医薬品を提供することが可能となる。また、非晶質や非結晶性固体等の結晶性に劣る形態と比較して結晶は均質性に優れ、溶解性等にバラつきが生じ難いため、均質な医薬品の提供が可能となる。さらに、結晶は通常固体であって取扱いが容易であるため、医薬品製剤の製造時に有利である。
以上のような利点から、一般に、医薬品の有効成分として利用可能な低分子化合物を結晶の形態とすることが望まれる。しかしながら、化合物の結晶形成は予測性が極めて低く、結晶形成の可否・結晶形成の条件等については実際に検討してみなければ全く分からないのが実情である。
国際公開第2008/129951号 国際公開第2011/152508号 国際公開第2012/046681号
本発明は、脂質異常症などの疾患の予防及び/又は治療に有用なピリミジン化合物(1)の新規形態を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明者らはまずピリミジン化合物(1)のフリー体の結晶化を鋭意検討した。しかしながら、ピリミジン化合物(1)をフリー体の状態で結晶化することは困難であり、種々の条件下で検討するも結晶を得ることが出来なかった。
そこで、本発明者らは、ピリミジン化合物(1)を種々の塩とした上で結晶化を更に鋭意検討したところ、ピリミジン化合物(1)の硫酸塩やアルギニン塩等、さらにはハロゲン化水素酸塩の一種である臭化水素酸塩では結晶化できなかったのに対し、ピリミジン化合物(1)を、同じくハロゲン化水素酸塩の一種である塩酸塩とした場合に特異的に、熱安定性に優れた結晶が得られ、当該結晶を用いれば安定な医薬組成物が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は例えば、以下の発明に関する。
[1](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸の塩酸塩。
[2]1塩酸塩である、[1]記載の塩酸塩。
[3](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶。
[4]1塩酸塩である、[3]記載の結晶。
[5]銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する、[3]又は[4]記載の結晶。
[6]銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、[3]又は[4]記載の結晶。
[7]銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、[3]又は[4]記載の結晶。
[8]銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する、[3]又は[4]記載の結晶。
[9]銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、図1に示されたものと実質的に同一である、[3]又は[4]記載の結晶。
[10]示差熱分析(DTA)において、162±5.0℃付近に吸熱ピークを有する、[3]〜[9]のいずれかに記載の結晶。
[11]熱分析測定(示差熱分析(DTA)及び熱質量測定(TG))結果が、図2に示されたものと実質的に同一である、[3]〜[9]のいずれかに記載の結晶。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物を含有する医薬組成物。
[13]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物、及び製薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
[14]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物を、製薬上許容される担体と混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
[15]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物の、医薬組成物の製造のための使用。
[16]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物の、医薬組成物の製造原料としての使用。
[17]医薬組成物の製造に使用するための、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物。
[18]医薬組成物の製造原料として使用するための、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の化合物。
本発明に係るピリミジン化合物(1)の塩酸塩は、結晶化の困難なピリミジン化合物(1)の結晶形成の原料として利用できる。
また、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は、熱安定性が良好であり、品質の良好な医薬品の製造に有用である。
実施例1中、1−3で得られたピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の粉末X線回折パターンを示す図である。 実施例1中、1−3で得られたピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の熱分析測定(TG−DTA測定)データを示す図である。
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸(ピリミジン化合物(1))は、前記式(1)で表されるものであり、そのフリー体は例えば特許文献2、特許文献3に開示されている。これらの文献の記載は、本明細書において参照により引用する。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩において、塩酸の数は特に限定されず、1塩酸塩、2塩酸塩、3塩酸塩及び4塩酸塩のいずれでもよく、さらにこれらの混合物であってもよいが、安定な酸付加塩として得られる点から1塩酸塩が好ましい。
本発明において、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩としては、下記式(2):
で表される、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 1塩酸塩が好ましい。
ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、その具体的な結晶形は特に限定されず、異なる結晶形のいずれでもよく、また、これらの混合物であってもよく、さらに、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の非晶質との混合物であってもよい。
ピリミジン化合物(1) 塩酸塩が結晶であるか否かは、例えばX線回折測定(具体的には、粉末X線回折測定等)、熱分析測定(具体的には、示差熱分析法(DTA)、示差走査熱量測定法(DSC)等)、偏光性の確認(具体的には、偏光顕微鏡による観察等)、固体NMR測定など、結晶性を判断する公知の方法により確認できる。例えば、ある固体状のピリミジン化合物(1) 塩酸塩について銅Kα線の照射による粉末X線回折測定を行い、明確なピークが観察される場合には、そのピリミジン化合物(1) 塩酸塩は結晶であると確認できる。なお、結晶性を判断する方法(粉末X線回折測定法、熱分析法など)は、日本薬局方、米国薬局方、欧州薬局方等の記載を参考に実施できる。
また、これらの結晶の確認は他の成分の共存下で行ってもよい。例えば、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩、及び製薬上許容される担体を含有する固形状の医薬組成物(錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など)においては、固形状の医薬組成物を必要に応じて粉砕し、X線回折測定を行い、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩由来のピークが観察される場合には、そのピリミジン化合物(1)の塩酸塩は結晶であると確認できる。
本発明において、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、銅Kα線を照射した場合に得られる粉末X線回折パターンが、少なくとも14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する結晶が好ましく、少なくとも20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がより好ましく、少なくとも18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がさらに好ましく、少なくとも14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有する結晶がさらにより好ましく、図1に示されたものと実質的に同一である結晶が特に好ましい。
また、別の観点から、本発明において、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶としては、示差熱分析(DTA)において約162±5℃付近に吸熱ピークを有する結晶が好ましく、熱分析測定(示差熱分析(DTA)及び熱質量測定(TG))結果が図2に示されたものと実質的に同一である結晶がより好ましい。
なお、本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩やその結晶は、水和物などの溶媒和物であってもよく、無水物などの非溶媒和物であってもよいが、無水物であるのが好ましい。
本発明において、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩及びその結晶は、例えば、それぞれ以下の工程:
(工程1)ピリミジン化合物(1)のフリー体からの、塩酸塩の形成
(工程2)ピリミジン化合物(1)の塩酸塩からの、結晶の形成
により製造することができる。
以下、各工程に分けて詳述するが、本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩やその結晶の製造方法は、以下に記載の方法に何ら限定されるものではない。
<工程1:ピリミジン化合物(1)のフリー体からの、塩酸塩の形成>
本工程は、溶媒存在下、ピリミジン化合物(1)と塩化水素を共存させて塩酸塩を形成する工程である。具体的には、本工程は、ピリミジン化合物(1)のフリー体を溶媒に溶解し、塩化水素を供給して塩形成を行う工程である。
本工程において、出発原料となるピリミジン化合物(1)のフリー体は、例えば、特許文献2に記載の方法に従って製造することができる。
本工程は、溶媒の存在下で行う。溶媒としては、塩酸塩形成に関与しないものであれば特に制限は無いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、3−ペンタノン等のケトン類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類が挙げられ、これらを単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。なお、2種以上の溶媒を用いる場合には、これらを混合した後にピリミジン化合物(1)を溶解させてもよいし、1種の溶媒にピリミジン化合物(1)を溶解させた後に、残りの溶媒を加えてもよい。
溶媒としては、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルから選ばれる1種以上が好ましく、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン及び酢酸イソプロピルから選ばれる1種以上がより好ましく、tert−ブチルメチルエーテル又は酢酸イソプロピルが特に好ましい。
溶媒の量は特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)のフリー体の重量に対する容量比として、1〜20倍量(V/W)、好ましくは5〜15倍量(V/W)を用いればよい。
塩化水素の供給源は特に制限されず、塩化水素ガスを溶液中に直接吹き込むほか、入手容易な濃塩酸、4M HCl/酢酸エチル溶液、4M HCl/1,4−ジオキサン溶液等を利用できる。
塩化水素の量は、特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)のフリー体に対して、1〜5モル当量が好ましく、1〜4モル当量が特に好ましい。
塩形成の温度は、特に制限は無いが、通常−50〜150℃の範囲であり、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜40℃である。塩形成に要する時間は、特に制限は無いが、通常5分〜48時間であり、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは30分〜3時間である。
生成したピリミジン化合物(1)の塩酸塩は単離できる。この場合においては、固体として析出した塩を、濾過などの当該技術分野で通常用いられる方法により単離し、さらに必要に応じて当該技術分野で通常用いられる方法で乾燥させればよい。乾燥手段は特に限定されず、加熱及び/又は減圧条件下での乾燥等が挙げられる。乾燥温度は50℃以下が好ましく、40〜50℃がより好ましい。乾燥時間は1〜24時間が好ましく、6〜12時間がより好ましい。
<工程2:ピリミジン化合物(1)の塩酸塩からの、結晶の形成>
本工程は、溶媒存在下、工程1で得られたピリミジン化合物(1)の塩酸塩(例えば、非晶質のもの)を結晶化する工程である。具体的には、本工程は、工程1で得られたピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に添加し、必要に応じて加熱等して溶解し、その後冷却等して結晶化を行う工程である。
本工程は、溶媒の存在下で行う。溶媒としては例えば、2−プロパノールとヘプタンの混液、又はメチルエチルケトンとヘプタンの混液が挙げられ、2−プロパノールとヘプタンの混液が好ましい。溶媒の混合比率は特に限定されないが、2−プロパノール又はメチルエチルケトンの容量に対する容量比として、ヘプタンを0.1〜2倍量(V/V)、好ましくは0.2〜1倍量(V/V)用いればよい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶解する場合、あらかじめ溶媒を混合した後にピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶解させてもよいが、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を2−プロパノール又はメチルエチルケトンに溶解させた後、ヘプタンを添加するのが好ましい。
溶媒の量は特に制限は無いが、混合溶媒総量として、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩の重量に対する容量比として、1〜20倍量(V/W)、好ましくは、5〜10倍量(V/W)を用いればよい。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶かす際の温度は、特に制限は無いが、通常40〜100℃の範囲で行えばよく、好ましくは50〜80℃である。
ピリミジン化合物(1)の塩酸塩の結晶化の温度は、特に制限は無いが、通常5〜40℃の範囲で行えばよく、好ましくは10〜35℃、より好ましくは10〜30℃、特に好ましくは15〜25℃である。なお、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶かす際の温度と、結晶化の温度に乖離がある場合は、温度差に応じて、適宜1〜10時間程度でゆっくりと冷却すればよい。
結晶化に要する時間は、特に制限は無いが、通常1時間以上、好ましくは6〜24時間、より好ましくは8〜16時間である。
析出したピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は、濾過などの当該技術分野で通常用いられる方法で単離し、さらに必要に応じて当該技術分野で通常用いられる方法で乾燥させればよい。乾燥手段は特に限定されず、加熱及び/又は減圧条件下での乾燥等が挙げられる。乾燥温度は50℃以下が好ましく、40〜50℃がより好ましい。乾燥時間は1〜24時間が好ましく、6〜12時間がより好ましい。
なお、工程2は、別途製造したピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶(種晶)の存在下で行ってもよい。この場合、溶媒としては、前記したものに代えて、酢酸イソプロピルを用いてもよい。種晶の量は特に制限は無いが、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩に対して、0.00001〜0.05質量部、好ましくは0.0001〜0.01質量部を用いればよい。
種晶は、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を溶媒に溶解した後に添加するのが好ましい。
さらに、本発明のピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶を製造する場合には、製造工程の簡略化の観点から、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩を単離せず工程1と工程2とを連続して行い、ピリミジン化合物(1)のフリー体から溶媒存在下で塩酸塩の結晶を製造できる。この場合、溶媒としては、酢酸イソプロピルが好ましい。
また、工程1において塩形成のための時間を省略して工程2を行うことも可能である。すなわち、ピリミジン化合物(1)のフリー体を溶媒に溶解し、塩化水素を供給した後、加熱等し、その後冷却等して結晶化を行うことも可能である。
その他の各工程の操作等は、前記したものと同様である。
ピリミジン化合物(1)は、CETP阻害作用、PCSK9タンパク量低下作用等を有する。従って、本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩やその結晶は、脂質異常症、高LDL血症、低HDL血症などの疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬の成分として利用できる。
本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩の結晶は、後記試験例2から明らかなように優れた熱安定性を有し、安定な医薬組成物の成分として特に好適に利用できる。
また、本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩の結晶は優れた熱安定性を有するため、原料として保存する際の安定性も良好であり、医薬組成物の製造原料としても好適に利用できる。斯かる原料としての使用の場合、製造された医薬組成物中において結晶形態が維持されていることは必ずしも要しない。
本発明のピリミジン化合物(1)の塩酸塩、あるいはその結晶を含有する医薬を製造する際には、これらを単独で用いてよいが、好ましくは、経口投与用あるいは非経口投与用の医薬組成物として製造すればよい。経口投与用の医薬組成物としては、具体的には例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等の剤形の医薬組成物が挙げられる。また、非経口投与用の医薬組成物としては、具体的には例えば、注射剤、吸入剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、坐剤、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等の剤形の医薬組成物が挙げられる。
これらの医薬組成物は、製薬上許容される担体(添加物)を加えて製造することができる。こうした添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、希釈剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピリミジン化合物(1)の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、通常成人の場合、ピリミジン化合物(1)のフリー体に換算して、約0.01〜1000mgを1日1〜4回に分けて投与することができる。好ましくは約0.1〜100mgを1日1〜4回に分けて投与することができる。
以下、実施例、試験例等により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。以下の実施例、試験例等において、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸のフリー体(ピリミジン化合物(1)のフリー体)は、特許文献2に記載の方法によって製造することができる。
なお、下記実施例中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:クアルテット(quartet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
1H−NMR:プロトン核磁気共鳴
[試験例1]結晶化条件の検討
各種サンプル(ピリミジン化合物(1)のフリー体、及びその塩類(塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、D−(−)−アルギニン塩、シンコニジン塩))について、以下の方法により結晶化条件を検討した。
なお、ピリミジン化合物(1)の塩酸塩は実施例1中、1−1の工程1記載の方法にて得た。また、他の塩類は、メタノールに溶解したピリミジン化合物(1)のフリー体と、水に溶解した酸又は塩基とを、等モルで混合撹拌した後で溶媒を留去することにより得た。
各種サンプルを4〜100倍量(V/W)の溶媒1に溶解した。得られた溶液に、当該溶液が濁り始めるまで溶媒2を添加した後、所定の操作を行った。その後、溶液の状態を目視により観察し、結晶形成の有無を評価した。
結果を、ピリミジン化合物(1)のフリー体について表1に、塩酸塩について表2に、臭化水素酸塩について表3に、硫酸塩について表4に、D−(−)−アルギニン塩について表5に、シンコニジン塩について表6にそれぞれ示す。
以上の検討結果から、ピリミジン化合物(1)は、塩酸塩とした場合に特異的に結晶が析出することが明らかとなった。
[実施例1](S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶の製造
1−1:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その1
工程1
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸のフリー体 1.1kg(1.35mol)をアルゴン雰囲気下、tert−ブチルメチルエーテル(15.3kg)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、得られた溶液に、16.7%塩酸/1,4−ジオキサン溶液503.9g(塩酸2.31mol)を0〜10℃で滴下した後、同温にて1時間攪拌した。析出した固体をろ取した後、冷却したtert−ブチルメチルエーテル(1.85kg)で洗浄し、40〜50℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質1.14kg(収率100%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H, m),1.30(1H, m),1.50(3H,d,J=6.6Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.8Hz),2.71(1H,m),2.75(1H,brs),2.90(3H,brs),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.67(1H,d,J=17.6Hz),4.80(1H,d,J=17.8Hz),6.24(1H,q,J=6.8Hz),7.10(1H,s),7.33(1H,brs),7.47(1H,d,J=8.3Hz),7.84(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
工程2
工程1で得られた(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質(676mg)を2−プロパノール(1.35mL)に50〜55℃で加熱溶解させた後、ヘプタン(676μL)を50℃で加え、5〜15℃にて14時間密栓静置した。析出した固体をろ取し、40℃にて減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶576mg(収率85%)を得た。
1−2:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その2
前記1−1 工程1記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の非晶質1.14kg(1.35mol)を酢酸イソプロピル(9.98kg)に懸濁し、65〜75℃に加熱し溶解させた。得られた溶液に、同温にて前記1−1 工程2記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶11gを種晶として加え3時間撹拌した。その後、2時間かけて45〜55℃に冷却し、さらに3時間かけて15〜25℃に冷却し、同温にてさらに16時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、酢酸イソプロピル(1720g)で洗浄した後、35〜45℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶1.02kg(収率85%)を得た。
なお、元素分析の結果、以下の通り、得られた塩酸塩は、1塩酸塩であることが明らかとなった。
元素分析結果:
計算値(1塩酸塩として):C 50.91%、H 4.98%、N 6.60%、Cl 4.17%
実測値:C 50.79%、H 4.70%、N 6.40%、Cl 3.94%
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H,m),1.29(1H,m),1.49(3H,d,J=6.8Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.6Hz),2.71(1H,m),2.80−2.90(3H,m),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.65(1H,d,J=16.4Hz),4.78(1H,d,J=17.1Hz),6.23(1H,q,J=6.8Hz),7.09(1H,s),7.29(1H,d,J=8.0Hz),7.45(1H,d,J=7.8Hz),7.83(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
1−3:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の製造 その3
(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸のフリー体16.1kg(19.8mol)をアルゴン雰囲気下、酢酸イソプロピル(124kg)に溶解し、40〜50℃に加熱した。次いで、得られた溶液に、6.3%塩酸/酢酸イソプロピル溶液15.0kg(塩酸25.98mol)を滴下した後、65〜75℃に昇温した。得られた溶液に、同温にて前記1−1 工程2記載の方法によって得た(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶25gを種晶として加え、さらに6.3%塩酸/酢酸イソプロピル溶液7.0kg(塩酸12.08mol)を滴下し、7時間撹拌した。その後、3時間かけて45〜55℃に冷却し、さらに4時間かけて15〜25℃に冷却し、同温にてさらに16時間撹拌した。析出した結晶をろ取した後、酢酸イソプロピル(32.4kg)で洗浄し、40〜50℃で12時間減圧乾燥し、(S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶15.35kg(収率91%)を得た。
なお、元素分析の結果、得られた塩酸塩は、1塩酸塩であることが明らかとなった。
元素分析結果:
計算値(1塩酸塩として):C 50.91%、H 4.98%、N 6.60%、Cl 4.17%
実測値:C 50.82%、H 4.98%、N 6.56%、Cl 4.15%
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.72−0.92(7H,m),1.29(1H,m),1.49(3H,d,J=6.8Hz),1.62−1.70(5H,m),2.02(2H,d,J=6.6Hz),2.71(1H,m),2.80−2.90(3H,m),3.07(3H,s),3.62(2H,t,J=5.5Hz),4.40(2H,t,J=5.7Hz),4.65(1H,d,J=16.4Hz),4.78(1H,d,J=17.1Hz),6.23(1H,q,J=6.8Hz),7.09(1H,s),7.29(1H,d,J=8.0Hz),7.45(1H,d,J=7.8Hz),7.83(2H,s),7.94(1H,s),8.35(2H,s).
1−4:ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶の物性評価
前記1−3で得られた結晶について、下記の通り粉末X線回折測定、及び熱分析測定を行った。
<粉末X線回折測定>
前記1−3で得られた結晶について粉末X線回折の測定を行った。粉末X線回折の測定は、粉砕した結晶サンプルをX線回折用シリコン無反射試料板の試料ホルダー部分に充填し、以下の条件で行った。
粉末X線回折測定装置:RINT−UltimaIV−Protectus((株)リガク製)
X線種:銅Kα線(λ=1.54Å)
回折角2θの走査範囲:3.00°〜40.00°
サンプリング幅:0.02°
スキャン速度:2.00°/分
得られた回折パターンを図1に示す。なお、図1中、縦軸は回折強度(カウント/秒(cps))を、横軸は回折角2θ(°)を示す。
また、相対強度が30以上の主要なピークについて、回折角2θ、半価幅、d値、強度及び相対強度を表7に示す。
図1及び表7から、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近の回折角(2θ)に主要なピークを有することが明らかとなった。
また、18.3±0.2°付近及び20.5±0.2°付近の回折角(2θ)、特に20.5±0.2°付近の回折角(2θ)に強度の強いピークを有することが明らかとなった。
<熱分析測定>
実施例1−3で得られた結晶について熱分析測定を行った。熱分析測定は、サンプル約5mgを熱分析用アルミパンに精密に秤量し、基準物質としてAl23を使用して、窒素雰囲気下(150mL/min)、昇温速度10℃/分とし、熱分析装置Thermo Plus 2 システム(リガク社製)を用いて、示差熱分析法(DTA)及び熱質量測定法(TG)によって行った。
熱分析測定の結果を図2に示す。なお、図2中、縦軸は、DTA曲線に対しては熱電対の熱起電力(μV)を、TG曲線に対しては質量変化(mg)を示し、横軸は温度(℃)を示す。
図2で見られるように、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は、示差熱分析(DTA)において162±5℃付近(詳細には、161.6℃)に吸熱ピークを有するものであった。以上の熱分析測定結果から、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は約162±5℃付近に融点を有するものと考えられた。
[試験例2]熱安定性試験
試験化合物をガラス瓶に入れ、80℃、100℃又は120℃の温度条件下にて一定期間保存した後の試験化合物中のピリミジン化合物(1)の残存率(%)を測定した。
残存率は、試験化合物に含まれるピリミジン化合物(1)の割合を、高速液体クロマトグラフィーを用いてピーク面積百分率として測定した。なお、高速液体クロマトグラフィーによる測定において、カラムとしてはODSカラムを使用し、溶媒としては0.1%TFA水溶液と0.1%TFAアセトニトリル溶液の2種類を混合して使用し、検出波長は242nmとした。
得られたピリミジン化合物(1)の面積百分率より、以下の計算式にて残存率を算出した。
なお、試験化合物としては、実施例1−3で得られた結晶(ピリミジン化合物(1)塩酸塩の結晶)及びピリミジン化合物(1)のフリー体を用いた。
結果を表8に示す。
表8記載の試験結果から、ピリミジン化合物(1) 塩酸塩の結晶は熱安定性に優れることが明らかとなった。
本発明によれば、脂質異常症などの疾患の予防及び/又は治療に有用なピリミジン化合物(1)を、高純度かつ均質で、品質に優れる医薬品の製造に適した形態で提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。

Claims (8)

  1. (S)−トランス−{4−[({2−[({1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5−[2−(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン−2−イル}アミノ)メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル}(エチル)アミノ)メチル]シクロヘキシル}酢酸 塩酸塩の結晶。
  2. 塩酸塩が1塩酸塩である、請求項記載の結晶。
  3. 銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンが、14.0±0.2°付近、18.3±0.2°付近、20.1±0.2°付近、20.5±0.2°付近、21.3±0.2°付近、21.8±0.2°付近、23.3±0.2°付近及び24.0±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有する、請求項1又は2記載の結晶。
  4. 示差熱分析(DTA)において、162±5.0℃付近に吸熱ピークを有する、請求項1又は2記載の結晶。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶、及び製薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶を、製薬上許容される担体と混合する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶の、医薬組成物の製造のための使用。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶の、医薬組成物の製造原料としての使用。
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